特許第6868021号(P6868021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868021
(24)【登録日】2021年4月13日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】コントローラを備えた飲料抽出器
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20210426BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20210426BHJP
   B67D 1/14 20060101ALI20210426BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B67D1/04 A
   B67D1/08 Z
   B67D1/14 Z
   B65D83/00 L
【請求項の数】18
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-524260(P2018-524260)
(86)(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公表番号】特表2019-502603(P2019-502603A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】US2016063261
(87)【国際公開番号】WO2017091549
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2019年10月1日
(31)【優先権主張番号】62/259,908
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512300506
【氏名又は名称】コラヴァン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ライダー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ランブレクト,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】スウィージー,アンドリュー,エス.
(72)【発明者】
【氏名】フォクト,クリス
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0312060(US,A1)
【文献】 特開2006−327683(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/058744(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第3138808(EP,A1)
【文献】 特開2010−189067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B67D 1/04
B67D 1/08
B67D 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器搭載型飲料分注システムであって、
飲料を保持する容器(700)内へガスを送達するための第1導管、およびユーザのカップに分注するために前記容器から飲料を受けるための第2導管と、
前記第1導管を介した前記容器内へのガス流を制御するためのガス制御バルブ(36)と、
前記容器が注ぐ向きにあるか注がない向きにあるかを検出するための容器向きセンサ(35)と、
前記容器が注ぐ向きにあるときに前記ガス導管におけるガスの流れを可能にするように前記ガス制御バルブを制御すると共に、前記容器が注がない向きにあるときにガスの流れを妨げるように前記ガス制御バルブを制御するコントローラ(34)と、
を含み、
前記第2導管は、飲料の流れを伝えるために常に開いている、システム。
【請求項2】
前記第1および第2導管が、前記容器の開口におけるコルク(730)を通じて挿入されるように配置されたニードル(200)の一部である、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1導管に流体結合された加圧ガス源(100)をさらに含み、前記ガス制御バルブが、前記加圧ガス源から前記第1導管へのガスの流れを制御するように配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記向きセンサが、前記容器の底部が前記容器の開口より上にあるときに注ぐ状態を検出するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記向きセンサが、前記容器の長手方向軸(701)が水平軸を中心として少なくとも90度だけ回転すると注ぐ状態を検出するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラが、決められた量の飲料を前記容器から分注するように前記ガス制御バルブを制御するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、最大分注速度のための第1モードと最小加圧ガス使用量のための第2モードとを含む2つのモードで、前記ガス制御バルブを制御するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記容器のネックに係合し、当該システムを前記容器に固定するクランプ(4)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
容器搭載型飲料分注システムであって、前記容器(700)が長手方向軸を有するシステムであって
飲料を保持する容器内へガスを送達するための、およびユーザのカップに分注するために前記容器から飲料を受けるための少なくとも1つの導管(200)と、
前記少なくとも1つの導管を介した前記容器内へのガスの流れまたは前記容器から出る飲料の流れを制御するための少なくとも1つのバルブ(36、37)と、
前記容器が注ぐ向きにある間の、前記容器の、前記長手方向軸を中心とした回転を検出するための容器向きセンサ(35)と、
前記注ぐ向きにあるときの、前記容器の、前記長手方向軸を中心とした回転に応答してガスまたは飲料の流れを妨げるように前記少なくとも1つのバルブを制御するように配置されたコントローラ(34)と、
を含むシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器内にガスを送達するとともに前記容器から飲料を受けるための単一の導管を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記単一の導管が、前記容器の開口におけるコルク(730)を通じて挿入されるように配置されたニードル(200)の一部である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器内にガスを送達するための第1導管と前記容器から飲料を受けるための第2導管とを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1および第2導管が、前記容器の開口におけるコルクを通じて挿入されるように配置されたニードル(200)の一部である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの導管に流体結合された加圧ガス源(100)をさらに含み、前記少なくとも1つのバルブが、前記加圧ガス源から前記少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように配置されたガス制御バルブ(36)を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのバルブが、前記少なくとも1つの導管から飲料出口(38)への飲料の流れを制御するように配置された飲料制御バルブ(37)を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項16】
前記向きセンサが、前記容器の底部が前記容器の開口より上にあるときに前記注ぐ状態を検出するように配置され、前記コントローラが、前記容器が前記注ぐ向きにあるときに前記少なくとも1つの導管におけるガスまたは飲料の流れを可能にするように前記少なくとも1つのバルブを制御するように、および、前記容器が注がない向きにあるときに前記ガスまたは飲料の流れを妨げるように前記少なくとも1つのバルブを制御するように配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項17】
前記向きセンサが、前記容器の長手方向軸が水平軸を中心として少なくとも90度だけ回転すると前記注ぐ状態を検出するように配置され、前記コントローラが、前記容器が前記注ぐ向きにあるときに前記少なくとも1つの導管におけるガスまたは飲料の流れを可能にするように前記少なくとも1つのバルブを制御するように、および、前記容器が注がない向きにあるときにガスまたは飲料の流れを妨げるように前記少なくとも1つのバルブを制御するように配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラが、前記注ぐ向きにあるときの、前記容器の、前記長手方向軸を中心とした回転に応答して、前記容器内への加圧ガスの流れを妨げるために前記少なくとも1つのバルブを閉じるように配置される、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は一般に、例えばワインボトルからワインを分注する際の、容器内からの流体の分注または他の抽出に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
発明の概要
本発明の態様による1つまたは複数の実施形態は、ユーザが、ワインなどの飲料を、コルク、プラグ、エラストマーの隔壁または他の閉鎖具により密封されたボトル内から、閉鎖具を除去せずに引き出す、またはそうでなければ抽出することを可能にする。場合により、そのようなボトルからの液体の除去は、1回または複数回実施されることがあるが、閉鎖具は、ボトルのためのシールを維持するために、各飲料抽出の間および後で変わらぬ場所にあり得る。したがって、飲料は、ボトルから複数回分注され得るとともに、飲料の品質への影響がほとんどまたは全く無い状態で、各抽出の間、長期間保管され得る。いくつかの実施形態においては、ボトル内からの飲料の抽出中も抽出後も、飲料と反応する空気などのガスがほとんどまたは全くボトルに導入されないことがある。したがって、いくつかの実施形態において、ユーザは、コルクを除去することもコルクに損傷を与えることも無く、および空気または他の潜在的に損害を与えるガスまたは液体がボトルへ入ることを可能にすること無く、ワインボトルからワインを引き出すことができる。
【0003】
いくつかの実施形態において、飲料抽出器が、例えば抽出器の一部をボトルネックに締め付けることにより、ボトルのネックに固定されてもよく、飲料抽出器のニードルが、ニードルの先端部がボトルの内部に位置付けられるように、閉鎖具(例えば、ワインボトルのコルク)を通じて挿入され得る。その後、ボトルがボトル支持スリーブにおいて位置付けられると同時に、加圧ガスがニードルを介してボトル内に注入され得る。注入されたガスは、例えば20〜50psiの圧力に圧力調整されてもよく、または調整されなくてもよい。例えば、ボトルにおける圧力は、飲料がニードルを通ってボトルから出るように流れることを可能にし得る。いくつかの実施形態において、例えば飲料がボトルから流出するのと同時にガスが注入され得るように、抽出器ニードルは、1つはガス用、別の1つは飲料用の、2つのルーメンまたは2つのニードルを含んでもよい。
【0004】
一実施形態において、容器搭載型飲料分注システムは、少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器内へガスを送達するための、およびユーザのカップに分注するために容器から飲料を受けるための少なくとも1つの導管を含む。例えば、単一または複数のルーメンニードルまたは他の導管が設けられ得るとともにワインボトルのコルクまたは他の閉鎖具を通して挿入されるように配置され得る。少なくとも1つの導管を介した容器内へのガス流または容器から出る飲料流を制御するために、少なくとも1つのバルブが使用され得る。例えば、ガス制御バルブが、加圧ガス源から少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように配置されてもよく、飲料制御バルブが、少なくとも1つの導管から飲料出口への飲料の流れを制御するように配置されてもよい。容器向きセンサが、容器が注ぐ向きにあるか注がない向きにあるかを検出することができ、コントローラが、容器が注ぐ向きにあるときに少なくとも1つの導管におけるガスまたは飲料流を可能にするように少なくとも1つのバルブを制御するように、および容器が注がない向きにあるときにガスまたは飲料流を妨げるように少なくとも1つのバルブを制御するように配置されてもよい。例えば、容器向きセンサは、容器の底部が容器の開口より上にあるとき、および/または、容器の長手方向軸が水平軸を中心として少なくとも90度だけ回転すると、注ぐ状態を検出し得る。したがって、例えば、ユーザは、ボトルから飲料を従来のように注ぐために使用される方法と同様の方法で、ワインボトルまたは他の容器を傾けるか他の方法で操作してもよく、本システムは、容器位置に基づいて分注を自動的に開始するか他の方法で制御することができ、ボトルが直立またはほぼ直立した位置まで後ろの方に傾けられると分注を止めることができる。
【0005】
場合により、コントローラは、容器が注ぐ向きにあるときに加圧ガスが容器内へ流入することを可能にするように、少なくとも1つのバルブを開くように、および、容器が注がない向きにあるときに加圧ガスが容器内に流入することを妨げるように少なくとも1つのバルブを閉じるように、配置されてもよい。このような配置構成は、2つの導管であって、一方の導管が容器内へガスを送達し、他方の導管が容器内へ飲料を送達する2つの導管が容器へアクセスするために使用されるときに有用であり得る。別の実施形態において、少なくとも1つの導管は単一の導管を含み、コントローラは、加圧ガスが単一の導管を介して容器内へ流入することを可能にするために少なくとも1つのバルブを開くことと、容器が注ぐ向きにあるときに、加圧ガスが容器内に流入することを妨げるとともに、単一の導管を介して飲料が容器から流れることを可能にするために、少なくとも1つのバルブを閉じることとを交互に行うように配置される。別の配置構成において、コントローラは、容器が注ぐ向きにあるときに少なくとも1つの導管から飲料出口へ飲料が流れることを可能にするために少なくとも1つのバルブを開くように、および、容器が注がない向きにあるときに少なくとも1つの導管から飲料出口へ飲料が流れることを妨げるために少なくとも1つのバルブを閉じるように配置されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、コントローラは、決められた量の飲料を容器から分注するように少なくとも1つのバルブを制御するように配置されてもよい。例えば、従来通りボトルから注ぐためにユーザがボトルを傾ける場合、本システムは、決められた量の飲料、例えば6オンスを自動的に分注することができ、ボトルが注ぐ向きにあるままであっても分注を止めることができる。別の一杯を分注するために、ユーザは、ボトルを注がない向きにし、その後再び注ぐ向きにする必要があり得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、最大飲料分注速度のための第1モードと最小加圧ガス使用量のための第2モードとを含む2つのモードで少なくとも1つのバルブを制御するように配置されてもよい。これは、ユーザが、飲料が分注される速度を制御すること、または必要に応じて分注ガスを節約することを可能にし得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、容器搭載型飲料分注システムは、少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器内へガスを送達するための、およびユーザのカップに分注するために容器から飲料を受けるための少なくとも1つの導管と、少なくとも1つの導管を介した容器内へのガス流または容器から出る飲料流を制御するための少なくとも1つのバルブとを含む。例えば、単一または複数のルーメンニードル、ガス制御バルブ、飲料制御バルブなど、上で検討された少なくとも1つの導管およびバルブのための配置構成が用いられてもよい。容器向きセンサが、注ぐ向きにあるときに、容器の、その長手方向軸を中心とした回転を検出してもよく、コントローラは、注ぐ向きにあるときの、容器の長手方向軸を中心とした回転に応答してガスまたは飲料流を妨げるように少なくとも1つのバルブを制御するように配置されてもよい。したがって、例えば、ユーザは、ボトルが注ぐ向きに保持されている間にボトルをその長手方向軸を中心として回転させてもよく、システムは、飲料分注を止めることができ、および/または、ボトル内へのガス送達を止めることができる。この配置構成は、ユーザがより良好に分注を止める、ボトルからの液だれを防止するのに役立つことができる。このような制御配置構成は、上で検討された容器の注ぐ/注がない向きに基づいて分注を制御するという特徴と共に使用されてもよく、または、このような特徴とは無関係に使用されてもよい。
【0008】
別の実施形態において、容器搭載型飲料分注システムは、少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器内へガスを送達するための、およびユーザのカップに分注するために容器から飲料を受けるための少なくとも1つの導管と、少なくとも1つの導管を介した容器内へのガス流または容器から出る飲料流を制御するための少なくとも1つのバルブとを含む。例えば、上で検討された少なくとも1つの導管およびバルブの配置構成が用いられてもよい。加圧ガス源が、圧力が調整されていてもいなくても、少なくとも1つの導管に流体結合されてもよく、圧力センサが、容器内のガス圧力を示す圧力を検出することができる。すなわち、加圧ガス源からの加圧ガスは少なくとも1つの導管を介して容器へ送達されることができ、圧力センサは、容器内の圧力を示す圧力を検出することができる。上で言及したとおり、1つまたは複数のバルブが、ガス流を制御するために使用されてもよい。コントローラが、加圧ガスが容器に送達される時間にわたって、または、飲料が容器から分注される時間にわたって圧力センサにより計測された圧力の変化に基づき、容器内の飲料の量を求めるように配置されてもよい。例えば、コントローラは、ガスが容器に送達される間に容器内の圧力が増加する速度を検出することができ、圧力増加の速度に基づき、容器における液体飲料の量を求めることができる。別の実施形態において、コントローラは、飲料分注の間に、容器において圧力が減少する速度を検出することができ、この情報に基づき、容器における飲料の量を求めることができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、例えば、飲料が分注されることを可能にするように飲料分注バルブが開かれる時間の長さを求めることにより、分注される飲料の量を求め得る。飲料分注の流速が、例えば容器内のガス圧力に基づき既知の場合、コントローラは、分注される飲料の量を求めることができるとともに、容器における飲料の初期量から当該量を差し引くことができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、コントローラは、システムが取り付けられた容器の識別に関する情報を受けるように配置されてもよく、コントローラは容器における飲料の量を記憶することができる。この情報は、システムが飲料を分注するために使用され、容器から分離され、次いで、後に飲料を分注するために再び係合される場合に有利であり得る。コントローラは、容器において残っている飲料の量を呼び出すことができるとともに、例えば残っている飲料の量に基づき容器内へのガス流を制御することにより、相応して分注を制御することができる。場合により、コントローラは、容器へ送達されたガスの量に基づき、分注の間に、容器において残っている飲料の量を求めるように配置され得る。例えば、コントローラは、加圧ガスを容器へ送達するためにガス制御バルブが開いている時間に基づき、容器へ送達されたガスの量を求め得る。ガスが圧力調整されているか、ガス流速の他の特徴が既知であり得る場合、コントローラは、ガスバルブについての流速および開いている時間に基づき、送達されたガスの量を求めることができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、容器搭載型飲料分注システムは、少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器内へガスを送達するための、およびユーザのカップに分注するために容器から飲料を受けるための少なくとも1つの導管と、少なくとも1つの導管を介した容器内へのガス流を制御するための少なくとも1つのバルブとを含み得る。上で検討された少なくとも1つの導管および少なくとも1つのバルブのための配置構成が用いられてもよい。ガスシリンダが、少なくとも1つの導管に流体結合されてもよく、コントローラが、少なくとも1つの容器内へガスを送達するために少なくとも1つのバルブが開いている時間の長さに基づき、ガスシリンダにおける圧力を求めるように配置され得る。例えば、圧力センサが、容器内のガス圧力を示す圧力を検出するために使用されてもよく、コントローラは、容器内にガスを送達するために少なくとも1つのバルブが開いている時間の長さおよび容器内のガス圧力に基づき、ガスシリンダにおける圧力を求め得る。例えば、より高い圧力のガスシリンダに比べて、より低いガスシリンダ圧力は、容器におけるガス空間を加圧するための低いガス流速、したがって、より長い時間に対応し得る。
【0011】
本デバイスの様々な例示的実施形態が、以下でさらに図示および説明される。
【0012】
図面の簡単な説明
本発明の態様は、様々な実施形態および図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】飲料ボトルの閉鎖具を通じて導管を導入するのに備えた飲料抽出デバイスの概略図を示す。
図2】導管が閉鎖具を通過した状態の図1の実施形態を示す。
図3】ボトルにガスを導入中の図1の実施形態を示す。
図4】ボトルから飲料を分注中の図1の実施形態を示す。
図5】例示的実施形態における飲料抽出デバイスの斜視側面図を示す。
図6図5の抽出デバイスの斜視図を示す。
図7図5の実施形態のクランプアームの内面の側面図を示す。
図8図5の実施形態におけるベースの分解図を示す。
図9】開いた状態における例示的実施形態におけるクランプのための係止機構の斜視図を示す。
図10】クランプが閉じた状態の図9の実施形態を示す。
図11】単一のクランプアームを有するクランプ配置構成の例示的実施形態を示す。
図12】クランプアームが閉位置にある図11の実施形態を示す。
図13図11の実施形態で使用された係止機構の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本発明の態様は、説明のための実施形態を参照して以下で説明されるが、本発明の態様は、特定の実施形態を考慮して狭く解釈されるものではないことが理解されるべきである。したがって、本発明の態様は本明細書において説明された実施形態に限定されない。本発明の様々な態様は、単独で、および/または、互いとの任意の好適な組合せで使用されてもよく、したがって、様々な実施形態は、特徴の任意の特定の1つまたは複数の組合せを求めるとして解釈されてはならないこともまた理解されるべきである。代わりに、説明された実施形態の1つまたは複数の特徴は、他の実施形態の他の任意の好適な特徴と組み合わされてもよい。
【0015】
図1〜4は、本発明の1つまたは複数の態様を含む、飲料抽出デバイス(または抽出器)1の一実施形態の概略図を示す。一般に、デバイス1は、ニードルまたは他の導管を飲料容器700に挿入する、ガスを容器700に導管を介して注入する、および、容器における注入されたガスまたは他の圧力により容器700から強制的に出された飲料を分注するために使用される。この例示的デバイス1は、圧力下(例えば、シリンダから分注されるときに2600psi以下)のガスを調整器600に提供する加圧ガス源100(例えば、圧縮ガスシリンダ)が取り付けられた本体3を含む。この配置構成において、シリンダ100は、ねじ接続部により本体3および調整器600に固定されるが、他の構成であって、例えば、以下に記載の、および/または、ガスシリンダをシリンダレシーバと係合させるための機構に関する教示に関して参照によりここに組み込まれる米国特許第4,867,209号、米国特許第5,020,395号、および米国特許第5,163,909号に記載の他の構成も可能である。調整器600は概略的に詳細無しに示されるが、ガス圧力をプリセットまたは可変出口圧力へ調整することができる、様々な商業的に利用可能なまたは他の単段または多段式圧力調整器のいずれかであり得る。調整器600の主機能は、例えば容器700内部で確立される圧力が望ましいレベルを超えないように、容器700(例えば、ワインボトル)への送達に好適な圧力および流速でガスを提供することである。他の実施形態において、シリンダ100から放出されたガスの圧力調整はなされる必要が無く、代わりに、調整されていないガス圧力が容器700へ送達され得る。
【0016】
この実施形態において、本体3はまた、容器700からのガスの流れおよび/または飲料の流れを制御するための少なくとも1つのバルブを含む。この実施形態において、ガス制御バルブ36が、ガス源100から、容器700の内部と流体連通した導管へのガスの流れを制御するために設けられ、飲料制御バルブ37が、容器700から分注出口38への飲料の流れを制御するために設けられる。(いくつかの実施形態において、分注出口38またはチューブなどの出口38の一部は、例えば洗浄のために着脱可能または取り替え可能であってもよい。)しかしながら、他の配置構成も可能であり、例えば、単一のバルブがガスおよび飲料の両方の流れを(例えば3方向バルブを使用して)制御してもよく、単一のバルブがガス流のみを制御するために使用されてもよく(例えば飲料流導管が常に容器内部から分注出口へ開いていてもよく、ガスが容器へ導入される際に飲料が流れてもよい)、または、単一のバルブが飲料流のみを制御するために使用されてもよい(例えば、ガス源100から容器700へのガス流が、デバイス1が容器700と係合した状態で、常に開いていてもよく、飲料流が、飲料制御バルブのみを開く/閉じることにより制御されてもよい)。バルブ36、37の一方または両方が、コントローラ34、すなわち制御電気回路により制御され得る。例えば、コントローラ34は、例えば、ニードルがコルクを通じて挿入された、またはデバイス1のクランプが容器ネックと係合したことを検出することによりデバイス1が容器700と係合したときを検出することができ、次いで、それに応じてバルブを制御し得る。コントローラで制御されない場合、バルブはユーザにより手動で作動可能であってもよく、および/または、ユーザは、バルブを開くおよび/または閉じるために、コントローラ34に入力を提供してもよい。別の選択肢として、バルブの操作は、例えば、一方のバルブが開いているときに、他方のバルブが閉じており、逆もまた同様であるように、または、一方のバルブが開いているときに、他方のバルブも開いているように(例えば、2つのルーメンニードルを使用している場合)、機械的にであれ、電子制御によってであれ結び付けられ得る。
【0017】
容器700にガスを導入するとともに飲料を抽出するために、少なくとも1つの導管が容器700の内部と流体連通させられる。この実施形態において、本体3に取り付けられたニードル200が、図2に示されるとおり、容器700のネックで開口を密封するコルクまたは他の閉鎖具730を通じて挿入される。この例示的デバイス1において、ニードル200は、ニードル先端部の近くのニードルの側壁に沿ったニードル開口220を備えた1つまたは2つのルーメンまたは導管を含む。ニードル200は、異なる方法で、コルクまたは他の閉鎖具730内へおよびコルクまたは他の閉鎖具730を通じて挿入され得る一方で、この実施形態においては、ベース2であって、デバイス1は、本体3のそれぞれのレール31の移動を受けるとともに案内するチャネル21の対を備えたベース2(これは、以下で検討されるとおり、クランプにより容器700へ固定されてもよい)を含む。したがって、容器閉鎖具730に対する本体3および取り付けられたニードル200の移動は、ベース2により案内されてもよく、例えば、本体3はベース2に対して、ニードル200を閉鎖具730から出し入れするように動かすために、摺動し得る。加えて、ニードル200の移動は、ニードル案内部202であって、ベース2に取り付けられるとともに閉鎖具730の上に位置付けられたニードル案内部202により案内され得る。ニードル200を閉鎖具730を通して挿入するために、ユーザは、ベース2および容器700を互いに対して少なくともいくぶん静止した状態に保ちつつ本体3を下向きに押し下げることができる。ニードル200は、その動きにおいて、少なくとも部分的に、(例えばレール31およびチャネル21による)ベース2に対する本体3の案内された動きにより案内されて、閉鎖具730を通過する。ニードル200が図2に示されるとおり好適に挿入された状態で、ニードル先端部のニードル開口220は、閉鎖具730の下、および容器700の囲まれた空間内に位置付けられ得る。これは、容器700の内部と、ニードル200の1つまたは複数の導管との間の流体連通を可能にする。
【0018】
例えば、チャネルまたは本体3の他のレシーバと係合するベース2上に1つまたは複数のレールを提供する、本体またはベース上に長尺状スロット、チャネルまたは溝であって、本体またはベースの他方上の対応する特徴部(例えばタブ)と係合するとともに摺動移動を可能にする長尺状スロット、チャネルまたは溝、リンク機構であって、本体とベースとを一緒に接続するとともに、ニードルを閉鎖具に挿入するための本体の移動を可能にするリンク機構などを提供することを含む、ベース2に対する本体3の移動を案内するための他の配置構成も可能である。
【0019】
ニードル200が1つのルーメンまたは導管を含む実施形態において、バルブ36、37は、交互に、加圧ガスを容器700内に提供し、飲料を容器700から流すことを可能にするように制御され得る。例えば、ガスは、第1に、容器700において加圧状態を確立するために、単一の導管を介して容器700に導入されてもよく、次いで、ガス流が停止されてもよく、加圧飲料が単一の導管を出て分注出口へと流れることが許され得る。ニードル200が2つのルーメンまたは導管を含む(または2つ以上のニードルが使用される)場合、1つまたは複数の導管が、もっぱら容器内へのガス流のためのものであってもよく、1つまたは複数の他の導管がもっぱら飲料流のためのものであってもよい。したがって、ガス制御バルブ36は、ガス導管内へのガス流を制御することができ、飲料制御バルブ37は、飲料導管からの飲料流を制御することができる。代替的に、バルブ36、37の一方のみが、飲料流を制御するために設けられる必要があり、例えば、ガス制御バルブ36が開かれ/閉じられてもよく、飲料が、容器内の圧力に依存して、容器から、専用の常に開いた飲料導管を介して、分注出口38へ流れ出てもよい。コルクまたは他の閉鎖具を貫通し得るニードルまたは他の構造の使用は必要ではないことが認められるべきである。代わりに、任意の好適なホース、パイプ、チューブまたは他の導管がニードルの代わりに使用されてもよく、例えばコルクが除去されてもよく、導管が、例えば導管が貫通するプラグまたはキャップにより、容器700に流体結合されてもよい。
【0020】
本発明の態様によると、飲料抽出デバイスは容器が注ぐまたは注がない向きのいずれにあるかを検出することができ、注ぐ向きにある間は飲料を分注するが、注がない向きには飲料を分注しないようにデバイスの一部を自動的に制御することができる。例えば、デバイス1は、向きセンサ35であって、容器700の底部が容器700の開口(例えば閉鎖具730が位置するところ)の上に位置付けられたときに注ぐ状態を検出するように構築および配置された向きセンサ35を含み得る。代替的に、向きセンサ35は、容器700の長手方向軸701が水平軸を中心として少なくとも90度だけ回転したとき、または、飲料が容器700から分注されることになることを表す容器700の他の動きのときに注ぐ状態を検出し得る。そのような条件を検出するため、向きセンサ35は、重力に対するデバイス1および容器700の動きおよび/または位置を検出するように配置された、1つまたは複数のジャイロスコープ、加速度計、水銀または他のスイッチなどを含み得る。別の実施形態において、向きセンサ35は、飲料がニードル200または飲料を受けるように配置された他の導管と接触しているときに、注ぐ状態を検出し得る。例えば、向きセンサ35は、伝導性センサ、フロートスイッチ、または、ニードル200または飲料を受ける他の導管の先端部で液体飲料の存在を検出するための他の配置構成を含み得る。
【0021】
向きセンサ35により検出されたこれらの条件または他の条件は、容器700から飲料を分注するためにユーザが容器700を操作したこと、すなわち、容器が注ぐ向きにあることを決定するために、コントローラ34により使用され得る。それに応じて、コントローラ34は、容器700から飲料を分注するために1つまたは複数のバルブを制御し得る。例えば、図3の例示的実施形態において、コントローラ34は、容器700が上向き方向(すなわち、局所的重力の方向と反対の方向)に対して90度以上回転したことを検出し得るとともに、容器700内へ加圧ガスを送達するためにガスバルブ36を開くことができる。その後、コントローラ34は、ガス制御バルブ36を閉じ得るとともに、分注出口38を介して飲料が分注されることを可能にするために飲料制御バルブ37を開き得る。この構成は、容器から飲料を分注するために、デバイス1が単一のルーメンニードル200を使用することを可能にする。理解されるとおり、コントローラ34は、例えば、交互に、容器700内へ加圧ガスを送達するためにガス制御バルブ36を開く/飲料制御バルブ37を閉じる、および、容器700から飲料を分注するためにガス制御バルブ36を閉じる/飲料制御バルブ37を開くことにより飲料が逐次分注されるようにし得る。ニードル200または他の要素が2つの導管を有する場合、コントローラ34は、飲料を分注するために、ガス制御および飲料制御バルブ36、37を同時に開くことができる。上述のとおり、飲料分注は、容器700および/またはバルブ配置構成と流体連通する導管の数に依存して、他の方法で制御され得る。例えば、2ルーメンニードル200が用いられる場合、デバイス1は、ガス制御バルブ36のみ、または、飲料を分注するために開かれ、分注を止めるために閉じられる飲料制御バルブ37のみを含み得る。
【0022】
コントローラ34は、向きセンサ35からの向き情報を連続的に、定期的に、または他の方法で監視し得るとともに、それに応じて飲料分注を制御し得る。例えば、向きセンサ35が、容器700がもはや注ぐ向きにないことを検出すると、コントローラ34は、例えばガスおよび/または飲料制御バルブ36、37を閉じることにより飲料分注を止めることができる。デバイス1が注ぐ向きにあると再び検出されると、飲料分注が再開され得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、コントローラ34は、例えばデバイス1が注ぐ向きにあるとともに長期間、例えば1秒以上注ぐ向きのままであると検出される度に、各注ぐ動作について、分注される飲料の量または体積を制御することができる。例えば、コントローラ34は、各注ぐ動作について、所定の量、例えば4または6オンス/125mlまたは150mlの飲料を分注するように構成され得る。他の配置構成において、コントローラ34は、2つ以上の体積選択肢、例えば「試飲量(taste)」すなわち比較的少量を注ぐ、または1つもしくは複数のより大きい体積を注ぐのうちの1つを選択するためにユーザ入力を受信し得る。したがって、コントローラ34は、選択可能な分注体積情報を受信するための押しボタン、音声制御、または他のユーザインターフェイスを含み得る。選択された注ぐ体積に基づき、コントローラ34は、選択された量を分注するようにバルブの動作を制御することができる。分注体積のコントローラ34制御は、容器が注ぐ/注がない向きのいずれにあるかを検出する能力と結合される必要はないことに留意されたい。代わりに、ユーザは望ましい分注体積を選択することができ、次いで、分注を開始するためにボタンまたは他のアクチュエータを押すことができる。選択された体積が分注されると、例えば好適なバルブを閉じることにより、コントローラ34は分注を止めることができる。
【0024】
コントローラ34は、異なる方法でどのくらいの飲料が分注されるかを制御し得る。例えば、コントローラ34は、流量センサであって、分注された飲料の量を検出するとともに、流量センサからの情報に基づきバルブの動作を制御するように配置された流量センサを含み得る。別の配置構成において、コントローラ34は、飲料制御バルブ37が分注のために開いている時間に基づき、分注された飲料の量を求めることができる。容器700内の圧力および/または他の分注条件が既知である(例えば、ニードル200を通じた流速が、容器内における圧力の幅が比較的広い場合であっても比較的一定であり得る)場合、飲料制御バルブ37の開いている時間に対応する飲料体積の時間に基づく制御は、十分に正確であり得る。別の実施形態において、コントローラ34は、容器700内の圧力に基づき、容器からの流速を求めることができ、したがって、容器700内の圧力を示す値を検出するための圧力センサ39を含み得る。圧力センサ39は、ガス源と容器との間の導管において、または容器700内の圧力の表示を提供するための他の好適な位置において、容器に(例えばニードル200の端部に)位置付けられたセンサ要素を有し得る。圧力センサ39により検出された圧力は、容器700からの飲料の流速を求めるため、したがって、分注される飲料の量を求めるためにコントローラ34により使用され得る(例えば、分注出口38から出る飲料の流速は、容器700内の圧力に関連していてもよく、流速に分注時間をかけることにより、分注体積が求められ得る)。
【0025】
圧力センサ39からの情報はまた、容器700内の圧力を望ましい範囲内にするように制御するために、コントローラ34により使用され得る。例えば、コントローラ34は、好適に高速で、および/または既知の流速で飲料が分注されることを確実にするために、容器700内の圧力が望ましい範囲内になるように制御し得る。別の配置構成において、コントローラ34は、例えば、ガス源100から提供されるガスを保存するとともにより低い流速で分注するために、容器700内の圧力をいくぶんより低くなるように制御し得る。場合により、ユーザは、異なる分注モード、例えば、デバイス1が、容器700内の比較的高い圧力を使用して、最大または他の比較的高い速度で飲料を分注するために作動する(速く注ぐモード)、または、容器700内の比較的より低い圧力を使用することにより、可能な限り少ない分注ガスを使用する方法で、飲料を分注するために作動する(ガス節約モード)、「速い分注」または「ガス節約」モードで、作動するようにデバイス1を設定することができる。代替的に、ユーザは、分注速度を上げるまたは下げるように調整するためにコントローラ34と相互作用し得る。ここでも、ユーザは、コントローラ34のユーザインターフェイスまたは他の手段により分注速度情報を提供することができ、例えばコントローラ34が飲料の特定の体積を分注する場合、選択可能な分注速度特徴が、分注体積制御と共に、または分注体積制御無しで使用され得る。
【0026】
本発明の別の態様において、分注デバイスは、容器に残っている飲料の量を求めるように配置されてもよく、一実施形態において、容器における飲料の体積は、加圧ガスが容器に送達される時間にわたる圧力の変化に基づき求められ得る。例えば、デバイス1は、容器内へガスを送達するために使用される加圧ガス源100を含み得る。デバイス1は、容器700において圧力が増加する速度を測定することができ、圧力速度変化(pressure rate change)に基づき、容器における飲料の量を求めることができる。容器へ提供されるガスの圧力は、例えば、圧力速度変化の計測の間にガスが容器へ比較的一定の圧力で提供されるように、調整され得る。容器内の圧力は、例えば圧力センサ39を使用して計測されてもよく、理解されるとおり、容器内の圧力の速度変化は、飲料体積がより小さく、容器内部のガス体積がより大きい容器についてより低くなる傾向がある。コントローラ34は、検出された圧力速度変化とともに、残っている飲料の量に各々対応する値のルックアップテーブルを記憶してもよく、または、飲料の残りの体積を求めるために圧力速度変化を用いるアルゴリズムを使用してもよい。別の実施形態において、コントローラ34は必ずしも圧力センサ39を含まなくてもよく、代わりに、容器内の圧力が調整された圧力と等しくなるまで、調整された圧力で、容器へガスを提供し得る。圧力を均等化するまでに容器が要する時間は、コントローラ34により、例えばルックアップテーブル、アルゴリズムなどにより、残りの飲料の体積を求めるために使用され得る。コントローラ34は、残りの体積を計測しつつ容器が加圧される時間の間、飲料分注を妨げることができ、または、容器内の飲料の量を求めるために使用される加圧期間の間に飲料を分注することができる。(残りの体積を計測する間の飲料の分注は、残りの体積を求めるのに必ずしも問題を含まず、その理由は、コントローラ34は、容器からの流出が生じる速度、および/またはアルゴリズム、ルックアップテーブル、または残りの体積を求めるための他の手段に関する情報を記憶することができ、分注の原因となるように配置され得るからである。)
【0027】
別の実施形態において、デバイス1は、飲料が分注されている間の容器内の圧力の変化に基づき、容器に残っている飲料の量を求めるように配置されてもよい。例えば、一般的に言えば、より大きいガス体積を有する容器は、分注される飲料の単位体積について、より小さいガス体積を有する容器よりもゆっくりとした圧力低下を経験する。この関係は、デバイス1により、分注の間に、容器における残りの飲料体積を求めるために使用され得る。例えば、加圧ガス源100が、飲料分注の前または間のいずれかに、容器内へガスを送達するために使用されてもよく、デバイス1は、分注の間に、容器700において圧力が減少する速度を計測し得る。圧力低下速度に基づき、コントローラ34は、容器における飲料の量を求め得る。他の実施形態におけるように、容器に提供されるガスの圧力は、調整されてもよく、または調整されなくてもよい。容器内の圧力は、上で検討されたとおり、例えば圧力センサ39を使用して、計測され得る。飲料の残りの体積を求めるために、コントローラ34は、検出された圧力速度変化とともに残っている飲料の量に各々対応する値のルックアップテーブルを記憶することができるか、飲料の残りの体積を求めるために圧力速度変化を用いるアルゴリズムを使用してもよい。容器700において残っている飲料の求められた量が、分注のためのガス送達を制御するために使用されてもよく、例えば、残りの飲料の量が比較的少量である容器は、所定の量の飲料を分注するために、より満たされた容器よりも大きい体積のガスを必要とし得る。したがって、例えば、コントローラ34は、容器700における飲料の残りの量に依存して、ガスバルブ36が開いている時間を調整し得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、ニードルまたは他の導管における1つまたは複数のルーメンの断面の大きさ、またはニードル/導管の他の流れ抵抗が、ニードルまたは他の導管を通るガスおよび/または飲料流に影響を及ぼし得る。場合により、ニードルは、コントローラ34がニードルの流れに対する制限に関する情報を受け得るように、コード化またはそうでなければ識別され得る。例えば、ニードルまたは他の導管は、識別番号もしくは他のテキスト、RFIDタグ、磁石インジケータ、または、ニードルのための流量制限に関する情報を含むか表す他の配置構成を有し得る。ユーザは、コントローラ34へ(例えばユーザインターフェイスにより)識別番号または他の印を提供することができ、または、コントローラ34は、ニードル自体にある印を読むことができる(例えばRFIDタグまたは磁石インジケータの場合)。コントローラ34は、このとき、ガスおよび/または飲料分注を制御するために、流量制限情報を使用することができる。
【0029】
コントローラ34が残りの飲料の量を求め、デバイス1が続いて(または同時に)飲料を分注するために使用される場合、コントローラ34は残りの飲料の量を分注された飲料の量だけ調整(減ら)し得る。例えば、コントローラ34は、飲料制御バルブ37が開いている時間の長さを計測するとともにその情報を使用して分注された飲料の量を求めることができる。分注された飲料は、残りの量を更新するために、前に求められた残りの量を減らすために使用され得る。コントローラ34が残りの飲料の量を求める時間の間に分注する場合、コントローラ34は、分注された飲料を考慮に入れることができる、例えば、残りの飲料の量を求めるために使用されるアルゴリズムが、計測動作の間に分注された飲料を考慮に入れることができる。コントローラ34は、容器において残っている飲料の量を求めるために、分注された飲料の量を使用することができることにも留意されたい。例えば、デバイス1が、アクセスされたことのない容器700と関連付けられている場合、デバイス1は、容器700は当初は始動体積の飲料(例えば750mlのワイン)を有すると仮定することができ、分注される飲料の量を始動体積から差し引いて容器における残りの体積を求めることができると仮定し得る。
【0030】
コントローラ34は、求められた残りの飲料情報を異なる方法で使用することができる。例えば、容器は識別のための印、例えばRFIDタグ、バーコード、英数字テキストなどを有してもよく、コントローラ34は、残りの飲料情報を各特定の容器と関連付けることができる。このような方法で、コントローラ34は、複数の容器の各々について残っている飲料の量を記憶することができ、デバイス1がその後先に使用された容器とともに使用される場合、コントローラ34は飲料の残りの量を、例えば視覚的ディスプレイ上に、残りの量を聞こえるように知らせることなどにより、表示することができる。別の実施形態において、コントローラ34は飲料の残りの量を、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォンまたは他のデバイスなど別のデバイスに、無線にせよ有線接続にせよ、伝達することができる。理解されるとおり、スマートフォンまたは他の同様のデバイスは、例えば、1つまたは複数のデバイス1との通信を可能にするアプリケーションを作動させることができ、デバイス1に対する情報および/またはユーザ入力の表示を管理する。アプリケーションはまた、例えばBluetoothまたは他の無線通信によりデバイス1とスマートフォンとの間の通信を管理することができ、そのため、デバイスは情報を共有し得る。これは、ユーザがスマートフォンまたは他のデバイス上で、どのくらいの飲料が残っているのか、および他の情報、例えば、容器における飲料のタイプ、どのくらいのガスがガス源100に残っているか、またはどのくらいの飲料が残りのガスで分注できるのか、ガス源100におけるガスのタイプ(例えばアルゴン、二酸化炭素など。)、容器が分注のために最初にアクセスされたのはいつか、および/または、デバイスに取り付けられたニードルの大きさ(ニードルの大きさは異なる容器閉鎖具に適したものであり得る。例えば、特定のタイプのコルクもしくは他の閉鎖具のために、および/または、ニードルの除去時にコルクが再び密封することを確実にするのに役立つためにより小さい大きさのニードルが望ましい場合があり、一方で、より速い分注速度のためにはより大きいニードルが望ましい場合がある。)を見ることを可能にすることができる。
【0031】
コントローラ34はまた、デバイスが容器および/または容器の検出特徴部に様々な方法で取り付けられているかどうか検出する能力を使用することができる。例えば、コントローラ34は、例えば、ニードルがコルクを通じて挿入されたことを検出することにより、容器上のRFIDタグ、バーコードまたは他の印を検出することにより、デバイス1のクランプまたは他の容器係合特徴部の起動を検出することなどにより、デバイス1が容器に取り付けられているかどうかを検出することができ、それに応じて、デバイス1の作動を開始する。例えば、デバイス1のクランプと関連するセンサが、デバイス1が容器700に固定されていることを示す場合、デバイス1が容器と係合していることを検出した後で、デバイス1は、飲料分注を制御するために、その向きおよび/または取り付けられた容器の向きをモニターし始めることができ、ガスおよび/または飲料の残量値を表示することなどができる。同様に、または代替的に、容器に関する他の特徴、例えば、飲料のタイプ、飲料の温度(デバイス1が温度センサに装着されている場合)、容器がデバイス1により最後にアクセスされたのはいつかの表示、当該飲料との食べ物の組合せの提案などが表示され得る。上述のとおり、情報は、ユーザへ示すために、デバイス1からユーザのスマートフォンまたは他のデバイスへ、視覚的表示、可聴式表示などのいずれによってであれ伝えられ得る。デバイス1はまた、追加的な情報をユーザに提供するために、検知された情報を、例えばウェブサーバに遠隔的に記憶された他の情報にアクセスするために使用し得る。例えば、デバイス1には、容器自体の温度および/または容器における飲料の温度を検出するために、温度センサが備えられてもよい。温度情報、および場合により飲料のタイプに基づき、デバイス1は、飲料が好適な提供のための望ましい温度範囲内にあるかどうかを決定するために、記憶された情報にアクセスし得る。望ましい温度範囲内に無い場合、デバイス1は、最適な提供温度に関する情報とともに飲料温度を示すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、コントローラ34は、圧縮ガスシリンダなどガス源におけるガスの量を求めるおよび追跡するように配置され得る。そのような情報は、例えば、ガス源がもうすぐ使い果たされることをユーザに警告するのに有用であり得る。例えば、一実施形態において、コントローラは、ガスシリンダ100におけるガスの圧力を検出するように配置された圧力センサ39を有してもよく、検出された圧力を使用してどのくらいのガスがシリンダに残っているか決定し得る。この情報は、シリンダ100が交換されるべきであるという情報、シリンダがすぐに使い果たされ得るという警告などをユーザに提供するために、コントローラ34により使用され得る。別の実施形態において、コントローラ34は、ガスシリンダにおける圧力、または、容器内へガスを送達するためにガス制御バルブ36もしくは飲料分注バルブ37が開いている時間の長さに基づくシリンダに残っているガスの量を示す他の値を求めることができる。例えば、調整器600が設けられる場合、コントローラ34は、ガス源100が調整された圧力でガスを送達し得る総時間を表す情報を記憶し得る。ガスシリンダまたは他の源100が交換される場合、コントローラ34は、交換を検出することができ、次いで、例えばどのくらいの長さガス制御バルブが開いているかに基づき、ガスがガス源100から送達される総時間を追跡することができる。総送達時間は、例えば満杯の3/4、満杯の1/2など源100に残っているガスの量を示すため、および/または源100がもうすぐ使い果たされそうなときを示すために使用され得る。コントローラ34はまた、ガス源100が作動を行うのに十分なガスを有していない場合、分注動作を実施するのを拒むことができる。他の配置構成において、コントローラ34は、どのくらいの飲料が分注されたかに基づきガス源100に残っているガスの量を求めることができる。上で検討されたとおり、コントローラ34は、1つまたは複数の容器からどのくらいの飲料が分注されるかを決定することができ、ガス源100を使用してどのくらいの総飲料が分注されたかに基づきガス源100に残っているガスの量を求めることができる。例えば、コントローラ34は、ガス源100が分注のために使用され得る総オンスまたは他の体積計測値に関する情報を記憶することができ、コントローラ34は、分注された飲料の量に対応する残っているガスの量を表示することができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、コントローラ34は、ガス源100を検出することができるとともに、分注デバイス1の作動の際に使用するためのガス源100の特徴を決定することができる。例えば、コントローラ34は、ガス源100(例えば、ガスシリンダ)上のRFIDタグ、バーコード、色タグ、または他の印を検出し、印に基づきガス源100の様々な異なる特徴、例えば、源100におけるガスのタイプ、源100におけるガスの量、源100を使用して分注され得る飲料の量、源100におけるガスの初期圧力などを特定することができる。コントローラ34は、ガス源のタイプまたは他の特徴に基づきデバイス1の動作を調整し得る。例えば、コントローラ34がガス源100が比較的低い初期圧力を有していることを検出する場合、コントローラ34は、より高い圧力のガス源と比べて、ガス源100を使用して分注され得るより小さい総飲料体積を選択し得る。これは、コントローラ34が、経時的に、すなわち、飲料が分注されるにつれ、どのくらいのガスが源100に残っているかをより正確に表すことを可能にする。
【0034】
なお別の実施形態において、コントローラ34は、ガス源からどのくらいのガスが使用されたかを監視すること無く、ガス源100が空の状態に近づいているときを検出し得る。場合により、例えば、単一段調整器600がガス源100と共に使用される場合、ガス源100が欠乏するにつれて調整器からの分注圧力は正常な設定より上に上昇する。(圧力の上昇は、ガス源100における比較的低い圧力が調整器バルブを通常どおりに速やかに閉じさせるのに不十分であることによると考えられる。)コントローラ34は、圧力センサ39などセンサを使用してこの圧力の上昇を検出することができ、源100がもうすぐ使い果たされるという表示を提供することができ、分注動作を止めるか他の好適な行動をとることができる。
【0035】
本発明の別の態様において、デバイス1は、注ぐ向きにある間に飲料分注を止めるように配置されてもよい。例えば、向きセンサは、容器が注ぐ向きにある間の、容器の、容器の長手方向軸を中心とした回転を検出することができ、それに応じて、コントローラ34は飲料の分注を止めることができる。すなわち、ワインをグラスに注ぎこむのを止める際に人がワインボトルをその長手方向軸を中心に回転させ得る方法と同様に、デバイス1は、容器が注ぐ向きにあるままである場合であっても容器の同様の回転を検出し得るとともに分注を止め得る。容器が注ぐ向きにある間の、容器の、長手方向軸を中心とした反対方向への回転が検出されてもよく、コントローラ34は分注を再開し得る。代替的に、コントローラ34は、ここでも、容器が注がない向きにされ、次いで注ぐ向きにされるまで分注を開始しなくてもよい。本発明のこの態様は、デバイス1が容器が注ぐ向きにあることを検知するとともに飲料分注を始める、上で検討された自動注ぎ特徴と組み合わされてもよく、または、独立して使用されてもよいことに留意されたい。例えば、デバイス1は、ボタンを押すなどユーザの命令に応じて分注を始めるように配置されてもよく、容器の、その長手方向軸を中心とした回転の検出に応じて分注を止めてもよい。容器700の、その長手方向軸を中心とした回転の検知は、容器が注ぐ向きにあるかどうかの検出のための上で検討された同じまたは同様のセンサ、例えば加速度計、ジャイロスコープ、水銀または他のスイッチなどにより実施され得る。
【0036】
認められるとおり、飲料抽出デバイスは、例えばデバイスをボトルのネックに締め付けることにより、デバイスをボトルと係合させるように構成されたクランプまたは他の配置構成から利益を得ることができる。例えば、デバイスは、1つまたは複数のクランプアームであって、デバイスへ移動可能に取り付けられるとともに、使用中ボトルにデバイスを支持するためにボトルと係合するように配置された1つまたは複数のクランプアームを含み得る。図5および6の実施形態は、平らな水平面10、例えばテーブルまたはカウンタ上部上に直立した向きでデバイス1を支持するように任意選択的に配置されたクランプアーム41の対を有するクランプ4を有する(しかしながら、以下により詳細に記載されるとおり、対の代わりに単一のクランプアームも提供され得ることが認められるべきである。)この実施形態において、クランプアーム41は各々、本例においてはガスシリンダカバー101の下端である本体3の最も下の部分とともに表面10に接触する下向きに延在する部分41cを含む。
【0037】
クランプアームはまた、クランプアームを様々な異なるボトルネックと適切に係合させるのに役立つための特徴部を含み得る。例えば、異なるボトルが、異なるネック直径、異なるリップ直径または長さを有し得る(本明細書で使用する際、リップは、ネックであって、ボトルが広がる、段になっているまたはそうでなければ大きさの面で外向きに突出するネックの上部付近の多くのワインボトルの特徴部である)。一実施形態において、クランプアームは、先端タブ特徴部および基端隆起部特徴部であって、共同して異なるネック構成と適切に係合する先端タブ特徴部および基端隆起部特徴部を含む。図5〜8は、各クランプアーム41が先端タブ43と基端隆起部44とを含む例示的一実施形態を示す。タブ43は、隆起部44よりいくぶんより多く半径方向に内部へ延在することができ、したがって、ボトルネックを中心に置く、またはそうでなければクランプアーム41に対して適切に位置付けるのに役立つことができる。例えば、クランプアーム41がネック上で閉じられると、タブ43は隆起部44の前にネックに接触することができ、ネックを中心に置く、またはそうでなければデバイス1に対して適切に位置付けるのに役立つ。いくつかの実施形態において、タブ43および/または隆起部44は、部分であって、ボトルネックに接触し、クランプアーム41が、ネックがクランプアーム41に対して位置をシフトすることを可能にしつつネックに係合することを可能にするのに役立つために、比較的硬く、低摩擦の表面を有する部分を有してもよい。タブ43は、例えばクランプアーム41間でベース2に位置するパッド22に向かってネックを移動させるために、ベース2に対して基端側にネックを押しやるのに役立つことができる。ネックを基端側に移動させるとともに、パッド22または他のコンポーネントと接触させることにより、クランプアーム41は、ネックを、ニードル案内部202およびニードル200に対して一貫した方法で位置付けるのに役立ち得る。これは、ニードル200が望ましい位置において閉鎖具730を貫通することを確実にするのに役立ち得る。例えば、ネックがパッド22と接触して位置付けられた状態で、ニードル案内部202およびニードル200は、閉鎖具730の中心からオフセットされた位置において閉鎖具730を突き通すように配置され得る。これは、ボトル700から飲料を抽出するためにデバイス1が2回以上使用される場合、ニードル200に閉鎖具を同じ位置で貫通させることを回避するのに役立ち得る。(上述のとおり、飲料は、閉鎖具730を除去すること無く抽出されることができ、閉鎖具はニードルの除去の後に再び密封することができるため、閉鎖具730は複数回抽出するために複数回突き通され得るが、飲料は、閉鎖具730の除去無しにボトル700から複数回抽出され得る。)代替的に、ニードル200および案内部202は、閉鎖具を、その中心で、ネックがパッド22に接触した状態で、ネックを、パッド22に接触した状態で、基端側に位置付けることにより貫通するように構成されてもよく、閉鎖具730は、望まれるとおり中心で貫通され得る。閉鎖具730を中心位置で貫通するようにデバイスが配置される別の配置構成において、クランプアーム41は各々、閉鎖具730の中心が常にニードル200による貫通のために位置付けられるようにネックに接触する半円形の、または他の好適に配置された表面を含んでもよい。
【0038】
隆起部44は、任意選択的にであるが、例えば、ボトルのリップのための好適に長い接触表面を隆起部44が提供するのに役立つために、タブ43より大きい、ボトルネックに垂直な方向に(またはニードル200の長さに垂直な方向に)測定された長さを有してもよい。例えば、タブ43が、クランプアーム41間でネックを中心に置くとともに、ネックを基端側に移動させるのに役立つことができる一方で、隆起部44は、ネックがクランプアーム41に対して下向きに望ましい距離より長く移動するのを防ぐのに役立つように、好適に長い表面でボトルリップの下側に接触し得る。隆起部44の拡張された長さは、より大きい強度を有する隆起部44を提供することができるとともに、クランプアームが、多様なボトルネックおよびリップの大きさおよび形状で作動するのを助けることができる。加えて、隆起部44が異なるリップ寸法を有する様々な異なるネックとの好適な係合を提供することを確実にするのに役立つために、隆起部44は、例えば図7に示されるとおり基端側に増加する、可変半径方向長さを有し得る。
【0039】
この例示的実施形態におけるパッド22は、クランプアーム41が係合したときにデバイスがボトルネックを把持するのを助け得るゴムなど弾力性のある材料のストリップを含む。いくつかの実施形態において、パッド22が、例えば隆起部44と同様に、ボトルネック上のリップの下面と係合し得るように、パッド22は、パッド22の下部分付近に突出部または段を含み得る(図7および8を参照)。パッド22は、ニードルの長さに沿った、すなわちボトルネックの長さに沿った方向に延在し得るとともに、任意の好適な長さを有し得る。しかしながら、一般に、パッド22は、デバイス1が係合することになる最も短いボトルネックの長さと等しいかそれより短い長さを有する。クランプアーム41にも同様のことが当てはまる。すなわち、クランプアーム41は、クランプアーム41がいくぶん短いネックを有するボトルを受けるとともにそれに係合することを可能にする程度に、ニードル200の長さに沿った方向に下向きに延在する先端部分41bを有し得る。一実施形態において、クランプアーム41の先端部分41bは、本体3がベース2に対して最も下の位置に位置付けられるときに、少なくとも、ニードル200の先端部の最も下の位置に等しいかそれより大きい程度に下向きに延在し得る。このようにして、ニードル200は、デバイスが表面10上に直立して立っているときに、表面10と接触するのを防がれ得る。同様に、ニードル200は、その移動の全範囲にわたってクランプアーム41間の空間内に位置付けられるように、クランプアーム41に対して可動であり得る。
【0040】
この実施形態において、デバイス1は、戻り止めであって、例えば本体3が、カウンタ上部に静止している間に、ベース2に対して移動しないことを確実にするのを助けるために、ベース2に対して上の位置に本体3を弾性的に保持する戻り止めを含む。例えば、戻り止めは、戻り止め保持機能を克服するための好適な力がかけられるまで本体3およびベース2を互いに対して静止して保持するために、本体3上の好適な溝と係合するベース2に取り付けられたばね仕掛けのボールまたは他の要素を含み得る。(例えば、本体3のレール31上の溝または他の特徴部と係合するように配置されたベース2へ取り付けられたばね仕掛けのプランジャを含む戻り止め23を示す図8を参照。)例えば、当業者により認められるとおり、ばね仕掛けのタブおよびスロットなど他の戻り止め配置構成も可能である。さらに、戻り止めは、本体3およびベース2を互いに対して1つまたは複数の位置において着脱可能に保持する必要はない。例えば、本体およびベースを閾値レベルを上回る力が無い場合に静止した状態に維持する摩擦力を提供するために、摩擦要素(例えば、レール31とチャネル21との間に位置付けられたゴムストリップ)が含まれ得る。摩擦要素は、特定の本体/ベース位置のために、または、本体/ベースの移動の全範囲にわたって摩擦力を提供し得る。本体3およびベース2を互いに対して1つまたは複数の位置において保持するのに役立つために、例えば、レール31に係合して本体/ベース移動を防ぐためなどに締められ得るベース2上のばね付きピン、ラッチまたは他の係止部、蝶ねじなど他の構成も可能である。
【0041】
この例示的実施形態において、クランプアーム41は、先端部分41bが、例えばアーム41の間に位置付けられたボトルネックをクランプするために、通常は互いに向かって移動するように付勢されるように、ベース2へ枢動可能に取り付けられる。例えば、図8に示されるとおり、クランプアーム41は、枢動ピン45およびブッシング46を介してベース2へ取り付けられる。しかしながら、クランプアーム41は、ベース2に対して他の方法で、例えば、リンク機構、リビングヒンジ、摺動係合(例えば、クランプアームの一部をベースのチャネルへ移動させることにより)などにより移動可能に取り付けられ得る。同様に、(この実施形態において、アームは依然として互いに可動であると言われるが)一方のアームはベースに固定されてもよく、他方は可動にされる。ねじりばねまたは他のばねが、クランプアーム41に付勢力(提供される場合は)を提供するために使用されてもよい。例えば、この実施形態において、クランプアームが、先端部分41bを互いに対して移動するように付勢されるように、ねじりばね47がブッシング46上に取り付けられるとともにベース2およびクランプアーム41を係合するように配置される。クランプアーム41のこの締付力は、ボトル700上でデバイス1を支持するのに、またはさらには、デバイス1を把持および操作することによりユーザが飲料を持ち上げボトル700から注ぐことを可能にするのに十分堅牢であり得る。クランプアーム41はまた、基端部分41aであって、先端部分41bがボトルネックを受けるように互いにから離れるように移動するように、ユーザに把持され得るとともに(ばね47の付勢力を克服して)一緒に移動され得る基端部分41aを含み得る。例えば、この実施形態において、ユーザは、ボトルネックを先端部分41b間に位置付けるために、基端部分41aを一緒に挟持することができ、次いで、クランプアーム41がボトルネックをクランプすることを可能にするように、基端部分41aを解放することができる。しかしながら、他の配置構成も可能である。例えば、先端部分41bは、代わりに、互いから離れるように移動するとともに、ユーザが、付勢力を克服するために好適な力を、例えば先端部分41bにかけると、互いに向かって移動するように付勢され得る。別の実施形態において、クランプアーム41は、全くばね付勢されなくてもいい。クランプアーム41が先端部分41bを離すように移動させるために付勢されるか、全く付勢されないそのような配置構成において、クランプアーム41をボトルに係合するために係止機構が使用され得る。
【0042】
すなわち、クランプアーム41がばね付勢されようとされまいと、アームの移動は、係止機構によりなんらかの方法で限定、またはそうでなければ制御され得る。例えば、アーム41は、ラチェットおよびつめ機構であって、クランプアーム41の先端部分41bが互いに向かって自由に移動することを可能にするが、つめが最初にラチェットから除去されない限り、先端部分41bの互いから離れるような移動を防ぐラチェットおよびつめ機構により一緒に固定され得る。この配置構成は、ユーザが、ラチェットおよびつめでボトルネック上へアーム41を固定的にクランプすることを可能にすることができ、アーム41が、ユーザがつめを解放するまでネックを解放するために互いから離れるように移動しないことを確実にする。他の実施形態において、アーム41は、代替的な方法で、例えば、バックルおよびストラップ(ストラップが一方のアーム41が固定され、バックルが他方のアーム41に固定される)、ねじおよびナット(ねじが1つのアーム41に係合し、ナットが他方のアーム41に係合し、ねじおよびナットがアーム41同士を固定するために互いに螺合する)、アーム41の先端部に広がるフック・アンド・ループファスナー要素、またはアーム41をボトル700と係合させるのに好適な他の配置構成により、互いから離れる移動に対して固定され得る。
【0043】
例えば、図9および10は、クランプアーム41が、いくつかのスキーブーツにおいて見られるものと同様のバックルの形の係止機構6を含む例示的実施形態を示す。この実施形態において、係止機構6は、ハンドル49aであって、クランプアーム41に枢動可能に取り付けられるとともに弦49bを担持するハンドル49aを含む。弦49bは、他方のクランプアーム41に形成された弦係合スロット49cのうちの1つと選択的に係合するように配置される。したがって、この実施形態における係止機構6は、弦係合スロット49c上で弦49bの3つの異なる位置を提供するように配置され、したがって、係止機構が、異なる大きさのボトルネックを係合するための3つの異なる調整位置を提供することを可能にする。クランプアーム41をネックに係合するために、弦49bは、好適なスロット49cと係合され、ハンドル49aはクランプアーム41を適所に係止するために回転させられる。当然のことながら、他の係止機構も可能である。したがって、クランプ4は、係止機構であって、単一の係止位置、複数の係止位置、連続的に可変の係止位置、一連のインデックス付きまたは段差付き係止位置、および/またはユーザが画定した係止位置を有する係止機構を含み得る。そのようなクランプアーム固定配置構成が、クランプアーム41の先端部分41bが互いに向かって移動するように付勢されるか、互いから離れるように付勢されるか、または全く付勢されていないかにかかわらず使用され得る。
【0044】
図11〜13は、閉鎖具が中心を外れた位置で貫通されるように、単一のクランプアームを含むとともにボトルネックを係合するように任意選択的に構成され得るボトルクランプ配置構成の別の実施形態を示す。(しかしながら、図11〜13のクランプ配置構成は、閉鎖具を中心位置で貫通するデバイスにおいても同様に使用され得ることが認められるべきである。)この実施形態において、クランプ配置構成は、ベース2へ枢動可能に取り付けられた単一のクランプアーム41を含む。係止機構6が、ユーザがクランプアーム41を(図11に示されている)開位置から(図12に示されている)閉位置へ自由に移動させることを可能にするように配置されるが、閉位置から開位置へのアーム41の移動には抵抗する。結果として、デバイス1は、図11におけるようにボトルネックと関連付けられることができ、クランプアーム41は、デバイス1がボトル上で支持されるように、図12におけるように、ネックと係合するために移動させられ得る。クランプアーム41が閉位置すなわち締付位置においてネックに係合している状態で、アーム41は、係止機構6が解放されない限り開位置に向かって移動することはできない。したがって、デバイス1は、ボトルと係合することができるとともに、ユーザがクランプアーム41を解放するまで、ボトルと係合したままとなり得る。クランプアーム41および/またはパッド22(図13を参照)は、ネックが、閉鎖具730の中心をニードル200の貫通ポイントから離れるように位置付けるように係合されてもよく、したがって、中心を外れての貫通を確実にするように配置され得る。例えば、パッド22は、閉鎖具730の中心をニードル200の貫通ポイントからオフセットするために、ボトルネックと接する半円形の表面を有し得る。
【0045】
係止機構6は他の方法で配置されてもよい一方で、この実施形態においては、係止機構6はクラッチばね61であって、クランプアーム41に固定された上の留め金62およびベース2に固定された下の留め金65上に嵌合するとともに係合可能であるクラッチばね61を含む。当業者により理解されるとおり、クラッチばね61は、下の留め金65に対して、(上からみたときに)時計回り方向におけるクランプアーム41の移動を可能にするが反時計回りの移動に抵抗するように、留め金62、65に係合し得る。スリーブ63は、クラッチばね61を収納し得るとともに、クランプアーム41が反時計回りの方向に移動することを可能にするために、クラッチばね61を上の留め金62から解放するために解放タブ64はユーザにより可動であり得る。例えば解放タブ64が起動されるとアーム41がばね付勢下で開位置へ移動するように、別のばね(図示せず)が、クランプアーム41を開位置に向かって移動するように付勢するために使用され得る。例えばラチェットおよびつめ構成、回転戻り止めなど、係止機構のための他の配置構成も可能である。
【0046】
上述のとおり、デバイス1が容器と係合していることを検知および示すためにセンサがクランプ配置構成と関連付けられ得る。例えば、クランプが容器ネックと係合するとスイッチが閉じられてもよく、デバイス1が容器と係合していることを示す。コントローラ34は、分注を制御するためにこの情報を使用することができ、例えばコントローラ34は、それに応じて、容器が注ぐ向きにあるかないか監視し始めることができ、およびそれに応じて分注を制御し得る。
【0047】
飲料抽出中のガスまたは流体の進入または退出を防止するためにコルクで効果的にシーリングする一方で、滑らかな壁付き外部を有するニードル、16ゲージ以上のペンシルポイントまたはヒューバーポイントニードルがワインボトルコルクまたは他の閉鎖具を貫通するのに有効であることが分かっている。さらに、そのようなニードルは、コルクがニードルを引き出した後で再び密封することを可能にし、ボトルおよび任意の残りの飲料が数カ月または数年間の間、飲料フレーバーの異常な変化無しに保存され得ることを可能にする。さらに、そのようなニードルが、ワインボトルおよび他のボトルに一般に見られる箔カバーまたは他の包装を貫通するために使用され得る。したがって、ニードルは、箔カバーまたは他の要素および閉鎖具を貫通することができ、飲料抽出の前に箔または他の包装を取り外す必要性を除く。他のニードルプロファイルおよびゲージもまた、本システムと共に使用可能である。
【0048】
上の実施形態においては、ニードル案内部202およびニードルは、ニードルに閉鎖具730の中心を貫通させるように位置付けられているが、案内部202の下の開口または貫通孔は、ニードルをコルク730の中心からオフセットされた位置に導入するように配置され得る。これは、システム1がボトルから数回飲料を分注するために使用される場合にニードルが閉鎖具730を同じ位置で貫通する機会を減少させ得るとともに、閉鎖具730が、ニードルが引き抜かれたときにより良好に再び密封されることを可能にし得る。
【0049】
上述の実施形態においては、ユーザは、ボトル閉鎖具に対してニードルを挿入する/取り外すために本体3をベース2に対して線形に移動させるが、閉鎖具に対してニードルを移動させるために手動または動力駆動機構が使用されてもよい。例えば、レール31は、歯付きラックを含んでもよく、一方で、ベース2は、動力ピニオン歯車であって、ラックに係合するとともにベース2に対して本体3を移動させるように機能する動力ピニオン歯車を含み得る。ピニオンは、ユーザにより作動されたハンドル、モータ、または他の好適な配置構成を動力とし得る。別の実施形態において、ニードルは、例えばガスシリンダ100または他の源からの圧力を動力とする空気圧式または油圧式ピストン/シリンダにより移動させられ得る。
【0050】
飲料抽出デバイスにおいて使用されるニードルは、コルクから材料を除去すること無くコルクを通過させられ得るコアリングの無い先端部を備えた滑らかな外部壁付きの円筒形ニードルであってもよい。1つのコアリングの無い先端部は、コルクを通る通路を広げるペンシル先端部であるが、偏向された先端部およびスタイレットニードルもまた適切に作用することが分かっており、代替的実施形態において使用され得る。ペンシル先端ニードルは、好ましくは少なくとも1つのルーメンであって、その長さに沿って、ペンシル先端部の反対側の端部にある少なくとも1つの入口およびペンシル先端部の近位にある少なくとも1つの出口から延在する少なくとも1つのルーメンを有する。上で示されたとおり、ニードル出口は、ニードル先端部の最も端の近位にではあるが、ニードルの先端部でニードルの側壁に位置付けられてもよい。
【0051】
正しいニードルゲージでは、ニードルのコルクからの除去の後に残っている通路(ある場合)は、通常の格納条件下では、流体および/またはガスの退出または進入に対して自己密封することが分かっている。したがって、ニードルは飲料を抽出するために閉鎖具を通して挿入されることができ、次いで除去されることができ、閉鎖具を通る飲料およびガス通路が妨げられるように、閉鎖具が再び密封することを可能にする。複数のニードルゲージが機能し得るが、好ましいニードルゲージは16〜22ゲージの範囲にわたり、いくつかの実施形態における最適なニードルゲージは、17〜20ゲージである。これらのニードルゲージは、繰り返しの挿入および抜き出しの後であっても、コルクへの許容可能な程度に低いレベルの損傷を与える一方で、ボトル内部の圧力が最小である最適な流体流を提供することができる。
【0052】
複数のニードル長さが、様々な実施形態において適切に機能するように適合され得るが、約1.5インチの最小ニードル長さが、標準的なワインボトルコルクを通過するのに一般的に必要とされることが分かっている。9インチほどもあるニードルが用いられ得るが、いくつかの実施形態のための長さの最適範囲は2〜2.6インチの間であることが分かっている。(ニードル長さは、閉鎖具を貫通する、および/または閉鎖具を通過するよう動く際に誘導のためにニードル案内部に接触するように作動可能なニードルの長さである。)ニードルは、任意の標準的な継手(例えば、NPT、RPT、Leur、急速継手または標準的なねじ山)を通じて直接的にバルブに流体接続されてもよく、または、代替的に、介在要素、例えば可撓性または剛性チューブを通じてバルブに接続されてもよい。2つ以上のニードルが使用される場合、ニードル長さは同じであっても異なっていてもよく、0.25インチ〜10インチで様々であってよい。ニードルの入口/出口の間に距離を作り出すことは泡の形成を防ぎ得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、ボトルから飲料を抽出するために、好適なガス圧力がボトルへ導入される。例えば、いくつかのワインボトルでは、コルクでの漏洩またはコルクの放出のリスク無しに約40〜50psiの最大圧力がボトルに導入され得るが、約15〜30psiの圧力が良好に機能することが分かっている。これらの圧力は、コルクの除去またはコルクによる液体もしくはガスの通過を引き起こさずにボトル開口でのコルク対ボトルシールの最も弱い部分によってさえも耐えられ、比較的速い飲料抽出を提供する。いくつかの実施形態のためのワイン抽出中のボトルにおけるより低い圧力限界は約0〜20psiであることが分かっている。すなわち、ボトルからの好適に速い飲料の抽出を提供するためには、約0〜20psiの圧力がボトルにおいて必要とされていることが分かっている。単一の17〜20ゲージニードルを使用する一例において、30psiの圧力がワインボトルにおける初期圧力を確立するために使用され、内部圧力が約15〜20psiまで下がった場合であっても急速なワイン抽出が見られた。
【0054】
加圧ガス源は、様々な非活性ガスのいずれかが充填された、様々な調整された、または調整されていない加圧ガスボトルのいずれかであり得る。好ましい実施形態において、ガスシリンダは、約2000〜3000psiの初期圧力のガスを包含する。この圧力は、いくつかのワインボトルの内容物の完全な抽出のために単一の比較的小さい圧縮ガスシリンダ(例えば長さが約3インチ直径が0.75インチ)の使用を可能にすることが分かっている。複数のガスが長い格納期間にわたる試験に成功しており、好ましくは、使用されるガスはボトル内でワインなどの飲料と反応しないガスであるとともに、飲料の酸化または他の損傷を保護する働きをし得る。好適なガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどを含む。ガスの混合物もまた可能である。例えば、アルゴンと別のより軽量のガスとの混合物はアルゴンにおけるワインまたは他の飲料に適用することができ、一方で、より軽量のガスはボトル内の体積を占めることができ、場合によりガスの全体的コストを低下させることができる。
【0055】
上記の実施形態において、単一のルーメンを備えた単一のニードルが、ボトル内へガスを導入しボトルから飲料を抽出するために使用される。しかしながら、他の実施形態において2つ以上のニードルが、例えば1つのニードルがガス送達のために、1つのニードルが飲料抽出のために使用されてもよい。このような実施形態において、バルブは、同時に、ボトルへのガスの流れを開きボトルからの飲料の流れを開くように作動し得る。ニードルは、0.25〜10インチで可変の同じもしくは異なる直径または同じもしくは異なる長さを有し得る。例えば、1つのニードル送達ガスは、ボトルからワインを抽出する別のニードル送達ガスより長いものであり得る。代替的に、ガスが一方のルーメンの中を移動し、飲料が他方のルーメンの中を移動する2つのルーメンニードルが用いられてもよい。各ルーメンは別個の入口と出口とを有することができ、ガスの循環を防止するため、出口はボトル内で互いから間を空けて配され得る。
【0056】
システムの制御は、コントローラ34の任意の好適な制御電気回路により実施されてもよく、この制御電気回路には、プログラムされた汎用コンピュータおよび/もしくは他のデータ処理デバイスならびに好適なソフトウェアまたは他の作業指示書、1つまたは複数のメモリ(ソフトウェアおよび/もしくは他の作業指示書を記憶し得る非一時的記憶媒体を含む)、制御電気回路および/もしくは他のシステムコンポーネントのための電源、温度および液体レベルセンサ、圧力センサ、RFID質問デバイスまたは他の機械可読印リーダ(例えば、英数字テキスト、バーコード、セキュリティインクなどを読み取るとともに認識するのに使用されるもの)、入力/出力インターフェイス(例えば、情報をユーザに表示するおよび/もしくはユーザから入力を受信するためのユーザインターフェイスなど)、通信バスもしくは他のリンク機構、ディスプレイ、スイッチ、リレー、トライアック、モータ、機械的リンク機構および/もしくはアクチュエータ、または望ましい入力/出力もしくは他の機能を実行するために必要な他のコンポーネントを含み得る。
【0057】
本発明の態様は、説明のための実施形態を参照して示されるとともに説明されたが、添付の特許請求の範囲により包含された本発明の範囲から逸脱すること無しに、形および詳細の様々な変化がそれに対してなされ得ることが当業者により理解される。
図1
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