【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明は、請求項によって規定される。
【0039】
例の第1セットによれば、
AC入力と、
整流器と、
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合される自励発振LLC回路であって、前記LLC回路によって電気フィードバックパラメータが供給される自励発振LLC回路と、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路とを有するAC/DC PFC一段コンバータであって、
前記制御回路が、前記コンバータの出力電圧又は電流及び整流された入力電圧に依存して前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルを設定するための外部制御ループと、前記ゲート駆動信号を導き出すために前記電気フィードバックパラメータを前記閾値と比較するための内部制御ループとを有し、
前記内部制御ループが、前記電気フィードバックパラメータを前記閾値と比較するための比較器と、前記ゲート駆動信号を生成するためのフリップフロップとを有するAC/DC PFC一段コンバータが提供される。
【0040】
この態様は、前記入力電流及び電圧の測定に基づいてPFCを実施し、前記ハーフブリッジインバータのスイッチングを制御するために閾値制御を適用する一段回路を供給する。
【0041】
或る例においては、前記比較器の出力は、前記フリップフロップのリセット入力に供給され、セット入力は遅延要素によって供給される。このことは、前記自励発振を制御するために単一の閾値を用いることを可能になる。前記遅延要素は、前記リセット入力によってトリガされる遅延を供給し得る。
【0042】
別の例においては、前記制御回路は、前記ゲート駆動信号をオンにするための前記電気フィードバックパラメータの第1閾値と、前記ゲート駆動信号をオフにするための前記電気フィードバックパラメータの第2閾値とを設定するよう適合される。
【0043】
この手法は、単一の閾値に基づく制御に必要とされるような、タイミング制御を完全なものにするための平衡コントローラ(balancing controller)の必要がない。
【0044】
例のこのセットは、
AC入力を整流するステップと、
ゲート駆動信号を用いてハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
前記出力に結合される自励発振LLC回路から電気フィードバックパラメータを供給するステップと、
前記電気フィードバックパラメータに基づいて前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するステップであって、
コンバータ出力電圧又は電流並びに整流された入力電圧及び電流に依存して前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルを設定するための外部制御ループを用いるステップ、及び
前記ゲート駆動信号を導き出すために前記電気フィードバックパラメータを前記閾値と比較するために内部制御ループを使用し、フリップフロップを用いて前記ゲート駆動信号を生成するステップによって、制御するステップとを有する一段PFC AC/DC変換方法も提供する。
【0045】
前記ゲート駆動信号をオンにするための前記電気フィードバックパラメータの第1閾値が用いられてもよく、前記ゲート駆動信号をオフにするための前記電気フィードバックパラメータの第2閾値が用いられてもよい。
【0046】
例の第2セットによれば、
AC入力と、
整流器と、
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合される自励発振LLC回路であって、前記LLC回路によって電気フィードバックパラメータが供給される自励発振LLC回路と、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であり、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路であって、前記制御回路が、
前記電気フィードバックパラメータによって決定されるように、前記ハイサイドスイッチ又は前記ローサイドスイッチのオン時間又はオフ時間に対応する第1持続時間に関する値を決定し、
各々、後続のオフ時間又はオン時間を設定するための第2持続時間を規定するためのものである制御回路とを有するAC/DC PFCコンバータが提供される。
【0047】
この構成は、デューティサイクルの制御で、スイッチ構成のオン時間(又はオフ時間)を規定するために、単一のフィードバックパラメータを用いることを可能にする。
【0048】
前記閾値制御からもたらされる持続時間が測定され、この持続時間(又は複数の前の持続時間)が制御サイクルの次のフェーズの持続時間を決定するために用いられる。前記制御回路は、例えば、(例えば、過去5乃至100サイクルからの)前の持続時間の(移動)平均を表す信号を生成し得る。
【0049】
この方法においては、一方のスイッチング遷移は、閾値に直接対応するのに対して、他方のスイッチング遷移は、設定点(例えば50%)と、前記設定点に対する誤差を検出する手段と、誤差積分器と、前記持続時間を制御する方法とを有する内部制御の対象である。
【0050】
従って、或る例においては、前記電気フィードバックパラメータが閾値に達するまで、第1の一定値を積分し、次いで、反対符号の第2の一定値を積分するために、積分器が用いられ得る。
【0051】
これは、一定値を積分することによって前記持続時間を測定するために積分器が用いられる、前記タイミング制御のためのアナログソリューションを提供する。他方のスイッチの対応するオン時間又はオフ時間を設定するために、第2持続時間を規定するために反対符号の信号が積分される。この方法においては、積分されるべき前記一定値の適切な選択によって前記持続時間を設定するために前記デューティサイクルそれ自体が用いられ得ることで、前記デューティサイクルは、50%に正確に設定され得る。
【0052】
前記一定値は、例えば、前記ゲート駆動信号から得られる。このゲート駆動信号は、一方が基準と比較して正であり、他方が基準と比較して負である2つの値の間を行ったり来たりし、それによって、前記第1及び第2の一定値を規定する。
【0053】
従って、前記積分器は、前記ゲート駆動信号の範囲内の一定電圧に設定される基準入力を持ち得る。これは、前記積分器のスイッチング時点を決定し、それは、任意の所望のデューティサイクルを設定することを可能にする。
【0054】
前記積分器は、前記ゲート駆動信号の中間点に設定される前記基準入力を持ち得るこのことは、上述のように50%のデューティサイクルを設定することを可能にする。
【0055】
前記コンバータは、前記積分器の出力においてRC出力フィルタを更に含み得る。
【0056】
前記積分器の成分値は、動作帯域幅の低周波カットオフを設定するために用いられることができ、前記RC出力フィルタは、高周波カットオフを設定するために用いられることができる。
【0057】
前記コンバータは、前記積分器の出力が立ち下がり傾斜(falling slope)であるときにオンにされ、前記積分器の出力が立ち上がり傾斜(rising slope)であるときにオフにされる、前記RC出力フィルタの出力における短絡トランジスタを更に含み得る。このことは、(前記所望のデューティサイクルのための)正しいタイミングに達したときに、前記制御回路の出力がパルスとして供給され得ることを意味する。
【0058】
例のこのセットは、
AC入力を整流するステップと、
ゲート駆動信号を用いてハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
前記出力に結合される自励発振LLC回路から電気フィードバックパラメータを供給するステップであって、前記LLC回路によって電気フィードバックパラメータが供給されるステップと、
前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するステップであって、
前記電気フィードバックパラメータによって決定されるように、前記ハイサイドスイッチ又は前記ローサイドスイッチのオン時間又はオフ時間に対応する第1持続時間に関する値を決定するステップ、及び
各々、後続のオフ時間又はオン時間を設定するための第2持続時間を規定するステップによって、制御するステップとを有するAC/DC PFC変換方法も提供する。
【0059】
前記方法は、
前記電気フィードバックパラメータが閾値に達するまで第1の一定値を積分するステップと、
各々、後続のオフ時間又はオン時間を設定するための第2持続時間を規定するために前記第1の一定値とは反対符号の第2の一定値を積分するステップとを含み得る。
【0060】
前記一定値は、前記ゲート駆動信号から得られることができ、前記方法は、積分器基準入力を、前記ゲート駆動信号の範囲内の一定電圧に設定するステップを含み得る。
【0061】
例の第3セットによれば、
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合される自励発振回路であって、前記回路によって電気フィードバックパラメータが供給される自励発振回路と、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であり、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路であって、前記制御回路が、
前記電気フィードバックパラメータの傾きを検出するための検出回路、及び
前記電気フィードバックパラメータの前記傾き及び前記ゲート駆動信号のレベルに依存して前記電気フィードバックパラメータを無効にするための回路を含む制御回路とを有するコンバータが提供される。
【0062】
この回路においては、電気フィードバックパラメータが制御変数として用いられる。閾値に達するとき、前記制御回路は前記フィードバックパラメータを無効にし得る。この方法においては、前記フィードバックパラメータは、もはや、スイッチング機能を制御しない。このことは、望ましくない誤トリガをもたらさずに、前記電気フィードバックパラメータが前記閾値を超えて増加することを可能にする。無効にすることは、ブランキング動作であるとみなされることができ、これによって、前記フィードバックパラメータは、前記傾きが正しい符号を持ち、前記ゲート駆動信号が正しい値を持つときにしか検出されない。この方法においては、前記閾値は、前記フィードバックパラメータがその閾値レベルに近づいているときに用いられ、誤トリガがあり得る他のときには用いられない。
【0063】
前記自励発振回路は、好ましくは、LLC回路を含み、前記電気フィードバックパラメータは、前記LLC回路のコンデンサの両端の電圧を含む。
【0064】
前記無効にするための回路は、検出された前記電気フィードバックパラメータを基準電位に短絡するための短絡回路を含み得る。このことは、前記しきい値制御を非アクティブにする。
【0065】
或る例においては、前記検出回路は、積分コンデンサの他方の端子が前記フィードバック電気信号に接続される前記積分コンデンサの一方の端子に接続されるベースを持つバイポーラトランジスタであって、或るモードにおいては前記バイポーラトランジスタが開回路であり、別のモードにおいては前記バイポーラトランジスタがプルアップ又はプルダウン機能を実施するように、ベース電流が積分コンデンサに印加される電圧の傾きに依存するようなバイポーラトランジスタを含み得る。
【0066】
別の例においては、前記検出回路は、積分コンデンサの他方の端子が前記フィードバック電気信号に接続される前記積分コンデンサの一方の端子及びダイオード構成に接続される入力を持つバッファ回路であって、或るモードにおいては、前記バッファへの入力が引き下げられ、別のモードにおいては前記バッファへの入力が引き上げられるように、前記ダイオード構成を通る電流の流れの方向が、前記積分コンデンサに印加される電圧の傾きに依存するように構成されるバッファ回路を含み得る。
【0067】
このようにして、前記フィードバックパラメータの傾きの検出を実施する様々な方法がある。
【0068】
前記電気フィードバックパラメータの前記傾きと前記ゲート駆動信号のレベルとの間の論理和(OR)機能を実施するための論理構成が設けられてもよい。
【0069】
AC/DC PFCコンバータは、AC入力と、整流器と、前記整流器の出力を入力として有する、上で規定されているようなコンバータとを含み得る。
【0070】
例のこのセットは、
ゲート駆動信号を用いてハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
前記出力に結合される自励発振回路から電気フィードバックパラメータを供給するステップと、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するステップであって、
前記電気フィードバックパラメータの傾きを検出するステップ、及び
前記電気フィードバックパラメータの前記傾き及び前記ゲート駆動信号のレベルに依存して前記電気フィードバックパラメータを無効にするステップによって、制御するステップとを有する変換方法も提供する。
【0071】
前記無効にするためのステップは、検出された前記電気フィードバックパラメータを基準電位に短絡するステップを含み得る。前記検出するステップは、バイポーラトランジスタのベース電流を、前記バイポーラトランジスタのベースにある積分コンデンサに印加される電圧の傾きに依存して、或るモードにおいては、前記バイポーラトランジスタが開回路であり、別のモードにおいては、前記バイポーラトランジスタがプルアップ又はプルダウン機能を実施するように、制御するステップ、又はダイオード構成を通る電流の流れの方向を、積分コンデンサに印加される電圧の傾きに依存して、或るモードにおいては、バッファへの入力が引き下げられ、別のモードにおいては、前記バッファへの入力が引き上げられるように、制御するステップを含み得る。
【0072】
例の第4セットによれば、
AC入力と、
整流器と、
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合されるLLC回路であって、前記LLC回路のコンデンサの両端の電圧が電気フィードバックパラメータとして供給され、前記電気フィードバックパラメータが入力電流を表すLLC回路と、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路とを有するAC/DC PFCコンバータであって、
前記制御回路が、前記入力電流の測定なしに前記コンバータの出力電圧又は電流及び整流された入力電圧に依存して前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルを設定するための外部制御ループと、前記ゲート駆動信号を導き出すと共に、力率補正を供給するために前記電気フィードバックパラメータを前記閾値と比較するための内部制御ループとを有するAC/DC PFCコンバータが提供される。
【0073】
この構成は、前記LLC回路からの前記電気パラメータを用いて前記入力電流を表すことによって、前記制御回路への入力として測定された入力電流を用いる必要がない。所望のPFC機能は、依然として、実質的に抵抗性の入力インピーダンスを与えることができる。
【0074】
電流の測定が、より簡単な電圧測定に置き換えられる。このことは、標準的なブーストPFCコントローラ集積回路の使用も容易にする。
【0075】
前記回路は、(DC/DCコンバータが後に続く)プリレギュレータ段であってもよく、又は一段ドライバ内で実施されてもよい。前記LLC回路が自励発振するものであってもよく、又は前記ハーフブリッジインバータが発振器によって制御されてもよい。
【0076】
前記内部制御ループは、好ましくは、前記ゲート駆動信号のスイッチング時点における前記閾値とLLC共振回路のコンデンサの両端の電圧の比較をするためのものである。前記回路は、前記入力電流が前記スイッチング時点においてLLCコンデンサの両端の電圧に実質的に比例するように設計され得る。
【0077】
或る例においては、前記内部制御ループは発振器を有し、前記内部制御ループは発振周波数を制御する。これは、LLCコンバータのためのよく知られている周波数制御を供給する。
【0078】
別の例においては、前記内側制御ループはラッチを有し、前記ラッチのスイッチングのタイミングは前記電気フィードバックパラメータに依存する。これは、自己共振スイッチング動作を供給する。
【0079】
その場合、前記ラッチは、フリップフロップを含むことができ、セットタイミング及びリセットタイミングのうちの一方は、前記電気フィードバックパラメータに依存して制御され、前記セットタイミング及び前記リセットタイミングのうちの他方は一定の遅延に基づいて制御される。
【0080】
前記電気フィードバックパラメータのための前記閾値レベルと、前記回路への整流された入力電圧との間の関係を修正するための補正ユニットが設けられてもよい。このことは、1により近い力率を得ることを可能にし、従って、より少ない全高調波ひずみを可能にする。
【0081】
前記補正ユニットは、
前記電気フィードバックパラメータのための前記閾値レベルを、前記閾値レベルが前記電気フィードバックパラメータと比較される前に、前記入力電圧に依存して修正するためのもの、
前記整流された入力電圧を、前記外部制御ループに供給する前に修正するためのもの、又は
測定された前記電気フィードバックパラメータを、前記閾値と比較する前に修正するためのものであり得る。
【0082】
これらは、前記閾値レベルと前記整流された入力電圧との間の関係に対する変更を実施する別の方法である。前記電気フィードバックパラメータのための前記閾値レベルと、前記回路への前記整流された入力電圧との間の関係は、例えば、前記閾値レベルと前記入力電圧との間の比が、最小及び最大の整流された入力電圧に対しては同じであり、中間の整流された入力電圧に対してはより大きい関数を有する。これは、前記関係が、とりわけ中間の電圧値において、直線関係から逸脱することを意味する。
【0083】
例のこのセットは、
AC入力を整流するステップと、
ゲート駆動信号を用いてハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
LLC回路のコンデンサの両端の電圧を、入力電流を表す電気フィードバックパラメータとして供給するステップと、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するステップであって、
外部制御ループにおいて、前記入力電流の測定なしに前記コンバータの出力電圧又は電流及び整流された入力電圧に依存して前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルを設定するステップ、及び
内部制御ループにおいて、前記ゲート駆動信号を導き出すために前記電気フィードバックパラメータを前記閾値と比較するステップによって、制御するステップとを有するAC/DC PFC変換方法も提供する。
【0084】
前記方法は、前記内部制御ループにおいて、前記ゲート駆動信号のスイッチング時点における前記閾値と前記コンデンサの両端の電圧の比較をするステップを含み得る。前記内部制御ループは、発振器を制御し、それによって、前記ゲート駆動信号の発振周波数を制御するために用いられ得る。他の例においては、前記内部制御ループは、前記電気フィードバックパラメータに依存してセットタイミング及びリセットタイミングのうちの一方を制御し、一定の遅延に基づいて前記セットタイミング及び前記リセットタイミングのうちの他方を制御することによって、フリップフロップのスイッチングのタイミングを制御するために用いられ得る。
【0085】
例の第5セットによれば、
第1スイッチ及び第2スイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合されるLLC回路であって、前記LLC回路によって電気フィードバックパラメータが供給されるLLC回路と、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路とを有するコンバータであって、
前記制御回路が、少なくとも前記コンバータの出力電圧又は電流に比例的に閾値レベルを設定するための外部制御ループと、前記ゲート駆動信号を生成するための発振器を含む内部制御ループとを有し、前記発振器の周波数が、前記内部制御ループによって、前記閾値レベルと前記電気フィードバックパラメータとの間の比較の平均値に基づいて制御されるコンバータが提供される。
【0086】
この構成は、前記ハーフブリッジの発振器制御を補うために前記LLC回路からの電気パラメータを利用する。前記電気パラメータは、制御(操作)変数として用いられる。これは、前記LLC回路からのフィードバックだけでなく、発振器も用いるハイブリッド制御手法を提供する。これは、誤トリガ又はトリガの欠落に悩まされない、より安定した制御を可能にする。それは、時間平均閾値制御手法として機能する。前記回路は、(DC/DCコンバータが後に続く)プリレギュレータPFC段であってもよく、又は一段ドライバ内で実施されてもよく、DC/DCコンバータにおいて用いられてもよい。
【0087】
PFC回路において用いられる場合、前記閾値レベルは、前記入力電圧及び電流の測定値に基づいて設定され得る。他の例においては、前記入力電流は、上記の例の第4セットと同様に、前記LLC回路のコンデンサの両端の電圧によって表されてもよい。
【0088】
例の或るセットにおいては、前記閾値レベルは、入力電流閾値レベルであり、前記内部制御ループは、入力電流誤差を積分するための積分器を有し、前記発振器は、積分された前記電流誤差、及び前記電気フィードバックパラメータに依存して制御される。これは、入力電流制御と、LLCタンク内の電気信号を用いた制御とを組み合わせる。
【0089】
例の別のセットにおいては、前記閾値レベルは、前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルであり、前記内部制御ループは、前記閾値レベルに依存するタイミングを持つ信号と、前記電気フィードバックパラメータとの間の位相差を検出するための位相検出器を有する。この例は、(前記出力電圧又は電流を制御する)前記外部制御ループのための閾値制御と、(前記PFCを制御する)前記内部制御ループのための閾値制御の両方のために前記電気フィードバックパラメータを利用する。
【0090】
この方法においては、前記電気フィードバックパラメータ(例えば、前記LLCのコンデンサ電圧)は、上記の例と同様に、瞬時に変換される電力のレベルを制御する制御(又は操作)値として用いられる。PFCアプリケーションは、2つのカスケード制御ループを使用し、DC/DCコンバータは1つしか使用しない。
【0091】
VCO及び位相検出器は、上記の第2態様において行われているように、前記スイッチングが前記閾値の検出に応じて直ちに(又は直接的に)実施されないように、更なる内部制御ループを実施する。
【0092】
例えば、前記内部制御ループは、その場合、位相誤差を積分するための積分器を有してもよく、前記発振器は、積分された前記位相誤差に依存して制御される。前記内部制御ループは、その場合、発振器制御信号を、前記ゲート駆動信号のフィードバックによって決定されるタイミングを持つ三角波形に変換するための三角信号生成器を有してもよい。これは、三角信号に適用されるスイッチング閾値に基づいてデューティサイクルを制御することを可能にする。
【0093】
前記発振器は、出力負荷に依存してデューティサイクルの修正を実施するための回路を有してもよい。
【0094】
例のこのセットは、
ゲート駆動信号を用いて第1スイッチ及び第2スイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
前記出力に結合されるLLC回路から電気フィードバックパラメータを供給するステップと、
前記電気フィードバックパラメータに依存して前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのスイッチングを制御するステップであって、
外部制御ループにおいて、少なくとも前記コンバータの出力電圧又は電流に比例的に閾値レベルを設定するステップ、及び
前記ゲート駆動信号を生成するための発振器を含む内部制御ループにおいて、前記閾値レベルと前記電気フィードバックパラメータとの間の比較の平均値に基づいて発振器周波数を設定するステップによって、制御するステップとを有する変換方法も提供する。
【0095】
これは、上で説明したような時間平均閾値制御方法を提供する。前記閾値レベルは、入力電流閾値レベルであってもよく、前記内部制御ループは、入力電流誤差を積分するための積分器を有し、前記方法は、積分された前記電流誤差、及び前記電気フィードバックパラメータに依存して、前記発振器を制御するステップを有する。他の例においては、前記閾値レベルは、前記電気フィードバックパラメータのための閾値レベルであってもよく、前記方法は、前記内部制御ループにおいて、前記閾値レベルに依存するタイミングを持つ信号と、前記電気フィードバックパラメータとの間の位相差を検出するステップを有する。
【0096】
例の第6セットによれば、AC/DC PFCコンバータであって、
AC入力と、
整流器と、
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータであって、前記スイッチ間のノードから出力が規定されるハーフブリッジインバータと、
前記出力に結合される自励発振共振回路と、
前記コンバータの出力電圧又は電流を制御するために電気フィードバックパラメータに依存して前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するためのゲート駆動信号を生成するための制御回路であり、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにする制御回路であって、前記制御回路が、
前記電気フィードバックパラメータのための閾値を受け取るための入力、
前記電気フィードバックパラメータと前記閾値との比較に基づいて前記ゲート駆動信号を生成するための出力回路、及び
前記ゲート駆動信号のスイッチングが失敗した場合に、前記閾値をオーバーライドして、それによって、前記ゲート駆動信号のスイッチングを再開するための再開信号を供給するためのタイムアウト回路を含む制御回路とを有するAC/DC PFCコンバータが提供される。
【0097】
この構成は、必要とされる前記ゲート駆動信号の自励発振を、前記信号の発振の中断がある場合に再開することを可能にする。
【0098】
前記制御回路は、比較信号を導き出すために所望の前記コンバータの出力電圧又は電流における誤差を積分するための積分器を有してもよい。この比較信号は、前記発振が停止している場合にしか閾値に達しないだろう。
【0099】
前記積分器は、例えば、負のフィードバック経路内にコンデンサを備える増幅器を有し、前記タイムアウト回路は、前記コンデンサを短絡するためのスイッチを有する。
【0100】
その場合、低速積分時定数(slow integration time constant)が取り除かれるので、前記比較信号は、前記閾値を超えて増加していく。
【0101】
前記タイムアウト回路は、前記ゲート駆動信号における遷移を検出し、前記ゲート駆動信号における遷移がない場合に前記スイッチを閉じるための検出器を有してもよい。
【0102】
前記再開信号は、軽負荷動作中には繰り返し供給され得る。これは、或る種のブーストモード動作を提供する。
【0103】
例のこのセットは、
AC入力を整流するステップと、
ゲート駆動信号を用いてハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを含むハーフブリッジインバータを動作させ、前記スイッチ間のノードから出力を供給するステップであって、ハイのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオンにすると共に、他方のスイッチをオフにし、ローのゲート駆動信号が、一方のスイッチをオフにすると共に、他方のスイッチをオンにするステップと、
前記出力に結合される自励発振共振回路から電気フィードバックパラメータを供給するステップと、
前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチのスイッチングを制御するステップであって、
前記電気フィードバックパラメータのための閾値を受け取るステップ、
前記電気フィードバックパラメータと前記閾値との比較に基づいて前記ゲート駆動信号を生成するステップ、及び
前記ゲート駆動信号のスイッチングが失敗した場合に、前記閾値をオーバーライドして、それによって、前記ゲート駆動信号のスイッチングを再開するための再開信号を供給するステップによって、制御するステップとを有するAC/DC PFC変換方法も提供する。
【0104】
前記方法は、比較信号を導き出すために所望の前記コンバータの出力電圧又は電流における誤差を積分するステップを有してもよく、前記閾値をオーバーライドするステップは、前記コンデンサを短絡するステップを有する。その場合、前記閾値をオーバーライドするステップは、前記ゲート駆動信号における遷移を検出するステップと、前記ゲート駆動信号における遷移がない場合に前記スイッチを閉じるステップとを有してもよい。前記方法は、例えば誤差積分器を含む自励発振制御方式において用いられる。アナログ実施の場合には、これはフィードバックコンデンサを用いる。しかしながら、デジタル実施の場合は、オーバーライド機能は、デジタル誤差積分器をリセットすることによって実施され得る。
【0105】
上記の全ての例において、前記電気フィードバックパラメータは、前記LLC回路のコンデンサの両端の電圧を含み得る。他の例においては、変圧器電圧、又は変圧器入力電流も用いられ得る。
【0106】
全ての例において、前記AC/DCコンバータは、力率補正を実施するために用いられ得る。前記AC/DCコンバータは、一段コンバータであると明記されている場合以外、例えば二段コンバータを形成するよう、次いで、例えば、別の段に供給される調整されたPFC出力電圧を供給するプリレギュレータを有してもよい。しかしながら、前記AC/DCコンバータは、その代わりに、一段コンバータとして用いられてもよく、この場合には、前記出力は、例えばLED負荷を駆動するための、調整された電流を含み得る。
【0107】
全ての例において、前記共振回路(例えば、LLC回路)と前記出力負荷との間に変圧器が設けられてもよい。その場合、照明装置は、1つ以上のLEDから成るLED構成及び(一段ドライバとしての、又は二段ドライバの第1段としての)前記AC/DC PFCコンバータを含むことができ、前記LED構成は、最終出力負荷を含む。
【0108】
LED駆動方法は、前記AC/DC PFC変換を供給するステップと、変換されたDC電圧を用いてLED負荷を駆動するステップとを有する。前記LED負荷は、例えば出力電流制御によって、直接駆動されてもよく、又は別のDC/DCコンバータ段を介して駆動されてもよい。