(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出装置2(遊技用装置に相当する)及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、貸出装置2及び情報表示装置3は、中継装置4と接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。遊技場にはPOS7や残高精算機8も設置されている。POS7及び残高精算機8も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード9a、モニタ9b(撮像結果表示手段に相当する)、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を受信し、遊技機1、貸出装置2等の稼動状況を管理すると共に、遊技者毎の遊技情報を記憶管理する。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0011】
POS7は、遊技場内の景品交換カウンタに設けられており、遊技場の従業員により操作される。POS7は、カードリーダ(図示せず)を付属しており、遊技者が所有するICカード10(記録媒体に相当する)を当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けたICカード10に記録されている持玉に基づいて景品交換を行う。残高精算機8は、カードリーダ(図示せず)を付属しており、ICカード10を当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けたICカード10に記録されている残高の返却を行う。ICカード10に記録されている持玉及び残高は、遊技機1における遊技に使用する遊技価値の大きさを特定可能な情報である。
【0012】
遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、普図入賞口16、第1始動口17、第2始動口18、大入賞口19等を有する。又、遊技機1は、上部受皿13の上面に、遊技者が操作可能(押下可能)な貸出釦20及び発行釦21を有する。
【0013】
遊技機1は、以下に示す動作を行う。
(1)第1始動口17は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口18は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口17、18への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部15にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0015】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口19を開放する。1Rの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
(4)確変中は大当り確率が1/31に向上すると共に、第2始動口18への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
【0017】
(5)第2始動口18は普図入賞口16への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口18の入賞率が高くなる。
【0018】
遊技機1及び当該遊技機1に付設されている周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口17、18への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
【0019】
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
【0020】
セーフ信号=遊技機1から送信される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0021】
始動信号=遊技機1から送信される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部15(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に送信されるので、始動信号の受信に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート(スタート処理数)として特定する。尚、始動入賞を示す信号としても良い。
【0022】
大当り信号=遊技機1から送信される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル送信される状態信号であるので、大当り信号の受信中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から送信される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口18の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル送信される状態信号であるので、特別状態信号の受信中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル送信される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
貸出装置2は、所謂各台計数機能付きの貸出装置であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示部22、貨幣が投入される貨幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴ってスタート回数や大当り確率等の遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、持玉及び貯玉を払い出すための払出釦25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、ICカード10が挿入される(ICカード10を受け付ける)カード挿入口27(受付手段、発行手段に相当する)、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿28、遊技者を撮像可能なカメラ29(撮像手段に相当する)等を有する。カメラ29は、例えば周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含んで構成され、貸出装置2に対応する遊技機1の前方(正面)を撮像視野として所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像する。即ち、カメラ29は、遊技機1の前方に遊技者が着席していれば、その遊技者の顔を含む領域を所定周期毎に撮像する。尚、カメラ29は、遊技者の顔を撮像していることを当該遊技者に意識させないように、その存在を遊技者が認識不能に搭載されていても良い。
【0024】
貸出装置2は、
図2に示すように、制御部30(受付手段、発行手段に相当する)、中継装置4との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部31を有する。制御部30は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成され、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって以下に示す動作を行う。
【0025】
(1)貨幣が貨幣投入口23に投入されたことで、貨幣を受け付けると、遊技機1と貸出装置2との双方において入金額を残高に加算して表示する。残高がある状態で遊技機1の貸出釦20が操作されると、1回の貸出単位分(例えば500円)の貸出玉(例えば貸単価4円であれば125玉、貸単価1円であれば500玉)を遊技機1内部の払出機構から払い出し、その対価分を残高から減算すると共に売上信号を送信する。尚、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0026】
(2)遊技機1の下部受皿14が操作された(開放された)ことで、下部受皿14から落下した玉を計数受皿28で受けると、その受けた玉を持玉(計数玉)として計数して液晶表示部24に表示する。持玉がある状態で貸出装置2の払出釦25が操作されると、持玉の一部を遊技機1内部の払出機構から払い出し、その払い出し分を持玉数から減算する。尚、この場合も、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0027】
(3)ICカード10がカード挿入口27に挿入されると(ICカード10を受け付けると)、自装置を特定可能な情報(貸出装置ID)、その受け付けたICカード10を特定可能な情報(カードID)等を含む受付情報を管理装置6に送信する。
【0028】
(4)残高又は持玉がある状態で遊技機1の発行釦21が操作されると、ICカード10の発行が抑制されている発行抑制状態でなければ(発行抑制状態が解除されていれば)、残玉及び持玉を特定可能なICカード10を発行し(ICカード10の発行を抑制せず)、一方、発行抑制状態であれば(発行抑制状態が設定されていれば)、ICカード10を発行しない(ICカード10の発行を抑制する)。ICカード10がカード挿入口27に挿入されている状態で発行釦21が操作されたときに発行抑制状態でなければ、そのカード挿入口27に挿入されているICカード10に残高及び持玉の情報を記録して発行する。ICカード10がカード挿入口27に挿入されていない状態で発行釦21が操作されたときに発行抑制状態でなければ、カードストック部(図示せず)にストックしているICカード10をカード挿入口27に繰り出して残高及び持玉を記録して発行する。ICカード10を発行すると、自装置を特定可能な情報、発行したICカード10を特定可能な情報、ICカード10に記録した残高及び持玉の情報等を含む発行情報を管理装置6に送信する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行を可能としても良い。
【0029】
(5)カメラ29が撮像する毎に、自装置を特定可能な情報、その撮像した画像を含む撮像信号を管理装置6に送信する。
情報表示装置3は、各種の遊技情報(スタート回数、大当りの発生回数等)を表示する情報表示部32、遊技場の従業員を呼び出すときに遊技者が操作する呼出釦や情報表示部32が表示する遊技情報を切り替えるときに遊技者が操作する切替釦等を含む操作部33、遊技場の従業員が所持する操作リモコン35からリモコン信号を受信する受光部34等を有する。
【0030】
管理装置6は、
図2に示すように、制御部36、中継装置4との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部37、貸出装置2のカメラ29から受信した撮像信号から画像を抽出して分析する画像処理部38を有する。制御部36は、本発明に関連し、判定部36a(判定手段に相当する)、抑制状態設定部36b(抑制状態設定手段に相当する)、抑制状態解除部36c(抑制状態解除手段に相当する)、時間決定部36d(時間決定手段に相当する)、遊技者識別部36e(遊技者識別手段に相当する)、遊技者管理部36f(遊技者管理手段に相当する)を有する。
【0031】
制御部36は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成され、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって以下に示す動作を行う。
(1)遊技機1側から遊技信号(アウト信号、セーフ信号、始動信号、大当り信号等)や貸出装置2から売上信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、スタート回数、大当りの発生回数等)を集計したり売上情報を算出したりし、それらの遊技情報や売上情報を記憶管理する。
【0032】
(2)遊技機1からのアウト信号の受信状態に基づいてアウトが発生している状態を稼動状態と判定し、アウトが発生していない状態を非稼動状態と判定する。即ち、アウトの発生を最後に検出した時点から所定時間の経過を検出する前に次のアウトの発生を検出した場合に稼動状態と判定し、アウトの発生を最後に検出した時点から次のアウトの発生を検出する前に所定時間の経過を検出した場合に非稼動状態と判定する。
【0033】
(3)貸出装置2から受付情報を受信することで、ICカード10が挿入されている貸出装置2を特定し、ICカード10が挿入されていると特定した貸出装置2から受信する撮像信号から画像を抽出して画像処理部38により分析し、複数の特徴部位(例えば目、鼻、口の3ケ所)を撮像しているか否かを判定する。複数の特徴部位を撮像していれば、遊技者の顔を撮像できていると判定し、遊技者個人を識別可能であると判定する。
【0034】
(4)遊技者個人を識別可能であると判定すると、遊技者の顔画像を特定し、その特定した顔画像に対して複数の特徴部位の形状等を数値化し、その数値化したデータ(数値化データ、撮像結果から特定した情報)と、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像(照合用の顔画像)の数値化データとを照合し、同一人物であるか否かを判定する。数値化データの一致率が所定値未満であると判定すると、その顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像であり、その顔画像に対応する遊技者を新規の遊技者であると判定して顔画像IDを付与し、その顔画像IDと、遊技機1側から受信する遊技信号により特定される遊技情報や貸出装置2から受信する売上信号により特定される売上情報とを対応付けて管理する。一方、数値化データの一致率が所定値以上であると判定すると、その顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像であり、その顔画像に対応する遊技者を既存の遊技者であると判定して当該顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新する。
【0035】
(5)複数の特徴部位を撮像していなければ、遊技者の顔を撮像できていないと判定し、遊技者個人を識別不能であると判定する。
(6)遊技者個人を識別不能であると判定すると、顔画像IDを付与しない。これは、遊技者個人を識別不能であると判定した状態で顔画像IDを付与してしまうと、顔画像IDを付与したことで、顔画像を特定していない遊技者を全て同一人物と判定したり同一人物を顔が特定できた場合と特定できなかった場合とで別人物と判定して実際の遊技者の数よりも顔画像IDを多く付与してしまったりする等の虞があることを想定し、そのような虞を軽減するためである。
【0036】
尚、本実施形態では、管理装置6が画像処理を行う構成を例示しているが、管理装置6の処理負荷を軽減させる(処理負荷を分散させる)ために、画像処理を専用で行う画像処理装置を管理装置6とは別に設け、その管理装置6とは別に設けた画像処理装置において、貸出装置2から受信した撮像信号から画像を抽出して分析し、その分析結果を管理装置6に送信する構成でも良い。
【0037】
さて、[背景技術]で記載したように、遊技場では、ICカード10の盗難を抑制することが望まれている。この点に鑑み、管理装置6は前述した(1)〜(6)に加え、以下に示す動作を行う。
【0038】
(7)貸出装置2から受付情報を受信することで、ICカード10が挿入されている貸出装置2を特定し、ICカード10が挿入されていると特定した貸出装置2から受信する撮像信号に基づいて当該貸出装置2に対応する遊技機1の前方に遊技者が着席しているか否かを判定する(着席状態であるか否かを判定する)。具体的には、撮像信号から人体を撮像しているか否かにより着席状態であるか否かを判定する。頭部の輪郭(予め定められた遊技者の頭部を特定するための情報であり、例えば略円形状、楕円形状の物体を撮像している場合に頭部を撮像していると判定する)と、頭部の下の胴体部の輪郭(予め定められた遊技者の胴体を特定するための情報であり、頭部の下部において、略円柱形状、楕円形状の物体を撮像している場合に胴体を撮像していると判定する)との両方を検出できていれば、人体を撮像していると判定し、着席状態であると判定する。一方、頭部の輪郭及び胴体部の輪郭のうち一方でも検出できていなければ、人体を撮像していないと判定し、着席状態ではない(非着席状態である)と判定する。
【0039】
(8)着席状態ではないと判定すると、その着席状態ではない状態が予め定められた設定時間に亘って継続したか否かを判定し、予め定められた設定時間に亘って着席状態ではないと判定すると、その貸出装置2に対して発行抑制設定信号を送信し、ICカード10の発行を抑制する発行抑制状態を設定する。又、貸出装置2に対して発行抑制状態を設定した後に、着席状態であると判定すると、その着席状態である状態が予め定められた解除時間に亘って継続したか否かを判定し、予め定められた解除時間に亘って着席状態であると判定すると、その貸出装置2に対して発行抑制解除信号を送信し、発行抑制状態を解除する。発行抑制設定信号や発行抑制解除信号の送信先の貸出装置2を管理することで、発行抑制状態を設定しているか解除しているかを貸出装置2毎に管理する。
【0040】
このような遊技者の着席状態に応じてICカード10の発行を抑制する機能は人体ロック機能であり、遊技場の従業員は、管理装置6において人体ロック機能に関する各種設定を行うことができ、カメラ異常検出機能やLED照度調節機能に関する各種設定も行うことができる。
図3は、人体ロック機能、カメラ異常検出機能、LED照度調節機能に関する各種設定の設定項目を遊技場の従業員が設定可能な台端末設定画面を示しており、台端末設定画面では、人体ロック機能設定部M1、カメラ異常検出機能設定部M2、LED照度調節機能設定部M3が設けられている。即ち、遊技場の従業員は、これらの機能設定部M1〜M3において設定項目を設定することで、ICカード10の発行の抑制、カメラ29の異常検出、LEDの照度調節を可能となっている。
【0041】
人体ロック機能に関する各種設定の設定項目は以下の通りである。
機能使用=「有」、「無」の何れかを設定可能であり、人体ロック機能の有効/無効を示す。「有」が設定されていれば、人体ロック機能が有効となり、ICカード10の発行を抑制可能となる。「無」が設定されていれば、人体ロック機能が無効となり、ICカード10の発行を抑制可能とならない。
【0042】
累積アウト補正=「有」、「無」の何れかを設定可能であり、非着席状態でも一定時間(例えば1分)の累積アウトを監視し、その一定時間内でアウトが変化している場合に遊技中と判定するか否かを示す。「有」が設定されていれば、非着席状態でも一定時間内でアウトが変化しているときに人体ロックの機能が無効となり、「無」が設定されていれば、アウトが変化しているか否かに関係なく人体ロック機能が有効となる。
【0043】
ロック時間=「0」〜「999」の数値を入力して秒単位で設定可能であり、非着席状態を検出してから発行抑制状態を設定するまでの時間を示し、設定時間に対応する。即ち、発行抑制状態を設定していない状態では、ロック時間に亘って遊技者が遊技機1の前に着席していない状態が継続すると、発行抑制状態を設定してICカード10の発行を不能とする。ロック時間を設定する操作は、設定時間を決定するための遊技場の従業員による予め定められた設定操作である。尚、
図3では、ロック時間を「10」秒に設定している場合を例示している。
【0044】
ロック解除時間=「0」〜「999」の数値を入力して秒単位で設定可能であり、着席状態を検出してからICカード10の発行抑制状態を解除するまでの時間を示し、解除時間に対応する。即ち、発行抑制状態を設定している状態では、ロック解除時間に亘って遊技者が遊技機1の前に着席している状態が継続すると、発行抑制状態を解除してICカード10の発行を可能とする。ロック解除時間を設定する操作は、解除時間を決定するための遊技場の従業員による予め定められた設定操作である。尚、
図3では、ロック解除時間を「10」秒に設定している場合を例示している。
【0045】
カメラ異常検出機能に関する各種設定の設定項目は以下の通りである。
カメラ異常検出=「有」、「無」の何れかを設定可能であり、カメラ異常を検出して報知を行うか否かを示す。具体的には、「有」が設定されていれば、アウトが変化しているときに遊技者を検出不能な状態の頻度が予め定められた設定値(例えば80%)以上になると、カメラ異常の報知を行う。
【0046】
LED照度調節機能に関する各種設定の設定項目は以下の通りである。
機能使用=「有」、「無」の何れかを設定可能であり、LED照度調節機能の有効/無効を示す。「有」が設定されていれば、LED照度調節機能が有効となり、メニュー画面に「LED明るさ調節」釦が表示され、遊技者がLED照度を調節可能となる。「無」が設定されていれば、LED照度調節機能が無効となり、メニュー画面に「LED明るさ調節」釦が表示されず、遊技者がLED照度を調節可能とならない。
【0047】
デフォルト照度への復帰=「有」、「無」の何れかを設定可能であり、客交代(ICカード10の抜き差し)を検出した場合にLED照度をデフォルトに戻すか否かを示す。「有」が設定されていれば、客交代を検出した場合にLED照度をデフォルトに戻し、「無」が設定されていれば、客交代を検出した場合でもLED照度をデフォルトに戻さない。
【0048】
次に、上記した構成の作用について
図4から
図10を参照して説明する。
管理装置6は、本発明に関連し、顔画像特定処理及び着席状態監視処理を所定周期で定期的に実行する。以下、顔画像特定処理及び着席状態監視処理について順次説明する。
【0049】
(1)顔画像特定処理
図4に示すように、管理装置6は、所定周期(例えば100ミリ秒周期)の顔画像特定処理の開始タイミングになると、顔画像特定処理を開始し、何れかの貸出装置2から受付情報を受信したか否かを判定する(S1)。管理装置6は、何れかの貸出装置2から受付情報を受信したと判定すると(S1:YES)、その受付情報に含まれている貸出装置IDに基づいて当該受付情報の送信元の貸出装置2を特定し(S2)、その受付情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて遊技者個人を識別可能であるか否かを判定する(S3)。尚、ここでは、ICカード10がカード挿入口27に挿入され、何れかの貸出装置2から受付情報を受信したときに、受付情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて遊技者個人を識別可能であるか否かを判定することを例示しているが、遊技者がICカード10を所持していない状態で遊技を開始し、現金の投入や玉の計数によりICカード10を発行可能になったことを示す情報を受付情報として貸出装置2から受信した場合にも、その情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて遊技者個人を識別可能であるか否かを判定しても良い。
【0050】
管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて遊技者の顔の複数の特徴部位を撮像していれば、遊技者個人を識別可能であると判定し(S3:YES)、遊技者の顔画像を特定し(S4)、その特定した顔画像に対して複数の特徴部位の形状等を数値化し、その数値化したデータ(数値化データ)と、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像(照合用の顔画像)の数値化データとを照合し、同一人物であるか否かを判定する(S5)。
【0051】
管理装置6は、数値化データの一致率が所定値未満であると判定し、その顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像であると判定すると(S5:NO)、その顔画像に対応する遊技者を新規の遊技者であると判定して顔画像IDを付与し(S6)、その顔画像IDと遊技情報や売上情報とを対応付けて管理する(S7)。即ち、管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2に対応する遊技機1側から受信する遊技信号(アウト信号、セーフ信号、始動信号、大当り信号、特別状態信号)に基づいて遊技情報(アウト、セーフ、スタート処理、大当り状態、特別状態等)を特定すると共に、その貸出装置2から受信する売上信号に基づいて売上情報(売上金額や売上玉)を特定し、新規に付与した顔画像IDと、このようにして特定した遊技情報や売上情報とを対応付けて管理し、顔画像特定処理を終了する。この顔画像IDと遊技情報や売上情報とを対応付けて管理することは、遊技者の情報と当該遊技者の遊技結果の情報とを対応付けて管理することに相当する。
【0052】
一方、管理装置6は、数値化データの一致率が所定値以上であると判定し、その顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像であると判定すると(S5:YES)、その顔画像に対応する遊技者を既存の遊技者であると判定して当該顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新する(S8)。即ち、管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2に対応する遊技機1側から受信する遊技信号(アウト信号、セーフ信号、始動信号、大当り信号、特別状態信号)に基づいて遊技情報(アウト、セーフ、スタート処理、大当り状態、特別状態等)を特定すると共に、その貸出装置2から受信する売上信号に基づいて売上情報(売上金額や売上玉)を特定し、このようにして特定した遊技情報や売上情報を、既に付与している顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報に上書きすることで、顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新し、顔画像特定処理を終了する。この顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新することも、遊技者の情報と当該遊技者の遊技結果の情報とを対応付けて管理することに相当する。即ち、
図5に示すように、管理装置6は、撮像結果の画像として目、鼻、口の3ケ所の全てを撮像した画像を取得している場合には、遊技者個人を識別可能であるので、遊技者の顔画像を特定し、顔画像IDと遊技情報や売上情報とを対応付けて管理したり顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新したりする。
【0053】
一方、管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて遊技者の顔の複数の特徴部位を撮像していなければ、遊技者個人を識別不能であると判定し(S3:NO)、遊技者の顔画像を特定せず、顔画像特定処理を終了する。即ち、
図6に示すように、管理装置6は、撮像結果の画像として遊技者がマスク及びサングラスを着用しているために鼻のみを撮像した画像を取得している場合には、遊技者個人を識別不能であるので、遊技者の顔画像を特定せず、顔画像IDと遊技情報や売上情報とを対応付けて管理せず、顔画像IDに対応付けている遊技情報や売上情報を更新しない。
【0054】
(2)着席状態監視処理
図7に示すように、管理装置6は、所定周期(例えば100ミリ秒周期)の着席状態監視処理の開始タイミングになると、着席状態監視処理を開始し、何れかの貸出装置2から受付情報を受信したか否かを判定する(S11)。管理装置6は、何れかの貸出装置2から受付情報を受信したと判定すると(S11:YES)、その受付情報に含まれている貸出装置IDに基づいて当該受付情報の送信元の貸出装置2を特定し(S12)、その受付情報の送信元として特定した貸出装置2から受信している撮像信号に基づいて当該貸出装置2に対応する遊技機1の前方に遊技者が着席しているか否かを判定し、着席状態であるか否かを判定する(S13)。
【0055】
管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2に対応する遊技機1の前方に遊技者が着席しておらず、非着席状態であると判定すると(S13:NO)、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を設定しているか否かを判定する(S14)。管理装置6は、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を設定していると判定すると(S14:YES)、発行抑制状態の設定を継続し、着席状態監視処理を終了する。
【0056】
一方、管理装置6は、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を設定していないと判定すると(S14:NO)、前述したロック時間に亘って非着席状態であるか否かを判定する(S15)。管理装置6は、ロック時間に亘って非着席状態ではないと判定すると(S15:NO)、該当する貸出装置2に発行抑制設定信号を送信せず、即ち、該当する貸出装置2に対して発行抑制状態を設定せずに着席状態監視処理を終了する。即ち、該当する貸出装置2では、これ以降に遊技機1の発行釦21が操作されると、ICカード10を発行する。
【0057】
一方、管理装置6は、ロック時間に亘って非着席状態であると判定すると(S15:YES)、該当する貸出装置2に発行抑制設定信号を送信し、該当する貸出装置2に対して発行抑制状態を設定し(S16)、着席状態監視処理を終了する。即ち、該当する貸出装置2では、これ以降に遊技機1の発行釦21が操作されても、ICカード10の発行を抑制する。尚、この場合、発行抑制状態が設定された貸出装置2は、
図8に示すように、発行釦21が操作されてもICカード10を発行せずに、ICカード10の発行を抑制中であることを告知する「返却制限中」という告知メッセージを表示し、告知メッセージを表示してから一定時間が経過すると、告知メッセージを消去する。
【0058】
又、管理装置6は、受付情報の送信元として特定した貸出装置2に対応する遊技機1の前方に遊技者が着席しており、着席状態であると判定すると(S13:YES)、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を解除しているか否かを判定する(S17)。管理装置6は、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を解除していると判定すると(S17:YES)、発行抑制状態の解除を継続し、着席状態監視処理を終了する。
【0059】
一方、管理装置6は、その特定した貸出装置2に対して発行抑制状態を解除していないと判定すると(S17:NO)、前述したロック解除時間に亘って着席状態であるか否かを判定する(S18)。管理装置6は、ロック解除時間に亘って着席状態であると判定すると(S18:YES)、該当する貸出装置2に発行抑制解除信号を送信し、該当する貸出装置2に対して発行抑制状態を解除し(S19)、着席状態監視処理を終了する。即ち、該当する貸出装置2では、これ以降に遊技機1の発行釦21が操作されると、ICカード10を発行する。
【0060】
一方、管理装置6は、ロック解除時間に亘って着席状態ではないと判定すると(S18:NO)、該当する貸出装置2に発行抑制解除信号を送信せず、即ち、該当する貸出装置2に対して発行抑制状態を解除せず、着席状態監視処理を終了する。即ち、該当する貸出装置2では、これ以降に遊技機1の発行釦21が操作されても、ICカード10の発行を抑制する。
【0061】
このように発行釦21が操作されたときに遊技者が着席していなければ、遊技機1で遊技していない人物、即ち、ICカード10を盗もうと考える人物(不正行為者)が発行釦21を操作した可能性が高いので、ICカード10の発行を抑制することで、ICカード10の盗難を抑制することができる。
【0062】
又、貸出装置2は、このようにして発行抑制状態を設定すると、その後、発行抑制状態を設定している状態で発行釦21が操作されると、発行エラー画面を液晶表示部24に表示し、ICカード10の発行を抑制していること及び遊技場の従業員の呼び出しを促すことを報知する。このとき、貸出装置2は、発行抑制状態を設定している状態で発行釦21が操作されたことを盗難未遂情報として管理装置6に送信し、管理装置6は、貸出装置2から盗難未遂情報を受信すると、その旨を例えばインカム等により遊技場の従業員に報知しても良い。又、カメラ29が故障していることも想定されるので、貸出装置2は、遊技場の従業員が操作リモコン35を操作したことで、操作リモコン35から送信された解除指令信号が受光部32に受信されることで、発行抑制状態を解除しても良い。
【0063】
ところで、ICカード10の発行を一時的に抑制する方法としては、上記した着席状態であるか否かの判定結果を利用する方法の他に、暗証番号を操作入力する方法、フェリカ機能を有する(フェリカチップを実装した)携帯端末を利用する方法、セーフモード機能を利用する方法がある。即ち、人体ロック機能とは別の独立した機能として、暗証番号を操作入力する方法、フェリカ機能を有する携帯端末を利用する方法、セーフモード機能を利用する方法がある。暗証番号を操作入力する方法では、遊技者は、暗証番号の操作入力画面を貸出装置2の液晶表示部24に表示させた上で、任意の暗証番号を操作入力画面にて操作入力することで、発行抑制状態を設定することができる。フェリカ機能を有する携帯端末を利用する方法では、携帯端末を貸出装置2の非接触通信部に翳して非接触通信を成立させることで、発行抑制状態を設定することができる。セーフモード機能を利用する方法では、稼動(例えばアウト)を検出していない非稼動状態が予め定められた非稼動検出時間に亘って継続すると、発行抑制状態を設定することができる。
【0064】
しかしながら、暗証番号を操作入力する方法では、発行抑制状態を設定する際に暗証番号を操作入力する手間があり、発行抑制状態を解除する際にも暗証番号を操作入力する手間がある。フェリカ機能を有する携帯端末を利用する方法では、発行抑制状態を設定する際に携帯端末を貸出装置2の非接触通信部に翳す手間があり、発行抑制状態を解除する際にも携帯端末を貸出装置2の非接触通信部に翳す手間がある。セーフモード機能を利用する方法では、非稼動状態が非稼動検出時間に亘って継続するまで発行抑制状態を設定することができない。
【0065】
暗証番号を操作入力する方法やフェリカ機能を有する携帯端末を利用する方法は、遊技者の手間を必要とするので、遊技者が意図的に発行抑制状態を設定することを想定している。又、セーフモード機能を利用する方法は、発行抑制状態を設定しているときに一定の稼動(例えば100のアウト)を検出したり遊技場の従業員が操作リモコン35を操作したりすることで発行抑制状態を解除することを想定している。これに対し、本願のように着席状態であるか否かの判定結果を利用して発行抑制状態を設定する方法では、遊技者の手間を必要とせずに発行抑制状態を設定したり解除したりすることができ、又、一定の稼動を検出する処理を必要とせずに発行抑制状態を解除することができ、ICカード10の回収し忘れに対して適切に対処可能である。又、これらの暗証番号を操作入力する方法、フェリカ機能を有する携帯端末を利用する方法、セーフモード機能を利用する方法を、人体ロック機能と組み合わせることで、セキュリティをより高めることができる。
【0066】
又、遊技場の従業員は、管理装置6においてカメラ29の撮像結果を確認することができる。
図9は、カメラ29の撮像結果を遊技場の従業員が確認可能なカメラ映像確認画面を示しており、カメラ映像確認画面では、台番毎のカメラ29の撮像結果が表示され、画像内で人体検出範囲と顔検出範囲とが識別可能に表示される。例えば1番台の画像において実線A1で示す範囲が、人体検出範囲であり、着席状態であるか否かを判定するための範囲、即ち撮像結果における判定手段が遊技者を検出していると判定している範囲である。又、例えば1番台の画像において実線A2で示す範囲が、顔検出範囲であり、遊技者を識別するための範囲、即ち遊技者識別手段が遊技者を識別している範囲である。他台の画像についても同様である。又、遊技機1の盤面11に正対する正面を基準としたときの上下方向のずれに相当する角度が上下角度として表示されると共に左右方向のずれに相当する角度が左右角度として表示される。尚、
図9の例示では、人体検出が正常であれば、顔検出が正常であるか異常であるかに関わらず「正常」と表示される。即ち、3番台のカメラ映像では
図5に示したように遊技者個人を識別可能であり、顔検出が正常であり、一方、5番台のカメラ映像では
図6に示したように遊技者個人を識別不能であり、顔検出が異常であるが、何れも人体検出が正常であれば「正常」と表示される。尚、遊技場の従業員が特定の画像を選択する操作を行うと、
図10に示すように、その選択された画像を拡大した拡大映像確認画面が表示される。
図10では、遊技場の従業員が3番台の画像を選択する操作を行った場合を例示している。又、人体検出範囲を示す線と顔検出範囲を示す線とで色や種別を異ならせることで、人体検出範囲と顔検出範囲とを容易に区分して把握することができる。
【0067】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
ロック時間に亘って着席状態を検出していない場合にICカード11の発行を抑制するようにしたので、ICカード11の盗難を適切に抑制することができる。又、着席状態を検出していない場合にICカード11の発行を抑制するための基準となるロック時間、及び着席状態を検出している場合にICカード11の発行の抑制を解除するための基準となるロック解除時間を、遊技場の従業員による操作に基づいて設定するようにしたので、セキュリティの度合いを遊技場側で望むものにし易くすることができる。即ち、セキュリティを高めたいと考える場合には、ロック時間を比較的短く設定すると共にロック解除時間を比較的長く設定すれば良く、セキュリティをそれほど高めなくても良いと考える場合には、ロック時間を比較的長く設定すると共にロック解除時間を比較的短く設定すれば良い。
【0068】
又、カメラ29の撮像結果に基づいて着席状態であるか否かを判定するようにしたので、元々は遊技者の顔画像を特定して遊技情報を管理するためのカメラ29を利用することで、新たな構成を追加することなく、ICカード11の発行を抑制して盗難を適切に抑制することができ、既存の設備を利用して容易に実現することができる。
【0069】
又、遊技者の顔の複数の特徴部位を撮像していれば、遊技者個人を識別可能であると判定し、顔画像IDに対応付けて遊技情報や売上情報を管理するようにしたので、遊技者の管理をより詳細に行うことができる。
【0070】
又、管理装置6のモニタ9bにおいて、着席状態であるか否かを判定するための範囲である人体検出範囲と、遊技者を識別するための範囲である顔検出範囲とを区分可能に表示するようにしたので、それぞれの範囲を調節することで、着席状態であるか否かの判定や遊技者の識別を適切に行うことができる。
【0071】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。又、それぞれの変形例を組み合わせても良い。
本実施形態では、遊技機1としてCRパチンコ機を例示したが、例えばスロットマシンを対象としても良い。又、玉が封入されており、遊技者が玉に触れることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式のパチンコ遊技機やクレジットや得点を消費してリールが回転する等のゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンを対象としても良い。
【0072】
本実施形態では、遊技用装置の一部の機能を遊技機1が備える構成を例示したが、遊技用装置の全ての機能を貸出装置2が備える構成としても良い。又、貸出装置2の外部に設けた遊技用装置の機能を任意に変更しても良く、例えばカメラ29を遊技機1や情報表示装置3が備える構成としても良いし、顔画像や人体を特定する機能を管理装置6が備える構成としても良い。即ち、一の装置及び複数の装置の何れで遊技用装置を形成しても良い。複数の装置により遊技用装置を構成しているので、遊技用システムと言うことも可能である。
【0073】
本実施形態では、カメラ29を遊技機1に対して1対1で設ける構成を例示したが、カメラ29を天井や複数の遊技機1が設置された遊技島に設けることで、1台のカメラ29を複数の遊技機1に対して設ける構成としても良い。又、1台のカメラ29を用い、遊技者個人を識別することと、遊技者が着席しているか否かを判定することを行う構成を例示したが、遊技者個人を識別するためのカメラと、遊技者が着席しているか否かを判定するためのカメラとを別々としても良い。即ち、カメラの位置や個数をどのような態様としても良く、遊技者が遊技機1の前に着席していることに対応した着席状態であるか否かの判定をどのような構成で行っても良い。
【0074】
本実施形態では、頭部の輪郭と胴体部の輪郭とを検出できたか否かにより着席状態を判定する構成を例示したが、どのような方法で着席状態を判定しても良い。例えば遊技者の目等の特徴部位を撮像できたか否かを判定し、目等の特徴部位を撮像できた場合に遊技者が着席していると判定しても良い。又、遊技者の視線方向を判定し、遊技者の視線方向が遊技機1の盤面11に向いていると特定できた場合に遊技者が着席していると判定しても良い。又、カメラ29を用いず、温度センサ、赤外線センサ、光センサ等により人間が遊技機1の前にいるか否かを判定して遊技者が着席しているか否かを判定しても良い。即ち、着席状態の判定は実際に遊技者が着席しているか否かを判定するものだけでなく、遊技者が遊技機1の前にいることに対応した状態であるか否かを判定する等の間接的に判定するものも含まれ、実際に遊技者が着席していなくとも、着席していると見做し得る状態であれば、遊技者が遊技機1の前に着席していることに対応した着席状態であると判定しても良い。
【0075】
本実施形態では、撮像結果の画像として目、鼻、口の3ケ所の全てを撮像した画像を取得している場合に遊技者個人を識別可能であるとして遊技者の顔画像を特定する構成を例示したが、遊技者の顔画像を特定する方法を任意に変更しても良く、例えば顔の輪郭、皮膚、耳、眉毛、ほお骨、あご、皺等の特徴から遊技者個人を識別可能であるとして遊技者の顔画像を特定しても良い。更に、遊技者の顔の撮像結果から遊技者を識別する必要はなく、遊技者の服装等から遊技者を識別しても良い。この場合、複数の特徴部位の個数が増えることで、同一人物であるか否かを判定する精度を高めることができ、顔画像IDに対応付けて遊技情報や売上情報を精度良く管理することができる。
【0076】
本実施形態では、着席状態ではないときにICカード10の発行を抑制することとしてICカード10の発行を禁止する構成を例示したが、着席状態であるときに対してICカード10の発行を抑制すれば良く、例えば着席状態であるときの発行速度よりも遅くして発行しても良く、発行を完了するまでに要するための時間が長くなれば、ICカード10を盗んで素早くその場を離れることができないので、ICカード10の盗難を抑制する効果を得ることが可能となる。即ち、着席状態であるときに対してICカード10の発行に困難さがあれば、ICカード10の発行を禁止する場合と同様にICカード10の盗難を抑制する効果を得ることが可能となる。
【0077】
本実施形態では、記録媒体としてICカード10を用いる構成を例示したが、携帯電話機やICコインを用いることも可能である。
本実施形態では、設定時間及び解除時間を個別に設定する構成を例示したが、例えば一方の時間を遊技場の従業員が設定すると、その設定した一方の時間に基づいて他方の時間を自動的に設定しても良い。例えば設定時間(例えば1分)を設定すると、その設定時間よりも予め定められた所定時間だけ長い時間(例えば2分)を解除時間として自動的に設定しても良い。
【0078】
本実施形態では、人体ロック機能とセーフモード機能とがそれぞれ独立して動作する構成を例示したが、人体ロック機能とセーフモード機能とが連動する構成にしても良い。例えば人体ロック機能のロック時間よりもセーフモード機能の非稼動検出時間を長く設定しておき、着席状態ではない時間がロック時間に達したときに人体ロック機能による発行抑制状態を設定し、その後、未検出時間が非稼動検出時間に達したときに人体ロック機能による発行抑制状態を解除してセーフモード機能による発行抑制状態を設定しても良い。即ち、人体ロック機能及びセーフモード機能のうち一方よりも他方を優先して設定する構成にしても良い。
【0079】
本実施形態では、着席状態ではない時間がロック時間に達したときにICカード10の発行を抑制する構成を例示したが、ICカード10の発行を抑制する構成に加え、又は代えてその他の機能を抑制する構成でも良い。例えば複数のICカード10の残高や持玉の値を1枚のICカード10に合算可能な構成ではその合算機能を禁止しても良く、又、受け付け中のICカード10の残高や持玉の一部又は全部を他のICカード10に対応付ける分割機能等を禁止しても良い。更には、許容するか禁止するかを遊技場側で選択可能としても良い。
【0080】
遊技場の従業員による操作(例えば操作リモコン35の操作)が行われたことのみを条件として、発行抑制状態を解除する構成としても良い。即ち、発行抑制状態を設定している状態で遊技者が着席したと判定した場合に発行抑制状態を解除してしまうと、ICカード10を盗もうと考える人物(不正行為者)が、着席していないことが原因でICカード10が発行されないことに気付いて着席すると、ICカード10が発行されて盗難されてしまうことなるが、遊技場の従業員による操作が行われたことのみを条件とすることで、そのような事態を抑制することができる。
【0081】
管理装置6が行う処理の少なくとも一部を貸出装置2や情報表示装置3等の他の装置にて行うようにしても良いし、貸出装置2が行う処理の少なくとも一部を管理装置6や情報表示装置3等の他の装置にて行うようにしても良い。例えばカメラ29が撮像した画像を貸出装置2が画像処理しても良い。
【0082】
ロック時間やロック解除時間を、時間帯別、遊技場内を監視する従業員の人数、エリア別に区分して設定しても良い。