特許第6868033号(P6868033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868033
(24)【登録日】2021年4月13日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】吸入器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20210426BHJP
   B65D 83/06 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   A61M15/00 Z
   B65D83/06 H
【請求項の数】17
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2018-543386(P2018-543386)
(86)(22)【出願日】2017年2月22日
(65)【公表番号】特表2019-507625(P2019-507625A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2017025032
(87)【国際公開番号】WO2017144182
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2019年11月20日
(31)【優先権主張番号】16020052.3
(32)【優先日】2016年2月24日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2017/025029
(32)【優先日】2017年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ホラコフスキー ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ベッセラー イェンス
(72)【発明者】
【氏名】フレンツェル−バイメ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン フランク
(72)【発明者】
【氏名】ケンパー マルクス
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−528693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
B65D 83/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プセル(3)からの粉体形態にある製剤(2)の吸入のための吸入器(1)であり、前記カプセル(3)の各々は該製剤(2)の投与量を含有し、前記吸入器(1)は、該カプセル(3)を有する環状のマガジン(5)と、内側に前記マガジンが配置されたハウジングと、マウスピース(15)と、該マウスピース(15)に関連付けられたカバー(18)とを含み、
前記カバーは、前記マウスピースを覆って閉じた状態となるように移動可能に前記ハウジングに連結されており、
前記カバー(18)は、前記マウスピース(15)の開放又は閉鎖のために半径方向に移動可能及びピボット回転可能であり、
前記カバーは、前記カバーを半径方向に移動し、そして、前記カバーを前記ハウジングに対してピボット回転させることにより、開放され、
該カバー(18)のピボット回転(S)により、前記マガジン(5)を1つのカプセルが前記マウスピースに正対する位置から、次のカプセルが前記マウスピースに正対する位置まで搬送することができ、該カバー(18)の半径方向移動(B)により、カプセル(3)を放出位置(A)へ該半径方向に移動することができる、
ことを特徴とする吸入器(1)。
【請求項2】
吸入器(1)又は前記マガジン(5)が複数のカプセルチャンバ(4)を有し、前記カプセルチャンバ(4)はそれぞれカプセル(3)を含有することを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記カプセルチャンバ(4)は、各ケースにそこに受け入れられた前記カプセル(3)と共に、前記カバー(18)の半径方向移動(R)によって前記マガジン(5)から前記放出位置(A)へ個々に移動することができることを特徴とする請求項2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記カプセルチャンバ(4)は、前記マガジン(5)に半径方向に移動可能に受け入れられ、かつ前記放出位置(A)の中に半径方向に個々に移動することができることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項5】
プセル(3)からの粉体形態にある製剤(2)の吸入のための吸入器(1)であり、前記カプセル(3)の各々は該製剤(2)の投与量を含有し、該カプセル(3)が、各ケースに関連のカプセルチャンバ(4)に受け入れられ、該吸入器(1)が、該カプセルチャンバ(4)とそこに配置されたカプセル(3)とを有するマガジン(5)を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記吸入器(1)であって、
前記カプセルチャンバ(4)は、前記マガジン(5)に半径方向に移動可能に受け入れられ、該カプセルチャンバ(4)は、放出位置(A)の中に半径方向に個々に移動することができる、
ことを特徴とする吸入器(1)。
【請求項6】
1つのカプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)から次のカプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)まで搬送されるように、前記マガジン(5)は、前記カバー(18)のピボット回転によって、回転可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記カプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)は、環状に配置されている、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項8】
前記カプセル(3)及び/又はカプセルチャンバ(4)は、前記マガジン(5)の異なる平面(E1、E2)から前記放出位置(A)の中に、交互に移動することができることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項9】
吸入器(1)が、前記カプセル(3)を、前記半径方向(R)に、又は前記放出位置(A)の中に半径方向に搬送するための搬送デバイス(20)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記搬送デバイス(20)は、前記カプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)によって形成された前記環状配置の内側に配置されるか又は前記マガジン(5)の内側に配置されることを特徴とする請求項7及び請求項9に記載の吸入器。
【請求項11】
前記搬送デバイス(20)は、スライド状及び/又は半径方向移動可能なドライバ(25)を有することを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項12】
前記ドライバ(25)は、前記カバー(18)の半径方向移動又はピボット回転によって半径方向に移動可能であることを特徴とする請求項11に記載の吸入器。
【請求項13】
前記搬送デバイス(20)又はその前記ドライバ(25)は、前記マガジン(5)の異なる平面(E1、E2)でのカプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)との交替又は交互係合のための2つの係合領域又は切欠き部(28)を有することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項14】
前記カバー(18)の閉鎖中に、又は吸入器(1)を閉鎖するための該カバー(18)のピボット回転移動により、前記放出位置(A)に位置付けられたカプセル(3)又はカプセルチャンバ(4)は、最初に、前記マガジン(5)の中に半径方向に移動して戻すことができ、次に、該マガジン(5)は、1つのカプセルが前記マウスピースに正対する位置から、次のカプセルが前記マウスピースに正対する位置まで、更に搬送するか又は回転させることができることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項15】
前記放出位置(A)に位置付けられたカプセル(3)は、バネ力によって前記マガジン(5)の中に再度移動して戻すことができることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項16】
前記吸入器(1)は、前記カプセルチャンバを、前記半径方向に、又は前記放出位置の中に半径方向に搬送するための搬送デバイスを備えることを特徴とする請求項4に記載の吸入器。
【請求項17】
前記放出位置に位置付けられたカプセルは、バネ力によって前記マガジンの中に再度移動して戻すことができることを特徴とする請求項5又は16に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は請求項5の前文に記載の吸入器に関する。
【0002】
本発明は、特に、好ましくは粉体形態にある製剤の放出又は吸入のための吸入器、すなわち、粉体吸入器に関する。
【背景技術】
【0003】
製剤は、特に治療薬剤又は医薬調剤である。従って、特に、製剤は、少なくとも1つの活物質を含有するか又はそれから構成される。すなわち、製剤は、特に医療処置又は他の治療目的に寄与する。
【0004】
本発明では、製剤は、カプセルに保持され、各カプセルは、製剤の1回投与量を含有する。すなわち、製剤は、カプセル内に事前投与される。
【0005】
本発明では、用語「カプセル」は、主として、特に互いに別々に操作及び/又は開封することができる固体の又は少なくとも実質的に剛性の特に密であり、一体的であり、閉じた及び/又は連続的なシェルを有する容器を意味するように理解しなければならない。好ましくは、本発明による更に別の意味において、用語「カプセル」は、特に互いに別々に操作及び/又は開封することができる各場合に製剤の投与量を有する他の容器又はパッケージなどを意味することも理解しなければならない。
【0006】
EP 0 147 755 A2は、細長いカプセルからの粉体形態の医薬品調剤の吸入のための吸入器を開示している。吸入器は、各場合にカプセルを手動でその中に導入することができるカプセルチャンバを有する。カプセルは、長手方向に穿刺され、それによってカプセルチャンバ内の開封デバイスの手動起動によって開封される。吸入中に、カプセルチャンバを通って流れる空気ストリームは、カプセルがカプセルチャンバ内で前後に移動されることをもたらし、粉体形態の医薬調剤は、空気ストリームに放出されて分散される。本発明は、特にこの原理を使用するが、それは、製剤を放出するための他の技術に使用することもできる。
【0007】
WO 2005/049121 A1は、複数のカプセルを有する粉体吸入器を開示している。円筒形カプセルは、レールによって互いの背後に直立に案内されるか又はチェーン方式で互いに接続される。
【0008】
WO 2007/118648 A1は、特にカプセルがそこに保持された複数のカプセルチャンバを有して各カプセルチャンバが特に1回だけ使用される粉体吸入器を開示している。カプセル及びカプセルチャンバは、半径方向に向けることができ、カプセルチャンバの出口開口部は、共通カバーで覆うことができる。この場合に、カプセル及びカプセルチャンバはまた、2つの軸線方向にオフセットされた平面に配置することができる。別の実施形態により、吸入器はまた、吸入中に順次空にされる個々のカプセルを保持するための1つのカプセルチャンバだけを有することができる。更に、ピボット回転中に、マウスピースカバーは、カプセルを前方にかつ個々にカプセルチャンバの中に移動することができる。
【0009】
WO 2011/039307 A2は、カプセルからの粉体形態の医薬調剤の吸入のための吸入器を開示しており、吸入器は、隣接する投薬チャネルを有するカプセルチャンバを形成する交換可能チューブを有し、カプセルは、カプセルチャンバ内に事前に挿入されている。交換可能チューブは、それぞれのカプセルを穿刺するためのニードルに対する開口部を有し、開口部は、膜によって自動的に閉鎖することができる。
【0010】
US 2010/0294278 A1は、回転可能ブリスターパックを有する粉体吸入器を開示している。各場合に粉体医薬品の投与量を含有するブリスターが、ブリスターパックに半径方向に配置される。ブリスターパックは、レバーの起動に対して回転させることができる。ブリスターは、ブリスターが開封され、次に医薬品を患者によって吸入することができる放出位置の中に半径方向に個々に移動することができる。
【0011】
本発明の意味でのカプセルチャンバは、好ましくは、それぞれのカプセルが、空にするために特に前後に移動可能であるか、又は別の方式で移動することができるか、又は振動又は揺動させることができる特に細長又は円筒形チャンバを有する少なくとも実質的に剛性又は強固な及び/又は細長の容器又はカプセルハウジングである。特に、カプセルチャンバは、カプセルを運動又は振動状態に設定するために及び/又は製剤をカプセルから放出するために空気がチャンバを通って流れることができるように、好ましくは両端に入口と出口を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP 0 147 755 A2
【特許文献2】WO 2005/049121 A1
【特許文献3】WO 2007/118648 A1
【特許文献4】WO 2011/039307 A2
【特許文献5】US 2010/0294278 A1
【特許文献6】WO 00/07572 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、簡単な取り扱い及び/又は単純又は小型設計を可能にする吸入器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的は、請求項1又は請求項5に記載の吸入器によって達成される。有利な展開は、従属請求項の主題である。
【0015】
本発明の一態様により、吸入器のマウスピースに関連付けられたカバーは、半径方向移動可能及び同じくピボット回転可能の両方であり、従って、カバーのピボット回転により、マガジンは、1つのカプセルから次のカプセルまで搬送又は回転され、カバーの半径方向移動により、カプセルは、半径方向に放出位置の中に移動され、又は運ばれ、特に押し込まれる。これは、吸入器にいくつかのプセルが受け入れられる場合であっても、小型構成による非常に簡単な取り扱いを可能にする。
【0016】
特に、カバーの異なる移動により、異なる機構をこうしてトリガすることができる。好ましくは、カバーの一方向及び/又は両方向のピボット回転により、マガジンは、搬送され、更に移動され、又は回転させることができる。カプセル又はカプセルチャンバは、好ましくはカバーの外向きの半径方向移動又は引き込みによって放出位置の中に移動することができる。特に、カバーの反対の移動又は閉鎖移動により、使用済みカプセル又はカプセルチャンバは、ストレージ位置又は開始位置の中に好ましくは自動的に又はバネ力によって移動される又は再度押し戻すことができる。
【0017】
本発明の関連では、用語「半径の」、「半径方向移動」、又は「半径方向」は、特に少なくとも実質的に円形、プレート形状、及び/又はディスク形状である構成要素、特に好ましくは吸入器のハウジング又はマガジンの半径又は直径に沿った内側から外側又はその逆の方向又は方向の移動を意味すると好ましくは理解される。カバーの半径方向移動又は半径方向シフトは、半径又は直径に沿った又は内側から外側又はその逆への吸入器のハウジング、マガジン、及び/又はマウスピースに対するカバーの相対移動として好ましくは理解しなければならない。
【0018】
吸入器のマウスピースは、好ましくは、吸入器の半径方向縁部領域又は外部に配置される。特に、カプセルを有するマガジンは、好ましくは、カプセルがマガジンからマウスピースに向けて、又は内側から外側へ、及び/又は外側から内側へ、又はマガジンまで半径方向移動によって移動されるように、マウスピースよりも半径方向に更に内側に配置される。
【0019】
特に、内側から外側へ又は吸入器の中心からマウスピースへのカバーの半径方向移動により、カプセルは、マガジンから、又は半径方向に、又は内側から外側へ、又はマウスピースの方向に移動される。
【0020】
特に、外側から内側へ又はマウスピースから吸入器の中心へのカバーの半径方向移動により、使用済みカプセルは、半径方向に、又は外側から内側へ、又は吸入器の中心の方向に、又はマガジンまで(戻って)移動される。
【0021】
用語「ピボット回転」又は「ピボット回転移動」は、好ましくは、円形経路上の移動を意味すると理解しなければならない。特に、カバー又はそのアームは、特にカバー又はその外側端がピボット回転可能であるように、好ましくは吸入器の中心でハウジングにピボット回転可能に接続されるか又はその上又はその中に装着される。特に、カバーのピボット回転により、マウスピースは、必要に応じて開放されるか又は覆うことができる。
【0022】
カバーは、好ましくは、半径方向移動可能及び同じくピボット回転可能の両方であり、カバーは、次に、外向き半径方向移動によってピボット回転可能であり、及び/又は次に、内向き半径方向移動によってその回転位置に回転的に固定される又は締め付けられる。特に、カバーは、同時に半径方向移動可能及びピボット回転可能ではなく、又はピボット回転移動に対して、先行する外向き半径方向移動が必要である。
【0023】
独立に実施することもできる本発明の更に別の態様により、カプセルチャンバは、好ましくは、マガジンに半径方向移動可能に受け入れられ、かつ個々に半径方向に放出位置の中に移動することができる。これは、特に、吸入器又はそのマガジンが、各場合に一度しか使用されない複数のカプセル及びカプセルチャンバを保持する時に、ここでもまた単純で小型の構造に寄与する。
【0024】
特に好ましくは、カプセルチャンバ毎に1つのカプセルだけが与えられる。これは、特に粘性又は容易に凝塊する粉体が使用される時に有利である。
【0025】
しかし、原理的には、カプセルチャンバは、更に、複数のカプセルに又は何回も使用することもできる。それによって吸入器又はマガジンに受け入れることができるカプセルの個数を増大することが可能になる。
【0026】
一実施形態により、好ましくは、カプセルは、関連のカプセルチャンバなしでマガジンから共通のカプセルチャンバ又は放出位置の中に移動される。それによって全体サイズが同じに留まりながらマガジン又は吸入器の特に小型の構造及び/又は特に多数のカプセルの受け入れが可能になる。
【0027】
これに代えて、カプセルは、好ましくは、その関連のカプセルチャンバと共にマガジンから半径方向に移動される。これは、カプセルチャンバ内のカプセルがマガジン内で仮に直接に開封又は穿刺された場合よりも多い空間を放出位置又はカプセルチャンバ内のそれぞれのカプセルの開封又は穿刺に対して可能にする。これは、マガジンでの複数のカプセル及びカプセルチャンバの可能な最も小型の配置を容易にする。従って、吸入器の及びマガジンの小型構造が全体的に可能である。
【0028】
上述の態様、並びに更なる説明から明らかになる本発明の態様は、互いに独立に実施されるが、あらゆる組合せでも実施することができる。
【0029】
本発明の個々の態様、特徴、特性、及び利点は、特許請求の範囲及び図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】提案する吸入器の機能原理の概略断面図である。
図2】カバーが閉鎖された状態にある第1の実施形態による提案する吸入器の斜視図である。
図3】カバーが半径方向に引き出された状態にある図2に記載の吸入器の斜視図である。
図4】カバーが開封又はピボット回転された状態にある図2に記載の吸入器の斜視図である。
図5】カバーが閉鎖された状態にある図2に記載の吸入器の斜視図である。
図6図5に記載の図の拡大詳細図である。
図7】マガジンの支持体の斜視図である。
図8】カプセルチャンバの斜視図である。
図9】関連のカプセルチャンバを有する搬送デバイスのドライバのカプセルチャンバの半径方向移動に向けた斜視図である。
図10】吸入器のないカバーの斜視図である。
図11】カバーが半径方向に押し込まれた状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図12】カバーが半径方向に引き出された状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図13】カバーが僅かにピボット回転された状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図14】カバーが完全に開封された状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図15】カバーの初期閉鎖時のカバーとドライバの協働の概略図である。
図16】ドライバが再度半径方向に移動して戻された状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図17】カバーが閉鎖位置にピボット回転して戻されているが、まだ半径方向に押し込まれていない状態にあるカバーとドライバの協働の概略図である。
図18】マガジン上へのカバーの係合の概略図である。
図19】マガジン又は支持体上へのハウジングの突起の係合によるマガジンの戻り回転ロックの概略図である。
図20】代替ドライバの斜視図である。
図21】第2の実施形態による提案する吸入器を通る概略断面図である。
図22】関連のカプセルを有する図21に記載の吸入器のドライバの斜視図である。
図23】カバーが半径方向に部分的に引き出された状態にある図21に記載の吸入器を通る概略断面図である。
図24】カバーが半径方向に完全に引き出された状態にある図21に記載の吸入器を通る概略断面図である。
図25】カバーが閉鎖された状態にある第3の実施形態による提案する吸入器を通る概略断面図である。
図26】カプセルチャンバを有するマガジンの概略図である。
図27】カバーが半径方向に完全に引き出された状態にある図25に記載の吸入器を通る概略部分断面図である。
図28】関連のカプセルを有するドライバの概略図である。
図29】カバーとのドライバの結合の概略図である。
図30】関連の調節スライド及びドライバを有する2つの制御リングの概略図である。
図31】カバーの斜視図である。
図32】カバーが半径方向に完全にピボット回転して出された図25に記載の吸入器の概略図である。
図33】駆動デバイスの概略図である。
図34】マガジンの更に別の回転状態にある図33に記載の駆動デバイスの概略図である。
図35】対向する切欠き部及び制御面を有する制御リングの斜視図である。
図36】制御リングへの調節スライドの結合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面では、反復説明を省略している場合であっても同じか又は類似の部分に対して同じ参照記号を使用する。特に、同じか又は対応する利点及び特性も同じく明らかである。個々の図面は、表現又は簡略化の理由から正確な縮尺ではない場合もある。
【0032】
図1は、提案する吸入器1の基本構造又は基本的な機能原理を概略断面図内に示している。これに関する説明は、後に説明する全ての実施形態に特に相応にかつ追加的に適用される。
【0033】
好ましくは、吸入器1は、可搬であるように設計され、かつ特に単に機械的に作動する。
【0034】
吸入器1は、特に、好ましくは、粉体形態にある製剤2のカプセル3からの吸入のための放出又は霧化に寄与する。この場合に、製剤2は、カプセル3内に受け入れられる投与量で事前投与される。カプセル3は、必要に応じて様々な製剤2を含有することができる。
【0035】
製剤2は、特に冒頭に示した意味での製剤である。
【0036】
カプセル3は、特に冒頭に示した意味でのカプセルである。
【0037】
吸入器1は、好ましくは、少なくとも1つのカプセルチャンバ4を有し、特にカプセルチャンバ4は(関連の)カプセル3を保持するように設計される。特に好ましくは、吸入器1は、複数のカプセルチャンバ4、特に各カプセル3に対して1つのカプセルチャンバ4を有する。しかし、下記でより詳細に説明するように他のソリューションも可能である。
【0038】
この概略断面図には、カプセル3を吸入器1のカプセルチャンバ4の内側に示している。カプセル3はまだ閉鎖されており、すなわち、まだ開封されていない。
【0039】
カプセルチャンバ4は、特に冒頭に示した意味でのカプセルチャンバである。
【0040】
カプセル3は、好ましくは、細長のものである。しかし、原理的には、カプセル3は、あらゆる他の適切な形状を有することができ、例えば、球形とすることができる。
【0041】
原理的に、カプセル3は、あらゆる適切な材料から製造又は構成することができる。好ましくは、ゼラチンがカプセル材料として使用される。この場合に、ゼラチンは、ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは、PEG 3350、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、PEO−PPOブロックコポリマー、並びに他のポリアルコール及びポリエーテルから構成される群から選択される他の添加物との混合物に使用することができる。特に好ましくは、ゼラチンは、PEG、好ましくは、PEG 3350との混合物に使用される。ゼラチンカプセル3は、特に好ましくは、1%から10%(重量%)、好ましくは、3%から8%の比率でPEGを含む。特に好ましくは、ゼラチンカプセル3は4%から6%の比率でPEGを含み、約5%のPEG比率が最も好ましい。ゼラチン含有カプセル材料の場合に、好ましくは、カプセル3は、12%未満、特に好ましくは、≦10%のTews又はハロゲン乾燥剤含水量を有する。
【0042】
カプセル材料としてセルロース誘導体が使用される場合に、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースの使用が好ましい。この場合に、カプセル材料としてヒドロプロピルメチルセルロース(HPMC)が特に好ましく、特にHPMC2910が好適である。カプセル材料としてセルロース誘導体が使用される場合に、Tews又はハロゲン乾燥材含水量の度合いは、好ましくは、8%未満、特に好ましくは5%未満である。最も好ましくは、チオトロピウム含有吸入粉体を充填する前に、セルロース誘導体で作られた吸入カプセル3は、4%未満、特に好ましくは2%未満のTews又はハロゲン乾燥剤含水量まで乾燥させる。
【0043】
カプセル3の各々は、特にWO 00/07572 A2に開示するように、カプセル本体とカプセルキャップで構成することができる。従って、WO 00/07572 A2の全内容を本明細書に明示的に引用する。この二部構造では、カプセル材料として特にプラスチック材料が使用される。特に、カプセル本体とカプセルキャップは、同じ材料から構成される。これらは、定められた容積を有する安定した閉鎖空洞が形成されるように互いに接続される。この場合に、プラスチック材料、特にポリエチレンが特に好ましく使用される。カプセル3は、カプセルキャップをカプセル本体に強固に接続するラッチ要素を有することができる。
【0044】
カプセル3及び任意的にカプセルチャンバ4(複数のカプセルチャンバ4が存在する場合)は、好ましくは、吸入器1のマガジン5内に保持される。図1に記載の概略断面図には、マガジン5を概略的にしか示していない。
【0045】
マガジン5は、特に平坦、ディスク状、又は環状である。特に、マガジン5は中心平面又は主平面Eを有する。
【0046】
マガジン5は、任意的に、吸入器1(図示せず)内に挿入される及び/又は吸入器1内で交換することができる。
【0047】
カプセル3及び任意的にカプセルチャンバ4は、マガジン5内又は上で好ましくは少なくとも実質的に環状方式で、好ましくは少なくとも実質的に半径方向の向きに配置される又は受け入れられる。
【0048】
マガジン5は、この場合に、特に好ましくは、図1に記載の例に示すようにカプセル3を個々に放出位置Aに運び入れるために、特に、マガジン5を1つのカプセル3から次のカプセル3に移動する、搬送する、又は(更に)回転させることができるように、吸入器1内で平面Eに対して好ましくは垂直な回転軸Dの周りに移動可能又は回転可能である。
【0049】
上述のように、各カプセル3は、好ましくは、製剤2の1回の投与量を含む。マガジン5は複数のカプセル3及び対応する回数の投与量を含むので、吸入器1は、ユーザ又は患者に1週間、数週間、又は1ヶ月にわたってさえも製剤2、すなわち、医薬品などが供給されることを確実にすることができる。
【0050】
カプセル3は、好ましくは、吸入器1内で個々に開封することができる。開封するために、吸入器1は、カプセルチャンバ4、カプセル3、又は放出位置Aに関連付けられた開封デバイス6を有する。必要に応じて、各場合にカプセルチャンバ4又はカプセル3に関連付けられた複数の開封デバイス6を設けることができる。しかし、好ましくは、1つだけの共通開封デバイス6が設けられる。
【0051】
カプセル3の開封は、各場合に好ましくは穿刺によって行われる。この目的のために、好ましくは、開封デバイス6は、ニードル7のような少なくとも1つの穿刺要素を有し、この例には2つのニードル7を示している。
【0052】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、穿刺要素又はニードル7のための対応する穿刺開口部、この場合はニードル開口部8を有する。好ましくは、穿刺要素は、前方に移動されて穿刺開口部内に入り、それを閉鎖する。この位置は、カプセル3の開封後の吸入中に少なくとも広い範囲でカプセルチャンバ4の穿刺開口部を密封するために開封デバイス6によって取られる。しかし、特に内部及び/又は外部からの又は自発的又は自動的な穿刺開口部閉鎖又は閉鎖デバイスによる他のタイプの閉鎖又は密封も可能である。
【0053】
好ましくは、それぞれのカプセル3の横方向開封又は横方向穿刺が行われる。この目的のために、好ましくは、細長カプセル3は、主流れ方向又はカプセルチャンバ4の長手軸線に対して長手方向、又は横方向、及び/又は横断方向に穿刺され、それによって開封することができる。
【0054】
特に好ましくは、カプセル3は、開封中にその2つの端部の領域内で、及び/又は横方向に穿刺される。
【0055】
好ましくは、カプセル3の穿刺又は開封は、EP 0 147 755 A2に記載されているように行われ、この点に関して、この文献の全内容を本明細書に引用する。
【0056】
好ましくは、開封デバイス6は、特に手動で起動することができる起動要素9を有する。好ましくは、起動要素9の起動、押下、又は押入みによってそれぞれのカプセル3を穿刺することができる。
【0057】
図示の例では、穿刺要素又はニードル7は、好ましくは、起動要素9に強固に接続される。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0058】
好ましくは、開封デバイス6又は起動要素9は、少なくとも1つのバネ10のような復帰要素の力に対抗して起動することができる。復帰要素又はバネ10を使用することにより、起動要素9の起動又は解除後に、穿刺要素又はニードル7は、好ましくは、図1に示す後退開始位置に戻る。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0059】
吸入器1は、各々の中にカプセル3が受け入れられ、各場合に特に一度だけしか使用することができない複数のカプセルチャンバ4を有することができる。しかし、上述のように、吸入器1は、カプセル3が放出又は空にするために順次受け入れられる1つのカプセルチャンバ4だけを有することができる。従って、カプセルチャンバ4は、引き続き複数回使用される。
【0060】
カプセルチャンバ4は、必要に応じて1又は2以上の部品で形成される。この目的のために、カプセルチャンバ4は、様々な材料から及び/又は二成分射出モールド成形によって構成又は製造することができる。
【0061】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、カプセル3のためのカプセルチャンバ4の特に細長、円筒形、又は中心の移動領域又は受け入れ領域に特に軸線方向に又は端面上で隣接する入口11及び出口12を有する。
【0062】
特に好ましくは、カプセル3に対する止め具又は移動制限器を形成する環状肩部13などが好ましくは形成されるように、入口11は、カプセル3のための受け入れ領域に対して低減した直径を有する。
【0063】
好ましくは、出口12は、それに関連付けられた固定要素14を有し、これは、例えば、格子又はバー方式で形成され、及び/又は受け入れ領域又はカプセルチャンバ4から抜け出すカプセル3の移動を防止する。
【0064】
好ましくは、幾何学的条件は、EP 0 147 755 A2に記載の詳細に少なくとも実質的に対応し、この点に関して、この文献を追加の開示として本明細書に導入する。
【0065】
吸入又は放出中に、空気又は他のガスが入口11を通ってカプセルチャンバ4内に流れ込み、そこを又はその受け入れ領域を通って好ましくは反対の出口12から流れ出す。この空気ストリーム又はガスストリームは、吸入中の息の吸い込みにより、及び/又は吸入器1に関連付けられた圧力発生器、例えば、空気ポンプ又は圧縮ガスタンクなどによって生成することができる。
【0066】
カプセルチャンバ4を通るこの空気ストリームは、特にベルヌーイ効果に起因して、カプセルチャンバ4内のカプセル3が図1に記載の矢印Bに示すように特に軸線方向に前後に振動又は揺動するという効果を有する。この移動又は振動Bは、開封又は穿刺されたカプセル3から空気ストリーム中への製剤2の特に超微粒子形態での放出及び空気ストリーム中への製剤2の分散をもたらし又は促進し、それによって製剤2は、吸入器1の出口12及び特に好ましくは隣接マウスピース15を経てユーザ又は患者(図示せず)に放出される。
【0067】
図1には、空気ストリーム又は吸入器1によって分散された製剤2の主放出方向Hを対応する矢印に示している。当然ながら、この放出は、カバー18が開き、それぞれのカプセル3の開封された状態においてだけ可能である。
【0068】
製剤2の放出又は分散は、特にEP 0 147 755 A2に記載されているように発生し、この点に関して、この文献を追加の開示として本明細書に導入する。しかし、原理的には、製剤2は、あらゆる他の適切な方式で、例えば、カプセル3の長手軸線に対して横断方向のカプセル3の回転などによってカプセル3から放出することができる。
【0069】
このように吸入器1は、好ましくは、空気ストリーム又はガスストリーム中に分散される製剤2を放出されるためにマウスピース15又はいずれかの他のデバイスを有する。
【0070】
図示の例では、マウスピース15、特にその接続部分16は、カプセルチャンバ4又は出口12に隣接する。
【0071】
要件及び設計に基づいて、固定要素14は、マガジン5又はカプセルチャンバ4に関連付けられる及び/又はこれらの上に配置することができるが、必要に応じて吸入器1、マウスピース15、又は接続部分16によって形成又は保持することができる。
【0072】
吸入器1は、好ましくは、ハウジング17を有する。ハウジング17は外部ハウジングである。
【0073】
好ましくは、マウスピース15は、ハウジング17上に特に静止方式又は切り離し不能方式で形成又は配置される。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0074】
吸入器1又はハウジング17は、好ましくは、少なくとも実質的にディスク形方式及び/又は平坦方式で形成される。
【0075】
マウスピース15は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17上で周りに配置される。
【0076】
吸入器1のマウスピース15又は主放出方向H又は吸入中のカプセル3の移動は、好ましくは、マガジン5の回転軸Dに対して少なくとも実質的に半径方向に延びる。
【0077】
好ましくは、吸入器1は、マウスピース15の選択的な開封及び閉鎖に向けてマウスピース15に関連付けられたカバー18を有する。
【0078】
カバー18が開封された状態では、マウスピース15は吸入に向けて開放状態にある。図1に示すようにカバー18が閉鎖された状態では、マウスピース15は、好ましくは覆われている。従って、吸入は可能ではない。
【0079】
閉鎖位置では、この状態にあるカプセル3のユーザによる(望ましくない)開封を阻止又は防止するために、任意的にカバー18は、図1に示すように開封デバイス6又は起動要素9も覆う又はいずれかの手法でロックすることができる。
【0080】
カバー18は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17上にピボット回転可能又は回転可能(例えば、回転軸Dと同軸のピボット軸又は回転軸Dと平行である例えばハウジング17上でその外部に位置するピボット軸の周りに)に保持又は装着される。これに代えて又はこれに加えて、カバー18は、以下により詳しく説明するように、好ましくは、直線的又は半径方向にも移動可能である。
【0081】
好ましくは、カバー18は、ハウジング17に能動係合及び/又は非能動係合によって特に不可分に接続されるか、又は例えばラッチによってハウジング17上又は内に装着される。
【0082】
カプセル3を空にした後又はカプセル3からの製剤2の吸入後に、次のカプセル3が開始位置Aにもたらされるか又は移動される。この段階は、特にマガジン5の更に別の移動又は回転によって行われる。
【0083】
複数又は全てのカプセル3に対して1つのカプセルチャンバ4しか設けられない場合に、空にされたカプセル3は、最初に、例えば、入口側でのカプセルチャンバ4の開封によってカプセルチャンバ4から移動して出される。次に、次のカプセル3をカプセルチャンバ4内に移動するか又は導入することができ、カプセルチャンバ4を再度閉鎖することができる。その後にこの新しいカプセル3は、特に次の吸入の直前に初めて開封又は穿刺される。
【0084】
それに対して、各カプセル3が個別のカプセルチャンバ4内に受け入れられる場合に、カプセルチャンバ4の開封及び閉鎖の必要はなく、すなわち、カプセルチャンバ4をカプセル3と共に各場合に個々に放出位置Aに運び入れるか又は移動することしか必要ではない。
【0085】
使用に向けて、ユーザ又は患者(図示せず)は、吸入器1又はカバー18を開封する。こうしてマウスピース15が開放される。次に、開封デバイス6が起動され、すなわち、放出位置Aに位置するカプセル3が穿刺される。
【0086】
放出位置Aは、特にマウスピース15に近いカプセル3又はカプセルチャンバ4の位置又はカプセル3の接続部分16を定める。
【0087】
放出位置Aでは、カプセル3又はそのカプセルチャンバ4は、特に接続部分16又はマウスピース15の延長線上に位置し、及び/又はカプセル3又はそのカプセルチャンバ4の長手軸線が、主放出方向H及び/又は特にマガジン5の回転軸Dに関する半径方向に位置合わせする及び/又はその延長線上にある。
【0088】
吸入は、カプセル3の開封又は穿刺の後に行うことができる。その後に、吸入器1は再度閉鎖される。次に、その後のカプセル3又はカプセルチャンバ4は、特に次のカプセル3又はカプセルチャンバ4へのマガジン5の更に別の移動又は更に別の回転によって放出位置Aに更に移動される。
【0089】
下記では、提案する吸入器1及びマガジン5の様々な実施形態をより詳細に記載し、上述の陳述及び説明は、反復説明を省略している場合であっても、特に相応に又は追加的に適用される。
【0090】
図2から図4は、様々な状態にある提案する吸入器1の第1の実施形態の斜視図を示している。
【0091】
図2では、吸入器1又はそのカバー18は閉鎖されている。この位置は開始位置又は閉鎖位置である。
【0092】
図3では、カバー18は半径方向に持ち上げられているか又は引っ張り出されている。この半径方向移動Rは、カバー18の開封移動の第1部を形成する。特に、図2に示す閉鎖状態から始めて、最初に、図3に示すように、カバー18がマウスピース15から半径方向に引っ張り出された又は更に引き離された位置へのカバー18の半径方向移動だけが可能である。下記では、この位置を略記形態でカバー18の「第1の開封位置」とも表している。
【0093】
半径方向移動Rは特に主放出方向Hに延び、従って、一般的に半径方向移動Rの代わりに主放出方向Hの移動も同じことを意味することができる。
【0094】
第1の開封位置から始めて、マウスピース15を開放するために、すなわち、それを開封するために、又は吸入器1を完全に開封するためにカバー18はピボット回転される。下記では、この位置を略記形態でカバー18の「第2の開封位置」とも表している。
【0095】
図4はこの位置を示している。図4には、第1の開封位置から第2の開封位置へのピボット回転移動Sを矢印に示している。
【0096】
第2の開封位置で、マウスピース15は(完全に)開放される。更に、第2の開封位置では、カバー18は、開封デバイス6又はその起動要素9を解除し、すなわち、もはやこれらを覆わず、従って、この時点で手動起動が可能である。
【0097】
ピボット回転移動Sは、開封移動の第2部を構成する。
【0098】
開封移動の異なる部は、好ましくは、様々な目的又は機能に寄与する。
【0099】
特に、開封移動の半径方向移動R又は第1部は、特に、カプセル3及び任意的に関連のカプセルチャンバ4をマガジン5から放出位置Aに半径方向に移動するか又は搬送するように機能する。
【0100】
第1の実施形態では、放出位置Aは、特にマウスピース15又は接続部分16内に、及び/又は好ましくはマガジン5の半径方向外側に位置する。
【0101】
特に第2の位置又は完全に開封された開封位置(図4)から中間位置又は第1の開封位置(図3)へのピボット回転移動Sは、好ましくは、マガジン5の更に別の搬送、更に別の回転、又は更に別の循環に寄与する。
【0102】
図5は、吸入器1の主平面E内の吸入器1の概略断面図にマガジン5及び吸入器1の好ましい構造を示している。吸入器1は、その開始位置に配置される。
【0103】
吸入器1は、好ましくは、カプセルチャンバ4を用いてカプセル3を個々に受け入れるための受け入れチャンバ19を有する。この受け入れチャンバ19は、特にマウスピース15又はその接続部分16によって形成される及び/又は放出位置Aを定める。
【0104】
図5に記載の図では、受け入れチャンバ19は空であり、従って、放出位置Aは(まだ)占有されていない。カバー18又は吸入器1は、閉鎖位置又は開始位置に配置される。
【0105】
カプセルチャンバ4は、各場合にその中に位置するそれぞれのカプセル3と共にマガジン5から半径方向に受け入れチャンバ19内又は放出位置Aに個々に移動するか又は搬送することができる。それぞれのカプセル3の開封及び開封されたカプセル3からの製剤2の放出の後に、カプセルチャンバ4はマガジン5内に移動して戻されるか又は後退する。
【0106】
特に、マガジン5から放出位置Aへ及び/又はその逆へのカプセルチャンバ4の半径方向移動に向けて、吸入器1は、好ましくは、搬送デバイス20を有する。この搬送デバイス20は、好ましくは、マガジン5の少なくとも実質的に内側又はマガジン5及び/又は吸入器1の中心に配置される。
【0107】
図6は、隣接受け入れチャンバ19を有する提案するマガジン5の第1の実施形態を図5に記載の吸入器の拡大詳細図に示している。
【0108】
カプセルチャンバ4は、半径方向に移動可能又は取り外し可能であるようにマガジン5内に受け入れられる。この目的のために、マガジン5は、好ましくは、図5から図7に示す支持体21を有し、特に、支持体21はカプセルチャンバ4を所要方式で、特に締め付け及び/又はロッキングによって保持する。この目的のために、支持体21は、特に図6及び図7に示すように、好ましくは、対応する保持アーム又は保持部分22を有する。
【0109】
カプセルチャンバ4は、マガジン5内で好ましくは異なる平面に、特に2つの平面E1及びE2内に受け入れられる。2つのカプセルチャンバ平面E1とE2は、互いに軸線方向(マガジン5の回転軸Dに関する)に分離されるか、又はマガジン5の主平面Eの両側でオフセットされた状態で配置される及び/又は対称に配置される。カプセルチャンバ平面E1及びE2を図21に示しており、これらに対しては後でより詳細に考察する。
【0110】
2つの平面E1及びE2内のカプセルチャンバ4の2つの環状配置は、平面E1及びE2の一方のカプセルチャンバ4が他方の平面E1又はE2のカプセルチャンバ4の間に常に位置するように好ましくは周方向に互いに対してオフセット又は回転された状態にある。特に、カプセルチャンバ4の2つの環状配置又は2つの平面E1とE2は、互いに軸線方向に幾分近めに移動された状態にある。従って、マガジン5の特に小型の構成が可能であり、又は特に多数のカプセルチャンバ4をマガジン5に配置することができる。
【0111】
マウスピース15、接続部分16、受け入れチャンバ19、その長手軸線、又は放出位置Aは、特に、平面E1及び/又はE2のカプセル3又はカプセルチャンバ4が、マガジン5から受け入れチャンバ19内に斜方に案内されるように、好ましくは、2つの平面E1又はE2の間に配置される及び/又は平面E1及び/又は平面E2に対してオフセット配置される。
【0112】
吸入器1、特にマウスピース15、接続部分16、又は受け入れチャンバ19は、好ましくは、少なくとも1つの引き込み面取り部19Aを有するか又はそのような面取り部を形成し、好ましくは、平面E1及び/又はE2のカプセル3、カプセルチャンバ4をマガジン5から受け入れチャンバ19内に、又は平面E1又はE2から放出位置Aに好ましくは平面E1及び/又はE2に対してオフセットされた状態で引き込み面取り部19Aによって運び入れるか又は移動して入ることができ、及び/又は受け入れチャンバ19内への導入中に中心に位置付けることができる。
【0113】
特に好ましくは、受け入れチャンバ19は、特に受け入れチャンバ19内への導入中にカプセル3又はカプセルチャンバ4が自動的に中心に置かれるように、又は好ましくは平面E1及び/又はE2に対してオフセットされた状態で放出位置Aを取るように、内側から外側に又はマウスピース15に向けて好ましくは引き込み面取り部19Aによって先細である。
【0114】
特に、平面E1、並びに平面E2の両方のカプセル3又はカプセルチャンバ4は、同じ放出位置Aに好ましくは引き込み面取り部19Aによって運び入れるか又は移動して入ることができる。
【0115】
平面E1、並びに平面E2の両方のカプセル3又はカプセルチャンバ4又は全てのカプセル3又はカプセルチャンバ4が、好ましくは、引き込み面取り部によって放出位置Aへ位置合わせして又は斜方にもたらされる。しかし、この場合に、特に平面E1、E2の一方のカプセル3又はカプセルチャンバ4だけを受け入れチャンバ19内に斜方に導入しなければならない、又は受け入れチャンバ19、その長手軸線、又は放出位置Aが平面E1、E2の一方に位置するという他のソリューションも可能である。
【0116】
図示の例では、マガジン5は、好ましくは、各平面E1又はE2内に15個のカプセルチャンバ4、従って、同じく15個のカプセル3を有し、従って、合計で30個のカプセルチャンバ4及びカプセル3を有する。
【0117】
図8は、好ましい実施形態でのカプセルチャンバ4の斜視図である。横方向ニードル開口部8に加えて、好ましくは、カプセルチャンバ4は、その中に配置されたカプセル3を外への落下に対して固定するための固定要素14を含む。
【0118】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、マガジン5、及び/又は放出位置A又は受け入れチャンバ19内でカプセルチャンバ4の回転位置を固定するためのガイド23を含む。ガイド23は、カプセルチャンバ4の長手方向変位又は半径方向移動を許すが、ニードル開口部8の所要の回転位置、従って、それぞれのカプセル3を開封するためのニードル開口部8でのニードル7の確実な定められた係合を確実にするために、少なくとも放出位置A内で定められた回転位置が取られる。しかし、原理的には、定められたニードル開口部8が存在することなくニードル7がカプセルチャンバ4を穿刺することも可能であり、この場合にニードル7はカプセルチャンバ4をいずれかの場所で開口する。この場合に、カプセルチャンバ4は、その回転位置で定められないとすることができ、例えば、完全に回転対称とすることができ、ガイド23を省くことができる。
【0119】
図示の例では、特に、ガイド23は、好ましくは、カプセルチャンバ4の長手軸線又はカプセルチャンバ4の移動の半径方向に沿って延びる、それに対して横方向又は横断方向に突出する、又はカプセルチャンバ4上で外部から切除される、及び/又は例えばリブ状又は溝状方式で形成されるカプセルチャンバ4上の少なくとも1つの対応する部分によって形成される。この場合に、ガイド23に対する係合又はカプセルチャンバ4上に配置された上記部分の係合に関する好ましくは少なくとも実質的に相補的な可能性が、マガジン5又は支持体21内又は受け入れチャンバ19内に与えられる。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0120】
従って、カプセルチャンバ4は、定められた回転位置で放出位置A内に及び/又は半径方向に移動することができる。
【0121】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、搬送デバイス20が係合することができる係合部分24を有する。係合部分24は、好ましくは、取っ手及び/又はキノコ状に成形される。
【0122】
係合部分24は、各カプセルチャンバ4上及び/又は入口11の領域内に外部的に形成される。
【0123】
好ましくは、係合部分24は、カプセルチャンバ4の長手方向の広がり又は主軸に対して横断方向に、マガジン5内で周方向又は軸線方向に、及び/又は半径方向移動Rに対して横断方向又は直角に延びる。
【0124】
搬送デバイス20は、図5に示すように、好ましくは、ドライバ25及び/又は復帰バネ26を有する。
【0125】
図9は、ドライバ25及び関連のカプセルチャンバ4の斜視図であり、特に、カプセルチャンバ4を半径方向に移動することができるようにドライバ25がカプセルチャンバ4又はその係合部分24上に係合要素27によってどのように係合するかの図である。
【0126】
係合要素27は、特にアーム状に形成され、及び/又はそれぞれのカプセルチャンバ4の係合部分24を受け入れるか又はそれに係合するための切欠き部28を有するように形成される。
【0127】
図示の例では、マガジン5の更に別の回転中に、好ましくは、半径方向、すなわち、搬送デバイス20の搬送方向、又はドライバ25の半径方向移動の方向に能動係合を達成することができるようにそれぞれのカプセルチャンバ4がその係合部分24によって切欠き部28内に入り込むことができるように、切欠き部28は、特に好ましくは周方向又はマガジン5の回転方向に開く。
【0128】
好ましくは、ドライバ25又は係合要素27は両側に切欠き部28を有し、それによって異なる平面E1及びE2からの交互のカプセルチャンバ4が、一方及び他方の切欠き部28内に交互に係合することができる。
【0129】
特に異なる平面E1、E2内のカプセルチャンバ4と交互に係合することができるように、ドライバ25は、好ましくは、その係合要素27によって2つの平面E1及びE2内のカプセルチャンバ4の2つの環状配置の間でマガジン5の主平面E内を延びる。
【0130】
好ましくは、ドライバ25は、特に回転軸Dと平行に、又は主平面E、半径方向移動R、及び/又は係合要素27に対して横断方向又は直角に延びる係合要素29を有する。係合要素29は、好ましくは、ドライバ25から反対方向に突出する。
【0131】
係合要素29は、好ましくは、アーム、バー、又はボルト状に形成される。
【0132】
好ましくは、ドライバ25は、復帰バネ26、この場合は図5に示すように特に2つの復帰バネ26を受け入れる又は支持するために少なくとも1つのバネ台座30、図示の例では2つのバネ台座30を有する。
【0133】
復帰バネ26は、その他端によって好ましくはハウジング17の軸受セグメント31に当接する。好ましくは、復帰バネ26及び軸受セグメント31は、マガジン5によって形成された環状配置の内側又はマガジン5の内側、及び/又は少なくとも実質的に主平面Eに配置される。
【0134】
復帰バネ26は、ドライバ25を図5に示す開始位置に押圧するか又は移動する、すなわち、ドライバ25をその半径方向後退位置に移動する。
【0135】
ドライバ25は、吸入器1内で長手方向、半径方向、又は主放出方向Hに変位可能であり、又はハウジング17によって変位可能又は移動可能に案内される。
【0136】
図示の例では、ドライバ25は、その係合要素29により、図11に示すようにハウジング17内のガイドスロット32を通過し、特に好ましくは、反対方向に突出するドライバ25の係合要素29の端部によってマガジン5又はハウジング17の対向する平坦な側面上にある対応するガイドスロット32を通過する。
【0137】
ドライバ25又はその係合要素27も、好ましくは、2つの軸受セグメント31及びハウジング17の他の案内部分などの間で変位可能に案内することができる。
【0138】
図10は、カバー18の斜視図である。カバー18は、吸入器1又はハウジング17を好ましくは少なくとも実質的にU字形状で取り囲む。
【0139】
好ましくは、ハウジング17の両方の平坦な側面上を延びるカバー18のアーム33は、好ましくは、平坦及び/又は側面状のものであり、閉鎖位置では図11に示すように中心軸又は回転軸Dを超えて、特に好ましくは、マウスピース15の反対にある周囲面の実質的に近くまで又はハウジング17の端部の近くまで延びる。
【0140】
特に、カバー18又は好ましくは各アーム33は、半径方向移動R、搬送デバイス20、又はドライバ25を制御するための制御デバイス又は制御ゲート34、及び/又は制御要素35を有する(好ましくは、内側に)。
【0141】
好ましくは、係合要素29を下記でより詳細に説明するように所要の方式で案内するために、制御要素35は、カバー18内、特に制御ゲート34内に移動可能又は変位可能に装着される。
【0142】
図示の例では、2つのアーム33は、好ましくは対称であり、又はドライバ25の両側案内及び制御が行われる。
【0143】
同じく好ましくは、カバー18、又はアーム33のうちの少なくとも一方又は各アーム33は、図10又は図18に示すように、マガジン5を駆動するか又は回転させるための特にアーム状の駆動要素36を有する。少なくとも1つの駆動要素36は、特にアームの方式で、及び/又は内向きに突出し、特に図11に示すように、ハウジング17内に形成された(ガイドスロット32の近くに)関連の案内ゲート37を通過する。
【0144】
以下では、最初に、カバー18の移動による半径方向移動Rの好ましい制御を図11から図17を用いてより詳細に説明する。これらの図面は、カバー18の様々な位置での機能の例示に向けて吸入器1を非常に概略的な部分的に透かした図に示している。
【0145】
図11は、開始位置を示している。カバー18は、閉鎖状態で位置付けられ、すなわち、半径方向に押し込まれた状態にあり、マウスピース15を閉鎖している。
【0146】
好ましくは、制御ゲート34は、好ましくは、先端が互いに相対する2つの扇形部分34A及び34Bを有し、特に、扇形部分34、34Bは、各場合に係合要素29に対するゲートを個々に形成する。
【0147】
扇形部分34A又はそのゲートは、扇形部分34B又はそのゲートよりも更に内側に位置する、及び/又は扇形部分34Aのゲート軌道は、扇形部分34Bのゲート軌道よりも長い。
【0148】
好ましくは、制御ゲート34又は扇形部分34Bは、制御ゲート34に対して周方向に移動可能な制御要素35によって好ましくは部分的に範囲が定められ、内向きに開封することができる周方向に延びる環状溝部分34Cを形成する。
【0149】
開始位置では、係合要素29は、好ましくは、環状溝部分34C又はそれによって形成される円形経路の始点に位置付けられ、好ましくは、扇形部分34Bの先端の方向又は半径方向のカバー18に対する係合要素29の移動は、特にカバー18内に形成された好ましくはランプ状の保持取っ手34Dに起因して可能ではない。
【0150】
カバー18が半径方向に引き出される時に、すなわち、開封移動の第1部中又は半径方向移動R中に、係合要素29及びドライバ25は、保持取っ手34D又は制御ゲート34によって連行され、半径方向にマウスピース15の方向又は主放出方向Hに移動される。この場合に、係合要素29はガイドスロット32に沿って変位される。図12は、そうしてもたらされる第1の開封位置を示している。
【0151】
上述の結果、カバー18の半径方向移動Rは、好ましくは、搬送デバイス20又はドライバ25の半径方向移動Rをもたらし、従って、放出位置A又は受け入れチャンバ19内への関連のカプセルチャンバ4(すなわち、搬送デバイス20又はドライバ25と現在係合しているカプセルチャンバ4)の所要の半径方向移動R又は搬送をもたらす。
【0152】
好ましくは、搬送デバイス20、ドライバ25、又は係合要素27は、特に吸入が行われるまで、又は吸入器1又はそのカバー18が再度閉鎖されるまで、それぞれのカプセルチャンバ4を放出位置Aに保持又は固定する。好ましくは、復帰移動は、下記でより詳細に考察する復帰バネ26によって発生する。
【0153】
第1の開封位置に到達した後に、カバー18はピボット回転され、すなわち、ピボット回転移動Sが実施される。
【0154】
図13は、第1の開封位置と完全に開封された第2の開封位置の間の中間位置を示している。係合要素29は、今度は環状溝部分34C又は円形経路に沿って進行し、好ましくは、半径方向に内側の制限器、並びに開封移動又は円形経路の更に別の進路内の半径方向に内側の制御要素35が、搬送デバイス20又はドライバ25が半径方向に前進した位置に保持され、従って、関連のカプセルチャンバ4が同じく放出位置Aに保持されること、又は環状溝部分34Cから扇形部分34A内への係合要素29の復帰移動が防止されることを確実にする。
【0155】
図14は、完全に開封されたカバー18を有する状態、すなわち、第2の開封位置に到達した時を示している。この時点で係合要素29は環状溝部分34Cの円形経路の終点に位置付けられ、更にそこで環状溝部分34Cの内側壁から内向きの半径方向帰還移動に対して保持される。
【0156】
環状溝部分34Cの内壁は部分的に断絶しているか又は遮断部34Eを有し、特に、遮断部34Eは、係合要素29又はその直径よりも幅広であることに注意しなければならない。遮断部34Eの中心角は、好ましくは、5°又は10°よりも大きく、及び/又は20°又は15°よりも大きい。
【0157】
開封作動中に、ピボット回転によるカバー18の開封中にドライバ25がその半径方向に前進した位置に継続的に保持されるように、この遮断部34Eは、制御要素35によって架橋される。カバー18の閉鎖作動又は戻りピボット回転中に、特に、遮断部34Eが解除されるか、又は下記でより詳細に説明するように、バネ力によって又は自動的に係合要素29が好ましくは下向き又は半径方向に内向きに扇形部分34A内に移動されるように、制御要素35は、ドライバ25又は係合要素29によって保持取っ手34Dの方向に押圧される。
【0158】
カバー18の開封位置では、開封デバイス6又はその起動要素9に自由にアクセス可能である。この時点で、放出位置に配置されたカプセル3の開封又は穿刺は、起動要素9の起動によって行うことができる。
【0159】
カプセル3の開封又は穿刺の後に吸入が行われる。
【0160】
その後に、吸入器1又はそのカバー18は再度閉鎖される。
【0161】
図15は、カバー18の初期閉鎖の直後の中間状態を示している。係合要素29は、遮断部34Eに到達したばかりである。この帰還移動又は閉鎖移動では、制御要素35は最初にカバー18によって連行されず、遮断部34Eが解除されるように、及び/又は係合要素29を半径方向に内向きに移動することができるように、周方向に延びる案内溝など内でカバー18又はそのアーム33に対して移動することができる。
【0162】
この時点で、ドライバ25は、復帰バネ26の力によって再度後退位置に移動して戻され、すなわち、半径方向に内向きに移動される。従って、係合要素29は、ガイドスロット32に沿って再度半径方向に内向きに移動される。この場合に、係合要素29は、扇形部分34B内に入り込み、その後にそれに続く扇形部分34A内に入り込む。
【0163】
図16は、次に、取られる位置を示している。
【0164】
ドライバ25の帰還は、マガジン5内へのカプセルチャンバ4の半径方向帰還移動又は戻り移動ももたらす。この場合に、好ましくは、この移動は、バネ力により、及び/又はカバー18の閉鎖又は戻りピボット回転中、特に初期閉鎖中に発生する。
【0165】
図17は、カバー18が第1の開封位置に再度完全にピボット回転して戻された時の状態を示している。ピボット回転中に、係合要素29は、扇形部分34A又はそのゲートの円周に沿って図17に示す位置に移動する。この時点でこの位置は、図11に示すように他方の扇形部分34B内の係合要素29の開始位置に対して半径方向に位置する。
【0166】
カバー18が半径方向に押し込まれると、すなわち、カバー18が完全に閉鎖されると(図11に示す位置に到達するために)、係合要素29は、ガイドスロット32内でその後に後退した半径方向位置に留まるが、制御ゲート34に対して、又は扇形部分34A及び34B内に入り込み、終了に向けて図11に示す開始位置に再度到達するまで、特に軸線方向に外向きに移動する(適用可能な場合はアーム33又はカバー18と共に)保持取っ手34Dを超えて進行する。
【0167】
この場合に、保持取っ手34D、刻み目、又はそれによって形成された止め具は、後にカバー18が半径方向に抜け出る時に、それに従ってドライバ25及び関連の(次の)カプセル3又はカプセルチャンバ4を放出位置Aに対して半径方向に又は放出位置Aに移動するために、係合要素29が半径方向に連行されるか又は一緒に移動され、すなわち、半径方向に外向きに引っ張られることを確実にする。
【0168】
好ましくは、カバー18が半径方向に押し出される時に、特に、カバー18又はその保持取っ手34Dとドライバ25又はその係合要素29の間の能動係合接続によって新しいカプセル3又はカプセルチャンバ4が結果として放出位置Aにもたらされるか又は放出に向けて供給される。こうして新しい起動サイクルが始まる。
【0169】
ドライバ25又は係合要素29は、好ましくは、カバー18、そのアーム33、又は対応する制御ゲート34の両方の側面上で各場合に上述のように案内及び移動される。
【0170】
下記では、マガジン5の更に別の移動又は更に別の回転又はマガジン5へのカバー18のピボット回転移動の結合をより詳細に説明する。
【0171】
1つのカプセル3又はカプセルチャンバ4から次のカプセル3又はカプセルチャンバ4に入れ替えるために、又は送出に向けて次のカプセル3又はカプセルチャンバ4を供給するために、マガジン5を好ましくは特にカバー18のピボット回転によって回転させるか又は駆動することができる。
【0172】
好ましくは、次のカプセルチャンバ4へのマガジン5の更に別の移動又は更に別の回転は、カバー18の閉鎖中の第1の開封位置に到達する直前、制御要素35の変位による遮断部34Eの解除の直後、及び/又はドライバ25の復帰移動の直後、又はマガジン5内への使用済みカプセル3又はカプセルチャンバ4の戻り移動の後に、特に閉鎖方向、特に好ましくは閉鎖中のピボット回転移動の終了に向う閉鎖移動又は閉鎖ピボット回転によって発生する。
【0173】
特に、最初の又は初期ピボット回転移動S中の閉鎖方向のカバー18のピボット回転移動Sは、遮断部34Eの解除、ドライバ25の復帰、又はマガジン5内への使用済みカプセル3又はカプセルチャンバ4の帰還をもたらし、その後に初めて、更に別のピボット回転時に又はピボット回転移動Sの終了に向けて次のカプセル3又はカプセルチャンバ4へのマガジン5の更に別の移動又は更に別の回転が発生する。このようにして好ましくは不断の及び/又は堅実なピボット回転移動Sにより、使用済みカプセル3又はカプセルチャンバ4の帰還と、更に、マガジン5の更に別の移動の両方を特に2つの移動シーケンスが重なることなく達成することができる。
【0174】
開放又は閉鎖中に、カバー18は、好ましくは、全体で60°よりも大きく、特に実質的に80°から90°又はそれよりも大きくピボット回転される。マガジン5の更に別の移動又は更に別の回転は、各場合に実質的に小さい角度でしか発生せず、図示の例では合計で30個のカプセルチャンバ4に対して各場合に12°でしか発生しない。従って、カバー18のピボット回転移動Sがマガジン5に部分的又は一時的にしか結合されないことが必要であり、かつ望ましい。その結果、更に、カバー18の初期ピボット回転移動Sは、閉鎖中に解除に向けて発生するか又は開始位置Aに位置するカプセルチャンバ4(空になったカプセル3を有する)のマガジン5内への(半径方向)帰還移動を達成するために発生させることができる。
【0175】
案内ゲート37は、好ましくは、ハウジング17内のスロット状開口部によって形成される。案内ゲート37は、図18に記載の詳細図に示すように、特に直線半径方向部分37Aと、それに周方向に隣接する湾曲部分37Bとを有する。
【0176】
吸入器1の2つの平坦な側面から始まって、各場合に駆動要素36(カバー18上に内部形成された)によってカバー18又はそのアーム33は、各場合に好ましくは、それぞれの関連の案内ゲート37に係合してマガジン5の所要の駆動に寄与し、駆動要素36は、適切な場合は所要の方式で、この場合に、特に12°の間隔でマガジン5を駆動することができるようにマガジン5上に両方の側面で交互に係合することができる。
【0177】
駆動要素36は、好ましくは、カバー18上に又はハウジング17に面する側面上に内部的に配置される。
【0178】
好ましくは、駆動要素36は、カバー18と一体的に形成される及び/又はカバー18上に形成される。駆動要素36は、好ましくは、それを能動係合及び/又は非能動係合によって駆動部分38に1つの移動方向にだけ接続することができるように、及び/又は駆動要素36と駆動部分38の間にラチェット状接続が形成されるように、好ましくは、少なくとも部分的に可撓性的に及び/又はアーム33に対して斜方に向けられるように設計される。
【0179】
案内ゲート37内のカバー18の駆動要素36の案内及び/又は制御ゲート34内への係合要素29の係合は、各場合に吸入器1又はハウジング17上でのカバー18に対する望ましい又は必要な支持に寄与することができる。しかし、支持体に対する他の構造ソリューションをこれに代えて又はこれに加えて使用することができる。
【0180】
図11から図13は、カバー18の開封中又は様々な状態での関連の案内ゲート37での駆動要素36の移動を示している。
【0181】
図18は、マガジン5を更に回転させるためのマガジン5上、特にマガジン5の駆動部分38上への駆動要素36の係合を示している。駆動部分38は、特に、閉鎖移動中、すなわち、湾曲部分37Bの一部に沿った移動中にマガジン5を回転させることができるために周方向に到着する駆動要素36が能動係合することができるように軸線方向に前後に伸縮する止め具である。
【0182】
駆動部分38は、好ましくは、部分円形のものである。しかし、他のソリューションも可能である。
【0183】
半径方向部分37Aに沿った半径方向に内向きの移動中、すなわち、カバー18の半径方向閉鎖中のその後の半径方向移動Rにより、駆動要素36は、駆動部分38又はそれによって形成された止め具から解除又は外される。
【0184】
カバー18の開封中に、駆動要素36は反対方向に移動される。駆動要素36は、好ましくは、進行を可能にするために駆動要素36又はカバー18及びそのアーム33、及び/又はそれぞれの駆動部分38が軸線方向に逸れるか又は飛び出すように、次の駆動部分38により、好ましくは、特にカプセルチャンバ4によって形成することができる軸線方向に傾いた屈曲平面又は摺動面によって遠ざけられる。
【0185】
カバー18の開封移動が非常に大きく、従って、駆動要素36がマガジン5上の更に別の駆動部分38の上を進行する場合に、更に別の駆動部分38との早まった係合が閉鎖移動中に発生しないように、駆動要素36は、好ましくは、案内ゲート37から軸線方向に持ち上げられるか又は外される。
【0186】
カバー18の閉鎖中、すなわち、ピボット回転中に、マガジン5を更に別の位置に循環させるために、すなわち、次のカプセル3及びカプセルチャンバ4(今度は、それぞれの他方の平面E1又はE2内の)にマガジン5を更に回転させるために、次に、駆動要素36による1つの通過する駆動部分38上への所要の係合が発生する。
【0187】
好ましくは、吸入器1は、望ましくない逆行に対してマガジン5を固定するために、及び/又は各場合に様々な回転位置(受け入れチャンバ19、マウスピース15、又は放出位置Aに対するカプセルチャンバ4の個々の向きに関して)でのマガジン5の定められた位置決めのためのデバイスを有する。この目的のために、図19に示すように、ここに示す例では、前方に延びるリブ40と後方に延びるリブ41とを有する切欠き部39が、好ましくは、マガジン5上又はその支持体21上に軸線方向及び周方向に形成され、所要の回転位置で各場合に1又は2以上の突起42が切欠き部39内に係合し、リブ40、41が、関連の突起42上への対応する当接によって更に別の回転及び/又は逆行を防止するように、及び/又はリブ40、41の非対称成形及び/又は変形性によって1つの方向の更に別の回転だけが可能になるように、ハウジング17上の好ましくはノブ状及び/又は軸線方向突起42と協働する。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0188】
搬送デバイス20又はドライバ25の代替実施形態を図20に記載の斜視図に示している。この場合に、ドライバ25は、カバー18によって適切な方式で駆動することができるギヤ44によって所要の方式で直線的又は半径方向に移動可能なラック歯車43のように構成されるか又はそれが設けられる。
【0189】
そのような実施形態において好ましくはギヤ44は、特にカバー18のピボット回転移動がギヤ44の回転又はドライバ25の半径方向移動をもたらすように、能動係合及び/又は非能動係合によってカバー18又はそのアーム33に接続又は結合される。
【0190】
特にそのような実施形態では、カバー18のピボット回転移動だけが与えられるか、又はカバー18のピボット回転移動は、好ましくは、カバー18及び/又はギヤ44の半径方向移動が省かれるように、ドライバ25の半径方向移動及び/又は直線移動に変換される。
【0191】
好ましくは、カバー18によるピボット回転移動中に、ギヤ44はカバー18によって部分毎にしか駆動されないか、又はギヤ44は、例えば、フリーホイールを有するクラッチ及び/又は自己解除クラッチを用いた能動係合及び/又は非能動係合によって部分毎に又は定められた角度範囲でカバー18に接続される。従って、カバー18とギヤ44の間の接続は、例えば、吸入器1を閉鎖するためのピボット回転移動Sによって解除することができ、ドライバ25は、バネ力によって半径方向に内向きに移動することができる。このようにして、第1の実施形態と同様に、好ましくは不断の及び/又は堅実なピボット回転移動Sにより、マガジン5に戻る使用済みカプセル3又はカプセルチャンバ4の帰還と、更にマガジン5の更に別の移動の両方を特に2つの移動シーケンスが重なることなく達成することができる。
【0192】
下記では、提案する吸入器1及び提案するマガジン5の更に別の実施形態を記載し、特に第1の実施形態に関する上述の陳述及び説明は、対応する反復陳述及び反復説明を省略している場合であっても、更に別の実施形態にも相応に又は追加的に適用される。従って、以下の陳述及び説明は、特に重要な新しい態様又は相違点に限ったものである。
【0193】
図21は、提案する吸入器1の第2の実施形態を主平面Eに対して垂直な断面図、すなわち、図5に記載の断面図に対して垂直な断面図に示している。
【0194】
第2の実施形態では、ドライバ25は、別様に、特に金属で作られた型打ち又は曲げ部品として構成される。
【0195】
図22は、未設置状態のドライバ25を関連付けられるがまだ係合していないカプセルチャンバ4と共に示している。
【0196】
カプセルチャンバ4をマガジン5から受け入れチャンバ19又は放出位置Aに個々に(少なくとも実質的に)半径方向に移し入れ、好ましくは、移動して戻すために、ドライバ25は、次に、ドライバ25に結合され、図21にしか示していない係合要素29を用いて吸入器1又はハウジング17内で半径方向に変位可能である。
【0197】
この場合のドライバ25は、軸線方向に分離され、軸線方向に内向き又は互いに対して曲げることができ、各場合に自由端の領域内に切欠き部28を有する2つの係合要素27を有する。
【0198】
図21及び図22は開始状態を示している。ここでは、搬送デバイス20又はドライバ25はまだ半径方向に後退した位置に配置されている。それぞれの係合要素27とそれぞれのカプセルチャンバ4とは互いにまだ係合状態にない。
【0199】
図23は、カバー18及びドライバ25の部分半径方向移動R中の中間状態を図21に対応する段階に示している。対応する係合要素27、この場合は右手の係合要素27がハウジング17又は別の構成要素によって軸線方向に内向きに偏向されており、それによってこのカプセルチャンバ4の係合部分24がこの係合要素27の切欠き部28内に係合するように関連のカプセル4との係合状態に入れられている。
【0200】
更に、図23では、カプセルチャンバ4が、マガジン5及びその平面E2から既に部分的に移動して出されており、主平面Eに対して僅かに傾斜されていることを見ることができる。この場合に、特に、マウスピース15、接続部分16、又は受け入れチャンバ19の内壁は、それぞれのカプセルチャンバ4をそれぞれの平面E1又はE2から主平面E内に案内し、最終的にその向きを平面E内、マウスピース15の延長線、又は主放出方向Hに必要に応じて定めるためのガイドとして機能する。
【0201】
図24は、第1の開封位置に到達した時に、すなわち、カバー18が半径方向に完全に引き出され、カプセルチャンバ4が放出位置Aに移動された状態の対応する終了状態を示している。この場合に、それぞれの駆動要素27は、特に受け入れチャンバ19でのカプセルチャンバ4の対応する案内、及び/又はガイド23及び/又は別の方式により、主平面Eに向けて更に軸線方向に移動されている。
【0202】
この時点で、カバー18を上方にピボット回転させることによって更に別の開封を行うことができる。
【0203】
吸入及び穿刺の後に、カバー18は再度閉鎖される。半径方向帰還移動中に、ドライバ25は、その開始位置、すなわち、その半径方向に後退した位置に移動して戻される。この場合に、関連の駆動要素27と係合状態にあるカプセルチャンバ4は、開始位置Aからマガジン5内に再度移動して戻されるか又は後退する。
【0204】
第2の実施形態では、マガジン5の更に別の回転は、好ましくは、開始位置に到達する直前、すなわち、カバー18の半径方向戻り移動中に発生し、ドライバ25又はその係合要素27は、マガジン5内に移動して戻されるカプセルチャンバ4から特に同じく係合要素27の対応する軸線方向の飛び出しによって直前に既に分離されている。次に、マガジン5の更に別の回転がバネ力によって発生し、解除は、カプセルチャンバ4の周りの更に別の回転に向けて開始位置に到達した時にしかトリガされない。バネ機構(それ程詳細には示していない)は、例えば、マガジン5を所要の方式で回転させるほど十分なパワーを有する時計バネ又は脚バネによって達成することができる。これに代えて、各場合にカバー18の開放及び/又は閉鎖中、特にカバー18のピボット回転中に新しく引張状態にされ、各場合にマガジン5の更に別の回転中に再度相応に弛緩するバネ機構を使用することができる。
【0205】
吸入器1の第2の実施形態では、マガジン5は、好ましくは、第1の実施形態に少なくとも実質的に対応するように構成されるが、特に各場合に関連のカプセルチャンバ4への係合要素27の外部適用を可能にし、他方の係合要素27を各場合に外部で他方の側面のそばを通過するように案内するためのドライバ25の異なる構成に対して適応される。更に、関連の係合要素27の切欠き部28内の係合によるこの係合要素27との所要の能動係合を可能にするために、係合部分24を有するカプセルチャンバ4を外向きに向けなければならない。この修正は、提案するマガジン5の第2の実施形態を構成する。
【0206】
下記では、提案する吸入器1の第3の実施形態、並びに提案するマガジン5の第3の実施形態を更に別の図面を参照してより詳細に説明する。
【0207】
図25は、初期状態にあり、すなわち、カバー18が閉鎖されている状態の吸入器1を図5に対応する概略断面図に示している。第3の実施形態では、カプセル3だけを、すなわち、カプセルチャンバ4なしでマガジン5から放出位置A、受け入れチャンバ19、又はカプセルチャンバ4内にそこで開封又は穿刺するために少なくとも実質的に半径方向に移動して入ることができる。従って、それぞれのカプセル3が移動された後に、共通のカプセルチャンバ4を閉鎖し、空にされたカプセル3の取り外しに向けて再度開封しなければならない。この閉鎖及び開封は、(それぞれの)ドライバ25を用いて行われる。
【0208】
図25では、例示の理由から、1つのカプセル3しかマガジン3内に示しておらず、すなわち、それ以外に支持体21は充填されていない。
【0209】
第3の実施形態によるマガジン5を図26に示している。このマガジン5はカプセルチャンバ4を含まないので、カプセル3を関連のカプセルチャンバ4によって受け入れる場合よりも小型にすることができ、又はより多くのカプセル3を保持することができる。図示の例では、マガジン5は、好ましくは、30個のカプセル3を環状配置又は平面に有する。好ましくは、マガジン5は、軸線方向にオフセットされた平面E1及びE2内にカプセル3の2つの環状配置を順に有する。合計で、マガジン5は、好ましくは、各環状配置又は平面E1、E2内に30個のカプセルを有し、すなわち、特に60個のカプセル3を有する。
【0210】
カプセル3の環状配置は、マガジン5の最初の2つの実施形態の場合と同様に、ここでもまた好ましくは周方向に互いに対してオフセット配置される。しかし、大量のカプセル3に起因して、次のカプセル3へのマガジン5の更に別の回転又は前方移動中に小さめの循環間隔又は循環角度がもたらされる。図示の例では、特に各循環又は各更に別の回転に対して、回転角は、第1及び第2の実施形態において必要な12°と比較して僅か6°である。しかし、これらの角度は、各場合に実際に供給されるカプセル3の個数、並びにマガジン5の円周にわたるこれらのカプセル3の分散に依存する。
【0211】
カプセル3は、好ましくは、マガジン5又はその支持体21内での締め付けによって保持される。
【0212】
図27は、図25と類似の概略断面図であるが、第1の開放状態にある、すなわち、カバー18が引き出された状態の概略断面図に吸入器1を示している。対応するカプセル3が、放出位置A又はカプセルチャンバ4に位置する。この場合に、マウスピース25又は接続部分16内に形成されるカプセルチャンバ4は、関連のドライバ25によって入口側で閉鎖されているが、好ましくは、ドライバ25は、空気がカプセルチャンバ4内に流れ込むことができるように入口11を有するか又はそれを形成する。
【0213】
図28は、ドライバ25の好ましい実施形態を関連のカプセル3と共に示している。特に、ドライバ25は、その係合要素27上にカプセルチャンバ4を閉鎖する及び/又は好ましくはベースにおいてその入口11を形成する適応された好ましくは環状のヘッド45を有する。
【0214】
好ましくは、ドライバ25、特にヘッド45は、入口11としての開口部又は孔を有する。しかし、ここでは他のソリューションも可能である。
【0215】
ヘッド45は、好ましくは、移動可能、傾いている、又は傾斜可能である。
【0216】
主平面Eに位置付けられたカプセル3をヘッド45によって定められた方式で、特に、ヘッド45内に形成された入口11の向きがカプセルチャンバ4の長手方向の延び又は主放出方向Hに対して直線で定められるように特に傾斜なく放出位置Aに押し込むことができるように、ドライバ25の係合要素27は、好ましくは、軸線方向(吸入器1に対して)又は横断方向に偏向させることができる。
【0217】
第3の実施形態では、好ましくは、吸入器1又はその搬送デバイス20は、互いに独立に移動可能な2つのドライバ25、又はこれに代えて、各場合に環状配置又は平面E1又はE2の一方から放出位置Aへ、又は共通カプセルチャンバ4内へのカプセル3の交互移動、及び特に再度マガジン5に戻るカプセル3の交互移動のための2つのドライバ25を有する。
【0218】
ドライバ25の交互駆動に向けて、好ましくは、搬送デバイス20は、調節スライド46の軸線方向位置に依存して選択的にドライバ25の一方との係合状態に入ることができる調節スライド46を有する。
【0219】
調節スライド46は、カバー18の一方の側面及び調節スライド46の半体に関する図29に示すように、好ましくは、カバー18又はそのアーム33に軸線方向に変位可能に結合される。従って、調節スライド46は2つのアーム33の間を延び、これらのアームの間で軸線方向及び/又は半径方向に変位可能に保持又は案内される。更に、調節スライド46は、ピボット回転移動Sに関する共同回転に向けて好ましくはカバー18又はそのアーム33に結合される。
【0220】
吸入器1又はその搬送デバイス20は、調節スライド46の軸線方向変位又は軸線方向位置の設定のための切り換えデバイスを有する。図示の例では、切り換えデバイスは、図30に調節スライド46及び関連のドライバ25と共に示す2つの制御リング47を有する。
【0221】
好ましくは、吸入器1又はそのハウジング17は、その2つの平坦な側面の各々の上に、図31に記載の斜視図に示すキャップ48を有する。キャップ48は、カバー18の関連のアーム33への調節スライド46の望ましい結合又は接続を容易にする移動スロット49を有する。
【0222】
キャップ48はハウジング17上に回転可能に配置され、共同回転に向けてカバー18又はそのアーム33に結合されるが、カバー18の半径方向可動性又は変位性は維持される。
【0223】
制御リング47は、各場合にキャップ48上に内部的に配置され、一方の方向のキャップによる回転で駆動される。制御リング47は、他方の方向に阻止され、すなわち、キャップ48に対してフリーホイールである。特にハウジング17上への対応する係合によってロッキングを実施することができる。
【0224】
制御リング47は、特に、好ましくは、図示の例においてそうであるように開放又は閉鎖中にカバー18が各場合に90°だけピボット回転される時に好ましくは90°の間隔で常時更に回転される。
【0225】
制御リング47は、好ましくは、90°だけオフセットして設置され、調節スライド46を軸線方向に所要の方式で一方の方向と他方の方向とに交互に変位又は移動するために、各場合に対応する場所に制御手段を有する。この制御手段に対しては、下記でより詳細に解説する。
【0226】
2つのドライバ25は、これらに関する図29に示すように、特に、マガジン5の内側で案内要素50によって半径方向R又は主放出方向Hに移動可能に案内される。
【0227】
好ましくは、各ドライバ25は、関連の復帰バネ26に対するバネ台座30を有し、復帰バネ26は、その他端において、それぞれのドライバ25を事前引張するために又はドライバ25を図25に示すように低いか又は半径方向に挿入された位置に移動して戻すために案内要素50上の担持セグメント31によって支持される。
【0228】
更に、好ましくは、各ドライバ25は、図28に示すように、この場合に好ましくは横方向に突出する突起として形成される係合要素29を有する。この係合要素29により、ドライバ25は、関連のキャップ48内の対応する半径方向溝51内に係合し、半径方向溝51には弓形溝52(図31を参照されたい)が隣接し、その機能に対しては下記でより詳細に考察する。
【0229】
吸入器1の開始位置から進行し、吸入器1の開封中、すなわち、カバー18が半径方向に引き出される最中に、調節スライド46の対応する半径方向移動が発生する。軸線方向位置に基づいて、調節スライド46は、2つのドライバ25の一方を連行し、それを関連の復帰バネ26の力に対してマウスピース15に向う半径方向に押し、それによってこのドライバ25は、マウスピース15に位置合わせされたカプセル3をマガジン5から少なくとも実質的に半径方向にマウスピース15に関連付けられたカプセルチャンバ4内に押し入れ、カプセルチャンバ4をヘッド45によって閉鎖し、すなわち、ヘッド45は、例えば、図1に記載の図にあるようにカプセルチャンバ4に対する入口11を形成する。この状態を図27に示しており、この状態は第1の開封位置に対応する。
【0230】
次に、カバー18は側方にピボット回転され、調節スライド46もマガジン5内で又は周方向に移動される。この場合に、半径方向に延長されたドライバ25を調節スライド46によってこの半径方向位置に保持することはもはやできない。従って、カバー18がピボット回転された時に、対応するキャップ48もそれと共に回転され、従って、係合要素29は、キャップ48の上述の弓形溝52内に係合し、ドライバ25は、ピボット回転されたカバー18と共に半径方向に前進した位置に保持されるか又は固定される。図32は、カバー18がピボット回転されたそのような状態を示している。
【0231】
マガジン5を駆動するか又は回転させるために、吸入器1は対応する駆動デバイスを有する。駆動デバイスは、第1の実施形態の場合のように駆動要素36を含む。第1の実施形態では、駆動要素36は、カバー18に結合又は接続される。それに対して第3の実施形態では、駆動要素36はカバー18とは独立である。
【0232】
第3の実施形態では、駆動要素36は、図33に示すように、好ましくはマガジン5上に内部的に配置され、マガジン5又はその支持体21上の内部歯53と相互作用する外部歯が設けられる。特に、駆動要素36は、内部歯53のある一定の円周領域にわたって延びる。
【0233】
更に、駆動要素36は、好ましくは、特にバネ力によって半径方向に外向きに付勢される。
【0234】
駆動要素36上の内部歯53及び対応する外部歯は、好ましくは、鋸歯形のものであり、及び/又は内部歯53に対する周方向の1つの循環、1つのキャッチ、1つの歯の分だけ駆動要素36を更に移動し、それによってこの場合は好ましくは6°である対応する角度間隔による1循環だけのマガジン5のその後の更に別の回転に含むために、カバー18の完全なピボット回転により、カバー18と共に移動された調節スライド46が駆動要素36上に周方向に当接状態になるか又はそれに対して作用するように構成される。
【0235】
その後に、開封デバイス6又は起動要素9の起動によってカプセル3を開封することができ、吸入を行うことができる。
【0236】
吸入後に、カバー18は、マウスピース15によって再度ピボット回転して戻され、すなわち、第1の開封位置に戻される。このピボット回転には2つの可能な代替案がある。
【0237】
第1の開封位置に到達すると、延長された半径方向位置に配置されるドライバ25及びその係合要素29は直接解除され、関連の復帰バネ26の力によって直接的に後退位置に再度半径方向又は内向きに移動して戻される。
【0238】
これに代えて、戻りピボット回転に起因して、調節スライド46も、延長された半径方向位置に配置されるドライバ25と再度接触状態になり、従って、ドライバ25の復帰バネ26によってドライバ25と共に開始位置に再度移動して戻される。この帰還移動中に、カバー18は半径方向に開始位置に相応に後退する。
【0239】
開始位置へのカバー18の半径方向帰還移動中、すなわち、マウスピース15の完全閉鎖中に、カバー18に内部的に取り付けられたスパイク54(図29を参照されたい)が外部からマウスピース15内に半径方向に導入され、カプセルチャンバ4に位置する空にされたカプセル3が、関連のマガジン5内に、より具体的にはカプセル3が先に取り出されたマガジン5内の受け入れ領域内に再度移動して戻されることを確実にする。このようにカプセル3は、特にマガジン5内に半径方向に再度押し戻される。
【0240】
半径方向帰還移動中の調節スライド46がその開始位置に再度到達する直前に、好ましくは、他方のドライバ25への切り換え、並びにマガジン5の更に別の回転が発生する。
【0241】
図示の例では、好ましくは、マガジン5の更に別の回転は、今度は駆動要素36を反対の周方向に開始位置に再度送り返すように調節スライド46が駆動要素36の好ましくは傾いた摺動面55上に衝突することで発生し、この場合に、図34に示すように、マガジン5の内部歯53内への駆動要素36の外部歯の係合に起因して、1つのカプセル3又は好ましくは6°である所要の循環又は間隔だけのマガジン5の所要の更に別の回転が発生する。
【0242】
他の構造ソリューションが可能であることに注意しなければならない。例えば、傾いた摺動面55は、必要に応じて調節スライド46上に形成することができ、駆動要素36を所要の方式で周方向に移動するために、調節スライド46の半径方向戻り移動中に駆動要素36の対応する端部によって摺動することができる。
【0243】
図35は、制御リング47の斜視図である。制御リング47は、好ましくは、制御手段として対向する切欠き部56と対向する制御面57とを有する。
【0244】
更に、好ましくは、制御リング47は、この場合は特に90°の間隔で円周にわたって分散された1又は2以上のロッキングタブ58を有する。ロッキングタブ58は、戻り防止ロックを形成し、カバー18の開封及び閉鎖中に、より具体的にはピボット回転開封及びピボット回転閉鎖及びキャップ48の付随回転中に、制御リング47が、各場合に1つの方向だけに、すなわち、定められた間隔、この場合は90°間隔で更に回転されることを確実にする。この定められた更に別の回転の結果として、制御手段は順次定められた位置を取り、2つの制御リング47も、互いに対する自体の位置を維持する。図示の例では、特に制御リング47は、異なる制御手段、すなわち、1つの時点では切欠き部56及び制御面57が、次の時点ではその逆が常時互いに対向して位置するように、好ましくは互いに対して90°だけオフセットされた状態で設置される。
【0245】
ロッキングタブ58は、好ましくは、円周上に配置され、一方の方向に回転ロックを達成するためにハウジング17上の対応するラッチ凹部と協働することができる。
【0246】
制御手段は、好ましくは、ロッキングリング47の内径上に配置される。
【0247】
調節スライド46が半径方向にその開始位置に移動して戻される時に、すなわち、カバー18が半径方向に閉鎖される時に、調節スライド46は、その終端位置に到達する直前に、下端上に横方向に配置された傾いた接触面59で制御面57上に衝突し、この傾きに起因して湾曲平面の原理に従って半径方向移動に対して横断方向に、すなわち、軸線方向又は他方の制御リング47に向けて移動又は変位し、この場合に、制御リング47は、他方の側面上に同じく配置された接触面59で反対の切欠き部56内に入り込むことができる。上述の切り換えは、この軸線方向移動又は横断方向変位に起因して発生する。その結果、調節スライド46は、直前のドライバ25から切り離され、代わりに他方の調節スライドに結合される。
【0248】
カバー18が次に開封される時に、それに従って他方のドライバ25が一緒にマウスピース15の方向又は放出位置Aに向けて半径方向に移動され、更にそれに従ってカプセル3の他方の環状平面から出たカプセル3がマガジン5から放出位置Aに入り込む。
【0249】
調節スライド46の切り換え、横断方向移動、又は軸線方向移動に関して、調節スライド46は、特に、アーム33上に配置され、調節スライド46上のスリーブ部分内で軸線方向に内向きに突出する対応する取っ手の係合によってカバー18の2つのアーム33の間で軸線方向に移動可能に保持されることに注意しなければならない。
【0250】
図36は、図面内で下向きに延びる半径方向移動の更に別の進路において調節スライド46が終端位置に到達するために横断方向又は軸線方向に、この場合は左に移動される前に、調節スライド46がその接触面59で正確に制御リング47又はその制御面57上に衝突する時の状態を概略詳細図に示している。
【0251】
吸入器1の様々な実施形態及びこれらの様々な実施形態の個々の特徴及び態様は、あらゆる手法で互いに組み合わせることができるが、同じく独立して実施することもできる。同じことは、マガジン5に及び様々な吸入器1内のマガジン5の様々な実施形態の使用に適用される。
【0252】
参照符号のリスト
1 吸入器
2 製剤
3 カプセル
4 カプセルチャンバ
5 マガジン
6 開封デバイス
7 ニードル
8 ニードル開口部
9 起動要素
10 バネ
11 入口
12 出口
13 環状肩部
14 固定要素
15 マウスピース
16 接続部分
17 ハウジング
18 カバー
19 受け入れチャンバ
19A 引き込み面取り部
20 搬送デバイス
21 支持体
22 保持部分
23 ガイド
24 係合部分
25 ドライバ
26 復帰バネ
27 係合要素
28 切欠き部
29 係合要素
30 バネ台座
31 担持セグメント
32 ガイドスロット
33 アーム
34 制御ゲート
34A 扇形部分
34B 扇形部分
34C 環状溝部分
34D 保持取っ手
34E 遮断部
35 制御要素
36 駆動要素
37 案内ゲート
37A 半径方向部分
37B 湾曲部分
38 駆動部分
39 切欠き部
40 前方に延びるリブ
41 後方に延びるリブ
42 突起
43 ラック歯車
44 ギヤ
45 ヘッド
46 調節スライド
47 制御リング
48 キャップ
49 移動スロット
50 案内要素
51 半径方向溝
52 弓形溝
53 内部歯
54 スパイク
55 摺動面
56 切欠き部
57 制御面
58 ロッキングタブ
59 接触面
A 放出位置
B 移動
D 回転軸
E 主平面
E1 第1のカプセル平面
E2 第2のカプセル平面
H 主放出方向
R 半径方向移動
S ピボット回転移動
【符号の説明】
【0253】
1 吸入器
9 起動要素
15 マウスピース
17 ハウジング
S ピボット回転移動
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36