【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様では、以下のステップを含む方法によって製造された、複数の規則的な一体形成表面構造を有する銅基質であって、:
前記銅基質の表面を試薬溶液と接触させるステップであって、前記試薬溶液はアルカリと酸化剤とを含むステップ、
を含み、
前記酸化剤が過硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化合物、次亜ハロゲン酸塩(hypohalites)及び過マンガン酸塩からなる群から選択され;且つ、
前記試薬溶液中の前記酸化剤の濃度は、少なくとも約0.3Mである;
銅基質が提供される。
【0015】
本開示は、抗菌特性を有する基質の製造方法にも関する。当該方法は、前記基質表面上に沈殿させることによって複数の一体的に形成されたマイクロサイズ又はナノサイズの表面フィーチャを生成するため、前記基質の表面を試薬溶液と接触させるステップを含む。各表面フィーチャは、結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含む。
【0016】
有利には、開示された方法は、抗菌特性を示すように調整可能又はスケーラブルな物理的寸法を有する表面フィーチャを提供することができる。例えば、試薬溶液の組成/濃度又は接触時間を変えることによって、寸法を調整することができる。さらに有利には、表面フィーチャを形成するために従来のエッチング又はリソグラフィ技術を使用する場合のように、これらの表面フィーチャの分解能(resolution)は、モールド(mold)の分解能によって制限されない。より有利には、開示された方法は、前記基質の表面上にナノサイズの表面フィーチャを得るために、複雑な又はマルチステップのナノインプリント又はスクリーン印刷方法を必要としない。有利には、開示された方法は、従来の表面改質技術に対して可鍛性(malleable))ではない「硬質」金属基質と共に使用することができる。開示された方法はまた、複雑で高解像度のリソグラフィ技術(例えば、電子ビームリソグラフィ)と比較して、比較的短時間でこれらの表面フィーチャを形成することができる。有利には、開示された方法は、生物学的模倣が可能な、例えば自然界に見られる物理的、非化学的な殺菌特性を複製又は模擬することができる、金属基質を製造することができる。
【0017】
本開示は、本明細書に開示された基質を表面に結合させることによって、表面に抗バクテリア特性又は抗微生物特性を提供する方法をさらに提供する。例えば、滅菌システム、医療キット、器具、アパレルなどのために、生体外(ex-vivo)環境における細菌又は微生物の増殖を阻害するためか、又は死滅するための、本明細書中に開示される基質の非治療的使用がさらに提供される。あるいは、本明細書に開示されるような基質は、治療に使用されてもよい(例えば、創傷絆創膏)。
【0018】
別の態様では、微生物の成長を死滅又は阻害する方法が提供される。前記方法は、本明細書に開示されるような銅基質を提供するステップと、前記微生物を前記銅基質と接触させるステップと、を含む。
【0019】
さらなる態様では、微生物の成長を死滅又は阻害する方法が提供される。当該方法は以下のステップ:
亜鉛基質を提供するステップであって、
前記亜鉛基質は、前記亜鉛基質の表面に複数の一体的に形成されたニードルを含み、各ニードルは六方晶構造及び少なくとも1つの尖った末端を含み、各ニードルの長さは約500nm〜5μmであり、各ニードルの基部の断面は、約10nm〜500nmの直径を有する円形であり、
前記ニードルの遠位端は、約1nm〜100nmの直径を有する円形断面の先端であり、
不溶性塩を形成するため、前記亜鉛表面が硝酸塩と反応性であり、及び
前記六方晶構造が前記不溶性の酸化物塩を含む、ステップと;
前記微生物を前記亜鉛基質と接触させるステップと;
を含む。
【0020】
さらに別の態様では、微生物の成長を死滅又は阻害する方法が提供される。当該方法は以下のステップ:
以下により調製された複数の規則的な一体形成表面構造を有する亜鉛基質を提供するステップと;
前記亜鉛基質の表面を、試薬溶液と接触させるステップであって、前記試薬溶液はアルカリ及び硝酸塩を含み、
試薬溶液中の前記アルカリの濃度が約1.0M〜約2.5Mである、ステップと;
前記微生物を前記銅基質と接触させるステップと;
を含む。
【0021】
別の態様では、生体外(ex-vivo)環境に抗菌特性を提供するための、本明細書に開示されているような銅基質又は亜鉛基質の使用が提供される。
【0022】
定義
本明細書で使用される以下の単語及び用語は、以下に示された意味を有するものとする。
【0023】
「微生物(microbe)」という用語は、細菌、真菌、藻類、酵母、カビ及びウイルスを包含する1つ又は複数の微生物(microorganisms)を指す。
【0024】
用語「抗菌性(antimicrobial)」は、微生物の増殖を死滅するか又は阻害するいずれのものを指す。「抗菌性」という用語は、物又は当該物の特性を記述するために使用することができ、この文脈では、微生物の増殖を死滅する又は阻害する能力を指す。したがって、「抗菌性」という用語は、細菌(bacteria)の増殖を死滅するかもしくは阻害するいずれのものを意味し、又は事物もしくは当該事物の特性を記述するとき、細菌の増殖を死滅するもしくは阻害する能力を指す。用語「抗菌性」、「殺菌剤」及び「殺生物剤」は互換的に使用される。
【0025】
接頭辞「ナノ」は、1μm未満のスケールの平均サイズを示す。したがって、本明細書の文脈において使用される用語「ナノサイズの」は、ナノスケールの大きさである少なくとも一次元、例えば長さ又は高さ、を有するフィーチャを指す。用語「ナノ構造」又はその文法上の変形は、ナノスケールにおいて少なくとも一次元を有する、フィーチャ又はパターン、例えばブレード又はチューブ、を指すために、それに応じて解釈されるべきである。
【0026】
接頭辞「マイクロ」は、約1μm〜約1000μmのスケールの平均サイズを示す。したがって、本明細書の文脈において使用される「マイクロサイズの」という用語は、マイクロスケールのサイズである少なくとも一次元、例えば長さ又は高さ、を有するフィーチャを指す。
【0027】
本明細書中で使用される用語「結晶質」又は「結晶相」は、長距離にわたって維持される分子の規則的な繰り返し配列、又は規則的に繰り返される外面平面を有する物理的状態を指すと広く解釈されるべきである。規則的に繰り返すビルディングブロックは、明確な対称性に従って、3次元で繰り返される単位セルに配置される。
【0028】
「実質的に」という語は「完全に」を除外しない。例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要に応じて、「実質的に」という語は、本発明の定義から省略することができる。
【0029】
別段の指定がない限り、「含む(comprising)」及び「含む(comprise)」という用語及びその文法的変形は、列挙された要素を包含するが追加の列挙されていない要素を含めることができるように「オープンな」又は「包括的な」言語を表すことを意図している。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語「約」は、製剤(formulations)の成分濃度の文脈において、典型的には記載された値の+/−5%、より典型的には記載された値の+/−4%、より典型的には+/−より典型的には記載された値の+/−2%、さらにより典型的には記載された値の+/−1%、さらにより典型的には記載された値の±0.5%を意味する。
【0031】
この開示を通して、特定の実施形態を範囲形式で開示することができる。範囲形式の記述は、便宜上及び簡潔のためのものであり、開示された範囲の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、ある範囲の説明は、すべての可能な部分範囲、並びにその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1〜6のような範囲の記載は、1〜3,1〜4,1〜5,2〜4,2〜6,3〜6等の部分範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば1,2,3,4,5及び6を具体的に開示したものとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0032】
特定の実施形態は、本明細書において広く一般的に記載されてもよい。包括的な開示に含まれるよりも狭い種及び準一般的な(sub-generic)グループの各々も、本開示の一部を形成する。これは、削除された物質が本明細書に具体的に列挙されているかどうかにかかわらず、属からいずれの主題を除去する条件又は否定的な制限を有する実施形態の包括的な説明を包含する。
【0033】
実施形態の詳細な開示
一体的に形成された複数の表面フィーチャを含む基質の例示的で非限定的な実施形態を開示する。
【0034】
複数の実施形態では、複数の一体的に形成された表面フィーチャを含む基質であって、前記表面フィーチャがマイクロサイズ及び/又はナノサイズであり、各表面フィーチャが結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含む、基質が提供される。
【0035】
開示された基質は、多種多様な材料から製造されてもよい。例えば、基質は、金属又はポリマーを含むことができる。別の例では、基質は、少なくとも1つの金属、1つのポリマー、金属の混合物、ポリマーの混合物、又はポリマーと金属の混合物を含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、開示された基質は、その表面上の前記複数の表面フィーチャの成長をサポートすることができる。一実施形態では、基質は、その表面上の基質の塩の成長をサポートすることができる。有利には、表面構造は、基質上の塩の沈殿によって一体的に形成されてもよい。したがって、塩を含む表面構造又はフィーチャの堆積をサポートすることができる任意の基質は、本開示に適している可能性がある。
【0037】
他の実施形態では、開示された基質は、それによってその表面に前記複数の表面フィーチャを一体的に形成するため、反応することができる。一実施形態では、それによって前記複数の表面フィーチャを一体的に形成するため、基質の表面は酸化剤と反応性であり得る。有利には、表面構造は、基質の塩を得るために、基質と酸化剤との単純な(straightforward)反応によって一体的に形成されてもよい。したがって、酸化された場合に表面構造又はフィーチャを形成することができる任意の基質は、本開示に適する可能性がある。
【0038】
一実施形態では、基質は、酸化剤と不溶性の塩を形成することができる任意の適切な反応性金属を含む金属表面を含む。別の実施形態において、基質は、その上に不溶性塩の成長を支持することができる任意の適切な金属を含む金属表面を含む。一例では、金属表面を含む基質は、二価の金属を含むことができる。別の例では、金属表面を含む基質は、周期律表の第11族から選択される遷移金属、例えばCu又は周期表の第12族、例えばZnを含むことができる。
【0039】
実施形態において、金属は合金又は多層構造であってもよく、場合によって少なくとも1つの酸化可能な金属表面を含む。金属は、アルミニウム系合金、銅系合金、鉄系合金、ニッケル系合金、チタン系合金、錫系合金、亜鉛系合金、鋼、真ちゅう又はhastelloy(商標)を包含することができる。金属は、遷移金属、希土類金属、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、スズ、亜鉛、マンガン、クロム、炭素、ケイ素、タングステン及び他の適切な合金金属からなる群から選択される2つ以上の金属を包含することができる。
【0040】
それにより、その表面に前記複数の表面フィーチャを一体的に形成するため、基質表面は、反応性又は酸化性溶液の1つ以上の層でコーティングされることができる。基質表面の酸化は、表面に接触する典型的な有機又は無機溶媒又は水性媒体に不溶性である塩又は塩結晶を形成し得る。したがって、一実施形態では、表面フィーチャの結晶相は、表面の酸化によって形成された不溶性塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、基質表面は、表面に接触する典型的な有機又は無機溶媒又は水性媒体に不溶性である塩のイオンを含む試薬溶液の1つ以上の層でコーティングすることができる。したがって、一実施形態では、表面フィーチャの結晶相は、基質表面上への沈殿又は沈着によって形成された不溶性塩を含むことができる。例えば、塩又は塩の結晶は、雨水、果汁又は発汗に不溶性であってもよい。したがって、開示された基質は、有利には耐候性であり得、開示された基質の抗微生物特性及び抗バクテリア特性が長期間持続することがある。形成された表面フィーチャは有利には規則的で結晶性であり、そうでなければトップダウン表面改質技術では得ることが困難である。
【0041】
一実施形態では、表面フィーチャの結晶相は、酸化物塩又は水酸化物塩を含むことができる。有利には、酸化物及び水酸化物表面フィーチャは、酸化反応、酸/塩基反応又は塩析出反応を介してin−situで形成することができる。有利なことに、このような表面フィーチャの製造は、複雑な技術、例えばプラズマエッチング、反応性イオンエッチング、物理的又は化学的気相堆積技術又はリソグラフィ技術を必要としない。一実施形態では、酸化物及び/又は水酸化物フィーチャは、ワンポット又はワンステップ反応合成を介して形成することができる。酸化物又は水酸化物表面フィーチャは、有利には、単純な酸化又は析出反応から形成され得る。
【0042】
したがって、一実施形態では、複数の一体的に形成された表面フィーチャを含む基質であって、
前記表面フィーチャがマイクロサイズ及び/又はナノサイズであり、各表面フィーチャが結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含み、且つ、
前記表面フィーチャは、それによって、前記基質の前記表面上に前記表面フィーチャを一体的に形成するため、アルカリ及び酸化剤を含む酸化溶液と前記基質の表面とを接触させることを含むワンステッププロセスによって形成されるか、又はそれから得ることができる、
基質が提供される。前記基質の表面を、アルカリ及び酸化剤を含む酸化溶液と接触させるプロセスは、各々が少なくとも1つの尖った末端を含む前記複数の表面フィーチャの形成をもたらすことが仮定される。それらの化学的形成の性質に起因して、前記プロセスから形成された各表面フィーチャの構造の正確な特徴付けは、物理的特性によって余す所なく記載されない場合があるとはいえ、前記表面フィーチャの例示的かつ任意選択の実施形態を以下に記載する。
【0043】
したがって、別の実施形態では、複数の一体的に形成された表面フィーチャを含む基質であって、
前記表面フィーチャがマイクロサイズ及び/又はナノサイズであり、各表面フィーチャが結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含み、且つ、
前記表面フィーチャは、それによって、前記基質の前記表面上に沈殿により前記表面フィーチャを一体的に形成するため、塩のイオンを含む試薬溶液と前記基質の表面とを接触させることを含むワンステッププロセスによって形成されるか、又はそれから得ることができる、
基質が提供される。前記基質の表面を塩のイオンを含む試薬溶液と接触させる前記プロセスは、各々が前記基質表面上に沈着又は沈殿した少なくとも1つの尖った末端を含む前記複数の表面フィーチャの形成をもたらすと仮定される。それらの化学的形成の性質に起因して、前記プロセスから形成された各表面フィーチャの構造の正確な特徴付けは、物理的特性によって余す所なく記載されない場合があるとはいえ、前記表面フィーチャの例示的かつ任意選択の実施形態を以下に記載する。
【0044】
各表面フィーチャは少なくとも1つの尖った末端を含む。前記一体的に形成された表面フィーチャの末端又は遠位端部は、前記基質と反対側の端部であり、前記基質から離れるように向いている。微生物細胞と物理的に接触すると、前記尖った末端又は突起は、有利には、細胞壁を破裂させ、及びそれによって前記細胞の成長を死滅するか、又は少なくとも阻害するのに効果的である。したがって、開示された基質に転写されるか、又は開示される基質に接触する任意の微生物は、有利には、死滅されるか、又は増殖が阻害され得る。従って、微生物によって引き起こされる感染性疾患の拡散は有利に停止されるか、又は少なくとも減速され得る。
【0045】
表面フィーチャは、前記少なくとも1つの尖った末端を提供する結晶相を含み得る。前記結晶相は、斜方晶系結晶構造、単斜晶系結晶構造、三斜晶系結晶構造、正方晶系結晶構造、六方晶系結晶構造、三方晶系結晶構造、又は立方晶系結晶構造から選択されてもよい。一実施形態において、前記結晶相は、斜方晶系結晶構造、単斜晶系結晶構造又は六方晶系結晶構造から選択される構造を有する。六方晶系の一例は、ウルツ鉱型結晶構造である。斜方晶系の結晶構造の一例は、JCPDS no.13−0420のX線回折特性を有するものである。単斜晶系結晶構造の一例は、JCPDS no.48−1548のX線回折特性を有するものである。
【0046】
前記表面フィーチャは、前記少なくとも1つの尖った末端を提供する形状のものであってもよい。前記一体的に形成された表面フィーチャは、前記基質の表面に結合された基部端部と、前記基部端部に対して寸法がより小さい遠位端部とを有する、先細りの(tapered)形状であってもよい。例えば、前記表面フィーチャは、チューブ、ブレード、ニードル、ピラミッド、コーン、ピラー及びそれらの混合物からなる群から選択される形状を有することができる。したがって、前記表面フィーチャの遠位端は、先細り先端、ブレード状(bladed)端部、円錐頂点、又はピラミッド頂点を指してもよい。好ましくは、前記遠位端は、1つの表面フィーチャの1つの尖った末端を指す。
【0047】
一実施形態では、前記表面フィーチャはナノチューブ又はニードルである。ナノチューブ又はニードルは、テーパ状であってもよいか、又はその基部セクションの断面直径と比較して、より小さな断面直径を有する遠位端を含んでもよい。対応する遠位端は、1つの直径を有する円形の断面であってもよい。別の実施形態では、前記表面フィーチャはブレードであり、前記対応する遠位端部は、幅又は厚さを有する長方形断面であり得る。
【0048】
前記表面フィーチャの例示的な寸法(dimensions)は、以下のように提供されてもよい。
【0049】
前記表面フィーチャの寸法は、マイクロサイズスケール、又はナノサイズスケール、又はマイクロサイズとナノサイズスケールとの混合物であってもよい。前記表面フィーチャの寸法は、有利には、例えば、前記基質の適用又は死滅もしくは阻害を意図する微生物(複数可)のサイズに従って調整され得る。
【0050】
前記表面フィーチャの高さの、前記表面フィーチャの末端遠位端部の寸法(dimension)に対する比は、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190又は200である。前記表面フィーチャの高さの、前記表面フィーチャの末端遠位端部の寸法(例えば直径又は厚さ)に対する比は、上記の値の任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲内であり得る。
【0051】
前記表面フィーチャの高さ又は長さは、前記基質表面に形成された前記表面フィーチャの基部から前記表面フィーチャの遠位端又は終端までの寸法を指す。本開示の文脈では、前記表面フィーチャの高さと、前記表面フィーチャの遠位端の寸法との比が高いほど、前記表面フィーチャの遠位端はよりシャープになる。表面フィーチャ高さと、前記表面フィーチャの遠位端部の寸法とのより高い比は、前記表面フィーチャの遠位端部のより高いシャープネス(sharpness)を意味する。有利には、前記表面フィーチャの遠位端のシャープネスは、前記基質の抗菌効率に比例することが発見されている。すなわち、尖った末端がシャープであるほど、前記表面フィーチャは細胞の成長を死滅するか、又は阻害するのにより効果的である。有利には、開示された基質は、前記基質と接触する細菌の量を、単位体積当たりの初期CFU値の0.5以下に減少させることができる。開示された基質の表面フィーチャは、既知の天然又は人工の殺生物性表面よりも高いシャープネスを有することができる。したがって、開示された基質の抗菌効率は、既知の殺生物性表面よりも高くなり得る。
【0052】
表面フィーチャは、約200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、1.25μm、1.5μm、1.75μm、2μm、2.25μm、2.5μm、2.75μm、3μm、3.25μm、3.5μm、3.75μm、4μm、4.25μm、4.5μm、4.75μm、5μm、5.25μm、5.5μm、5.75μm、6μm、6.25μm、6.5μm、6.75μm、7μm、7.25μm、7.5μm、7.75μm、8μm、8.25μm、8.5μm、8.75μm、9μm、9.25μm、9.5μm、9.75μm又は10μmから選択された高さを有することができる。前記表面フィーチャは、上記の値のいずれか2つから選択される上限及び下限を含む範囲の高さを有してもよい。
【0053】
複数の実施形態では、前記遠位端の寸法は、前記遠位端の断面直径、幅、又は厚さを指してもよい。一実施形態では、前記表面フィーチャの遠位端の寸法は、直径又は厚さから選択される。前記表面フィーチャの末端遠位端の寸法、すなわち一実施形態における前記末端遠位端の直径又は厚さは、約1nm〜約500nm、又は約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、175nm、180nm、185nm、190nm、195nm、200nm、205nm、210nm、215nm、220nm、225nm、230nm、235nm、240nm、245nm、250nm、255nm、260nm、265nm、270nm、275nm、280nm、285nm、290nm、295nm、300nm、305nm、310nm、315nm、320nm、325nm、330nm、335nm、340nm、345nm、350nm、355nm、360nm、365nm、370nm、375nm、380nm、385nm、390nm、395nm、400nm、405nm、410nm、415nm、420nm、425nm、430nm、435nm、440nm、445nm、450nm、455nm、460nm、465nm、470nm、475nm、480nm、485nm、490nm、495nm又は500nmから選択される。前記表面フィーチャの末端遠位端の寸法は、上記の値の任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲内にあり得る。前記遠位端の寸法は、有利にはナノサイズであり得る。有利には、寸法が約10nm〜400nm、約10nm〜300nm又は約10nm〜200nmのテーパ状端部を有する表面フィーチャを有する基質は、ちょうど1時間のインキュベーション後にS.aureus細菌の90〜100%を死滅させることができることが示されている。さらに有利なことに、本開示の表面フィーチャの分解能(及びサイズ)は、従来の表面修正技術によって提供される分解能によって制限されない。さらに有利なことに、化学反応を介した表面フィーチャのin-situ形成は、10nmという小さな端子寸法を有する表面フィーチャの形成を可能にする。
【0054】
一例では、表面形状がチューブである場合、前記チューブの高さは、約1μm〜10μm又は約5μm〜7μmの範囲であり得る。遠位端は、約50nm〜300nm又は約100nm〜200nmの直径を有する円形断面の先端であってもよい。
【0055】
別の例では、表面形状がブレードである場合、前記ブレードは約200nm〜5μm又は約400nm〜1μmの長さ、約100nm〜500nm又は約200nm〜400nmの幅を有することができ。前記ブレードの厚さは、前記ブレードの遠位端に向かって先細になって(tapered)いてもよい。前記ブレードの遠位端は、約10nm〜30nm、又は約20nmの厚さを有するブレード状(bladed)端部であってもよい。
【0056】
さらに別の例では、表面フィーチャがニードルである場合、前記ニードルの長さは、約500nm〜5μm又は約1μm〜2μmの範囲であり得る。遠位端は、約1nm〜100nm又は約10nm〜40nmの直径を有する円形断面の先端であってもよく、前記ニードルの基部又は根元は、約10nm〜500nm又は約100nm〜200nmの直径を有する円形断面であってもよい。
【0057】
隣接する表面フィーチャのピッチは、約100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、1100nm、1200nm、1300nm、1400nm、1500nm、1600nm、1700nm、1800nm、1900nm又は2000nmから選択されてもよい。隣接する表面フィーチャのピッチは、上記の値のうちの任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲内にあってもよい。
【0058】
微生物細胞及び細菌細胞は、通常、開示されたピッチよりも大きいので、開示されたピッチを有する表面フィーチャは、有利には、前記細胞に接触及び前記細胞を破裂させ、それによって基質上に抗微生物性及び抗細菌特性を付与することができる。
【0059】
一実施形態では、銅表面を含む基質が提供される。前記銅表面は、その上に一体的に形成された複数の表面フィーチャ部を含み、前記表面フィーチャはマイクロサイズ及び/又はナノサイズであり、前記表面フィーチャはCu(OH)
2、CuO又はそれらの混合物であり、各Cu(OH)2又はCuO表面フィーチャは、少なくとも1つの尖った末端を含む。別の実施形態では、亜鉛表面を含む基質が提供される。前記亜鉛表面は、その上に一体的に形成された複数のマイクロサイズ及び/又はナノサイズのZnO表面フィーチャを含み、前記ZnO表面フィーチャは少なくとも1つの尖った末端を含む。
【0060】
有利には、銅及び亜鉛は、日常生活において一般的に遭遇する表面材料である。例えばドア及びドアノブはCu表面を含み、街灯柱及び高速道路ガードレールはZn表面を有する亜鉛メッキ(galvanized)鋼を含む。したがって、物理的手段又は物理的相互作用を介して微生物の増殖を死滅するか、又は少なくとも阻害するのに有効な殺菌性表面を提供するために、本開示を銅及び亜鉛表面などの共通表面に適用することができるという利点がある。
【0061】
亜鉛又は銅基質は、単純な(straightforward)合成ステップを使用して、開示された表面フィーチャを容易に製造できることが有利に見出されている。亜鉛又は銅基質の使用は、トップダウンテクスチャリング技術、例えばシリコンベースの基質に一般的に使用される反応性イオンビームエッチング、の必要性を回避する。本開示の表面フィーチャの分解能及びサイズはまた、従来の表面改質技術によって提供される分解能によって有利に制限されない。
【0062】
抗微生物特性又は抗細菌特性を有する基質を製造する方法の例示的で非限定的な実施形態を開示する。
【0063】
複数の実施形態では、抗微生物特性又は抗細菌特性を有する基質を製造する方法が提供される。当該方法は、前記基質表面上に、複数の一体的に形成されたマイクロサイズ又はナノサイズの表面フィーチャを製造するため、前記基質の表面を試薬溶液と接触させるステップを含み、各表面フィーチャは、結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含む。
【0064】
複数の実施形態では、抗微生物特性又は抗細菌特性を有する基質を製造する方法が提供される。当該方法は、前記基質表面上に沈殿させることによって、複数の一体的に形成されたマイクロサイズ又はナノサイズの表面フィーチャを製造するため、前記基質の表面を試薬溶液と接触させるステップを含み、各表面フィーチャは、結晶相及び少なくとも1つの尖った末端を含む。
【0065】
銅又は亜鉛基質の表面での例示的な反応を以下に示す:
【化1】
【0066】
前記試薬溶液は、ハロゲン、酸素、過酸化物、次亜ハロゲン酸塩(hypohalites)、塩素酸塩、クロム酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、硝酸塩又は硝酸から選択される酸化剤を含むことができる。例としては、過硫酸アンモニウム、硝酸亜鉛、過酸化水素及び次亜塩素酸ナトリウムが含まれる。
【0067】
前記試薬溶液中の酸化剤の濃度は、約0.01M〜約10M、又は0.02M、0.04M、0.06M、0.08M、0.1M、0.12M、0.14M、0.15M、0.16M、0.17M、0.18M、0.19M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5M、1.0M、1.5M、2.0M、2.5M、3.0M、3.5M、4.0M、4.5M、又は5.0Mから選択されてもよい。前記試薬溶液中の酸化剤の濃度は、上記の値のうちの任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲内であり得る。有利には、酸化剤の濃度は、製造された金属基質の用途によって必要とされる特定の表面フィーチャ寸法を提供するように適切に選択され得る。複数の実施形態では、酸化剤のより高い濃度は、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャをもたらすように選択することができる一方、酸化剤のより低い濃度は、斜方晶系結晶構造を含む表面フィーチャをもたらすように選択することができる。例えば、酸化剤の濃度が少なくとも約0.3Mである場合、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャを得ることができる。
【0068】
前記試薬溶液は、塩基又はアルカリを含むことができる。前記塩基は、10以上のpK
b値を有する強塩基であってもよい。前記塩基は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基から選択することができる。例としては、NaOH及びKOHが含まれる。
【0069】
前記試薬溶液中のアルカリの濃度は、約1.0M〜約10M、又は1.5M、2.0M、2.5M、3.0M、3.5M、4.0M、4.5M、5.0M、5.5M、6.0M、6.5M、7.0M、7.5M、8.0M、8.5M、9.0M、9.5M又は10Mから選択されてもよい。前記試薬溶液中のアルカリの濃度は、上記の値のいずれか2つから選択される上限及び下限を含む範囲内であり得る。有利には、前記アルカリの濃度は、製造された金属基質の用途によって要求される特定の表面フィーチャ寸法を提供するように適切に選択することができる。複数の実施形態では、アルカリのより高い濃度は、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャをもたらすように選択することができる一方、アルカリのより低い濃度は、斜方晶系結晶構造を含む表面フィーチャをもたらすように選択することができる。例えば、前記試薬溶液中のアルカリの濃度が約5.0M〜約10M、又は少なくとも約5.5M、6.0M、6.5M、7.0M、7.5M、8.0M、8.5M、9.0M、9.5M、又は少なくとも10Mの範囲内にある場合、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャを得ることができる。
【0070】
前記試薬溶液が酸化剤及び塩基の両方を含む実施形態では、前記酸化剤対前記塩基のモル比は、約1:10〜1:30、又は約1:12、1:14、1:1、1:18、1:20、1:22、1:24、1:26、1:28又は1:30の範囲であってもよいか、又は上記値のうちいずれか2つから選択される上限及び下限を含む範囲であり得る。
【0071】
前記試薬溶液はさらに水を含んでいてもよい。前記試薬溶液の濃度は、水の添加によって調整することができる。
【0072】
他の実施形態では、試薬溶液は、塩のイオンを提供する他の試薬、例えば不溶性塩を形成するカチオン及びアニオン、を含むことができる。適切なカチオンは、本明細書に開示される金属の金属イオンであってもよい。適切なアニオンは、硝酸イオン、水酸化物イオン又は炭酸イオンであってもよい。
【0073】
前記試薬溶液中のカチオン源の濃度は、約0.01M〜約5M、又は0.02M、0.04M、0.06M、0.08M、0.1M、0.12M、0.14M、0.15M、0.16M、0.17M、0.18M、0.19M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5M、1.0M、1.5M、2.0M、2.5M、3.0M、3.5M、4.0M、4.5M、又は5.0Mから選択されてもよい。前記試薬溶液中のカチオン源の濃度は、上記の値のうちの任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲内であり得る。有利には、前記酸化剤の濃度は、製造された金属基質の用途によって必要とされる特定の表面フィーチャ寸法を提供するように適切に選択され得る。一例では、カチオン源としての硝酸亜鉛の濃度は、約0.01M以上〜約5M以下(inclusive)、又はその間の任意の濃度から選択することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、試薬溶液は酸化剤を含まなくてもよいが、基質表面上に沈殿することができる不溶性塩のイオンを含み得る。いくつかの実施形態では、試薬溶液は酸化剤を含まなくてもよいが、前記基質表面及び基部(a base)上に沈殿することができる不溶性塩のイオンを含み得る。
【0075】
特定の実施形態では、前記試薬溶液は、硝酸亜鉛及びKOHのような本明細書に開示される塩基を含むことができる。前記亜鉛イオン及び前記水酸化物イオンは最終的に前記基質表面上に析出する不溶性酸化亜鉛塩をもたらす。この実施形態では、前記試薬溶液は酸化剤を含まなくてもよい。
【0076】
前記接触させるステップは、前記複数の表面フィーチャを生成するのに十分な持続期間行われてもよい。前記持続期間は、製造された金属基質の用途によって必要とされる特定の表面フィーチャ寸法を提供するように適切に選択され得る。前記持続期間は、基質材料に応じて適宜選択すればよい。前記接触させるステップは、10分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、210分、220分、230分、240分、250分、260分、270分、280分、290分、300分、310分、320分、330分、340分、350分、360分、370分、380分、390分、400分、410分、420分、430分、440分、450分、460分、470分、480分、540分、600分、660分、720分、780分、840分、900分、960分、1020分、1080分、1140分、1200分、1260分、1320分、1380分、又は1440分の持続期間行うことができる。前記接触させるステップは、上記の値のうちの任意の2つから選択される上限及び下限を含む範囲の持続期間で実施することができる。一例では、基質が銅であり、且つ、斜方晶系結晶構造を含む表面フィーチャが望ましい場合、前記接触させるステップは約10〜20分の持続期間行うことができる。別の一例では、基質が銅であり、且つ、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャが望ましい場合、前記接触さえるステップは約25〜35分の持続期間行われてもよい。一例では、基質が亜鉛であり、且つ、ウルツ鉱型結晶構造を含む表面フィーチャが望ましい場合、前記接触させるステップは約6〜18時間の持続期間行われてもよい。
【0077】
したがって、前記アルカリの濃度、又は前記酸化剤の濃度、又は前記イオンの濃度、又は前記接触させるステップの持続期間、又は前記接触させるステップの温度、又はそれらの任意の組合せは、製造された金属基質の用途によって必要とされる表面フィーチャ寸法を提供するように選択されてもよい。複数の実施形態では、前記アルカリの濃度の増加、又は前記酸化剤の濃度の増加、又は前記アルカリ及び前記酸化剤の両方の濃度の増加は、単斜晶系結晶構造を含む表面フィーチャをもたらし得る。
【0078】
前記接触させるステップは、室温又は周囲温度、又は約15℃、又は約20℃、又は約25℃、又は約30℃で行うことができる。有利には、開示された方法は、加圧されたチャンバ又は熱定格の容器などの特殊な装置を使用せずに実施することができる。
【0079】
基質は、開示されたワンステップ法を用いて抗微生物/抗細菌特性を有する基質に変換され得る。一実施形態では、表面フィーチャは、ワンポット又はワンステップ反応合成によって形成することができる。したがって、開示された表面フィーチャは、単純な酸化反応又は酸/塩基反応又は沈殿反応を介してin-situで形成することができる。したがって、開示された方法は、金属基質上の表面フィーチャを製造する既知の複雑な技術よりも有利であり、費用効果が高い。有利には、開示された方法は、従来のエッチング又はリソグラフィ技術によって必要とされるようなモールドの解像度によって制限されることなく表面フィーチャを提供することができる。有利には、開示された方法は、基質の表面上にナノサイズの表面フィーチャを得るために複雑な又はマルチステップのナノインプリント又はスクリーン印刷方法を必要としない。有利には、開示された表面フィーチャの製造は、複雑な技術、例えばプラズマエッチング、反応性イオンエッチング、物理的又は化学的気相堆積技術を必要としない。有利には、開示された方法は、従来の表面改質技術に可鍛性(malleable)ではない「硬質」金属基質とともに使用することができる。有利には、開示された方法は、例えば、自然界に見られる物理的、非化学的な微生物/細菌殺滅特性を複製又は模擬するなど、生物模倣可能な金属基質を調製することができる。
【0080】
基質は、本明細書中に開示されるものであり得る。例えば、基質は、遷移金属表面のような金属表面を含んでもよい。前記表面は、場合によって、その上に表面フィーチャを一体的に形成するため、不溶性の塩を形成するため、酸化される。遷移金属表面の例は、周期律表の第11族から選択される遷移金属、例えば、Cu、又は周期律表の第12族、例えばZnを包含する。
【0081】
表面フィーチャは、本明細書で開示されるものであり得る。例えば、基質が金属表面を含む場合、表面フィーチャは、前記金属の酸化物及び/又は水酸化物塩を含んでもよい。
【0082】
本開示は金属表面を含む基質をさらに提供する。前記金属表面は、複数の一体的に形成された、マイクロサイズ及び/又はナノサイズの表面フィーチャ部を含む。前記基質は、本明細書に開示される方法によって得ることができる。
【0083】
本開示は、生体外(ex-vivo)環境に対して抗微生物特性及び抗細菌特性を提供するための本明細書に開示される基質の使用を提供する。開示された基質は、前記生体外(ex-vivo)環境に対して静菌性又は殺菌性の目的を提供することができる。したがって、基質の使用が生体外(ex-vivo)環境にあるので、当該使用は非治療的なものであり得る。
【0084】
あるいは、開示された基質を治療において使用してもよい。開示された基質は、微生物感染症の治療において使用され得る。
【0085】
開示された基質は、微生物の増殖を殺滅又はを抑制することができる。微生物は、病原性でも非病原性でもよい。微生物は細菌(bacteria)又は真菌であり得る。細菌は、グラム陰性及びグラム陽性細菌を包含し得る。
【0086】
グラム陽性細菌の例には、Staphylococcus、Enterococcus and Streptococcus、例えばStaphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Bacillus megaterium、Hay bacillus、Mycobacterium smegmatis and Streptococcus pneumoniaeが含まれる。グラム陰性細菌の例には、Escherichia、Shigella及びSalmonella、例えばEscherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Chlamydia trachomatis、Helicobacter pylori、Shigella dysenteriae、Salmonella enteritidis及びSalmonella typhiが含まれる。
【0087】
図面の簡単な説明
添付の図面は、開示された実施形態を示し、且つ、開示された実施形態の原理を説明する役割を果たす。しかしながら、図面は説明の目的のみで設計されており、本発明の限界の定義としてではないことを理解されたい。