特許第6868457号(P6868457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868457
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】グロメット及びワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20210426BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20210426BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H02G3/22
   B60R16/02 622
   B60R16/02 623T
   H01B17/58 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-86220(P2017-86220)
(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公開番号】特開2018-186623(P2018-186623A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 護衛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 記章
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−167649(JP,A)
【文献】 特開2012−34478(JP,A)
【文献】 特開平9−39688(JP,A)
【文献】 特開2017−28954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
B60R 16/02
H01B 17/58
F16L 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が貫通する車体パネルの電線貫通孔を塞ぐグロメットにおいて、
前記車体パネルの一方側で前記電線を被い、前記電線貫通孔の周縁に密着されるグロメット本体と、
前記グロメット本体より剛性が高い部材より形成され、前記グロメット本体の内側に配置されるインナープロテクタと、
前記インナープロテクタに回転自在に支持され、前記車体パネルの他側に引き出された前記電線の経路を規制する経路規制部材とを備え
前記経路規制部材の回転範囲を規制する角度規制手段が設けられていることを特徴とするグロメット。
【請求項2】
請求項1記載のグロメットであって、
前記経路規制部材は、前記電線を内部に収容する筒体であることを特徴とするグロメット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のグロメットを備えたことを特徴とするワイヤーハーネス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線が貫通する車体パネルの電線貫通孔を塞ぐグロメット、及び、グロメットを有するワイヤーハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より種々のグロメットが提案されている(例えば特許文献1)。かかるグロメットの一従来例として図5図8に示すものがある。図5図8において、車体パネル1には、電線貫通孔2が形成されている。この電線貫通孔2に電線Wが貫通されている。この電線Wの外周にグロメット100が装着されている。グロメット100は、柔軟な材料(例えばゴム材)より形成されたグロメット本体101と、グロメット本体101の内側に配置され、グロメット本体101より剛性の高い材料より形成されたインナープロテクタ110とを備えている。
【0003】
グロメット本体101には、車体パネル1の当接面側にリップ部102が形成されている。インナープロテクタ110には、周方向に間隔を置いて複数のパネル係止爪111が設けられている。このパネル係止爪111とリップ部102によって車体パネル1の電線貫通孔2の外周縁を挟持することによって、グロメット100が車体パネル1に取り付けられている。パネル係止爪111とリップ部102の車体パネル1への挟持力によって、リップ部102が車体パネル1の電線貫通孔2の外周縁に密着されている。
【0004】
グロメット本体101には、車体パネル1の当接面とは反対側に電線保持筒部103が形成されている。この電線保持筒部103とこれより外部に引き出された電線Wの部位がテープTで巻き付けされている。電線保持筒部103の内面が電線Wの外周に密着されている。
【0005】
このようにして、車体パネル1の一方側より装着されたグロメット100が、車体パネル1の一方側のスペース3と他方側のスペース4に亘って電線Wを配策するための電線貫通孔2を防水等している。
【0006】
ところで、電線貫通孔2より車体パネル1の他方側に引き出された電線Wは、図8に示すように、所望の配策経路、つまり、周辺部品140との干渉を避け、且つ、周辺部品140との間で必要なクリアランスGを確保できる配策経路で配策する必要がある。そのため、従来では、電線WにテープTを巻き、且つ、そのテープTの上からクリップ120を装着し、クリップ120を車体(図示せず)に固定して電線Wを所望の経路に強制的に経路規制していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016−10165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来例では、電線Wが周辺部品140との干渉を避け、且つ、周辺部品140との間で必要なクリアランスGを確保できる配策経路とするため、車体固定部品であるクリップ120が必要であると共に、クリップ120を車体に固定する作業が非常に難しく、且つ、面倒であった。
【0009】
また、車両の種類等によっては、周辺部品140の配置位置が異なる場合があり、この場合にはクリップ120の車体への固定位置を変更しなければならず、容易に対応できないという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、車体固定部品が必要なく、しかも、難しく、且つ、面倒な作業を行うことなく電線を所望の経路で配策でき、その上、周辺部品の配置変更にも容易に対応できるグロメット及びグロメットを有するワイヤーハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電線が貫通する車体パネルの電線貫通孔を塞ぐグロメットにおいて、車体パネルの一方側で電線を被い、電線貫通孔の周縁に密着されるグロメット本体と、グロメット本体より剛性が高い部材より形成され、グロメット本体の内側に配置されるインナープロテクタと、インナープロテクタに回転自在に支持され、車体パネルの他端側に引き出された電線の経路を規制する経路規制部材とを備え、前記経路規制部材の回転範囲を規制する角度規制手段が設けられているグロメットである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、グロメットに経路規制部材が付設され、経路規制部材が車体パネルの他端側に引き出された電線の経路を規制、つまり、電線を所望の経路できる。又、周辺部品の配置位置が変更された場合には、インナープロテクタに対する経路規制部材の向きを変更することで対応できる。以上より、車体固定部品が必要なく、しかも、難しく、且つ、面倒な作業を行うことなく電線を所望の経路で配策でき、その上、周辺部品の配置変更にも容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示し、グロメットの分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態を示し、グロメットの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態を示し、図2のA−A線断面図である。
図4】本発明の一実施形態を示し、グロメットの平面図である。
図5】従来例を示し、グロメットの分解斜視図である。
図6】従来例を示し、グロメットの斜視図である。
図7】従来例を示し、図6のB−B線断面図である。
図8】従来例を示し、グロメットが周辺部品との干渉を避け、且つ、周辺部品との間で必要なクリアランスで配策されていることを説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(一実施形態)
図1図4は本発明の一実施形態を示す。図1図3において、車体パネル1には、円形の電線貫通孔2が形成されている。この電線貫通孔2には、ワイヤーハーネスの電線(電線集合体)Wが貫通されている。ワイヤーハーネスの電線Wは、電線貫通孔2を貫通することによって車体パネル1の一方側のスペース3(図3に示す)と他方側のスペース4(図3に示す)に亘って配策される。ワイヤーハーネスは、電線Wの外周に装着されたグロメット10を有する。このグロメット10によって、車体パネル1の電線貫通孔2が閉塞されている。以下、グロメット10の構成を詳しく説明する。
【0016】
グロメット10は、車体パネル1の一方側のスペース3より電線貫通孔2に装着されている。グロメット10は、柔軟な材料(例えばゴム材)より形成されたグロメット本体11と、グロメット本体11の内側に配置され、グロメット本体11より剛性の高い材料より形成されたインナープロテクタ20と、インナープロテクタ20に支持された経路規制部材30とを備えている。
【0017】
グロメット本体11は、内部を電線Wが配策される筒形状であり、内周側にインナー嵌合溝13を有する大径筒部12と、大径筒部12の車体パネル1側に設けられたリップ部15と、大径筒部12の車体パネル1側の反対側に設けられた電線保持筒部19とを備え、これらが一体に設けられている。大径筒部12は、電線貫通孔2より大径である。インナー嵌合溝13は、大径筒部12の全周に亘って形成されている。インナー嵌合溝13には、インナープロテクタ20の外周縁が嵌合されている。これにより、グロメット本体11とインナープロテクタ20が固定されている。又、グロメット本体11、特に大径筒部12は、インナープロテクタ20によって形態維持が図られている。
【0018】
リップ部15は、大径筒部12の車体パネル1側の外周縁面より突設されている。リップ部15は、内周リップ部16と外周リップ部17より形成されている。内周リップ部16と外周リップ部17は、大径筒部12の全周に亘って連続して形成されている。
【0019】
グロメット10が電線貫通孔2に装着される前では、内周リップ部16は、根元より中心軸方向に向かって突出し、且つ、その先端側が中心軸に対し外側に開く方向に傾斜しており、外周リップ部17は、中心軸方向に対し外側に開く方向に突出している。グロメット10が電線貫通孔2に装着された状態では、内周リップ部16及び外周リップ部17は、大径筒部12の外周縁面に倒れる方向に弾性変形され、車体パネル1の電線貫通孔2の周縁面に密着される。これにより、車体パネル1の一方側の面とリップ部15の隙間より水等がグロメット10内に浸入するのを防止している。尚、図2図3では、内周リップ部16及び外周リップ部17は、グロメット10が電線貫通孔2に装着される前の状態を示している。
【0020】
電線保持筒部19は、電線Wの外径より若干小さい内径若しくはほぼ同じ内径を有する。電線保持筒部19は、所定の長さに亘って電線Wの外周面に当接すると共に、電線保持筒部19の外周面にはテープ(図示せず)が巻き付けされている。これにより、電線保持筒部19の内面と電線Wの外周面の隙間より水等がグロメット10内に浸入するのを防止している。
【0021】
電線保持筒部19は、上記したように柔軟な材料(例えばゴム材)より形成されている。これにより、電線保持筒部19は、電線Wと共に撓み変形でき、この撓み変形できる範囲で、車体パネル1の一方側のスペース4(グロメット10の装着側)に引き出された電線Wが所望の経路で配策可能とされている。
【0022】
インナープロテクタ20は、互いに組み付けされる一対のインナー部材21より形成されている。各インナー部材21は、上方から見て半円状のインナー本体部22と、このインナー本体部22より外側に向かって突出する鍔部28とを備えている。インナー本体部22は、半円周側壁23と、この半円周側壁23より内周側に向かって設けられた上規制壁部24と、上規制壁部24より間隔を置いた下方位置に設けられた下規制壁部25とを備えている。各インナー本体部22には、上規制壁部24と下規制壁部25に囲まれて半円弧状の嵌合溝26が形成されている。一対のインナー部材21が合体された状態では、2つの嵌合溝26によって円形の溝形状が形成される。
【0023】
各上規制壁部24には、上方から見て半円形状の切欠部27が形成されている。一対のインナー部材21が合体された状態では、2つの切欠部27によって円形の切欠形状が形成される。
【0024】
各インナー部材21の合体面の近辺箇所には、ロック部29が設けられている。一対のインナー部材21同士は、その合体面同士が突き合わされた状態で、双方のロック部29でロックされる。
【0025】
各半円周側壁23の外周面には、間隔を置いてパネル係止爪29Aが設けられている。各パネル係止爪29Aは、その先端側が半円周側壁23に近づく方向に弾性変形可能である。インナープロテクタ20の複数のパネル係止爪29Aとグロメット本体11のリップ部15とによって車体パネル1が挟持されている。この挟持力によって、グロメット10が車体パネル1の電線貫通孔2に装着されている。
【0026】
経路規制部材30は、内部に電線Wが収容された状態で自らの形態を少なくとも維持できる剛性を有する材料より形成されている。経路規制部材30は、電線Wを内部に収容する円筒体である。経路規制部材30は、電線Wの所望の配策方向に沿って延びている。具体的には、経路規制部材30は、インナープロテクタ20に固定された基端箇所に近い箇所で折曲され、折曲箇所より先端まで斜め方向にストレートに延びている。
【0027】
経路規制部材30は、ヒンジ部32を介して互いに連結された一対の経路規制分割体31,33と、一対の経路規制分割体31,33の基端部に付設された土台鍔部34とを備えている。各経路規制分割体31,33は、それぞれ半円筒体であり、ヒンジ部32によって合体・離間自在である。一対の経路規制分割体31,33は、合体状態で内部に電線収容室35が形成される。一対の経路規制分割体31,33は、離間状態から合体状態とすると、一対の経路規制分割体31,33の互いの係止部36によってロックされ、合体状態が保持される。一方の経路規制分割体31の先端には、テープ巻き用の舌片31aが突設されている。
【0028】
経路規制部材30は、その土台鍔部34がインナープロテクタ20(合体された一対のインナー本体部22)の円周状の嵌合溝26に嵌合され、且つ、土台鍔部34より先端側がインナープロテクタ20(合体された一対の上規制壁部24)の円形の切欠部27より外部に突出している。従って、経路規制部材30は、図4に示すように、嵌合溝26を囲む壁面と切欠部27の面がガイド面となって、インナープロテクタ20に回転自在に支持されている。
【0029】
経路規制部材30は、その土台鍔部34がインナープロテクタ20の円周状の嵌合溝26にほぼ隙間なく嵌り込んでいると共に、一対の経路規制分割体31,33も円形の切欠部27の面にほぼ隙間なく当接している。これにより、経路規制部材30が水平方向に変位したり、揺動方向に変位したりすることを極力防止されつつ、回転自在に支持されている。経路規制部材30は、インナープロテクタ20に対して360度回転可能に構成されている。
【0030】
経路規制部材30は、インナープロテクタ20に対する回転によって電線Wの配策方向の向きを自由に変更できる。
【0031】
次に、グロメット10の組付手順を説明する。経路規制部材30内に電線Wを収容する。つまり、一対の経路規制分割体31,33を離間状態として内部に電線Wを配策し、一対の経路規制分割体31,33を合体させる。
【0032】
次に、経路規制部材30をインナープロテクタ20に取り付ける。つまり、一対のインナー部材21の間に経路規制部材30の土台鍔部34をセットし、土台鍔部34を一対のインナー部材21の嵌合溝26に嵌め込みつつ一対のインナー部材21を合体させる。
【0033】
次に、電線Wを通したグロメット本体11にインナープロテクタ20を嵌合する。つまり、グロメット本体11の大径筒部12を広げる方向に弾性変形させ、グロメット本体11のインナー嵌合溝13にインナープロテクタ20の鍔部28を嵌め込む。これで、電線Wにグロメット10が装着される。
【0034】
次に、電線Wを車体パネル1の電線貫通孔2に通し、車体パネル1の一方側のスペース3より、経路規制部材30を挿入先端側としてグロメット10を電線貫通孔2に押し込む。すると、経路規制部材30が電線貫通孔2より車体パネル1の他方側のスペース4に突出し、次に、インナープロテクタ20が電線貫通孔2に入り込む。ここで、インナープロテクタ20の各パネル係止爪29Aが電線貫通孔2の周縁に突き当たるが、各パネル係止爪29Aが弾性変形してインナープロテクタ20の電線貫通孔2への挿入が許容される。インナープロテクタ20が挿入完了位置まで挿入されると、各パネル係止爪29Aが弾性復帰して車体パネル1の電線貫通孔2の反対側周縁に係止する。複数のパネル係止爪29Aとグロメット本体11のリップ部15とによって車体パネル1が挟持される。この挟持力によって、グロメット10が車体パネル1の電線貫通孔2に装着される。
【0035】
以上説明したように、グロメット10は、車体パネル1の一方側で電線Wを被い、電線貫通孔2の周縁に密着されるグロメット本体11と、グロメット本体11より剛性が高い部材より形成され、グロメット本体11の内側に配置されるインナープロテクタ20と、インナープロテクタ20に回転自在に支持され、車体パネル1の他端側に引き出された電線Wの経路を規制する経路規制部材30とを備えている。このようにグロメット10に経路規制部材30が付設され、経路規制部材30が車体パネル1の他端側に引き出された電線Wの経路を規制して電線Wを所望の経路で配策できる。より具体的には、車体パネル1の他方側に引き出された電線Wは、周辺部品との干渉を避け、且つ、周辺部品との間で必要なクリアランスを確保できる配策経路にできる。以上より、従来例のように車体固定部品(例えばクリップ)が必要なく、しかも、難しく、且つ、面倒な作業を行うことなく電線Wを所望の経路で配策できる。
【0036】
また、経路規制部材30は、インナープロテクタ20に対して回転自在であるので、図4に示すように、、経路規制部材30の電線引出方向を自由に変更できる。従って、周辺部品の配置位置が変更された場合には、インナープロテクタ20に対する経路規制部材30の向きを変更することで容易に対応できる。
【0037】
経路規制部材30は、電線Wを内部に収容する筒体である。従って、経路規制部材30は、電線Wの保護機能(プロテクタ機能)を有する。
【0038】
経路規制部材30は、1部材より形成されている。従って、作業性が良い。
【0039】
(変形例)
前記実施形態では、経路規制部材30は、インナープロテクタ20に対して360度回転可能に構成されているが、経路規制部材30の回転角度範囲を規制する角度規制手段を設けても良い。これにより、電線Wが1回転以上捻れた状態で配策されるのを防止できる。
【0040】
前記実施形態にあって、経路規制部材30の回転ロック機構を付設しても良い。経路規制部材30を所望の回転位置まで回転させた後に、経路規制部材30が回転できないようロックする。これにより、車両の振動等によって経路規制部材30が回転し、周辺部品に干渉するのを防止できる。
【0041】
前記実施形態では、インナープロテクタ20は、分離された一対のインナー部材21より構成されているが、ヒンジ部を介して連結された一対のインナー部材より構成しても良い。一対のインナー部材21は連結されている方が、電線配策等の作業性が良い。
前記実施形態では、経路規制部材30は、円筒体であるが、経路規制部材30はインナープロテクタ20に回転自在に支持されていれば、例えば矩形の筒体であっても良くその形態を問わない。
【0042】
前記実施形態では、一方の経路規制分割体31の先端には、テープ巻き用の舌片31aが突設されているが、必ずしもテープ巻き用の舌片31aを設ける必要がない。
【符号の説明】
【0043】
1 車体パネル
2 電線貫通孔
10 グロメット
11 グロメット本体
20 インナープロテクタ
30 経路規制部材
W 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8