(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(a1)で使用される固化可能な液体が化学反応により固化可能である液体であり、工程(a2)で固化可能な液体の固化を化学反応により誘発する、請求項1又は2記載の方法。
工程(a3)で得られる複合材料粒子及び/又は工程 (b)で使用される複合材料粒子が、ふるい分けにより測定して、0.125 mmから0.5 mmまでの範囲の粒子サイズを少なくとも一部有する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
成分(ii)が、一種以上の密度減少物質として、一種以上の膨張剤を含み、工程(a3)についての処理を、膨張剤又は2種以上の膨張剤が膨張し、こうして得られる複合材料粒子中にキャビティを生成するように行ない、
かつ/又は
一種以上の熱分解性充填剤を含み、かつ工程(a3) についての処理を、熱分解性充填剤又は2種以上の熱分解性充填剤が熱分解し、こうして得られる複合材料粒子中にキャビティを生成するように行なう、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
工程 (b)でフライアッシュ、米から灰、コア−シェル粒子、焼成けいそう土、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、酸化鉄、酸化マンガン、二酸化ケイ素、シャモット、ムライト、硝酸カリウム及び硝酸ナトリウムからなる群から選ばれる一種以上の更なる成分を使用する、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の方法で製造された複合材料粒子はふるい分けにより測定して、2mm未満の粒子サイズを有する。ふるい分けによる測定はDIN 66165-2 (4.1987)に従ってその中に明記された方法F(撹拌された単一篩又は静止時にガス状流体中にセットされた篩による機械ふるい分け)を使用して行なわれる。Retsch AS 200制御振動ふるい分け機が使用され、増幅がレベル2にセットされ、インターバルふるい分けを用いず、かつ1分のふるい分け時間を用いる。
“耐火固体”という用語はDIN 51060に従って“耐火”と指定される固体を含み、更に“耐火固体”という用語は酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、グラファイト、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、フィロケイ酸塩(好ましくはマイカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(好ましくはコージェライト)、炭化ケイ素、窒化ホウ素、上記金属酸化物の一種以上の金属原子を含む混合酸化物、及び前記金属ケイ酸塩の一種以上の金属原子を含む混合ケイ酸塩からなる群からの固体を含む。
“耐火固体の前駆体”は硬化された液滴が処理される(工程(a3)) 時に、例えば、熱処理により、先に定義された“耐火固体”に変わる物質である。
本発明の目的のために、粒子又は物質が所定の上限温度(例えば、1600℃又は1700℃)より下で融解せず、三次元の形態の損失により軟化せず、又は更には分解しない場合に、粒子又は物質(例えば、或る量の同じ組成の粒子)が熱安定性であると考えられる。或る量の同じ組成の粒子は特にそれが特定温度で焼結試験で焼結しない場合に熱安定性であると考えられる。焼結試験の実施に関して、下記の“熱安定性の測定方法 (焼結試験)“を参照のこと。
“懸濁液の液滴を少なくとも下記の出発物質から生成すること”の特徴は“懸濁液の液滴を専ら下記の出発物質から生成すること”、そしてまた“懸濁液の液滴を下記の出発物質及び更なる出発物質から生成すること”を含む。
【0011】
“マトリックスカプセル充填方法”は本明細書では、最初に、分散液の液滴が生成される方法であると理解され、その分散液は固体又は液体状態で存在し、マトリックス(連続相)中で懸濁している物質を含む。液滴から、固化及び任意のその後の処理により、複合材料粒子が生成される。本発明の方法はその工程 (a)において先に特定されたサブ工程を有する特別なマトリックスカプセル充填方法を含む。そのマトリックスカプセル充填方法はコア−シェル粒子中でシェル物質が単一コアのみを包むという点でコア−シェル粒子を製造するための典型的な方法とは異なる。典型的なコア−シェル粒子のこの単一コアはコアのその他の成分を結合するバインダーを通例含まない。通例、これはまた本発明の方法の工程 (a)についての特別なマトリックスカプセル充填方法により生成される複合材料粒子について特別な場合であり、そのマトリックスカプセル充填方法により生成された複合材料粒子は耐火固体からなる5個より多く、好ましくは50個より多い、不連続の微粒子を含み、好ましい耐火固体が以下にその後に示される。この種の複合材料粒子が本発明によれば好ましい。
【0012】
“密度減少物質”は本発明の方法に使用される場合に、比較の目的のために、これらの“密度減少物質”が使用されない以外は同じに行なわれる本発明ではない(比較)方法と較べて、工程(a3)で得られる複合材料粒子の一部で減少された嵩密度を生じる物質である。硬化された液滴の処理に応じて、使用される膨張剤又は使用される熱分解性充填剤は膨張してもよく、もしくは膨張しなくてもよく、又は熱分解されてもよく、もしくは熱分解されなくてもよい。(工程(a3))で、使用される膨張剤が膨張し、又は使用される熱分解性充填剤が熱分解される場合にのみ、それが“密度減少”である基準を満足する。
本発明に従って使用される“軽量充填剤”はそれぞれの場合に10〜350 g/Lの範囲の嵩密度を有する充填剤である。鋳造工場で典型的に使用され、本発明の方法における使用に好ましい軽量充填剤は
−球体、好ましくはフライアッシュの球体、例えば、Omya GmbH からの“Fillite 106” 球体、
−膨張パーライト、例えば、RS Rohstoff-Sourcing GmbH からの商品名“Eurocell 140”、“Eurocell 145” 、“Eurocell 150”又は“Eurocell 300”を有する膨張パーライト、又は
−ガラス、例えば、LUH Georg H.Luh GmbH からの商品名“GHL 450”を有するガラス、Jebsen &Jessen GmbH&Co.KGからの商品名“JJ ガラス・バブルズ”を有する製品、 Potters Industries からの商品名“Q-cel(登録商標)300”を有する製品又は3Mからの製品“K1”、“K15” もしくは“K20”である。
【0013】
“膨張剤”は硬化された液滴が工程(a3)で、例えば、加熱で処理される場合に膨張し、又は膨張ガスを放出し、それにより複合材料粒子中にキャビティを生成する物質である。
“熱分解性充填剤”は硬化された液滴が工程(a3)で、例えば、加熱で処理される場合に部分又は完全、好ましくは完全、熱分解を受ける充填剤である。
熱分解性充填剤は同時に10〜350 g/L の範囲のそれぞれの嵩密度を有する軽量充填剤であってもよい。熱分解性充填剤は同時に膨張剤であってもよい。膨張剤は同時に10〜350 g/L の範囲のそれぞれの嵩密度を有する軽量充填剤であってもよい。
工程(ii)における密度減少物質の使用のために、本発明の方法の工程 (a)で生成される複合材料粒子は特に低い嵩密度を有するが、特別な場合の要件に従って個々に調節された嵩密度を有し、特に膨張剤及び/又は熱分解性充填剤を使用する場合に、高い多孔性を有するが、特別な場合の要件に従って個々に調節された多孔性を有し、こうして、得られる、個々に生成された複合材料粒子が低い嵩密度と連係して高い断熱効果を有する。
本発明の方法の工程 (b)において、工程 (a)で生成された複合材料粒子、又はこれらの粒子の一部が、バインダーそしてまた、任意の、更なる成分と混合されてフィーダー組成物を得る。工程 (a)で生成された複合材料粒子の一部がここであらゆる所望の方法で、特定の粒子サイズを有する複合材料粒子についての制限により、又は制限なしに分離されてもよい。特に工程(a3)で得られる複合材料粒子のうち、特定の粒子サイズを有する粒子のみが工程 (b)で使用されるべきである場合には、ふるい分けによる分別が好ましい。
鋳造工業用のフィーダー部材を製造するための本発明の方法において、工程 (b)が
−有機バインダー、例えば、(i) コールド−ボックスバインダー成分、好ましくはポリウレタンをベンジルエーテル樹脂及びポリイソシアネートから生成するための2成分バインダー系の成分、(ii)ホット−ボックスバインダー成分、(iii) 澱粉及び(iv)多糖
並びに
−無機バインダー、例えば、必要により無定形二酸化ケイ素と組み合わせての、水ガラスからなる群から選ばれる一種以上のバインダーの使用を見ることが好ましい。
【0014】
この状況では、工程 (b)で使用されるバインダーの合計量が工程 (b)で生成されるフィーダー組成物の合計質量を基準として、1質量%から50質量%までの範囲、更に好ましくは5質量%から30質量%までの範囲、特に好ましくは10質量%から20質量%までの範囲である本発明の方法が特に好ましい。
本発明に関連して、注意が下記の参考文献に払われ、当業者は特別な場合の要件に意応じて、これらを参考にするであろう。
DE 2 214 073 A1 は“膨張セラミック製品を製造するための方法及び装置” (発明の名称) を開示している。セラミック製品はここでは5mm未満の直径及び0.1 〜1 kg/L の嵩密度を有することが好ましい。
DE 2 418 027 A1は“二酸化チタンの成形物品” (発明の名称) に関する。DE 2 714139 A1は“耐火材の製造方法” に関する。GB 2 034 678 B は“炭化タングステンを含むボール” (発明の名称) に関する。
DE 69 122 393 T (EP 0 538 350 B1に相当する) は“集塊担体物質” (発明の名称) に関する。この物質はここではアルギン酸塩への好適な金属イオンの添加により製造し得る。
DE 69 424 232 T2 (EP 0 639 544 B1に相当する) は“網状セラミック粒子” (発明の名称) に関する。
DE 19 706 743 A1 は“耐火組成物” (発明の名称) に関する。
DE 19830795 A1 は“多孔性セラミック” (発明の名称) に関する。
DE 699 14 207 T (EP 1 117 626 B1に相当する) は“発泡セラミック” (発明の名称) に関する。
DE 69 817 009 T (EP 1030734 B1に相当する) は“アルギン酸塩マトリックス中の活性物質のカプセル充填物” (発明の名称) に関する。
DE 10 058 221 A1 は “高強度のアルギン酸塩ビーズを製造するための方法及び装置”に関する。
DE 60 103 638 T (EP 1 280 732 B1 に相当する) は“リン酸カルシウム微小グラニュール” (発明の名称) に関する。
DE 10 217 138は“酸化アクチニドの球形粒子” に関する。
EP 1 794 277 B1は“固定化活性成分を含む洗浄及びクリーニング製品”(発明の名称) に関する。DE 10 2008 036 094 A1は“球形半導体−金属グラニュール“ (発明の名称) を開示している。
DE 4 125 133 C2は“アルギン酸塩ビーズを製造するための方法及び装置”(発明の名称) に関する。
【0015】
工程(a1)で、液滴が一つ以上のノズル、好ましくは振動ノズルにより生成され、かつ/又は
工程(a2)で、固化可能な液体の固化が冷却、乾燥又は化学反応により誘発される、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
一つ以上のノズル、好ましくは振動ノズルの使用が、複合材料粒子を時間効率の良い様式で、極めて一様な粒子サイズで生成するために工程(a1)で好ましい。
工程(a1)で使用される固化可能な液体が化学反応により固化可能である液体であり、工程(a2)で固化可能な液体の固化が化学反応により誘発される上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
【0016】
化学反応による固化可能な液体の固化はこの操作が一般に不可逆的であり、更に、充分に迅速であり、滴下導入中、ひいては固化可能な液体の固化中に、固化可能な液体が一般に液滴形態を保持するという利点を有する。物理的方法、例えば、冷却又は乾燥による固化は、或る場合に可逆的であり、このような場合には、例えば、熱又は水分の供給により(少なくとも部分的に)反転されるかもしれない。
固化可能な液体がカチオン交換反応により固化可能な液体、好ましくはカルシウムイオン及び/又はバリウムイオン及び/又はマンガンイオンとの反応、好ましくはカルシウムイオンとの反応により固化可能な液体である、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が特に好ましい。
カチオン交換反応はそれらが一般に比較的短い時間の期間内で行なわれるという実施上の利点を有する。
工程(a2)において、固化可能な液体が1価のカチオンを含み、固化可能な液体をこうして固化するためにカルシウムイオンと接触させられるカチオン交換反応の実施がここでは好ましいが、カルシウムイオンに代えて、バリウムイオン又はマンガンイオンがまた使用し得る。固化可能な液体中に存在する1価のカチオンが好ましい操作の過程でカルシウムイオンにより置換され、それにより固化可能な液体を固化する。カルシウムイオンは電荷とイオン移動度の間に良くバランスされた関係を有する。下記のことが一般に実際にその場合である:固化可能な液体中に存在する1価のカチオンにより交換されるべきであるカチオンの電荷ができるだけ高くあるべきであり、その結果、低溶解性の化合物がカチオン交換で生成される。しかしながら、このカチオンはまた非常に高いイオン移動度を有するべきであり、その結果、所望の化学反応ができるだけ迅速に進行する。カチオンのイオン移動度はカチオン電化を増大するにつれて低下する。
【0017】
固化可能な液体がカルシウムイオンとの反応により固化可能な液体である上記された本発明の方法(更に特別には好ましいと先に、又は以下に称される方法)が特に好ましく、 その液体はアルギン酸塩、PVA, 、キトサン及びスルホキシエチルセルロースからなる群から選ばれた一種以上のバインダーを含み、
かつ/又は (好ましくは“かつ”)
水溶液であり、
その場合には固化可能な液体が好ましくはアルギン酸塩水溶液であり、
固化可能な液体がアルギン酸ナトリウム水溶液であることが更に好ましい。
好ましくは水溶液の形態の、アルギン酸塩溶液、更に特別にはアルギン酸ナトリウム溶液が、本発明の方法においてカルシウムイオンとの反応により固化可能な液体としての使用に特に適している。何とならば、それらがエコロジー上やさしく、分解性であり、特に、無毒性であるからである。更に、この種のアルギン酸塩溶液は再現可能に、かつ標準化様式で固化し得る。アルギン酸塩溶液を固化可能な液体として使用して生成された、社内の研究で得られた複合材料粒子は、耐火物質の一様に分布又は配列された粒子を有する単体構造を有していた。
【0018】
ふるい分けにより測定して(測定の方法に関して、上記を参照のこと)、好ましくは0.8 mm未満、更に好ましくは0.5 mm未満、非常に好ましくは0.3 mm未満の粒子サイズを有する、成分(ii)の密度減少物質として工程(a)で使用される軽量充填剤又は少なくとも一種の軽量充填剤が無機中空ビーズ、有機中空ビーズ、多孔性かつ/又は発泡材料の粒子、米から灰、コア−シェル粒子及び焼成ケイソウ土からなる群から選ばれ、かつ/又は
成分(ii)として工程 (a)で使用される膨張剤又は少なくとも一種の膨張剤が
−好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群からのカチオンを含む、炭酸塩、炭酸水素塩及びシュウ酸塩、好ましくは炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム及びシュウ酸カルシウム、
−ヤシ殻粉、好ましくはMahlwerk Neubauer-Friedrich Geffers GmbHからの商品名 “Coconit 300”を有するヤシ殻粉、
−くるみ殻粉、好ましくはZiegler Mineralsからの商品名“Walnusschalenmehl 200m” を有するくるみ殻粉、
−ぶどう穀粒粉、好ましくはA+S BioTecからの商品名“Traubenkernmehl M100”を有するぶどう穀粒粉、
−オリーブ核粉、好ましくはJELU-Werk からの商品名“OM2000”又は“OM3000”を有するぶどう核粉、
−澱粉、
−小麦粉、好ましくはHummelからの商品名“Mehl 405”を有する小麦粉、
−トウモロコシ粉、好ましくはHummelからの商品名“Maismehl MK100”を有するトウモロコシ粉、
−じゃがいもデキストリン、
−糖、例えば、蔗糖、
−植物の種、
−木粉、好ましくはBrandenburg Holzmuhle からの商品名“Holzmehl Ligno-Tech 120mesh TR”を有する木粉、及び
−米から灰、好ましくは高い炭素分率を有する米から灰、例えば、Refratech からの商品名“Nermat AF (<80 μm)”を有する米から灰
からなる群から選ばれ、かつ/又は
工程 (a)で成分(ii)として使用される熱分解性充填剤又は少なくとも一種の熱分解性充填剤が
−プラスチックビーズ、好ましくはAkzo Nobelからの“Expancel(登録商標)091 DE 80 d30”プラスチックビーズ又はKISH社からの“Sphere One ExtendospheresTM PM 6550 Hollow Plastic Spheres”プラスチックビーズ、及び
−スチロポー
ル(Styropor)
(登録商標)ビーズ、好ましくはBASFからのスチロポー
ルビーズ “F655-N”からなる群から選ばれる、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
【0019】
使用される軽量充填剤の合計量が工程(a1)で調製される懸濁液の合計質量を基準として、30質量%までの範囲、更に好ましくは1質量%から10質量%までの範囲、特に好ましくは3質量%から5質量%までの範囲であり、かつ/又は
使用される膨張剤の合計量が工程(a1)で調製される懸濁液の合計質量を基準として、30質量%までの範囲、更に好ましくは1質量%から20質量%までの範囲、特に好ましくは3質量%から10質量%までの範囲であり、かつ/又は
使用される熱分解性充填剤の合計量が工程(a1)で調製される懸濁液の合計質量を基準として、30質量%までの範囲、更に好ましくは1質量%から20質量%までの範囲、特に好ましくは3質量%から10質量%までの範囲である、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が更に特に好ましい。
使用される密度減少物質の合計量は工程(a1)で調製される懸濁液の合計質量を基準として、3質量%から10質量%までの範囲であることが好ましい。
【0020】
成分(ii)として使用される上記熱分解性充填剤は個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。
工程 (a)で成分(ii)として使用される少なくとも一種の膨張剤が
−木粉、好ましくはBrandenburg Holzmuhle からの商品名 “Holzmehl Ligno-Tech 120mesh TR” を有する木粉、
−トウモロコシ粉、好ましくはHummelからの商品名“Maismehl MK100”を有するトウモロコシ粉、
−糖、例えば、蔗糖
からなる群から選ばれる、本発明の方法が特に好ましい。
成分(ii)として使用される上記膨張剤は個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。
【0021】
特に低い嵩密度を有する複合材料粒子を製造するための上記された密度減少物質 (例えば、軽量充填剤、膨張剤又は熱分解性充填剤) は市場で直ぐに入手し得る。本発明の方法におけるそれらの使用は鋳造工業用の軽量の、高度に断熱性のフィーダー部材が再現性良く製造されることを可能にする。
成分 (i)の耐火物質として工程(a1)で使用される耐火固体又は少なくとも一種の耐火固体が
−それぞれがSi、Al、Zr、Ti、Mg及びCaからなる群からの一種以上の元素を含む、酸化物、窒化物及び炭化物、
−それぞれがSi、Al、Zr、Ti、Mg及びCaからなる群からの一種以上の元素を含む、混合酸化物、混合炭化物及び混合窒化物、及び
−グラファイト
からなる群から選ばれ、
好ましくは成分 (i)の耐火物質として工程(a1)で使用される耐火固体又は少なくとも一種の耐火固体が
−酸化アルミニウム (例えば、CAS No.21645-51-2) 、
−酸化ジルコニウム (例えば、CAS 番号1314-23-4) 、
−二酸化チタン (例えば、CAS 番号13463-67-7)、
−グラファイト (例えば、CAS 番号7782-42-5) 、
−二酸化ケイ素 (例えば、CAS 番号: 14808-60-7 を有する石英又はCAS 番号: 60676-86-0 を有するガラス質SiO
2) 、
−酸化マグネシウム (例えば、CAS 番号: 1309-48-4) 、
−酸化カルシウム (例えば、CAS 番号1305-78-8) 、
−ケイ酸カルシウム (例えば、CAS 番号: 1344-95-2)、
−フィロシリケート、好ましくはマイカ、
−ケイ酸アルミニウム、
−ケイ酸マグネシウムアルミニウム、好ましくはコージェライト、
−炭化ケイ素、及び
−窒化ホウ素
からなる群から選ばれ、かつ/又は
成分 (i)の耐火物質として工程(a1)で使用される耐火固体の前駆体又は少なくとも一種の前駆体が
−水酸化アルミニウム (例えば、CAS 番号: 1344-28-1)、
−水酸化マグネシウム (例えば、CAS 番号: 1309-42-8)、
−フィロシリケート、好ましくはカオリナイト、モンモリロナイト及びイライト、
−クレー、好ましくはカオリン及びベントナイト、
−リン酸塩、例えば、リン酸三カルシウム (例えば、CAS 番号: 7758-87-4) 、及び
−炭酸塩、例えば、
−炭酸カルシウム、及び
−炭酸マグネシウム (例えば、CAS 番号: 546-93-0 (無水) 、13717-00-5 (一水和物)、5145-48-2 (二水和物) 、14457-83-1 (三水和物) 、61042-72-6 (五水和物))
からなる群から選ばれる、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
【0022】
工程(a1)で使用される耐火物質の合計量が工程(a1)で生成される懸濁液の合計質量を基準として、1質量%から70質量%までの範囲、更に好ましくは5質量%から50質量%までの範囲、非常に好ましくは10質量%から30質量%までの範囲である、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が特に好ましい。
全ての上記された種はまた互いとの混合物中で、例えば、骨灰の形態の炭酸塩/リン酸塩として使用されてもよい。
耐火物質:
先に同定された耐火固体は個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。上記前駆体は個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。専ら耐火固体又は専ら前駆体、或いは互いに組み合わせて両方を使用することが可能である。
【0023】
フィロシリケート:
耐火固体としての使用に好ましいフィロシリケートは下記のものである:
−C.H.Erbslohからの “Pyrax (登録商標)RG-140”
−Aspanger Bergbau und Mineralwerke GmbH からの“Mica G”
−Denain-Anzin Mineraux からの“Mica - MG 160”
及び
−商品名“Glimmer CMG”を有するAspanger Bergbau und Mineralwerke GmbH からのマイカ。
上記の好ましいフィロシリケートは個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。
酸化物:
しかしながら、或る場合には、或る種の酸化物が工程(a1)で成分 (i)の耐火物質として使用されることが有利であり、これらの酸化物の少なくとも一種が
−酸化アルミニウム (例えば、CAS No.21645-51-2) 、
−酸化ジルコニウム (例えば、CAS 番号 1314-23-4)、
−二酸化チタン (例えば、CAS 番号 13463-67-7) 、
−二酸化ケイ素 (例えば、CAS 番号: 14808-60-7 を有する石英又はCAS 番号: 60676-86-0 を有するガラス質SiO
2) 、
−酸化マグネシウム (例えば、CAS 番号: 1309-48-4)
及び
−酸化カルシウム (例えば、CAS 番号 1305-78-8)
からなる群から選ばれる。
上記酸化物は個々に、又は組み合わせて使用し得る。
ここで、好ましい酸化アルミニウムはNabaltec AG からの“Nabalox (登録商標)NO315”酸化アルミニウム、Treibacher Schleifmittel からの“Alodur (登録商標)EK S1” 酸化アルミニウム、MAL Magyar Aluminiumuからの“Alumina DF2” 酸化アルミニウム、及びWester Mineralien からの“Edelkorund weiβ EK - Filterstaub”酸化アルミニウムである。
ここで、金属酸化物の好ましい組み合わせは酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの混合物、例えば、Treibacher Schleifmittelからの“Alodur(登録商標) ZKSF”である。
ここで、好ましい酸化ケイ素はRefratechからの“Sillimat GS (<80μm)”酸化ケイ素、Ziegler Mineralstoffe からの“Kalzinierte Reisspelzen”酸化ケイ素、Evonikからの“Aerosil 200”酸化ケイ素、RW Silicium GmbH からの“SiO2 RW-Fuller Q1 plus”酸化ケイ素、及びQuarzwerke からの“Millisil-Mehl W8”酸化ケイ素である。
好ましいケイ酸カルシウムはPossehl Erzkontor からの“China Wollastonit TMM S.G.”である。
【0024】
ケイ酸アルミニウム:
耐火固体及び/又は前駆体としての使用に好ましいケイ酸アルミニウム はケイ酸マグネシウムアルミニウム及び下記のケイ酸アルミニウムである:
−Europe Mineralsからの“Andalusit 200mesh”、“Andalusit 120mesh”又は“Kysil 58”、
−Cofermin Rohstoffe からの“Marlusit DIN 80”、
−Possehl Erzkontorからの“Kyanit 100mesh/ 200mesh”、
−Ziegler Mineralstoffeからの“Kyanit 40-120mesh” 、
−Sibelco Deutschland Westerwald からの“Kaolinschamotte PrimaCal 50”、
−Franz Mandt からの“Porzellanmehl”、
−IMERYS UK からの“Molochit 120/200”
及び
−ムライト。
【0025】
ケイ酸マグネシウムアルミニウム及び/又は上記の好ましいケイ酸アルミニウムは個々に、又は組み合わせて使用し得る。
耐火固体としての使用に好ましいケイ酸マグネシウムアルミニウムはコージェライト、好ましくはCeske Lupkove Zavody S.A. からの“Cordierit C 65”、 Alroko GmbH & Co KGからの“Cordierit B”、及びSpitzer Rohstoffhandelsgesellschaft mbH からの“Cordierit 0-1mm”又は“Cordierit DIN 70”である。
これらの好ましいケイ酸マグネシウムアルミニウムは個々に、又は組み合わせて使用し得る。
上記化合物又は混合物は本発明の目的のために耐火固体として互いに組み合わせて使用し得る。当業者は、例えば、複合材料粒子の所望の熱安定性及び嵩密度を注文で調整することができ、これは耐火固体の性質及び量により、或る程度までにのみそれに依存する。同じことが耐火固体の以下に明記される好ましい前駆体、これらの好ましい前駆体の組み合わせ、及び上記された好ましい耐火固体との耐火固体の好ましい前駆体の組み合わせに適用される。
【0026】
前駆体:
耐火固体の前駆体としての使用に好ましい混合物は骨灰、例えば、Neue Leimfabrik Tangermunde GmbH からの“CALTAN Knochenasche” である。
耐火固体の前駆体としての使用に特に好ましいカオリンは
−Amberger Kaolinwerkeからの“Chinafill 100”又は“Kaolin TEC”
−Karlicher Ton- und Schamottewerke Mannheim & Co.KGからの“Karlicher Blautonmehl”
−Solvadis Chemag GmbH からの“Satintone W”
及び
−Omyaからの“Kaolin Burgess No.20”又は“Kaolin Burgess BSC SD”である。
上記の特に好ましいカオリンは個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。
耐火固体の前駆体としての使用に特に好ましいベントナイトは
−Elementis Specialitiesからの“Bentone 27” 又は“Bentone EW”
−C.H.Erbslohからの“Bentonit B” (例えば、CAS 番号: 1302-78-9)
及び
−Sud Chemieからの“Bentonit Volclay”である。
上記の特に好ましいベントナイトは個々に、又は組み合わせて使用されてもよい。
【0027】
上記された好ましい耐火物質の使用は特別な熱安定性 (耐火) を有する複合材料粒子をもたらす。
工程(a1)における耐火物質は好ましくは凝集されておらず、また集塊されていない粒子の形態で存在すると理解され、耐火物質の粒子の最大粒子サイズ(先に特定された)対本発明の方法で生成された複合材料粒子の最大粒子サイズの比は0.01から0.2 までの範囲であることが好ましい。この方法で、耐火物質の多くの粒子が単一複合材料粒子中に配置されることが可能である。
工程(a1)で使用される耐火物質は好ましくは粒子、更に好ましくは耐火固体、好ましくはDIN 66165-2 (4.1987)に従ってその中に記載された方法D (エアージェット篩で、撹拌されたガス状流体中の静止する個々の篩による機械ふるい分け) を使用して測定して0.1 mm未満の粒子サイズを有する耐火固体の粒子である。
【0028】
工程(a3)についての処理は、得られる複合材料粒子の嵩密度が乾燥状態の硬化された液滴の嵩密度より低いように行なわれ(これは、例えば、膨張剤及び熱分解性充填剤からなる群から選ばれる密度減少物質を使用する場合、処理が、それが膨張剤の膨張及び/又は熱分解性充填剤の熱分解をもたらすように行なわれる場合に特に容易に達成される)
かつ/又は
前記複合材料粒子が700 g/L 未満、好ましくは 400 g/L 未満、更に好ましくは300 g/L 未満の嵩密度を有する、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
本発明の状況において、工程(a1)で使用される成分 (i)、(ii)及び(iii) の目標とされる選択を得ると、工程(a3)における硬化された目標とされる処理により、多くの場合に必要である嵩密度の減少を(例えば、成分の熱分解又は膨張ガスの放出により反応する成分により)達成することが可能であることが認められた。硬化された液滴から得られる複合材料粒子の寸法安定性又は熱安定性は、驚くことに、ここでは不利に影響されない。
700 g/L 未満、好ましくは 400 g/L 未満、更に好ましくは300 g/L 未満の嵩密度を有する複合材料粒子は低い嵩密度、高い断熱効果、及び適当な熱安定性の利点を併有し、従って、本発明の方法におけるそれらの使用が特に好ましい。
【0029】
多くの場合、工程(a3)で得られる複合材料粒子及び/又は工程(b)で使用される複合材料粒子がふるい分けにより測定して、0.125 mmから0.5 mmまでの範囲の粒子サイズを少なくとも部分的に有する、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。0.5 mm未満の粒子サイズを有する複合材料粒子は一般に特に良好な鋳込み適性を有し、特に有効に加工されてフィーダー部材を得ることができ、それらを本発明の方法の工程 (a)で生成し、それらを工程 (b)で使用することが、好ましい。
0.125 mm未満の粒子サイズを有する複合材料粒子は頻繁に特にコールド−ボックス方法(本発明の方法の工程 (c)を参照のこと)に適さない。何とならば、比較的小さい粒子が使用される場合、ガスの導入中の流れ抵抗があまりにも大きくなるからである。更に、粒子の相応して高い全表面積では、一層多くのバインダーを工程 (b)で使用することが必要であり、いくぶん、これは有利ではない。それ故、工程 (a)で生成される複合材料粒子の合計質量を基準として、工程 (a)で生成される複合材料粒子の少なくとも95質量%、
及び/又は
工程 (b)で生成される複合材料粒子の合計質量を基準として、工程 (b)で使用される複合材料粒子の95質量%が、0.125 mm以上の粒子サイズを有することが好ましく、これは本発明の方法の工程 (c)で、フィーダー部材を得るためのフィーダー組成物の成形及び硬化がコールド−ボックス方法に従って行なわれる場合に特にそうである。
成分(ii)が、一種以上の密度減少物質として、一種以上の膨張剤を含み、かつ工程(a3)についての処理は、膨張剤又は2種以上の膨張剤が膨張し、こうして得られる複合材料粒子中にキャビティを生成するように行なわれ、
かつ/又は
一種以上の熱分解性充填剤を含み、かつ工程(a3) についての処理は、熱分解性充填剤又は2種以上の熱分解性充填剤が熱分解し、こうして得られる複合材料粒子中にキャビティを生成するように行なわれる、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)がまた頻繁に好ましい。
【0030】
膨張剤及び/又は熱分解性充填剤を使用する場合、工程(a3)におけるキャビティの生成は本発明の特別な準局面である。何とならば、その方法で、得られる複合材料粒子の嵩密度が決定的に減少され、断熱効果が増大されるからである。膨張剤及び/又は熱分解性充填剤の量及び粒子サイズが得られる複合材料粒子の嵩密度及び多孔性に妥当なパラメーターである。
成分 (i)が、耐火物質として、耐火固体の一種以上の前駆体を含み、かつ工程(a3)についての処理が、前駆体が耐火固体 (これはXRD 測定により通例検出し得る) に変換される熱処理を含み、
好ましくは、耐火固体の前駆体又は前駆体の少なくとも一種がクレー又はクレー含有鉱物であり、かつ工程(a3)についての処理が900 ℃から980 ℃までの範囲の温度での熱処理を含み、その結果、クレーが耐火固体に変換され、その場合にクレーがカオリナイト及び/又はイライト(これはXRD 測定により通例検出し得る)を含むことが好ましい、上記された本発明の方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
前駆体としての使用のためのクレー又はクレー含有鉱物の例として、カオリン及びベントナイトが挙げられる。
本件特許出願の特別なサービスは工程(a3)における熱処理の際の或る種の前駆体物質(カオリン、例えば、Amberger Kaolinwerke からの“Chinafill 100”又は“Kaolin TEC” 並びにKarlicher Ton- und Schamottewerke Mannheim & Co.KG からの“Karlicher Blautonmehl”) がかなり低い温度でさえも特別な熱安定性を有する異なる相への転移を受け、こうして本発明の方法で生成される複合材料粒子の一部で一層良好な熱安定性に寄与することを認めたことである。カオリンが前駆体として使用される場合、本発明の方法の工程(a3)における硬化された液滴が好ましくは900 ℃から980 ℃までの範囲の温度に加熱され、その結果、例えば、カオリナイトが中間相を介しての転移を受けて耐火固体ムライトを生成する。
【0031】
耐火固体の前駆体の一例はカオリナイトである(カオリンの相当するXRD について、
図16を参照のこと)。
図17は工程(a2)に従って生成された硬化された液滴(それらが乾燥した後の)XRD を示し、液滴はカオリナイトを含んでいた。固化され、乾燥された液滴が続いて工程(a3) (900 ℃又は980 ℃における焼結/加熱)に従って処理され、XRD が900 ℃における焼結/加熱後(
図18を参照のこと)及び980 ℃における焼結/加熱後(
図19を参照のこと)に得られる複合材料粒子について測定された。
工程(a3)についての処理の前のXRD は工程(a3)についての処理の後の複合材料粒子のXRD とはかなり異なる。特に、12°、20°及び25° (2-シータ) 付近の角度における、カオリナイトに属する反射が、900 ℃における焼結/加熱後 (
図18を参照のこと) 及び980 ℃における焼結/加熱後 (
図19を参照のこと) に完全に消失した。
用語“ムライト”で
図19にマークされたXRD 反射(これらは
図18及び
図17と対照的に存在する)は、主としてムライト(これはカオリナイトの熱変換から生成し、非常に高い熱安定性を有する)から生じる。
耐火固体の前駆体の使用、特に上記された耐火固体の好ましい前駆体の使用が、耐火固体の直接の使用であるように、本発明に従って製造された複合材料粒子の一部についての増大された熱安定性の一因である。
好ましくは1000℃の温度が熱処理中に超えられない、上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が特に好ましい。
1000℃の処理温度を超える反応器の構造では、特別な技術的手段が必要とされる。従って、980 ℃以下における熱処理が反応器の複雑さの減少の一因であり、かなり低いエネルギー要求を有する。
【0032】
本発明に従って製造された複合材料粒子の熱安定性はそれが中空ビードコランダムにより代表される通常の材料の熱安定性と比較される場合に特に驚くべきである。中空ビードコランダムの製造につき、酸化アルミニウムの溶融物を生成することが通常であり、これが次いでブロー成形される。酸化アルミニウムの溶融物を生成するために、ほぼ2000℃付近の温度がAl
2O
3 の融解温度と一致して一般に必要である。セラミック又はガラスのような中空ミクロビーズが、例えばEP1832560に従って1000-2000 ℃の温度範囲で生成される。好適な前駆体を使用して本発明に従って製造された複合材料粒子は比較的低い温度における処理(焼結/加熱; 上記を参照のこと)の後でさえも高められた熱安定性を有する。
工程(a3)で、硬化された液滴が洗浄され、好ましくは得られる洗浄された液滴が乾燥される、上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。洗浄(そして任意の乾燥)後に、更なる処理工程、好ましくは先に好ましいと称される処理工程がその後に行なわれる。
工程 (a)で生成される複合材粒子は注入し得ることが好ましく、工程 (a)で生成される注入可能な複合材料粒子、又は工程 (a)で生成される複合材料粒子の注入し得る部分が工程 (b)で使用されることが好ましい。
工程(a3)で、硬化された液滴が、中間体として、固体粒子が生じるように処理され、続いてこれらの固体粒子の表面が、好ましくは有機被覆材により、シールされ、その結果、前記複合材料粒子が生じる、上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。特別な場合に、無機被覆材の使用が有利である。
【0033】
本発明の方法により、それ故、本発明により製造された複合材料粒子を使用するフィーダー部材の製造において、前記複合材料粒子の多くの場合に高い多孔性がバインダーの増大された消費を頻繁にもたらし、特に有機バインダーを使用する時に、これは望ましくない。それは一方で増大されたコストをもたらし、更に、鋳造中の増大された放出をもたらす。バインダー消費及び相当するコストを低減するために、前記複合材料粒子の表面をシールし、こうして孔へのバインダーの軽率な侵入を防止することが有利である。
工程 (b)で、有機バインダーがバインダー、好ましくはコールド−ボックスバインダーとして使用され、工程 (c)で、硬化がコールド−ボックス方法により有機アミンでガス処理することにより行なわれる、上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が好ましい。
一種の特に好ましい有機被覆材は卵白であり、これは水溶液の形態で適用されることが好ましい。
卵白水溶液は卵白粉末を水と混合することにより生成されることが好ましい。相当する卵白溶液は、例えば、下記のものを用いて生成される:
−NOVENTUM Foods からの通常の卵白粉末 (製品番号 150061) 、
−NOVENTUM Foods からのHigh Whip 卵白粉末 (製品番号 150062) 、
及び
−NOVENTUM Foods からのHigh Gel卵白粉末 (製品番号 150063) 。
上記された、前記複合材料粒子は、或る場合に高多孔性であるので、それらを好ましい被覆材の一種でシールすることが特に有利である。上記された好ましい被覆材は市場で直ぐに入手でき、無毒性であり、加工し易い。
有機被覆材としての卵白が特に好ましい。何とならば、それが複合材料粒子の表面を顕著にシールし、それによりバインダーを吸収するそれらの容量を有利に減少するからである。
工程 (b)で、フライアッシュ、米から灰、コア−シェル粒子 (好ましくはEP 2 139 626 B1の開示内容に従う) 、焼成けいそう土、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、酸化鉄、酸化マンガン、二酸化ケイ素 (例えば、ケイ砂の形態の) 、シャモット、ムライト、硝酸カリウム及び硝酸ナトリウムの球体からなる群から選ばれる一種以上の更なる成分が使用される、上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)が特に好ましい。工程 (b)で使用される上記群からの更なる成分の合計量が工程 (b)で生成されるフィーダー組成物の合計質量を基準として、1質量%から90質量%までの範囲、更に好ましくは5質量%から70質量%までの範囲、特に好ましくは10質量%から50質量%までの範囲である本発明の方法がこの状況で特に好ましい。
【0034】
鋳造工業用の発熱性フィーダー部材を製造するための本発明の方法は好ましくは工程 (b) でフィーダー組成物を得るために、工程 (a)で生成された複合材料粒子又はこれらの複合材料粒子の一部とバインダーそしてまたアルミニウム、マグネシウム及びケイ素からなる群から選ばれた金属及び/又は酸化鉄、硝酸カリウム及び硝酸ナトリウムからなる群から選ばれた酸化剤、そしてまた任意の更なる成分との混合を含む。
また、本発明は上記された方法(更に特別には先に、又は以下に好ましいと称される方法)により製造可能なフィーダー部材に関する。本発明のフィーダー部材は上記された複合材料粒子を含む。本発明のフィーダー部材が製造される場合、本発明の一つの好ましい方法によれば、特別な特性及び典型的な製品の性質が生じる(例えば、物理的組成並びに熱安定性、断熱効果、及び低いフィーダー質量に関して)。
また、本発明は鋳造工業用のフィーダー部材の製造における700g/L未満、好ましくは400g/L未満、更に好ましくは300g/L未満の嵩密度を有する複合材料粒子を製造するための、好ましくはノズルを使用し、更に好ましくは振動ノズルを使用する、マトリックスカプセル充填方法の使用に関する。
本発明のこの局面は700g/L未満、好ましくは400g/L未満、更に好ましくは300g/L未満の嵩密度を有する、調製された複合材料粒子の使用が、好ましくは高い熱安定性を有する非常に軽量の、高度に断熱性のフィーダー部材を生じるという驚くべき知見に基づいている。このような使用の好ましい実施態様に関して、本発明の方法について提示される説明が相応して有効である。
更に、本発明は、フィーダー部材、好ましくはコールド−ボックス方法により製造されるフィーダー部材中の充填剤としてのマトリックスカプセル充填方法により製造し得る、複合材料粒子及びシェル(これは複合材料粒子を包囲し、シールし、有機被覆材(例えば、卵白;上記を参照のこと)からなる)からなるシールされた複合材料粒子の使用に関する。
コールド−ボックス方法における相当するシールされた複合材料粒子の使用は少ないバインダーが使用されることを必要とすること及び使用されるバインダーがまたアミンによるその後のガス処理に一層有効に利用できるという利点を有する(先の観察が参考にされるかもしれない)。
本発明の使用の好ましい実施態様に関して、本発明の方法について示される説明が相応して有効である。
【0035】
また、本発明は下記の工程:
(a1)少なくとも下記の出発物質から懸濁液の液滴を生成する工程:
(i) 耐火性固体及び耐火性固体の前駆体からなる群から選ばれた一種以上の耐火性物質、
(ii)10〜350g/L の範囲のそれぞれの嵩密度を有する軽量充填剤、膨張剤及び熱分解性充填剤からなる群から選ばれた一種以上の密度減少物質、
(iii) 連続相としての、固化可能な液体、
(a2) 固化可能な液体を固化する工程(その結果、液滴が硬化された液滴に硬化し、一種以上の耐火物質そしてまた一種以上の密度減少物質が固化している連続相に封入される)、
(a3)硬化された液滴を処理する工程(その結果、前記複合材料粒子が生じる)
を含む、ふるい分けにより測定して、2mm未満の粒子サイズを有する耐火性(好ましくは高度に耐火性)の複合材料粒子の製造方法に関する。
【0036】
従ってまた、本発明は鋳造工業用のフィーダー部材を製造するための本発明の方法における本発明のこの方法の適用に関するものであり、鋳造工業用のフィーダー部材を製造するための本発明の方法に関する上記観察が従って耐火複合材料粒子を製造するための本発明の方法に有効である。
更にまた、本発明はフィーダー部材の成分としての、ふるい分けにより測定して、2mm未満の粒子サイズを有する耐火複合材料粒子を製造するための本発明の方法により製造でき、又は製造された耐火性(好ましくは高度に耐火性)の複合材料粒子の使用に関する。鋳造工業用のフィーダー部材を製造するための本発明の方法に関する上記観察が従って耐火複合材料粒子(これらは好ましくは1700℃で熱安定性である)の本発明の使用に有効である。700g/L未満、好ましくは400g/L未満、更に好ましくは300g/L未満の嵩密度を有する耐火複合材料粒子(好ましくは1700℃で熱安定性である複合材料粒子)の本発明の使用が好ましい。
以下の明細書に、本発明が実施例により更に詳しく説明される。
【実施例】
【0037】
測定方法:
1. 粒子サイズ測定:
ふるい分けによる複合材料粒子の粒子サイズの測定をDIN 66165-2 (4.1987) に従ってその中に同定された方法F(撹拌された個々の篩又は静止時のガス状流体中にセットされた篩による機械ふるい分け)を使用して行なう。Retsch AS 200制御振動ふるい分け機を使用する; 増幅をレベル2にセットし、インターバルふるい分けがなく、ふるい分け時間が1分である。
成分(ii)の密度減少物質として工程 (a)で使用される軽量充填剤の粒子サイズの測定を同様にDIN 66165-2 (4.1987) に従ってその中に同定された方法F(撹拌された個々の篩又は静止時のガス状流体中にセットされた篩による機械ふるい分け)を使用して行なう。再度、Retsch AS 200制御振動ふるい分け機を使用する; 増幅をレベル2にセットし、インターバルふるい分けがなく、ふるい分け時間が1分である。
0.1 mm未満の粒子サイズを有する耐火固体の粒子サイズの測定をDIN 66165-2 (4.1987) に従ってその中に同定された方法D(空気ジェット篩とともに、撹拌されたガス状流体中に静止している個々の篩による機械ふるい分け)を使用して行なう。
2. 嵩密度の測定:
嵩密度をDIN EN ISO 60 2000-1に従って測定した。
3. 水吸収性の測定:
水吸収の測定をEnslin装置を使用して行なった。評価をDIN 18132 に従って行なった。
4. 相組成の測定:
粉末ディフラクトグラムを銅アノードを備えたSiemens D 5005 粉末ディフラクトメーターを使用して記録した。測定を回折角度範囲3-70°2-シータ; ステップ幅0.020°; カウンティング時間4ステップ/秒で行なった。評価をEVA 標準ソフトウェア及びICDD PC-PDFデータベースを使用して行なった。
5. 化学組成及び形態の測定:
サンプルの形態をJeolからのJSM 6510 SEM により行なった。化学組成の測定をOxford INCA からのEDX を使用するEDX 分析により行なった。
更に、形態の測定のために、Visicam 3.0 カメラを備えたVisiScope ZTL 350 光学顕微鏡を利用した。
【0038】
6. 熱安定性の測定方法 (焼結試験):
本発明における焼結試験をVDG データシートP26 “鋳物原料の試験”の方針に沿って種々の原料の熱安定性を測定するために行なった。分析のための、或る量の同じ組成の粒子を、型E 3216 温度制御を備えたCarbolite HTF 1800オーブン中で特定の熱処理(例えば、それぞれの場合に30分間にわたって1600℃又は1700℃)にかけ、次いでふるい分けにより特定の機械的負荷により評価した。
最初に、種々の実験の再現性及び比較可能性を確実にするために、研究下の或る量の粒子をメッシュサイズ0.5 mm−下記の表2を参照のこと−又は0.71 mm −下記の表3を参照のこと−の篩を使用してふるい分けた。
続いてふるい分けられた粒子を酸化アルミニウムるつぼ中で、下記の工程で特定の熱処理にかけた:
・本発明の複合材料粒子について比較サンプルについての同じ熱負荷を確実にするための、予熱されたオーブン中で900 ℃で30分間の、サンプルの予備焼結、
・特定のオーブントランシットによるサンプルの加熱(型E3216 温度制御を備えたCarbolite HTF 1800 オーブン):1 K/分で25℃から200 ℃まで、続いて最終温度(30分間で1600℃−下記の表2を参照のこと−又は30分間で1700℃−下記の表3を参照のこと)まで3 K/分で、続いて3 K/分で室温に冷却。
【0039】
その後に、冷却された粒子を酸化アルミニウムるつぼとともに (
図3(融合された粒子)、
図6及び
図7を参照のこと)又は酸化アルミニウムるつぼなしで (
図1、
図2及び
図8を参照のこと)写真に撮り、研究下の粒子が特定の熱処理中に融解しなかった場合には、研究下の粒子が加熱される酸化アルミニウムるつぼをふるい分けタワーにクランプし、それぞれの場合にインターバルふるい分けなしで、即ち、永久ふるい分けで2の増幅でRetsch AS 200で1分間の制御篩による特定のふるいわけにより機械的応力にかけた。制御ふるいのメッシュサイズを研究下の粒子の最大予想粒子サイズ(0.5 mm−下記の表2を参照のこと−又は0.71mm−下記の表3を参照のこと)にセットした。篩残渣対篩アンダーサイズの比を評価基準として使用する(VDG データシートP26 “鋳物原料の試験”、1999年10月を参照のこと)。1より大きい篩残渣/篩アンダーサイズの係数で、サンプルが焼結を受け、それ故、熱安定性を有しないと考えられる。
サンプル特異性パラメーター、例えば、それぞれのサンプルの粒子サイズを、評価で考慮した。
【0040】
実験部分(パート1〜3):
実験パート1−2mm未満の粒子サイズを有する複合材料粒子 (B36 、B37 、B31)(また“本発明の複合材料粒子”と以下に称される)の本発明の方法の工程 (a)による生成:
(a1) 出発物質からの懸濁液の液滴の生成:
1%の濃度のアルギン酸ナトリウム水溶液を調製した(水溶液の合計質量を基準として、1質量%のアルギン酸ナトリウム(Alpichemから;CAS No.9005-38-3 を有する)。
BASFからの分散剤Sokalan (登録商標)FTCP 5 を水で希釈して相当する分散液を生成した。Sokalan (登録商標)FTCP 5 対水の質量比は1:2 であった。
調製された1%の濃度のアルギン酸ナトリウム水溶液及び調製された分散液をその後に表1についての混合比で混合して、固化可能な液体(工程(a1)についての成分(iii) としての連続相としての使用のための固化可能な液体)を得た。
次いで、撹拌しながら、クリーム状の懸濁液が生成されるまで下記の表1に従って選ばれた耐火固体の前駆体及び耐火固体(工程(a1)の成分 (i))を固化可能な液体に添加した。
続いて、撹拌しながら、ホウケイ酸塩ビーズを軽量充填剤 (工程(a1)についての成分 (ii))の例として下記の表1に記載の量で、クリーム状懸濁液に添加し、続いて表1についての水の量を添加した。これが希薄な懸濁
【0041】
【表1】
【0042】
表1: 本発明の複合材料粒子を製造するための成分及び得られるその嵩密度
(a2)固化可能な液体の固化
希薄な懸濁液をプラスチックシリンジに導入し、LA-30 シリンジポンプに留めた。送出速度は12〜15 ml/分であった。次いでシリンジ中の希薄な懸濁液を振動ノズルによりプレスし、希薄な懸濁液を一様な液滴で振動ノズルから出現させた。振動ノズルから落ちる液滴が2%の濃度の塩化カルシウム水溶液 (CaCl
2, Applichem からの製品名“分析ACSのための演歌カルシウム2水和物粉末, CAS No.10035-04-8, 塩化カルシウム溶液の合計質量を基準として2質量%) に落下し、固化し、その結果、それらが硬化された液滴に硬化し、同時に耐火物質及びホウケイ酸塩ガラスビーズが固化している混合物(1%の濃度のアルギン酸ナトリウムと分散している溶液からなる)中に封入された。
注: 硬化された液滴のサイズは希薄な懸濁液の組成、ポンプの運搬能及びノズルの振動周波数に依存した。
【0043】
(a3)硬化された液滴の処理
続いて硬化された液滴をこすり落とし、水中で洗浄した。
その後に、洗浄され、硬化された液滴を乾燥オーブン中で180 ℃で40分間乾燥させた。乾燥後、得られる硬化された液滴は注入可能であり、それらの嵩密度“マッフル炉中の処理の直前”を表1に報告する。
注入可能な硬化された液滴を続いて予熱されたマッフル炉中で900 ℃で30分間加熱した。冷却が本発明の複合材料粒子をもたらした。
表1の最後の行から明らかであるように、製造された本発明の複合材料粒子について測定された嵩密度は350 g/L未満である。耐火物質又は耐火物質の前駆体、及び軽量充填剤の好適な選択により、得られる本発明の複合材料粒子の嵩密度が実際に250 g/Lに減少し得る(表1中の複合材料粒子B37 及びE6を参照のこと)。
【0044】
本発明の複合材料粒子及び本発明ではない複合材料粒子の熱安定性を比較するための1600℃における焼結試験
先に早く記載された焼結試験に従って、本発明の複合材料粒子を本発明ではない複合材料粒子“KHP 108” (Chemexからのコア−シェル粒子) 及び本発明ではない粒子“W 205-6”(Omega Minerals からの“Weiβe spheres W250-6“製品) と比較して試験した。本発明の粒子及び本発明ではない粒子は0.25mmから0.5 mmまでの範囲の粒子サイズを有していた。焼結温度は1600℃であった。篩残渣及び篩アンダーサイズを測定するための制御篩は0.5 mmのメッシュサイズを有していた。
焼結試験の結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
表2: 1600℃における焼結試験 (サンプルの予備焼結、予熱されたオーブン中900 ℃で30分間、次いで1600℃の焼結温度で30分間) の結果
表2から明らかであるように、焼結後の本発明の複合材料粒子 “B36”についての篩残渣対篩アンダーサイズの比は1未満であり、一方、この比は焼結後の本発明ではない複合材料粒子について1より大きい。従って、1600℃における本発明の複合材料粒子 “B36” の熱安定性は本発明ではない複合材料粒子のそれよりも良好である。
【0047】
本発明の複合材料粒子及び本発明ではない複合材料粒子の1700℃における焼結試験
先に早く記載された焼結試験に従って、本発明の複合材料粒子“B36”を本発明ではない複合材料粒子“KHP 108” (Chemexからのコア−シェル粒子) 及び本発明ではない粒子“Hargreaves” (Hargreaves raw material services GmbHからの98.8% より多いAl
2O
3 を含む中空ビードコランダム) 及び本発明ではない複合材料粒子“KKW”(Imerys Fused Minerals Zschornewitz GmbHからの98.8% より多いAl
2O
3 を含む中空ビードコランダム) と比較して試験した。複合材料粒子の粒子サイズは常に0.18 mmから0.71mmまでの特定の範囲であった。焼結温度は1700℃であった。篩残渣及び篩アンダーサイズを測定するための制御篩は0.71mmのメッシュサイズを有していた。
試験の結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
表3: 1700℃における焼結試験 (サンプルの予備焼結、予熱されたオーブン中900 ℃で30分間、次いで1700℃の焼結温度で30分間) の結果
* ふるい分けによる焼結ケーキの破断は可能ではない
表3から明らかであるように、焼結後の本発明の複合材料粒子 “B36”についての篩残渣対篩アンダーサイズの比は1未満であり、一方、この比は焼結後の本発明ではない複合材料粒子について1より大きい。従って、1700℃における本発明の複合材料粒子 “B36”の熱安定性は本発明ではない複合材料粒子のそれよりも良好である。
【0050】
実験パート2−“表面シール”
予熱されたオーブン中で900 ℃で30分間加熱された後の、本発明の複合材料粒子 B36 (表1を参照のこと) を、以下のように表面シールした。
表面シールを生成された水溶液の合計質量を基準として、6質量%のNOVENTUM FoodsからのHigh Gel 卵白粉末 (製品番号 150063) を含む卵白水溶液を用いて行なった。
続いて本発明の複合材料粒子 B36を2:1 の複合材料粒子対卵白溶液の質量比で調製された卵白溶液と混合し、卵白溶液が完全に吸収されるまで得られる混合物中で撹拌した。その後に卵白溶液で処理された複合材料粒子を乾燥オーブン中で110 ℃で40分間乾燥させた。得られる複合材料粒子をB36-卵白と称する。
【0051】
Enslin装置を使用する本発明の複合材料粒子 B36(卵白クラッディングなし) 及びB36-卵白 (卵白クラッディングによる) の水吸収能の検出は本発明の複合材料粒子の水吸収が1.6 ml/g (B36) から0.1 ml/g (B36-卵白) へと卵白クラッディングにより減少されることを示した。
表4中に示される成分を使用して、コールド−ボックス方法 (N,N-ジメチルプロピルアミン触媒) をその後に使用して試験バーを生成し、その曲げ強さをVDG 規格P 73、方法A (BOSCH Profi 67 ミキサーを使用、室温及び周囲湿度で加工、ラミングによる生成、1時間後及び24時間後に試験値を取得、それぞれの場合に三回反復の測定) に基づく方法で低圧マノメーターN(モータードライブを含む)を備えたPFG 強度試験装置を使用して測定した。
【0052】
【表4】
【0053】
表4: 卵白クラッディング(即ち、表面シール)を伴ない、又は伴なわない本発明の複合材料粒子の使用。個々の成分の質量%についての数値はフィーダー組成物 (複合材料 粒子“B36-卵白”又は複合材料粒子“B36”を含む) のそれぞれの成分の合計質量を基準とする。
表4は卵白が本発明により製造された複合材料粒子の表面をシールするための薬剤として使用される場合に、増大された曲げ強さを有する試験バーが得られることを示す。それ故、相当するフィーダー部材は同様に特に機械安定性である。
複合材料粒子 B36 (卵白なし) は比較的多い量のバインダーを吸収し、これがその後に試験バーの曲げに強い結合を形成するのに最早利用し得ないと推定され、同じことが、同様に、相当するフィーダー部材について真実である。
【0054】
実験パート3−本発明によるフィーダー部材 (以下、本発明のフィーダー部材) の製造
本発明のフィーダー部材及び本発明ではないフィーダー部材を以下のように製造して、それらをそれらの断熱特性、熱安定性及び実用的有用性に関して比較した。
−シールされた表面を有する本発明の複合材料粒子“B36-卵白”(上記を参照のこと)を含む本発明のフィーダー部材“KS 6II”、
及び
−本発明の複合材料粒子“B36-卵白”に代えて本発明ではない粒子KHP 108 (上記を参照のこと) を含む本発明ではないフィーダー部材“STANDARD”。
(a) それぞれ、本発明の複合材料粒子及び本発明ではないコア−シェル粒子の製造又は用意:
シールされた表面を有する複合材料粒子“B36-卵白”を上記されたように製造し、複合材料粒子 KHP 108を用意した。
(b) フィーダー組成物を得るための製造されたシールされた表面を有する本発明の複合材料粒子及び本発明ではないコア−シェル粒子とコールド−ボックスバインダーの混合
本発明ではないフィーダー部材“STANDARD”及び本発明のフィーダー部材“KS 6II”のためのフィーダー組成物の正確な成分を下記の表5に示す。それらをそれぞれ混合して均一なフィーダー組成物を得た。
(c) フィーダー部材を得るためのフィーダー組成物の成形及び硬化
続いて本発明ではないフィーダー部材“STANDARD”及び本発明のフィーダー部材“KS 6II” のためのフィーダー組成物をコア−ショッティング機械でそれぞれ成形し、コールド−ボックス方法 (N,N-ジメチルプロピルアミン触媒) に従ってガス処理した。これが本発明ではないフィーダー部材“STANDARD”及び本発明のフィーダー部材 “KS 6II”を与えた。
【0055】
【表5】
【0056】
表5: 鋳造 (キューブ試験) に使用されたフィーダーの成分。個々の成分の質量%についての数値はフィーダー組成物 (それぞれフィーダー部材 “STANDARD”及びフィーダー部材“KS 6II”のための) のそれぞれの成分の合計質量を基準とする。
(d) 本発明のフィーダー“KS 6II”及び本発明ではないフィーダー“STANDARD”を使用する鉄のキューブの鋳造
所謂キューブ試験を使用して本発明のフィーダー“KS 6II”及び本発明ではないフィーダー“STANDARD” (先に記載された) をそれらの性能実用性について試験した。これらの試験は鋳物をキューブの形態で製造する場合にどのフィーダー部材が良好なフィーディング能を示すのかを特に調べる。
表5からの成分に従って製造されたフィーダーをキューブ試験で鉄 (GGG40) を用いて1400℃で1.2 cm モジュラスにそれぞれ鋳造した。
残留鉄フィーダーを含む、こうして製造された立方形の鉄鋳物を、
図14(本発明ではないフィーダーを使用する時に生じる)及び
図15(本発明のフィーダーを使用する時に生じる)に半分にされた状態(のこ引きによる)で示す。
【0057】
図14は鋳造キューブ中で4mmの深さまで下に延びる側部キャビティを示す(
図14中の銘刻文字“-4”を参照のこと;上に描かれた線と下に描かれた線の間の距離=4mm、上の線は鋳物と残留金属フィーダーの間の境界をマークし、下の線は側部キャビティの最低の侵入点をマークする)。
図15は残留金属フィーダー中のキャビティのみを示す。キャビティは鋳造キューブ中に延びない (
図14中の銘刻文字“7”及び“13”を参照のこと;上に描かれた線と下に描かれた線の間の距離=それぞれ7mm及び13mm、下の線は鋳物と残留金属フィーダーの間の境界をマークし、上の線は残留金属フィーダー中のキャビティの最低の位置をマークし;異なる値“7mm”及び“13mm”はのこぎりの歯の幅から生じる)。
図14及び15から、本発明のフィーダー部材“KS 6II”が本発明ではないフィーダー部材“STANDARD”と較べて改良されたフィーディング能を有することが明らかである。