特許第6868631号(P6868631)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868631
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】造形材料容器
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/255 20170101AFI20210426BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20210426BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210426BHJP
【FI】
   B29C64/255
   B29C64/321
   B33Y30/00
【請求項の数】14
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-539909(P2018-539909)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公表番号】特表2019-510653(P2019-510653A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2016060795
(87)【国際公開番号】WO2017194151
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】チャンクロン,イズミール
(72)【発明者】
【氏名】アロンソ,ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】サルダ,サンティアゴ
(72)【発明者】
【氏名】コフェリス,ニコラ
【審査官】 ▲辻▼ 弘輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−010169(JP,A)
【文献】 特開平06−211273(JP,A)
【文献】 特開平09−202357(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/069857(WO,A1)
【文献】 特表2010−516585(JP,A)
【文献】 特開2001−301847(JP,A)
【文献】 特開2006−312309(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0026102(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 − 64/40
B33Y 30/00
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D印刷用の造形材料容器であって、
造形材料を保持するためのつぶれることが可能な貯蔵部と、
少なくとも1つの選択された位置で前記貯蔵部に取り付けられ、前記容器が使用時の構成のときには、前記貯蔵部の少なくとも1つの部分のつぶれに抵抗することができ、これにより、前記貯蔵部によって囲まれるかまたは占有される体積が減少することに抵抗できる補強構造
を備え、
前記補強構造は前記貯蔵部の一部又は全てを囲む箱の形態の容器を備え、
対向する対をなす前記貯蔵部の側壁は、前記補強構造の対応する側壁に取り付けられ、及び/又は前記貯蔵部の基部は前記補強構造の基部に取り付けられ、
前記貯蔵部及び前記補強構造は折り曲げ可能であって、前記容器を、比較的平坦な構成から、該貯蔵部を造形材料で充填可能な前記使用時の構成に再構成するのを可能にすることからなる、3D印刷用の造形材料容器。
【請求項2】
前記使用時の構成において前記容器が占める体積は、前記比較的平坦な構成において前記容器が占める体積よりも少なくとも80%大きい、請求項1の容器。
【請求項3】
前記貯蔵部は比較的可撓性であり、前記補強構造は比較的剛性である、請求項1または請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記補強構造は単一の材料から構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記容器が前記使用時の構成のときには、前記貯蔵部は、少なくとも、充填されておりかつつぶれていない状態のときに、収束しない上側部分と収束する下側部分を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの選択された位置は、前記上側部分に含まれている、請求項5の容器。
【請求項7】
前記容器が、前記使用時の構成でありかつ意図された使用時の向きを向いているときには、前記補強構造は、収束しない上側部分と収束する下側部分を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
造形材料が前記貯蔵部から出ることができるようにするための造形材料排出口構造をさらに備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
ガスが前記貯蔵部に入ることができるようにするための開口を含むガス入口構造をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記容器が前記使用時の構成のときには、前記補強構造は、立方体状構造の対向する側壁を形成する一対の部分を備え、前記一対の部分のそれぞれの部分は、前記容器が前記平坦な構成のときには折り曲げられる、請求項1から9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記容器を前記使用時の構成に保持するための支持構造をさらに備え、前記容器が前記平坦な構成のときには、前記支持構造は、前記補強構造及び前記貯蔵部から空間的に分離可能であり、前記容器が前記使用時の構成のときには、前記支持構造は、前記補強構造に接続される、請求項1から10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記平坦な構成となるように、前記支持構造は折り曲げ可能である、請求項11の容器。
【請求項13】
前記貯蔵部はプラスチック材料から形成され、前記補強構造は厚紙から形成される、請求項1から12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
3D印刷用の造形材料容器であって、
造形材料を受け取って保持するための比較的可撓性の材料から形成された内側部分と、
前記内側部分の周りに配置されて該内側部分に接続された、比較的剛性の材料から形成され、これによって前記内側部分によって囲まれるかまたは占有される体積が減少することに抵抗できる外側部分
を備え、
前記外側部分は前記内側部分の一部又は全てを囲む箱の形態の容器を備え、
対向する対をなす前記内側部分の側壁は、前記外側部分の対応する側壁に取り付けられ、及び/又は前記内側部分の基部は前記外側部分の基部に取り付けられ、
前記内側部分と前記外側部分は折り曲げ可能であって、前記容器の最小外形寸法が比較的小さい値を有する第1の構成と、前記容器の最小外形寸法が比較的大きな値を有する第2の構成との間で前記容器を再構成するのを可能にする、3D印刷用の造形材料容器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
3次元(3D)印刷などの積層造形(付加製造ともいう)技術は、積層プロセス(該プロセスでは、コンピュータ制御下で3D物体が層毎に生成される)を通じて、デジタル3Dモデルからほとんど全ての形状の3D物体を作製するための技術に関連する。造形材料及び該造形材料から3D物体を形成する堆積技術及びプロセスが異なる種々の積層造形技術が開発されている。それらの技術は、フォトポリマー樹脂に紫外光を当てるものから、粉末状の半結晶熱可塑性プラスチック材料を溶解するもの、金属粉末の電子ビーム溶解まで様々なものがある。
【0002】
積層造形プロセスは、通常、製造する3D物体のデジタル表現から開始する。このデジタル表現は、コンピュータソフトウェアによって可視的に層にスライスされるか、または、該デジタル表現を、予めスライスされた形態で提供することができる。それぞれの層は、所望の物体の断面を表しており、いくつかの例では、3Dプリンタとして知られている積層造形装置に送られて、該装置において、前に形成された層上に形成される。このプロセスは、該物体が完成するまで繰り返され、これによって、該物体が層毎に形成される。利用可能な技術には、該物体の新たな断面を生成するために、材料を直接印刷するものもあれば、追加の層を形成する(その後、該層を選択的に固化することができる)ための上塗りプロセスを使用するものもある。
【0003】
造形材料(該材料から物体が製造される)は、造形技術に依存して変わりえ、及び、粉末材料、ペースト材料、スラリー材料、または液状物質を含む場合がある。造形材料は、通常、供給源容器に提供され、該容器から、積層造形装置の造形領域すなわち造形室に運ばれ、そこで、実際の造形処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】(補充可能性あり)
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の種々の特徴及び利点は、本開示の特徴を例示している下記の詳細な説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
図1】例示的な造形材料容器の略側面図である。
図2】例示的な造形材料排出口構造の略図である。
図3A】例示的な造形材料容器の略側面図である。
図3B図3Aの例示的な造形材料容器の略平面図(上面図)である。
図4A】別の例示的な造形材料容器の略断面図である。
図4B図4Aの例示的な造形材料容器の略平面図(上面図)である。
図4C図4Aの例示的な造形材料容器の略側面図である。
図5】別の例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図6A】別の例示的な造形材料容器の略側面図である。
図6B図7Aの例示的な造形材料容器の略平面図(上面図)である。
図7A】比較的平坦な構成における例示的な一組の造形材料容器の略側面図である。
図7B】使用時の構成における、図7Aの例示的な一組の造形材料容器の略側面図である。
図8A】比較的平坦な構成における別の例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図8B】使用時の構成における、図7Aの例示的な造形材料容器の部分斜視(ないし部分透視)図である。
図8C】例示的な補強構造を形成するための例示的な単一の材料の斜視図(ないし透視図)である。
図9】別の例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図10A】別の例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図10B図9Aの例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図11】別の例示的な造形材料容器の斜視図(ないし透視図)である。
図12】例示的な3D印刷システムで使用されている例示的な造形材料容器の略図である。
図13】容器から3D印刷システムに造形材料を供給するための例示的な方法のフローチャートである。
図14】容器から造形材料を取り出すための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
積層造形技術を用いて3次元(3D)物体を生成することができる。造形材料の連続する層の一部を固化させることによって、それらの物体を生成することができる。造形材料を粉末ベースものとすることができ、生成された物体の特性は、造形材料のタイプ及び固化のタイプに依存しうる。いくつかの例では、粉末材料の固化は、液体融剤を用いて可能である。他の例では、造形材料にエネルギーを一時的に加えることによって固化を行うことができる。いくつかの例では、融合剤及び/又は結合剤が造形材料に加えられ、融合剤は、適切な量のエネルギーが造形材料と融合剤の組み合わせに加えられると、造形材料を融解して固化させる物質である。他の例では、他の造形材料、及び他の固化方法を使用することができる。いくつかの例では、造形材料は、ペースト材料、スラリー材料、または液状物質を含んでいる。本開示は、造形材料を収容し及び該造形材料を積層造形プロセスに渡すための供給源容器の例を説明している。
【0007】
1例では、本開示の容器内の造形材料は、平均体積ベースの断面粒径(平均体積粒径)が、約5マイクロメートル〜約400マイクロメートルの範囲内、約10マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲内、約15マイクロメートル〜約120マイクロメートルの範囲内、または約20マイクロメートル〜約70マイクロメートルの範囲内の粉末である。適切な平均体積ベースの粒径(平均体積粒径)の範囲の他の例には、約5マイクロメートル〜約70マイクロメートルの範囲、または約5マイクロメートル〜約35マイクロメートルの範囲が含まれる。本開示では、体積ベースの粒径(体積粒径)は、粉末粒子と同じ体積を有する球体のサイズである。「平均」を付したのは、該容器内の体積ベースの粒径のほとんどが上記のサイズであるかまたは上記のサイズの範囲内にあるが、該容器は、上記の範囲外の粒径(粒子の直径)を有する粒子を含むこともできることを意図したものである。たとえば、約10マイクロメートル〜約500マイクロメートル、または約10マイクロメートル〜約200マイクロメートル、または約15マイクロメートル〜約150マイクロメートルの範囲内の厚さを有する造形材料の層の供給を容易にするために、粒径を選択することができる。平均体積ベース粒径が約40マイクロメートル〜約70マイクロメートルの範囲内である粉末を収容している造形材料容器を用いて、約80マイクロメートルの造形材料の層を供給するように、積層造形システムの1例を予め設定することができる。たとえば、異なる層厚を供給するように、積層造形装置を再設定することができる。
【0008】
本開示の例示的な容器で使用される適切な粉末ベースの造形材料には、ポリマー、結晶性プラスチック、半結晶性プラスチック、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)、非晶性プラスチック、ポリビニルアルコールプラスチック(PVA)、ポリアミド、熱硬化性プラスチック、樹脂、透明粉末(透明粉体)、有色粉末、金属粉末、たとえばガラス粒子などのセラミックス粉末のうちの少なくとも1つ、及び/又は、それらの材料のうちの少なくとも2つの組み合わせまたは他の材料の組み合わせが含まれ、そのような組み合わせには、異なる材料の各々の異なる粒子、または単一の複合粒子をなす異なる材料が含まれうる。混合された造形材料の例には、アルミニウムとポリアミドの混合物を含むことができるアルマイド(alumide)、多色粉末、及び、プラスチック/セラミックス混合物が含まれる。混合された造形材料は、2つ以上の異なるそれぞれの平均粒径を有することができる。
【0009】
積層造形プロセスで使用される特定の1バッチ分の造形材料は、「未使用の」造形材料また「使用済み」の造形材料でありうる。未使用の造形材料は、積層造形プロセスのどの部分においてもまだ使用されていない造形材料、及び/又は、3D印刷システムのどの部分もまだ通っていない造形材料であるとみなされるべきである。したがって、造形材料の製造者によって供給される造形材料の未開封の供給源は、未使用の造形材料を収容している。これとは対照的に、使用済みの造形材料は、積層造形プロセスで使用するために3D印刷システムに以前供給されたことがあるものである。積層造形プロセスで使用するために3D印刷システムに供給される全ての材料を、使用することができるとは限らず及び/又は3D印刷製品に組み込むことができるとは限らない。積層造形プロセスで使用するために3D印刷システムに供給される未使用の造形材料の少なくとも一部は、後続の積層造形プロセスで再使用するのに適したものでありうる。そのような造形材料は、使用済みの造形材料を含んでいる。
【0010】
本開示のいくつかの例示的な容器は、本明細書に記載されている他の例示的な容器よりも比較的大きな体積の(もしくは比較的大量の)造形材料を収容するのに適したものでありうる。いくつかの例示的な容器は、それらの容器を、積み重ねること、格納(保管)すること、運ぶこと、廃棄または再充填することを簡単にできるようにするための構造(ないし特徴)を含むことができる。そのような例示的な容器は、充填された状態では、比較的大きな体積の(もしくは比較的大量の)造形材料を収容することができる。本開示のいくつかの例示的な容器を、充填されていない状態で該容器の運搬を容易にするように構成することができる。いくつかの例示的な容器を、積層造形プロセスで使用するために3D印刷システムに供給されて戻された使用済みの造形材料を受け取って格納するために使用するのに適したものとすることができ、これに加えてまたはこれに代えて、3D印刷システムに未使用の造形材料を供給するために使用するのに適したものとすることができる。本開示のいくつかの例示的な容器は、たとえば3D印刷システムの造形材料供給システムによって、それらの容器に収容されている造形材料を効率的に取り出すのを容易にすることができる。そのようないくつかの例示的な容器は、たとえば、造形材料のほとんどまたは全てを容器から確実に取り出すことができるようにするための構造(ないし特徴)を含むことができる。そのような例示的な容器は、(たとえば、造形材料が容器の内面に付着するかまたは造形材料供給システムが造形材料にアクセスできないために)造形材料供給システムによって容器から取り出すことができない造形材料の量を少なくするための構造(ないし特徴)を含むことができる。
【0011】
図1図5Bに関して後述する例示的な容器は、それらの容器から造形材料を効率的に取り出すのを容易にするための1以上の構造(ないし特徴)を含んでいる。
【0012】
図1は、造形材料11を積層造形プロセスに供給するための例示的な容器1の正面図である。容器1は、該容器の意図された使用時の向き(または使用時の姿勢ないし幾何学的配置)に合致する直立した向きで示されている。容器1を、積層造形システムが容器1から造形材料を収集することができるように、少なくとも部分的に充填された(少なくとも部分的に満杯にされた)状態で、該積層造形システムに接続されることができ、かつ、造形材料で充填された別の同様(ないし類似)の容器と交換できるようにするために使い果たされた後で取り外すことができる交換可能な供給源容器1とすることができる。したがって、該容器を、3D印刷用の造形材料容器とみなすことができる。1例では、造形材料は、たとえば、上記のタイプ及び/又は粒径の粉末である。
【0013】
容器1は、造形材料11を保持するための折り畳み可能な(ないしつぶれることが可能な)貯蔵部3を備えている。容器1はさらに、該貯蔵部の少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するための比較的剛性の(ないし相対的に剛性の、または、比較的堅いないし相対的に堅い)補強構造を備えている。容器1はさらに、造形材料11が貯蔵部3から出ることができるようにするための造形材料排出口構造13、及び、ガス(たとえば空気)が貯蔵部3に入ることができるようにするためのガス入口構造14を備えている。
【0014】
貯蔵部3は、たとえば、プラスチック材料の1つまたはいくつかの部分から形成された袋(バッグ)を備えることができる。貯蔵部3は、1つまたはいくつかの壁を有することができる。造形材料11を貯蔵部3の壁で囲むことができる。貯蔵部3は、補強構造4に対して折り畳み可能である。貯蔵部3は、容器1の使用中に少なくとも部分的に折り畳められる(ないし少なくとも部分的につぶれる)ことが意図されている。本開示の文脈では、ある構造の折り畳み(ないしつぶれ)は、該構造によって囲まれるかまたは占有される体積が減少することを伴うものとみなすことができる。貯蔵部3を、少なくとも部分的に可撓性材料から形成することができる。いくつかの例では、貯蔵部3は比較的可撓性(ないし相対的に可撓性、または比較的柔軟ないし相対的に柔軟)である。1例では、(ある材料に関して)比較的可撓性であることを、該材料を曲げること及び/又は撓ませることが可能であることとして理解することができる。可撓性の材料または合成物は、弾性のあるもの(たとえばPE)または弾性のないもの(たとえばマイラー(商標))でありうる。1例では、可撓性及び弾性がある材料は、約1×10N/mGPa未満、または約0.3×10N/mGPa未満のヤング率を有する。1例では、比較的堅いまたは弾性のない壁材料は、約1×10N/mGPaより大きなヤング率を有する。
【0015】
貯蔵部3を形成する材料は、予め選択された弾性、たとえば、該容器を使用することが意図されている特定のやり方にしたがって選択された弾性を有することができる。吸引システムを用いて容器2から造形材料11を取り出すことが意図されている例では、該貯蔵部の材料は、低い弾性(たとえば、該吸引システムの動作中に、該貯蔵部の材料の伸張(ないし伸縮)がほとんどまたは全く生じないほど十分に低い弾性)、及び高い引張り強さ(たとえば25Mpa)を有することができる。貯蔵部3を形成する材料を、気密性(すなわち、該容器から造形材料を取り出すために該吸引システムによって使用することができる空気ないし他の任意のガスが貯蔵部3の壁を通過できないようにガス不透過性)とすることができる。いくつかの例では、貯蔵部3は、PEや薄肉PETやマイラーなどのプラスチック材料から少なくとも部分的に形成される。いくつかの例では、該貯蔵部は、1つまたはいくつかの材料(たとえば、PET及びLDPE)の積層体から形成される。いくつかの例では、該貯蔵部の材料は、弾力(たとえば、充填された状態で落下した場合でも壊れないほど十分な弾力)があり、環境から水分を吸収せず、及び、たとえば貯蔵部3から造形材料を取り出すために吸引力が加えられたときでも、選択された量を超えて変形しない十分な堅さを有するように選択される。貯蔵部3を、低コスト及び/又は使い捨てにできる及び/又はリサイクル可能な材料から形成することができる。
【0016】
貯蔵部3の材料特性(たとえば可撓性や弾性など)を、容器1から造形材料を取り出すためのシステム(たとえば吸引システム)が動作しているときに、該貯蔵部が部分的に折り畳まれた(ないし部分的につぶれた)形態(ないし形状)をとるように選択することができる。たとえば、所与の貯蔵部の貯蔵部材料を、該貯蔵部から造形材料11を取り出すために使用されることが意図されている造形材料取り出しシステムによって加えられる吸引力によって折り畳まれる(ないしつぶれる)のに十分な可撓性を有するものとすることができる。貯蔵部3の材料特性を、ある閾値量の造形材料11が貯蔵部3内に残っているときの、該容器からの造形材料の取り出し中に、該貯蔵部が該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)をとるように選択することができる。該貯蔵部を、貯蔵部3の内側と外側の圧力差がある閾値に達しているときの、容器1からの造形材料の取り出し中に、(たとえば、該貯蔵部の材料特性、形状、及び構成などの結果として)該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)をとるように構成することができる。いくつかの例では、貯蔵部3の材料特性は、容器1からの造形材料11の取り出し中に、貯蔵部3が、折り畳まれていない(ないしつぶれていない)形態(ないし形状)と該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)との間を徐々に移行するように選択される。いくつかの例では、貯蔵部3の材料特性は、容器1からの造形材料11の取り出し中に、貯蔵部3が、折り畳まれていない(ないしつぶれていない)形態(ないし形状)と該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)との間を急速にまたは瞬時に移行するように選択される。そのような該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態への急速なまたな瞬時の移行は、貯蔵部の壁の内面に軽く付着している造形材料11の除去、及び/又は造形材料11で形成された任意の構造の破壊を容易にすることができる。
【0017】
貯蔵部3は、予め選択された形状、たとえば、容器1の特定の意図された使用にしたがって選択された形状を有することができる。たとえば、特定の意図された使用が、容器1のサイズ及び/又は構成に制約を加える場合には、それらの制約の範囲内で貯蔵部3の内部体積を最大にするように、貯蔵部3の形状を選択することができる。特定の取り出しシステムを用いた貯蔵部3からの造形材料11の取り出しを容易にするように、貯蔵部3の形状を選択することができる。貯蔵部3の形状を、たとえば、該貯蔵部を、容器1に組み込まれる前に、実質的に平坦な折り畳まれた状態で運ぶことができるように、該貯蔵部を折り曲げる(ないし折り畳む)のを容易にするように選択することができる。貯蔵部3は、(少なくとも、貯蔵部3が、充填されて折り畳まれていない(ないしつぶれていない)状態で)一般的な形状が互いに異なる複数の部分(セクション)、たとえば収束する部分と収束しない部分(「収束しない部分」を、非収束部分ともいう)、を有することができる。収束する部分は、該容器の基部に向かって収束する側壁(側壁の間隔が該基部に向かって狭くなっている)を有することができる。図1に示されている貯蔵部3は、たとえば、収束しない上側部分5及び収束する下側部分7を有している。該貯蔵部は、漏斗(じょうご)形状を有する部分(セクション)を備えることができる。非収束部分は、少なくとも、該貯蔵部が、充填されて折り畳まれていない(ないしつぶれていない)状態で、(使用時の向きに関して)実質的に垂直に延びる少なくとも1つの側壁を備えることができる。上面図(不図示)からわかるように、該少なくとも1つの実質的に垂直な側壁は、少なくとも1つの(丸く)湾曲した壁でありえ、または、直線状の角または丸みの付いた角を有する矩形(たとえば長方形)を形成することができる。図1に示されている特定の例示的な貯蔵部3は、4つの実質的に垂直な側壁19によって形成された上側部分5、及び4つの収束する側壁21によって形成された下側部分7を有している。上側部分5は立方体状であり、下側部分7はプリミッド形である。側壁19、21はそれぞれ、プラスチック材料の部分を含み、気密袋構造を形成するために、それらのエッジで密封結合される。
【0018】
容器1が使用時の向きにあるときに実質的に垂直であることが意図されている収束しない貯蔵部の部分の側壁(たとえば側壁19)は、たとえば、該貯蔵部の製作公差、離型角度、熱硬化、またはその他の理由により、完全には垂直でない場合がある。たとえば、該少なくとも1つの実質的に垂直な側壁19をわずかに(たとえば水平方向Hからの角度αが約85°と約95°の間となるように)傾けることができ、または、該側壁19は、わずかに(外側または内側に)隆起する形状を有することができる。水平方向Hと比較的垂直な側壁19の間の角度αは、下側部分7の側壁21と水平方向Hの間の角度βよりも大きい。また、これらの例にしたがう貯蔵部は折り畳み可能(ないしつぶれることが可能)なので、容器1の状態に依存して、貯蔵部の実質的に垂直な側壁はまっすぐまたは垂直ではない場合がある。たとえば、例示的な貯蔵部3を、空(から)の状態のときに折り畳む(ないし折り曲げる)ことができ、側壁19、21は、容器3から造形材料を取り出しているときに曲がることができる。
【0019】
さらに、貯蔵部の壁は、しわ、湾曲部、隆起部、起伏などを有することができる。いくつかの例では、貯蔵部3の少なくとも1つの側壁を、その少なくとも1つの寸法において、補強構造4の対応する側壁よりも大きくすることができる。該貯蔵部の材料の弾性が低い例では、そのような特徴(ないし構造)は、貯蔵部3の該少なくとも1つの側壁を補強構造4に対して動かすことを可能にすることができる。かかる例では、容器1の充填状態において、該より大きなサイズの少なくとも1つの側壁を、たとえば、貯蔵部3の該少なくとも1つの側壁にしわ、隆起部、またはその他の平坦でない構造を形成することによって収容できることが理解されよう。
【0020】
該貯蔵部の該少なくとも1つの補強された部分は、該貯蔵部の少なくとも1つの壁部を含むことができる。該少なくとも1つの補強された部分の1つまたはいくつかの属性(たとえば、サイズ、形状、位置)を予め選択することができる。該少なくとも1つの補強された部分は、貯蔵部3内の圧力が、貯蔵部3を折り畳む(ないしつぶす)のに十分に貯蔵部3の外部の圧力よりも小さいときに、該貯蔵部が部分的に折り畳まれた(ないし部分的につぶれた)形態(ないし形状)をとるようにするものでありうる。いくつかの例では、該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態は予め決められている。たとえば、該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)の1つまたはいくつかの属性(たとえば、サイズ、構成、体積)は予め決められている。いくつかの例では、予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし予め決められた部分的につぶれた)形態(ないし形状)は、該貯蔵部に収容されている造形材料を、該貯蔵部内の選択された位置に案内する(導く)ことができる。該位置を、たとえば、容器1から造形材料を取り出すために使用される造形材料取り出しシステムの構成に基づいて、選択することができる。いくつかの例では、該容器が意図された使用時の向きを向いているとき(すなわち、該向きを向くように配置されているとき)には、予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)の最下部は、造形材料を3D印刷システムに供給するために、該容器の使用中に造形材料が該貯蔵部から取り出される位置に一般に(または概ね)合致する。予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし予め決められた部分的につぶれた)形態を、該少なくとも1つの補強された部分の1以上の属性を選択することによって、及び/又は、貯蔵部3の形状及び/もしくは構成を選択することによって、及び/又は、補強構造4の形状及び/もしくは構成を選択することによって、及び/又は、貯蔵部3の1つまたはいくつかの材料特性を選択することによって、生成することができる。
【0021】
補強構造4は、貯蔵部3の該少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するのに適した任意の構造を備えることができる。補強構造4は、貯蔵部3よりも堅い(剛性がある)が、容器1は補強構造4よりも堅い(剛性がある)他の構成要素を含むことができる。堅い材料は、折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗することができるものとして理解されるべきであり、該堅い材料はまた、曲げ及び/又は伸張(ないし伸縮)または他の任意の形態の変形に抵抗することができる。補強構造4は、容器1の使用中に折り畳まれる(ないしつぶれる)ことは意図されておらず、したがって、折り畳むこと(ないしつぶすこと)はできないものとみなすことができる(ただし、容器1の使用中に該補強構造が受けることが見込まれている外力よりも大幅に大きな外力を加えることによって該補強構造を折り畳む(ないしつぶす)ことが可能でありうることが理解されよう)。いくつかの例では、補強構造4は、該補強構造に対する、貯蔵部3の該少なくとも1つの補強された部分の動きを阻止するかまたは制限することができる。
【0022】
補強構造4は、貯蔵部3の該少なくとも1つの補強された部分に(たとえば、接着剤や留め具などを用いて)取り付けられることによって、該少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗することができる。該貯蔵部が、収束しない上側部分5及び収束する下側部分7を備えているいくつかの例では、上側部分5が該少なくとも1つの補強された部分を形成する。該上側部分が、2対の対向する実質的に垂直な側壁を備えている(それらの側壁は全体で、概ね正方形または矩形の断面を有する貯蔵部3の領域を形成する)いくつかの例では、該少なくとも1つの補強された部分は、それらの対向する側壁の対のうちの、該貯蔵部が取り付けられた第1の対を含み、これによって、該第1の対の対向する側壁の折り畳み(ないしつぶれ)は補強構造4によって抵抗され、該貯蔵部が取り付けられていない第2の対の対向する側壁の折り畳み(ないしつぶれ)は、補強構造4によって抵抗されず、または抵抗される程度がより低い。貯蔵部3が(意図された使用時の向きに関して)実質的に垂直の長軸を有する円筒部(円筒状構造部)を備えているいくつかの例では、該少なくとも1つの補強された部分は、該円筒部の上側の領域と下側の領域の間に隔置することができる、該円筒部の円周部を含む。
【0023】
いくつかの例では、補強構造4は、箱(または筐体)または他の形態の容器を備えており、該容器は、貯蔵部3の一部または全てを囲んでいる。補強構造4は、少なくとも1つの側壁を備えることができる。他の例では、補強構造4は、フレームまたはスケルトン(骨組み)を備えることができる。いくつかの例では、補強構造4は、1つのバンド(ベルト)もしくはリング、または2以上のバンド(ベルト)もしくはリングを備えることができる。補強構造4を、貯蔵部3の外部にまたは貯蔵部3の内部空間に設けることができ、または、貯蔵部3の構造に組み込むことができる(たとえば、補強構造4を貯蔵部3の積層された壁材料の層間に設けることができる)。いくつかの例では、補強構造4は、該貯蔵部の予め選択された壁部の曲げ(たとえば屈曲)に抵抗することに加えて、1つまたはいくつかの機能を提供することができる。たとえば、補強構造4は、貯蔵部3を保護し、容器1の積み重ねを容易にし、容器1の取り扱いを容易にし、及び容器1の外形を形成することなどができる。補強構造4を、厚紙(たとばボール紙)などの、低コスト及び/又は使い捨てにできる及び/又はリサイクル可能な材料から形成することができる。補強構造4の形状及び/又は構成は、たとえば、補強構造4を、容器1に組み込まれる前に、実質的に平坦な折り畳まれた(たとえば、平坦にパッキングされた(フラットパックされた))状態で運ぶことができるように、該補強構造を折り曲げる(ないし折り畳む)のを容易にすることができる。補強構造4の形状及び/又は構成は、たとえば、容器1を、造形材料で充填される前に、実質的に平坦な折り畳まれた状態で運ぶことができるように、容器1を折り曲げる(ないし折り畳む)のを容易にすることができる。
【0024】
補強構造4は、予め決められた形状及び/又は構成、たとえば、容器1の特定の意図された使用にしたがって決定された形状及び/又は構成を有することができる。いくつかの例では、該補強構造の形状及び/又は構成は、貯蔵部3の形状及び/又は構成に依存して決定される。貯蔵部3内の圧力が、貯蔵部3を折り畳む(ないしつぶす)のに十分に該貯蔵部の外部の圧力よりも小さいときに、貯蔵部3が予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし予め決められた部分的につぶれた)形態(ないし形状)をとることができるようにするために、補強構造4の形状及び/又は構成を、貯蔵部3の形状及び/又は構成と連携させて決定することができる。
【0025】
貯蔵部3に収容されている造形材料11を該貯蔵部内の予め選択された位置(たとえば、吸引システムなどの造形材料取り出しシステムによって造形材料を取り出すことができる位置)に案内する(導く)ように、該予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態(ないし形状)を構成することができる。いくつかの例では、該予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態は(該容器が意図された使用時の向きにあるときには)、造形材料を3D印刷システムに供給するために該容器を使用している間に、造形材料を該貯蔵部から取り出すことができる位置に合致ないし対応する最下部を有する。いくつかの例では、該予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態は、貯蔵部3の壁が、造形材料を捕捉することができる何らかの構成物(たとえば、くぼみまたはポケット)を含まないようにされる。さらにまたは代替的に、いくつかの例では、該予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態は、貯蔵部3の下側部分7の壁が、何らかの水平構造または水平領域を含まないようにされる。該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態を有する該貯蔵部の体積を、折り畳まれていない(ないしつぶれていない)ときの該貯蔵部の体積と実質的に(ほぼ)同じとすることができる(たとえば、該貯蔵部は体積を大きく変えることなく変形することができる)。代替的には、該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態を有する該貯蔵部の体積を、(全く)折り畳まれていない(ないしつぶれていない)ときの該貯蔵部の体積の少なくとも80%とすることができる。
【0026】
容器1内に一定期間乱されずに存在している造形材料11は、容器1からの該造形材料の取り出しが要求されているときに、該造形材料が自由に移動するのを阻止する構造を(結合して)構成し及び/又は形成する場合がある。吸引システムによって生成される吸引力などの造形材料取り出しシステムによって加えられる力は、そのような構造を破壊する(ばらばらにする)のに有効ではないものでありえ、このため、容器1からの造形材料の取り出しが不十分なものになりうる。折り畳まれていない(ないしつぶれていない)形態から該部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態への貯蔵部3の移行は、該造形材料の構造を破壊するのを容易にすることができる。該予め決められた部分的に折り畳まれた(ないし該部分的につぶれた)形態を、該造形材料の構造のそのような破壊を容易にするように選択することができる。
【0027】
図1に示されている例では、補強構造4は、4つの実質的に垂直な側壁及び実質的に水平な基部を有する上部が開いた(すなわち蓋のない)箱(または筐体)を備えている。補強構造4の側壁は、貯蔵部3の上側部分5の側壁19の外面に隣接しており、一方、該貯蔵部の下側部分7の側壁21と該補強構造の側壁の間には(下側部分7の収束する形状のために)空間(スペース)が存在している。該補強構造4の高さは、貯蔵部3の高さにほぼ等しい(ただし、該補強構造が貯蔵部3よりも高いかまたは低い他の例も可能である)。補強構造4の形状及び構成は(少なくとも貯蔵部3が充填された状態のときには)、貯蔵部3の上側部分5の側壁19と補強構造4の側壁の間にギャップ(間隙)がほとんどまたは全く存在しないように、貯蔵部3の該上側部分の形状及び構成に概ね合致する。
【0028】
対向する対をなす貯蔵部3の上側部分5の側壁19は、補強構造4の対応する側壁に接着され、これによって、補強構造4に対して動くのが阻止される。貯蔵部3の上側部分5の他方の2つの側壁19は、補強構造4に取り付けられておらず、(補強構造4に取り付けられているそれらの側壁との接続によって課せられた制約の範囲内で)補強構造4に対して自由に動くことができる。したがって、取り付けられていない側壁を、比較的自由に動くことができる(すなわち、該側壁は、自由に動くことはできない該取り付けられた側壁に対して自由に動くことができる)ものとみなすことができる。容器1を囲んでいるガス(気体)は、貯蔵部3の少なくとも一部と補強構造4の間、たとえば、該取り付けられていない上側部分の側壁19と補強構造4の対応する側壁の間、及び下側部分の側壁21と補強構造4の側壁の間を通ることができる。貯蔵部3の下側部分7の基部9は、補強構造4の基部に接着され、これによって、補強構造4に対して移動するのが阻止される。図示の例では、貯蔵部3の下側部分7の側壁21は、補強構造4に取り付けられておらず、補強構造4に対して(比較的)自由に動くことができる。
【0029】
容器1の排出口構造13は、貯蔵部3の内部空間を貯蔵部3の外部の空間に接続する開口を有することができる。排出口構造13の主な機能は、造形材料が貯蔵部3から出ることができるようにすることであるが、いくつかの例では、排出口構造13は、造形材料が貯蔵部3に入ることができるようにすることもできる。図1に示されている例では、排出口構造13は、容器1の上面15にまたは該上面の近くに設けられている。排出口構造13を、容器1から造形材料を収集することができる対応する収集装置に接続するように構成することができる。そのような収集装置を、積層造形システムの一部とすることができる。図1に示されている特定の例では、該排出口構造は吸引管17を備えており、該吸引管は、貯蔵部3の内部空間内を下方に、貯蔵部3の最下端のまたは該最下端の近くのポイント(地点)まで延びている。排出口構造13は、閉じた構成のときには造形材料が該排出口構造を通過するのを制限または阻止するための、または開いた構成のときには造形材料が該排出口構造を通過できるようにするための作動可能な弁(バルブ)装置(弁構成)を備えることができる。
【0030】
図2は、吸引管171の形態の排出口構造の特定の1例を示している。吸引管171は、造形材料容器(たとえば容器1)の貯蔵部(たとえば貯蔵部3)の上部に密着(ないし密封)して取り付けられるコネクタ172を備えている。コネクタ172はさらに、真空源、たとえば積層造形システムの吸引システム、に接続可能である。吸引管171はさらに、本体部173を備えている。本体部173の上端部(該上端部は、図2に示されているように、該吸引管の意図されている使用時の向きに関して規定される)は、コネクタ172に接続されている。本体部173は中空の円筒から構成されている。コネクタ173によって画定される開口は、本体部173の内部と流体連絡することができる。本体部173の下端部は、本体部173の内部空間に通じる少なくとも1つの開口174を備えている。本体部173の長さを、該吸引管が使用されているときに、該少なくとも1つの開口174が、貯蔵部の下端にまたは該下端の近くに配置されるようにする長さとすることができる。該吸引管が真空源に接続されているときに、該貯蔵部からの造形材料は、該少なくとも1つの開口174を通って本体部173の内部に入って、本体部173に沿って上方に吸い上げられることができ、これによって、コネクタ172を介して該容器から出ることができる。いくつかの例では、吸引管171は、該吸引管が配置されている容器の貯蔵部の少なくとも一部の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するように機能することができる。そのような例では、該吸引管は、該容器の補強構造の一部を形成するものとみなすことができる。代替的には、吸引管171を、該容器の追加の補強構造を構成するものとみなすことができる。
【0031】
入口構造14は、貯蔵部3の内部空間を貯蔵部3の外部の空間に接続(ないし連絡)する開口を備えることができる。入口構造14の主な機能はガスが貯蔵部3に入ることができるようにすることであるが、いくつかの例では、入口構造14は、ガスが貯蔵部3から出ることができるようにすることもできる。図1に示されている例では、入口構造14は、容器1の上面15にまたは該上面の近くに設けられている。入口構造14は、貯蔵部3に入る及び/又は貯蔵部3から出るガスの流れのパラメータ(たとえば、流速や流量)を制限しまたは他のやり方で制御することができる。いくつかの例では、入口構造14はフィルターを備えている。いくつかの例では、入口構造14は弁(バルブ)を備えている。いくつかの例では、入口構造14は、造形材料が貯蔵部3に入ることができるようにすることができる。たとえば、造形材料を積層造形システムに供給するために容器1を使用する前に、造形材料11を、入口構造14を通して貯蔵部3に導入することができ、及び、空気は、造形材料を積層造形システムに供給するために容器1を使用している間に、入口構造14を通って貯蔵部3に入ることができる。
【0032】
図3A及び図3Bは、使用状態にある図1の例示的な容器1を示しており、該使用状態では、貯蔵部3内の圧力は貯蔵部3外の圧力よりも十分に小さく、この圧力差の結果として該貯蔵部は部分的に折り畳まれて(ないし部分的につぶれて)いる。図3Aは容器1の側面図であり、図3Bは容器1の上面図である。この圧力差を、たとえば、排出口構造13に接続された、吸引力Fを与える真空源(不図示)によって生成することができる。図3A及び図3Bからわかるように、補強構造4に取り付けられていない貯蔵部3の部分(たとえば、下側部分7の側壁21及び上側部分5の側壁19)は内側に(弓形に)曲がっており、これによって、貯蔵部3のそれらの部分と補強構造4の間にギャップが形成されている。これとは対照的に、補強構造4に取り付けられている貯蔵部3の部分(たとえば、上側部分5の側壁19)は、吸引力Fの影響下で動くのが阻止される。
【0033】
図4A図4B、及び図4Cは、別の例示的な容器41を示している。図4Bは容器41の上面図であり、図4Cは側面図であり、図4A図4Bに示されているラインX−Xに沿った断面図である。容器41は、貯蔵部43、補強構造44、排出口構造413、及び入口構造414を備えており、これらは、上記の容器1の対応する構造の任意のまたは全ての特徴(ないし構造)を有することができる。図示の特定の例示的な容器41において、補強構造44は、比較的堅い(すなわち比較的剛性の)複数の棒部分から形成された立方体状のフレームを備えている。この特定の例では、補強構造44は、(たとえば、貯蔵部の材料の層間に該棒部分を配置することによって)貯蔵部43の材料と一体的に形成されている。したがって、該棒部分を備える該貯蔵部の部分を、貯蔵部43の補強された部分とみなすことができる。他の例では、該フレームを、貯蔵部43の内部または外部に配置することができ、該貯蔵部の材料を、たとえば接着剤や留め具などによって、該フレームに取り付けることができる。充填されている(したがって折り畳まれていない(ないしつぶれていない))状態の該貯蔵部の形状は実線43bで示されており、該貯蔵部が部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)ときの該袋(バッグ)の形状は破線43aで示されている。図4Aから、貯蔵部43が部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)状態では、補強構造44によって補強されていない貯蔵部43の部分は、折り畳まれていない(ないしつぶれていない)状態のときのそれらの部分の形態及び位置に対して内側に動いておりないし曲がっていることがわかる。該フレームの形状と該補強されている貯蔵部の部分の位置は、上側部分及び下側部分を含む部分的に折り畳まれた(ないし部分的につぶれた)形態を形成するように協働し、該上側部分は、該上側部分の高さ全体にわたって収束せず、該下側部分は、該下側部分の高さ全体にわたって該容器の基部に向かって収束している。
【0034】
図4A図4Cの特定の例示的な容器41は、本明細書に記載されている他の例示的な容器に比べて、使い捨て可能な容器として使用するのに適したものでありうる。たとえば、補強構造を該貯蔵部に一体化したフレームの形態で設けることは、該容器を特に高い費用効果で製造すること、及び/又は、簡単にリサイクルもしくは廃棄(ないし処分)することを可能にしうる。さらに、かかる例では、該補強構造を特に軽量にすることができ、これは、該容器が空のときに該容器の運搬を容易にすることができる。
【0035】
図5は、別の例示的な容器51の斜視図である。容器51は、貯蔵部53、補強構造54、排出口構造513、及び入口構造514を備えており、これらは、上記の容器1の対応する構造の任意のまたは全ての特徴(ないし構造)を有することができる。この特定の図示されている例では、排出口構造513は、排出口構造513を選択的に閉じるために使用されることができるつなぎ留め式の蓋513aを備えている。その代わりに他のタイプの閉鎖装置を使用できることが理解されよう。この特定の図示されている例示的な容器51では、貯蔵部53は、立方体状の上側部分とピラミッド形の下側部分を備えており、補強構造54の形状は、貯蔵部53の形状に実質的に合致する。そのため、補強構造54は、貯蔵部53を囲む箱(または筐体)を構成する。補強構造54は、単一の(ないし一枚の)厚紙(ないしボール紙)材料から形成される。補強構造54の1つの側壁は窓55を備えており、該窓は、たとえば、貯蔵部53の内部の造形材料のレベルを視覚的に判定することを可能にしている。この特定の例では、実質的に全ての該貯蔵部の材料は透明であるが、他の例では、窓55の位置に対応ないし合致しない該貯蔵部の材料の部分を、透明ではないものとすることができる。窓55を備える例では、該窓を通して見える貯蔵部の材料の少なくとも一部を透明とすることができる。貯蔵部53の(上側部分と下側部分の両方における)対向する一対の側壁は、留め具511によって、補強構造54の対応する側壁に取り付けられている。貯蔵部53のその他の側壁は、補強構造54に取り付けられていない。取り付けられていない側壁は、それらの取り付けられていない側壁が補強構造54に対して動くことができるようにするために、補強構造54の対応する側壁よりもわずかに(幅が)広い。この例では、該貯蔵部の材料の弾性が低いため、この余分の広さ(幅)は、貯蔵部53の該取り付けられていない側壁が、たとえば吸引システムによって排出口構造513に加えられる吸引力の影響を受けて、補強構造54の対応する側壁から離れるように内側に曲がるのを可能にする。
【0036】
図6A図6Bは、それぞれ、別の例示的な容器61の側面図、上面図である。容器61は使用状態で示されており、該使用状態では、容器61の貯蔵部63内の圧力は貯蔵部63外の圧力よりも十分に小さく、この圧力差の結果として貯蔵部63は部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)。容器61は、貯蔵部63、補強構造64、排出口構造613、及び入口構造614を備えており、それらは、上記の容器1の対応する構造の任意のまたは全ての特徴(ないし構造)を有することができる。この特定の図示されている例示的な容器61では、補強構造64は円筒形の胴部を備えている。該胴部は、比較的堅い(すなわち比較的剛性の)プラスチック材料から形成される。貯蔵部63は、比較的可撓性でかつ比較的弾性がある材料から形成された袋(バッグ)から構成される。該袋の一方の端部は開いており、該開いている端部のエッジ(縁)は、該胴部の上端において、該胴部の側壁に密着(ないし密封)して取り付けられている。このため、貯蔵部63は、該袋によって、及び該胴部の上端/上部壁によって画定される。該袋の材料の弾性は、該容器が造形材料で充填されているときに、該袋が補強構造64の形状に合致するようなものとされる。該容器が造形材料で充填されているときに、該袋の材料を、デフォルトの伸張していない状態に対して引き伸ばすことができる。充填されている(したがって折り畳まれていない(ないしつぶれていない))状態の該袋の形状は破線63bで示されており、該貯蔵部が部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)ときの該袋の形状は実線63aで示されている。貯蔵部63の該袋部分の(該貯蔵部の全高さに比べて)幅が狭い円周部分は、補強構造64に(たとえば接着剤で)取り付けられる。また、該袋の下端の中心部分は、補強構造64の底壁に取り付けられる。
【0037】
この例の該胴部を形成する材料は気密性である。したがって、貯蔵部63が部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)形態をとるように、該貯蔵部の取り付けられていない部分が該胴部の壁から離れる方向に動くことができるようにするために、該容器は、該貯蔵部と外側構造の間の空間にガスが入ることができるようにするための追加のガス入口構造615を備えている。該追加のガス入口構造615は、該貯蔵部と該外側構造の間の空間にガスが入るのを選択的に可能にすることができる。該追加のガス入口構造615は、該容器の最上部の近くの、補強構造64の側壁に設けられている。該貯蔵部の袋の取り付けられた円周部分は、該胴部の該円周部の周りに連続しておらず、このため、ガスは、該貯蔵部と補強構造の間の上側の空間(すなわち、該取り付けられた部分の上の空間)と、該貯蔵部と補強構造の間の下側の空間(すなわち、該取り付けられた部分の下の空間)との間を通ることができる。該取り付けられた部分が完全で連続する円周部を有する他の例では、ガスが該下側の空間に入ることができるようにするためのさらに追加のガス入口構造を設けることができる。
【0038】
図6A及び図6Bからわかるように、貯蔵部63が部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)状態では、補強構造64に取り付けられていない貯蔵部63の部分(すなわち、下側部分67の側壁621及び上側部分65の側壁619)は内側に動き/曲がっており、これによって、貯蔵部63のそれらの部分と補強構造64の間にギャップが形成されている。さらに、該貯蔵部の材料は、該取り付けられていない部分が湾曲した形状をとるように引き伸ばされている。したがって、該貯蔵部は、該部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)形態を有しているときに、デフォルトの状態から変形している。該貯蔵部の材料の弾性と該補強されている部分の位置は協働して、上側部分と下側部分を含む部分的に折り畳まれている(ないし部分的につぶれている)形態を形成し、該上側部分は、該上側部分の高さ全体にわたって収束せず、該下側部分は、該下側部分の高さ全体にわたって該容器の基部に向かって収束している。
【0039】
図6A及び図6Bの特定の例示的な容器61は、本明細書に記載されている他の例示的な容器に比べて、比較的大きな体積の(もしくは比較的大量の)造形材料を収容するのに適したものでありうる。さらに、例示的な容器61は、積層造形プロセスで使用するために3D印刷システムにすでに供給されて戻された使用済みの造形材料を受け取って格納するために使用するのに適したものでありうる。これの代わりにまたはこれに加えて、該容器は、未使用の造形材料を3D印刷システムに供給するために使用するのに適したものでありうる。
【0040】
本開示のいくつかの例示的な容器は、未充填状態(または空の状態)の容器を運ぶのを容易にすることができる。いくつかのそのような例示的な容器は、たとえば、それらの容器の使用時の構成に比べて比較的平坦である及び/又は比較的小さな体積を占める構成で、該容器を運ぶのを可能にする特徴(ないし構造)を有することができる。そのような例示的な容器は、該容器を、該比較的平坦な構成から該使用時の構成に再構成するのを容易にするための特徴(ないし構造)を有することができる。図7A図8Bに関して下記する例示的な容器は、未充填状態(または空の状態)の該容器を運ぶのを容易にするための1つまたはいくつかの特徴(ないし構造)を有している。
【0041】
図7A及び図7Bは、6つの例示的な容器71の配列の側面図である。それぞれの容器71を、積層造形システムが容器71から造形材料を収集することができるように、少なくとも部分的に充填されている状態で該積層造形システムに接続することができ、及び、造形材料を使い果たした後に、造形材料が充填された第2のすなわち別の同様(ないし類似)の容器と交換できるようにするために取り外すことができる交換可能な供給源容器71とすることができる。したがって、それぞれの容器71を、3D印刷用の造形材料容器とみなすことができる。1例では、造形材料は、たとえば上記のタイプ及び/又は粒径の粉末である。
【0042】
それぞれの容器71の設計を同じとすることができる。代替的には、容器71の設計を互いに異なるものとすることができる。所与の容器71は、造形材料を保持するための貯蔵部を備えている。容器71はさらに、少なくとも1つの選択された位置において該貯蔵部に取り付けられた補強構造を備えている。該補強構造は、該容器が使用時の構成にあるときに、該貯蔵部の少なくとも1つの部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗することができる。該貯蔵部及び該補強構造は、該容器を、比較的平坦な構成から、造形材料で該貯蔵部を充填できる使用時の構成に再構成するのを可能にすることができる。図7Aでは、6つの容器の各々は、比較的平坦な構成をなすように構成されており、図7Bでは、6つの容器の各々は、使用時の構成をなすように構成されている。図7A及び図7Bから、比較的平坦な構成を有する容器の積み重ねの高さは、使用時の構成を有する容器の積み重ねの高さよりも大幅に低いことがわかる。該貯蔵部及び該補強構造は、それぞれ、上記の貯蔵部3及び補強構造4の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。
【0043】
容器71はさらに、造形材料が該貯蔵部から出ることができるようにするための、上記の造形材料排出口構造13の任意の特徴(ないし構造)を有することができる造形材料排出口構造を備えることができる。容器71はさらに、ガスが該貯蔵部に入ることができるようにするための、上記のガス入口構造14の任意の特徴(ないし構造)を有することができる少なくとも1つのガス入口構造を備えることができる。
【0044】
使用時の構成の該容器が占める体積は、該比較的平坦な構成の該容器が占める体積よりも大幅に大きいものでありうる。使用時の構成の該容器が占める体積は、該比較的平坦な構成の該容器が占める体積よりも少なくとも50%大きいものでありうる(すなわち、該比較的平坦な構成の該容器が占める体積の少なくとも1.5倍でありうる)。使用時の構成の該容器が占める体積は、該比較的平坦な構成の該容器が占める体積よりも少なくとも80%大きいものでありうる(すなわち、該比較的平坦な構成の該容器が占める体積の少なくとも1.8倍でありうる)。該比較的平坦な構成において、該容器の最小の外形寸法は比較的小さな値を有しえ、使用時の構成において、該容器の最小の外形寸法は比較的大きな値を有しうる。
【0045】
該貯蔵部及び該補強構造の一方または両方を折り畳み(ないし折り曲げ)可能なものとすることができる。いくつかの例では、該補強構造は、該容器が使用時の構成にあるときに、立方体状の構造の対向する側壁を形成する一対の部分(セクション)を備えており、該一対の部分のそれぞれの部分は、該容器が該平坦な構成にあるときには折り畳まれている(ないし折り曲げられている)。いくつかの例では、該該補強構造は、単一の材料(ないし一片の材料)から構成される。いくつかの例では、該補強構造は、厚紙(ないしボール紙)から形成される。
【0046】
いくつかの例では、該貯蔵部は比較的可撓性であり、該補強構造は比較的堅い(すなわち比較的剛性である)。いくつかの例では、該容器が使用時の構成のときにおいて、少なくとも該貯蔵部が充填されておりかつ折り畳まれていない(ないしつぶれていない)状態のときには、該貯蔵部は、(たとえば実質的に垂直な側壁を有することができる)収束しない上側部分と収束する下側部分を備える。かかる例では、該少なくとも1つの選択された位置を該上側部分に含めることができる。いくつかの例では、該補強構造は、(たとえば実質的に垂直な側壁を有することができる)収束しない上側部分と収束する下側部分を備える。
【0047】
未充填状態(または空の状態)の容器の運搬を容易にするための別の例示的な該容器(不図示)は、造形材料を受け取って保持するための、比較的可撓性の材料から形成された内側部分と、該内側部分の周りに配置されて、1以上の位置で該内側部分に接続された、比較的堅い(すなわち比較的剛性の)材料から形成された外側部分を備えることができる。該別の例示的な容器は、該容器の最小の外形寸法が比較的小さな値を有する第1の構成と、該容器の最小の外形寸法が比較的大きな値を有する第2の構成との間で再構成可能である。
【0048】
図8A及び図8Bは、別の例示的な容器81を示している。容器81は、貯蔵部83、補強構造84、入口構造814、及び排出口構造813を備えており、これらは、上記の容器1の対応する構造の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。図8Aは、比較的平坦な構成の容器81の上面図であり、図8Bは、使用時の構成の容器81の基部の部分斜視図である。
【0049】
貯蔵部83の形状及び材料特性を、上記の容器41の貯蔵部43の形状及び材料特性と同じとすることができる。たとえば、該貯蔵部を、低い弾性を有する可撓性のプラスチック材料から形成することができる。該貯蔵部は、該貯蔵部の対向する第1の対の側壁を、それらの側壁が折り重ねられるまで内側に折り畳むことによって折り畳み(ないし折り曲げ)可能であり、該第1の対の該折り畳みによって、第2の対の側壁が、実質的にまっすぐなまま(すなわち折り畳まれていないまま)で、互いに向かって移動する。該折り畳み可能な対向する側壁の各々の各エッジ(縁)に実質的に平行で該各エッジから等距離にある折り線すなわち折り目を設けて、該側壁をどのように折り畳むかを制御するのを支援することができる。実際に、この場合、該構造が折り畳まれるときに、該折り線に沿って内側に折り畳まれる該折り畳み可能な対向する側壁によって折り畳みが生じる。代替的には、該構造が折り畳まれるときに、該折り線に沿って外側に折り畳まれる該折り畳み可能な対向する側壁によって折り畳みを生じさせることができる(が、このアプローチでは、該平坦化された貯蔵部はより大きなフットプリントを生じるであろう)。他のそのような折り線すなわち折り目を、同様のやり方で折り畳みを制御するのを支援するために配置しないし設けることができる。該第2の対の側壁間の距離(間隔)は、貯蔵部83が折り畳まれていないときよりも、貯蔵部83が折り畳まれているときの方が大幅に小さい。貯蔵部83の形状は、折り畳まれたときに、入口構造814及び排出口構造813が設けられている該貯蔵部の部分が実質的にまっすぐなままとなるようなものとされる。
【0050】
使用時の構成における補強構造84の形状は、上記の容器51の補強構造54の形状に類似しており、補強構造84は、第1の上側の対をなす収束しない対向する側壁、第2の上側の対をなす収束しない対向する側壁、及び4つの収束する下側の側壁を備えている。しかしながら、該上側の対をなす対向する側壁のうちの一方の対は、補強構造84の全高さ(すなわち、該上側部分と該下側部分を合わせた高さ)にわたって延びる。このため、これらの延長された側壁の下端部は、該収束する下側部分の基部と協働して、該容器を直立した使用時の向きに支持し及び保持することができる。
【0051】
補強構造84を、1対の延長された側板(サイドパネル)841、1対の延長されていない側板842(該側壁の一方だけが図8A及び図8Bに示されている)、1対の下側部分の側板843(該側板の各々は、延長されていない側板842の下縁に結合されている)、及び2対の下側部分のフラップ844(これらのうちの1対だけが図8Aに示されている)を構成する単一の(または1枚の)厚紙(ないしボール紙)から形成することができる。延長された側板841は、それらが、(使用時の向きに関して)延長されていない側板842よりも高さが高いという意味で延長されている。下側部分のフラップ844の所与の対のそれぞれの下側部分のフラップは、所与の下側部分の側板843の異なるエッジに結合されている。さまざまな(またはいくつかの)孔845が補強構造84に設けられている。孔845は、(たとえば該補強構造の第1の部分を使用時の構成の第2の部分に取り付けるための、及び/又は、該貯蔵部を該補強構造に取り付けるための)留め具を受けることができる。該下側部分の側板及び該下側部分のフラップは、(図8Bに示されているように)容器81が使用時の構成にあるときに、それらが協働してピラミッド形の構造を形成するようにする形状とされている。それらの種々の側板とフラップの結合は、それらの結合された部分間の、該結合の軸の周りの角運動を可能にすることができる。
【0052】
図8Cは、折り畳まれておらずかつ組み立てられていない状態の単一の(または1枚の)材料(すなわち材料片)を示しており、該材料から補強構造84を形成することができる。図8Cから、延長された側板841の各々は窓849を備えていることがわかる。貯蔵部83が透明な材料から形成される例では、貯蔵部83に収容されている造形材料のレベル(高さ)を見るためにそれらの窓を使用することができる。それぞれの延長された側板841が、中央の折り線、折り目またはヒンジ847を有していることもわかる。それらの折り目は、容器81の該相対的に平坦な構成と使用時の構成との間を移行しているときに、該延長された側板を折り畳み及び開くことができるようにする。延長された側板841の一方は、他方の側板に結合していない長いエッジから突き出たタブ848を有している。該補強構造を組み立てるために、タブ848は、延長されていない側板842の自由な(すなわち固定されていない)長いエッジ(縁)842aに接着されるかまたはその他のやり方で取り付けられないし固定される。このため、該材料片は連続したループ(輪)を形成する。該容器の組み立て中に、補強構造84の該材料片がループに形成される前にまたは該ループに形成された後で、貯蔵部83を、該少なくとも1つの選択された位置で該材料片に取り付けることができる。
【0053】
容器81を、図8Aに示されている比較的平坦な構成から図8Bに示されている使用時の構成に再構成するために、延長された側板841が開かれ(広げられ)、これによって、補強構造84は実質的に立方体形状をとる。貯蔵部83は、貯蔵部83と補強構造84とが取り付けられているために、いっせいに開き及び/又は広がる(展開する)ことができる。該補強構造の収束する下側部分のピラミッド形状を形成するために、図8Bに示されているように、第1の下側部分の側板843に接続されたフラップ844は、第2の下側部分の側板843の対応するフラップ844に部分的に重ね合わされて該フラップ844に取り付けられる。フラップ844の取り付けを、たとえば、接着によって、及び/又は留め具をフラップ845内の孔845を通して挿入することによって、行うことができる。そのような留め具はさらに、フラップ844を貯蔵部83に取り付けることができる。上記のプロセスを逆にすることによって、容器84を再構成して該比較的平坦な構成に戻すことができる。
【0054】
いくつかの例では、容器はさらに、該補強構造を使用時の構成に保持するための支持構造を備えることができる。該容器が該平坦な構成のときには、該支持構造を該補強構造及び該貯蔵部から分離することができ、該容器が使用時の構成のときには、該支持構造を該補強構造に接続することができる。該支持構造を折り畳み可能なものとすることができる。該支持構造を、比較的平坦な構成と使用時の構成との間で再構成可能なものとすることができる。該支持構造の形状を、該補強構造の形状に合致させることができる。該支持構造は、該補強構造の一部または全てを囲むように形作られたスリーブまたは箱(または筐体)を備えることができる。
【0055】
容器81の特定の例示的な支持構造(不図示)は、使用時の構成における補強構造84の上にぴったり合うように形作られた両端が開いた厚紙(ボール紙)スリーブを備えている。該支持構造は、使用時の構成では立方体状であり、及び4つの側板を有し、それらの側板の各々は、補強構造84の側板に対応する。該支持構造を、側板の間の接合部で折り畳むことができるが、それらの側板はいずれも、それら自体では折り畳めない。該比較的平坦な構成において、該支持構造は2つの側板を有し、それらの側板の各々は、自由な(すなわち固定されていない)(意図された使用時の向きに関して)垂直のエッジ(縁)を有している。該比較的平坦な構成では、それらの自由な垂直エッジは、該支持構造の対向する端部に配置される。該支持構造を再構成することは、2つの該自由な垂直エッジを互いにくっつけることを含む。それらの自由な垂直エッジを互いにくっつける前にまたはくっつけた後で、該支持構造は、補強構造84の周りに配置される。該支持構造を、たとえば接着剤または留め具を用いて、補強構造84に取り付けることができ、または代替的に、該支持構造は、補強構造84の側板と該支持構造の側板の間の摩擦接触のために、該補強構造の周りに配置された状態を維持することができる。該支持構造の側板は、比較的堅く、補強構造84の延長された側板841とは対照的に折り畳む(折り曲げる)ことができない。したがって、該支持構造は、延長された側板841の折り畳みに抵抗することができ、それゆえ、補強構造84を使用時の構成に保持するのを支援することができる。
【0056】
本開示のいくつかの例示的な容器は、充填された状態の容器の取り扱いを容易にすることができる。いくつかのそのような例示的な容器は、たとえば、人が該容器を快適に持ち上げて運ぶことができるようにする特徴(ないし構造)を有することができる。いくつかのそのような例示的な容器は、たとえば、該容器から造形材料を手動で取り出すために、たとえば、人が、容器を傾け、さかさまにし、またはその他のやり方で容器を操作するのを容易にする特徴(ないし構造)を有することができる。図9図11に関して下記する例示的な容器は、充填された状態の容器の取り扱いを容易にするための1つまたはいくつかの特徴(ないし構造)を有している。
【0057】
図9は、使用時の向きを向いている例示的な容器91の斜視図である。容器91を、積層造形システムが容器91から造形材料を収集することができるように、少なくとも部分的に充填されている状態で該積層造形システムに接続することができ、及び、造形材料を使い果たした後に、造形材料が充填された第2のすなわち別の同様(ないし類似)の容器と交換できるようにするために取り外すことができる交換可能な供給源容器91とすることができる。したがって、容器91を、3D印刷用の造形材料容器とみなすことができる。1例では、造形材料は、たとえば上記のタイプ及び/又は粒径の粉末である。
【0058】
容器91は、造形材料を保持するためのものであって、造形材料が容器91の内部空間から出ることができるようにするための造形材料排出口構造913を備えている。該容器の外面は、くぼみ部(くぼんだ部分)941を有している。くぼみ部941は、造形材料排出口構造913を支持する。該造形材料排出口構造は、上記の容器1、41、51、61、または71の造形材料排出口構造の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。
【0059】
いくつかの例では、容器91さらに、造形材料を保持するための貯蔵部(不図示)、及び該貯蔵部の周りに配置された外側構造94を備えている。かかる例では、造形材料排出口構造913は造形材料が該貯蔵部から出ることを可能にすることができる。該貯蔵部は、上記の容器1、41、51、61、または71の対応する構造の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。該外側構造は、該容器の外面を形成し、及び、該外面にくぼみ部941を有している。図示の例では、該くぼみ部は、容器91の上部にある。容器91はさらに、ガスが該貯蔵部に入ることができるようにするためのガス入口構造(不図示)を備えることができ、該ガス入口構造は、上記のガス入口構造14の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。かかるガス入口構造を、たとえば造形材料排出口構造913と同様のやり方で、くぼみ部941によって支持することができる。
【0060】
くぼみ部941は排出口構造913を支持する。該外側構造は、上記の補強構造の任意の特徴(ないし構造)を有する補強構造を備えることができる。該外側構造は、上記の支持構造の任意の特徴(ないし構造)を有する支持構造を備えることができる。くぼみ部941は、容器91の(使用時の向きに関して)上面の一部がくぼんでおり、かつ該容器の側面の一部がくぼんでいるようになっている。該上面に関しては、くぼみ部941を、該くぼみ部の概念上の中心線Cが該上面の2つの平行な対向するエッジ(縁)から等距離にあるように、中央部に配置することができる。この場合、くぼみ部941は、少なくとも2つの側面で、該容器の該上面と合致する上部表面を有する直立した肩部と境界を接することができる。図示の例では、該くぼみ部は、3つの側面で直立した肩部と境界を接している。いずれにせよ、該2つまたは3つの直立した肩部は、該くぼみ部に配置された任意の構造要素を保護し、及び、該くぼみ部の周りの容器91を補強するように作用する。このため、該容器の上端は、くぼみ部941によって遮断されている。他の例では、該くぼみ部を、該容器の上面の一部がくぼんでいるがどの側面もくぼんでおらず、これによって、実際上該くぼみ部を囲む4つの肩部が存在するようにすることができ、または、該容器の側面の一部がくぼんでいるが該上面はくぼんでいないものとすることができる。該くぼみ部は、(底面が)概ね正方形または矩形の直方体形状を有することができるが、他の形状も可能である。
【0061】
排出口構造913が該外面から突き出さない(たとえば、該排出口構造の外側部分が、該くぼみ部のそれぞれの概念上の(底面が)正方形または矩形の直方体形状の外部境界内に留まる)ように、排出口構造913の外側部分をくぼみ部941内に収容することができる。いくつかの例では、排出口構造913(及び、ガス入口構造などの、くぼみ部941によって支持される他の任意の構造)外側部分を、くぼみ部941内に完全に収容することができる。この特徴(ないし構造)は、容器91の保管または運搬またはその他の取り扱い中に、該排出口構造(及びくぼみ部941によって支持される他の任意の構造)を損傷から守ることができ、及び/又は、容器91の積み重ねを容易にすることができる。該肩部は、該くぼみ部の周りの該容器を補強するように作用する。該くぼみ部の両側に同じ幅の対向する肩部を有することによって、該容器の該上面全体にわたって等しくかつ均一な支持強度を提供することができ、これによって、(1以上の)該容器の積み重ねを支援することができる。排出口構造913の上面を、外側構造94の上面よりも低くすることができ、これによって、容器91の上面よりも低くすることができる。排出口構造913の上面を、外側構造94の上面と同じ平面内に、及び/又は、容器91の上面と同じ平面内にあるものとすることができる。該排出口構造を、該容器の該上面の少なくとも2つの対向するエッジ(縁)に関して概ね中央の位置に配置することができる。該排出口構造を、該容器の該上面全体に関して概ね中央の位置に配置することができる。これは、該容器からの造形材料の効率的な取り出しを容易にすることができ、さらに、たとえば積み重ねプロセスのために、該容器の該上面全体にわたって均一な支持強度を提供するために、該容器の少なくとも両側に同じ幅の肩部を設けるのを容易にすることができる。
【0062】
図示の例では、容器91はさらに、外側構造94の対向する側面に設けられた一対の取っ手(ハンドル)942(そのうちの1つだけが図示されている)を備えている。取っ手942は、切欠き(すなわち、外側構造94の壁の開口)を有している。他の例では、それらの取っ手は、くぼみ、または該外側構造の外面に取り付けられた構造を含むことができる。取っ手942を、該外側構造に一体化して形成することができる。それらの取っ手を、該容器が使用時の向き(または姿勢)にあるときの、該容器の高さ全体の上部3分の1のところに含めることができる。
【0063】
該外側構造の寸法を、人が容器91を持ち上げ及び/又は運ぶのを容易にするように選択することができる。たとえば、外側構造94の一対の取っ手942間の幅を、該外側構造の奥行よりも大きくすることができ、及び、該幅及び奥行を、該外側構造の高さよりも小さくすることができる。該貯蔵部の体積を20リットル〜70リットルの範囲内とすることができる。該貯蔵部の体積を20リットル〜100リットルの範囲内とすることができる。いくつかの例では、該貯蔵部の体積を20リットルよりも小さくすることができる。いくつかの例では、該貯蔵部の体積を100リットルよりも大きくすることができる。該外側構造の高さを0.3m〜1mの範囲内とすることができる。いくつかの例では、該外側構造の高さを0.3mよりも小さくすることができる。いくつかの例では、該外側構造の高さを1mよりも大きくすることができる。該外側構造の高さを0.5m〜0.75mの範囲内とすることができる。該外側構造の高さを約0.55mとすることができる。該外側構造の該取っ手間の幅を、0.25m〜0.5mの範囲内とすることができる。該外側構造の該取っ手間の幅を、0.1m〜0.75mの範囲内とすることができる。いくつかの例では、該外側構造の該取っ手間の幅を0.25mよりも小さくすることができる。いくつかの例では、該外側構造の該取っ手間の幅を、0.75mよりも大きくすることができる。該外側構造の該取っ手間の幅を、約0.3mとすることができる。該外側構造の奥行を0.1m〜0.75mの範囲内とすることができる。いくつかの例では、該外側構造の奥行を0.1mよりも小さくすることができる。いくつかの例では、該外側構造の奥行を0.75mよりも大きくすることができる。該外側構造の奥行を、0.2m〜0.5mの範囲内とすることができる。該外側構造の奥行を約0.2mとすることができる。
【0064】
外側構造94を単一の(または1枚の)材料(すなわち材料片)から形成することができる。外側構造94を厚紙(ないしボール紙)から形成することができる。該貯蔵部と外側構造94の一方または両方を折り畳み可能なものとすることができる。いくつかの例では、該貯蔵部は折り畳み可能であり、外側構造94は、該貯蔵部の少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するために、比較的堅い(すなわち比較的剛性の)補強構造を備えている。他の例では、該貯蔵部は折り畳み可能であり、容器91はさらに、該貯蔵部の少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するために、比較的堅い(すなわち比較的剛性の)補強構造を備えている。かかる例では、該補強構造を、該貯蔵部と外側構造94の間に配置することができる。外側構造94は、ガスが、外側構造94と該貯蔵部の間の空間に入るのを可能にすることができる。
【0065】
図10A及び図10Bは、使用時の向きで示されている別の例示的な容器101の斜視図である。容器101は、貯蔵部(不図示)、造形材料排出口構造1013、外側構造104、及びくぼみ部1041を備えており、それらは、上記の容器91の対応する構造の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。容器101はさらに、くぼみ部1041の上に配置された取り外し可能な材料部分(部材)1043を備えており、これによって、該排出口構造の外側部分が、外側構造104の該くぼみ部及び該取り外し可能な材料部分1043によって囲まれた空間で囲まれるようになっている。図10Aでは、取り外し可能な部分1043は、容器101上に配置されており、図10Bでは、取り外し可能な部分1043は、容器101から取り外されている。取り外し可能な材料部分1043を、それが少なくとも容器101から取り外される前には、該外側構造と一体化したものとすることができる。外側構造104を厚紙(ないしボール紙)から構成することができ、及び、取り外し可能な材料部分1043のエッジ(縁)において該厚紙を切断するのを容易にするために、取り外し可能な材料部分1043を、ミシン目を入れたまたは他のやり方で弱くされた線によって画定することができる。取り外し可能な部分1043は、外側構造104の上面の一部を形成することができる。取り外し可能な部分1043は、外側構造104の側面の一部を形成することができる。取り外し可能な部分1043は、容器101から取り外し可能な部分1043を取り外すのを容易にするための1つまたはいくつかの特徴(ないし構造)(たとえば、切欠き、突出部、タブ、取っ手など)を含むことができる。いずれにしても、(取り外される前の)取り外し可能な部分1043は、該くぼみ部内にある排出口構造1013などの任意の要素に対する追加の保護を提供する。
【0066】
図11は、別の例示的な容器111の斜視図である。容器111は、造形材料を保持するためのものであって、該容器の対向する側面に一対の取っ手1142(それらのうちの1つだけが図示されている)を備えている。該容器の該取っ手1142間の幅は、該容器の奥行よりも大きく、かつ該容器の高さよりも小さい。
【0067】
いくつかの例では、容器111は、貯蔵部(不図示)、造形材料排出口構造(不図示)、及び外側構造114を備えており、それらは、上記の容器91または容器101の対応する構造の任意の特徴(ないし構造)を有することができる。かかる例では、一対の取っ手1142を該外側構造の対向する側面に設けることができ、及び、該外側構造の該取っ手1142間の幅を、該外側構造の奥行よりも大きくし、かつ該外側構造の高さよりも小さくすることができる。
【0068】
図12は、造形材料を、造形材料取り出し装置1259を介して3D印刷システム1291に供給するための使用時の例示的な容器121を示している。造形材料取り出し装置1259は、任意の適切な接続技術を用いて(たとえば、排出口構造1273と造形材料取り出しシステム1259の接続部材とに設けられた対応する磁気(磁力)コネクタによって)、容器121の造形材料排出口構造1273に接続されている。容器121及び該容器に含まれている構造は、容器1、41、51、61、71、81、91、101、または111に関して上記した任意の特徴(ないし構造)を有することができる。3D印刷システムを、造形材料を用いて3D物体を生成するための積層造形システムとすることができる。3D印刷システムは、3D印刷部分と別個の造形材料管理部分を備えることができる。代替的には、3D印刷システムは、単一の装置内に組み込まれた3D印刷機能及び造形材料管理機能を含むことができる。造形材料取り出しシステムは、吸引によって該容器から造形材料を取り出す吸引システムを備えることができる。
【0069】
図13及び図14は、例示的な容器121から3D印刷システム1291に造形材料を供給するための例示的な方法を実施するフローチャートである。関連する例を提供するために、図1図12を参照する。しかしながら、実装は、それらの例に限定されない。
【0070】
図13は、たとえば、容器から3D印刷システムに造形材料を供給する例示的な方法1300を示している。ブロック1301において、造形材料が充填された容器(たとえば容器131)を提供する。該造形材料を未使用の造形材料とすることができる。該造形材料を使用済みの造形材料とすることもできる。該容器を提供することは、該容器を、製造すること、運ぶこと、保管すること、組み立てること、充填することのうちの任意のもの又は全てを含むことができる。いくつかの例では、該容器を提供することは、該容器を、実質的に平坦な構成から使用時の構成に再構成し、その後、該容器に未使用の造形材料を充填することを含む。該容器を提供することは、図12に示されているように、該容器を、3D印刷装置の近くに、または3D印刷装置に隣接して配置することを含むことができる。該容器を提供することは、造形材料取り出しシステムの接続部材が届く位置に該容器を配置することを含むことができる。
【0071】
ブロック1302において、3D印刷システム(たとえば3D印刷システム1291)の造形材料取り出しシステムが、該容器の造形材料排出口構造に接続される。該取り出しシステムを該排出口構造に接続することは、該取り出しシステムのコネクタを該排出口構造の対応するコネクタにはめ合わせることを含むことができる。該取り出しシステムのコネクタを、たとえば、接続部材の末端部に設けることができる。該取り出しシステムが吸引システムを備えている例では、そのような接続部材は真空ホースを備えることができる。該取り出しシステムを該排出口構造に接続することは、該取り出しシステムと該排出口構造の間に気密シールを生成することを含むことができる。いくつかの例、たとえば、3D印刷装置が造形材料取り出しシステムを備えていない例では、このブロックを省くことができる。
【0072】
ブロック1303において、造形材料が、該容器から3D印刷装置に移される。該造形材料を移すことは、たとえば、該3D印刷装置の造形材料取り出しシステムを作動させることを含むことができる。該造形材料を移すことは、該容器の貯蔵部の内部空間に(図12にブロック矢印で示されているように)吸引力を加えることを含むことができる。該造形材料を移すことは、該容器の貯蔵部を吸引することを含むことができる。該排出口構造が該3D印刷装置の取り出しシステムに接続されていない例では、該造形材料を移すことは、該造形材料が該排出口構造から流出して、該3D印刷装置の入口構造に流入するように該容器を手動で傾けることを含むことができる。該容器が空になるまで、材料を該容器から該3D印刷装置に連続して移すことができる。たとえば、所与の3D印刷ジョブが、該容器に含まれている量より少ない量の造形材料を使用する場合には、材料を不連続的に移すことができる。
【0073】
図14は、たとえば、容器(たとえば容器121)から3D印刷システム(たとえば3D印刷システム1291)に造形材料を移す例示的な方法1400を示している。例示的な方法1400を、例示的な方法1300のブロック1303の一部として実行することができる。例示的な方法1400を、造形材料を保持するための折り畳み可能な貯蔵部と該貯蔵部の少なくとも1つの補強された部分の折り畳み(ないしつぶれ)に抵抗するための比較的堅い(すなわち比較的剛性の)補強構造とを備える容器(たとえば、容器1、41、または51のうちの任意の容器の特徴(ないし構造)を有する容器)によって実施することができる。例示的な方法1400を、吸引システムの形態の造形材料取り出しシステムを有する3D印刷システムによって実施することができる。
【0074】
ブロック1401において、吸引力が、たとえば該容器の貯蔵部の内部空間に加えられる。該吸引力を、該貯蔵部の内部空間内に延びる吸引管を介して加えることができる。このため、該吸引力を、該貯蔵部の下端部の位置または該下端部の近くの位置に加えることができる。該吸引力は、予め決められた大きさを有することができる。この予め決められた大きさを、造形材料の材料特性、該貯蔵部の材料特性、該貯蔵部のサイズ、該貯蔵部の形状、及び該貯蔵部に収容されている造形材料の量などの要因に基づいて決定することができる。該吸引力を、任意の適切な技術を用いて、該吸引システムによって生成することができる。
【0075】
ブロック1402において、第1の造形材料が該容器から取り出される。第1の造形材料を該容器から取り出すことは、第1の造形材料を該貯蔵部から取り出すことを含むことができる。第1の造形材料を該容器から取り出すことは、たとえば該吸引力の影響下で、第1の造形材料を、吸引管を通して運ぶことを含むことができる。第1の造形材料を該容器から取り出すことは、(たとえば、ガスが該容器のガス入口構造を通って入ることができるようにすることによって)該貯蔵部を通るガスの流れを生成すること、及び、造形材料を該空気流に乗せて運ぶことを含むことができる。該ガスを空気とすることができる。いくつかの例では、該ガスを、窒素などの空気以外のガスとすることができる。該ガスを不活性ガスとすることができる。いくつかの例では、該ガスは酸素を含んでいない。第1の造形材料を該容器から取り出すことは、該第1の造形材料を吸引することを含むことができる。該第1の造形材料は、該貯蔵部に収容されている造形材料の総量のうちの一部を含むことができる。該第1の造形材料は、該貯蔵部に収容されている造形材料の総量の50%以下の造形材料を含むことができる。該第1の造形材料には、該貯蔵部の壁に付着している造形材料を含めないことができる。該第1の造形材料には、造形材料の構造体に含まれている造形材料を含めないことができる。
【0076】
ブロック1403において、該貯蔵部が折り畳まれる(ないしつぶされる)。該貯蔵部を折り畳むことは、該貯蔵部の1つまたはいくつかの補強されていない部分を折り畳むことを含むことができる。該貯蔵部を折り畳むことは、該貯蔵部が部分的に折り畳まれた(ないし部分的につぶれた)形態をとることを含むことができる。該部分的に折り畳まれた形態は、容器1、41、51、及び61に関して上記した任意の特徴(ないし構造)を有することができる。いくつかの例では、該貯蔵部を折り畳むことは、該貯蔵部の内部と該貯蔵部の外部の間に、たとえば該貯蔵部内の圧力が該貯蔵部外の圧力よりも小さくなるように、圧力差を生成することを含む。該貯蔵部を折り畳むことは、該貯蔵部の内部と該貯蔵部の外部との間の圧力差がある閾値に達したことに応答して起こりうる。該貯蔵部を折り畳むことは、該貯蔵部の壁に付着した造形材料を取り除くという結果をもたらすことができる。該貯蔵部を折り畳むことは、造形材料の1つまたはいくつかの構造体を破壊する(ばらばらにする)という結果をもたらすことができる。
【0077】
ブロック1404において、第2の造形材料が該容器から取り出される。第2の造形材料を該容器から取り出すことを、第1の造形材料を該容器から取り出すのと同じやり方で実行することができる。該第2の造形材料は、該貯蔵部に収容されている造形材料の総量のうちの一部を含むことができる。該第2の造形材料は、該第1の造形材料を取り出した後に該貯蔵部に残っている全てのまたは実質的に全ての造形材料を含むことができる。該第2の造形材料は、該第1の造形材料を取り出した後に該貯蔵部に残っている造形材料の一部を含むことができる。該第2の造形材料は、該貯蔵部の壁から取り除かれた造形材料を含むことができる。該第2の造形材料は、造形材料の構造体に以前に(すなわち該貯蔵部が折り畳まれる前に)含まれていた造形材料を含むことができる。
【0078】
いくつかの例では、ブロック1303を実行した後に、ブロック1304において、該容器を廃棄(ないし処分)することができる。該容器を廃棄することを、(たとえば、人間オペレータによって、または3D印刷装置の自動システム及び/又は該容器によって)該容器が空であるかもしくは実質的に空であることが検出されたこと及び/又は該容器がある閾値量の造形材料より少ない量の造形材料を収容していることが検出されたことに応答して実行することができる。該容器を廃棄することを、(たとえば、人間オペレータ、及び/又は3D印刷装置の自動システム、及び/又は該容器によって)該容器がある閾値回数だけすでに再充填されていると判定されたこと及び/又は該容器が損傷していると判定されたことに応答して実行することができる。ブロック1304を実行した後で該プロセスを繰り返すことができる。
【0079】
いくつかの例では、ブロック1303を実行した後に、ブロック1305において、該容器を(造形材料で)再充填(または補充)することができる。該容器を再充填することを、(たとえば、人間オペレータ、及び/又は3D印刷装置の自動システム、及び/又は該容器によって)該容器が空であるかもしくは実質的に空であることが検出されたこと及び/又は該容器がある閾値量の造形材料より少ない量の造形材料を収容していることが検出されたことに応答して実行することができる。該容器を再充填することを、(たとえば、人間オペレータ、及び/又は3D印刷装置の自動システム、及び/又は該容器によって)該容器がある閾値回数よりは少ない回数だけすでに再充填されていると判定されたこと及び/又は該容器が損傷していないと判定されたことに応答して実行することができる。該容器を未使用の造形材料で再充填することができる。代替的には、該容器を使用済みの造形材料で再充填することができる。たとえば、該容器が、再充填のために取り外されていないが、同じ位置(この位置で、該容器を該造形材料取り出しシステムに接続することができる)で再充填されている場合には、ブロック1305を実行した後で、該プロセスをブロック1302から繰り返すことができる。代替的には、たとえば、該容器が再充填のために取り外されている場合には、該プロセスをブロック1301から繰り返すことができる。
【0080】
図13及び図14のフローチャートは、実行の特定の順番を示しているが、実行の順番は、図示されている順番と異なっていてもよい、たとえば、2つ以上のブロックの実行の順番を、図示の順番から変更することができる。さらに、連続して示されている2つ以上のブロックを、同時に実行することができ、もしくは部分的に同時に実行することができる。そのような全ての変形が考慮されている。
【0081】
上記では、本明細書に開示されている例を理解できるようにするために多くの細部が説明されている。しかしながら、それらの例をそれらの細部なくして実施できることが理解されよう。限られた数の例が開示されているが、それらの例に対する多くの変更及び変形が考慮されている。添付の特許請求の範囲はそのような変更及び変形をカバーすることが意図されている。特許請求の範囲における特定の要素に関する「1つの」という記載は、少なくとも1つのそのような要素を含むことを意図しているのであって、2つ以上のそのような要素を必要とするものでも排除するものでもない。さらに、「を含む」及び「を備える」という用語は、非制限的な移行句として使用されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14