【文献】
SHUANG CHENDONG,EFFECT OF THE CHEMICAL STRUCTURE OF ANION EXCHANGE RESIN ON THE ADSORPTION OF HUMIC ACID: 以下備考,JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE,2014年 9月16日,VOL:437,,PAGE(S):163 - 169,BEHAVIOR AND MECHANISM,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.jcis.2014.09.011
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下は図面の簡単な説明である。
【
図1】
図1は、水溶液(X)が樹脂(Y)を含有するカラムを通過する、本発明の方法の実施形態を示す。水溶液(A)は、樹脂(Y)を含有するカラムから出て、次に樹脂(B)を含有するカラムを通過する。水溶液(C)は、樹脂(B)を含有するカラムから出て、次に樹脂(D)を含有するカラムを通過する。水溶液(E)は、樹脂(D)を含有するカラムから出る。
【
図2】
図2は、装填された樹脂(B2)を含有するカラムに再生水溶液(RA)を通過させ、装填された樹脂(B2)を含有するカラムから水溶液(RAE)を排出する実施例を示す。
【
図3】
図3は、装填された樹脂(B2)を含有するカラムに再生水溶液(RB)を通過させ、装填された樹脂(B2)を含有するカラムから水溶液(RBE)を排出する実施例を示す。
【
図4】
図4は、装填された樹脂(D2)を含有するカラムに再生水溶液(RB)を、水溶液(C)が樹脂(D)を含有するカラムを通過したのとは反対の方向に通過させ、装填された樹脂(D2)を含有するカラムから水溶液(RB2)を排出する実施例を示す。次いで、
図4は、装填された樹脂(B2)を含有するカラムに再生水溶液(RB2)を通過させ、装填された樹脂(B2)を含有するカラムから水溶液(RB2E)を排出する実施例を示す。
【0008】
以下は、本発明の詳細な説明である。
【0009】
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、文脈上他に明白に示されない限り、指定された定義を有する。
【0010】
本明細書で使用される「樹脂」は、「ポリマー」の同義語である。本明細書で使用される「ポリマー」は、より小さな化学反復単位の反応生成物から構成される比較的大きな分子である。ポリマーは、直鎖状、分岐状、星型、ループ状、超分岐状、架橋状、またはそれらの組み合わせである構造を有し得、ポリマーは単一タイプの反復単位(「ホモポリマー」)を有し得、またはそれらは2つ以上の反復単位(「コポリマー」)を有し得る。コポリマーは、ランダムに、順番に、ブロックで、他の配置で、またはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせで配置された様々なタイプの反復単位を有し得る。ポリマーの重量平均分子量は2,000以上である。
【0011】
互いに反応してポリマーの反復単位を形成し得る分子は、本明細書では「モノマー」として知られている。このようにして形成された反復単位は、本明細書ではモノマーの「重合単位」として知られている。
【0012】
ビニルモノマーは、構造Iを有し、
【0013】
【化1】
【0014】
式中、R
1、R
2、R
3、及びR
4はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、脂肪族基(例えば、アルキル基)、置換脂肪族基、アリール基、置換アリール基、他の置換もしくは非置換有機基、またはそれらの任意の組み合わせである。ビニルモノマーは2,000未満の分子量を有する。ビニルモノマーには、例えば、スチレン、置換スチレン、ジエン、エチレン、エチレン誘導体、及びそれらの混合物が含まれる。エチレン誘導体には、例えば、酢酸ビニル及びアクリルモノマーの非置換及び置換バージョンが含まれる。アクリルモノマーは、置換及び非置換の(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のアミド、塩化ビニル、ハロゲン化アルケン及びそれらの混合物から選択されるモノマーである。本明細書で使用される接頭辞「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルのいずれかを意味する。「置換」は、例えば、アルキル基、アルケニル基、ビニル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボン酸基、他の官能基、及びそれらの組み合わせなどの少なくとも1つの結合した化学基を有することを意味する。
【0015】
本明細書で使用される場合、ビニル芳香族モノマーは、R
1、R
2、R
3及びR
4の1つ以上が、1つ以上の芳香族環を含むビニルモノマーである。
【0016】
モノビニルモノマーは、1分子当たりちょうど1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有するビニルモノマーである。マルチビニルモノマーは、1分子当たり2つ以上の非芳香族炭素−炭素二重結合を有するビニルモノマーである。
【0017】
ポリマーの重量に基づき90%以上の重合単位が1つ以上のビニルモノマーの重合単位であるポリマーは、ビニルポリマーである。アクリル系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき重合単位の80%重量以上が構造IIまたは構造IIIまたはそれらの混合物を有するビニルポリマーである。
【0018】
【化2】
【0019】
式中、R
5及びR
7はそれぞれ独立して、水素またはメチルであり、R
6、R
8及びR
9はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のヒドロカルビル基である。
【0020】
ポリマーがいかなる溶媒にも溶解しないようにするのに、ポリマー鎖が十分な分岐点を有する場合、樹脂は本明細書では架橋されていると考えられる。本明細書において、ポリマーが溶媒に可溶性でないと考えられる場合、それは、0.1グラム未満の樹脂が25℃で溶媒100グラムに溶解することを意味する。
【0021】
粒子の集合体は、粒子の直径によって特徴付けられる。粒子が球形でない場合、粒子の直径は、粒子と同じ体積を有する粒子の直径であると考えられる。粒子の集合体は、本明細書では集合体の体積平均直径によって特徴付けられる。
【0022】
水中の溶解有機化合物の量は、最初に水を濾過して粒子を除去し、次に全有機炭素(TOC)を分析することにより特徴付けられる。TOCは、例えば、Sievers TOC分析装置(GE製)を用いて膜伝導測定技術を用いてUV/過硫酸塩酸化を用いて分析され得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、強酸性樹脂は、可能性のある微量不純物を除いて、スルホン酸基以外のペンダント官能基を有しない樹脂である。本明細書で使用されるように、弱酸性樹脂は、可能性のある微量不純物を除いて、カルボン酸基以外のペンダント官能基を有しない樹脂である。本明細書で使用される場合、強塩基性樹脂は、可能性のある微量不純物を除いて、第四級アンモニウム基以外のペンダント官能基を有しない樹脂である。本明細書において、弱塩基性樹脂は、可能性のある微量不純物を除いて、第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基、及びそれらの組み合わせ以外のペンダント官能基を有しない樹脂である。
【0024】
フミン酸は、通常類似の化合物の混合物として存在する天然に存在する酸性有機物質である。典型的なフミン酸分子は、他の構造の中でも芳香族環、フェノール基及びカルボキシル基を含む。フミン酸の平均化学式は、C
iH
jO
kN
xS
yであり、式中、iは170〜205であり、jは170〜205であり、kは80〜100であり、xは7〜11であり、yは0.5〜1.5である。一般に、フミン酸の場合、水素対炭素のモル比は0.8:1〜1.2:1である。炭素に対する水素のモル比が1:1に近いという事実は概して、フミン酸分子が複数の芳香族環を有することを意味すると考えられる。通常、フミン酸の平均分子量は3,500〜4,500である。フミン酸は、25℃でpHが1.0以下の水に不溶である。
【0025】
フルボ酸は、通常類似の化合物の混合物として存在する天然に存在する酸性有機物質である。典型的なフルボ酸分子は、他の構造の中でも芳香族環、フェノール基及びカルボキシル基を含む。フミン酸の平均化学式は、C
pH
qO
rN
wS
zであり、式中、pは122〜144であり、qは164〜200であり、rは85〜105であり、wは2〜8であり、zは1〜4である。一般に、フルボ酸の場合、水素対炭素のモル比は1.21:1〜1.5:1である。炭素に対する水素のモル比が1:1よりも高いという事実は概して、フルボ酸分子がフミン酸分子よりも少ない芳香環を有することを意味すると考えられる。通常、フミン酸の平均分子量は3,000〜4,000である。フルボ酸は、25℃でpHが1.0以下の水に溶ける。
【0026】
水中に存在する化合物は、それらが水に溶媒和された個々の分子として存在する場合には、溶解したとみなされる。有機化合物は、一般に無機であると考えられる化合物を除いて、炭素を含む化合物である。一般に無機であると考えられる炭素含有化合物は、以下:炭素の二元酸化物及び硫化物、三元金属シアン化物、三元金属カルボニル、ホスゲン、及びカルボニルスルフィド、ならびに金属炭酸塩を含む。水の試料中に溶解した炭素化合物の量は、本明細書では、上記のようにして測定された溶液1リットル当たりの溶解有機化合物に含まれる炭素原子のミリグラムであるTOCとして特徴付けられる。
【0027】
ポリマーは、以下の式によって決定される計算されたHanschパラメータ(HPoly)を有すると本明細書では言及される:
【0028】
[数1]
HPoly=(WFMon1)×(HMon1)+(WFMon2)×(HMon2)+(WFMon3)×(HMon3)...
【0029】
式中、Mon1、Mon2などは、ポリマー中に含まれる重合したモノマー単位であり、WFMonXはMonXの重量分率であり、HMonXはMonXの計算されたHanschパラメータであり、その合計はポリマーに含まれる全てのモノマー単位である。注意すべき点は、以下の通りである。
【0030】
[数2]
1=(WFMon1)+(WFMon2)+(WFMon3)...
【0031】
任意の特定の重合モノマー単位について、計算されたHanschパラメータは、ポリマー中に存在する重合単位の構造に基づいて計算される。Hanschパラメータを計算する目的で、官能基が重合プロセスの後に重合モノマー単位に添加される場合、そのモノマー単位は官能基を含む。この点を説明するために、アミン官能性スチレンポリマー(本発明のアクリルポリマー(B)の例ではない)を考慮することが有用である。スチレン(重量分率WFSty)とジビニルベンゼン(重量分率WFDVB)とのコポリマーであるポリマーを製造することができる。次いで、ポリマー中の各芳香族環に1個のジメチルアミノメチル基を結合させた化学反応を行うことができる。次に、Hanschパラメータの計算において考慮される2つの重合モノマー単位は、以下の通りである:
【0032】
【化3】
【0033】
構造体STY−A及びDVB−AのHanschパラメータが決定され(それぞれHSTY−A及びHDVB−Aと表示される)、この例示的ポリマーの計算されたHanschパラメータは、(WFSTY)×(HSTY−A)+WFDVB)×(HDVB−A)である。
【0034】
個々の重合したモノマー単位の計算されたHanschパラメータは以下のように決定される。本明細書で使用される場合、用語「Hanschパラメータ」は、疎水性の指標であり、より高い値は、Kowwin方法論に従って計算されるように、より大きな疎水性を示す。このツールはhttp://www.epa.gov/oppt/exposure/pubs/episuitedl.htmからダウンロードできる。Kowwin方法論は、補正された「フラグメント定数」方法論を用いて、logPとして表されるHanschパラメータを予測する。任意の重合モノマー単位について、分子構造は、それぞれ係数を有する断片に分割され、構造中の全ての係数値を合計して、重合モノマー単位のlogP推定値を得る。フラグメントは原子であり得るが、官能基が再現可能な係数を与えるならば、より大きな官能基(例えばC=O)である。各個々のフラグメントの係数は、信頼性をもって測定されたlogP値の多重回帰(KOWWINの「reductionist」フラグメント定数法)によって導かれ、ここで、logPは、水と所定の疎水性有機溶媒との混合物中のフラグメントを試験することによって測定される。補正されたフラグメント定数法では、群の係数は、群の測定されたlogP係数値と、群単独内の全ての原子からの推定されたlogP係数を加算することによって得られる同じ群のlogPとの間の任意の差異を説明する補正係数によって調整される。KOWWIN計算ツールと推定方法はSyracuse Research Corporationで開発された。Meylan及びHoward(1995)による雑誌論文は、「Atom/fragment contribution method for estimating octanol−water partition coefficients.」J.Pharm.Sci.1995,84,83−92としてプログラム方法論を論じている。Hanschパラメータは、上記のWebサイトで見つかった係数値から計算され得る。一般のビニルモノマーのHanschパラメータは、「Exploring QSAR:Volume 2:Hydrophobic,Electronic and Steric Constants,」1995,American Chemical Society,Washington,D.Cから利用され得る。
【0035】
本明細書で使用される「金属陽イオン」は、アルカリ金属、アルカリ土類、または別の金属の陽イオンである。
【0036】
比が本明細書でX:1以上であると考えられる場合、比はY:1であり、YはX以上であることを意味する。例えば、比が3:1以上であると考えられる場合、その比は3:1または5:1または100:1であってもよいが、2:1ではあり得ない。同様に、比が本明細書でW:1以下であると考えられる場合、比はZ:1であり、ZはW以下であることを意味する。例えば、比が15:1以下であると考えられる場合、その比は15:1または10:1または0.1:1であってもよいが、20:1ではあり得ない。
【0037】
本発明は、水溶液(A)の使用を含む。水溶液(A)のpHは5.5以下であり、好ましくは4.5以下であり、より好ましくは4.0以下である。好ましくは、水溶液(A)のpHは2.0以上、より好ましくは2.5以上である。
【0038】
水溶液(A)は、溶解有機化合物を含有する。全有機炭素(TOC)として測定される溶解有機化合物の量は、好ましくは1mg/L以上であり、より好ましくは2mg/L以上、より好ましくは5mg/L以上、より好ましくは10mg/L以上、より好ましくは20mg/L以上である。
【0039】
溶解有機化合物は、好ましくは、1つ以上のフミン酸、1つ以上のフルボ酸、またはそれらの混合物を含む。好ましくは、フミン酸またはフルボ酸から誘導されるTOCの部分は、TOCの重量に基づき10重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
【0040】
水溶液(A)は、水溶液(A)の重量に基づき95重量%以上、より好ましくは98%重量以上、より好ましくは99重量%以上の量で水を含む。
【0041】
本発明の実施は、水溶液(A)をアクリル樹脂(B)の粒子の集合体と接触させることを含む。構造IIまたは構造IIIを有するアクリル樹脂(B)中の重合単位の量は、アクリル樹脂(B)の粒子の集合体の乾燥重量に基づき80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。
【0042】
アクリル樹脂(B)は、−1.0〜2.5の計算されたHanschパラメータを有する。好ましくは、アクリル樹脂(B)は、−0.8以上、より好ましくは−0.6以上、より好ましくは−0.4以上、より好ましくは−0.2以上の計算されたHanschパラメータを有する。好ましくは、アクリル樹脂(B)は、1.5以下、より好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下の計算されたHanschパラメータを有する。
【0043】
好ましくは、アクリル樹脂(B)は、ペンダント基を有するポリマーであり、好ましくはペンダント基の一部または全てが1つ以上の官能基を含む。アクリル樹脂(B)の官能基ペンダントは好ましくは、第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、アクリル樹脂(B)は弱塩基性樹脂である。
【0044】
好ましいアクリル樹脂(B)は、構造IIIまたは構造IVまたは構造Vの重合単位を含む。
【0045】
【化4】
【0046】
式中、R
10は水素またはメチルであり、R
11、R
12、及びR
13はそれぞれ、置換または非置換のヒドロカルビル基であり、R
14は、水素または置換もしくは非置換のヒドロカルビル基のいずれかである。R
11の適切な二価基は、置換もしくは非置換の、1−,1−メチル;1−,1−エチル;1−,2−エチル;1−,3−プロピル;1−,2−(1−メチルエチル)、1−,2−(2−メチルエチル)、1−,4−ブチル;1−,3−(1−メチルプロピル);1−,3−(2−メチルプロピル);1−,3−(3−メチルプロピル);1−,2−(1−エチルエチル);1−,2−(2−エチルエチル);1−,5−ペンチル;1−,4−(1−メチルブチル);1−,4−(2−メチルブチル);1−,4−(3−メチルブチル);1−,4−(4−メチルブチル);1−,3−(1−エチルプロピル);1−,3−(2−エチルプロピル);1−,3−(3−エチルプロピル);1−,3−(1−,2−ジメチルプロピル);1−,3−(1−,3−ジメチルプロピル);1−,3−(2−,3−ジメチルプロピル);1−,6−ヘキシル;1−,5−(1−メチルペンチル);1−,5−(2−メチルペンチル);1−,5−(3−メチルペンチル);1−,5−(4−メチルペンチル);1−,4−(1−エチルブチル);1−,4−(2−エチルブチル);1−,4−(3−エチルブチル);1−,4−(1−,2−ジメチルブチル);1−,4−(1−,3−ジメチルブチル);1−,4−(2−,3−ジメチルブチル);メトキシ、ジメトキシ、トリメトキシ、ポリメトキシ(4〜10個のメトキシ基を有する)、ポリメトキシ(11〜100個のメトキシを有する)、エトキシ、ジエトキシ、トリエトキシ、ポリエトキシ(4〜10個のエトキシ基を有する)、ポリエトキシ(11〜100個のメトキシ基を有する)、プロポキシ、ジプロポキシ、トリプロポキシ、ポリプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、ポリエトキシポリメトキシ(4〜10個のエトキシ基及び/またはメトキシ基を有する)、ポリエトキシポリメトキシ(11〜100個のエトキシ及び/またはメトキシ基を有する)、ならびにそれらの組み合わせを含み、ここで、適切な置換基には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミン基、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0047】
R
8、R
9、R
12、及びR
13の適切な一価基は独立して、置換もしくは非置換の、メチル;エチル;1−プロピル;2−プロピル、1−ブチル;2−ブチル;1−(2−メチルプロピル);2−(2−メチルプロピル);1−ペンチル;2−ペンチル;3−ペンチル;1−(1−メチルブチル);1−(2−メチルブチル);1−(3−メチルブチル);1−(4−メチルブチル);1−(1−エチルプロピル);1−(2−エチルプロピル);1−(3−エチルプロピル);1−(1−,2−ジメチルプロピル);1−(1−,3−ジメチルプロピル);1−(2−,3−ジメチルプロピル);1−ヘキシル;1−(1−メチルペンチル);1−(2−メチルペンチル);1−(3−メチルペンチル);1−(4−メチルペンチル);1−(1−エチルブチル);1−(2−エチルブチル);1−(3−エチルブチル);1−(1−,2−ジメチルブチル);1−(1−,3−ジメチルブチル);1−(2−,3−ジメチルブチル);メトキシ、ジメトキシ、トリメトキシ、ポリメトキシ(4〜10個のメトキシ基を有する)、ポリメトキシ(11〜100個のメトキシ基を有する)、エトキシ、ジエトキシ、トリエトキシ、ポリエトキシ(4〜10個のエトキシ基を有する)、ポリエトキシ(11〜100個のメトキシ基を有する)、プロポキシ、ジプロポキシ、トリプロポキシ、ポリプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、ポリエトキシポリメトキシ(4〜10個のエトキシ基及び/またはメトキシ基を有する)、ポリエトキシポリメトキシ(11〜100個のエトキシ基及び/またはメトキシ基を有する)、ならびにそれらの組み合わせを含み、ここで、適切な置換基には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミン基、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0048】
R
14が水素でない場合、R
14の適切な基のリストは、R
8のリストと同じであり、R
14〜R
8は、互いに独立して選択され得る。
【0049】
好ましくは、アクリル樹脂(B)は、1つ以上のマルチビニルモノマーの重合単位を含む。適切なマルチビニルモノマーは、例えば、ジビニルベンゼン;エチレングリコールジビニルエーテル;ジエチレングリコールジビニルエーテル;トリエチレングリコールジビニルエーテル;ポリエチレングリコールジビニルエーテル;アルキルジオールジ(メタ)アクリレート(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート;1,9−ノナンジオールジメタクリレート;及び1,4−ブタンジオールジメタクリレート;1,10−デカンジオールジアクリレート;3−メチル1,5−ペンタンジオールジアクリレート;トリクロロデカンジメタノールジアクリレートを含む);エトキシル化3ビスフェノールAジアクリレート;ジプロピレングリコールジアクリレート;2−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン;アリルアクリレート;アリルメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;トリプロピレングリコールジアクリレート;ポリブタジエンジアクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート;1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート;1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート;PEO(5800)−b−PPO(3000)−b−PEO(5800)ジメタクリレート(PEOはポリエチレンオキサイド、PPOはポリプロピレンオキサイド);[PEO(10700)−b−PPO(4500)]4−エチレンジアミンテトラメタクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート;ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート;ならびにそれらの混合物を含む。
【0050】
アクリル樹脂(B)は粒子状である。好ましくは、体積平均粒径が20μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上である。好ましくは、体積平均粒径が1000μm以下である。
【0051】
好ましくは、アクリル樹脂(B)は水に溶解しない。好ましくは、アクリル樹脂(B)は架橋されている。
【0052】
アクリル樹脂(B)は、ゲル樹脂であっても、マクロポーラス樹脂であってもよい。ゲル樹脂は、17Å未満の平均孔径を有するが、マクロポーラス樹脂は、17〜500Åの孔径を有する。平均細孔径は以下のように測定される。まず、BET法を用いて粒子の集合体について樹脂表面積(RSA)を決定する。次いで、樹脂の細孔体積(RPV)を同じ樹脂について決定する。細孔体積については、0.980以上のP/Poの圧力値で、一点試験が使用され、ここで、Poは周囲の圧力である。細孔体積は以下のように計算される:最大P/Poにおいて一点が観察され、その時点で吸着された気体のモル数(Nmax)が記録される。理想気体法則で与えられるように、吸着された気体のモル数は体積Vを占めると考えられる:V=Nmax×R×T/P(式中、Rは気体定数であり、Tは絶対温度である)。その体積Vは細孔体積(RPV)として報告される。平均孔径については、4×(RPV)/(RSA)と報告されている。
【0053】
好ましくは、アクリル樹脂(B)は吸着された有機化合物が装填されていない。吸着された有機化合物の量は、アクリル樹脂(B)を等容量の水性試験溶液(TS)と接触させ、混合物を23℃で4時間放置し、次いで混合物から液体部分を分離し、次いで酸性KMnO
4法(樹脂1L当たりgO
2の単位で結果を与える)を用いて溶解有機化合物の液体部分を分析する。水性試験溶液(TS)は、使用前に10ppb未満の有機化合物を有する。水性試験溶液(TS)は、−2〜15の範囲のpHを有し、1つ以上の溶解無機塩を有していても有していなくてもよい。水性試験溶液(TS)とアクリル樹脂(B)との間には化学反応はない。水性試験溶液(TS)は、アクリル樹脂(B)上に存在し得る吸着された有機化合物を効果的に除去するように選択される。好ましくは、アクリル樹脂(B)上に存在する有機化合物の吸着量は、樹脂1L当たり0.1gO
2以下である。
【0054】
アクリル樹脂(B)を水溶液(A)と接触させる場合、この組み合わせを混合物BAと称する。アクリル樹脂(B)と水溶液(A)との接触中に、フミン酸及び/またはフルボ酸の一部または全てが水溶液(A)からアクリル樹脂(B)に移行することが考えられる。この接触後、水溶液(C)を混合物BAから分離する。好ましくは、水溶液(C)中のフミン酸の濃度対水溶液(A)中のフミン酸の濃度の比は0.5:1以下であり、より好ましくは0.2:1以下であり、より好ましくは0.1:1以下であり、より好ましくは0.05:1以下であり、より好ましくは0.02:1以下であり、より好ましくは0.01:1以下である。好ましくは、水溶液(C)中のフルボ酸の濃度対水溶液(A)中のフルボ酸の濃度の比は0.5:1以下であり、より好ましくは0.2:1以下であり、より好ましくは0.1:1以下であり、より好ましくは0.05:1以下であり、より好ましくは0.02:1以下であり、より好ましくは0.01:1以下である。
【0055】
混合物BAを製造し、次いで水溶液(C)を分離する1つの方法は、水溶液(A)とアクリル樹脂(B)の両方を容器に入れ、混合物を攪拌し、次いで沈降、液体を捨てる、遠心分離、濾過、またはそれらの組み合わせによって、水溶液(C)を除去することである。好ましくは、アクリル樹脂(B)の粒子の集合体を、例えばアクリル樹脂(B)の粒子を保持したまま容器内に水を通すことができるクロマトグラフィーカラムなどの容器に入れ、次いで水溶液(A)を重力または圧力またはそれらの組み合わせによって入口から容器内に押し込み、出口を介して水溶液(C)を容器から排出させる。水溶液(C)を混合物BAから分離した場合、混合物BAの残りの部分はアクリル樹脂(B2)である。
【0056】
混合物BAを製造し、次いで水溶液(C)を分離する方法は、溶解有機化合物を水溶液(A)からアクリル樹脂(B)に移すことが考えられ、その結果、水溶液(C)は水溶液(A)よりも低い濃度の溶解有機化合物を有しよう。
【0057】
水溶液(A)の起源を検討することは有用である。好ましくは、水溶液(A)は、水溶液(X)を樹脂(Y)の粒子の集合体と接触させて混合物YXを生成する方法によって生成される。好ましくは、混合物YXの液体部分は混合物YXの残りから分離され、その液体部分は水溶液(A)である。
【0058】
水溶液(X)は、水溶液(A)と同じ好ましい範囲のフミン酸の濃度を有する。水溶液(X)は、水溶液(A)と同じ好ましい範囲のフルボ酸の濃度を有する。水溶液(X)は、水溶液(A)と同じ好ましい範囲の量の水を有する。
【0059】
好ましくは、水溶液(X)は5以上、より好ましくは6以上のpHを有する。好ましくは、水溶液(X)は9以下、より好ましくは8以下のpHを有する。
【0060】
好ましくは、水溶液(X)は、河川、湖沼、池、または貯水池などの1つ以上の天然源から直接採取される。いくつかの物理的精製工程を実施することができ、水溶液(X)としてその水溶液を使用する前に、天然源から採取した水溶液に対して任意に、例えば粒子の形態である汚染物質を除去するための濾過を実施し得ることが考えられる。好ましくは、水溶液を天然源から除去した後、水溶液(X)として使用する前に、粒子を除去するための濾過以外の精製工程は水溶液に対して行われない。
【0061】
好ましくは、樹脂(Y)は、ペンダント陽イオン交換基を有する陽イオン交換樹脂である。好ましくは、樹脂(Y)は、スルホネート基、カルボキシレート基、またはそれらの混合物からなる群から選択されるペンダント化学基を含む。好ましくは、ペンダント陽イオン交換基の一部または全ては水素形態である。より好ましくは、樹脂(Y)はペンダントスルホネート基を含む。
【0062】
好ましくは、樹脂(Y)は、1つ以上のビニル芳香族モノマーの重合単位を含む。好ましくは、樹脂(Y)中のビニル芳香族モノマーの重合単位の量は、樹脂(Y)の重量に基づき50重量%以上であり、より好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。好ましくは、本発明の方法を実施する初期において、樹脂(Y)は水素形態である。
【0063】
水溶液(X)を樹脂(Y)の粒子の集合体と接触させて混合物YXを生成させ、次いで混合物YXの液体部分を混合物YXの残りから分離する好ましい方法は、混合物BAに関して上記した好ましい方法と同じである。混合物YXを製造及び分離する方法は、混合物BAを製造及び分離するために選択された方法とは独立して選択され得る。
【0064】
水溶液(X)は、1つ以上の金属陽イオンを含むことが考えられる。好ましくは、混合物YX及び混合物YXからの水溶液(A)を製造する方法は、水溶液(X)から樹脂(Y)への金属陽イオンの移動を引き起こす。好ましくは、水溶液(A)中の金属陽イオンの濃度は、水溶液(X)中の金属陽イオンの濃度よりも低い。
【0065】
水溶液(C)が得られた後、水溶液(C)を樹脂(D)の粒子の集合体と接触させて混合物DCを生成させることにより、水溶液(C)を処理することが好ましい。好ましくは、混合物DCの液体部分は、混合物DCから分離され、液体部分は水溶液(E)である。好ましくは、樹脂(D)は、ペンダント陰イオン交換基を有する陰イオン交換樹脂である。好ましくは、樹脂(D)は強塩基性樹脂である。好ましくは、樹脂(D)はペンダント第三級アンモニウム基を含む。好ましくは、陰イオン交換基ペンダントまたは樹脂(D)の一部または全ては水酸化物形態である。
【0066】
好ましくは、樹脂(D)は、1つ以上のビニル芳香族モノマーの重合単位を有する。好ましくは、樹脂(D)中のビニル芳香族モノマーの重合単位の量は、樹脂(D)の重量に基づき50重量%以上であり、より好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。
【0067】
水溶液(C)を樹脂(D)の粒子の集合体と接触させて混合物DCを生成させ、次いで混合物DCの液体部分を混合物DCの残りから分離する好ましい方法は、混合物BAに関して上記した好ましい方法と同じである。混合物DCを製造及び分離する方法は、混合物BAを製造及び分離するために選択された方法とは独立して選択され得る。混合物DCから水溶液(E)を分離した後、混合物DCの残りは樹脂(D2)を含む。
【0068】
水溶液(C)と樹脂(D)との接触により、水酸化物陰イオンの代わりに非水酸化物陰イオンが水溶液(C)から樹脂(D)に移行することが考えられる。好ましくは、水溶液(D)中の非水酸化物陰イオンの濃度は、水溶液(E)中の非水酸化物陰イオンの濃度よりも高い。
【0069】
好ましくは、水溶液(E)は、比較的低い濃度の金属陽イオン、比較的低い濃度の非水酸化物陰イオン、及び比較的低い濃度の溶解有機化合物を有する。
【0070】
水溶液(C)が混合物BAから除去された後、混合物BAに対する残りの固体部分はアクリル樹脂(B2)である。アクリル樹脂(B2)は、好ましくは、フミン酸、フルボ酸、またはそれらの混合物を吸着している。
【0071】
より多くの溶解有機化合物がアクリル樹脂(B2)に吸着すると、アクリル樹脂(B2)は水溶液(A)から溶解有機化合物を除去する効果が少なくなると考えられる。アクリル樹脂(B2)が水溶液(A)から有機化合物を除去する際の有効性を失ったとき、アクリル樹脂(B2)は「装填」されていると考えられる。好ましくは、本発明の方法が開始されるとき、水溶液(C)のTOC対水溶液(A)のTOC比は0.5:1以下であり、より好ましくは0.25:1以下である。本発明の方法を実施してからしばらくして、水溶液(C)のTOC対水溶液(A)のTOCの比が上昇し、本発明の方法がより長い時間にわたって実行されるにつれて、上昇し続けることが予測される。水溶液(C)のTOC対水溶液(A)のTOCの比が0.8:1以上になると、アクリル樹脂(B2)が「装填」されていると考えられる。通常、装填されたアクリル樹脂は、樹脂1リットル当り3.36gO
2以上の有機成分(後述する酸性KMnO
4試験によって測定)を吸着している。
【0072】
好ましくは、アクリル樹脂(B2)が装填されたときに、アクリル樹脂(B2)から溶解有機化合物を除去するための「再生」の工程が行われる。そのような再生は、アクリル樹脂(B2)をアクリル樹脂(B)に戻し、次いでこれを本発明の方法において水溶液(A)から溶解有機化合物を除去するために使用することができると考えられる。
【0073】
好ましくは、再生は、水溶液(R)をアクリル樹脂(B2)と接触させて混合物B2Rを形成し、次いでアクリル樹脂を水溶液(RE)から分離することを含む。好ましくは、水溶液(R)は、4以下のpHを有する酸性であるか、または10以上のpHを有する塩基性である。
【0074】
1つの好ましい再生方法は酸再生である。酸再生では、アクリル樹脂(B2)を、4以下のpHを有する水溶液(RA)と接触させて、混合物B2RAを形成することが好ましい。
【0075】
好ましくは、水溶液(RA)は、2以下のpH、より好ましくは1以下のpH、より好ましくは0以下のpHを有する。pHの負の値は0より低いと考えられる。
【0076】
好ましくは、水溶液(RA)は、溶解金属イオン及び溶解非水酸化物陰イオンの両方を有しない。水溶液(RA)は、全ての溶解金属イオン対全ての溶解非水酸化物陰イオンに対するモル比として定義される「塩比」によって特徴付けられ得る。好ましくは、水溶液(RA)中の塩比は0.1:1未満、より好ましくは0.01:1未満である。
【0077】
好ましくは、混合物B2RAをアクリル樹脂(B3)と水溶液(RAE)とに分離する。アクリル樹脂(B)として、アクリル樹脂(B3)が好適に用いられる。
【0078】
別の好ましい再生方法は、塩基再生である。塩基再生では、アクリル樹脂(B2)を、10以上のpHを有する水溶液(RB)と接触させて、混合物B2RBを形成することが好ましい。
【0079】
好ましくは、水溶液(RB)は、12以上のpH、より好ましくは13以上のpH、より好ましくは14以上のpHを有する。
【0080】
好ましくは、水溶液(RB)は、金属陽イオン、水酸化物陰イオン、及び非水酸化物陰イオンを含む。好ましい金属陽イオンはアルカリ金属陽イオンであり、ナトリウムイオンがより好ましい。好ましい水溶液(RB)は効果的に1種類の金属陽イオンのみを有する。好ましくは、水溶液(RB)中で、最も濃縮された金属陽イオンの重量対他の全ての金属陽イオンの重量の合計の比は10:1以上、より好ましくは100:1以上である。好ましい非水酸化物陰イオンはハライド陰イオンであり、塩化物陰イオンがより好ましい。好ましい水溶液(RB)は効果的に1種類の非水酸化物陰イオンのみを有する。好ましくは、水溶液(RB)中で、最も濃縮された非水酸化物陰イオンの重量対他の全ての非水酸化物陰イオンの重量の合計の比は10:1以上、より好ましくは100:1以上である。
【0081】
好ましくは、水溶液(RB)中の溶解金属イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、より好ましくは4重量%以上である。好ましくは、水溶液(RB)中の溶解金属イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき10重量%以下、より好ましくは9重量%以下、より好ましくは8重量%以下、より好ましくは7重量%以下である。
【0082】
好ましくは、水溶液(RB)中の溶解水酸化物イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上である。好ましくは、水溶液(RB)中の溶解水酸化物イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき9重量%以下、より好ましくは8重量%以下、より好ましくは7重量%以下、より好ましくは6重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
【0083】
好ましくは、水溶液(RB)中の溶解非水酸化物陰イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき0.3重量%以上、より好ましくは0.4重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。好ましくは、水溶液(RB)中の溶解非水酸化物イオンの量は、水溶液(RB)の重量に基づき5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下である。
【0084】
好ましくは、混合物B2RBをアクリル樹脂(B4)と水溶液(RBE)とに分離する。アクリル樹脂(B)として、アクリル樹脂(B4)が好適に用いられる。
【0085】
塩基再生の好ましい実施形態(本明細書では「二重塩基再生」と呼ばれる)では、水溶液(RB)を用いてアクリル樹脂(D2)及びアクリル樹脂(B2)の両方を再生する。二重塩基再生では、水溶液(RB)を樹脂(D2)と接触させて混合物RBD2を形成し、次いで水溶液(RB2)を混合物RBD2から分離し、次いで水溶液(RB2)を樹脂(B2)と接触させて混合物B2RB2を形成し、次いで水溶液(RE)を混合物B2RB2から分離する。水溶液(RE)が混合物B2RB2から分離されるとき、混合物B2RB2中の残りの物質は、好ましくはアクリル樹脂(B)としての使用に好適な樹脂を含有する。二重塩基再生は、樹脂を接触させた後に水溶液を通過させながら樹脂を保持する別の容器(クロマトグラフィーカラムなど)に樹脂(D2)とアクリル樹脂(B2)を入れ、次いで樹脂(D2)を含む容器を通して水溶液(RB)を通過させ、樹脂(D2)を含む容器から出る水溶液(RB2)を回収し、次いでアクリル樹脂(B2)を含む容器に水溶液(RB2)を通し、次いでアクリル樹脂(B2)を含む容器から出る水溶液(RBE)を回収することによって行われ得る。十分な量の水溶液(RB)が両方の容器を通過すると、樹脂(D2)は、完全または部分的に水酸化物形態に変換され、かつ樹脂(D)としての使用に適し、アクリル樹脂(B2)は、吸着された溶解有機化合物の大部分または全てを失い、かつアクリル樹脂(B)としての使用に適すると考えられる。
【0086】
以下は、本発明の実施例である。全ての操作は、特に明記しない限り、室温、約23℃で行った。
【0087】
次の略語が使用される。
DVB=ジビニルベンゼン
h=時間
BV=床体積
aqu=水性
soln.=溶液
Scav1=−0.1のハッシュパラメータを有するアクリル樹脂
Scav2=0.0のハッシュパラメータを有するアクリル樹脂
ppmC/L=1リットル当たりの炭素の重量百万分率
RW=砂を通した濾過後の河川水;平均TOC=2.6ppm C/L(最小TOC=1.9ppm C/L、最大TOC=3.9ppm C/L)。下記の例では、RWは常に2.5〜3.2のpHを有していた。
TOC=GE Power&WaterのSIEVERS 900アナライザーを用いて測定された溶解有機炭素。
WB1=AMBERLITE(商標)IRA96、ペンダント第三級アミン基、2.6〜2.8の範囲のHanschパラメータを有するマクロポーラススチレン/DVBコポリマー。
SB1=AMBERLITE(商標)IRA900、強塩基性マクロポーラススチレン/DVBコポリマー、−1.6〜−1.4の範囲のHanschパラメータ。
【0088】
いくつかの試料を、以下のように実施した「酸性KMnO
4試験」によって吸着された有機含有量について分析した。KMnO
4の溶液を調製した(脱イオン水100mL当たり0.395gKMnO
4)。硫酸鉄アンモニウム(II)の溶液を調製した(4.9グラムの硫酸鉄(II)アンモニウムを200mLの脱イオン水に溶解し、2mLの95%(重量)硫酸を加え、脱イオン水を加えて1000mLとした)。試験すべき溶液を脱イオン水で100mLに希釈した。希釈係数は、100mLを、試験される溶液の初期体積で割った商である。試験すべき100mLの希釈溶液を2mLの5Nの硫酸と混合し、次いで20mLのKMnO
4溶液と混合した。溶液を10分間沸騰させ、次いで25℃に冷却した。次いで、20mLの硫酸鉄(II)アンモニウム溶液を添加した。この溶液をKMnO
4溶液で滴定した。エンドポイントを電位差滴定により決定した。滴定されたKMnO
4溶液の体積は、mLの単位でV1であった。この方法は、「試験すべき希釈溶液」を脱イオン水で置き換えて繰り返し、滴定体積はmLの単位でV2である。有機含有量は、樹脂1リットルあたりのO
2グラム(mgO
2/L)として次式から報告される。
【0089】
[数3]
(V1−V2)×(希釈係数)
【0090】
実施例1及び2、ならびに比較例3C:水溶液(A)のpHの影響:
実施例1及び2は、以下のように、
図1に記載された構成を採用した:
陽イオン交換樹脂(Y)=AMBERJET(商標)UP1400樹脂またはAMBERJET(商標)1500樹脂(いずれもDow Chemical Company製)。両方とも、ゲルタイプ、スルホン酸官能性、ポリスチレンジビニルベンゼンコポリマー樹脂である。これらの2つの樹脂は、本方法において交換可能であると考えられる。この方法を実施する当初では、両方とも水素形態であった。
陰イオン交換樹脂(D)=AMBERLITE(商標)IRA900強塩基陰イオン交換樹脂、ペンダントトリエチルアンモニウム基を有するスチレン/DVBコポリマー(The Dow Chemical Company)
流れの方向:各容器の上から下へ
容器寸法:3cm内径、28.3cm床深さ
流速:3L/h
特定の流速:15BV/h
RWは、3.8ppm C/LのTOCを有した。
水溶液(A)のpH、アクリル樹脂(B)への流入量は2.5〜3.2であった。
実施例1アクリル樹脂(B)=Scav1
実施例2アクリル樹脂(B)=Scav2
【0091】
比較例3Cは、容器の順番が以下の通りであること以外は、同じ樹脂及び同じRW及び同じ条件を使用して、実施例1のような構成を使用した:Scav1、続いて陽イオン交換樹脂(Y)、続いてAMBERLITE(商標)IRA900。濾過された川の水RWがScav1を含む容器に入った。
【0092】
最終容器からの流出流を分析した。結果は以下の通りである:
【0093】
【表1】
【0094】
実施例1及び実施例2の両方とも、1200BV超でTOCを15ppmC/L未満に維持した。対照的に、比較例3Cは、700BVで濾過された河川水とほぼ同じTOCを示した。
【0095】
実施例4及び5比較例6C:酸での再生
水溶液(C)のTOC対水溶液(A)のTOCの比が0.8:1に達するまで、スカベンジャー樹脂Scav1に実施例1の手順を用いて溶解有機化合物を装填した。
【0096】
次いで、Scav1樹脂を以下のように再生した。
【0097】
【表2】
【0098】
再生後、再生されたScav1を樹脂(B)として使用して実施例1の手順を繰り返し、以下の結果を得た。給水は、2.6ppmC/LのTOCを有した。
【0099】
【表3】
【0100】
実施例4は、TOCを給水から効果的に除去して良好に動作する。実施例5は、600床体積で良好に動作する。実施例5は、約600BVで短期間のTOCの急激な上昇を示し、その後樹脂は許容範囲内で動作することに留意されたい。この短い急激な上昇は、イオンの枯渇及び樹脂の化学形態の変化に関連すると考えられている。酸で再生した樹脂を使用すると、このような急激な上昇が予想される。短い急激な上昇(すなわち、短い急激な上昇が観察される時点のBV)の発生の時間は、処理される水の組成に依存すると予想される。実施例6Cは、動作が乏しく、比較的大量のTOCを通過させる。
【0101】
実施例7:Scav2の動作
Scav1の代わりにScav2を用いて実施例1を繰り返した。結果は以下の通りである:
【0102】
【表4】
【0103】
実施例7は実施例1と同様に動作する。
【0104】
実施例8及び比較例9C:樹脂タイプの比較
供給される水のTOCが2.1ppbC/Lであること除いて、実施例1の手順を繰り返した。樹脂(B)として、以下が用いられた:
【0105】
[表]
【0106】
結果は以下の通りである。
【0107】
【表5】
【0108】
比較例9Cは、約1500BVで比較的早い段階で、「ブレークスルー」(出力TOCが供給流中のTOCの濃度よりも高くなる)を示し、一方で実施例8は、約2300BVでかなり遅い段階でブレークスルーを示す。この実施例では、手順の終了時に装填された樹脂の有機含有量は、樹脂1リットル当たり4.5gO
2であった。
【0109】
比較例10C:強塩基性樹脂
樹脂(B)を比較樹脂SB1としたことを除いて実施例1を繰り返した(Cl形態のAMBERLITE(商標)IRA900)。実施例10Cの結果は、実施例1の結果と直接比較し得る。
【0110】
【表6】
【0111】
実施例11及び12:装填されたScav1からの有機化合物の除去
樹脂Scav1を、実施例1の手順において、樹脂が上記の基準に従って装填されるまで使用した。
【0112】
装填されたScav1樹脂からの有機化合物の除去を以下のように試験した。20mlの装填樹脂を20mlの再生溶液と混合した。再生溶液のこの部分は、本明細書では「第1の再生床体積(first regeneration bed volume)」または「第1の再生床体積(first regen.bed vol.)」として知られている。混合物を1時間放置した。次いで、樹脂を再生溶液から取り出し、樹脂を空気で精練し、再生溶液を上記の酸性KMnO
4試験によって有機含有量について試験した。希釈倍率は5であり、樹脂の体積は再生溶液の体積と同じであるため、式
【0113】
[数4]
(V1−V2)×5/1000は、
【0114】
樹脂1リットル当りのO
2グラムを与え、それを以下に報告する。
【0115】
次いで、同じ再生溶液を樹脂と再混合し、この方法を2、3時間及び4時間の終了時に測定値を取りながら繰り返した。これらの測定値は、「第1の再生床体積」の結果として報告される。
【0116】
次いで、再生溶液の新たな部分(「第2の再生床体積」)を樹脂と混合し、再生溶液を樹脂から毎時分離し、樹脂を空気で精練し、有機化合物含有量のための再生溶液の試験をしながら、同様の手順を繰り返した。
【0117】
使用した再生溶液は以下の通りであった:
実施例11:10重量%のNaCl及び1重量%のNaOHの水溶液
実施例12:10重量%のNaOH及び1重量%のNaClの水溶液
【0118】
溶解有機化合物を酸性KMnO
4試験を用いて決定した。結果は以下の通りである:
【0119】
【表7】
【0120】
両方の再生溶液は、8時間及び2床体積の後、装填された有機化合物を全て除去する。
【0121】
実施例13及び14:錯体再生スキーム
装填されたScav1樹脂を、以下の変更を伴い、実施例11及び12の方法を用いて再生した。樹脂を第1の再生床体積に3時間曝し、第2の再生床体積に2時間曝した。
【0122】
再生溶液は、以下に示すように、重量パーセントの溶質を含む水溶液であった。
【0123】
【表8】
【0124】
結果は以下の通りである:
【0125】
【表9】
【0126】
実施例13及び実施例14の両方は、かなりの量の有機成分を樹脂から除去する。実施例13は、より効果的であり、樹脂から有機成分を全て除去する。