(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868493
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】入出庫検知装置及び駐車管理システム
(51)【国際特許分類】
G01V 8/12 20060101AFI20210426BHJP
G08G 1/065 20060101ALI20210426BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20210426BHJP
G08G 1/042 20060101ALI20210426BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20210426BHJP
G01V 3/08 20060101ALI20210426BHJP
G01V 11/00 20060101ALI20210426BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20210426BHJP
【FI】
G01V8/12 G
G08G1/065 A
G08G1/04 A
G08G1/042 A
G08G1/14 A
G01V3/08 A
G01V11/00
G07B15/00 L
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-136156(P2017-136156)
(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-146560(P2018-146560A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】特願2017-43878(P2017-43878)
(32)【優先日】2017年3月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391016093
【氏名又は名称】エル・エス・アイ ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆
(72)【発明者】
【氏名】杉本 邦男
【審査官】
藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−123895(JP,A)
【文献】
特開2007−024709(JP,A)
【文献】
実公昭46−001430(JP,Y1)
【文献】
実開昭59−170287(JP,U)
【文献】
特開平09−023116(JP,A)
【文献】
特開平09−245296(JP,A)
【文献】
特開2003−248849(JP,A)
【文献】
特開平09−016898(JP,A)
【文献】
特開2010−256086(JP,A)
【文献】
特開平03−204099(JP,A)
【文献】
特開2008−217583(JP,A)
【文献】
特開平09−304065(JP,A)
【文献】
特開2010−061607(JP,A)
【文献】
特開2008−276773(JP,A)
【文献】
特開平11−144187(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3036846(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0257818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/00−8/26
G01V 3/08
G01V 9/00
G01V 11/00
G08G 1/065
G08G 1/04−1/042
G08G 1/14
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の駐車区画内に設置され、
筐体と、
透明カバーと、
前記透明カバー内に設置され、車両の底面に対応する所定の距離範囲を検出することにより、車両の有無を検出する複数の距離センサと、
前記透明カバー内に設置され、異なる色を表示することにより前記駐車区画についての予約の有無を表示するインジケータと、を備えることを特徴とする入出庫検知装置。
【請求項2】
前記透明カバー内に設置され、前記距離センサに電源供給するソーラーバッテリーを備えることを特徴とする請求項1に記載の入出庫検知装置。
【請求項3】
前記透明カバー内に設置された地磁気センサを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の入出庫検知装置。
【請求項4】
前記駐車区画内の地面に設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の入出庫検知装置。
【請求項5】
前記駐車区画内の車止めに設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の入出庫検知装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の入出庫検知装置と、管理装置とを備える駐車管理システムであって、
前記管理装置は、各駐車区画についての予約の有無の情報を前記入出庫検知装置に送信し、
前記入出庫検知装置は、前記管理装置から受信した予約の有無の情報に基づいて、前記インジケータを制御することを特徴とする駐車管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、各駐車区画についての予約の有無の情報を表示する表示パネルを備えることを特徴とする請求項6に記載の駐車管理システム。
【請求項8】
駐車区画内に駐車した車両のナンバープレートを読み取る読取装置を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の駐車管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場における車両の入出庫を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場において駐車車両を自動的に検知する手法が提案されている。特許文献1は、駐車した車両が、電波の送信機と受信機との間の通信経路に介在することにより生ずる電波の受信状態の変化に基づき、駐車車両の有無を検知する手法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−14575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法では、駐車区画毎に、車両の駐車位置を挟むように電波の送信機と受信機を配置する必要があり、そのためのスペースの確保、コストの増大などが問題となる。
【0005】
本発明の解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、駐車区画内の地面に設置することにより、特別な設置スペースを必要とすることなく車両の入出庫を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、駐車場の駐車区画内に設置される入出庫検知装置は、
筐体と、透明カバーと、前記透明カバー内に設置され、車両の底面に対応する所定の距離範囲を検出することにより、車両の有無を検出する
複数の距離センサ
と、前記透明カバー内に設置され、異なる色を表示することにより前記駐車区画についての予約の有無を表示するインジケータと、を備える。好適には、入出庫検知装置は、駐車区画内の地面又は車止めに設置される。
【0007】
上記の入出庫検知装置は、駐車場の駐車区画毎に設けられる。距離センサは、駐車した車両の底面までの距離を測定することにより駐車車両の有無を検知する。距離センサを複数備えることにより、一部の距離センサ上にゴミや枯葉などの遮蔽物がある場合でも、他の距離センサによる車両の有無の検知が可能となる。
また、車両を駐車しようとする者は、インジケータにより駐車区画の予約の有無を知ることができる。
【0008】
上記の入出庫検知装置の一態様は、前記透明カバー内に設置され、前記距離センサに電源供給するソーラーバッテリーを備える。この態様では、内部に設けられたソーラーバッテリーにより距離センサへの電源供給がなされる。また、上記の入出庫検知装置の他の一態様は、前記透明カバー内に設置された地磁気センサを備える。地磁気センサを併用することにより、周囲の環境による影響を受けにくくすることができる。
【0009】
本発明の他の観点では、駐車場の駐車区画内に設置される入出庫検知装置は、検出される方位角の変化に基づいて、車両の有無を検出する地磁気センサを備える。地磁気センサは、磁気物体である車両の有無に応じて発生する検出方位角の変化に基づいて車両の有無を検出する。好適には、入出庫検知装置は、駐車区画内の地面又は車止めに設置される。
【0011】
本発明の他の観点では、上記の入出庫検知装置と、管理装置とを備える駐車管理システムにおいて、前記管理装置は、各駐車区画についての予約の有無の情報を前記入出庫検知装置に送信し、前記入出庫検知装置は、前記管理装置から受信した予約の有無の情報に基づいて、前記インジケータを制御する。この駐車管理システムによれば、管理装置は各駐車区画についての予約の有無の情報を入出庫検知装置へ送信する。入出庫検知装置は、予約の有無の情報に基づいて、インジケータを制御し、予約の有無を表示する。
【0012】
上記の駐車管理システムの一態様では、前記管理装置は、各駐車区画についての予約の有無の情報を表示する表示パネルを備える。この態様では、各駐車区画についての予約の有無が、管理装置に設けられた表示パネルに表示される。
【0013】
上記の駐車管理システムの他の一態様は、駐車区画内に駐車した車両のナンバープレートを読み取る読取装置を備える。この態様では、駐車区画内に駐車した車両の番号を読み取ることができる。よって、予約していない車両が無断で駐車しているような場合に、その車両の番号を記憶しておくなどの対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る駐車管理システムの概略構成を示す。
【
図2】駐車区画内に駐車した車両と検知ブロックの位置関係を示す。
【
図10】変形例に係る検知ユニットの内部構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[構成]
(駐車管理システム)
図1は、実施形態に係る駐車管理システムの概略構成を示す。駐車管理システム100は、典型的にはいわゆるコインパーキングに設置されるものである。駐車場には複数の駐車区画1があり、各駐車区画1に1台の車両が駐車可能となっている。各駐車区画1には、車止め2と、入出庫検知ブロック3(以下、単に「検知ブロック」とも呼ぶ。)が設置されている。車止め2は、車両を駐車区画内の適正な位置で停止させるためのものである。検知ブロック3は、駐車区画内に車両が駐車しているか否かを検出する。なお、検知ブロック3は本発明の入出庫検知装置の一例である。
【0016】
また、駐車管理システム100は、駐車区画1の近傍に設置されたゲートウェイ装置(以下、「GW装置」と呼ぶ。)20を備える。GW装置20は、検知ブロック3と無線通信して駐車区画1への車両の駐車を管理する。また、GW装置20は、必要に応じてサーバ30と通信して、駐車料金の課金などのために必要な処理を実行する。GW装置20には、各駐車区画1の予約状態を表示するための表示パネル21が設けられている。なお、GW装置20は本発明の管理装置の一例である。
【0017】
(入出庫検知ブロック)
図2は、駐車区画1に駐車した車両と検知ブロック3の位置関係を示す。
図2(A)は車両7を前方から見た図であり、
図2(B)は車両を側方から見た図である。図示のように、検知ブロック3は、駐車区画1の地面に埋設される。検知ブロック3は、駐車区画1の幅方向の中央付近に設けられ、車両7が駐車した状態では、検知ブロック3と車両7の底面とは、車両の底面の高さhに相当する距離を空けて対向する。
【0018】
図3は、検知ブロック3の構成を示す。
図3(A)は、検知ブロック3を上方から見た平面図であり、
図3(B)は検知ブロック3の断面図である。
図3(A)に示すように、検知ブロック3には、検知ユニット10と、ブロック4と、カラーインジケータ14とが設けられる。検知ユニット10は、検知ブロック3を埋設するために地面に設けた矩形の穴のほぼ中央に設置される。また、ブロック4は、検知ブロック3を埋設するために地面に設けた穴の内部に、検知ユニット10の周囲を覆うように設けられるブロックである。
【0019】
図3(B)に示すように、検知ユニット10の内部には、検知ユニット基板(以下、単に「基板」と呼ぶ。)12と、ソーラーバッテリー13と、カラーインジケータ14とが設けられる。具体的には、検知ユニット10内の最も下側に基板12が設けられ、その上方にソーラーバッテリー13が設けられ、さらにその上方にカラーインジケータ14が設けられる。また、検知ユニット10の上面には、透明な樹脂などのカバー15が設けられる。カバー15により検知ユニット10の内部は密閉され、雨滴やほこりなどが検知ユニット10内に入ることを防止する。検知ユニット10を透明なカバー15で覆うことにより、太陽光を利用してソーラーバッテリー13による発電を可能とするとともに、検知ユニット10の外部からカラーインジケータ14を視認することが可能となる。なお、カバー15の中央には、駐車区画を示す番号(
図3(A)の例では「1」)が示されている。
【0020】
図4は、検知ユニット10の内部構成を示す。検知ユニット10は、前述のソーラーバッテリー13及びカラーインジケータ14に加えて、距離センサ16、通信モジュール17、MCU(Micro Control Unit)18、及び、バッテリー19を備える。距離センサ16、通信モジュール17、MCU18、及び、バッテリー19は、基板12上に設けられている。
【0021】
距離センサ16は、好ましくは赤外線距離センサであり、駐車区画1内における車両の有無を検出する。具体的に、距離センサ16は、検知ユニット10の上方における物体までの距離を検出する。距離センサ16の検出距離範囲は10〜150cm程度に設定され、地面から一般的な車両の底面までの距離hに相当する範囲の物体の有無を検出することにより、駐車区画1内における車両の有無を検出する。また、距離センサ16は、1つの検知ユニット10内に少なくとも2個、即ち複数個設けられる。距離センサ16の上方の地面上にゴミや枯葉などの遮蔽物が存在する場合には車両の検出ができなくなるが、複数の距離センサ16を設けることにより、全ての距離センサ16の上方が遮蔽されない限り、車両の検出が可能となる。なお、距離センサ16は、地面から一般的な車両の底面までの距離hに相当する範囲の物体を車両と判定するため、検知ユニット10上にゴミや枯葉などが存在していても、検出距離に基づいてそれらを車両と区別することができる。
【0022】
通信モジュール17は、GW装置20との間で無線通信を行うための無線モジュールである。通信モジュール17の通信可能範囲は、少なくとも各駐車区画1とGW装置20との距離よりも長くなるように設定される。
【0023】
MCU18は、検知ユニット10の各構成要素を制御するためのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより必要な処理を実行する。具体的には、MCU18は、距離センサ16が検出した物体の距離に基づいて、駐車区画1内における車両の入出庫検知処理を行う。また、MCU18は、通信モジュール17を介してGW装置20と通信し、後述する駐車区画1の予約表示処理を行う。
【0024】
ソーラーバッテリー13は、検知ユニット10内の可能な限り広い面積に設置され、充電のための電池を含む。ソーラーバッテリー13は、上方から入射する太陽光を利用して発電を行い、蓄電する。バッテリー19は、ソーラーバッテリー13とは別個に設けられ、リチウムイオン電池などにより構成される。
【0025】
カラーインジケータ14は、カラー表示により駐車区画1が予約済であるか否かを表示する。例えば、駐車区画1が予約済である場合にはカラーインジケータ14は赤色を表示し、駐車区画が空き(未予約)である場合にはカラーインジケータ14は緑色を表示する。カラーインジケータ14による色の表示方法には基本的に制限は無く、カラー表示体などを用いて行っても良い。但し、消費電力などを考慮すると、カラープレートを物理的に移動させるタイプの表示機能などを採用することが好ましい。例えば、所定の面積の開口の下方に赤色と緑色のカラープレートを移動可能に配置し、モータなどの機構によりカラープレートを移動させることにより、開口内の表示色を切り替える。
【0026】
(GW装置)
図5は、GW装置20の構成を示す。GW装置20は、表示パネル21と、通信モジュール22と、MPU23とを備える。表示パネル21は、例えば液晶パネルなどにより構成され、各駐車区画1の予約状況を表示する。
図6は、各駐車区画1の予約状況の表示例を示す。表示パネル21には、駐車区画毎に「予約済」であるか「空き」であるかが表示される。なお、
図6に示す「予約済」/「空き」の文字に加えて、検知ユニット10のカラーインジケータ14と同様のカラー表示を併用してもよい。
【0027】
通信モジュール22は、検知ユニット10と無線通信を行うための無線モジュールである。また、通信モジュール22は、必要に応じて、サーバ30との間で、駐車区画毎の車両の有無や予約状態などの情報を送受信する際にも利用される。
【0028】
MPU23は、GW装置20の全体を制御するためのコンピュータであり、予め用意されたプログラムなどを実行することにより動作する。具体的に、MPU23は、駐車区画1の予約表示処理、車両の入出庫検知処理などを実行する。
【0029】
[管理処理]
次に、駐車管理システム100により行われる処理について説明する。
(予約表示処理)
予約表示処理は、駐車場の駐車区画毎の予約状態を表示する処理であり、検知ユニット10及びGW装置20により行われる。
図7は、予約表示処理のフローチャートである。
【0030】
駐車場の利用者は、サーバ30に接続して、自らの利用者ID、駐車場及び希望する駐車区画などを指定し、駐車区画の予約を行う。サーバ30は、予約が完了すると、駐車区画毎の予約情報をGW装置20へ送信する。GW装置20は、サーバ30から駐車区画1の予約情報を受信すると(ステップS11:Yes)、予約情報を検知ユニット10へ送信する(ステップS12)。ここで、「予約情報」は、予約された駐車区画の番号を含む。さらに、GW装置20は、
図6に例示したように、表示パネル21に表示された予約状況において、その駐車区画を「予約済」に変更する(ステップS13)
【0031】
検知ユニット10は、GW装置20から予約情報を受信すると(ステップS14)、カラーインジケータ14を「予約済」に対応する色に変更する(ステップS15)。前述の例では、カラーインジケータ14には、「予約済」に対応する赤色が表示される。こうして、予約表示処理は終了する。
【0032】
予約表示処理により、予約済の駐車区画1については、検知ブロック3のカラーインジケータ14が予約済を示す色に変更される。よって、利用者は、各駐車区画1のカラーインジケータ14の色を見ることにより、その駐車区画が予約済であるか空であるかを知ることができる。また、予約表示処理により、GW装置20の表示パネル21に表示された予約状況も更新される。よって、利用者は、GW装置20の表示パネル21を見ることにより、複数ある駐車区画1のどれが空いているかを知ることができる。
【0033】
(入出庫検知処理)
入出庫検知処理は、車両の入庫時及び出庫時に検知ユニット10及びGW装置20により行われる処理である。
図8は、入出庫検知処理のフローチャートである。いま、ある駐車区画1が空いているとする。検知ユニット10は、距離センサ16の出力に基づいて車両が入庫したか否かを常に監視しており(ステップS21)、車両が入庫すると(ステップS21:Yes)、入庫情報をGW装置20へ送信する(ステップS22)。ここで、入庫情報は、駐車区画番号と、車両が入庫したことを示す情報とを含む。GW装置20は、入庫情報を受信し、必要に応じて内部のメモリなどに記憶する(ステップS23)。
【0034】
車両が駐車している駐車区画1の検知ユニット10は、車両が出庫したか否かを常に監視しており(ステップS24)、車両が出庫すると(ステップS24:Yes)、出庫情報をGW装置20へ送信する(ステップS25)。ここで、出庫情報は、駐車区画番号と、車両が出庫したことを示す情報とを含む。また、検知ユニット10は、駐車区画が空きになったので、カラーインジケータ14の表示を「空き」に変更する(ステップS26)。
【0035】
GW装置20は、出庫情報を受信すると(ステップS27)、出庫情報と駐車時間とをサーバ30へ送信する(ステップS28)。ここで、GW装置20は、ステップS23で入庫情報を受信してから、ステップS27で出庫情報を受信するまでの時間を駐車時間とする。さらに、GW装置20は、表示パネル21におけるその駐車区間の予約状況を「空き」に変更する(ステップS29)。こうして、入出庫検知処理は終了する。
【0036】
なお、サーバ30は、GW装置20から受信した出庫情報及び駐車時間に基づいて、必要な課金処理などを行う。具体的には、予めサーバ30に対して行われた予約における予約情報に基づいて利用者を特定し、当該利用者に対して、駐車時間に対応する駐車料金を課金する。なお、本実施例における課金の方法は特定の方法に限定されず、各種の方法を採用することができる。
【0037】
[変形例]
(変形例1)
上記の駐車管理システム100において、駐車した車両のナンバープレートの読取装置を付加してもよい。具体的には、駐車場の入口付近にカメラを設け、駐車場に進入してくる車両のナンバープレートを読み取る。もしくは、各駐車区画毎に小型カメラなどを設け、駐車区画内に駐車した車両のナンバープレートを読み取る。そして、読み取ったナンバープレートの番号(車両登録番号)をGW装置20内に記憶する。GW装置20は、各駐車区画の予約状況を記憶しているので、必要に応じて、予約せずに無断で駐車している車両の車量登録番号を外部へ提供したりすることができる。
【0038】
(変形例2)
各駐車区画にBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信機能を設け、駐車場及び各駐車区画の場所情報コードを発信するようにしてもよい。例えば各駐車区画毎の場所情報コードをサーバ30で一元管理することにより、広範囲の多数の駐車場の管理が可能となる。
【0039】
(変形例3)
上記の実施形態では、検知ブロック3を駐車区画1の地面に埋め込んでいるが、その代わりに、車止めに埋め込んでもよい。
図9は、変形例3に係る検知ブロック3xを示す。図示のように、検知ブロック3xは、車止め2に埋め込まれている。なお、
図3(C)では、図示の便宜上、車両7の後輪を白抜きで示している。このように、車止め2に検知ブロック3xを埋め込むことにより、駐車区画1の地面に検知ブロックを埋め込むための穴を掘る必要がなくなる。また、検知ブロックの無い既存の車止めを、検知ブロック付きの車止めに交換することにより、検知ブロックを容易に設置することができるようになる。
【0040】
(変形例4)
上記の実施形態では、距離センサとして赤外線距離センサを用いている。しかし、赤外線距離センサは、地面上における積雪、凍結、雨による水没などによって検出ができなくなったり、検出精度が低下したりすることがある。このため、赤外線距離センサの代わりに地磁気センサを使用してもよい。具体的には、
図10(A)に示すように、検知ユニット10内に、距離センサ16の代わりに地磁気センサ41を設ける。典型的には地磁気センサ41は検知ユニット10内の基板12上に設けられる。
【0041】
地磁気センサは方位を検出するものであるが、周辺に存在する磁気物体の影響を受けて、検出される方位角が変化するという特徴がある。これを利用し、車両の有無を検出する。具体的には、駐車区画1内に車両が駐車していない状態における地磁気センサの出力方位角を基準方位角とする。駐車区画1内に車両が駐車されると、磁気物体としての車両の影響で、地磁気センサの検出方位角が変化する。よって、予め決められた所定方位角変化量以上の方位角変化が検出された場合に、車両が駐車されたと判定することができる。この所定方位角変化量は、一般的な車両を実験的に駐車させて地磁気センサが出力する方位角の変化量を検出することにより、予め設定することができる。例えば、所定方位角変化量は、±5度程度に設定することができる。これにより、周囲の環境による影響を受けにくくすることができる。
【0042】
(変形例5)
また、距離センサと地磁気センサを併用するようにしてもよい。具体的には、
図10(B)に示すように、検知ユニット10内に、距離センサ16に加えて地磁気センサ41を設ける。このように、赤外線距離センサに加えて地磁気センサを用いたハイブリッド方式を採用することにより、周囲の環境による影響を受けにくく、かつ、高精度の検出が可能となる。
【符号の説明】
【0043】
1 駐車区画
2 車止め
3 検知ブロック
10 検知ユニット
12 検知ユニット基板
13 ソーラーバッテリー
14 カラーインジケータ
15 カバー
16 距離センサ
20 ゲートウェイ装置
21 表示パネル