【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本出願の主題の第1の態様によれば、刃を有するコーナーラジアスエンドミルであって、刃は、二等分線から少なくともある軸方向位置まで刃のコーナーすくい面の後方に向かって連続的に湾曲しているすくい隆起部を含む、コーナーラジアスエンドミルが提供される。
【0009】
検討中の種類の知られているエンドミルは、コーナーすくい面と一致する軸方向位置ですくい隆起部に沿った不連続部を含む。本出願は、不連続部が除去されるか重要ではない形状を提供することによって、インコネルなどの材料を機械加工する困難な条件の下で加工物の仕上げおよび工具の寿命を改善することができる。
【0010】
特に、本出願の主題は、従来技術の図面に示されている不連続部が典型的には存在しない材料から作製されたコーナーラジアスエンドミルには関係しない。より正確には、本出願は、(名称の広い意味における)超硬合金から作製されるエンドミルに関し、セラミックから作製されたエンドミルにも、高価な超硬材料(例えば、CBN、ダイヤモンド)でコーティングされたエンドミルにも関係しない。
【0011】
本出願の主題の別の態様によれば、前方向および後方向を定める回転軸を有するコーナーラジアスエンドミルであって、前端および後端、およびそれらの間に延びる周囲面と;前端から後方に延びる切削部分と;切削部分の後方に位置するシャンク部分と;を含み、切削部分は、前端の切削部分直径と有効切削長さとを有し、および前端から周囲面まで延びる一体形成された刃と;隣接する刃の各対の間に位置付けられ、25°≦H≦60°の条件を満たす螺旋角Hを有する螺旋溝とを含み;割出し角Sが、隣接する刃の各対の間に定められ;各刃は、逃げ面と;すくい面と;逃げ面およびすくい面の交差部に形成された切れ刃と;円の中心点、円の半径、軸方向接線、半径方向接線、および二等分線を有する円を画定する円弧輪郭を含むコーナーとを含み;逃げ面は、前端の軸方向逃げ面と;周囲面の半径方向逃げ面と;軸方向逃げ面および半径方向逃げ面を接続するコーナー逃げ面とを含み、すくい面は、切れ刃に隣接して延びる切削部分すくい面と;窪み部分すくい面と;切削部分すくい面および窪み部分すくい面の交差部に形成されたすくい隆起部とを含み、切れ刃は、軸方向接線まで延びる前端の軸方向部分切れ刃と;軸方向接線から半径方向接線まで延びるコーナー部分切れ刃と;半径方向接線から後方に延びる半径方向部分切れ刃とを含み;すくい隆起部と切れ刃との間で、半径方向部分切削面の幅が半径方向接線に沿って測定可能であり;二等分線部分切削面の幅が二等分線に沿って測定可能であり;軸方向部分切削面の幅が軸方向接線に沿って測定可能であり;刃の1つまたは複数のすくい隆起部は、二等分線から、コーナー逃げ面の後方の少なくともある軸方向位置まで連続的に湾曲しているコーナーラジアスエンドミルが提供される。
【0012】
上に述べたことは要約であり、上記態様のいずれも以下に記載される特徴のいずれかをさらに含んでもよいことが理解されるであろう。具体的には、以下の特徴は、単独でまたは組み合わせて、上記態様のいずれにも適用可能である。
A.エンドミルは、前後方向を定める回転軸を有することができる。
B.エンドミルは、前端および後端と、それらの間に延びる周囲面とを含むことができる。
C.エンドミルは、その前端から後方に延びる切削部分を含むことができる。
D.エンドミルは、その切削部分の後方に配置することができるシャンク部分を含むことができる。
E.切削部分は、その前端に切削部分直径を有することができる。
F.切削部分は、有効切削長さを有することができる。
G.切削部分は、エンドミルの前端から周囲面まで延びる一体形成の刃を含むことができる。好ましくは、複数の刃は奇数個の刃である。最も好ましくは、複数の刃はちょうど7個または9個の刃である。理論に拘束されるものではないが、奇数の刃、特に7個または9個の刃は、振動および熱を減少し、その一方で刃の排気のために十分な溝空間をなお提供するので、インコネルなどの機械加工が難しい材料の機械加工により効果的であると考えられる。
H.エンドミルの各刃は、逃げ面、すくい面、すくい面と逃げ面との交差部に形成された切れ刃、およびコーナーを含むことができる。
I.逃げ面は、前端の軸方向逃げ面と、周囲面の半径方向逃げ面と、軸方向逃げ面および半径方向逃げ面を接続するコーナー逃げ面とを含むことができる。
J.すくい面は、切れ刃に隣接して延びる切削部分すくい面と、窪み部分すくい面と、切削部分すくい面および窪み部分すくい面の交差部に形成されたすくい隆起部とを含むことができる。
K.切れ刃は、軸方向接線まで延びる前端の軸方向部分切れ刃と、軸方向接線から半径方向接線まで延びるコーナー部分切れ刃と、半径方向接線から後方に延びる半径方向部分切れ刃とを含むことができる。
L.各軸方向部分切れ刃は、軸方向すくい角Φを有することができる。
M.少なくとも1つの、好ましくは各軸方向部分切れ刃は、正の軸方向すくい角Φ(すなわち、Φ>0)を有することができる。より好ましくは、少なくとも1つの、またはさらにより好ましくは各刃は、1°≦Φ≦10°の条件を満たす軸方向すくい角Φを有する。理論に拘束されるものではないが、このような軸方向すくい角の値は、インコネルなどの機械加工が難しい材料を機械加工するのにより効果的であると考えられる。
N.各コーナー部分切れ刃はコーナーすくい角εを有することができる。
O.各半径方向部分切れ刃は、半径方向すくい角βを有することができる。
P.1つまたは複数の刃は、β≧−3°の条件を満たす半径方向接線に沿って測定可能な半径方向すくい角βを有することができる。好ましくは、刃の1つまたは複数は、β>0°、好ましくはβ≧2°の条件を満たす半径方向接線に沿って測定可能な半径方向すくい角βを有することができる。
Q.1つまたは複数の刃は、β>0°の条件を満たす半径方向接線に沿って測定可能な半径方向すくい角βを有することができ、少なくとも1つの他の刃は、β<0°の条件を満たす半径方向接線に沿って測定可能な半径方向すくい角βを有することができる。
R.1つまたは複数の刃、または好ましくは各刃は、−12°≦β≦7°、好ましくは−5°≦β≦5°、最も好ましくは−3°≦β≦3°の条件を満たす半径方向接線に沿って測定可能なすくい角βを有することができる。
S.半径方向逃げ面とコーナー逃げ面との交差部において、半径方向部分切れ刃およびコーナー部分切れ刃は、170°≦θ≦180°、好ましくは178°≦θ≦180°、最も好ましくは179.5°≦θ≦180°の条件を満たす外側逃げ角θ
2を形成することができる。
T.コーナーは、円の中心点、円の半径、軸方向および半径方向接線、および二等分線を有する円の一部を画定する円弧輪郭を含むことができる。
U.溝、好ましくは各溝は、螺旋形状にすることができる。
V.螺旋溝は、隣接する刃の各対の間に配置することができ、25°≦H≦60°、好ましくは32°≦H≦45°の条件を満たす螺旋角Hを有することができる。明確にするために、各溝は、各軸方向位置での値が前記範囲外に広がらない限り、可変螺旋角または異なる螺旋角を有することができる。
W.すくい隆起部と切れ刃との間で:半径方向部分切削面の幅が半径方向接線に沿って測定可能であり、二等分線部分切削面の幅が二等分線に沿って測定可能であり、軸方向部分切削面の幅が軸方向接線に沿って測定可能である。実質的に均一な部分切削面の幅を提供することによって、刃のすくい角を刃の製造中により一貫して制御することができ、結果的に工具の寿命を改善できると考えられる。
X.半径方向部分切削面の幅W
Rおよび二等分線部分切削面の幅W
Bは、条件:0.9W
B≦W
R≦1.1W
B、好ましくは0.95W
B≦W
R≦1.05W
Bを満たすことができる。
Y.すくい隆起部から切れ刃までおよび半径方向線と二等分線との間で測定可能な各部分切削面の幅Wは、条件:0.9W
B≦W≦1.1W
B、好ましくは0.95W
B≦W
R≦1.05W
Bを満たすことができる。
Z.半径方向部分切削面の幅W
Rおよび軸方向部分切削面の幅W
Aは、条件:0.9W
A≦W
R≦1.1W
A、好ましくは0.95W
A≦W
R≦1.05W
Aを満たすことができる。
AA.すくい隆起部から切れ刃までおよび半径方向線と接線との間で測定可能な各部分切削面の幅Wは、条件:0.9W
A≦W≦1.1W
A、好ましくは0.95W
A≦W≦1.05W
Aを満たすことができる。
BB.すくい隆起部から切れ刃まで測定可能であり、軸方向接線と二等分線との間に位置付けられる少なくとも1つの、好ましくは各部分切削面の幅Wは、条件:0.008D
E≦W≦0.02D
Eを満たすことができる。好ましくは、軸方向線と半径方向線との間で測定可能な各部分切削面の幅Wは、条件:0.008D
E≦W≦0.02D
Eを満たす。
CC.1つまたは複数の、好ましくは各切削部分すくい面は、平面形状にすることができる。
DD.円の半径R
cは、条件:R
c≦0.08D
Eを満たすことができる。注目すべきことに、本主題によるエンドミルは、非常に小さくまた著しい不連続部なしに製造することが困難な円の半径についても達成可能である。
EE.割出し角Sが、隣接する刃の各対の間に定められることができる。エンドミルの前端における割出し角Sのいくつか、または好ましくは大多数は、異なる値を有することができる。
FF.有効長さの中間の各割出し角Sは、ミルの前端における同じ割出し角Sの値よりも、360で割った刃の総数に等しい値により近い値を有することができる。
GG.エンドミルは、前端から後方向に沿って増大するテーパコアを含むことができる。
HH.すくい隆起部は、二等分線から半径方向接線(L
R)の後方の軸方向位置まで連続的に湾曲することができる。
II.エンドミルの各刃は、二等分線から、コーナーすくい面の後方の少なくともある軸方向位置まで連続的に湾曲するすくい隆起部を有することができる。連続的な湾曲は、半径方向接線の後方に延びることができる。複数の刃の各刃は、上に挙げた特徴のいずれかを含むことができる。
JJ.エンドミル、または少なくともその切削部分は、超硬合金から作製することができる。
KK.コーナーの切削部分すくい面は、3つの異なる下位部分(検査時に明らかな各下位部分の異なる製造工程からもたらされる)を含むことができる。すなわち、エンドミルの周囲面に隣接する半径方向下位部分と、エンドミルの前端に隣接する軸方向下位部分と、半径方向下位部分と軸方向下位部分とを接続するコーナー下位部分。下位部分に部分切削面を形成すること(すなわち複数の形成工程)は、単一工程形成よりも高価であるが、そのような構造から得られる利益は既知の欠点を上回ることが見出されたと考えられている。例えば、ちょうど3つの部分切削面−下位部分は、連続すくい値の有益な制御生産を可能にする。
【0013】
上記の各特徴は、単独でおよび組み合わせてなおさらに、特にインコネルなどの機械加工が難しい材料を機械加工する場合に、より良好な加工物の仕上げおよび/または工具の寿命に寄与し得ると考えられる。
【0014】
図面の簡単な説明
本出願の主題をより深く理解するために、および本出願の主題が実際にどのように実行され得るかを示すために、次に添付の図面を参照する。