(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る携帯用情報機器について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、一実施形態に係る携帯用情報機器10を閉じて収納形態とした状態での斜視図である。
図2は、
図1に示す携帯用情報機器10を開いて使用形態とした状態を模式的に示す平面図である。
図3は、
図2に示す携帯用情報機器10の内部構造を模式的に示す平面図である。
図4は、
図2中のIV−IV線に沿う模式的な断面図である。
【0017】
図1〜
図3に示すように、携帯用情報機器10は、第1筐体12Aと、第2筐体12Bと、ヒンジ装置14と、ディスプレイ16とを備える。本実施形態の携帯用情報機器10は、本のように折り畳み可能なタブレット型PCである。携帯用情報機器10は、携帯電話、スマートフォン、電子手帳又は携帯用ゲーム機等であってもよい。
【0018】
各筐体12A,12Bは、矩形の扁平な箱体であり、それぞれ底板の四周に側板17が起立形成され(
図3参照)、開口した上面にディスプレイ16が配置されている。各筐体12A,12Bは、例えばステンレスやマグネシウム、アルミニウム等の金属板、或いは炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂板等で構成される。
【0019】
筐体12A,12Bは、互いに隣接して配置されている。筐体12A,12B間は、互いの隣接縁部である一縁部12Aa,12BaのY方向両端部に設けられた一対のヒンジ装置14,14を介して連結されている。ヒンジ装置14は、第1筐体12A及び第2筐体12Bの一縁部12Aa,12Ba同士を、第1筐体12Aに対して第2筐体12Bが開閉するように回動可能に連結している。筐体12A,12B間は、ヒンジ装置14によって回動可能に連結されている。筐体12A,12B間は、
図1に示す収納形態と
図2に示す使用形態との間で、所望の角度位置に動作させることができる。
図3中に1点鎖線で示す線Cは、筐体12A,12Bの折り畳み動作の中心となる折曲中心Cを示している。筐体12A,12Bは、
図1に示す収納形態において、一縁部12Aa,12Ba間が大きく離間する。そこで、一縁部12Aa,12Baの境界部は、背表紙部材18によって覆われている。
【0020】
以下、
図1〜
図3に示すように、携帯用情報機器10について、筐体12A,12Bの並び方向をX方向、X方向と直交する背表紙部材18の長手方向をY方向と呼んで説明する。
【0021】
図1及び
図3に示すように、背表紙部材18は、筐体12A,12Bの内面12Ab,12Bbに取り付けられている。背表紙部材18は、蛇腹形状のシート状部材である。背表紙部材18は、例えばX方向一端部が第1筐体12Aに固定され、X方向他端部が第2筐体12Bにスライド可能に支持されている。
【0022】
ディスプレイ16は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ16は、例えば柔軟性の高いペーパー構造を持った有機EL等のフレキシブルディスプレイである。ディスプレイ16は、第1筐体12Aと第2筐体12Bとのディスプレイ面を連続して覆い、筐体12A,12Bの開閉動作に伴って開閉する。ディスプレイ16は、その表面(ディスプレイ面)16aの外周縁部にベゼル部材20が配設されている(
図2参照)。ベゼル部材20は、可撓性を持った枠状のシート状部材である。ベゼル部材20は、ディスプレイ16の表面16aの表示領域(アクティブ領域)を除く外周縁部の非表示領域(非アクティブ領域)を覆っている。
図4に示すように、ベゼル部材20は、筐体12A,12Bの側板17と、ディスプレイ16の表面16aの外周縁部とに跨るように取り付けられている。これによりベゼル部材20は、第1筐体12A及び第2筐体12Bのディスプレイ面のうち、ディスプレイ16以外の部分を覆っている。
【0023】
ディスプレイ16は、筐体12A,12Bの内面12Ab,12Bb間に亘るように設けられている。ディスプレイ16は、内面12Ab,12Bbに対して、第1支持プレート22A及び第2支持プレート22Bを介して支持されている(
図3及び
図4参照)。
図3中に2点鎖線で示すように、支持プレート22A,18Bは、それぞれ矩形状に形成された薄いプレート部材である。第1支持プレート22Aは、第1筐体12Aと固定されている。第2支持プレート22Bは、第2筐体12Bと固定されている。ディスプレイ16は、支持プレート22A,18Bの上面に両面テープ等を用いて固定されている。ディスプレイ16は、ヒンジ装置14と重なる帯状の領域が、折曲領域16bとなる。折曲領域16bは、支持プレート22A,18Bに対して固定されておらず、相対移動可能な状態となっている(
図7B及び
図7C参照)。
【0024】
各筐体12A,12B内には、例えば各種半導体チップ等を実装した基板24、バッテリ装置25、アンテナ装置26の他、各種電子部品、冷却装置等が収容されている。これらの電子部品等は、内面12Ab,12Bbと支持プレート22A,22Bとの間に形成された空間に収容されている。
【0025】
次に、ヒンジ装置14の具体的な構成例を説明する。
図5は、ヒンジ装置14の斜視図である。
図6は、
図5に示すヒンジ装置14の一部を拡大した斜視図である。
図7A〜
図7Cは、ヒンジ装置14を使用形態から収納形態まで折り畳む動作図である。
図7Aは、使用形態でのヒンジ装置14の状態を模式的に示す側面図である。
図7Bは、
図7Aに示す状態からヒンジ装置14を折り畳み動作させた状態を模式的に示す側面図である。
図7Cは、
図7Bに示す状態からヒンジ装置14をさらに折り畳み動作させて収納形態とした状態を模式的に示す側面図である。
【0026】
図4に示すように、各ヒンジ装置14は、ディスプレイ16の外周縁部の側方であって、ベゼル部材20の下方となる位置に配置されている。本実施形態のヒンジ装置14は、ディスプレイ16の表面16aを予め設定された開閉軌跡に沿って常に移動させることができるように、筐体12A,12B間を回動させる。
【0027】
図5、
図6及び
図7Aに示すように、ヒンジ装置14は、第1ベースプレート30と、第2ベースプレート31と、第1リンクアーム32と、第2リンクアーム33と、連結プレート34と、第1ギヤアーム36と、第2ギヤアーム37とを備える。さらにヒンジ装置14は、第1ブラケット38と、第2ブラケット39とを備える。ヒンジ装置14は、これら各要素を回転軸となる軸40〜47で支承している。以下では、特に説明する場合を除き、
図7Aに示す使用形態でのヒンジ装置14の配置を基準として各要素の位置関係を説明する。
【0028】
図3及び
図5に示すように、第1ブラケット38は、ヒンジ装置14の第1筐体12Aに対する取付ブラケットであり、ブロック状の金属で形成されている。第1ブラケット38は、例えば各所に形成された複数の締結孔38aを介して内面12Abにねじ止めされる。第2ブラケット39は、ヒンジ装置14の第2筐体12Bに対する取付ブラケットであり、ブロック状の金属や樹脂で形成されている。第2ブラケット39は、例えば各所に形成された複数の締結孔39aを介して内面12Bbにねじ止めされる。各ブラケット38,39は、互いに向き合う端面にそれぞれ凹状部38b,39bを有する。本実施形態の場合、一部の締結孔39a及び一部の締結孔38aは、それぞれ支持プレート22A,22Bの取り付けに使用される。
【0029】
図6及び
図7Aに示すように、第1ベースプレート30は、薄い金属プレートである。第1ベースプレート30は、複数枚が第1リンクアーム32や第1ギヤアーム36の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。隣接する第1ベースプレート30,30間には、第1リンクアーム32及び第1ギヤアーム36が摺動可能な状態で挟持されている。第1ベースプレート30は、一端側が凹状部38b内で第1ブラケット38に固定され、他端側が凹状部38b外へと突出している。第1ベースプレート30は、凹状部38bから外に突出した先端部30aが側面視で先細りの略三角形状を有する。先端部30aには、第1軸40と、第5軸41とが軸支されている。第5軸41は、先端部30aの先端に設けられている。第1軸40は、第5軸41よりも第1ブラケット38寄りの位置であって、多少下となる位置に設けられている。ベースプレート30,31の形状は適宜変更可能である。各軸40〜47は、例えば金属製のシャフトである。
【0030】
第2ベースプレート31は、第1ベースプレート30と左右対称構造である。つまり第2ベースプレート31は、一端側が凹状部39b内で第2ブラケット39に固定され、他端側が凹状部39b外へと突出している。第2ベースプレート31についても、複数枚が第2リンクアーム33や第2ギヤアーム37の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。隣接する第2ベースプレート31,31間には、第2リンクアーム33及び第2ギヤアーム37が摺動可能な状態で挟持されている。第2ベースプレート31は、凹状部39bから外に突出した先端部31aに、第2軸42及び第7軸43が軸支されている。各軸42,43の配置も、第1ベースプレート30での各軸40、41の配置と左右対称配置である。
【0031】
第1リンクアーム32は、薄い金属プレートである。第1リンクアーム32は、複数枚が第1ベースプレート30の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。第1リンクアーム32は、例えば矩形状のプレートであり、第1軸40側の第1端部から逆側の第2端部に向かって次第に下方に傾斜している。リンクアーム32,33の形状は適宜変更可能である。第1リンクアーム32は、第1ギヤアーム36と同一面内で並んで配置され、隣接する第1ベースプレート30,30間に挟持されている。第1リンクアーム32は、一縁部12Aa側の第1端部が、第1軸40を介して第1ベースプレート30と回転可能に連結されている。第1リンクアーム32は、第1端部とは逆側の第2端部が、第3軸44を介して連結プレート34と回転可能に連結されている。つまり第1リンクアーム32は、連結プレート34を、第1ブラケット38を介して第1筐体12Aと固定された第1ベースプレート30に対して相対移動可能に連結している。
【0032】
第2リンクアーム33は、第1リンクアーム32と左右対称構造である。つまり第2リンクアーム33は、第1端部が第2軸42を介して第2ベースプレート31と回転可能に連結され、第2端部が第4軸45を介して連結プレート34と回転可能に連結されている。つまり第2リンクアーム33は、連結プレート34を、第2ブラケット39を介して第2筐体12Bと固定された第2ベースプレート31に対して相対移動可能に連結している。第2リンクアーム33についても、複数枚が第2ベースプレート31の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。
【0033】
連結プレート34は、左右のリンクアーム32,33間を連結した金属プレートである。連結プレート34は、側面視で湾曲して略皿形状を成している。連結プレート34の外周端面34a(
図7A中の下端面)は、
図1に示す収納形態時の背表紙部材18の内面に沿って配置される。連結プレート34は、各ベースプレート30,31と同一面内に配置され、各ベースプレート30,31の下方(外側)に位置している。連結プレート34は、複数枚が第1リンクアーム32や第2リンクアーム33の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。連結プレート34は、第1端部が第3軸44を介して第1リンクアーム32と回転可能に連結されている。連結プレート34は、第1端部とは逆側の第2端部が第4軸45を介して第2リンクアーム33と回転可能に連結されている。連結プレート34の中央部には、折曲中心Cを挟んで左右に並んだ第6軸46及び第8軸47が軸支されている。
【0034】
第1ギヤアーム36は、金属プレートである。第1ギヤアーム36は、側面視で略眼鏡形状を成している。第1ギヤアーム36は、第1筐体12Aの一縁部12Aaの端面に沿って上下方向に延びている。第1ギヤアーム36は、第1リンクアーム32と同一面内で並んで配置され、隣接する第1ベースプレート30,30間に摺動可能な状態で挟持されている。第1ギヤアーム36は、第1リンクアーム32よりも一縁部12Aa側に位置している。第1ギヤアーム36は、複数枚が第1ベースプレート30の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。第1ギヤアーム36は、上端部が第5軸41を介して第1ベースプレート30と回転可能に連結されている。第1ギヤアーム36は、下端部が第6軸46を介して連結プレート34と回転可能に連結されている。第1ギヤアーム36は、第6軸46の軸回りに形成された円周状の端面に第1ギヤ36aを有する。
【0035】
第2ギヤアーム37は、第1ギヤアーム36と左右対称構造である。つまり第2ギヤアーム37は、上端部が第7軸43を介して第2ベースプレート31と回転可能に連結され、下端部が第8軸47を介して連結プレート34と回転可能に連結されている。第2ギヤアーム37は、複数枚が第2ベースプレート31の板厚分の間隔を介して板厚方向に並設されている。第2ギヤアーム37は、第8軸47の軸回りに形成された円周状の端面に第2ギヤ37aを有する。第2ギヤ37aは、第1ギヤ36aと噛合している。
【0036】
第1ギヤアーム36と第2ギヤアーム37とは、各ギヤ36a,37aの噛合作用下に同期回転する。すなわち、例えば
図7Aに示す状態から、第1ギヤアーム36が第6軸46を回動中心として反時計方向に回動すると、第2ギヤアーム37は第8軸47を回動中心として時計方向に回動し、両者の回動動作は同期する。このように、第1ギヤアーム36及び第2ギヤアーム37は、ヒンジ装置14の第1筐体12A側の各要素(第1ベースプレート30や第1リンクアーム32)と、第2筐体12B側の各要素(第2ベースプレート31や第2リンクアーム33)との動作を同期させる機構を構成している。
【0037】
従って、ヒンジ装置14は、第1筐体12A側では、第1ベースプレート30及び連結プレート34の左半部が複数枚並列され、その間に第1リンクアーム32及び第1ギヤアーム36を挟んだ積層構造となっている。ヒンジ装置14は、第2筐体12B側では、第2ベースプレート31及び連結プレート34の右半部が複数枚並列され、その間に第2リンクアーム33及び第2ギヤアーム37を挟んだ積層構造となっている。そして、各軸40〜47は、これら積層されたベースプレート30,31、リンクアーム32,33、連結プレート34、及びギヤアーム36,37を積層方向に貫通して支承している。なお、ヒンジ装置14の各要素、つまりベースプレート30,31、リンクアーム32,33と、連結プレート34、ギヤアーム36,37、及びブラケット38,39の形状は適宜変更してもよいことは勿論である。
【0038】
次に、
図7A〜
図7Cを参照して、当該携帯用情報機器10を使用形態から収納形態まで回動させる動作を説明する。
【0039】
ヒンジ装置14は、
図7Aに示す使用形態では、第1ベースプレート30と第2ベースプレート31とがX方向に並んで平行に配置されている。この状態では、各ベースプレート30,31の先端部30a,31aは、互い先端面同士が当接又は近接している。また、第1リンクアーム32は、第1軸40を回動中心として最も時計方向に回動した姿勢にある。同様に、第2リンクアーム33は、第2軸42を回動中心として最も反時計方向に回動した姿勢にある。このため、連結プレート34は、左右両端が各リンクアーム32,33によって引き上げられて最も上昇した位置にある。なお、第1ギヤアーム36は、第6軸46を回動中心として最も時計方向に回動した姿勢にある。同様に、第2ギヤアーム37は、第8軸47を回動中心として最も反時計方向に回動した姿勢にある。
【0040】
従って、ヒンジ装置14は、使用形態では、連結プレート34が各ベースプレート30,31の下端部に最接近して薄型化されている。このため、ヒンジ装置14は、側面視で筐体12A,12Bの内側に完全に収容されている。
【0041】
なお、
図7A〜
図7Cでは、図面の見易さを確保するため、ディスプレイ16をベースプレート30,31の上端面よりも上方に配置して図示している。しかしながら、
図4に示すように、本実施形態のヒンジ装置14は、実際には、ベースプレート30,31の上端面がディスプレイ16よりも上方に配置されている。勿論、
図7A等に示すように、ディスプレイ16をベースプレート30,31の上端面よりも上方に配置した構成としてもよい。
【0042】
次に、携帯用情報機器10を使用形態(180度位置)から
図7Cに示す収納形態(0度位置)とする場合は、例えば各筐体12A,12Bをそれぞれ左右の手で把持し、ディスプレイ16を閉じる方向に折り畳む。
【0043】
そうすると、
図7A及び
図7Bに示すように、連結プレート34は、左右両端の軸44,45間を引き離す方向の力と、筐体12A,12B間の角度に応じた回動力とを受ける。その結果、ヒンジ装置14は、第1リンクアーム32が第1軸40を回動中心として
図7A中で反時計方向に回動する。同時に、第2リンクアーム33が第2軸42を回動中心として
図7A中で時計方向に回動する。その結果、連結プレート34は、その左右中央部及びその周辺部がベースプレート30,31から離間する方向に押し出される。これにより、ヒンジ装置14は、使用形態から収納形態へと回動する際、連結プレート34が次第に外側へと張り出すように移動する。つまり連結プレート34は、互いに離間した筐体12A,12Bの一縁部12Aa,12Ba間の隙間を塞ぐように進出し、次第にディスプレイ16の折曲領域16bの裏面から離間する。
【0044】
このように、当該ヒンジ装置14は、ディスプレイ16の折曲領域16bの裏面側に位置する連結プレート34が筐体12A,12B間の閉じ動作に伴ってディスプレイ16から離間する。すなわち、上記の通り、当該ヒンジ装置14は、ディスプレイ16の表面16aを予め設定された開閉軌跡に沿って常に移動させる構成となっている。このため、折り畳み動作時には、ディスプレイ16よりも外側にある連結プレート34が、内輪差によってディスプレイ16に接近し、干渉する懸念がある。この点、当該ヒンジ装置14は、折り畳み動作時に連結プレート34がディスプレイ16から逃げる方向に移動するため、両者間の干渉が防止されている。その結果、ヒンジ装置14は、ディスプレイ16の折曲領域16bを所望の曲率に維持したまま円滑に折り曲げることができ、ディスプレイ16での不具合の発生を抑制できる。
【0045】
この回動動作時、各ギヤアーム36,37は、互いのギヤ36a,37aの噛合作用によって逆方向に同期して回動する。具体的には、第1ギヤアーム36は、第5軸41を回動中心として見ると、
図7A中で反時計方向に回動する。同時に、第2ギヤアーム37は、第7軸43を回動中心として見ると、
図7A中で時計方向に回動する。このギヤアーム36,37の同期作用により、各リンクアーム32,33間の逆方向の回動動作も同期する。その結果、回動動作中、連結プレート34は、傾き等を生じることなく、筐体12A,12B間の角度位置と対応した姿勢のまま回動及び移動を行う。つまりヒンジ装置14は、筐体12A,12B間を回動させる際の第1筐体12A側の各要素と、第2筐体12B側の各要素との動作が同期する。このため、ヒンジ装置14は、連結プレート34の動作が左右の筐体12A,12Bに対して均等に維持され、高い安定性を持って筐体12A,12B間を回動させることができる。なお、回動動作時の安定性を高める必要のない仕様等では、各ギヤアーム36,37及びこれと連結された第5軸41、第7軸43、第6軸46、第8軸47は省略してもよい。
【0046】
ここで、ヒンジ装置14は、各ベースプレート30,31が複数枚並列されると共に、その間に各リンクアーム32,33及び各ギヤアーム36,37を挟持した積層構造を有する。このため、回動動作時、これら各ベースプレート30,31と各リンクアーム32,33及び各ギヤアーム36,37との摺動抵抗により、ヒンジ装置14は所定の回動トルクを発生することができる。その結果、ヒンジ装置14による筐体12A,12B間の回動動作が安定する。このため、例えば
図7Bに示すように、筐体12A,12Bを120度位置に回動させてこの状態で筐体12A,12B間の角度位置を維持することもできる。そうすると、例えば
図7B中で第2筐体12B側のディスプレイ16の一部にソフトウエアキーボード等を表示し、当該携帯用情報機器10をノート型PCとしても利用することができる。なお、ヒンジ装置14の回動トルクは、例えば各軸40〜47と第1ベースプレート30や第1リンクアーム32等との回転部分にトルクを負荷した構成等で発生させてもよい。
【0047】
ヒンジ装置14は、
図7Cに示す収納形態では、各ベースプレート30,31がそれぞれ互いに平行し、ディスプレイ16を介して互いに向かい合った配置となる。この状態では、第1リンクアーム32は、第1軸40を回動中心として、第1ベースプレート30に対して最も反時計方向に回動した姿勢となる。同様に、第2リンクアーム33は、第2軸42を回動中心として第2ベースプレート31に対して最も時計方向に回動した姿勢となる。
【0048】
従って、収納形態において、連結プレート34は、その左右両端部が各リンクアーム32,33によって、再びディスプレイ16に近接する方向に引き寄せられた位置となる。この際、連結プレート34は、その外周端面34aを含む大部分が各筐体12A,12Bの一縁部12Aa,12Baから外側に張り出している。一方、外周端面34aとは逆の内周側の端面は、ディスプレイ16の折曲領域16bの裏面に対して、所定の隙間を挟んで対向した配置となる。従って、当該ヒンジ装置14は、収納形態では、X方向に薄型化されつつも、ディスプレイ16には干渉しない構成となっている。
図7Cでは背表紙部材18の図示を省略しているが、収納形態において、Y方向両端の各ヒンジ装置14の連結プレート34の外周端面34aは、背表紙部材18や両筐体12A,12Bの裏面全体を連続的に覆うカバー部材(不図示)で覆われる。
【0049】
なお、
図7Cに示す収納形態から
図7Aに示す使用形態への回動動作は、上記した折り畳み動作と逆の動作となるため、説明は省略する。
【0050】
以上のように、本実施形態の携帯用情報機器10では、ヒンジ装置14は、第1ベースプレート30と、第2ベースプレート31と、第1端部が第1軸40を介して第1ベースプレート30と回転可能に連結された第1リンクアーム32と、第1端部が第2軸42を介して第2ベースプレート31と回転可能に連結された第2リンクアーム33と、第1端部が第3軸44を介して第1リンクアーム32の第2端部と回転可能に連結され、第2端部が第4軸45を介して第2リンクアーム33の第2端部と回転可能に連結された連結プレート34と、を有する。そして、ヒンジ装置14は、第1筐体12Aに対する第2筐体12Bの開閉状態に関わらず、その全体がディスプレイ面の下方、
図4の構成例ではベゼル部材20の下方に配置されている。
【0051】
このように、当該携帯用情報機器10は、筐体12A,12Bと固定されたベースプレート30,31に対して、リンクアーム32,33を介して連結プレート34を連結している。これにより、当該携帯用情報機器10は、筐体12A,12B間の折り畳み動作時に連結プレート34がディスプレイ16の折曲領域16bから離間するように移動する。すなわち、当該携帯用情報機器10では、ディスプレイ16の表面16aよりも外側にあるヒンジ装置14の各要素は、折り畳み時に内輪差を受ける。しかしながら、ヒンジ装置14は、連結プレート34が折り畳み時にディスプレイ16から離間する方向に移動することで、上記の内輪差を吸収できる。そこで、当該携帯用情報機器10では、ベースプレート30,31、リンクアーム32,33、及び連結プレート34や各軸40等のヒンジ装置14の全要素を、ディスプレイ16の表面16aよりも外側に配置している。具体的には、上記構成例では、ヒンジ装置14をベゼル部材20の下に収容している。このため、当該携帯用情報機器10は、ヒンジ装置14が筐体12A,12Bの上面に露出し、外観品質が低下することを抑制できる。
【0052】
ヒンジ装置14は、ディスプレイ16の下方、本実施形態では支持プレート22A,22Bの下方に配置してもよい(
図4中に2点鎖線で示すヒンジ装置14参照)。但し、この構成では、ベゼル部材20の下方にヒンジ装置14を配置した構成に比べ、ヒンジ装置14の位置がディスプレイ16の表面16aよりも遠くなる。このため、この構成では、ベゼル部材20の下方にヒンジ装置14を配置した構成よりも内輪差の影響が大きくなり、連結プレート34の移動量を大きくする必要がある。換言すれば、上記構成例では、ヒンジ装置14をベゼル部材20の下方に配置したことで、ヒンジ装置14を可及的にディスプレイ16の表面16aの近くに配置できている。例えば
図4に実線で示すヒンジ装置14は、その上面がディスプレイ16の表面16aと略一致する位置に配置されている。このため、ヒンジ装置14は、折り畳み時の連結プレート34の移動量を最小限に設定ですることができ、その厚みを最小限に構成できるという利点がある。ヒンジ装置14は、ベゼル部材20及びディスプレイ16の下方に跨るように配置されてもよい。
【0053】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0054】
上記では、ブラケット38,39を介してベースプレート30,31を筐体12A,12Bに固定した構成を例示した。しかしながら、ベースプレート30,31は、ブラケット38,39を介さずに直接的に筐体12A,12Bに固定してもよい。なお、ブラケット38,39を用いることで、ヒンジ装置14の筐体12A,12Bに対する取付性や製造効率が向上する。
【0055】
上記では、背表紙部材18を用いた構成を例示した。しかしながら、背表紙部材18は省略してもよい。すなわち、例えばヒンジ装置14がY方向全長に亘って延在していれば、一縁部12Aa,12Ba間の隙間は、狭い間隔で並んだ連結プレート34の外周端面34aで塞がれるため、外観品質の低下は最小限となる。
【0056】
上記では、本のように二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器10を例示したが、本発明は、同形の筐体部材同士を二つ折りに折り畳む構成以外、例えば大形の筐体部材の左右縁部にそれぞれ小形の筐体部材を折り畳み可能に連結した観音開きの構成、1つの筐体部材の左右縁部にそれぞれ折り畳み方向の異なる筐体部材を連結したS型の折り畳み構成、大形の筐体部材の左右一方の縁部に小形の筐体部材を折り畳み可能に連結したJ型の折り畳み構成等、各種構成に適用可能であり、筐体部材の連結数は4以上としてもよい。