特許第6868475号(P6868475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868475
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】車両の遮熱構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20210426BHJP
   F01N 13/14 20100101ALI20210426BHJP
   H02G 3/30 20060101ALN20210426BHJP
【FI】
   B60R16/02 623T
   B60R16/02 620A
   F01N13/14
   !H02G3/30
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-115937(P2017-115937)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-1234(P2019-1234A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林下 耕作
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−149622(JP,A)
【文献】 特開2011−131689(JP,A)
【文献】 実開平04−138153(JP,U)
【文献】 実開昭59−053149(JP,U)
【文献】 特開2013−006503(JP,A)
【文献】 米国特許第05680757(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
F01N 13/14
H02G 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載内燃機関の排気系の一部をなす排気系部材と、車両の一部をなして前記排気系部材に隣り合う位置に配置された車両部材と、前記排気系部材および前記車両部材の間を通過する態様で前記車両の前後方向に延びるハーネスと、前記ハーネスに取り付けられて同ハーネスおよび前記排気系部材の間を仕切るように前後方向に延びるプロテクタと、を備える車両の遮熱構造において、
前記プロテクタの前記排気系部材側の面は、後方側の部分の少なくとも一部が前方側の部分よりも前記排気系部材と前記車両部材との並び方向において同車両部材から離間する側の位置になるように、前後方向における中間位置で曲がっており、
前記プロテクタの前方側の部分の下端には、前記ハーネスを係止するハーネス固定部が設けられていることを特徴とする車両の遮熱構造。
【請求項2】
車載内燃機関の排気系の一部をなす排気系部材と、車両の一部をなして前記排気系部材に隣り合う位置に配置された車両部材と、前記排気系部材および前記車両部材の間を通過する態様で前記車両の前後方向に延びるハーネスと、前記ハーネスに取り付けられて同ハーネスおよび前記排気系部材の間を仕切るように前後方向に延びるプロテクタと、を備える車両の遮熱構造において、
前記プロテクタの前記排気系部材側の面は、後方側の部分の少なくとも一部が前方側の部分よりも前記排気系部材と前記車両部材との並び方向において同車両部材から離間する側の位置になるように、前後方向における中間位置で曲がっており、
前記ハーネスは、束ねられた電線を有する電線部と同電線部の各端部に設けられたコネクタとからなり、且つ、前記コネクタの耐熱温度が前記電線部の耐熱温度よりも低くなっており、且つ、前記各端部の前記コネクタのうちの前記排気系部材よりも後方側のものが前記車両部材に接続されていることを特徴とする車両の遮熱構造。
【請求項3】
請求項2に記載の車両の遮熱構造において、
前記内燃機関は、出力軸が前後方向に延びる態様で配置されており、
前記車両部材は、前記内燃機関の後方に配置されて前記出力軸に連結される変速機であり、
前記排気系部材は、前記変速機の側方に配置される排気浄化触媒であり、
前記ハーネスは、前記変速機に沿う態様で同変速機と前記排気浄化触媒との間を通過して延びて、後方側の端部が前記コネクタを介して前記変速機に接続されていることを特徴とする車両の遮熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気系の一部をなす排気系部材と車両の一部をなす車両部材との間を通るように配置されるハーネスの熱害を抑える車両の遮熱構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
こうした遮熱構造としては特許文献1に記載の構造が知られている。特許文献1の構造では、ワイヤリングハーネス(いわゆるハーネス)がマフラと車体との間に挟まれる位置で延びている。また、ハーネスとマフラとの間には、それらハーネスおよびマフラの間を仕切るプロテクタが配置されている。このプロテクタにより、マフラの発する熱が遮られて、ハーネスの熱害が抑えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−26666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の走行時には、高温のマフラによって熱せられた空気が熱風となって後方に流れるようになる。この場合、ハーネスがプロテクタの配設位置を超えてマフラよりも後方側の位置まで延びていると、同ハーネスの後方側の部分が上記熱風によって熱せられて熱害を受けるおそれがある。
【0005】
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハーネスの熱害を好適に抑えることのできる車両の遮熱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための車両の遮熱構造は、車載内燃機関の排気系の一部をなす排気系部材と、車両の一部をなして前記排気系部材に隣り合う位置に配置された車両部材と、前記排気系部材および前記車両部材の間を通過する態様で前記車両の前後方向に延びるハーネスと、前記ハーネスに取り付けられて同ハーネスおよび前記排気系部材の間を仕切るように前後方向に延びるプロテクタと、を備える車両の遮熱構造において、前記プロテクタの前記排気系部材側の面は、後方側の部分の少なくとも一部が前方側の部分よりも前記排気系部材と前記車両部材との並び方向において同車両部材から離間する側の位置になるように、前後方向における中間位置で曲がっている。
【0007】
上記構成によれば、車両走行に際して、高温の排気系部材によって熱せられた空気が熱風となって後方に流れる場合であっても、排気系部材と車両部材との間に配置されているプロテクタによって、上記熱風の流れを車両部材およびハーネスから離間する方向に強制的に曲げることができる。これにより、プロテクタよりも後方側においては、熱風が高温のままハーネスに吹き付けられることが抑えられるため、同ハーネスの熱害を好適に抑えることができる。
【0008】
上記遮熱構造において、前記ハーネスは、束ねられた電線を有する電線部と同電線部の各端部に設けられたコネクタとからなり、且つ、前記コネクタの耐熱温度が前記電線部の耐熱温度よりも低くなっており、且つ、前記各端部の前記コネクタのうちの前記排気系部材よりも後方側のものが前記車両部材に接続されている。
【0009】
上記構成では、ハーネスにおけるコネクタの耐熱温度が電線部の耐熱温度よりも低いため、同ハーネスの熱害を抑えるためには、コネクタへの熱風の吹き付けを抑えることが好ましい。上記構成によれば、排気系部材付近を通過して熱風となった走行風がコネクタに吹き付けられることを抑えることができるため、同コネクタの熱害(溶けて変形するなど)を好適に抑えることができる。
【0010】
上記遮熱構造において、前記内燃機関は、出力軸が前後方向に延びる態様で配置されており、前記車両部材は、前記内燃機関の後方に配置されて前記出力軸に連結される変速機であり、前記排気系部材は、前記変速機の側方に配置される排気浄化触媒であり、前記ハーネスは、前記変速機に沿う態様で同変速機と前記排気浄化触媒との間を通過して延びて、後方側の端部が前記コネクタを介して前記変速機に接続されている。
【0011】
上記構成によれば、車両走行に際して、排気浄化触媒によって熱せられた空気が熱風となって後方に流れる場合であっても、排気浄化触媒と変速機との間に配置されているプロテクタによって、上記熱風の流れを変速機およびハーネスのコネクタから離間する方向に強制的に曲げることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ハーネスの熱害を好適に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】車両におけるプロテクタおよびその周辺の側面図。
図2】車両におけるプロテクタおよびその周辺の平面図。
図3】車両におけるプロテクタおよびその周辺の正面断面図。
図4】プロテクタの平面図。
図5図4の矢印5方向から見たプロテクタの側面図。
図6】プロテクタの斜視図。
図7図4の矢印7方向から見たプロテクタの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、車両の遮熱構造の一実施形態について説明する。
図1図3に示すように、車両10の機関室には内燃機関11が搭載されている。内燃機関11は、出力軸12が車両10の前後方向に延びる態様で配置されている。また、車両10の機関室には変速機13が設けられている。変速機13は、入力軸14が内燃機関11の出力軸12に連結された状態で、同内燃機関11の後方に配置されている。内燃機関11の排気系は排気管15や排気浄化触媒16などによって構成されて、同内燃機関11から後方に向けて延びている。排気浄化触媒16は変速機13の側方(車両進行方向における右側)に配置されている。変速機13における右側(排気浄化触媒16側)の側面にはシフト位置センサ17が取り付けられている。
【0015】
車両10の機関室には、排気浄化触媒16と変速機13との間を通過して前後方向に延びる態様で、ワイヤリングハーネス(以下、ハーネス20)が設けられている。ハーネス20は、複数の電線が束ねられるとともに周囲に保護材が巻き付けられた電線部21と、同電線部21の各端部に設けられたコネクタ22(図1〜3には後端のコネクタのみを図示)とからなる。
【0016】
ハーネス20は、変速機13における上記排気浄化触媒16側の側面(右側面)に沿って延びる態様で、同変速機13に取り付けられている。そして、ハーネス20の後端のコネクタ22が変速機13(詳しくは、シフト位置センサ17)に接続されている。本実施形態では、ハーネス20のコネクタ22は合成樹脂材料によって形成されており、保護材によって覆われた電線部21と比較して耐熱温度が低くなっている。
【0017】
ハーネス20には、耐熱性を有する合成樹脂材料からなるプロテクタ30が取り付けられている。プロテクタ30は薄板状のプロテクタ本体31を有しており、このプロテクタ本体31がハーネス20と排気浄化触媒16との間を仕切るように前後方向に延びる態様で配置されている。
【0018】
本実施形態では、ハーネス20と排気浄化触媒16との間を仕切るように配置されるプロテクタ30によって同排気浄化触媒16の発する熱が遮られて、ハーネス20の熱害が抑えられている。
【0019】
ここで、車両10の走行時には、高温の排気浄化触媒16によって熱せられた空気が熱風となって同排気浄化触媒16の後方に流れるようになる。特に、車両10の登坂走行時など、同車両10の走行速度が低く内燃機関11の負荷が高いときには、走行風の風量が少なくなる上に内燃機関11の排気温度が高くなって排気浄化触媒16の温度が高くなるため、排気浄化触媒16の後方に流れる熱風の温度が高くなり易い。
【0020】
本実施形態では、ハーネス20がプロテクタ30の配設位置を超えて排気浄化触媒16よりも後方まで延びているため、上記熱風によってハーネス20が熱せられて熱害を受けるおそれがある。特に本実施形態では、ハーネス20の中でも耐熱温度の低いコネクタ22が同ハーネス20の後端に設けられているために、このコネクタ22の熱害(溶けて変形するなど)が問題になりやすい。
【0021】
本実施形態では、変速機13と排気浄化触媒16との間に配置されたプロテクタ30を利用して、ハーネス20の熱害を抑えるようにしている。
以下、プロテクタ30の形状について詳しく説明する。
【0022】
図4図6に示すように、薄板状のプロテクタ本体31の前方側の部分(前方部分32)は、その下端に、間隔を置いて2つのハーネス固定部33が設けられている。各ハーネス固定部33は、プロテクタ本体31との間にハーネス20を挟み込んだ状態で同プロテクタ本体に係止される形状をなしている。ハーネス固定部33の一方は前方部分32の前端に設けられており、他方は前方部分32の前後方向における中間位置に設けられている。
【0023】
プロテクタ本体31の前方部分32には、前後方向の中間位置であって、且つ上下方向の中間位置に、貫通孔34が設けられている。この貫通孔34は、プロテクタ30を変速機13(図3参照)の右側面に取り付ける際に利用される。
【0024】
図4および図7に示すように、プロテクタ本体31の前方部分32における左側(変速機13[図3参照]側)には、複数の補強壁からなる補強部35が設けられている。この補強部35は、前方部分32の前端において、上下方向および左右方向に延びる1枚の前補強壁36と、前後方向および左右方向に延びて前補強壁36およびプロテクタ本体31を繋ぐ三角板状をなす3枚の横補強壁37とからなる。
【0025】
図4図6に示すように、プロテクタ本体31は、前方部分32と後方側の部分(後方部分38)とが共に略平板状をなしており、それら前方部分32および後方部分38との境界において、後方部分38が前方部分32よりも右側(排気浄化触媒16[図2参照]側)の位置になるように屈曲している。プロテクタ本体31の前方部分32と後方部分38とは鈍角をなすように繋がっており、後方部分38は後端に向かうに連れて右側の位置(変速機13[図2参照]から離間する側の位置)になるように延びている。これにより、プロテクタ30の右側の面が、後方部分38が前方部分32よりも右側の位置になるように、前後方向における中間位置で折れ曲がった形状になっている。
【0026】
プロテクタ30は以下のように配設されている。
図1図3に示すように、プロテクタ30は、貫通孔34に挿通したボルト18を変速機13の右側面のねじ穴に螺合することによって、同変速機13に固定されている。
【0027】
この固定を通じて、プロテクタ30の上記排気浄化触媒16側の面が、後方部分38が前方部分32よりも排気浄化触媒16と変速機13との並び方向(車幅方向)において同変速機13から離間する側(右側)の位置になるように、前後方向における中間位置で屈曲した状態になっている。
【0028】
以下、上記プロテクタ30を設けることによる作用について説明する。
車両10の走行に際しては、比較的低温の走行風(空気)が高温の排気浄化触媒16付近を通過することによって熱風になり、同排気浄化触媒16の後方に流れるようになる。これに対して、排気浄化触媒16の近傍や排気浄化触媒16の後方を除く部分、具体的には排気浄化触媒16よりも前方や同排気浄化触媒16および変速機13よりも下方には、比較的低温の空気が流れている。
【0029】
本実施形態では、車幅方向に並んでいる排気浄化触媒16と変速機13との間がプロテクタ30によって仕切られている。そのため、前方や下方から変速機13と排気浄化触媒16との間に流入する空気が、プロテクタ30の前方部分32によって、排気浄化触媒16側と変速機13側とに分けられて隔てられるようになる。これにより、排気浄化触媒16付近を通過して熱風になった空気と変速機13の上記排気浄化触媒16側の側面(右側面)に沿って流れる比較的低温の空気とが混ざりにくくなるため、変速機13の右側面に沿って流れる空気の温度が低いままで保たれるようになる。したがって、変速機13の右側面に取り付けられたハーネス20に沿って流れる走行風の温度を低いままで抑えることができる。なお本実施形態では、プロテクタ30の下端が下方になるほど、排気浄化触媒16と変速機13との間が広い範囲で仕切られるようになるため、ハーネス20に沿って流れる走行風の温度を低く抑えることが可能になる。
【0030】
そして本実施形態では、図2中に矢印Aで示すように、変速機13と排気浄化触媒16との間を通過する走行風のうちのプロテクタ30の右側(排気浄化触媒16側)を通過する走行風(熱風)が、同プロテクタ30の後方部分38によって、右側、すなわち変速機13およびハーネス20から離間する方向に強制的に曲げられるようになる。
【0031】
これにより、プロテクタ30の後方では、排気浄化触媒16によって熱せられた熱風が高温のままハーネス20(特にコネクタ22)に吹き付けられることが抑えられる一方で、プロテクタ30の左側(変速機13側)や下方を通過した比較的低温の走行風がハーネス20周辺を通過するようになる。
【0032】
しかも、プロテクタ30の右側を通過した後に同プロテクタ30の後方に流れる走行風(熱風)とハーネス20(詳しくは、後端のコネクタ22)との距離を大きくすることができるため、コネクタ22周辺を通過する走行風の温度が高くなることを抑えることもできる。
【0033】
本実施形態では、このようにしてハーネス20に吹き付けられる走行風の温度が低く抑えられるため、同ハーネス20の熱害が好適に抑えられる。
本実施形態では、ハーネス20におけるコネクタ22の耐熱温度が電線部21の耐熱温度よりも低いことから、同ハーネス20の熱害を抑えるためにはコネクタ22への熱風の吹き付けを抑えることが好ましいと云える。この点、本実施形態によれば、コネクタ22に走行風(熱風)が高温のまま吹き付けられることが抑えられるため、同コネクタ22の熱害を好適に抑えることができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)プロテクタ30の右側面が、後方部分38が前方部分32よりも右側の位置になるように、前後方向における中間位置で屈曲している。そのため、ハーネス20の熱害を好適に抑えることができる。
【0035】
(2)ハーネス20の後端のコネクタ22に上記排気浄化触媒16によって熱せられた走行風が高温のまま吹き付けられることを抑えることができ、同コネクタ22の熱害を好適に抑えることができる。
【0036】
<変形例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・プロテクタ本体31を、前方部分32と後方部分38との境界において屈曲する形状にすることに代えて、前方部分32と後方部分38との境界において湾曲する形状にしてもよい。
【0037】
・プロテクタ本体31の前方部分32や後方部分38を、略平板状に形成することに限らず、その全体(あるいは一部)が曲がった形状に形成してもよい。例えば、前方部分32を前端が左側(排気浄化触媒16から離間する側)に曲がった形状にしたり、後方部分38を後端が左側に曲がった形状にしたりしてもよい。
【0038】
・プロテクタ本体31として、薄板状のものを採用することに限らず、車幅方向に厚みを有するブロック状のものを採用するなど、任意の形状のものを採用することができる。要は、プロテクタ本体31の上記排気浄化触媒16側の面が、後方側の部分の少なくとも一部が前方側の部分よりも変速機13と排気浄化触媒16との並び方向において同排気浄化触媒16側の位置になるように、前後方向の中間位置で曲がった形状になっていればよい。
【0039】
・プロテクタ30が十分な強度を有するのであれば、補強部35を省略してもよい。
・内燃機関11の排気系部材(排気浄化触媒16や排気管15)と、機関室内における排気系部材に隣り合う位置に配置された変速機13以外の車載機器と、排気系部材および車載機器の間を通過する態様で車両の前後方向に延びるハーネスとを有する車両であれば、上記実施形態の遮熱構造は適用することができる。
【0040】
・上記実施形態の遮熱構造は、内燃機関11の排気系部材(マフラや排気管15)と、機関室の外部における排気系部材に隣り合う位置に配置された車両部材(例えばボディ)と、それら排気系部材および車両部材の間を通過する態様で車両の前後方向に延びるハーネスとを有する車両などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…車両、11…内燃機関、12…出力軸、13…変速機(車両部材)、14…入力軸、15…排気管、16…排気浄化触媒(排気系部材)、17…シフト位置センサ、18…ボルト、20…ハーネス、21…電線部、22…コネクタ、30…プロテクタ、31…プロテクタ本体、32…前方部分、33…ハーネス固定部、34…貫通孔、35…補強部、36…前補強壁、37…横補強壁、38…後方部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7