特許第6868512号(P6868512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868512
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】自立式物干し具
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/08 20060101AFI20210426BHJP
   A47G 25/02 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   D06F57/08 Z
   A47G25/02 B
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-170043(P2017-170043)
(22)【出願日】2017年9月5日
(65)【公開番号】特開2018-110836(P2018-110836A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2020年3月23日
(31)【優先権主張番号】特願2017-2653(P2017-2653)
(32)【優先日】2017年1月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】斧田 浩一
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−136388(JP,A)
【文献】 実開昭47−027015(JP,U)
【文献】 実公昭10−006137(JP,Y1)
【文献】 実開平07−018672(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/08
A47G 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の縦枠材と上下の横枠材とが枠用継手を介して矩形に形成された複数の枠体間に、横杆用継手を介して少なくとも2本の横杆が差し渡されて、複数の前記枠体どうしが折り畳み可能に形成され
前記枠用継手は、一端が閉塞され他端が解放され、解放された挿入孔から前記縦枠材が挿入され、
前記枠用継手は前記縦枠材の外形と同形となされ、かつ前記横枠材を挿入する部位には横方向に突出する突部を備えておらず、
前記枠用継手の側壁内周面には仕切り壁が形成されており、
前記仕切り壁と前記側壁と前記枠用継手の閉塞された一端とによって、前記横枠材を挿入する部位が形成され、
前記横枠材の端部が前記横枠材を挿入する部位に挿入され、前記仕切り壁を貫通して該横枠材に螺入される固定ネジによって、前記枠用継手と前記横枠材が固定されてなり、
前記仕切り壁は、その一部が前記挿入孔の解放側に向けて厚肉に形成された厚肉部を有しており、かつ、前記厚肉部は、前記挿入孔に挿入される縦枠材の端部よりも奥側に位置しており、
前記厚肉部には固定ネジを螺入するための横枠材固定用ネジ孔が設けられ、前記横枠材固定用ネジ孔内には前記固定ネジの頭部が収納されている
ことを特徴とする自立式物干し具。
【請求項2】
前記枠体を形成する左右の前記縦枠材間には干し棒が差し渡され、少なくとも対向した2個の前記枠体に設けられた干し棒間または前記横枠材間には、干し部が架け渡されていることを特徴とする請求項1に記載の自立式物干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳んで収納できると共に、展開して使用することができる自立式物干し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自立式物干し具については、従来より種々の提案がなされており、例えば特許文献1には、2本の各竿受け枠4、4は各支柱1、1の上部に対して、前後両方向に延出する前後振り分け姿勢4Aと、前方へ移動させて前方へ長く延出する前方延出姿勢4Bとに切換移動操作可能に構成した物干し器が開示されている(特許文献1の請求項1参照)。
【0003】
また、特許文献2には、上横杆、下横杆、左縦杆及び右縦杆からなる略四角枠状の干枠体を複数個並列状に配置し、該隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ二個の支持リンクを支軸により枢着してなるX状リンクを配置し、該干枠体の左縦杆及び右縦杆に上下一対の摺動筒を摺動自在に設け、該X状リンクの二個の支持リンクの各端部を上下一対の摺動筒にそれぞれ連結ピンにより枢着連結し、該左縦杆及び右縦杆を伸縮調節自在に設け、該上横杆に先端部を隣り合う上横杆上に載置可能な橋絡杆の基部を回動自在に設け、該橋絡杆に複数個の吊り具を設けてなる物干し具が開示されている(特許文献2の請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−197797号公報
【特許文献2】特開2008−279199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の特許文献1に記載の自立式物干し具においては、竿受け枠4が前後振り分け姿勢4Aにある場合も、前方延出姿勢4Bにある場合も、支柱1と竿受け枠4とがT型継手13を用いて接続されているため、T型継手13が邪魔になり、その部分に配されている竿受枠4の部分には干し物を干すことができず、竿受け枠4を有効に使用することができないものであった。
【0006】
また、上記従来の特許文献2に記載の自立式物干し具においては、X状リンクを備えていることから、使わない時(収納時)は折り畳んで省スペース化することができ、使用時には展開して干し物を干すことができるようになっているものの、収納時に折り畳んだ状態において、対向する摺動筒と連結ピンとが干渉してしまうため、さらにコンパクトに折り畳むことができる自立式物干し具が要望されていた。
【0007】
本発明は、折り畳んだ際の厚みを小さくできるようにしてコンパクトに折り畳むことができると共に、干し物を干す部分を効率よく使用することができる自立式物干し具を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る自立式物干し具は、左右の縦枠材と上下の横枠材とが枠用継手を介して矩形に形成された複数の枠体間に、横杆用継手を介して少なくとも2本の横杆が差し渡されて、複数の前記枠体どうしが折り畳み可能に形成され、前記枠用継手は、一端が閉塞され他端が解放され、解放された挿入孔から前記縦枠材が挿入され、前記枠用継手は前記縦枠材の外形と同形となされ、かつ前記横枠材を挿入する部位には横方向に突出する突部を備えておらず、前記枠用継手の側壁内周面には仕切り壁が形成されており、前記仕切り壁と前記側壁と前記枠用継手の閉塞された一端とによって、前記横枠材を挿入する部位が形成され、前記横枠材の端部が前記横枠材を挿入する部位に挿入され、前記仕切り壁を貫通して該横枠材に螺入される固定ネジによって、前記枠用継手と前記横枠材が固定されてなり、前記仕切り壁は、その一部が前記挿入孔の解放側に向けて厚肉に形成された厚肉部を有しており、かつ、前記厚肉部は、前記挿入孔に挿入される縦枠材の端部よりも奥側に位置しており、前記厚肉部には固定ネジを螺入するための横枠材固定用ネジ孔が設けられ、前記横枠材固定用ネジ孔内には前記固定ネジの頭部が収納されていることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明に係る自立式物干し具は、前記枠体を形成する左右の前記縦枠材間には干し棒が差し渡され、少なくとも対向した2個の前記枠体に設けられた干し棒間または前記横枠材間には、干し部が架け渡されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る自立式物干し具によれば、左右の縦枠材と上下の横枠材とが枠用継手を介して矩形に形成された複数の枠体間に、横杆用継手を介して少なくとも2本の横杆を差し渡して、複数の前記枠体どうしが折り畳み可能に形成すると共に、前記横枠材の端部を前記枠用継手に挿入し、前記枠用継手の内部を貫通して固定ネジを螺入することによって、前記枠用継手と前記横枠材を固定してなり、前記枠用継手が前記縦枠材の外形と同形にして、かつ前記横枠材を挿入する部位には横方向に突出する突部を備えていないようにしているため、前記横枠材の端部の前記枠用継手に挿入された間際まで干し物を前記横枠材に掛けて干すことができるので、干し物を干す部分である横枠材を最大限に長く使用することができると共に、タオル等を前記横枠材に直接干す時には、前記枠用継手に横方向の突部が無いので、タオルに皺が付きにくくすることができる。さらに、前記横枠材と枠用継手を固定する固定ネジを前記枠用継手の内部を貫通させて螺入しているため、前記固定ネジが外部に露出することがなく、外観がスッキリしたものとすることができる。
【0011】
また本発明に係る自立式物干し具によれば、前記枠体を形成する左右の前記縦枠材間に干し棒を差し渡し、少なくとも対向した2個の前記枠体に設けられた干し棒間または前記横枠材間には、干し部を架け渡しているので、その使用状態においては、洗濯物や枕などを干し部の上に載置して干したり、干し部に掛けて干すことができるようになされ、その収納状態においては、前記干し棒に架け渡されいる干し部を上下方向に縦向きに配置して、厚みが小さいスペースにも自立式物干し具を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る自立式物干し具の一つの実施形態であって、一つの使用状態を示す斜視図である。
図2図1に示す自立式物干し具の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図である。
図3図2(a)に示すA−A断面図である。
図4図3に示すA部、B部の拡大図である。
図5図2(a)に示すB−B断面図である。
図6図5に示すA部、B部の拡大図である。
図7図2(a)に示すC−C断面図である。
図8図7に示すA部、B部の拡大図である。
図9図2(a)に示すD部の、(a)は拡大図、(b)は(a)の断面図である。
図10】本発明に係る自立式物干し具の一つの実施形態であって、別の使用状態を示す斜視図である。
図11】本発明に係る自立式物干し具の折り畳まれた収納状態を示す、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は左側面図、(f)は背面図である。
図12】本発明に係る自立式物干し具を構成する枠用継手の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)はA−A断面図、(f)はB−B断面図、(g)はC−C断面図である。
図13】本発明に係る自立式物干し具を構成する枠用中間継手の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)はA−A断面図、(f)はB−B断面図、(g)はC−C断面図である。
図14】本発明に係る自立式物干し具を構成する横杆用継手の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)はA−A断面図、(f)はB−B断面図である。
図15】本発明に係る自立式物干し具を構成する押え材の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)はA−A断面図である。
図16】本発明に係る自立式物干し具の別の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明につき実施形態を取り上げて説明を行う。なお、本実施形態はあくまでも本発明を理解するための一例を示したに過ぎず、各部の形状、構造、材質等に関し、本実施形態以外のバリエーションが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で許容されていることは言うまでもない。また、図1に矢印で示す方向を、それぞれ正面、背面、左、右、上、下の方向とする。
【0014】
Pは本発明に係る自立式物干し具であり、1は枠体であって、左右の縦枠材11と上下の横枠材12とが枠用継手2を介して矩形に形成されている。本発明に係る自立式物干し具の本実施形態においては、前記枠体1が2個備えられており、それらの枠体1間に上下に2本の横杆3が横杆用継手4を介して差し渡されている。前記縦枠材11、横枠材12、横杆3は、パイプ材の外周に合成樹脂が被覆されて形成されている。前記パイプ材は、その長さが500〜1500mm、外径が19〜30mm、肉厚が0.4〜1.0mmであることが好ましい。
【0015】
また前記パイプは、鉄、ステンレス、アルミニウム合金等の金属、あるいは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ABS、AAS、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、FRP等の合成樹脂からなる管状体が用いられ、その断面形状は、本実施形態に示すように、断面が真円形状のものが好適に使用される。
【0016】
前記パイプ材の外周に形成されている合成樹脂製の被覆層は、その厚みが0.2〜0.5mm程度のものであり、前記合成樹脂の種類はポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、繊維素系樹脂、ポリアミド、ポリスチレン等が使用される。
【0017】
図11に示す実施形態は、本発明に係る自立式物干し具Pを収納するために扁平状に折り畳んだ収納状態を示している。そして自立式物干し具Pを使用する際には、この折り畳んだ状態から自立式物干し具Pを広げて使用する。図1から図10に示す実施形態は、自立式物干し具Pを平面視Z型に広げた使用状態を示す。また図7に示す実施形態は、自立式物干し具Pを平面視コの字型に広げた使用状態を示す。また図12から図15には、図1から図11に示す自立式物干し具Pを構成する部材である枠用継手2、横杆用継手4、枠用中間継手5、押え材6を示す。
【0018】
前述の通り、前記枠体1は左右の前記縦枠材11と前記上下の横枠材12とが前記枠用継手2を介して上下方向に縦長の矩形に枠組されて形成されている。詳細には、前記枠用継手2は一端Eが閉塞され他端が解放された筒状体から成り、解放された挿入孔21から前記縦枠材11が挿入され、前記挿入孔21に近い前記枠用継手2の側壁22に形成されている膨出部27に設けられたネジ孔23に外方から蝶ネジT1が螺入されて、さらに前記蝶ネジT1を前記縦枠材11の側壁を貫通させて螺入させ、前記縦枠材11と前記枠用継手2とが固定されている。そして、前記枠用継手2は前記縦枠材11の外形と同形となされている。すなわち、本実施形態においては前記縦枠材11が円筒状のパイプで形成されているので、枠用継手2はその外形が、前記膨出部27を除いて円柱状に形成されている。
【0019】
前記枠用継手2の前記ネジ孔23が設けられているのと反対側、すなわち前記枠用継手2の閉塞されている側の側壁22には横枠材挿入孔24が形成されて、この横枠材挿入孔24に前記横枠材12の端縁が、筒状体の前記枠用継手2の側壁22内周面に一部が当接されて挿入されている。そして、前記枠用継手2は、その前記横枠材12を挿入する部位である前記横枠材挿入孔24の周縁には横方向に突出する突部や膨出部等を備えていない様に形成されている。
【0020】
また、筒状体の前記枠用継手2の側壁22内周面には仕切り壁25が形成されており、この仕切り壁25と前記側壁22と前記枠用継手2の閉塞された一端Eとによって、前記横枠材挿入孔24が形成されている。さらに、前記仕切り壁25には前記横枠材12と前記枠用継手2とを固定するために固定ネジN1を螺入するための横枠材固定用ネジ孔26が設けられており、この横枠材固定用ネジ孔26に前記固定ネジN1が螺入され、さらに前記固定ネジN1を前記横枠材12の側壁を貫通させて螺入させ、前記横枠材12と前記枠用継手2とが固定されている。この様に、筒状体の前記枠用継手2の側壁22内周面に形成している前記仕切り壁25に前記横枠材固定用ネジ孔26を設けているので、前記固定ネジN1が外部に露出することがなく、外観がスッキリしたものとすることができる。
【0021】
また左右の前記縦枠材11は、上下に2本ずつの前記縦枠材11が筒状体の前記枠用中間継手5の上下に形成された挿入孔51にそれぞれ挿入され、前記枠用中間継手5の上部と下部の側壁52にそれぞれ形成されている膨出部57に設けられた2個のネジ孔53に蝶ネジT2が螺入されて、さらに前記蝶ネジT2を前記縦枠材11の側壁を貫通させて螺入させ、2本の前記縦枠材11と前記枠用中間継手5とが固定されている。
【0022】
さらに、筒状体の前記枠用中間継手5の中央付近の側壁52には、左右の前記縦枠材11間に差し渡される干し棒7を挿入し固定するための干し棒挿入孔54が形成されて、この干し棒挿入孔54に前記干し棒7の端縁が、筒状体の前記枠用中間継手5の側壁52内周面に一部が当接されて挿入されている。また、筒状体の前記枠用中間継手5の側壁52内周面には対向した一対の仕切り壁55が形成されており、これらの仕切り壁55と前記側壁52とによって、前記干し棒挿入孔54が形成されている。
【0023】
さらに、一対の前記仕切り壁55のうち少なくとも一方には前記干し棒7と前記枠用中間継手5とを固定するために固定ネジを螺入するための干し棒固定用ネジ孔56が設けられており、この干し棒固定用ネジ孔56に前記固定ネジが螺入され、さらに前記固定ネジを前記干し棒7の側壁を貫通させて螺入させ、前記干し棒7と前記枠用中間継手5とが固定されている。この様に、筒状体の前記枠用中間継手5の側壁52内周面に形成している前記仕切り壁55に前記干し棒固定用ネジ孔56を設けているので、前記固定ネジが外部に露出することがなく、外観がスッキリしたものとすることができる。
【0024】
なお、本実施形態においては、一対の前記仕切り壁55のうち一方にのみ前記干し棒挿入孔54を形成しているが、一対の前記仕切り壁55の両方に前記干し棒挿入孔54を形成し、前記干し棒挿入孔54の両方に前記固定ネジを螺入し、さらに前記固定ネジを前記干し棒7の側壁を貫通して螺入し、前記干し棒7と前記枠用中間継手5とを固定するようにしてもよい。
【0025】
前記枠体1は本実施形態においては2個設けられており、前述の様に、それらの前記枠体1間に上下に2本の前記横杆3が前記横杆用継手4を介して差し渡されている。この横杆用継手4は2個の筒状体をその一方の側壁から他方を突設させたT型の形状であり、両端が開口した筒状体の方に前記縦枠材11を挿通し、一方のみ開口した筒状体の方に前記横杆3を挿入するようになっている。そして、一方のみ開口した筒状体の方に前記横杆3を挿入し、前記横杆用継手4の側壁41に形成されている膨出部43に設けられたネジ孔42に外方から固定ネジN2が螺入されて、さらに前記固定ネジN2を前記縦横杆3の側壁を貫通させて螺入させ、前記横杆3と前記横杆用継手4とが固定されている。
【0026】
そして、2個の前記枠体1の縦枠11の一方に、前記横杆3の両端に挿入され固定された2個の横杆用継手4をそれぞれ挿入するのであるが、前記横杆用継手4は2個の前記枠体1どうしが折り畳み可能とするために、前記縦枠材11に対して回動可能としている。すなわち、前記横杆用継手4は前記縦枠11に固定されていないので、そのままの状態であると、前記縦枠材11を上下に移動してしまう。すなわち、上側の前記横杆用継手4は下方に落下してしまい、下側の前記横杆用継手4は上方に移動可能となっている。それを防止するために、前記押え材6を上側の前記横杆用継手4の下側に、また下側の前記横杆用継手4の上側に、それぞれ配置する。前記押え材6は短尺の円筒体であり、その側壁61に固定ネジN3を螺入するための膨出部62が横方向に向けて突設されている。この膨出部62に穿設されている挿入孔63に前記固定ネジN3を螺入し、さらに前記固定ネジN3を前記縦枠材11の側壁を貫通させて螺入し、前記前記縦枠材11と前記押え材6とを固定する。そして、前記縦枠材11の上部に固定した前記押え材6の上に当接するように前記横杆用継手4を前記縦枠材11に挿通し、その上から前記枠用継手2をその挿入孔21から挿入し、前記枠用継手2の側壁22に形成されている前記膨出部27に設けられた前記ネジ孔23に外方から前記蝶ネジT1を螺入して、さらに前記蝶ネジT1を前記縦枠材11の側壁を貫通させて螺入し、前記縦枠材11と前記枠用継手2とを固定することにより、上側の前記横杆用継手4は下方に落下することがなくなる。
【0027】
これと同様に、前記縦枠材11の下部に固定した前記押え材6の下に当接するように前記横杆用継手4を前記縦枠材11に挿通し、その下から前記枠用継手2をその挿入孔21から挿入し、前記枠用継手2の側壁22に形成されている前記膨出部27に設けられた前記ネジ孔23に外方から前記蝶ネジT1を螺入して、さらに前記蝶ネジT1を前記縦枠材11の側壁を貫通させて螺入し、前記縦枠材11と前記枠用継手2とを固定することにより、下側の前記横杆用継手4は上方に移動不可能となっている。上記の如く構成することによって、2個の前記枠体1間に、前記横杆用継手4を介して2本の横杆3が差し渡されて、2個の前記枠体どうしが折り畳み可能に形成されている。
【0028】
本実施形態において、本発明に係る自立式物干し具Pは、2個の前記枠材1に2本の前記横杆を差し渡して形成しているが、これに限定されるものではなく、3個の前記枠材1のそれぞれに2本ずつ計4本の前記横杆を差し渡して形成してもよく、4個の前記枠材1のそれぞれに2本ずつ計6本の前記横杆を差し渡して形成してもよく、或いは3個の前記枠材1のそれぞれに3本ずつ計6本の前記横杆を差し渡して形成してもよい。要は、左右の縦枠材11と上下の横枠材12とが枠用継手2を介して矩形に形成された複数の枠体1間に、横杆用継手4を介して少なくとも2本の横杆3が差し渡されて、複数の前記枠体1どうしが折り畳み可能に形成されていればよい。
【0029】
また本実施形態において、前記縦枠材11を円筒状のパイプで形成しているが、特にこれに限定されるものではなく、四角筒状や六角形状等のパイプであっても良い。しかし、前記横杆3が差し渡される側の縦枠材11については、複数の前記枠体1どうしが折り畳み可能に形成するために、円筒状の縦枠材に限定される。
【0030】
次に、図16に示す実施形態について説明する。
この図に示す実施形態は、図10に示す実施形態に後述する干し部8が取付けられている点のみ相違する。詳細には、前記自立式物干し具Pを構成する枠体1を形成する左右の前記縦枠材11間に干し棒7が差し渡され、対向した2個の前記枠体1に設けられた干し棒7間には、洗濯物等をその上に載置して平干ししたり、それに掛けて干したりするための載置部である4本の棒状体82を備えた干し部8が2個架け渡されている。
【0031】
前記干し部8は、その両端に前記干し棒7に引っ掛ける引っ掛け部81が設けられている。この引っ掛け部81には凹溝83が設けられ、倒コ字型に形成されている。そして、この引っ掛け部83を前記干し棒7に引っ掛けて、前記干し部8が枠体1に取付けられている。
【0032】
また、前記棒状体82は両端部に配置されている引っ掛け部81間に平行に並べられて4本取付けられており、洗濯物や枕などをその上に載置して干すことができるようになされている。なお、言うまでもなく、前記棒状体82にタオルなどを掛けて干してもよい。
【0033】
前記干し部8は干し棒7に引っ掛けられているだけで、ネジ止めや接着などはされていないので、前記自立式物干し具Pの枠体1を扁平状に折り畳み、図11に示す収納状態にした時、前記干し棒7に引っ掛けられている引っ掛け部81を片方だけ外し縦向きに配置すると、前記枠体1で形成される面から厚み方向に突出することなく、前記干し部8を収納することができるので、厚みが小さいスペースにも前記自立式物干し具Pを収納することができる。
【0034】
この実施形態においては、前記干し棒7間に干し部8が架け渡されているが、前記横枠材12間に干し部8が架け渡されていてもよく、さらには、前記干し部8を2個用いているが、1個のみ使用するようにしてもよいし、前記干し部8の大きさも自立式物干し具Pの大きさ次第で適宜決定すればよい。また、前記干し部8は金属で形成されていてもよいし、熱可塑性合成樹脂で形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 枠体
11 縦枠材
12 横枠材
2 枠用継手
21 挿入孔
22 側壁
23 ネジ孔
24 横枠材挿入孔
25 仕切り壁
26 横枠材固定用ネジ孔
27 膨出部
3 横杆
4 横杆用継手
41 側壁
42 ネジ孔
43 膨出部
5 枠用中間継手
51 挿入孔
52 側壁
53 ネジ孔
54 干し棒用挿入孔
55 仕切り壁
56 干し棒固定用ネジ孔
57 膨出部
6 押え材
61 側壁
62 膨出部
63 挿入孔
7 干し棒
8 干し部
81 引っ掛け部
82 棒状体
83 凹溝
P 自立式物干し具
T1,T2 蝶ネジ
N1,N2,N3 固定ネジ
E 一端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16