(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
油圧ポンプを駆動する電動機と、前記油圧ポンプのドレン配管から排出される作動油が通過するラジエータと、前記電動機と前記ラジエータとの間に配置され、前記ラジエータから前記電動機に向かって空気流を発生させるための送風ファンと、を有する空冷式油圧ユニットに備えられた冷却装置であって、
前記ラジエータの前記送風ファン側とは反対側に配置され、内部に冷却水が循環する冷媒ラジエータと、
前記電動機、前記送風ファン、前記ラジエータ及び前記冷媒ラジエータを、前記冷媒ラジエータ側から覆う閉端部を有する筒状の第1フードと、
前記第1フード内に間隔を置いて、前記電動機、前記送風ファン、前記ラジエータ及び前記冷媒ラジエータの周囲に近接して覆うように配置され、前記送風ファンからの空気流と同方向に軸方向が延びる筒状の第2フードと、を備え、
前記第2フード内の前記送風ファンからの冷却された空気は、前記ラジエータ及び前記電動機の周囲に拡散せずに、前記ラジエータ及び前記電動機を通過する構成であることを特徴とする冷却装置。
【背景技術】
【0002】
油圧シリンダー等に対して油圧を供給する油圧ユニットや、この油圧ユニットをはじめとして様々な機器に動力を提供する電動機は、多くの工場等において多数利用されている。例えば、油圧ユニットは、
図4に示す油圧ユニット50のように、作動油を貯蔵するタンク52、吸入路60を介してタンク52から吸い上げた作動油を加圧する油圧ポンプ53、該油圧ポンプ53を駆動する電動機54等を備えている。油圧ポンプ53により加圧された作動油は、吐出路62を介して、図示しない油圧シリンダー等に供給され、戻り路63を介してタンク52へ戻される。さらに、油圧ユニット50は、油圧ポンプ53のドレン配管64から排出される作動油を、多数のフィンが設けられた複数の熱交換路を通過させた後、戻り配管66を介してタンク52へ戻すラジエータ56と、電動機54により回転される送風ファン55と、を有している。
【0003】
送風ファン55は、ラジエータ56から電動機54の方向へ流れる空気流を発生させ、この空気流は、ラジエータ56に設けられた、複数の熱交換路間等に形成された隙間や、電動機54の外周に設けられた放熱フィン間の隙間等を通過して、ラジエータ56及び電動機54の外表面と接触する。すなわち、油圧ユニット50は、送風ファン55によって発生させた空気流を利用して、電動機54と、ラジエータ56の内部を通過する作動油とを冷却する、空冷式の油圧ユニットである。一方、特許文献1には、送風ファンによる空気流が角形ラジエータの全体を通過するようにフードを設け、熱効率を高めた空冷式油圧ユニットが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、
図4に示すような空冷式油圧ユニット50では、ラジエータ56及び電動機54の外表面と接触した空気流が、ラジエータ56内部の作動油及び電動機54と熱交換され、結果として接触した空気流の温度が上昇する。このため、空冷式油圧ユニット50の設置場所の周囲の温度が上昇することになり、特に、このような空冷式の油圧ユニットが多数設置される工場等では、油圧ユニットの周囲温度の上昇によって、工場内の高温化に伴う作業環境の悪化や、油圧ユニットの冷却効率の低下が懸念される。これらの点については、特許文献1に開示された空冷式油圧ユニットにおいても、改善の余地がある。又、空冷式油圧ユニットに限らず、送風ファンを備えた電動機についても、同様の問題が懸念される。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空冷式油圧ユニットの冷却効率を向上させると共に、工場内の高温化を抑制する空冷式油圧ユニットに備えられた冷却装置、及び電動機の冷却効率を向上させると共に、工場内の高温化を抑制する電動機に備えられた冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1の冷却装置に係る発明は、油圧ポンプを駆動する電動機と、前記油圧ポンプのドレン配管から排出される作動油が通過するラジエータと、前記電動機と前記ラジエータとの間に配置され、前記ラジエータから前記電動機に向かって空気流を発生させるための送風ファンと、を有する空冷式油圧ユニットに備えられた冷却装置であって、前記ラジエータの前記送風ファン側とは反対側に配置され、内部に冷却水が循環する冷媒ラジエータと、前記電動機、前記送風ファン、前記ラジエータ及び前記冷媒ラジエータを、前記冷媒ラジエータ側から覆う閉端部を有する筒状の第1フードと、
前記第1フード内に間隔を置いて、前記電動機、前記送風ファン、前記ラジエータ及び前記冷媒ラジエータの周囲に近接して覆うように配置され、前記送風ファンからの空気流と同方向に軸方向が延びる筒状の第2フードと、を備え、前記第2フード内の前記送風ファンからの冷却された空気は、前記ラジエータ及び前記電動機の周囲に拡散せずに、前記ラジエータ及び前記電動機を通過する構成であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明では、空冷式油圧ユニットに備えられた送風ファンにより、冷媒ラジエータからラジエータを経由して電動機に向かう空気流が発生する。これにより、冷媒ラジエータにより冷却された空気がラジエータ及び電動機を通過するために、ラジエータを流れる作動油及び電動機、すなわち空冷式油圧ユニットに対する冷却効率が向上する。また、電動機、送風ファン、ラジエータ及び冷媒ラジエータを、該冷媒ラジエータ側から覆う閉端部を有する筒状の第1フードを備えているので、冷媒ラジエータからラジエータを経由して電動機に向かう空気は、ラジエータ内の作動油及び電動機と熱交換されて高温化されるが、その高温化された空気は、第1フードにより外部に流出されることを抑制される。その結果、空気流に起因する空冷式油圧ユニットの周囲温度の上昇が抑制され、ひいては工場内の高温化が抑制されてその作業環境が改善される。さらに、第1フードを備えているので、工場内のオイルミストが、電動機、送風ファン、ラジエータ及び冷媒ラジエータへ付着するのを抑制することができ、オイルミストの付着による冷却効率の低下等の不都合を抑制することができる。
また、第2フードにより、冷媒ラジエータにより冷却された空気が、ラジエータ及び電動機の周囲に拡散せずに、ラジエータ及び電動機を直線的に通過できるので、ラジエータを流れる作動油及び電動機に対する冷却効率がさらに向上する。
【0009】
なお、冷媒ラジエータに循環する冷却水は、クーリングタワーからの冷却水を利用しており、このクーリングタワーは、油圧ユニットや電動機が設置されるような工場等には、各種の装置や機器を冷却する目的で設置されていることが多い。このようなクーリングタワーの冷却水を冷媒ラジエータに利用することで、新たな専用の冷却システムを構築する必要がないため、装置全体のコストが削減される。
【0011】
請求項
2の冷却装置に係る発明は、送風ファンを有する電動機に備えられた冷却装置であって、前記送風ファンの前記電動機側とは反対側に配置され、内部に冷却水が循環する冷媒ラジエータと、前記電動機、前記送風ファン及び前記冷媒ラジエータを、前記冷媒ラジエータ側から覆う閉端部を有する筒状の第1フードと、
前記第1フード内に間隔を置いて、前記電動機、前記送風ファン及び前記冷媒ラジエータの周囲に近接して覆うように配置され、前記送風ファンからの空気流と同方向に軸方向が延びる筒状の第2フードと、を備え、前記第2フード内の前記送風ファンからの冷却された空気は、前記電動機の周囲に拡散せずに、該電動機を通過する構成であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項
2の発明では、電動機に備えられた送風ファンにより、冷媒ラジエータから電動機に向かう空気流が発生する。これにより、冷媒ラジエータにより冷却された空気が電動機を通過するために、電動機に対する冷却効率が向上する。また、電動機、送風ファン及び冷媒ラジエータを、該冷媒ラジエータ側から覆う閉端部を有する筒状の第1フードを備えているので、冷媒ラジエータから電動機に向かう空気は、電動機と熱交換されて高温化されるが、その高温化された空気は、第1フードにより外部に流出されることを抑制される。その結果、空気流に起因する電動機の周囲温度の上昇が抑制され、ひいては工場内の高温化が抑制されてその作業環境が改善される。さらに、第1フードを備えているので、工場内のオイルミストが、電動機、送風ファン及び冷媒ラジエータへ付着するのを抑制することができ、オイルミストの付着による冷却効率の低下等の不都合を抑制することができる。
また、第2フードにより、冷媒ラジエータにより冷却された空気が電動機の周囲に拡散せずに、電動機を直線的に通過できるので、電動機に対する冷却効率がさらに向上する。
【0014】
請求項
3の冷却装置に係る発明は、請求項1
または2の発明において、前記第1フードにより覆われるように配置され、前記冷媒ラジエータから前記電動機に向かって空気流を発生させる追加ファンを備えることを特徴とするものである。
請求項
3の発明では、追加ファンにより、冷媒ラジエータから電動機に向かう空気流が増勢されるので、電動機(空冷式油圧ユニットが冷却対象の場合は、電動機及びラジエータ内を流れる作動油)に対する冷却効率がさらに向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る冷却装置によれば、冷却対象の空冷式油圧ユニットまたは電動機の冷却効率を向上させると共に、工場内の高温化を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50に備えられた冷却装置10Aを、
図1及び
図2に基づいて説明する。
まず、空冷式油圧ユニット50を
図1に基づいて説明する。空冷式油圧ユニット50は、タンク52、油圧ポンプ53、電動機54、送風ファン55及びラジエータ56を備えている。油圧ポンプ53は、タンク52から吸入路60を介して作動油を吸い上げ、所望の圧力まで加圧した作動油を、吐出路62を介して油圧シリンダー等へ圧送するものである。油圧シリンダー等で使用された作動油は、圧力が低下した状態で戻り路63を介してタンク52へと戻される。
【0018】
電動機54は、油圧ポンプ53を駆動させると共に、送風ファン55を回転させる。ラジエータ56は、多数のフィンが設けられた複数の熱交換路を有し、熱交換路内を油圧ポンプ53のドレン配管64から排出される作動油が通過する。ラジエータ56の熱交換路内の作動油は、戻り配管66を介してタンク52へ戻る。送風ファン55は、電動機54によって回転される。送風ファン55は、電動機54とラジエータ56とに対して空気流を供給するものであって、ラジエータ56から電動機54に向かって空気流を発生させる。
図2に示すように、当該空冷式油圧ユニット50は、電動機54、送風ファン55及びラジエータ56が、
図2において右側から左側へと、この記載順序で直列に配置されている。なお、
図2では、タンク52及び油圧ポンプ53の図示は省略されている。
【0019】
そして、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10は、
図1及び
図2に示すように、ラジエータ56の送風ファン55側とは反対側(
図2において左側)に配置され、クーリングタワー20からの冷却水が循環する冷媒ラジエータ12と、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56及び冷媒ラジエータ12を、冷媒ラジエータ12側から覆う閉端部13aを有する筒状の第1フード13と、該第1フード13の内部に間隔を置いて、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56及び冷媒ラジエータ12の周囲を覆うように配置され、送風ファン55からの空気流と同方向に軸方向が延びる筒状の第2フード14と、第1フード13により覆われるように配置され、冷媒ラジエータ12から電動機54に向かって空気流を発生させる追加ファン15と、を備えている。
【0020】
冷媒ラジエータ12は、ラジエータ56に近接して送風ファン55側とは反対側(
図2において左側)に配置される。冷媒ラジエータ12の内部には冷却水が循環している。この冷却水は、
図1を参照して、例えば、クーリングタワー20から供給路21を介して冷媒ラジエータ12に供給され、冷媒ラジエータ12の複数の熱交換路を通過した後、返還路22を介してクーリングタワー20へ戻る。冷媒ラジエータ12には、内部に冷却水を循環可能な任意のラジエータが採用される。なお、クーリングタワー20は、冷却塔のことであり、空冷式油圧ユニット50が用いられるような様々な工場において、工場内の各種装置や機器を冷却する目的で屋外に設置されている。クーリングタワー20は、冷却水を排水せずに繰り返し循環して使用できるように、冷却水を大気と直接的(開放型)又は間接的(密閉型)に接触させて冷却する熱交換器である。なお、
図1では、便宜上、クーリングタワー20から冷却水を供給するためのポンプやモータ等の部材の図示を省略している。
【0021】
追加ファン15は、冷媒ラジエータ12に近接してラジエータ56側とは反対側(
図2において左側)に配置される。これにより、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56、冷媒ラジエータ12及び追加ファン15は、この記載順序で図中右側から左側へと直列に配置される。追加ファン15は、冷媒ラジエータ12から電動機54に向かう方向へ流れる空気流を発生させるものである(
図2参照)。追加ファン15は外部から電源が供給されることで回転する。
【0022】
第1フード13は、筒状部13bと、筒状部13bの軸方向一端側の開口を閉塞する閉端部13aと、筒状部13bの軸方向他端部から内方に突出される環状の案内部13dと、を有する形状に形成される。第1フード13は、直列に配置された、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56、冷媒ラジエータ12及び追加ファン15を、当該追加ファン15側から覆うように配置される。第1フード13の筒状部13bの案内部13dは、電動機54の送風ファン55側とは反対側端部付近に形成される。なお、案内部13dの先端部と、電動機54の外壁面との間の隙間は、限りなく小さいほうが好ましい。第2フード14は、第1フード13の内側に間隔を置いて配置される。第2フード14は、筒状に形成される。第2フード14は、直列に配置された、電動機54の一部、送風ファン55、ラジエータ56、冷媒ラジエータ12及び追加ファン15の周囲を覆うように配置される。第2フード14は、その軸方向が送風ファン14及び追加ファン15による空気流の方向と略一致している。
【0023】
第1フード13の筒状部13bと、第2フード14との間には、環状で軸方向に延びる第1空間部18aが形成される。また、第1フード13の閉端部13aと、第2フード14内の追加ファン14との間には、第2空間部18bが形成される。第2フード14の電動機54側の端部14aは、第1フード13の案内部13dよりも追加ファン15側(
図2において左側)に位置している。なお、第2フード14の内壁面と、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56、冷媒ラジエータ12及び追加ファン15の外壁面との間の隙間は、可能な限り小さいことが好ましい。
【0024】
そして、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、送風ファン55及び追加ファン15の駆動により、第2フード14内であって、冷媒ラジエータ12から電動機54に向かう空気流が発生する。その空気は、第2フード14内の冷媒ラジエータ12、ラジエータ56及び電動機54を通過した後、第2フード14の電動機54側の端部14aと第1フード13の案内部13dとの間から案内部13dに沿って、第1フード13の筒状部13aと第2フード14との間の第1空間部18a内に導かれる。その後、第1空間部18a内の空気は、追加ファン15側に向かって流れ、第2空間部18bを経由して、再び、第2フード14内の冷媒ラジエータ12に入り込むように流れる。要するに、送風ファン55及び追加ファン15の駆動により、第2フード14内(冷媒ラジエータ12、ラジエータ56及び電動機54)と、第1及び第2空間部18a、18b内とを一方向(
図2の矢印方向)に沿って循環する空気流が発生する。
【0025】
その結果、冷媒ラジエータ12により冷却された空気を、ラジエータ56及び電動機54に供給することができ、ラジエータ56を流れる作動油及び電動機54、すなわち空冷式油圧ユニット50に対する冷却効率を向上させることができる。また、冷媒ラジエータ12からラジエータ56を経由して電動機54に向かう空気は、ラジエータ56内の作動油及び電動機54と熱交換されて高温化されるが、その高温化された空気は、第1フード13の筒状部13aと第2フード14との間の第1空間部18a内を追加ファン15側に向かって流れて、第2空間部18bを経由して、再び、第2フード14内の冷媒ラジエータ12に入り込むように流れて冷却される。その結果、高温化された空気が、第1フード13から外部に流出されることを抑制することができる。
【0026】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、ラジエータ56の送風ファン55側とは反対側に配置され、内部にクーリングタワー20からの冷却水が循環される冷媒ラジエータ12を備えている。そして、空冷式油圧ユニット50に備えられた送風ファン55により、冷媒ラジエータ12からラジエータ56を経由して電動機54に向かう空気流が発生する。これにより、冷媒ラジエータ12により冷却された空気がラジエータ56及び電動機54を通過するために、ラジエータ56を流れる作動油及び電動機54、すなわち空冷式油圧ユニット50に対する冷却効率が向上する。
【0027】
また、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56及び冷媒ラジエータ12を、該冷媒ラジエータ12側から覆う閉端部13aを有する筒状(筒状部13bを有する)の第1フード13を備えている。そして、冷媒ラジエータ12からラジエータ56を経由して電動機54に向かう空気は、ラジエータ56内の作動油及び電動機54と熱交換されて高温化されるが、その高温化された空気は、第1フード13により外部に流出されることを抑制される。その結果、空気流に起因する空冷式油圧ユニット50の周囲温度の上昇が抑制され、ひいては工場内の高温化が抑制されてその作業環境が改善される。さらに、第1フード13を備えているので、工場内のオイルミストが、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56及び冷媒ラジエータ12へ付着するのを抑制することができ、オイルミストの付着による冷却効率の低下等の不都合を抑制することができる。
【0028】
さらに、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、第1フード13内に間隔を置いて、電動機54、送風ファン55、ラジエータ56及び冷媒ラジエータ12の周囲を覆うように配置され、送風ファン55からの空気流と同方向に軸方向が延びる筒状の第2フード14を備えている。そして、この第2フード14により、冷媒ラジエータ12により冷却された空気がラジエータ56及び電動機54の周囲に拡散せずに、ラジエータ56及び電動機54を直線的に通過できるので、ラジエータ56を流れる作動油及び電動機54に対する冷却効率がさらに向上する。
【0029】
さらにまた、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、第1及び第2フード13、14により覆われるように配置され、冷媒ラジエータ12から電動機54に向かって空気流を発生させる追加ファン15を備えている。そして、この追加ファン15により、冷媒ラジエータ12から電動機54に向かう空気流が増勢されるので、ラジエータ56を流れる作動油及び電動機54に対する冷却効率がさらに向上する。
【0030】
なお、本発明の実施形態に係る、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aでは、送風ファン55及び追加ファン15の駆動により、第2フード14内の冷媒ラジエータ12、ラジエータ56及び電動機54を通過した空気が第1空間部18a内にスムーズに導かれるように、第1フード13の軸方向他端部に案内部13dを備えており、最良の形態であるが、送風ファン55及び追加ファン15の駆動により、第2フード14内の冷媒ラジエータ12、ラジエータ56及び電動機54を通過した空気が、スムーズに第1空間部18a内に導かれれば、第1フード13の案内部13dを備える必要はない。
【0031】
次に、本発明の実施形態に係る、電動機41の冷却装置10Bを
図3に基づいて説明するが、
図1及び
図2に示す、空冷式油圧ユニット50の冷却装置10Aとの相違点のみを説明する。
本冷却装置10Bは、送風ファン40を備えた電動機41を冷却するためのものである。
図3では、浸漬型のクーラントポンプの電動機41に対して、本冷却装置10Bを適用した実施形態を示している。
図3に示すように、電動機41には、圧送ポンプ42が連結されている。タンク43内には、クーラント液が貯溜されている。圧送ポンプ42は、タンク43内のクーラント液に浸漬されている。電動機41は、送風ファン40を回転させると共に、圧送ポンプ42を駆動させる。そして、電動機41の駆動により、圧送ポンプ42が駆動されて、タンク43内のクーラント液が外部に圧送される。
【0032】
また、電動機41には、当該電動機41のタンク43側とは反対側の端部から僅かに間隔を置いて、電動機41を冷却するための空気流を発生させる送風ファン40が付設されている。そして、本冷却装置10Bでは、送風ファン40に近接して電動機41側とは反対側(
図3において上側)であって、送風ファン40と追加ファン15との間に、クーリングタワー20からの冷却水が循環する冷媒ラジエータ12が配置されている。第1フード13は、筒状部13bと、筒状部13bの軸方向一端側の開口を閉塞する閉端部13aと、を有する形状に形成される。第1フード13は、直列に配置された、電動機41、送風ファン40、冷媒ラジエータ12及び追加ファン15を、当該追加ファン15側から覆うように配置される。第1フード13の筒状部13bの軸方向他端部13cと、タンク43の上面(例えば、タンク43の上蓋の上面)との間には若干の隙間が形成される。なお、第2フード14の電動機41側の端部14aは、第1フード13の軸方向他端部13cよりも追加ファン15側(
図3において上側)に位置している。その他、追加ファン15及び第2フード14の構成等は、
図2に示す空冷式油圧ユニット50に備えられた冷却装置10Aの構成と同じであるのでここでの説明を省略する。
【0033】
そして、本発明の実施形態に係る、電動機41の冷却装置10Bでは、送風ファン40及び追加ファン15の駆動により、第2フード14内であって、冷媒ラジエータ12から電動機41に向かう空気流が発生する。その空気は、第2フード14内の冷媒ラジエータ12及び電動機41を通過した後、第2フード14の電動機41側の端部14aとタンク43の上面との間を通って、第1フード13の筒状部13aと第2フード14との間の第1空間部18a内に流れる。その後、第1空間部18a内の空気は、追加ファン15側に向かって流れて、第2空間部18bを経由して、再び、第2フード14内の冷媒ラジエータ12に入り込むように流れて冷却される(
図3の矢印)。
【0034】
その結果、本発明の実施形態に係る、電動機41の冷却装置10Bでは、冷媒ラジエータ12により冷却された空気を電動機41に供給することができ、電動機41に対する冷却効率を向上させることができる。また、冷媒ラジエータ12から電動機41に向かう空気は、電動機41と熱交換されて高温化されるが、その高温化された空気は、第1フード13の筒状部13aと第2フード14との間の第1空間部18a内を追加ファン15側に向かって流れ、第2空間部18bを経由して、再び、第2フード14内の冷媒ラジエータ12に入り込むように流れて冷却される。これにより、高温化された空気が、第1フード13から外部に流出することを抑制することができ、空気流に起因する電動機41の周囲温度の上昇が抑制され、ひいては工場内の高温化が抑制されてその作業環境が改善される。また、第2フード14により、冷媒ラジエータ12により冷却された空気は、電動機41の周囲に拡散せずに電動機41を直線的に通過できるので、電動機41に対する冷却効率がさらに向上する。さらに、追加ファン15により、冷媒ラジエータ12から電動機41に向かう空気流が増勢されるので、電動機41に対する冷却効率がさらに向上する。
【0035】
なお、上述した、本発明の実施形態に係る冷却装置10A、10Bでは、追加ファン15を備えており、最良の形態であるが、送風ファン55、40により、冷媒ラジエータ12から電動機54、41に向かって十分な空気流を発生させることができれば、追加ファン15を備える必要はない。また、本発明の実施形態に係る冷却装置10A、10Bでは、第2フード14を備えており、最良の形態であるが、第1フード13により十分な冷却効果を得られれば、第2フード14を備える必要もない。