(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1は、化粧品のいわゆるネットショッピング機能を購入者に提供する。情報処理システム1は、たとえば、ネットワーク13を介して互いに情報通信可能に接続されるサーバ装置10、販売用端末装置11、及び購入用端末装置12を有する。ネットワーク13には、さらに、商品倉庫16に設けられる情報処理装置が接続される。サーバ装置10は、たとえば、化粧品の販売事業者のEC(電子商取引)サイト18を実装するECサーバである。販売用端末装置11は、化粧品の小売店舗14の販売担当者(以下、販売者)が使用する、情報処理端末装置である。購入用端末装置12は、化粧品の購入者が使用する、情報処理端末装置である。販売用端末装置11及び購入用端末装置12は、たとえば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン端末などである。販売用端末装置11及び購入用端末装置12は、小売店舗14に設置されるルータ装置15を有線または無線により介してネットワーク13に接続される。ルータ装置15は、たとえば、Wifi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)ルータ、または有線LANルータである。ネットワーク13は、たとえばインターネットであるが、アドホックネットワーク、LAN、MAN(Metropolitan Area Network)、もしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれる。
【0017】
情報処理システム1では、次のように化粧品の販売が行われる。まず、購入者と販売者とが小売店舗14で対面カウンセリングを行うことで、販売者が購入者に化粧品を推奨する。そして、販売者が販売用端末装置11により推奨商品に関する商品情報と購入者の識別情報とを有するカウンセリング証明情報をサーバ装置10に送り、販売用端末装置11によりサーバ装置10から購入許可情報を取得する。そして、販売者の販売用端末装置11から購入者の購入用端末装置12に、購入許可情報が提供される。購入許可情報は、一回的な有効期限を有しており、その有効期限内に限り、購入用端末装置12に購入者による推奨商品の購入処理を許可するための情報である。購入許可情報は、画像コードの表示・読取り、または近距離通信手段によって販売用端末装置11から購入用端末装置12に提供される。画像コードは、たとえば、QRコード(登録商標)、バーコード等である。近距離通信手段は、たとえば、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA(infrared data association)、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)などである。そして、購入者は、購入用端末装置12により、購入許可情報を用いてその有効期限内にサーバ装置10にアクセスして購入処理を開始する。そうして一旦購入処理を開始した後は、購入者は、小売店舗内・外、有効期限内・期限経過後を問わず、化粧品の購入処理を続行し完了することができる。
【0018】
購入処理に対応して、サーバ装置10は、推奨商品の販売処理を実行する。サーバ装置10は、推奨商品の代金決済処理の後、推奨商品を格納する商品倉庫16に設けられる情報処理装置に、推奨商品を購入者の住所地17に配送する配送指示を送る。商品倉庫16では、配送指示に基づいて、推奨商品の発送業務が行われる。
【0019】
このように、情報処理システム1では、購入許可情報がたとえば数分〜数時間程度の一回的な有効期限を有することで、購入者は、対面カウンセリングから間をおかずに即時的に推奨商品の購入を促される。また、販売用端末装置11から購入用端末装置12に購入許可情報を提供する手段として、画像コードの表示・読取りまたは近距離通信手段を用いることで、購入者は、対面カウンセリングが行われた場で購入許可情報を取得することを促される。このように、時間的・空間的な制約を設けることで、購入者としては購入許可情報を得るために、また、販売者としては販売を促進するために、対面カウンセリングを実施することへの動機が強化される。すなわち、対面カウンセリングの確実な実施を支援することができる。またさらに、購入者は、購入許可情報に基づいて購入処理を開始すれば、任意のタイミングで推奨商品の購入処理を完了(あるいは中止)することができる。よって、購入者は、対面カウンセリング後にある程度時間的・心理的な余裕をもって購入を検討できるので、購入の自由度を高めることができる。
【0020】
図2は、サーバ装置10の構成例を示す。サーバ装置10は、通信部20、記憶部21、及び制御部22を有する。サーバ装置10は、たとえば1つ又は互いに通信可能な複数のコンピュータである。通信部20、記憶部21、及び制御部22は、それぞれ、1つのコンピュータ内に備えられてもよいし、複数のコンピュータに分散して設けられてもよい。
【0021】
通信部20は、ネットワーク13に接続するための、1つ以上の有線または無線LAN規格に対応する通信モジュールを有する。本実施形態において、サーバ装置10は、通信部20を介してネットワーク13に接続される。
【0022】
記憶部21は、1つ以上のメモリを含む。記憶部21に含まれる各メモリは、たとえば半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等であるが、これらに限られない。各メモリは、たとえば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部21は、サーバ装置10の動作に用いられる任意の情報、制御・処理プログラム、及び商品情報データベース23、販売実績データベース24、顧客情報データベース25といったデータベースを記憶する。
【0023】
制御部22は、1つ以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部22は、記憶部21に格納される制御・処理プログラムに従ってサーバ装置10の動作を統括的に制御する。制御部22による制御・処理動作が、証明取得部26、許可送出部27、販売処理部28、及び履歴管理部29を構成する。なお、販売処理部28は、ECサイト18を提供する。
【0024】
図3は、販売用端末装置11の構成例を示す。販売用端末装置11は、たとえばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンといった、情報処理端末装置である。販売用端末装置11は、入出力部30、通信部31、記憶部32、及び制御部33を有する。
【0025】
入出力部30は、ユーザの入力を検出し、入力情報を制御部33に送る入力インタフェースを有する。かかる入力インタフェースは、たとえば、物理キー、静電容量キー、パネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、各種ポインティングデバイス、音声入力を受け付けるマイクロフォン、撮像画像または画像コードを取り込むカメラ等を含む任意の入力インタフェースである。また、入出力部30は、制御部33が生成したりサーバ装置10から取得したりする情報を、ユーザに対して出力する出力インタフェースを有する。かかる出力インタフェースは、たとえば、情報を画像・映像として出力する外付けまたは内蔵のディスプレイ、情報を音声として出力するスピーカ、または、外部の出力機器との接続インタフェースを含む、任意の出力インタフェースである。
【0026】
通信部31は、有線または無線LAN規格に対応する通信モジュール、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するモジュール、Bluetooth、AirDrop、IrDA、ZigBee、Felica、RFIDなどの近距離通信に対応する通信モジュール等を含む。販売用端末装置11は、通信部31により、ルータ装置15を介して、または移動体通信の基地局を介してネットワーク13に接続され、ネットワーク13経由でサーバ装置10と情報通信を行う。また、販売用端末装置11は、通信部31により、近距離通信手段により通信可能な範囲に位置する購入用端末装置12などの他の装置と情報通信を行う。
【0027】
記憶部32は、一つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、たとえば半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等であるが、これらに限られない。各メモリは、たとえば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、販売用端末装置11の動作に用いられる任意の情報を記憶する。たとえば、記憶部32は、制御・処理プログラム、組込みソフトウェア、ネットワーク13を介してダウンロードされる各種機能を提供するアプリケーションプログラム等を記憶する。
【0028】
制御部33は、一つ以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部33は、記憶部32に格納される制御・処理プログラムに従って動作することで、販売用端末装置11の動作を統括的に制御する。制御部33による制御・処理動作が、証明送出部34、許可取得部35、許可提供部36、確認処理部38、商品推奨部39を構成する。
【0029】
図4は、購入用端末装置12の構成例を示す。購入用端末装置12は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンといった、情報処理端末装置である。購入用端末装置12は、入出力部40、通信部41、記憶部42、及び制御部43を有する。購入用端末装置12の入出力部40、通信部41、記憶部42、及び制御部43は、それぞれ、
図3で説明した販売用端末装置11の入出力部30、通信部31、記憶部32、及び制御部33と同等の構成を有する。ただし、購入用端末装置12では、記憶部42に格納されるプログラムに従って動作する制御部43の制御・処理動作が、許可取得部44、購入処理部45、及び確認取得・提供部46を構成する。
【0030】
サーバ装置10、販売用端末装置11、及び購入用端末装置12では、各通信部が、それぞれ対応する制御部が送出する各種情報を、ネットワーク13を介しそれぞれの受け手の装置に送信する。また、送り手の装置からネットワーク13を介して送信される各種情報を各通信部が受信してそれぞれ対応する制御部に送ることで、各制御部は送り手の装置からの各種情報を取得する。
【0031】
図5及び
図6を用いて、情報処理システム1の動作例について説明する。
図5は、情報処理システム1による動作例を示すシーケンス図である。
図6は、販売用端末装置11及び購入用端末装置12の入出力インタフェース例を示す。
【0032】
図5の手順は、小売店舗14で販売者と購入者が対面カウンセリングを行い、販売者が購入者に推奨商品を推奨した後に実行される。まず、販売用端末装置11は、販売者の操作により、商品情報、識別情報、販売者情報、カウンセリング情報の入力を受ける(ステップS500)。販売者は、これらの情報を、たとえば、タッチスクリーンから手動で入力する。商品情報は、たとえば、推奨商品の商品種別、商品名、属性、商品IDといった、推奨商品を特定する情報である。販売用端末装置11にてサーバ装置10の商品情報データベース23から取得した商品の選択肢から販売者が推奨商品を選択することで商品情報の入力がされてもよい。識別情報は、たとえば、購入者の顧客ID、氏名、電話番号その他の、購入者を顧客として特定するための情報である。販売者情報は、店員ID、所属店舗IDといった、販売者とその所属店舗を特定するための情報である。そして、カウンセリング情報は、カウンセリングの実施日時に加え、肌質測定結果、肌診断結果、手入れ方法、商品の使用方法、アンケート結果等のカウンセリング内容を記したテキストデータ、または肌の撮像画像データもしくはマイクロスコープ撮像画像データといった、カウンセリングの実績を示す情報である。肌質測定結果は、油分、水分、弾力などを含み、小売店舗14に設置される肌診断器等により測定される。
【0033】
図6(A)は、販売用端末装置11のタッチパネル画面における入力画面例を示す。入力画面600は、種々の入力項目を有する。入力項目は、販売者情報としての店舗ID601、スタッフ(店員)ID602及びパスワード603、識別情報としての顧客ID605、各種測定結果についてのカウンセリング情報606、商品情報としての購入商品名607を含む。さらに、入力項目は、決済方法608を含む。入力項目は、文字入力、選択肢の選択などにより入力がなされる。また、入力項目は、カメラによるコード読取機能を用いて、入力項目の値ごとのコードをスキャンすることで入力するようにしてもよい。販売者は、入力を完了すると、購入手続き完了ボタン609をタップして入力を確定させる。すると、入力確定に応答して、各種情報を有するカウンセリング証明情報がサーバ装置10へ送出される。
【0034】
図5に戻り、販売用端末装置11では、証明送出部34が、販売者の操作に応答して、入力された商品情報、識別情報、販売者情報、及びカウンセリング情報を有するカウンセリング証明情報50をサーバ装置10へ送出する(ステップS501)。
【0035】
次いで、サーバ装置10では、カウンセリング証明情報50を、証明取得部26が取得する(ステップS502)。すると、許可送出部27が、カウンセリング証明情報50に基づく購入許可情報52を販売用端末装置11へ送出する(ステップS504)。購入許可情報52は、顧客IDなどの識別情報、有効期限、受注が見込まれる推奨商品の商品受注情報、及び推奨商品を販売するECサイト18のURLを含む。許可送出部27は、識別情報が顧客情報データベース25に登録されていることを、購入許可情報52送出の条件としてもよい。そうすることで、販売者に購入者の登録を促すことができる。また、カウンセリング情報が取得されていること、カウンセリング情報が所定の項目情報を有していることなどを、購入許可情報52送出の条件としてもよい。そうすることで、より確実にカウンセリングの実施を販売者に促すことができる。さらに、許可送出部27は、販売用端末装置11が小売店舗14に設置されるルータ装置15を介してカウンセリング証明情報50を送信してきたことを、購入許可情報52送出の条件としてもよい。たとえば、許可送出部27は、アクセス元のIPアドレスから、ルータ装置15を介した通信かを判断する。そうすることで、小売店舗14で対面カウンセリングを行うことを販売者に促すことができる。
【0036】
次いで、販売用端末装置11では、許可取得部35が購入許可情報52を取得する(ステップS506)。そして、許可提供部36が、購入許可情報52を購入用端末装置12に提供する(ステップS508)。許可提供部36は、たとえば、購入許可情報52を画像コード化して入出力部30のディスプレイに表示させる。または、許可提供部36は、近距離通信手段を用いて購入許可情報を送出する。
【0037】
図6(B)は、
図5のステップS508における販売用端末装置11の表示画面例を示す。表示画面610は、販売者情報として店舗ID601及びスタッフID602を、識別情報として顧客ID605を、商品情報として購入商品名607を表示する。さらに、表示画面610は、購入許可情報として画像コード612を表示する。
【0038】
図5に戻ると、購入用端末装置12では、許可取得部44が、購入許可情報52を取得する(ステップS510)。許可取得部44は、たとえば、販売者の操作に応じて販売用端末装置11により画像コードとして表示された購入許可情報を、入出力部40のカメラによるコードリーダ機能を用いて読み取ることで購入許可情報52を取得する。または、許可取得部44は、近距離通信手段を介して販売用端末装置11から送信される購入許可情報52を、通信部41にて受信することで取得する。
【0039】
次いで、購入用端末装置12では、購入者の操作に応答して、購入処理部45が購入情報54をサーバ装置10へ送出することで、販売処理部28へアクセスする(ステップS512)。購入処理部45は、たとえば、購入許可情報52に含まれるURLに基づいて販売事業者のECサイト18と通信を確立し、購入許可情報52に含まれる識別情報を用いて販売処理部28に購入者の認証を要求する。そして、購入情報54は、推奨商品情報に基づく購入対象商品の商品名、数量などの情報と、購入許可情報52の有効期限を含む。
【0040】
すると、サーバ装置10では、販売処理部28が購入情報54を取得する(ステップS514)。そして、販売処理部28は、販売処理の可否を判断し、販売処理可否情報56を購入用端末装置12へ送出する(ステップS516)。このとき、販売処理部28は、購入用端末装置12からのアクセス時、たとえば購入情報54の取得時が、購入許可情報52の有効期限内である場合には販売処理可、有効期限経過後の場合には販売処理不可と判断する。また、サーバ装置10では、許可送出部27が購入許可情報52の送出時に購入許可情報52の有効期限を記憶しておき、購入情報54の取得時を有効期限と比較して、購入用端末装置からのアクセスが有効期限内になされたかを判断してもよい。さらに、販売処理部28は、購入用端末装置12が小売店舗14に設置されるルータ装置15を介してアクセスしたことを、販売処理可の条件としてもよい。
【0041】
次いで、購入用端末装置12では、購入処理部45が販売処理可否情報56を取得し、販売処理の可否に応じて購入処理開始の可否を購入者に対し出力する(ステップS518)。
【0042】
図6(C)は、
図5のステップS518における購入用端末装置12の表示画面例を示す。表示画面620は、販売処理が可であり、従って購入処理が可の場合の表示画面例である。表示画面620は、識別情報として顧客ID605、購入者名621、購入者住所622を、商品情報として購入商品名607を表示する。さらに、表示画面620は、購入商品名607ごとの金額及び合計金額623を表示する。購入者は、表示画面620における購入確定ボタン624をタップして購入処理を指示する。なお、購入処理部45は、表示画面620において購入者が購入商品名607を取捨選択できるようにしてもよい。そうすることで、たとえば、購入者が推奨商品の一部または全部の購入を見送りたいといった事情にも対処することが可能となり、購入者の自由度を確保できる。
【0043】
サーバ装置10の販売処理部28にて購入用端末装置12からのアクセス時が有効期限経過後であった場合は、販売処理不可と判断される。その場合、販売処理不可を示す販売処理可否情報に応じて、購入用端末装置12側では購入処理部45が購入処理を不可と判断する。その場合、たとえば、購入処理部45は入出力部30に「有効期限切れです」、「購入できません」などのメッセージを表示出力または音声出力させて、購入処理不可を購入者に通知してもよい。
【0044】
購入処理部45は、購入者から購入処理の開始を指示する入力があると、購入処理を実行する(ステップS520)。購入処理部45は、サーバ装置10の販売処理部28に購入処理の実行を要求し、これに応じて販売処理部28が販売処理を実行する(ステップS522)。たとえば、購入処理部45は、購入者に入力を促して取得する、または予め記憶部42に記憶される、購入者の決済情報、配送先情報など、販売処理部28による販売処理に必要な情報を、サーバ装置10へ送出する。すると、サーバ装置10では販売処理部28がこれらの情報を取得する。または、決済情報、配送先情報などは、サーバ装置10の顧客情報データベース25に購入者の識別情報に対応付けて格納されていてもよい。その場合、販売処理部28は販売処理に必要な情報を顧客情報データベース25から読み出して取得し、購入処理部45からの指示に応じて販売処理を実行する。そして、販売処理部28は、金融機関のサーバと連携して決済処理を実行し、商品倉庫16の情報処理端末へ出荷指示を送出することで、販売処理を実行する。
【0045】
サーバ装置10の販売処理部28が一旦販売処理可と判断して販売処理を開始した場合には、購入者が購入用端末装置12に購入処理の実行を指示する時期が、購入許可情報の有効期限経過後であったとしても、購入処理部45は購入処理を実行し、これに応じて販売処理部28は販売処理を実行する。たとえば、販売処理部28は、ステップS516で一旦販売可を示す販売可否情報を送出したら、その後は随時購入処理要求を受け付けるように動作する。そうすることで、購入者は、対面カウンセリング後にある程度時間的・心理的な余裕をもって購入を検討できるので、購入の自由度を高めることができる。
【0046】
次いで、販売処理部28は、小売店舗14、または販売者へのインセンティブ付与処理を行う(ステップS524)。たとえば、販売処理部28は、販売処理を行った商品価格の所定割合(数パーセント〜数十パーセント)を、対面カウンセリングを担当した販売者が所属する小売店舗14の金融口座、または販売者自身の金融口座に入金する決済処理を行う。かかる決済処理は、金融機関サーバと連携して行われる。そして、履歴管理部29は、小売店舗14ごとの販売実績、または販売者ごとの販売実績を販売実績データベース24に書き込んで、販売実績データベース24を更新する(ステップS526)。販売実績は、たとえば、販売者ごとの所属小売店舗、販売商品名・種別、数量、販売価格、カウンセリング内容、販売日時といった情報を含む。
【0047】
販売処理部28は、インセンティブを付与する際に、販売実績データベース24を参照してインセンティブを調整してもよい。たとえば、過去の販売実績の大きさに応じてインセンティブの所定割合を大きくするなどの調整が可能である。このようにして販売実績を管理して小売店または販売者にインセンティブを付与することで、小売店舗及び販売店の商品販売意欲を向上、維持できる。さらに、対面カウンセリングが商品販売の前提とされることで、対面カウンセリングに基づく化粧品販売という販売形態に未参加の小売店舗や販売者の参加を促すことが可能になる。
【0048】
上述した手順において、たとえば、ステップS506及びS508を省略してもよい。すなわち、サーバ装置10の許可送出部27が、ステップS504において、購入許可情報52を購入用端末装置12に向けて送出し、購入用端末装置12の許可取得部44が購入許可情報52を取得する。そして、購入用端末装置12の購入処理部45が、ステップS512で、購入情報54をサーバ装置10へ送出する。そのようにして、対面カウンセリングを経て購入用端末装置12が販売用端末装置11から購入許可情報を取得する際に時間的な制約を設けることで、対面カウンセリングの確実な実施を支援することができる。さらに、ステップS506及びS508を実行する場合、対面カウンセリングを経て購入用端末装置12が販売用端末装置11から購入許可情報を取得する際に時間的制約に加えて空間的な制約を設けることで、対面カウンセリングの確実な実施を支援することができる。その一方で、購入者は、購入許可情報に基づいてサーバ装置10にアクセスし、購入処理を開始すれば、任意のタイミングで推奨商品の購入処理を完了(あるいは中止)することができるので、購入者の利便性が向上する。
【0049】
上述の実施形態は、対面カウンセリングが小売店舗で実施される場合を例とした。しかしながら、購入者と販売者とがテレビ会議手段により通信し、擬似的な対面カウンセリングを実施する場合も、本実施形態に含まれる。その場合、購入許可情報は、たとえば、電子メール等でサーバ装置10から購入用端末装置12へ送信される。そして、購入用端末装置12が画像コードを表示すると、画像コードがTV会議の画像として販売者側で表示され、これを購入用端末装置12が読み取ることで、購入許可情報が購入用端末装置12から販売用端末装置11へ提供される。この場合も、購入許可情報の有効期限内に購入用端末装置12からサーバ装置10にアクセスがなされることを購入許可情報送出の条件とすることで、カウンセリング実施に基づく即時的な商品購入を促すことができる。
【0050】
また、販売者が購入者を訪問して対面カウンセリングを行う場合も、本実施形態に含まれる。その場合、ルータ装置15が可搬型のモバイルルータで構成されており、販売者がルータ装置15を傾向することで、販売用端末装置11及び購入用端末装置12がルータ装置15を介してサーバ装置10と通信を行うことが可能になる。そうすることで、購入用端末装置12が販売用端末装置11から購入許可情報を取得する際に時間的・空間的な制約を設けることができ、対面カウンセリングの確実な実施を支援することができる。
【0051】
図7及び
図8を用いて、別の実施形態における情報処理システムの動作例について説明する。この実施形態は、購入者が小売店舗で対面カウンセリング後即時に、店頭で代金の決済を行う場合に関する。
図7は、情報処理システム1による動作例を示すシーケンス図である。
図8は、購入用端末装置12の出力インタフェース例を示す。
【0052】
図7の手順は、小売店舗14で販売者と購入者が対面カウンセリングを行い、販売者が購入者に推奨商品を推奨した後に実行される。
図7の手順のうち、
図5の手順と同じステップには同じ符号が付してある。
【0053】
この実施形態では、対面カウンセリングの後即時に、購入者が商品代金を店頭で決済する(ステップS700)。決済手段は、現金払い、電子マネー払い、クレジットカード払い等の任意の手段である。そしてステップS501で販売用端末装置11からサーバ装置10へ送出されるカウンセリング証明情報50に、支払済み情報が含まれる。さらに、ステップS504でサーバ装置10が送出する購入許可情報52にも、支払済み情報が含まれる。
【0054】
ステップS506〜S514は、
図5での説明と同様に実行される。ステップS516で、販売処理部28が実行可と判断する販売処理において、決済処理は省略される。また、ステップS518で、購入処理部45が販売処理の可否に応じて購入処理開始の可否を購入者に対し出力するが、ここにおける購入処理では、決済処理は省略される。一方、販売処理部28は、ステップS522に進んで、販売処理としてすなわち配送指示を行う。この場合、販売処理部28は、配送先情報を顧客情報データベース25から読み出して取得し、商品倉庫16の情報処理端末へ出荷指示を送出する。
【0055】
図8は、
図7のステップS518における購入用端末装置12の表示画面例を示す。表示画面800は、販売処理が可であり、従って購入処理が可の場合の表示画面例である。表示画面800は、識別情報として顧客ID605、購入者名621、購入者住所622を、商品情報として購入商品名607を表示する。さらに、表示画面800は、購入商品名607ごとの金額及び合計金額623を表示する。この場合、購入商品名607ごとの金額及び合計金額623は既に支払い済みであって、サーバ装置10にて配送指示が実行されるので、「決済完了、配送準備中」といったステータス情報802が表示される。
【0056】
図7に戻り、ステップS524で、販売処理部28は、小売店舗14、または販売者へのインセンティブ付与処理として、販売した商品の卸値の請求を行う。店頭販売された小売価格と卸値の差額(小売価格の数パーセント〜数十パーセント)が、小売店舗14または販売者へのインセンティブに充当される。かかる請求に応じて小売店舗14または販売者が自らの金融口座にて決済処理を行うことで、卸値代金が回収される。そして、履歴管理部29は、小売店舗14ごとの販売実績、または販売者ごとの販売実績を販売実績データベース24に書き込んで、販売実績データベース24を更新する(ステップS526)。
【0057】
図9は、上述した実施形態に対し追加的に実行される手順の例を示す。
図9の手順は、購入者が購入許可情報を取得するための確認情報を購入用端末装置12にてサーバ装置10から予め取得して、対面カウンセリングの際に販売用端末装置11に確認情報を提供する場合の手順である。そうすることで、より確実に対面カウンセリングの実施を促すことが可能になる。
【0058】
図9の手順は、
図5のステップS500または
図7のステップS700がそれぞれ実行される前に実行される。
図9の手順と対面カウンセリング実施の前後は任意であってよい。まず、購入者の操作に応答して購入用端末装置12では、確認取得・提供部46が、確認情報要求90をサーバ装置10へ送出する(ステップS902)。確認情報要求90には、購入者の識別情報が含まれる。サーバ装置10では、許可送出部27が、確認情報要求90を取得すると、識別情報を顧客情報データベース25と照合して購入者の認証を行う(ステップS904)。そして、認証が成立したら、許可送出部27は、確認情報92を購入用端末装置12へ送出する(ステップS906)。そして、確認取得・提供部46が確認情報92を取得する(ステップS908)。
【0059】
次いで、購入用端末装置12の確認取得・提供部46が、確認情報92を販売用端末装置11に提供する(ステップS910)。確認情報92は、購入者に固有で一回的な数分〜十分ほどの有効期限を有する。確認情報92は、たとえば、ワンタイムパスワードである。確認情報は、画像コードの表示・読取り、または近距離通信手段によって、購入用端末装置12から販売用端末装置11に提供される。そして、販売用端末装置11の確認処理部38が確認情報92を取得し(ステップS912)、確認情報92をサーバ装置10へ送出する(ステップS916)。
【0060】
次いで、サーバ装置10では、許可送出部27が、確認情報の取得時に基づいて、購入許可情報を販売用端末装置11に送出することの可否を判断する。このとき、許可送出部27は、確認情報92の取得時が、確認情報92の有効期限内である場合には購入許可情報送出可、有効期限経過後の場合には購入許可情報送出不可と判断する。確認情報92が有効期限を含んでおり、許可送出部27が確認情報92から有効期限を取得し、これを確認情報92の取得時と比較することで、確認情報92の取得時が有効期限内であるかを判断することができる。また、サーバ装置10では、許可送出部27が確認情報92の送出時にその有効期限を記憶しておき、確認情報92の取得時と有効期限とを比較して、確認情報92の取得時が有効期限内であるかを判断してもよい。さらに、許可送出部27は、購入用端末装置12が小売店舗14に設置されるルータ装置15を介して確認情報92を送信してきたことを、購入許可情報送出の条件としてもよい。たとえば、許可送出部27は、アクセス元のIPアドレスから、ルータ装置15を介した通信かを判断する。そうすることで、小売店舗14で対面カウンセリングを受けることを購入者に促すことができる。そして、許可送出部27は、購入許可情報送出可否の判断結果を許可送出可否情報94として販売用端末装置11へ送出する(ステップS920)。
【0061】
次いで、販売用端末装置11では、許可取得部35が許可送出可否情報94を取得して購入許可情報送出の可否を出力する(ステップS922)。たとえば、購入許可情報送出が可の場合、「お客様が認証されました」、「カウンセリング結果を入力してください」などと入出力部30の出力インタフェースにより表示出力または音声出力することで、販売者に対面カウンセリングの実行を促すことができる。または、購入許可情報送出が不可の場合、「認証を再度行ってください」などと入出力部30の出力インタフェースにより表示出力または音声出力することで、再度、ステップS902からの実行を購入者に促してもよい。
【0062】
図10は、
図9の手順の変形例を示す。
図10の手順は、確認情報の取得時に基づく購入許可情報送出の可否判断を、サーバ装置10の代わりに販売用端末装置11が行う点が、
図9の手順と異なる。
図10の手順は、
図9の手順と同様、
図5のステップS500または
図7のステップS700それぞれ実行される前に実行される。
【0063】
ステップS902〜ステップS906は
図9と同じである。ただし、ステップS906で、許可送出部27は確認情報92を購入用端末装置12だけではなく、販売用端末装置11へも送出する。そして販売用端末装置11が、確認情報92を取得する(ステップS1000)。このとき、確認処理部38は、確認情報92の有効期限を取得する。
【0064】
ステップS910で購入用端末装置12が提供する確認情報92を、ステップS912で販売用端末装置11が取得すると、確認処理部38が、確認情報の取得時と有効期限とを比較して、サーバ装置10が購入許可情報を販売用端末装置11に送出することの可否を判断する(ステップS1004)。このとき、確認処理部38は、確認情報92の取得時が、確認情報92の有効期限内である場合には購入許可情報送出可、有効期限経過後の場合には購入許可情報送出不可と判断する。確認情報92が有効期限を含んでおり、確認処理部38が確認情報92から有効期限を取得し、これを確認情報92の取得時と比較することで、確認情報92の取得時が有効期限内であるかを判断することができる。
【0065】
次いで、販売用端末装置11では、許可取得部35が購入許可情報送出可否情報に基づいて購入許可情報送出の可否を出力する(ステップS922)。そして、確認処理部38が、購入許可情報送出可否の判断結果を許可送出可否情報94としてサーバ装置10へ送出し(ステップS1006)、サーバ装置10が許可送出可否情報94を取得する(ステップS1008)。
【0066】
図9及び
図10の手順によれば、購入者が対面カウンセリングの前に販売用端末装置11に確認情報を提供することが求められるので、より確実に購入者の来店を促すことが可能になる。また、
図5において、ステップS506及びS508を省略し、対面カウンセリングを経て購入用端末装置12が販売用端末装置11から購入許可情報を直接取得する場合であっても、購入者が来店するという空間的な制約を設けることができるので、対面カウンセリングの確実な実施を支援することができる。
【0067】
<実施例1>
図11は、上述した実施形態の実施例の一つを示す図である。この実施例は、サーバ装置10と販売用端末装置11の動作手順に関する。
図11は、サーバ装置10と販売用端末装置11の動作手順を示すシーケンス図である。ステップS1100〜S1110は、
図5または
図7の動作手順開始前であって、対面カウンセリング実施前または実施中に実行される。また、ステップS1102は、
図5または
図7のステップS522の後の任意のタイミングに実行される。
【0068】
まず、販売用端末装置11では、販売者の操作により、購入者の識別情報、販売者情報の入力を受ける(ステップS1100)。そして、販売用端末装置11の商品推奨部39が、識別情報等をサーバ装置10へ送出する(ステップS1102)。サーバ装置10では、識別情報等を履歴管理部29が取得して(ステップS1104)、識別情報に基づいて顧客情報データベース25と商品情報データベース23とを参照し(ステップS1106)、購入者の購入履歴から推奨すべき商品の情報を抽出する。
【0069】
顧客情報データベース25は、たとえば購入者の識別情報だけではなく、購入者ごとの購入履歴を有する。そして、履歴管理部29は、任意のアルゴリズムにより推奨商品を抽出する。たとえば、履歴管理部29は、購入者が繰り返し購入した商品を推奨商品として抽出してもよいし、繰り返し購入した商品と属性が類似する商品を推奨商品として抽出してもよい。また、履歴管理部29は、属性が類似する別の購入者が繰り返し購入した商品を推奨商品として抽出してもよい。また、履歴管理部29は、複数の小売店舗から収集した顧客情報データベースを学習データとする機械学習により、推奨商品を推定してもよい。そして、履歴管理部29は、抽出した推奨商品情報1100を販売用端末装置11へ送出する(ステップS1108)。
【0070】
販売用端末装置11では、商品推奨部39が推奨商品情報1100を取得し、販売者に対し出力する(ステップS1110)。販売用端末装置11の入出力部30は、推奨商品情報として、推奨商品を示す文字情報または画像を表示出力してもよいし、音声出力してもよい。かかる情報の出力を受けることで、販売者は容易かつ効率的に、対面カウンセリングにおいて最適な商品を購入者に推奨することができる。
【0071】
そして、サーバ装置10では、
図5または
図7の一連の動作手順により購入者への販売処理が終了すると、履歴管理部29が顧客情報データベース25に商品の販売履歴を書き込んで顧客情報データベース25を更新する(ステップS1102)。このようにして、顧客情報データベース25に購入者の嗜好を推定するための情報の蓄積を増大することができ、次回以降の対面カウンセリングにおいて購入者により適した推奨商品を販売者に提示することができる。
【0072】
上記実施例の特徴をまとめると、次のとおりである。
商品情報を購入者の識別情報に対応付けて記憶する記憶部から前記商品情報を読み出して販売用端末装置に送出する履歴管理部と、
前記購入者に対する推奨商品の商品情報と前記識別情報とを有するカウンセリング証明情報を販売用端末装置から取得する証明取得部と、
前記購入者による前記推奨商品の購入に係る購入処理を購入用端末装置に許可するための、前記カウンセリング証明情報に基づく購入許可情報を前記販売用端末装置へ送出する許可送出部と、
前記購入許可情報を前記販売用端末装置から取得した前記購入用端末装置から当該購入許可情報に基づくアクセスを当該購入許可情報の有効期限内に受けることを条件として、前記販売処理を開始する販売処理部と、
を有する、サーバ装置。
【0073】
<実施例2>
図12は、さらに別の実施例を示す図である。
図12は
図1で示した情報処理システム1の構成に、化粧品工場19が追加される点が
図1と異なる。化粧品工場19にはネットワーク13を介してサーバ装置10と情報通信が可能なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置が設置される。また、サーバ装置10の商品情報データベース23には、商品ごとの製法情報が格納される。
【0074】
この実施例では、対面カウンセリングに基づく推奨商品の購入要求を購入用端末装置12からサーバ装置10にて受けると、サーバ装置10は化粧品工場19の情報処理装置に推奨商品の製法に関する製法情報を送信する。そして、化粧品工場19では、製法情報に基づく推奨商品の製造がおこなわれる。そして、完成した推奨商品が商品倉庫16に配送され、商品倉庫16から購入者の住所地17に推奨商品が配送される。この実施例によれば、既製の商品のみならず、各購入者のニーズにそってパーソナライズされた商品を製造して購入者に提供することができる。よって販売者の対面カウンセリングに対する動機付けの強化と、購入者の利便性向上が可能になる。
【0075】
この実施例では、
図5または
図7におけるサーバ装置10の販売処理(ステップS522)の際、販売処理部28が次のように動作する。すなわち、販売処理部28は、金融機関のサーバと連携して決済処理を実行すると、商品情報データベース23から購入商品の製法情報を読み出し、化粧品工場19の情報処理端末へ製法情報と製造指示を送出する。また、販売処理部28は、化粧品工場19の情報処理端末と商品倉庫16の情報処理端末とに、購入者の住所情報ともに配送指示を送出する。すると、化粧品工場19では製造指示を受けて購入商品の製造が実行され、完成した商品が商品倉庫16へ配送される。そして、商品倉庫16では、配送指示を受けて、入荷した商品の購入者の住所地17への配送が行われる。
【0076】
上記実施例の特徴をまとめると、次のとおりである。
購入者への推奨商品に関する商品情報と当該購入者の識別情報とを有するカウンセリング証明情報を販売用端末装置から取得する証明取得部と、
前記購入者による前記推奨商品の購入に係る購入処理を購入用端末装置に許可するための、前記カウンセリング証明情報に基づく購入許可情報を前記販売用端末装置へ送出する許可送出部と、
前記購入許可情報を前記販売用端末装置から取得した前記購入用端末装置から当該購入許可情報に基づくアクセスを当該購入許可情報の有効期限内に受けることを条件として、前記販売処理を開始する販売処理部とを有し、
前記販売処理は、前記推奨商品の製法情報を商品工場の情報処理装置に送出する工程を含む、
サーバ装置。
【0077】
<実施例3>
図13〜
図15は、さらに別の実施例を示す図である。この実施例は、
図9または
図10で示した、購入者からの確認情報を取得する実施形態の変形例である。この実施例は、小売店舗14における対面カウンセリングの遂行をより確実に担保するための例である。
【0078】
図13は、小売店舗14の構成例を示す。
図13では、
図1の販売用端末装置11及び購入用端末装置12を含む小売店舗14の構成に、新たな構成が追加される。小売店舗14には、店舗サーバ装置1302、画像コードリーダ1303、及び物体センサ1304が設置される。店舗サーバ装置1302は、ルータ装置15を介して、または他の通信装置を介してネットワーク13に接続され、サーバ装置10と情報通信可能に構成される。また、店舗サーバ装置1302は、画像コードリーダ1303及び物体センサ1304と有線または無線により情報通信可能に接続される。店舗サーバ装置1302は、たとえば、サーバ装置10と同等の構成を有するコンピュータである。画像コードリーダ1303は、購入用端末装置12がサーバ装置10または店舗サーバ装置1302から取得して画像コードとして表示する確認情報を読み取るリーダ装置である。物体センサ1304は、小売店舗14内における購入者1300、販売者1301及び画像コードリーダ1303の位置と互いの間の距離を測定するセンサである。たとえば、物体センサ1304は、小売店舗14内の風景を撮像する3Dカメラとその制御装置である。または物体センサは、光波センサ等の測距センサとその制御装置であってもよい。
【0079】
図14は、店舗サーバ装置1302、画像コードリーダ1303、及び物体センサ1304の動作手順を示すシーケンス図である。
図14の手順は、たとえば、
図5のステップS500または
図7のステップS700がそれぞれ実行される前に実行される。
【0080】
まず、購入者が来店した際、購入用端末装置12にて予め取得した確認情報を画像コードとして表示し、画像コードリーダ1303が確認情報を読み取る(ステップS1400)。次いで、画像コードリーダ1303が、確認情報140を店舗サーバ装置1302へ送出する(ステップS1402)。すると、店舗サーバ装置1302は、確認情報140を取得し(ステップS1404)、物体センサ1304へ計測指示を送出する(ステップS1406)。すると、物体センサ1304は、指示に応答して計測を実行し(ステップS1408)、計測結果情報142を店舗サーバ装置1302へ送出する(ステップS1410)。そして、店舗サーバ装置1302が計測結果情報142を取得する(ステップS1412)。
【0081】
ここで、
図15に示す計測結果情報142の例をさらに参照しながら、店舗サーバ装置1302の動作を説明する。
図15は、画像コードリーダ1303と購入者1300との距離D150、購入者1300と販売者1301との距離D152が計測された状態を模式的に示す。
【0082】
店舗サーバ装置1302は、計測結果における購入者を特定する(ステップS1414)。たとえば、画像コードリーダ1303と物体センサ1304を据え置きとすることで、物体センサ1304と画像コードリーダとの相対的な位置関係は固定される。よって、物体センサ1304の計測結果において、画像コードリーダ1303の位置が特定される。店舗サーバ装置1302は、確認情報取得から十分短時間(たとえば一秒以下〜数秒)以内に物体センサ1304に計測を実行させるので、画像コードリーダ1303に確認情報を読み取らせた購入者1300が、画像コードリーダ1303の付近で計測される蓋然性が高くなる。よって、店舗サーバ装置1302は、計測された物体のうち、画像コードリーダ1303からの距離D150が十分短い(たとえば30cm以下)購入者1300を特定する。
【0083】
次いで、店舗サーバ装置1302は、販売者1301を特定し、購入者1300と販売者1301の距離を導出する(ステップS1416)。たとえば、店舗サーバ装置1302は、
図15において計測された物体のうち、特定された購入者1300からの距離D151が十分短い(たとえば50cm以下)販売者1301を特定するとともに、距離D151を導出する。
【0084】
次いで、店舗サーバ装置1302は、カウンセリングの実施を判定する(ステップS1418)。たとえば、店舗サーバ装置1302は、
図15において特定された購入者1300と販売者1301との距離D151が所定値(たとえば50cm)以下の場合、対面カウンセリングが実施されていると判定し、その距離D151が維持される時間を計測する。そして、その時間が所定値(たとえば10分〜2時間)以上の場合に、カウンセリング実施済みと判定する。そして、店舗サーバ装置1302は、カウンセリング実施判定結果を含むカウンセリング実施情報144をサーバ装置10へ送出する(ステップS1420)。
【0085】
そして、サーバ装置10では、販売用端末装置から取得するカウンセリング証明情報に基づいて許可送出部27が購入許可情報を送出する際、店舗サーバ装置1302から取得したカウンセリング実施判定において対面カウンセリング実施が確認されたことを条件とすることができる。そうすることで、対面カウンセリングのより確実な実施を担保することができる。
【0086】
なお、上記実施例では、確認情報が画像コードとして表示され、これを読み取る画像コードリーダの位置に基づいて購入者を特定した。しかし、確認情報の提供・取得には、近距離通信手段を用いてもよい。確認提供する購入者と確認情報を取得する装置との距離が十分近ければ、購入者を特定することができる。
【0087】
上記実施例の特徴をまとめると次のとおりである。
購入者端末から提供される確認情報を取得する取得装置と、
取得装置周辺の物体を検出するセンサと、
前記取得装置と前記センサと情報通信可能なサーバ装置とを有し、
前記サーバ装置が、
前記取得装置が取得した確認情報を当該取得装置から取得したときの、前記センサにより検出される物体のうち、前記取得装置から第1の所定距離に位置する購入者を検出し、
前記物体のうち、前記購入者から第2の所定距離に位置する販売者を検出し、
前記購入者と前記販売者との前記第2の距離が所定時間維持されるときに、カウンセリング実施判定を、前記購入者に商品の購入を許可するための購入許可情報を送出する別のサーバに送出する、
店舗システム。
【0088】
上述において、販売者が用いる販売用端末装置11は、複数の端末装置であってもよい。たとえば、確認情報を購入用端末装置12から取得してサーバ装置10へ送出する手順と、サーバ装置10から購入許可情報を取得して購入用端末装置12に提供する手順とが、異なる端末装置により実行されてもよい。また、購入者が用いる購入用端末装置12も、複数の端末装置であってもよい。たとえば、確認情報をサーバ装置10から取得して販売用端末装置11へ提供する手順と、販売用端末装置11から購入許可情報を取得してサーバ装置10にアクセスする手順とが、異なる端末装置により実行されてもよい。
【0089】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。