特許第6868635号(P6868635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6868635ホスホジエステラーゼ阻害剤としての2−フェニル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−F][1,2,4]トリアジノン誘導体およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868635
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】ホスホジエステラーゼ阻害剤としての2−フェニル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−F][1,2,4]トリアジノン誘導体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20210426BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20210426BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210426BHJP
   C07D 207/50 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C07D487/04 140
   A61K31/53
   A61P43/00 111
   A61P17/02
   A61P3/10
   A61P9/00
   A61P15/10
   A61P15/08
   A61P17/14
   A61P17/00
   A61P9/14
   A61P9/12
   A61P9/10
   A61P11/00
   A61P9/04
   A61P13/12
   A61P29/00
   A61P11/08
   A61P11/06
   A61P37/08
   A61P11/02
   A61P25/00
   A61P27/06
   A61P1/00
   A61P1/16
   A61P25/28
   C07D207/50CSP
【請求項の数】28
【全頁数】117
(21)【出願番号】特願2018-544416(P2018-544416)
(86)(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公表番号】特表2018-535259(P2018-535259A)
(43)【公表日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】EP2016077720
(87)【国際公開番号】WO2017085056
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年10月21日
(31)【優先権主張番号】15194727.2
(32)【優先日】2015年11月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518170479
【氏名又は名称】トパドゥール ファーマ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ネフ, レト
(72)【発明者】
【氏名】テノール, ヘルマン
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−041133(JP,A)
【文献】 特表2004−523585(JP,A)
【文献】 特表2001−522851(JP,A)
【文献】 特表2003−523344(JP,A)
【文献】 Molecular Informatics,2011年,30,443−458
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/53
A61P 1/00
A61P 1/16
A61P 3/10
A61P 9/00
A61P 9/04
A61P 9/10
A61P 9/12
A61P 9/14
A61P 11/00
A61P 11/02
A61P 11/06
A61P 11/08
A61P 13/12
A61P 15/08
A61P 15/10
A61P 17/00
A61P 17/02
A61P 17/14
A61P 25/00
A61P 25/28
A61P 27/06
A61P 29/00
A61P 37/08
A61P 43/00
C07D 207/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

であって、式中、
が、任意選択でF、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルであり
X−Rが、ONO、ONO、CN、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOを表し;
が、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
が、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルであり;
、SNR1314またはNHSONR1314であり;
が、HまたはC〜Cアルキルであり;
が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたは複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環が独立して、任意選択でC〜Cアルキル、Fで置換されており;
が、H、CHまたはCであり;
が、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
10およびR11がそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、前記複素環が任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;
12が、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
13およびR14がそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONO、COOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、前記複素環が任意選択でR15で置換されており;
15が、任意選択で、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19もしくは任意選択でC〜Cアルキルで置換されたテトラゾール基で置換されている、C〜Cアルキル;または任意選択でFで置換され、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である、ヘテロアリール環であり;
16が、Hまたは任意選択で、F、OH、ONO、ONO、NR1718もしくは少なくとも1つのヘテロ原子が窒素であるヘテロアリール環で置換されている、C〜Cアルキルであり、窒素原子がC〜Cアルキルと直接結合しており;
17およびR18がそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
19が、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキルである、
化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物。
【請求項2】
10およびR11がそれ自体と結合している窒素原子とともに形成する前記複素環が、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項3】
13およびR14がそれ自体と結合している窒素原子とともに形成する前記複素環が、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項4】
前記ヘテロアリール環がピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロールおよびイミダゾールから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項5】
がC〜Cアルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項6】
が、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニルで置換されたC〜Cアルキルである、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項7】
が、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニルである、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項8】
13およびR14が、それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、前記複素環がアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ−[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環が任意選択でR15で置換されており;
15が、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;
16が、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
17およびR18がそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
19が、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである、
請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項9】
X−R、CN、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOを表
請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項10】
がHまたはCHである、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項11】
がHまたはCHである、請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項12】
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1a)
(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチルアセタート(1c);
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸(1d);
N−(ベンジルオキシ)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(1e);
メチル2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキシラート(1f);
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−N−ヒドロキシ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(1g);
2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)酢酸(1h);
2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)−N−ヒドロキシ−N−メチルアセトアミド(1i);
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)
5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1l);
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1m)
(E)−5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1o);
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1p);
2−(1−((3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1q);
(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r);
エチル−3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパノアート(1s);
3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−N,3−ジヒドロキシプロパンアミド(1t);
3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパンニトリル(1u);
(E)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1v);
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1x);
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1y);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1z);
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1ab);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1ac);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1ad);
2−(4−((4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae);
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1af);
2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−ホルミル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ag);
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ah);
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−((メトキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ai);
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−(((2−ヒドロキシエトキシ)イミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ak);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1al);
(E)−2−(1−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1am);
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1an);
(E)−3−(4−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)プロピルニトラート(1ao);および
(Z)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1aq)
から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項13】
(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r);および
(E)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1v)
から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と、薬学的に許容される補形剤、補助剤または担体とを含む、医薬組成物。
【請求項15】
ヒトまたは非ヒト哺乳動物のPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項16】
ヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用するための、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項17】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択される、請求項15または16に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物
【請求項18】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、男性勃起不全から選択される、請求項15または16に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項19】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される、請求項15または16に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項20】
ヒトまたは非ヒト哺乳動物のPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項21】
ヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択される、請求項20または21に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項23】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、男性勃起不全から選択される、請求項20または21に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項24】
前記疾患が、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される、請求項20または21に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項25】
式IVの化合物
【化2】

であって、式中、X、R、R、R、R、Rが、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである、化合物。
【請求項26】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物
【化3】

を調製する方法であって、
(a)非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒中、式IIの化合物と式IIIの安息香酸誘導体とを反応させて、式IVの化合物を生成することと、
【化4】

(b)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、
式中、X、R、R、R、RおよびRが、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである、
方法
【請求項27】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物
【化5】

を調製する方法であって、
(a)式VIの化合物と式VIAの塩化ベンゾイル誘導体とを反応させて、式VIIの化合物を生成することと、
【化6】

(b)式VIIのエステル化合物を式VIIIの酸誘導体に加水分解することと、
【化7】

(c)前記式VIIIの化合物をアミノ化して、式IVの化合物を得ることと、
【化8】

(d)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、
式中、X、R、R、R、RおよびRが、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものであり;
R’が、C〜Cアルキル、ベンジル、4−アルコキシベンジルである、
方法
【請求項28】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物
【化9】

を調製する方法であって、
式IAの化合物を変換して、式Iの化合物を得ることを含み、
【化10】

式中、X、R、R、R、RおよびRが、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである、
方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的に有用な化合物、特に、環状グアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)の阻害、特に5型環状グアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE5)の阻害に有用な化合物に関する。本発明の化合物は、男性勃起不全(MED)、アルツハイマー病、肺動脈高血圧症(PAH)、内皮機能障害(ED)、良性前立腺過形成(BPH)および下部尿路症状(LUTS)、持続勃起症、嚢胞性線維症、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、糖尿病、特に創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーを含めた様々な治療分野に有用である。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)の加水分解、ひいては分解を触媒し、それによりセカンドメッセンジャーの細胞内のレベルを調節する酵素である。PDEの阻害によって内因性cAMP/cGMPの細胞内濃度が上昇する。したがって、PDEの阻害が種々の生理学的機序を様々な細胞および器官のレベルで仲介するといえる。
【0003】
5型ホスホジエステラーゼ(PDE5)は、環状グアニル酸一リン酸(cGMP)を特異的に5’GMPに加水分解する。このPDE5の選択的な阻害が1つの重要な方法として検証されてきたほか、PDE5活性の阻害を促進する戦略が、特に神経病態および心血管病態の治療手段として用いられてきた。さらに、PDE5阻害剤の導入により男性勃起不全(MED)の治療に革命がもたらされた(Dobhal T,Kaur S,Prakash Sharma O,Hari Kumar SL,Critical Review in Pharmaceutical Sciences(2012)1(3):13−27)。PDE5阻害剤は数種類のものが市販されており、特にMEDまたは肺高血圧症(PH)、特にPAHに対して特徴付けられている(Papapetropoulos A,Hobbs AJ,Topouzis S,British Journal of Pharmacology(2015)172:1397−1414;Monica FZ,Murad F,Bian K,OA Biochemistry(2014)Mar 11;2(1):3;Beedimani RS,Kalmath B,Int J Pharm Bio Sci(2014)5(2):530−539;Wronski S,Cent European J Urol(2014)67:314−318;およびそこに引用されている参考文献)。PDE5阻害剤のうち最も有名なものの例がシルデナフィル、タダラフィルおよびバルデナフィルであり、これらはとりわけ、例えば国際公開第99/24433号、同第01/60825号、欧州特許第995’751号および国際公開第2011/075655号に記載されている。
【0004】
既知のPDE5阻害剤が成功を収めている一方で、さらなるPDE5阻害剤、特により強力なPDE5阻害剤およびcGMPのバランスの崩れによる疾患の治療または予防へのその医薬組成物の使用が依然必要とされている。さらに、全般的には、cGMPのバランスの崩れによる疾患の治療または予防への使用に有益な化合物およびその医薬組成物が依然必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは驚くべきことに、本発明の化合物が極めて強力で選択的なPDE5阻害剤であることを発見した。さらに、本発明者らは驚くべきことに、本発明の化合物を、そのPDE5阻害作用のほかにも付加的なものにとどまらないNO放出作用があると考えられる、二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤になるよう調整することが可能であることを発見した。この二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤は糖尿病患者の治療に極めて有益であると考えられる。さらに、本発明者らは驚くべきことに、本発明の好ましい化合物が、シルデナフィルなどの既知のPDE5阻害剤よりもはるかに高いPDE5阻害活性さえ示すことを発見した。したがって、本発明の新規なピロロトリアジン化合物は、cGMPのバランスの崩れによる疾患の治療および予防に有用である。本発明の化合物が示す強力で選択的なPDE5阻害作用により、cGMPレベルが上昇し、それにより有益な血管拡張作用、抗血管攣縮作用、抗血小板作用、抗好中球作用、ナトリウム利尿作用および利尿作用が生じ得る。さらに、本発明の化合物を二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤になるよう調整することにより、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させる一酸化窒素の放出のほかにも、付加的なものにとどまらないPDE5阻害が可能となる。したがって、本発明の化合物は、cGMPのバランスの崩れが起こり、かつ/またはPDE5阻害が有益であると考えられる様々な治療分野に有用である。いくつかの好ましい治療分野として、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、アルツハイマー病、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症および慢性心不全がある。
【0006】
したがって、第一の態様では、本発明は式Iの化合物
【化1】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中、
は、任意選択でF、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルであり;
Xは、結合または任意選択でOH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキレンを表し;
は、H、OH、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOであり;
は、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
は、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルであり;
は、H、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたは複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキル、Fで置換されており;
は、H、CHまたはCであり;
は、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;
12は、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
13およびR14はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONO、COOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は任意選択でR15で置換されており;
15は、任意選択で、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19もしくは任意選択でC〜Cアルキルで置換されたテトラゾール基で置換されている、C〜Cアルキル;または任意選択でFで置換され、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である、ヘテロアリール環であり;
16は、Hまたは任意選択で、F、OH、ONO、ONO、NR1718もしくは少なくとも1つのヘテロ原子が窒素であるヘテロアリール環で置換されている、C〜Cアルキルであり、好ましくは、前記ヘテロアリール環はピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロールおよびイミダゾールから選択され、窒素原子はC〜Cアルキルと直接結合しており;
17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキルである。
【0007】
さらなる態様では、本発明は、式Iの本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物のうちの少なくとも1つと、薬学的に許容される補形剤,補助剤または担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用する、式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、さらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、血管障害、レイノー病、全身性硬化症(SSc)、強皮症、糖尿病、肺動脈高血圧症、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される。
【0009】
また別の態様では、本発明は式IVの化合物
【化2】

を提供し、式中、X、R、R、R、R、Rは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0010】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物
【化3】

を調製する工程を提供し、前記工程は、
(a)非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒中、式IIの化合物と式IIIの安息香酸誘導体とを反応させて、式IVの化合物を生成することと、
【化4】

(b)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、式中、X、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0011】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物を調製する工程を提供し、前記工程は、
(a)式VIの化合物と式VIAの塩化ベンゾイル誘導体とを反応させて、式VIIの化合物を生成することと、
【化5】

(b)式VIIのエステル化合物を式VIIIの酸誘導体に加水分解することと、
【化6】

(c)前記式VIIIの化合物をアミノ化して、式IVの化合物を得ることと、
【化7】

(d)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、式中、X、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものであり;
R’は、C〜Cアルキル、ベンジル、4−アルコキシベンジルである。
【0012】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物を調製する工程を提供し、前記工程は、式IAの化合物を変換して、式Iの化合物を得ることを含み、
【化8】

式中、X、R、R、R、RおよびRは、請求項1〜8のいずれか1項の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0013】
この記載を読み進めるにしたがって、本発明のさらなる態様および実施形態が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1]本発明の化合物または参照PDE5阻害剤シルデナフィルの存在下でインキュベートしたヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)の環状グアノシン3’−5’−一リン酸(cGMP)の濃度依存性の測定を示す図である。
図1A】濃度1×10−16M(0.1fM)〜1×10−7M(100nM)の本発明の化合物の存在下で15分間インキュベートしたhPASMCのcGMPの濃度依存性の測定を示す図である。
図1B】濃度1×10−12M(1pM)〜1×10−7M(100nM)の本発明の化合物の存在下で30分間インキュベートしたhPASMCのcGMPの濃度依存性の測定を示す図である。
図1C】濃度1×10−10M(0.1nM)〜1×10−7M(100nM)の参照PDE5阻害剤シルデナフィルの存在下で15分間インキュベートしたhPASMCのcGMPの濃度依存性の測定を示す図である。
図2A】インタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図2A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図2B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図2C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図2D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。
図2B】インタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図2A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図2B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図2C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図2D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。
図2C】インタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図2A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図2B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図2C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図2D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。
図2D】インタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図2A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図2B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図2C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図2D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。
図3A図2に示したインタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図3A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図3B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図3C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図3D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩の非線形回帰(Graph Pad Prism 7.01)を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。点線は40%の阻害レベルを表す。
図3B図2に示したインタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図3A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図3B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図3C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図3D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩の非線形回帰(Graph Pad Prism 7.01)を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。点線は40%の阻害レベルを表す。
図3C図2に示したインタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図3A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図3B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図3C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図3D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩の非線形回帰(Graph Pad Prism 7.01)を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。点線は40%の阻害レベルを表す。
図3D図2に示したインタクトの内皮を有するラット大動脈リング(図3A)、25mMグルコースに1時間曝露したラット大動脈リング(図3B)、L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(100μM)(図3C)、インタクトの内皮を機械的に除去した後のラット大動脈リング(図3D)をフェニレフリンで予め収縮させた場合の1v、1r、シルデナフィルによる濃度依存性弛緩の非線形回帰(Graph Pad Prism 7.01)を示す図である。結果は、16〜20例の標本から得た平均±SEMで示されている。点線は40%の阻害レベルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はいずれも、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。
【0016】
本発明者らは驚くべきことに、本発明の式Iの化合物が極めて強力で選択的なPDE5阻害剤であることを発見した。さらに、本発明者らは驚くべきことに、本発明の化合物を、そのPDE5阻害作用のほかにも付加的なものにとどまらないNO放出作用があると考えられる、二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤になるよう調整することが可能であることを発見した。さらに、本発明の好ましい化合物は、シルデナフィルなどの既知のPDE5阻害剤よりもはるかに高いPDE5阻害活性さえ示す。
【0017】
したがって、第一の態様では、本発明は式Iの化合物
【化9】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中、
は、任意選択でF、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルであり;
Xは、結合または任意選択でOH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキレンを表し;
は、H、OH、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOであり;
は、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
は、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルであり;
は、H、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたは複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキル、Fで置換されており;
は、H、CHまたはCであり;
は、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;
12は、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
13およびR14はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONO、COOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は任意選択でR15で置換されており;
15は、任意選択で、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19もしくは任意選択でC〜Cアルキルで置換されたテトラゾール基で置換されている、C〜Cアルキル;または任意選択でFで置換され、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である、ヘテロアリール環で置換されており;
16は、Hまたは任意選択で、F、OH、ONO、ONO、NR1718もしくは少なくとも1つのヘテロ原子が窒素であるヘテロアリール環で置換されている、C〜Cアルキルであり、好ましくは、前記ヘテロアリール環はピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロールおよびイミダゾールから選択され、窒素原子はC〜Cアルキルと直接結合しており;
17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキルである。
【0018】
したがって、さらなる態様では、本発明は式Iの化合物
【化10】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中、
は、任意選択でF、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルであり;
Xは、結合または任意選択でOH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキレンを表し;
は、OH、ONO、ONO、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOであり;
は、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
は、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルであり;
は、H、SONR1314、NHSONR1314であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたは複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキル、Fで置換されており;
は、H、CHまたはCであり;
は、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;
12は、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり;
13およびR14はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONO、COOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は任意選択でR15で置換されており;
15は、任意選択で、ハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19もしくは任意選択でC〜Cアルキルで置換されたテトラゾール基で置換されている、C〜Cアルキル;または任意選択でFで置換されており、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である、ヘテロアリール環であり;
16は、Hまたは任意選択で、F、OH、ONO、ONO、NR1718もしくは少なくとも1つのヘテロ原子が窒素であるヘテロアリール環で置換されている、C〜Cアルキルであり、好ましくは、前記ヘテロアリール環はピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロールおよびイミダゾールから選択され、窒素原子はC〜Cアルキルと直接結合しており;
17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;
19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cシクロアルキルである。
【0019】
各アルキル部分は単独であっても、あるいはアルコキシまたはアルキレンなどのより大きい基の一部分であっても、直鎖または分岐鎖であり、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキルである。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、プロパ−2−イル、n−ブチル、ブタ−2−イル、2−メチル−プロパ−1−イルまたは2−メチル−プロパ−2−イルが挙げられる。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、neo−ペントキシ、n−ヘキソキシが挙げられる。本明細書に記載されるアルコキシは、ハロアルコキシ部分を生じるハロゲン原子などの置換基をさらに含み得る。
【0020】
各アルキレン部分は直鎖または分岐鎖であり、例えば、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−または−CH(CHCH)−である。
【0021】
各シクロアルキル部分は単環型または二環型であり得、通常好ましくは、単環型であり、好ましくは3〜8個の炭素原子、より好ましくは3〜7個の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0022】
各アルケニル部分は単独であっても、あるいはアルケニルオキシまたはアルケニレンなどのより大きい基の一部分であっても、直鎖または分岐鎖であり、好ましくはC〜Cアルケニル、より好ましくはC〜Cアルケニルである。各部分は(E)−立体配置または(Z)−立体配置のものであり得る。例としては、ビニルおよびアリルが挙げられる。したがって、アルケニル部分を含む本発明の化合物には適宜、(E)−立体配置の前記アルケニル部分を有する前記化合物、(Z)−立体配置の前記アルケニル部分を有する前記化合物および両者の任意の比の混合物のいずれも含まれ得る。
【0023】
各アルキニル部分は単独であっても、あるいはアルキニルオキシなどのより大きい基の一部分であっても、直鎖または分岐鎖であり、好ましくはC〜Cアルキニル、より好ましくはC〜Cアルキニルである。例としてエチニルおよびプロパルギルがある。
【0024】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のことである。
【0025】
各ハロアルキル部分は単独であっても、あるいはハロアルコキシなどのより大きい基の一部分であっても、1つまたは複数の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されたアルキル基である。例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチルラジカルおよび2,2,2−トリフルオロ−エチルが挙げられる。
【0026】
「複素環」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4つのヘテロ原子を環員として含む飽和炭素環または部分不飽和炭素環を指す。このような環は、環内に隣り合う酸素原子も、隣り合う硫黄原子も、隣り合う酸素原子と硫黄原子も含まない。好ましい例には、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンがあり、さらに好ましいのは、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンである。
【0027】
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは最大3つのヘテロ原子を環員として含む芳香環を指す。ヘテロアリール環は、環内に隣り合う酸素原子も、隣り合う硫黄原子も、隣り合う酸素原子と硫黄原子も含まない。好ましい例には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、テトラゾール、フランおよびチオフェニルがあり、さらに好ましいのは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロールおよびイミダゾールである。
【0028】
ある基が任意選択で置換されていると記載される場合、好ましくは任意選択で1〜5つの置換基、より好ましくは任意選択で1〜3つの置換基、さらにより好ましくは任意選択で1つまたは2つの置換基が存在する。ある基が任意選択で置換されていると記載され、前記基の前記任意選択の置換に対して2つ以上の置換基が存在する場合、前記2つ以上の置換基は、同じものであっても異なるものであってもよい。
【0029】
特定の本発明の式Iの化合物は、1つまたは2つ以上の不斉中心を含み得るものであり、このような化合物は、純粋な鏡像異性体または純粋なジアステレオ異性体および両者の任意の比の混合物として提供され得る。本発明の化合物にはこのほか、式Iの化合物のあらゆる互変異性型が含まれる。式Iの化合物はほかにも、溶媒和されたもの、特に水和されたものであり得、これも式Iの化合物に含まれる。溶媒和および水和は調製工程の過程で起こり得る。
【0030】
その結果、本発明の化合物、ひいては式Iの化合物には、立体異性体、幾何異性体および互変異性体が含まれる。さらに、本発明の化合物、ひいては式Iの化合物には、溶媒和物または水和物、その薬学的に許容される塩およびその塩の溶媒和物または水和物が含まれる。
【0031】
本発明の式Iの化合物には前記化合物の薬学的に許容される塩が含まれる。特に、本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容される有機塩または無機塩、特に酸付加塩を指す。例示的な塩としては、特に限定されないが、生理的に許容される鉱酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸などの塩または有機酸、例えばメタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびサリチル酸などの塩が挙げられる。式Iの化合物の薬理学的に許容される塩のさらなる例には、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩など、アンモニウム塩または有機塩基の塩、例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、リジン塩、コリンヒドロキシド塩、メグルミン塩、モルホリン塩またはアルギニン塩などがある。式Iの化合物の薬学的に許容される塩のさらなる例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0032】
「溶媒和物」は、1つまたは複数の溶媒分子と本発明の化合物との会合体または複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、特に限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸およびエタノールアミンが挙げられる。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、RはC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、RはCHまたはCであり、さらに好ましくは、RはCHである。
【0034】
別の好ましい実施形態では、Rは、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でONO、ONOまたはC〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でONOまたはC〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、RはC〜Cアルキルであり、好ましくはRはC〜Cアルキルである。極めて好ましい実施形態では、Rはn−プロピルである。
【0035】
別の好ましい実施形態では、Rは、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でONO、ONO、C〜CアルコキシまたはC〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でONO、ONOまたはC〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、Rは、任意選択でONOまたはC〜Cアルコキシで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、RはC〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルキ(alky)を表し、さらに好ましくは、Rはエチルまたはn−プロピルを表す。
【0036】
さらに好ましい実施形態では、前記RはC〜Cアルキルであり;Rは、任意選択でF、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニルで置換されたC〜Cアルキルであり;Rは、任意選択でC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、F、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアルケニルである。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、前記RはCHまたはCであり、好ましくは、RはCHであり;Rは、任意選択でONOまたはC〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり、好ましくはRはn−プロピルであり;Rは、任意選択でONOまたはC〜Cシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルであり、好ましくはRはエチルまたはn−プロピルである。
【0038】
さらに好ましい実施形態では、前記R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ−[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は任意選択でR15で置換されており;R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり、好ましくは、R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルであり;R19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり、好ましくは、R19は、任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、前記RはSONR1314、NHSONR1314であり;前記R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、前記複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ−[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択され、前記複素環は任意選択でR15で置換されており;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0040】
さらに好ましい実施形態では、前記RはSONR1314であり、R13およびR14はそれぞれ独立して、Hであるか、あるいはそれ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0041】
さらに好ましい実施形態では、前記RはSONR1314であり、R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でOH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、前記RはSONR1314であり、R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でOH、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、前記RはSONR1314であり、R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、OH、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でOH、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0044】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記RはSONR1314であり、R13およびR14は、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたピペリジンおよびピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でOHまたはONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0045】
さらに好ましい実施形態では、前記Xは、結合または任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキレンを表す。さらに極めて好ましい実施形態では、前記Xは、結合または任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキレンを表す。別の極めて好ましい実施形態では、前記Xは結合を表す。別の極めて好ましい実施形態では、前記Xは、任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキレンを表す。
【0046】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H、OH、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CH=N−ORであり、Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0047】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H、OH、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CH=N−ORであり、Rは、H、C〜Cアルキルであり;Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0048】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CH=N−ORであり、Rは、H、C〜Cアルキルであり;Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、CHO、CN、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CH=N−ORであり、Rは、H、C〜Cアルキルであり;Rは、H、OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0050】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CHO、CN、CH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0051】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記Rは、CHO、CN、CH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、Rは、H、OH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0052】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記RはCH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0053】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記RはCH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、Rは、H、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。
【0054】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−Rは、任意選択でOH、ONO、ONO、CN、C(O)OH、C〜Cアルコキシ、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOを表し、さらに好ましくは、前記RはHまたはCHであり、前記RはHまたはCHである。
【0055】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−Rは、OH、ONO、ONO、CN、C(O)OH、C〜Cアルコキシ、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOを表し、さらに好ましくは、前記RはHまたはCHであり、前記RはHまたはCHである。
【0056】
さらに好ましい実施形態では、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたはアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび3,7−ジアザビシクロ[3,3,0]オクタンから選択される複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキル、Fで置換されている。さらに好ましい実施形態では、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたはピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジンから選択される複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキルで置換されている。
【0057】
さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H、OH、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。さらに好ましい実施形態では、前記Rは、H、OH、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)ORで置換されたC〜Cアルキルである。
【0058】
さらに好ましい実施形態では、前記R10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はアジリジン、アゼチジン、ピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されている。さらに好ましい実施形態では、前記R10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されている。
【0059】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−Rは、CN、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011、CR=NR12またはCR=N−ONOを表し、さらに好ましくは、前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたはピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジンから選択される複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、OH、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)ORで置換されたC〜Cアルキルである。
【0060】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−Rは、CN、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキル、CR=N−OR、CR=N−NR1011を表し、さらに好ましくは、前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたはピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジンから選択される複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、OH、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)ORで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R10およびR11はそれぞれ独立して、H、任意選択でOH、CN、COOH、COOC〜C、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、S(O0〜2)C〜Cアルキルで置換されたC〜Cアルキルであるか;それ自体と結合している窒素原子とともに複素環を形成し、好ましくは、前記複素環はピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択され、前記複素環は任意選択でC〜Cアルキルで置換されている。
【0061】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−Rは、CN、C(O)OH、C(O)OC〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CHO、OC(O)H、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)OR、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、CR=N−ORで置換されたC〜Cアルキレン;C(O)OC〜Cアルキル、CHO、C(O)N(R)OR、CR=N−ORを表し、さらに好ましくは、前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、ベンジルで置換されたC〜Cアルキルまたはピロリジン(pyrollidine)、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジンから選択される複素環であり、前記フェニル、ベンジルまたは前記複素環は独立して、任意選択でC〜Cアルキルで置換されており;前記RはHまたはCHであり;前記Rは、H、OH、CN、COOH、COOC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、OC(O)H、OC(O)−C〜Cアルキル、C(O)N(R)OR、OC〜Cアルキレン−C(O)OH、OC〜Cアルキレン−C(O)OC〜Cアルキル、OC〜Cアルキレン−C(O)N(R)ORで置換されたC〜Cアルキルである。
【0062】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−RはCR=N−OR、好ましくは(E)−CR=N−ORを表し、前記RはHまたはCHであり、好ましくは、前記RはHであり、前記Rは、Hまたは任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキルまたは任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキルである。
【0063】
さらに極めて好ましい実施形態では、前記X−RはCH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORを表し、前記Rは、Hまたは任意選択でOHもしくはCNで置換されたC〜Cアルキルであり、好ましくは、前記Rは、HまたはOHもしくはCNで置換されたC〜Cアルキルであり;さらに好ましくは、前記Rは、HまたはOHで置換されたC〜Cアルキルである。
【0064】
この理論に束縛されるわけではないが、基R、ひいては基X−Rの官能基化により、PDE5酵素との相互作用の増大、ひいては阻害作用の増大が可能になると考えられる。特に、オキシム官能基を有し、これにより特にトランス配置のオキシム官能基を有するRは極めて有益であることがわかっている。
【0065】
さらに好ましい実施形態では、前記RはC〜Cアルキルであり;前記RはCH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、前記Rは、Hまたは任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキルまたは任意選択でOHで置換されたC〜Cアルキルであり;RはC〜Cアルキルであり;前記RはC〜Cアルコキシであり;前記RはSONR1314であり、R13およびR14はそれぞれ独立して、Hであるか、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0066】
さらに好ましい実施形態では、前記RはC〜Cアルキルであり;前記RはCH=N−OR、好ましくは(E)−CH=N−ORであり、前記Rは、Hまたは任意選択でOHもしくはCNで置換されたC〜Cアルキルであり;RはC〜Cアルキルであり;前記RはC〜Cアルコキシであり;前記RはSONR1314であり、R13およびR14はそれぞれ独立して、Hであるか、それ自体と結合している窒素原子とともに、任意選択でR15で置換されたイミダゾール、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンおよびホモピペラジンから選択される単環を形成し;前記R15は、任意選択でハロゲン、OH、ONO、ONO、C〜Cアルコキシ、COOR16、NR1718、C=NR19で置換されたC〜Cアルキルであり;R16は、Hまたは任意選択でF、OH、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R17およびR18はそれぞれ独立して、Hまたは任意選択でONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルであり;前記R19は、任意選択でF、ONO、ONOで置換されたC〜Cアルキルである。
【0067】
本発明のさらに極めて好ましい実施形態は、個々の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物によって表される。
【0068】
したがって、別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は以下のものから選択される:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】
【0069】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は、
(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r);および
(E)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1v)
から選択される。
【0070】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r)である。
【0071】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1v)である。
【0072】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1a)である。
【0073】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1o)である。
【0074】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r)である。
【0075】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物はエチル−3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパノアート(1s)である。
【0076】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−N,3−ジヒドロキシプロパンアミド(1t)である。
【0077】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパンニトリル(1u)である。
【0078】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)である。
【0079】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1z)である。
【0080】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1ab)である。
【0081】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1ad)である。
【0082】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1ad)である。
【0083】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は2−(4−((4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae)である。
【0084】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1af)である。
【0085】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ah)である。
【0086】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−(((2−ヒドロキシエトキシ)イミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ak)である。
【0087】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1al)である。
【0088】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(1−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1am)である。
【0089】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1an)である。
【0090】
別の極めて好ましい実施形態では、前記式Iの化合物は(E)−3−(4−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)プロピルニトラート(1ao)である。
【0091】
本発明の化合物は強力で選択的なcGMP特異的PDEの阻害剤であることが明らかになっている。さらに、本発明の化合物を、そのPDE5阻害作用のほかにも付加的なものにとどまらないNO放出作用があると考えられる、二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤になるよう調整することが可能であることがわかっている。したがって、式Iの化合物は、特にcGMP特異的PDEの阻害が有益であると考えられる様々な病態の治療のための治療法に使用することを目的とするものである。
【0092】
したがって、さらなる態様では、本発明は、本発明の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物のうちの少なくとも1つと、薬学的に許容される補形剤、補助剤または担体とを含む、医薬組成物を提供する。別の態様では、本発明は、ちょうど1つの本発明の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と、薬学的に許容される補形剤、補助剤または担体とを含む、医薬組成物を提供する。薬学的に許容される補形剤、補助剤または担体は当業者に既知のものである。
【0093】
別の態様では、本発明は、医薬品として使用する式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。また別の態様では、本発明は、動物薬として使用する式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0094】
驚くべきことに、本発明の化合物が極めて強力で選択的なPDE5阻害剤であることがわかった。さらに、本発明者らは驚くべきことに、本発明の化合物を、そのPDE5阻害作用のほかにも付加的なものにとどまらないNO放出作用があると考えられる、二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤になるよう調整することが可能であることを発見した。さらに、驚くべきことに、本発明の好ましい化合物が、シルデナフィルなどの既知のPDE5阻害剤よりもはるかに高いPDE5阻害活性さえ示すことがわかった。したがって、本発明の新規なピロロトリアジン化合物は、cGMPのバランスの崩れによる疾患の治療および予防に有用である。特に、本発明の化合物は環状グアノシン3’−5’−一リン酸特異的ホスホジエステラーゼ5(cGMP特異的PDE5)に対する強力で選択的な阻害剤であり、このため、そのような阻害が有益であると考えられる様々な治療分野に有用である。いくつかの好ましい治療分野として、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、アルツハイマー病、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症および慢性心不全がある。
【0095】
本発明の化合物が示す選択的なPDE5阻害作用の結果、cGMPレベルが上昇し、それにより有益な抗血小板作用、抗血管攣縮作用、血管拡張作用、ナトリウム利尿作用および利尿作用のほかにも、内皮由来弛緩因子(EDRF)の一酸化窒素(NO)、ニトロ系血管拡張薬、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)ならびにブラジキニン、アセチルコリンおよび5−HTなどの内皮依存性弛緩物質の作用の増強が生じ得ることが予想される。したがって、式Iの化合物は、安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症、高血圧症、肺高血圧症、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態(例えば、経皮経管的冠動脈形成術後)、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病、緑内障ならびに過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、創傷治癒、特に慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、アルツハイマー病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症ならびに慢性心不全を含めた多数の障害の治療に有用である。
【0096】
したがって、別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法に使用する式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、糖尿病、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、さらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、血管障害、レイノー病、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、慢性創傷治癒、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される。
【0097】
また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって疾患を治療または予防する方法に使用する、式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害が望まれる病状を治療する方法に使用する、式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0098】
また別の態様では、本発明は、ヒトあるいは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって疾患を治療あるいは予防する薬物の製造への式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトあるいは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する薬剤の製造への式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトあるいは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害が望まれる病状を治療する薬物の製造への式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。
【0099】
また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって疾患を治療または予防する方法であって、前記ヒトあるいは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む、方法を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE−5の阻害によって軽減する疾患を治療または予防する方法であって、前記ヒトあるいは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む、方法を提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトのPDE5の阻害が望まれる病状を治療する方法であって、前記ヒトあるいは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物あるいはその医薬組成物または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、前記疾患または前記病状は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全から選択され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される。
【0101】
したがって、本発明のさらなる態様として、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全の治療に使用する式Iの化合物が提供され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される。
【0102】
本発明の別の態様では、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全を治療する薬物の製造への式Iの化合物の使用が提供され、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択される。
【0103】
さらなる態様では、本発明は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、レイノー病、男性勃起不全、女性性機能不全、糖尿病、脱毛、皮膚老化、血管老化、肺動脈高血圧症;安定狭心症、不安定狭心症および異型(プリンツメタル)狭心症;高血圧症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性低下の病態、末梢血管疾患、血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、モルフェア、炎症性疾患、脳卒中、気管支炎、慢性喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、糖尿病性ニューロパチー、特発性肺線維症(IPF)、ペイロニック病(peyronic’s disease)、緑内障または過敏性腸症候群などの腸運動障害を特徴とする疾患、肝線維症、アルツハイマー病および慢性心不全を治療する方法を提供し、好ましくは、前記疾患は、創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍、糖尿病性ニューロパチー、末梢血管疾患、レイノー病などの血管障害、全身性硬化症(SSc)、強皮症、肺動脈高血圧症、糖尿病、男性勃起不全から選択され、またさらに好ましくは、前記疾患は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、好ましくはヒトの創傷治癒、好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足病変、糖尿病性足部潰瘍、下肢潰瘍および糖尿病性ニューロパチーから選択され、前記方法は、前記ヒトまたは前記非ヒト哺乳動物、好ましくは前記ヒトに有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0104】
本発明の極めて好ましい実施形態では、前記疾患または前記病状は、創傷治癒,好ましくは慢性創傷治癒,糖尿病性足病変,糖尿病性足部潰瘍および下肢潰瘍から選択される。
【0105】
糖尿病などにみられる慢性非治癒性皮膚創傷は、血管新生障害、微小循環不全および内皮機能障害を含めた複雑な疾患機序に支配されている。糖尿病性足部潰瘍および慢性創傷は病的状態の主な発生源であり、糖尿病患者の入院の主要な原因となっている。糖尿病性足部潰瘍および慢性創傷は糖尿病患者(2億7500万人)の15%が罹患し、患者および支払者にとって大きな負担となっている(120億ドル/年)。毎年、全糖尿病患者の3〜4%が下肢切断術を受ける。本発明のPDE5阻害剤または化合物であり、極めて強力なPDE5阻害および一酸化窒素依存性可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化を一体化させた超強力なPDE5阻害剤または化合物によって創傷治癒が促進されることが期待できる。
【0106】
本明細書で使用される「治療」、「治療する」、「治療される」または「治療すること」という用語は、予防および/または治療を指す。一実施形態では、「治療」、「治療する」、「治療される」または「治療すること」という用語は、治療的処置を指す。別の実施形態では、「治療」、「治療する」、「治療される」または「治療すること」という用語は、予防的処置を指す。好ましくは、前記治療の有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、特に限定されないが、症状の軽減、疾患または病状の程度の軽減、疾患または病状の状態の安定化(すなわち、悪化させないこと)、疾患または病状の進行の遅延または緩徐化、疾患または病状の状態の改善または緩和が挙げられる。
【0107】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、所望の生物学的効果を得るのに必要な量または十分な量を指す。好ましくは、「有効量」という用語は、(i)特定の疾患、病状もしくは障害を治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、病状もしくは障害の1つもしくは複数の症状を軽減、改善もしくは解消する、または(iii)本明細書に記載される特定の疾患、病状もしくは障害の1つもしくは複数の症状の発現を予防する、もしくは遅らせる、本発明の式Iの化合物の量を指す。本発明の式Iの化合物または前記医薬組成物の有効量は、この選択される結果が得られる量であり得、そのような量は、当業者により慣例的なものとして決定され得る。さらに好ましくは、本明細書で使用される「有効量」という用語は、通常好ましくは実施例64で決定される、PDE5の阻害を増大させる効果を得るのに必要な量もしくは十分な量または通常好ましくは実施例65で決定される、cGMPの形成を増大させるのに必要な量もしくは十分な量を指す。有効量は、投与する具体的な組成物および対象の大きさによって異なり得る。当業者であれば、過度の実験を必要とせずに、本発明の特定の組成物の有効量を実験により決定することができる。
【0108】
本明細書で使用される「哺乳動物」という用語は、特に限定されないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジを包含する。本明細書で使用される「哺乳動物」という用語は、好ましくはヒトを指す。
【0109】
本発明の式Iの化合物および医薬組成物は、本発明の別の態様を構成する任意の適切な経路により、例えば、経口投与、バッカル投与,舌下投与,直腸内投与,膣内投与,経鼻投与,局所投与または非経口投与により投与し得る。
【0110】
また別の態様では、本発明は式IIの化合物:
【化53】

を提供し、式中、R、R、Rは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0111】
さらなる態様では、本発明は式IVの化合物
【化54】

を提供し、式中、X、R、R、R、R、Rは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0112】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物
【化55】

を調製する工程を提供し、前記工程は、
(a)非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒中、式IIの化合物と式IIIの安息香酸誘導体とを反応させて、式IVの化合物を生成することと、
【化56】

(b)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、式中、X、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0113】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物を調製する工程を提供し、前記工程は、
(a)式VIの化合物と式VIAの塩化ベンゾイル誘導体とを反応させて、式VIIの化合物を生成することと、
【化57】

(b)式VIIのエステル化合物を式VIIIの酸誘導体に加水分解することと、
【化58】

(c)前記式VIIIの化合物をアミノ化して、式IVの化合物を得ることと、
【化59】

(d)前記式IVの化合物を環化させて、式Iの化合物を得ることと
を含み、式中、X、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物の場合と同じように定義されるものであり;
R’は、C〜Cアルキル、ベンジル、4−アルコキシベンジルである。
【0114】
また別の態様では、本発明は式Iの化合物を調製する工程を提供し、前記工程は、式IAの化合物を変換して、式Iの化合物を得ることを含み、
【化60】

式中、X、R、R、R、RおよびRは、請求項1〜8のいずれか1項の式Iの化合物の場合と同じように定義されるものである。
【0115】
式Iの化合物は、以下の反応スキーム1および反応スキーム2によって調製され得る。上記のスキームは式Iの化合物全般の合成の代表的なものであり、本発明の一部を構成する。
【0116】
スキーム1:
【化61】
【0117】
このように、式Iの化合物を調製する工程では、式IVの化合物の前駆物質となる中間体IIを合成し、式IVの化合物は他の式Iの化合物の前駆物質の役割を果たす。あるいは、スキーム2に示すように、式Vの化合物から出発して式IVの化合物を合成し、次いでこれを式VIの化合物、次いで化合物VIIおよび化合物VIIIに変換する。したがって、スキーム2は、本発明の式Iの化合物を合成する代替経路を構成する。
【0118】
DMF、アセトニトリル、ジアルキルエーテル、塩素化炭化水素を含む群より選択される非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒中、式IIの化合物と式IIIの安息香酸誘導体とを反応させる。この反応を、例えば塩化チオニル試薬、ホスホロオキシクロリド試薬、DCC、EDCまたはDCI、HBTUのようなカルボジイミド試薬などの縮合試薬の存在下、塩基の存在下または不在下で実施して、式IVの化合物を生成し、これをブタノール、ポリ−エチレングリコール、DMFなどの溶媒中、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下で還元的に環化させて、式IAの化合物を生成する。様々な反応条件下の化合物IAをI型の化合物に変換する。
【0119】
スキーム2:
【化62】
【0120】
上式中、R’は通常好ましくは、C〜Cアルキル、ベンジル、4−アルコキシベンジルを含む。上記の一連の代替的反応は、以下のように図式的に示すことができ、図式中、置換基R’は上で定義される通りのものであり、Rは、通常好ましくはメチルであり、Rは、通常は好ましくはホルミルであり;Rは、通常好ましくはプロピルであり、Rは、通常好ましくはプロポキシであり、Rは、通常好ましくは水素である。
【0121】
式Vの化合物から式VIの化合物への変換には、NHOH/NaOClなどのような任意のアミノ化試薬を用いることができる。反応は、任意選択で相間移動触媒を用いた相間移動条件下、塩基の存在下で実施する。用いることができる塩基には、NaOH、KOH、カリウムtert−ブトキシドなどがある。この目的に用いることができる相間移動触媒には、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリカプリルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリドおよびメチルトリオクチルアンモニウムクロリドなどがある。反応は、水および別の溶媒、通常好ましくはジクロロメタン、1,2ジクロロエタン、ジエチルエーテル、第三級ブチルエーテルのようなエーテル溶媒などの塩素化炭化水素溶媒から選択される溶媒の存在下で実施する。反応は、−20〜30℃の範囲の温度で実施するのが好ましい。
【0122】
このようにして得た式VIのアミノ化生成物を適切な活性化安息香酸化合物、好ましくは安息香酸クロリドと反応させる。反応は、適切なアミン、最も好ましくはジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下で実施する。反応は、非プロトン性環状炭化水素溶媒またはハロ−炭化水素、最も好ましくはトルエンおよび塩化メチレンの存在下で実施する。反応は、通常は好ましくは−20〜30℃の範囲の温度で実施する。NaOH、LiOH、KOHなどのアルカリ水酸化物の存在下でVIIの化合物のエステル部分を加水分解し、その反応は、水、エタノール、プロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコール、テトラヒドロフランなどの環状エーテルを用いて実施することができる。
【0123】
式VIIIの化合物のアミノ化は任意のアミノ化試薬を用いて実施することができ、ここでは、任意のアンモニウム塩、最も好ましくはNHClまたはNHOAcを用いることができる。反応は、塩化チオニル試薬、ホスホロオキシクロリド試薬、DCC、EDCまたはDCIのようなカルボジイミド試薬などの縮合試薬、最も好ましくはHBTUの存在下で実施する。用いることができる溶媒には、アミド、エーテルのほかジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレンのような炭化水素などの非プロトン性溶媒がある。反応は、通常好ましくは−20〜30℃の範囲の温度で実施する。このようにして得た化合物IVをトリアジンへの環化によってIに変換する。環化は、カリウムtert−ブトキシドなどの強塩基の存在下で実施することができる。反応は、アルコールなどの溶媒の存在下で実施するのが好ましく、好ましいアルコール性溶媒には、第三級ブタノールまたはPEG400もしくはこれに類似したポリエーテル溶媒がある。反応の温度は120〜160℃の範囲であり得る。
【0124】
がホルミルであるスキーム1の中間体IIが本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0125】
したがって、例えば、式2aの化合物IIのグループに分類される化合物のうちの1つを調製する特定の工程は、エチル−3−オキソブタン酸を酢酸/亜硝酸ナトリウムで処理して、活性メチレン基のニトロソ化によりオキシム(Z)−エチル−2−(ヒドロキシイミノ)−3−オキソブタン酸(5a)を生成することを含む。
【0126】
化合物5aを(E)−ヘキサ−2−エナールと縮合させた後、環化させることによりピロール誘導体のエチル−4−ホルミル−1−ヒドロキシ−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(6a)が得られ、これを亜鉛/酢酸で還元することによりエチル−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(7a)が得られる。
【0127】
カルボキシラート化合物7aを対応するアミド8aに誘導体化し、次いでこれを中間体2aの1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミドに変換する。
【0128】
スキーム3:
【化63】
【0129】
式Iの化合物の合成には、式IIの化合物が好ましい中間体である。
【0130】
したがって、本発明では、次いで、好ましくはR=ホルミルである中間体IIを式IIIの安息香酸誘導体
【化64】

(式中、RおよびRは上で定義した通りのものである)と反応させて、
【化65】

を生成し、これをピロロトリアジン化合物
【化66】

に環化させる。次いで、化合物IAを酸化、還元、縮合などによって1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gなどの様々な式Iの化合物に変換する。
【0131】
一例として、Rがメチルであり、RがCHOであり、Rがプロピルであり、Rがエトキシであり、RがSONR1011であり、R1011が一緒に
【化67】

を形成する化合物IAは、
【化68】

と表される。
【0132】
化合物1jは新規な化合物であり、本発明のまた別の部分を構成する。
【0133】
化合物1jから出発し、スキーム3の通りに様々な反応条件下で化合物1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gが調製され、これらは本発明の別の部分を構成する。
【0134】
このように、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはtert−ブタノールなどの溶媒の存在下、亜塩素酸ナトリウムなどの適切な酸化剤の存在下で化合物1jを酸化させて式1dの化合物を生成する。化合物1dをメタノールおよび塩化チオニルで処理することによって対応するメチルエステル1fに変換する。他方では、1dをアミド誘導体1eに変換し、次いでこれをヒドロキサム酸1gに変換する。
【0135】
化合物1jを1a型のアルドキシムに変換し、次いでこれからヒドロキシメチル誘導体1bを生成する。次いで、化合物1jを1c型のメチルエステルに変換する。
【0136】
スキーム4:
【化69】
【0137】
化合物1hおよび1iも同様にして1jから出発して合成する。
【0138】
(実施例)
いくつかの式Iの化合物の合成を以下に例示する。以下の実施例は本発明を詳細に説明するものであるが、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0139】
実施例1
(Z)−エチル2−(ヒドロキシイミノ)−3−オキソブタン酸(5a)
エチル3−オキソブタン酸(500mg、3.84mmol)を酢酸(5mL)に溶かした攪拌溶液に、水(10mL)に溶かした硝酸ナトリウム(330mg、4.50mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応混合物の反応を停止させ、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、固体の表題化合物(750mg)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ=9.09(br s,1H),4.39(q,J=7.2Hz,2H),2.41(s,3H),1.36(t,J=7.3Hz,3H),Mass(M−H)=158.1。
【0140】
実施例2
エチル4−ホルミル−1−ヒドロキシ−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(6a)
トルエンに溶かした(Z)−エチル2−(ヒドロキシイミノ)−3−オキソブタン酸(5a)(10g、62.83mmol)、(E)−ヘキサ−2−エナール(12.25g、125.7mmol)にジ−イソプロピルアミン(1.26g、12.56mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液(100mL)で反応混合物の反応を停止させ、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液として石油エーテル中0〜5%の酢酸エチル)による精製により、固体の表題化合物(10.5g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=12.35(d,J=1.4Hz;1H),9.95(d,J=1.4Hz;1H),4.51−4.35(m,2H),3.02−2.85(m,2H),2.56(d,J=1.4Hz;3H),1.77−1.62(m,2H),1.43(dt,J=1.2,7.1Hz;3H),1.04−0.91(m,3H),Mass(M+H)=240.1。
【0141】
実施例3
エチル4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(7a)
エチル4−ホルミル−1−ヒドロキシ−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(6a)(18g、75.51mmol)をジクロロメタン(1.8L)に溶かした攪拌溶液に亜鉛末(34g、527.1mmol)および酢酸(74mL)を加え、得られた反応混合物を室温で30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応混合物の反応を停止させ、pHを7に調整した後、ジクロロメタン(2×250mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中5%のメタノール)による精製により、固体の表題化合物(8g)を得た。[溶離液として石油エーテル中5%の酢酸エチルを用いて溶離させることによりSMを回収した]。H NMR(300MHz,CDCl)δ=10.01(s,1H),9.04(br s,1H),4.34(q,J=7.4Hz,2H),2.95−2.84(m,2H),2.58(s,3H),1.70(qd,J=7.3,14.9Hz,2H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),0.98(t,J=7.3Hz,3H),LCMS(M+H)=224.1,純度=68%。
【0142】
実施例4
4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(8a)および4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(8b)
エチル4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(7a)(13g、58.2mmol)をエタノール(30mL)に溶かした攪拌溶液に水酸化アンモニウム(130mL)を加え、得られた反応混合物を16時間、100℃に加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗化合物をそれ以上精製せずに次の段階の反応に用いた。MSから生成物の混合物(8aと8bの混合物)の存在がわかる。
【0143】
実施例5
4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(8a)
ジメチルホルムアミド(40mL)に溶かした上記の混合物(8a+8b)をHBTU(27.9g、73.84mmol)およびジイソプロイルアミン(diisoproylamine)(1.58g、123.08mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。これに塩化アンモニウム(4.88g、92.22mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。エーテル洗浄(3×20mL)による精製を実施して、固体の表題化合物(9.2g)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.61(br s,1H),9.89(s,1H),7.10(br s,2H),2.80(br t,J=7.4Hz,2H),2.45(s,3H),1.68−1.52(m,2H),0.87(br t,J=7.2Hz,3H),Mass(M−H)=193.3。
【0144】
実施例6
1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(2a)
4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(8a)(3.0g、15.46mmol)をNMPに溶かした攪拌溶液にカリウムtert−ブトキシド(17mL、17.0mmol、1M)を加え、20℃で2時間攪拌した。これに、NMPに溶かしたO−(4−ニトロベンゾイル)−ヒドロキシルアミン(3.37g、18.55mmol)を徐々に加え、得られた反応混合物を室温で30分間攪拌した。[紫色の反応混合物から生成物の形成がわかる]。反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。エーテル洗浄(3×30mL)による精製を実施して、固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.61(br s,1H),9.85(s,1H),7.87(br s,1H),7.43(br s,2H),2.93−2.83(m,2H),2.41(s,3H),1.60−1.52(m,2H),0.91(br t,J=7.2Hz,3H),Mass(M+H)=210.3。
【0145】
スキーム5:
【化70】
【0146】
実施例7
5−(クロロスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(9)
塩化チオニル(11mL)とクロロスルホン酸(41.3mL)の混合物に25℃の2−エトキシ安息香酸(25g)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。オフホワイト固体が分離され、これを1時間攪拌した。氷(270g)および水(60mL)で反応混合物の反応を停止させた。得られた固体をろ過によって分離し、固体を水(2×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、固体の表題化合物(30g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.83(s,1H),8.20(br d,J=8.8Hz,1H),7.23(d,J=8.8Hz,1H),4.45(q,J=6.6Hz,2H),1.64(t,J=6.6Hz,3H),LCMS(M−H)=263.1,純度=95%。
【0147】
実施例8
2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)安息香酸(10)
5−(クロロスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(9)(30g)を水(124mL)に溶かした10℃の攪拌溶液に15〜20℃のN−メチルピペラジン(33.6mL)を加えた。得られた反応混合物を10℃で攪拌した。5分後、表題化合物が結晶化し始め、この反応混合物を2時間攪拌した。ろ過によって固体を分離し、その固体を水で洗浄し、真空下で乾燥させた。アセトン(100mL)中で1時間加熱することにより精製を実施した。懸濁液を室温に冷却し、結晶化した固体をろ過によって分離し、真空下で乾燥させて、白色固体の表題化合物(23g)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=7.89(br d,J=1.9Hz,1H),7.81(br dd,J=1.9,8.8Hz,1H),7.35(br d,J=8.8Hz,1H),4.21(q,J=6.8Hz,2H),2.87(br s,4H),2.37(br s,4H),2.14(s,3H),1.36(t,J=7.0Hz,3H),LCMS(M+H)=329.1,純度=88%。
【0148】
実施例9
1−アミノ−N−(2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)ベンゾイル)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(11)
2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)安息香酸(10)(3.01g、9.186mmol)をDMFに溶かした攪拌溶液にHBTU(5.79g、15.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.46g、19.12mmol)を加え、これに1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(2a)(1.6g、7.65mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中0.5%のメタノール)による精製により、固体の表題化合物(500mg)を得た[アミド(2a)を600mg回収した]。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.42(br s,1H),9.96(s,1H),7.92−7.77(m,2H),7.40(br d,J=8.8Hz,2H),7.32(br s,1H),4.27(q,J=6.8Hz,2H),2.90(br s,4H),2.78(br s,2H),2.44−2.29(m,7H),2.15(s,3H),1.56(br dd,J=7.4,14.4Hz,2H),1.40(br t,J=6.7Hz,3H),0.89(br t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=519.9。
【0149】
実施例10
2−(2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)
1−アミノ−N−(2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)ベンゾイル)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(11)(1.5g、2.89mmol)をt−ブタノール(30体積)に溶かした攪拌溶液に水酸化カリウム(2g)を加え、得られた反応混合物を2日間、100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、得られた固体をジクロロメタン中0〜0.5%のメタノールで溶離させることにより塩基性アルミナで精製して、固体の表題化合物(500mg)を得た[ジクロロメタン中2%のメタノールによりSMを回収した]。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.78(s,1H),10.12(s,1H),7.94−7.76(m,2H),7.39(br d,J=9.3Hz,1H),4.28−4.16(m,2H),4.09(q,J=5.1Hz,4H),3.13−3.04(m,2H),2.91(br s,4H),2.68(s,3H),2.41−2.27(m,4H),2.09(s,3H),1.65(br dd,J=7.2,14.7Hz,2H),1.33(br t,J=6.7Hz,3H),0.89(br t,J=7.2Hz,3H),Mass(M−H)=500.1。
【0150】
実施例11
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(1b)
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)(400mg、0.798mmol)をメタノールに溶かした攪拌溶液に水素化ホウ素ナトリウム(75mg、1.996mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をジクロロメタン(30mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。エーテル洗浄(3×6mL)による精製により、固体の表題化合物(320mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.39(br s,1H),7.84(br d,J=8.8Hz,1H),7.80(d,J=1.9Hz,1H),7.38(br d,J=8.8Hz,1H),4.66(br t,J=5.1Hz,1H),4.40(s,2H),4.21(q,J=6.8Hz,2H),2.91(br s,4H),2.79(br t,J=7.4Hz,2H),2.44(s,3H),2.36(br s,4H),2.14(s,3H),1.70−1.49(m,2H),1.33(br t,J=7.0Hz,3H),0.88(t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=504.1,純度=97.2%。
【0151】
実施例12
(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メチルアセタート(1c)
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(1b)(100mg、0.198mmol)を無水酢酸(0.5mL)に溶かした溶液を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を水で洗浄し(5〜6回)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。エーテル洗浄(2×2mL)による精製を実施して、固体の表題化合物(70mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.52(s,1H),7.94−7.72(m,2H),7.39(br d,J=8.8Hz,1H),5.07(s,2H),4.22(q,J=6.5Hz,2H),3.05−2.70(m,6H),2.45(s,3H),2.37(br s,3H),2.15(s,3H),2.01(s,3H),1.70−1.53(m,2H),1.34(br t,J=6.7Hz,3H),0.89(br t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=546.3,純度=99.5%。
【0152】
スキーム6:
【化71】
【0153】
実施例13
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(12)
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)(200mg、0.39mol)をエタノール(5mL)に溶かした攪拌溶液にトシルヒドラジン(81.77mg、0.43mmol)を加え、得られた反応混合物を16時間、50℃に加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、オフホワイト固体の表題化合物(250mg)を得た。LC−MS(M+H)=669.2,純度約94.3%。
【0154】
実施例14
メチル2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)アセタート(13)
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(12)(150mg、0.224mmol)をジオキサン(8mL)に溶かした攪拌溶液に炭酸カリウム(108mg、0.784mmol)およびグリコール酸メチル(81mg、0.448mmol)を加え、得られた混合物を電子レンジで1時間、120℃で加熱した。反応混合物を濃縮し、得られた粗化合物を分取TLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物(70mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.44(s,1H),7.91−7.76(m,2H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.51(s,2H),4.21(q,J=7.0Hz,2H),4.13(s,2H),3.68(s,3H),2.91(br s,4H),2.81(br t,J=7.4Hz,2H),2.44(s,3H),2.40−2.27(m,4H),2.15(s,3H),1.61(br dd,J=7.4,14.9Hz,2H),1.33(t,J=6.7Hz,3H),0.93−0.83(m,3H),Mass(M+H)=576.3。
【0155】
実施例15
2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)酢酸(1h)
メチル2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)アセタート(13)(25mg、0.043mmol)を2:1の比のテトラヒドロフラン/水(1+0.5mL)に溶かした攪拌溶液に水酸化リチウム(4.9mg、0.13mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を飽和クエン酸で中和した後、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。分取TLCによる精製を実施して、淡緑色固体の表題化合物(10mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.37(s,2H),7.97−7.71(m,2H),7.38(br d,J=8.8Hz,1H),4.51(br s,2H),4.21(q,J=6.8Hz,2H),3.62(br s,2H),3.05−2.71(m,6H),2.49−2.30(m,7H),2.14(s,3H),1.60(br d,J=6.5Hz,2H),1.33(br t,J=6.7Hz,3H),0.86(br d,J=2.3Hz,3H),LCMS(M−H)=560.3,純度=97.8%。
【0156】
実施例16
2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)−N−ヒドロキシ−N−メチルアセトアミド(1i)
2−((2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メトキシ)酢酸(1h)(15mg、0.0267mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶かした攪拌溶液にHBTU(12mg、0.032mmol)およびDIPEA(6.9mg、0.05mmol)を加えた。次いで、混合物にヒドロキシルアミン塩酸塩(2.7mg、0.032mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。氷水(5mL)で反応混合物の反応を停止させ、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。分取TLCによる精製により、淡褐色固体の表題化合物(5mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.45(s,1H),9.75(br s,1H),7.94−7.76(m,2H),7.38(d,J=8.8Hz,1H),4.51(s,2H),4.28−4.05(m,4H),3.10(s,3H),2.91(br s,4H),2.85−2.78(m,2H),2.44(s,3H),2.36(br s,4H),2.14(s,3H),1.60(br dd,J=7.4,14.4Hz,2H),1.33(t,J=7.0Hz,3H),0.87(t,J=7.4Hz,3H),LCMS(M−H)=560.3,純度=98.2%。
【0157】
スキーム7:
【化72】
【0158】
実施例17
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1a)
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)(20mg、0.039mmol)をピリジン(0.3mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(3.7mg、0.05mmol)を加え、反応混合物を4時間、80℃に加熱した。分取TLCによる精製を実施して、白色固体の表題化合物(10mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.57(s,1H),10.95(s,1H),8.21(s,1H),7.93−7.77(m,2H),7.39(br d,J=8.8Hz,1H),4.31−4.15(m,2H),3.08−2.79(m,6H),2.55(br s,3H),2.37(br s,4H),2.14(s,3H),1.67−1.51(m,2H),1.34(br t,J=6.7Hz,3H),0.87(br t,J=7.2Hz,3H)LCMS(M−H)=517.1,純度=96.8%。
【0159】
スキーム8:
【化73】
【0160】
実施例18
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸(1d)
1j(200mg)をアセトン/水(1:1、20mL)に溶かした攪拌懸濁液に、KMnOをアセトン/水(1:1、20mL)に溶かした溶液を30分かけて添加し、次いで添加中、緩衝液(1N KHPOおよび1N HCl、pH3.5)を用いて反応混合物のpH(pH8)をpH5に調整した。添加終了後、反応混合物を室温で2時間攪拌した。終了後、10%硫酸水素ナトリウム水溶液で反応混合物の反応を停止させ、室温で混合物を濃縮してアセトンを除去した。得られた水性混合物をNaClで飽和させ、ろ過した。残った固体をメタノールの10%ジクロロメタン溶液とともに攪拌し、セライトでろ過した。ろ液を無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、白色固体の化合物1d(120mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6+one drop of TFA)δ=7.96−7.88(m,2H),7.43(d,J=9.4Hz;1H),4.23(q,J=7.0Hz;2H),3.81(br d,J=11.8Hz;2H),3.49(br d,J=11.8Hz;2H),3.25−3.06(m,4H),2.81(s,3H),2.70−2.55(m,5H),1.69−1.57(m,2H),1.35(t,J=6.9Hz;3H),0.88(t,J=7.3Hz;3H),LCMS(M+H)=518.1,純度=93.5%。
【0161】
実施例19
メチル2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキシラート(1f)
化合物1d(80mg)をメタノールに溶かした攪拌溶液に塩化チオニルを0℃で徐々に加え、反応混合物を16時間還流した。終了後、反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、淡黄色固体の化合物1f(35mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.62(s,1H),8.53(d,J=2.4Hz;1H),7.87(dd,J=2.4,8.9Hz;1H),7.15(d,J=8.9Hz;1H),4.34(q,J=7.1Hz;2H),3.89(s,3H),3.35−3.18(m,2H),3.09(br s,3H),2.76(s,2H),2.50(br s,3H),2.28(s,2H),1.78−1.66(m,2H),1.61(t,J=7.0Hz;3H),0.98(t,J=7.4Hz;3H),LCMS(M+H)=532.1,純度=96.8%。
【0162】
実施例20
N−(ベンジルオキシ)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(1e)
化合物1f(100mg)をDMFに溶かした攪拌溶液に、室温でHBTU(110mg、0.288mmol)、次いでDIPEA(0.2mL、1.152mmol)を加え、15分間攪拌した。この溶液にO−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.1mmol)を加え、反応混合物を室温で6時間攪拌した。終了後、反応混合物を氷冷水で希釈し、ろ過した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色固体の1e(60mg)を得た。LCMS(M+H)=623.3,純度=95.1%。
【0163】
実施例21
2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−N−ヒドロキシ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(1g)
1e(70mg)をメタノール(2mL)に溶かした攪拌溶液にPd(OH)(20%w/w)を加え、反応混合物を大気圧下で1時間、水素化させた。終了後、反応混合物をセライトでろ過し、ろ液を濃縮した。粗物質を分取TLCで精製して、(冷蔵庫内温度で静置した後、TLC上に着色スポットとして現れる)淡黄色固体の1g(14mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.61(s,1H),10.55(br s,1H),8.99(d,J=1.9Hz;1H),7.93−7.70(m,2H),7.39(d,J=8.9Hz;1H),4.21(q,J=6.8Hz;2H),3.38(q,J=7.0Hz;2H),2.99−2.80(m,3H),2.48(s,2H),2.40−2.30(m,2H),2.15(s,1H),1.60(br dd,J=7.4,15.2Hz;2H),1.33(t,J=6.9Hz;2H),1.24(br s,1H),1.09(t,J=7.0Hz;2H),0.85(t,J=7.3Hz;2H),LCMS(M+H)=533.1,純度=95%。
【0164】
スキーム9:
【化74】
【0165】
実施例22
エチル1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(14)
エチル4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート190mg(0.92mmol)をtert−ブチルメチルエーテル5mLに溶かした攪拌溶液に、aliquat 336 25mg、NHCl 290mg(5.3mmol)、30%NaOH水溶液2.5mLおよび9%NHCl水溶液2.5mLを加えた。20分の間、室温で激しく攪拌しながら9%NaOCl 5.8mLを加えた。3時間後、酢酸エチルおよびブラインを用いて反応混合物を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して、白色固体の表題化合物210mg(定量的)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ=9.89(s,1H),6.11(s,2H),4.27(q,J=7.2Hz;2H),2.98−2.86(m,2H),2.48(s,3H),1.64−1.48(m,2H),1.36−1.27(m,3H),1.24(br s,1H),0.90(t,J=7.3Hz;3H)。LCMS(M+H)=239.1,純度=94%。
【0166】
実施例23
エチル4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(15)
2−プロポキシベンゾイルクロリド200mg(1mmol)をジメチルホルムアミド2mLに溶かした溶液を、ヒューニッヒ塩基160mg(1mmol)をジメチルホルムアミド2mLに溶かした溶液に10℃で加えた。エチル1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(14)210mg(0.92mmol)をジメチルホルムアミド2mLに溶かした溶液を加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、炭酸ナトリウム水溶液、0.5N HClおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して、ゴム状物質の粗生成物を得た。3:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物290mg(79%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=10.19(s,1H),8.26(dd,J=2,7Hz;1H),7.54(dd,J=8,7Hz;1H),7.13(t,J=7Hz;1H),7.07(d,J=8Hz,1H),4.17(t,J=7Hz,2H),4.16(t,J=7Hz,2H),2.79(s,3H),3.18(m,2H),1.81−1.74(m,4H),1.15(t,J=7Hz,3H),1.00(t,J=7Hz,4H)。LCMS(M+H)=401.2,純度=92%。
【0167】
実施例24
4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(16)
エチル4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(15)400mg(1mmol)を水1.5mL、メタノール1.5mLおよびテトラヒドロフラン1.5mLに溶かした溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを加えた。反応混合物を50℃で5時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて溶媒を除去した後、白色固体の表題化合物370mg(定量的)を得た。
LCMS(M+H)=373.2,純度=96%。
【0168】
実施例25
4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(17)
4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(16)420mg(1.2mmol)、塩化アンモニウム96mg(1.84mmol)、HBOT 224mg(1.46mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)640uL(3.7mmol)をジメチルホルムアミド16mLに溶かした溶液をN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)296mg(1.44mmol)で処理した。反応混合物を50℃で5時間攪拌した。酢酸エチルで後処理し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させて、白色固体の表題化合物427mg(96%)を得た。LCMS(M+H)=372.2,純度=93%。
【0169】
実施例26
5−メチル−4−オキソ−2−(2−プロポキシフェニル)−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(18)
4−ホルミル−3−メチル−1−(2−プロポキシベンズアミド)−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(17)600mg(1.6mmol)を60molポリエチレングリコール(PEG400)に溶かした。溶液を90℃、8mbarで30分間乾燥させた。カリウムtert−ブトキシド562mg(5mmol)を加え、反応混合物を8mbar、140℃で1時間加熱した。水で希釈し、酢酸エチルで抽出して、白色固体の粗生成物を得た。7:3の酢酸エチル/シクロヘキサンを用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物490mg(87%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=10.18(s,1H),10.09(s,1H),8.19(dd,J=2,7Hz;1H),7.50(dd,J=8,7Hz;1H),7.13(t,J=7Hz;1H),7.06(d,J=8Hz,1H),4.16(t,J=7Hz,2H),3.23(t,J=7Hz,2H),2.79(s,3H),2.04−1.95(m,2H),1.81−1.74(m,2H),1.15(t,J=7Hz,3H),1.00(t,J=7Hz,4H)。LCMS(M+H)=354.2,純度=97%。
【0170】
スキーム10:
【化75】
【0171】
実施例27
3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシベンゼン−1−スルホニルクロリド(19)
5−メチル−4−オキソ−2−(2−プロポキシフェニル)−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(18)44mg(0.12mmol)を0℃にてクロロ硫酸250uL(3.8mmol)で処理した。0℃で2時間後、出発物質が完全に溶解し深紅色の溶液が得られた。氷水で反応混合物の反応を停止させ、塩化メチレン20mLで抽出した。この抽出物を直接スルホンアミドへの変換に用いた。
【0172】
実施例28
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1p)
0.12mmolの3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシベンゼン−1−スルホニルクロリド(19)を塩化メチレン20mLに溶かした溶液を室温にて、2−(ピペリジン−4−イル)エタノール32mg(0.25mmol)およびトリメチルアミン64mg(0.63mmol)を塩化メチレン2mLに溶かした溶液で処理した。室温で2時間後、反応混合物を希塩酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカでのクロマトグラフィーにより白色固体の表題化合物61mg(90%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=10.18(s,1H),9.89(s,1H),8.50(d,J=3Hz,1H),7.86(dd,J=3,9Hz,1H),7.16(d,J=9Hz,1H),4.24(t,J=7Hz,2H),3.79(d,J=12Hz,1H),3.65(t,J=7Hz,2H),3.21(t,J=8Hz,2H),2.78(s,3H),2.32(t,J=10Hz,2H),1.80−1.15(m,11H),1.16(t,J=8Hz,3H),0.99(t,J=8Hz,3H)。LCMS(M+H)=545.2,純度=98%。
【0173】
実施例29
2−(1−((3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1q)
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1p)68mg(0.125mmol)を塩化メチレン20mLに溶かした溶液を室温にてトリフェニルホスフィン180mg(0.69mmol)およびN−ブロモスクシンイミド125mg(0.69mmol)で処理した。反応混合物を8時間還流した後、TLCで2−(5−((4−(2−ブロモエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]−トリアジン−6−カルボアルデヒド(20)に完全に変換されたことを確認した。塩化メチレンで後処理し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して、無色のゴム状物質を得、これをアセトニトリル10mLに溶かした。硝酸銀190mg(1.1mmol)をアセトニトリル5mLに溶かした溶液を室温で加えた。反応混合物を3日間攪拌し、酢酸エチルで後処理し、ブラインで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。2:3の酢酸エチル/シクロヘキサンを用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物45mg(61%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=10.15(s,1H),10.09(s,1H),8.50(d,J=2Hz,1H),7.85(dd,J=2,9Hz,1H),7.16(d,J=9Hz,1H),4.47(t,J=7Hz,2H),4.22(t,J=7Hz,2H),3.83(d,J=11Hz,2H),3.66(m,2H),3.04(t,J=8Hz,2H),2.79(s,3H),2.35−1.30(m,12H),1.16(t,J=7Hz,3H),0.98(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=590.2,純度=96%。
【0174】
実施例30
(E)−2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1r)
1p40mg(0.07mmol)をエタノール10mLに溶かした溶液を50%ヒドロキシルアミン水溶液で処理した。室温で4時間後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物35mg(85%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.98(s,1H),8.42(d,J=2Hz,1H),8.26(s,1H),7.82(dd,J=2,9Hz,1H),7.12(d,J=9Hz,1H),4.19(t,J=7Hz,2H),3.77(d,J=11Hz,2H),3.65(t,J=7Hz,2H),3.00(t,J=8Hz,2H),2.57(s,3H),2.31(t,J=11Hz,2H),2.10−1.30(m,11H),1.23(t,J=7Hz,3H),0.95(t,J=8Hz,3H)。LCMS(M+H)=560.3,純度=98%。
【0175】
スキーム11:
【化76】
【0176】
実施例31
(E)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1v)
2−(1−((3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1q)25mg(0.04mmol)をエタノール20mLに溶かした。50%ヒドロキシルアミン水溶液0.5mLを室温で加えた。室温で3時間後、反応混合物を酢酸エチルに取込み、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して、表題化合物22mg(86%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.83(s,1H),8.50(d,J=2Hz,1H),8.29(s,1H),7.85(dd,J=2,9Hz,1H),7.16(d,J=9Hz,1H),4.47(t,J=7Hz,2H),4.22(t,J=7Hz,2H),3.83(d,J=11Hz,2H),3.66(m,2H),3.04(t,J=8Hz,2H),2.35−1.30(m,11H),1.16(t,J=7Hz,3H),0.98(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=605.2,純度=92%。
【0177】
スキーム12:
【化77】
【0178】
実施例32
5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1l)
1pの方法に従い、5−メチル−4−オキソ−2−(2−プロポキシフェニル)−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(19)40mg(0.11mmol)から出発し、1−メチルピペラジン87mg(0.75mmol)を用いて、酢酸エチル/メタノール(98/2)を用いたシリカでのクロマトグラフィーの後、白色固体の表題化合物46mg(79%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.68(s,1H),8.51(d,J=2Hz,1H),7.83(dd,J=2,9Hz,1H),7.16(d,J=9Hz,1H),4.65(s,2H),4.23(t,J=7Hz,2H),3.64(s,2H),3.20−2.58(m,8H),3.14(s,3H),2.95(t,J=8Hz,2H),2.58(s,3H),2.00(m,2H),1.72(m,2H),1.16(t,J=7Hz,3H),0.97(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=516.2,純度=96%。
【0179】
実施例33
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1m)
1pの方法に従い、5−メチル−4−オキソ−2−(2−プロポキシフェニル)−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(18)275mg(0.78mmol)から出発し、2−(ピペラジン−1−イル)エタノール0.5mL(4.0mmol)を用いて、酢酸エチル/シクロヘキサン/メタノール(40/60/3)を用いたシリカでのクロマトグラフィーの後、無色のゴム状物質の表題化合物383mg(90%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.19(s,H),9.68(s,1H),8.52(d,J=2Hz,1H),7.89(dd,J=2,9Hz,1H),7.18(d,J=9Hz,1H),4.39−4.34(m,2H),3.59(m,2H),3.23(t,J=7Hz,2H),3.12(brs,4H),2.79(s,3H),2.64−2.58(m,6H),1.79−1.72(m,4H),1.62(t,J=7Hz,3H),0.99(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=546.2,純度=93%。
【0180】
スキーム13:
【化78】
【0181】
実施例34:
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(1n)
2−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルバルデヒド(1m)310mg(0.57mmol)をエタノール35mLに溶かした溶液に水素化ホウ素ナトリウム150mg(4mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、アセトン5mLで処理し、1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに取込み、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。酢酸エチル/シクロヘキサン/メタノール(40/60/4)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物245mg(79%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.68(s,1H),8.52(d,J=2Hz,1H),7.89(dd,J=2,9Hz,1H),7.18(d,J=9Hz,1H),4.79(s,2H),4.39−4.34(m,2H),3.59(m,2H),3.23(t,J=7Hz,2H),3.12(brs,4H),2.79(s,3H),2.64−2.58(m,6H),1.79−1.72(m,4H),1.62(t,J=7Hz,3H),0.99(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=548.2,純度=97%。
【0182】
スキーム14:
【化79】
【0183】
実施例35
エチル−3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパノアート(1s)
ジイソプロピルアミン420uL(3mmol)をテトラヒドロフラン15mLに溶かした−80℃の溶液に、ブチルリチウム(3mmol)1.88mLをヘキサンに溶かした溶液を加えた。10分後、酢酸エチル390uL(4mmol)を加えた。10分後、2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1j)118mg(0.234mmol)をテトラヒドロフラン5mLに溶かした溶液を加え、反応混合物を2時間、−80℃に保った。酢酸エチルおよびブラインで後処理し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して、無色のゴム状物質を得た。酢酸エチル/エタノール(5/1)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物115mg(83%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.94(s,1H),8.34(d,J=2Hz,1H),7.77(dd,J=2,8.5Hz,1H),7.12(d,J=8.5Hz,1H),5.31(m,1H),4.34−4.30(m,2H),4.21−4.16(m,2H),3.05−2.90(m,4H),2.63−2.48(m,8H),2.59(s,3H)(s,3H),2.26(s,3H),1.57(t,J=7Hz,3H),1.28(t,J=7.5Hz,3H),0.98(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=590.2,純度=95%。
【0184】
スキーム15:
【化80】
【0185】
実施例36
3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−N,3−ジヒドロキシプロパンアミド(1t)
エチル2−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−2−ヒドロキシアセタート(1s)50mg(0.085mmol)をエタノール5mLに溶かした。50%水和ヒドラジン水溶液1.5mLを室温で加え、反応混合物を35℃で4日間攪拌した。減圧下で溶媒を一部除去し、酢酸エチルおよびブラインを用いて後処理した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。酢酸エチル/メタノール(1/2)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、無色固体の表題化合物20mg(41%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=13.2(s,1H),9.73(s,1H),8.49(s,1H),7.53(m,H),7.15(m,1H),5.30(m,1H),4.00−3.90(m,2H),3.07−2.80(m,4H),2.60−2.40(m,8H),2.60(s,3H)(s,3H),2.30(s,3H),1.33(t,J=7Hz,3H),0.88(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=577.2,純度=92%。
【0186】
スキーム16:
【化81】
【0187】
実施例37
(E)−5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1o)
5−メチル−2−(5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−プロポキシフェニル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド30mg(0.06mmol)、メチルヒドロキシルアミン塩酸塩92mg(1.1mmol)および水酸化ナトリウム46mg(1.15mmol)をPEG−400 4.5mLに溶かした溶液を8時間、100℃に加熱した。酢酸エチルおよび炭酸ナトリウム水溶液で後処理し、有機相を炭酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して、表題化合物19mg(60%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.81(s,1H),8.45(d,J=2Hz,1H),8.20(s,1H),7.85(dd,J=2,9Hz,1H),7.14(d,J=9Hz,1H),3.96(s,3H),3.73−3.59(m,2H),3.09−3.00(m,4H),2.63(s,3H),2.53−2.50(m,4H),2.29(s,3H),1.72−1.60(m,4H),0.98(t,J=7Hz,3H),0.95(t,J=8Hz,3H)。LCMS(M+H)=545.2,純度=89%。
【0188】
スキーム17:
【化82】
【0189】
実施例38
3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパンニトリル(1u)
ジイソプロピルアミン420uL(3mmol)をテトラヒドロフラン15mLに溶かした溶液にブチルリチウム1.88mLを−80℃で加えた。15分後、アセトニトリル0.5mLを加え、溶液を−80℃で15分間攪拌した。2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボ−アルデヒド(1j)90mg(0.18mmol)をテトラヒドロフラン5mLに溶かした溶液を加え、反応混合物を0℃まで加温した。酢酸エチルで後処理し、酢酸エチル/アセトン(2/1)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにより、白色固体の表題化合物60mg(60%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.90(s,1H),8.32(d,J=2Hz;1H),7.75(dd,J=4,9Hz;1H),7.13(d,J=9Hz;1H),5.19(t,J=8Hz,1H),4.35(m,2H),3.00−2.70(m,8H),2.47(s,3H),2.26(s,3H),1.69−1.60(m,2H),1.61(t,J=7Hz,3H),0.98(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=543.2,純度=92%。
【0190】
スキーム18:
【化83】
【0191】
実施例39
6−(1,3−ジヒドロキシプロピル)−2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(1k)
エチル3−(2−(2−エトキシ−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)−3−ヒドロキシプロパノアート(1s)45mg(0.08mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム380mg(10mmol)を加えた。反応混合物を12時間、加熱還流した。室温でアクション(action)3mLを加え、反応混合物を30分間、50℃まで加温した。酢酸エチルおよび炭酸ナトリウム水溶液を用いて標準的な後処理を実施し、酢酸エチル/メタノール(3/1)を用いたシリカでのクロマトグラフィーの後、無色の樹脂の表題化合物15mgを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ=9.73(s,1H),8.41(d,J=2Hz,1H),7.78(dd,J=2,9Hz,1H),7.13(d,J=9Hz,1H),5.13(dd,J=4,10Hz,1H),3.89(m,2H),3.07−2.80(m,4H),2.55(s,3H)(s,3H),2.27(s,3H),1.70−1.30(m,4H),1.58(t,J=7Hz,3H),0.98(t,J=7Hz,3H)。LCMS(M+H)=548.3,純度=92%。
【0192】
スキーム19:
【化84】
【0193】
実施例40:
5−((4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシ安息香酸(21)
5−(クロロスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(9)(5.66g、21.43mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶かした溶液を、2−(ピペラジン−1−イル)エチルベンゾアート(5.54g、23.67mmol)およびトリエチルアミン(8.8mL、64.53mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶かした0℃の冷却溶液に加えた。得られた反応混合物を室温で16h時間攪拌した。終了後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣を5%クエン酸水溶液で酸性化し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、褐色固体の表題化合物21(9.7g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.48(br d,J=2.4Hz,1H),7.98(br d,J=8.3Hz,2H),7.91(dd,J=2.2,8.6Hz,1H),7.59−7.53(m,H),7.47−7.39(m,2H),7.18−7.12(m,H),4.45(br t,J=5.6Hz,2H),4.41−4.33(m,2H),3.12(br s,4H),2.89(br t,J=4.9Hz,2H),2.80(br s,4H),1.59(dt,J=2.7,7.0Hz,3H)。LCMS(M+H)=463.3,純度約78%。
【0194】
実施例41
エチル−1−(5−((4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(22)
5−((4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシ安息香酸(21)(3.5g、7.55mmol)をDMF(35mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(4.85g、15.11mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.96mL、22.67mmol)を加え、これに14(2.15g、9.07mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中1〜3%のメタノール)による精製により、褐色のゴム状物質の表題化合物22(3.8g)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ=11.43(s,1H),10.00(s,1H),7.94−7.80(m,4H),7.68−7.59(m,H),7.54−7.46(m,2H),7.42(d,J=8.8Hz,1H),4.46−4.24(m,4H),4.17(q,J=7.2Hz,2H),2.97−2.90(m,4H),2.89(s,1H),2.73(s,8H),2.69(s,3H),2.59(br s,2H),2.54(s,3H),1.58(br dd,J=7.3,15.0Hz,2H),1.41(t,J=7.0Hz,3H),1.16(t,J=7.2Hz,3H),0.90(t,J=7.3Hz,3H),LC−MS(M+H)=684.0,純度約85%。
【0195】
実施例42
1−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(23)
22(10.6g、15.54mmol)をMeOH(100mL)およびHO(100mL)に溶かした溶液にNaOH(10g、w/w)を加え、60℃で6時間攪拌した。終了後、反応混合物を濃縮し、得られた水性残渣を1N HClで酸性化した。得られた固体をろ過し、乾燥させ、EtO(3×20mL)で洗浄して、白色固体の23(4.1g)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ=11.48(s,1H),10.00(s,1H),7.91−7.78(m,2H),7.41(d,J=8.8Hz,1H),4.27(q,J=7.0Hz,2H),3.44(br s,2H),2.88(br s,6H),2.54(s,3H),2.39(br d,J=12.1Hz,2H),1.68−1.50(m,2H),1.40(t,J=7.0Hz,3H),0.90(t,J=7.3Hz,3H).LC−MS(M−H)=551.4,純度約91%。
【0196】
実施例43
1−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(24)
23(1.68g、3.054mmol)をDMF(8mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(1.96g、6.10mmol)およびDIPEA(2.9mL、15.27mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応混合物にNHCl(0.5g、9.16mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。終了後、水(130mL)で反応混合物の反応を停止させ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×40mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた粗化合物を溶離液としてジクロロメタン中10%のメタノールを用いたシリカゲル(230〜400メッシュ)カラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体の表題化合物24(2g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.80(br s,1H),10.04(s,1H),8.50(d,J=2.4Hz,1H),7.89(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.15(d,J=8.8Hz,1H),5.73(br s,2H),4.40(q,J=7.2Hz,2H),3.64(t,J=5.4Hz,2H),3.10(br s,4H),2.70(br t,J=4.6Hz,4H),2.67−2.61(m,2H),2.56(s,3H),1.65(t,J=6.8Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H)。LCMS(M+H)=550.4,純度約96.5%。
【0197】
実施例44:
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)
24(200mg、0.36mmol)を無水エタノール(5mL)に溶かした溶液を1M KOH水溶液(5mL)に加え、密閉チューブの中で72時間、95℃で攪拌した。反応混合物を減圧下で完全に濃縮した。粗化合物に水(5mL)を加え、室温で10分間攪拌し、得られた固体をろ過し、ジエチルエーテル(3×5mL)で洗浄し、乾燥させて、褐色固体の表題化合物1w(110mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.19(s,1H),9.69(s,1H),8.53(d,J=2.4Hz,1H),7.89(dd,J=2.4Hz,8.8Hz;1H),7.18(d,J=8.8Hz,H),4.39−4.34(m,2H),3.59(m,H),3.22(t,J=7.2Hz,2H),3.11(brs,4H),2.64−2.57(m,6H),1.79−1.73(m,2H),1.62(t t,J=7.2Hz,3H),0.99(t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=532.4,純度約99%。
【0198】
スキーム20:
【化85】
【0199】
実施例45
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1x)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)(80mg、0.15mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(26.17mg、0.376mmol)を加え、反応混合物を5時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(1mL)の中で攪拌し、ろ過し、ジエチルエーテル(2×3mL)で洗浄し、乾燥させて、白色固体の1x(60mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.62(s,1H),10.95(s,1H),9.72(brs,1H),8.21(s,1H),7.91−7.89(m,2H),7.44(d,J=8.8Hz;1H),5.31(br,H),4.26−4.21(m,2H),3.77−3.69(m,4H),3.54(br,2H),3.19(m,4H),2.96−2.92(m,2H),2.79−2.73(m,2H),2.55(s,3H),1.63−1.56(m,2H),1.35(t,J=6.8Hz,3H),0.88(t,J=7.6Hz,3H),LCMS(M+H)=547.8,純度約93.6%(シン異性体とアンチ異性体の混合物)。
【0200】
スキーム21:
【化86】
【0201】
実施例46
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1y)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)(80mg、0.15mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にメトキシルアミン塩酸塩(31.5mg、0.376mmol)を加え、反応混合物を4時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(1mL)の中で攪拌し、ろ過し、ジエチルエーテル(2×3mL)で洗浄し、乾燥させて、白色固体の表題化合物1y(58mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.23(s,1H),8.06(dd,J=2,8.8Hz,1H),7.18(d,J=8.8Hz,H),4.30(q,J=6.8Hz,2H),3.67−3.64(m,2H),3.12−3.03(m,5H),2.76(br,4H),2.66−2.64(m,2H,2.61(s,3H),1.73−1.67(m,2H),1.48(t,J=6.8Hz,3H),0.95(t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=561.37,純度約96%。
【0202】
スキーム22:
【化87】
【0203】
実施例47
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1z)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)(50mg、0.094mmol)をエタノール(2mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液に2−アミノキシエタノール(25.4mg、0.33mmol)を加え、反応混合物を16時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(1mL)の中で攪拌し、ろ過し、ジエチルエーテル(2×3mL)で洗浄した。得られた粗化合物をさらに、溶離液としてジクロロメタン中25%のアセトンを用いた分取TLCにより精製して、白色固体の表題化合物1z(33mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=11.62(s,1H),8.30(s,1H),7.86−7.82(m,2H),7.39(d,J=8.8Hz,H),4.70−4.67(m,H),4.36−4.35(m,H),4.24−4.19(m,2H),4.09−4.07(m,2H),3.68−3.67(m,2H),3.44−3.41(m,2H),2.96−2.88(m,6H),2.55(s,3H),2.37−2.34(m,2H),1.62−1.56(m,2H),1.33(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.6Hz,3H),LCMS(M+H)=591.37,純度約95.7%。
【0204】
スキーム23:
【化88】
【0205】
実施例48
メチル−3−エチル−4−ホルミル−1−ヒドロキシ−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(25)
(Z)−エチル2−(ヒドロキシイミノ)−3−オキソペンタノアート(35g、219.99mmol)、(E)−ヘキサ−2−エナール(50.9mL、439.9mmol)をトルエンに溶かした溶液にジ−イソプロピルアミン(6.2mL、43.99mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液(300mL)で反応混合物の反応を停止させ、ジクロロメタン(2×300mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液として石油エーテル中0〜5%の酢酸エチル)による精製により、ゴム状物質の表題化合物25(31g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=12.27(br s,1H),9.94(s,1H),3.97(s,3H),3.02(q,J=7.3Hz,2H),2.98−2.92(m,2H),1.77−1.63(m,2H),1.19(t,J=7.3Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),Mass(M+H)=240.2。
【0206】
実施例49
メチル−3−エチル−4−ホルミル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(26)
エチル4−ホルミル−1−ヒドロキシ−3−エチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(25)(10g、41.84mmol)をジクロロメタン(800mL)および酢酸(40mL)に溶かした攪拌溶液に亜鉛末(27.4g、418.41mmol)を少量ずつ加え、得られた反応混合物を室温で8時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中5%のメタノール)により精製して、固体の表題化合物26(7.5g)を得た。[溶離液として石油エーテル中5%の酢酸エチルを用いて溶離させることによりSMを回収した]。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.01(s,1H),9.00(br s,1H),3.88(s,3H),3.07(q,J=7.7Hz,2H),2.91(t,J=7.6Hz,2H),1.76−1.65(m,2H),1.20(t,J=7.3Hz,3H),0.99(t,J=7.3Hz,3H),LCMS(M+H)=224.3,純度約96%。
【0207】
実施例50
メチル−1−アミノ−3−エチル−4−ホルミル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(27)
26(5g、22.42mmol)をDMF(50mL)に溶かした0℃の攪拌溶液にNaOH(4.48g、112.1mmol)を少量ずつ加えた。添加後、混合物を0℃で1時間攪拌し、次いでそれを−20℃に冷却した。得られた混合物をクロラミンのMTBE溶液(NHCl(15g)をMTBE(400mL)に溶かし30%アンモニア水溶液(30mL)を加えて新たに調製したもの)で処理し、−20℃に冷却した。混合物に次亜塩素酸ナトリウム溶液(120mL、水に溶かした市販グレード)を滴加した。添加後、反応混合物を−20℃で1時間攪拌した。MTBE層を二相性混合物から分離した)を20分間、徐々に加えた。添加後、反応混合物を室温で3時間攪拌した。終了後、水で反応混合物の反応を停止させ、有機層を分離した。MTBE層を5%チオ硫酸ナトリウム溶液および水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の表題化合物27(5.2g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.97(s,1H),5.39(s,2H),3.89(s,3H),3.09−2.96(m,4H),1.68−1.60(m,2H),1.21−1.12(m,3H),0.98(t,J=7.3Hz,3H),LCMS(M+H)=239.1,純度約81%。
【0208】
スキーム24:
【化89】
【0209】
実施例51
メチル−1−(5−((4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシベンズアミド)−3−エチル−4−ホルミル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(28)
5−((4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシ安息香酸(21)(9.7g、20.99mmol)をDMF(90mL)に溶かした攪拌溶液にHBTU(13.42g、41.9mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(10.8mL、62.9mmol)を加え、これに27(5.86g、24.77mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中0.5%のメタノール)による精製により、褐色固体の表題化合物28(9.5g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.41(s,1H),10.06(s,1H),8.57(d,J=2.4Hz,1H),8.01−7.97(m,2H),7.93(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.60−7.52(m,H),7.47−7.38(m,2H),7.18(d,J=8.8Hz,1H),4.49−4.33(m,4H),3.77(s,3H),3.06(br s,5H),2.78(br t,J=5.6Hz,1H),2.67(br s,4H),1.71−1.59(m,4H),1.22(t,J=7.6Hz,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H),LCMS(M+H)=685.3,純度約80%。
【0210】
実施例52
1−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンズアミド)−3−エチル−4−ホルミル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(29)
28(9.5g、13.9mmol)をMeOH(100mL)およびHO(100mL)に溶かした溶液にNaOH(9.5g、w/w)を加え、60℃で3時間攪拌した。終了後、反応混合物を濃縮し、得られた水性残渣を1N HClで酸性化した。得られた固体をろ過し、乾燥させ、EtO(3×10mL)で洗浄して、白色固体の29(6g)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=9.96(s,1H),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.82(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.27(q,J=6.8Hz,2H),3.42(br t,J=6.1Hz,4H),3.06(q,J=7.2Hz,2H),2.93−2.75(m,6H),2.36(t,J=6.1Hz,2H),1.58(qd,J=7.5,15.1Hz,2H),1.40(t,J=7.1Hz,3H),1.10(t,J=7.3Hz,3H),0.89(t,J=7.3Hz,3H),LC−MS(M+H)=565.5,純度約88.2%。
【0211】
実施例53
1−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンズアミド)−3−エチル−4−ホルミル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(30)
29(6g、10.65mmol)をDMF(60mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(6.84g、21.31mmol)およびDIPEA(9.46mL、31.95mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応混合物にNHCl(1.14g、21.31mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。終了後、水(200mL)で反応混合物の反応を停止させ、EtoAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた粗化合物を溶離液としてジクロロメタン中10%のメタノールを用いたシリカゲル(230〜400メッシュ)カラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体の表題化合物30(3g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.70(s,1H),10.04(s,1H),8.54(d,J=2.0Hz,1H),7.92(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.18(d,J=8.8Hz,1H),5.59(br s,2H),4.43(q,J=7.0Hz,2H),3.59(t,J=5.4Hz,2H),3.15−2.89(m,6H),2.72−2.51(m,6H),1.72−1.58(m,5H),1.28(t,J=7.3Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H),LCMS(M+H)=564.9,純度約95.5%。
【0212】
実施例54
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa)
30(300mg、0.53mmol)を無水エタノール(8mL)に溶かした溶液に1M KOH水溶液(8mL)を加え、密閉チューブの中で72時間、95℃で攪拌した。反応混合物を減圧下で完全に濃縮した。粗化合物に水(8mL)を加え、室温で10分間攪拌し、得られた固体をろ過し、ジエチルエーテル(3×4mL)で洗浄し、乾燥させて、褐色固体の表題化合物1aa(220mg)を得た。H NMR(300MHz,CDCl3)δ=10.19(s,1H),9.72(brs,1H),8.55(d,J=2.4Hz,1H),7.89(dd,J=2.4Hz,8.8Hz;1H),7.18(d,J=8.7Hz,H),4.40−4.33(m,2H),3.58(brs,2H),3.31−3.20(m,4H),3.09(brm,4H),2.63−2.54(m,6H),1.80−1.73(m,2H),1.63(t,J=7.2Hz,3H),1.30(t,J=7.4Hz,3H),1.00(t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=544.5,純度約95%。
【0213】
スキーム25:
【化90】
【0214】
実施例55
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1ab)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa)(100mg、0.183mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(70mg、0.458mmol)を加え、反応混合物を4時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(1mL)の中で攪拌し、ろ過し、ジエチルエーテル(2×3mL)で洗浄し、乾燥させて、白色固体の表題化合物1ab(24mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=11.64(s,1H),10.95(brs,1H),8.21(s,1H),7.90(brs,1H),7.43(br,H),5.32(br,H),4.24−4.23(m,2H),3.74−3.69(m,3H),3.53−3.36(m,2H),3.19(brm,3H),3.09−3.03(m,2H),2.96−2.66(m,5H),1.63−1.57(m,2H),1.36−1.33(m,3H),1.14(t,J=7.4Hz,3H),0.88(t,J=7.4Hz,3H),LCMS(M+H)=561.3,純度約94%+2.7%(シン異性体とアンチ異性体の混合物)。
【0215】
スキーム26:
【化91】
【0216】
実施例56
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−メチルオキシム(1ac)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa)(100mg、0.183mmol)をエタノール(2mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にメトキシルアミン塩酸塩(38.3mg、0.458mmol)を加え、反応混合物を4時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を濃縮し、得られた粗化合物を10%メタノールとジクロロメタン(10mL)の混合物に溶かし、水(3mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の表題化合物1ac(32mg)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ=8.22(s,1H),8.06(d,J=2.4Hz,1H),7.93(dd,J=2.4Hz,8.8Hz;1H),7.37(d,J=8.8Hz,H),4.30(q,J=6.8Hz,2H),3.91(s,3H),3.66−3.63(m,2H),3.15−3.04(m,8H),2.72−2.62(m,6H),1.73−1.67(m,2H),1.48(t,J=7.4Hz,3H),1.21(t,J=7.2Hz,3H),0.96(t,J=7.2Hz,3H),LCMS(M+H)=575.3,純度約94.7%+4.7%(シン異性体とアンチ異性体の混合物)。
【0217】
スキーム27:
【化92】
【0218】
実施例57
(E)−2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドO−(2−ヒドロキシエチル)オキシム(1ad)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa)(80mg、0.146mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液に2−アミノキシエタノール(39.6mg、0.51mmol)を加え、反応混合物を16時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を濃縮し、得られた粗化合物を、ジクロロメタン中4%のメタノールを用いた分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物1ad(20mg)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ=8.30(s,1H),8.05(d,J=2.4Hz,1H),7.92(dd,J=2.4Hz,8.8Hz;1H),7.36(d,J=8.8Hz,H),4.30(q,J=7.6Hz,2H),4.20−4.17(m,2H),3.84−3.82(m,2H),3.62−3.60(m,2H),3.15−3.04(m,6H),2.62−2.61(m,4H),2.53−2.50(m,2H),1.73−1.68(m,2H),1.48(t,J=6.8Hz,3H),1.21(t,J=7.2Hz,3H),0.96(t,J=7.4Hz,3H),LCMS(M+H)=605.8,純度約93.6%。
【0219】
スキーム28:
【化93】
【0220】
実施例58:
2−(5−((4−(2−クロロエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(31)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1w)(200mg、0.376mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かした攪拌溶液にSOCl(0.054mL、0.753mmol)を0℃で加えた。反応混合物を50℃に加熱し、12時間攪拌した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の表題化合物31(200mg)を得、それ以上精製せずに直接次の反応に用いた。MS(M+H)=550.2。
【0221】
実施例59
2−(4−((4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae)
2−(5−((4−(2−クロロエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(31)(200mg、0.364mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶かした攪拌溶液にAgNO(247.5mg、1.457mmol)を室温で加えた。次いで、反応温度を50℃に上げ、16時間攪拌した。終了後、反応混合物を室温に冷却し、セライト床でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、淡黄色固体の粗生成物(260mg;LCMS約82%)を得た。粗生成物の一部(160mg)を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物1ae(23mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.19(s,1H),9.69(br s,1H;DO exchangeable),8.52(d,J=2.4Hz,1H),7.87(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),4.50(t,J=5.4Hz,2H),4.36(q,J=7.1Hz,2H),3.22(t,J=7.3Hz,2H),3.09−3.06(m,4H),2.79(s,3H),2.72(t,J=5.4Hz,2H),2.64−2.61(m,4H),1.78−1.75(m,2H),1.63(t,J=7.1Hz,3H),0.99(t,J=7.3Hz,3H)。LCMS(M+H)=577.7,純度約94.2%。
【0222】
実施例60
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1af)
2−(4−((4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae)(100mg、0.173mmol)をエタノール(2mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(30.14mg、0.433mmol)を加え、反応混合物を8時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物1ae(20mg)を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ=8.23(s,1H),8.05(d,J=1.8Hz,1H),7.91(dd,J=1.8,8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.57(t,J=5.3Hz,2H),4.30(q,J=6.9Hz,2H),3.18−2.92(m,6H),2.73(t,J=5.3Hz,2H),2.64−2.60(m,7H),1.73−1.70(m,2H),1.48(t,J=6.9Hz,3H),0.96(t,J=7.5Hz,3H)。LCMS(M+H)=592.4,純度約92.3%+1.3%(シン異性体とアンチ異性体の混合物)。
【0223】
スキーム29:
【化94】
【0224】
実施例61
2−(5−((4−(2−クロロエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(32)
2−(2−エトキシ−5−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(1aa)(200mg、0.366mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かした攪拌溶液にSOCl(0.053mL、0.733mmol)を0℃で加えた。反応混合物を50℃に加熱し、12時間攪拌した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の表題化合物32(200mg)を得、それ以上精製せずに直接次の反応に用いた。LCMS(M+H)=564.2,純度約86.6%。
【0225】
実施例62
2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−ホルミル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ag)
2−(5−((4−(2−クロロエチル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−エチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(32)(200mg、0.355mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶かした攪拌溶液にAgNO(241mg、1.420mmol)を室温で加えた。次いで、反応温度を50℃に上げ、16時間攪拌した。終了後、反応混合物を室温に冷却し、セライト床でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物1ag(30mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.19(s,1H),9.74(br s,1H;DO exchangeable),8.53(d,J=2.2Hz,1H),7.87(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.18(d,J=8.8Hz,1H),4.51(t,J=5.3Hz,2H),4.37(q,J=7.2Hz,2H),3.35−3.18(m,4H),3.09−3.06(m,4H),2.73(t,J=5.3Hz,2H),2.63−2.61(m,4H),1.78−1.75(m,2H),1.63(t,J=7.2Hz,3H),1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.00(t,J=7.3Hz,3H)。LCMS(M+H)=591.3,純度約96.5%。
【0226】
実施例63
(E)−2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ah)
2−(4−((4−エトキシ−3−(5−エチル−6−ホルミル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ag)(90mg、0.152mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(26.4mg、0.380mmol)を加え、反応混合物を16時間、85℃に加熱した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物1ah(23mg)を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ=8.22(s,1H),8.05(d,J=2.2Hz,1H),7.91(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.57(t,J=5.3Hz,2H),4.31(q,J=6.9Hz,2H),3.20−2.92(m,8H),2.73(t,J=5.3Hz,2H),2.63−2.61(m,4H),1.73−1.70(m,2H),1.49(t,J=6.9Hz,3H),1.22(t,J=7.3Hz,3H),0.96(t,J=7.3Hz,3H)。LCMS(M+H)=606.3,純度約92.3%+3.4%(シン異性体とアンチ異性体の混合物)。
【0227】
スキーム30:
【化95】
【0228】
実施例64
(E)−2−(4−(4−エトキシ−3−(6−((メトキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ai)
2−(4−(4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae)(90mg、0.164mmol)をエタノール(5mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にO−メトキシルアミン塩酸塩(34.4mg、0.412mmol)を加え、反応混合物を8時間、85℃に加熱した。反応をLCMSによりモニターした。次いで、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。未処理の粗LCMS解析では、所望のオキシム45%とともに、クロロ置換オキシム18%が示された。得られた粗生成物をアセトニトリル(10mL)に溶かし、AgNO(80mg)を加え、50℃で12時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物1ai(18mg)を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ8.24(s,1H),8.04(d,J=2.4Hz,1H),7.91(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.56(t,J=5.1Hz,2H),4.34−4.24(m,2H),3.91(s,3H),3.17−2.94(m,6H),2.77−2.68(m,2H),2.67−2.49(m,7H),1.70(dd,J=7.3,14.7Hz,2H),1.48(t,J=7.1Hz,3H),0.95(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z606.3[M+H];純度約95.1%+4.2%(アンチ異性体とシン異性体の混合物)。
【0229】
スキーム31:
【化96】
【0230】
実施例65
(E)−2−(4−(4−エトキシ−3−(6−((2−ヒドロキシエトキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ak):
2−(4−(4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)エチルニトラート(1ae)(105mg、0.182mmol)をエタノール(5mL)に溶かした攪拌溶液に2−(アミノキシ)エタノール(35.13mg、0.455mmol)を室温で加え、80℃で8時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、白色固体の表題化合物1ak(28mg)を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ8.28(s,1H),8.03(d,J=2.4Hz,1H),7.90(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.57(t,J=5.1Hz,2H),4.29(q,J=7.0Hz,2H),4.20−4.17(m,2H),3.83−3.81(m,2H),3.03−3.01(m,6H),2.74−2.71(m,2H),2.61−2.59(m,6H),1.72−1.68(m,2H),1.43(t,J=7.0Hz,3H),0.95(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ES):m/z636.3[M+H];純度約94.4%+2.2%(アンチ異性体とシン異性体の混合物)。
【0231】
スキーム32:
【化97】
【0232】
実施例66
tert−ブチル4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(34)
tert−ブチル4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(33)(8.5g、37.06mmol)をTHF(160mL)に溶かした攪拌溶液にトリエチルアミン(10.2mL、74.12mmol)を室温で加えた。5分後、塩化ベンゾイル(4.73mL、40.77mmol)を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。添加後、得られた反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、水(75mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色液体の34(10g)を得、それ以上精製せずに直接次の反応に用いた。H NMR(300MHz,CDCl):δ8.04(d,J=7.3Hz,2H),7.58−7.50(m,H),7.49−7.41(m,2H),4.38(t,J=6.6Hz,2H),4.12−4.08(m,2H),2.72−2.68(m,2H),1.81−1.68(m,5H),1.46(s,9H),1.28−1.10(m,2H)。
【0233】
スキーム33:
【化98】
【0234】
実施例67
2−(ピペリジン−4−イル)エチルベンゾアート・TFA塩(35)
化合物34(10g)をCHCl(100mL)に溶かした攪拌溶液にトリフルオロ酢酸(6.89mL、90.09mmol)を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。添加後、得られた反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCHCl(3×50mL)と共蒸留した。得られた固体をジエチルエーテル(50mL)で研和し、ろ過し、真空下で乾燥させて、褐色固体の表題化合物35(2段階で4g、33%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.93(br s,1H;DO exchangeable),8.85(br s,1H;DO exchangeable),8.01−7.92(m,2H),7.72−7.62(m,H),7.59−7.48(m,2H),4.34(t,J=6.2Hz,2H),3.23−3.21(m,2H),2.86−2.81(m,2H),1.87(br d,J=13.9Hz,2H),1.81−1.63(m,3H),1.43−1.26(m,2H);LCMS(ES):m/z234.1[M+H];純度約99%。
【0235】
実施例68
5−(4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(36)
35(4.07g、17.49mmol)をCHCl(40mL)に溶かした攪拌溶液にトリエチルアミン(11.10mL、79.54mmol)室温で加えた。添加後、9(4.2g、15.90mmol)をCHCl(20mL)に溶かした溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。得られた反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を濃縮し、飽和NaHCO溶液(50mL)で希釈した。次いで、得られた溶液を飽和クエン酸溶液(50mL)で中和し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の化合物36(5.78g、78%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ13.02(br s,1H;DO exchangeable),7.97−7.88(m,3H),7.81(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.68−7.60(m,H),7.55−7.46(m,2H),7.33(d,J=8.8Hz,1H),4.27(t,J=6.4Hz,2H),4.20(q,J=7.0Hz,2H),3.61(br d,J=11.7Hz,2H),2.20(br t,J=10.8Hz,2H),1.79(br d,J=11.7Hz,2H),1.63(q,J=6.4Hz,2H),1.46−1 41(m,H),1.35(t,J=7.0Hz,3H),1.30−1.17(m,2H);LCMS(ES):m/z462.2[M+H];純度約95%。
【0236】
スキーム34:
【化99】
【0237】
実施例69
エチル1−(5−(4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(37)
5−(4−(2−(ベンゾイルオキシ)エチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(36)(4.2g、9.11mmol)をDMF(30mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(5.85g、18.22mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.7mL、27.33mmol)を室温で加え、20分間攪拌した。これにエチル1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(27)(2.168g、9.11mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、氷水(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中10〜50%の酢酸エチル勾配を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体の表題化合物37(3.0g、48%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ10.38(s,1H),10.07(s,1H),8.56(d,J=2.2Hz,1H),7.99(d,J=7.3Hz,2H),7.93(dd,J=2.4,8.6Hz,1H),7.59−7.50(m,H),7.48−7.36(m,2H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),4.41(q,J=7.0Hz,2H),4.33(t,J=6.4Hz,2H),4.28−4.13(m,2H),3.81(br d,J=10.8Hz,2H),2.61(s,3H),2.30(br t,J=10.8Hz,2H),1.84−1.81(m,2H),1.76−1.52(m,9H),1.47−1.33(m,3H),1.27(t,J=7.0Hz,3H),0.95(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z682.3[M+H];純度約98%。
【0238】
実施例70
1−(2−エトキシ−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(38)
37(3.1g、4.55mmol)をメタノール(15mL)および水(15mL)に溶かした攪拌溶液にNaOH(3.1g、w/w)を室温で加えた。反応混合物を65℃に加熱し、16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、減圧下でメタノールを濃縮した。得られた反応水溶液を1N HCl水溶液(10mL)で中和した(pH約7)。沈殿した固体をろ過し、真空下で乾燥させて、オフホワイト固体の38(2.6g、87%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ12.89(s,1H;DO exchangeable),11.45(br s,1H;DO exchangeable),7.90(d,J=2.2Hz,1H),7.83(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.42(br s,1H;DO exchangeable),4.26(q,J=7.0Hz,2H),3.60(br d,J=11.4Hz,2H),3.43−3.37(m,2H),2.86−2.83(m,2H),2.54(s,3H),2.19(br t,J=10.8Hz,2H),1.71(br d,J=11.7Hz,2H),1.64−1.51(m,2H),1.40(t,J=7.0Hz,3H),1.36−1.26(m,3H),1.25−1.03(m,3H),0.90(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z550.3[M+H];純度約94%。
【0239】
実施例71
1−(2−エトキシ−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(39)
38(2.4g、4.37mmol)をDMF(25mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(2.80g、8.74mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.3mL、13.11mmol)を加え、室温で20分間攪拌した。これに塩化アンモニウム(468mg、8.74mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、氷水(75mL)で反応を停止させ、メタノールの5%CHCl溶液(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、溶離液としてジクロロメタン中2〜8%勾配のメタノールを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体の表題化合物39(2g、83%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ11.36(s,1H;DO exchangeable),9.96(s,1H),7.88(d,J=2.6Hz,1H),7.86−7.81(m,H),7.48(br s,1H;DO exchangeable),7.39(br d,J=8.8Hz,1H),7.31(br s,1H;DO exchangeable),4.35−4.19(m,2H+OH),3.67−3.53(m,2H),3.43−3.34(m,2H),2.93−2.72(m,2H),2.41(s,3H),2.31−2.13(m,2H),1.72(br d,J=11.7Hz,2H),1.62−1.50(m,2H),1.40(t,J=7.0Hz,3H),1.36−1.21(m,5H),0.89(t,J=7.2Hz,3H);LCMS(ES):m/z549.3[M+H];純度約91%。
【0240】
実施例72
2−(2−エトキシ−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(40)
39(400mg、0.72mmol)を無水エタノール(6mL)に溶かした攪拌溶液に1M KOH水溶液(5mL)を加え、密閉チューブの中で96時間、100℃で攪拌した。反応混合物を減圧下で完全に濃縮した。得られた残渣を水(5mL)で希釈し、室温で10分間攪拌した。沈殿した固体をろ過し、乾燥させて、褐色固体の表題化合物40(280mg、72%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ10.19(s,1H),9.68(br s,1H;DO exchageable),8.53(d,J=2.0Hz,1H),7.89(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.16(d,J=8.8Hz,1H),4.36(q,J=6.8Hz,2H),3.81(br d,J=11.7Hz,2H),3.68−3.64(m,2H),3.22(t,J=7.3Hz,2H),2.79(s,3H),2.40−2.27(m,2H),1.81−1.72(m,4H),1.62(t,J=6.8Hz,3H),1.52−1.47(m,3H),1.42−1.33(m,3H),0.99(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z531.3[M+H];純度約92%。
【0241】
実施例73
(E)−2−(2−エトキシ−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1al)
化合物40(140mg、0.264mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(45.88mg、0.66mmol)を加え、反応混合物を16時間、90℃に加熱した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物1al(80mg、55%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ11.55(br s,1H;DO exchageable),10.95(s,1H;DO exchageable),8.21(s,1H),7.92−7.79(m,2H),7.37(d,J=8.3Hz,1H),4.31(t,J=5.1Hz,1H;DO exchageable),4.21(q,J=6.8Hz,2H),3.60(br d,J=11.2Hz,2H),3.39(q,J=5.9Hz,2H),2.94(br t,J=7.6Hz,2H),2.55(s,3H),2.24(br t,J=11.0Hz,2H),1.76−1.52(m,4H),1.39−1.26(m,6H),1.24−1.09(m,2H),0.88(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z546.3[M+H];純度約95.5%。
【0242】
スキーム35:
【化100】
【0243】
実施例74
2−(5−(4−(2−クロロエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(41)
2−(2−エトキシ−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(40)(100mg、0.188mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かした攪拌溶液にSOCl(0.06mL、0.943mmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃に加熱し、72時間攪拌した。TLCにより未反応の40とともに生成物の形成が示された。反応混合物を室温に冷却し、SOCl(0.12mL、1.88mmol)を加え、反応混合物をさらに48時間、80℃で攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗化合物41を得た。
【0244】
反応を150mgスケールで再び実施し、両方の粗物質を合わせ、Grace機器による逆相精製により精製して、オフホワイト固体の表題化合物41(120mg)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ10.19(s,1H),9.71(s,1H;DO exchageable),8.53(d,J=2.2Hz,1H),7.89(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.16(d,J=8.8Hz,1H),4.36(q,J=7.0Hz,2H),3.84(br d,J=11.7Hz,2H),3.54(t,J=6.4Hz,2H),3.22(br t,J=7.3Hz,2H),2.79(s,3H),2.33(br t,J=11.4Hz,2H),1.86−1.66(m,6H),1.62(t,J=7.0Hz,3H),1.45−1.26(m,3H),1.00(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z549.3[M+H];純度約90%。
【0245】
実施例75
2−(1−(4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(42)
41(140mg、0.255mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶かした攪拌溶液にAgNO(173.5mg、1.02mmol)を室温で加えた。次いで、反応温度を60℃に上げ、48時間攪拌した。TLCにより未反応の41とともに生成物の形成が示された。反応混合物を室温に冷却し、AgNO(260mg、1.53mmol)を加え、反応混合物をさらに48時間、60℃で攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、セライト床でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をGrace機器によるシリカゲル精製(溶離液として石油エーテル中20〜50%勾配の酢酸エチル)により精製して、淡黄色固体の表題化合物42(56mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ10.19(s,1H),9.73(br s,1H;DO exchageable),8.52(d,J=2.2Hz,1H),7.88(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),4.46(t,J=6.2Hz,2H),4.36(q,J=7.0Hz,2H),3.84(br d,J=11.0Hz,2H),3.22(br t,J=7.3Hz,2H),2.79(s,3H),2.44−2.23(m,2H),1.84−1.66(m,6H),1.62(t,J=7.0Hz,3H),1.44−1.41(m,3H),0.99(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(M+H)=m/z576.3[M+H];純度約91.4%。
【0246】
実施例76
(E)−2−(1−(4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1am)
42(100mg、0.173mmol)をエタノール(3mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(30.2mg、0.434mmol)を加え、反応混合物を16時間、90℃に加熱した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物1am(56mg)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ11.54(s,1H;DO exchageable),10.95(s,1H;DO exchageable),8.21(s,1H),7.95−7.79(m,2H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),4.52(br t,J=6.6Hz,2H),4.21(q,J=6.8Hz,2H),3.63(br d,J=12.2Hz,2H),2.94(br t,J=7.3Hz,2H),2.55(s,3H),2.25(br t,J=11.0Hz,2H),1.74(br d,J=10.8Hz,2H),1.67−1.53(m,4H),1.35−1.30(m,4H),1.27−1.13(m,2H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(M+H)=m/z591.3[M+H];純度約97.3%。
【0247】
スキーム36:
【化101】
【0248】
実施例77
tert−ブチル4−(3−(ベンゾイルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−カルボキシラート(43)
tert−ブチル4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−カルボキシラート(7.0g、28.64mmol)をTHF(50mL)に溶かした攪拌溶液にトリエチルアミン(8mL、57.29mmol)を室温で加えた。5分後、塩化ベンゾイル(3.66mL、31.51mmol)を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。添加後、得られた反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、水(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイト固体の43(7.8g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.06−8.00(m,2H),7.59−7.52(m,H),7.48−7.40(m,2H),4.38(t,J=6.6Hz,2H),3.50−3.39(m,4H),2.53(t,J=7.3Hz,2H),2.43(br t,J=4.9Hz,4H),1.98(quin,J=6.8Hz,2H),1.46(s,9H);LCMS(M+H)=m/z349.7[M+H];純度約83%。
【0249】
実施例78
3−(ピペラジン−1−イル)プロピルベンゾアート・TFA塩(44)
化合物43(7.8g)をCHCl(80mL)に溶かした攪拌溶液にトリフルオロ酢酸(10.3mL、134.48mmol)を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。添加後、得られた反応混合物を室温で8時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCHCl(3×100mL)と共蒸留した。得られた固体をジエチルエーテル(50mL)で研和し、ろ過し、真空下で乾燥させて、白色固体の表題化合物44(8.6g)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.13(br s,2H),8.07−7.95(m,2H),7.73−7.64(m,H),7.60−7.47(m,2H),4.34(t,J=6.2Hz,2H),3.40−2.94(m,10H),2.16−1.96(m,2H);LCMS(M+H)=m/z249.2[M+H];純度約98%。
【0250】
スキーム37:
【化102】
【0251】
実施例79
5−(4−(3−(ベンゾイルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(45)
化合物44(8.3g、31.43mmol)をCHCl(60mL)に溶かした攪拌溶液にトリエチルアミン(26.5mL、188.63mmol)を室温で加えた。添加後、9(8.57g、34.58mmol)をCHCl(40mL)に溶かした溶液を不活性雰囲気下、0℃で滴加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を濃縮し、飽和NaHCO溶液(50mL)で希釈した。得られた溶液を酢酸エチル(100mL)で洗浄した。次いで、水溶液を飽和クエン酸溶液(100mL)で中和し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、白色固体の表題化合物45(9.1g、60%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ12.17(br s,1H),8.35(d,J=2.4Hz,1H),7.99(d,J=7.3Hz,2H),7.86(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.61−7.51(m,H),7.47−7.36(m,2H),7.12(d,J=8.8Hz,1H),4.43−4.26(m,4H),3.21(br s,4H),2.92(br s,4H),2.86−2.78(m,2H),2.15−2.05(m,2H),1.55(t,J=6.8Hz,3H);LCMS(ES):m/z477.2[M+H];純度約97%。
【0252】
スキーム38:
【化103】
【0253】
実施例80
エチル1−(5−(4−(3−(ベンゾイルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(46)
5−(4−(3−(ベンゾイルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシ安息香酸(45)(5.0g、10.50mmol)をDMF(30mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(6.74g、21.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.5mL、31.5mmol)を室温で加え、20分間攪拌した。これにエチル1−アミノ−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキシラート(14)(2.50g、10.5mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、氷水(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中30〜50%の酢酸エチル勾配を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、褐色液体の表題化合物46(4.8g、65%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ10.43(s,1H;DO exchageable),10.07(s,1H),8.57(s,1H),7.99(br d,J=7.7Hz,2H),7.92(br d,J=8.8Hz,1H),7.64−7.50(m,H),7.49−7.36(m,2H),7.19(d,J=8.8Hz,1H),4.43(q,J=6.6Hz,2H),4.31(br t,J=6.4Hz,2H),4.23(br d,J=5.5Hz,2H),3.04(br s,4H),2.61(s,3H),2.58−2.43(m,6H),1.89(td,J=6.6,13.2Hz,2H),1.73−1.57(m,5H),1.33−1.20(m,5H),0.96(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z697.9[M+H];純度約89%。
【0254】
実施例81
1−(2−エトキシ−5−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボン酸(47)
46(2.8g、4.021mmol)をメタノール(30mL)および水(30mL)に溶かした攪拌溶液にNaOH(2.8g、w/w)を室温で加えた。反応混合物を65℃に加熱し、12時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、減圧下でメタノールを濃縮した。得られた反応水溶液を、1N HCl水溶液(15mL)を用いて中和した(pH約7)。沈殿した固体をろ過し、真空下で乾燥させて、オフホワイト固体の47(1.875g、82%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ11.63(br s,1H),9.98(s,1H),7.90(d,J=2.2Hz,1H),7.83(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.40(d,J=8.8Hz,1H),4.27(q,J=6.8Hz,2H),3.36(br t,J=6.2Hz,2H+OH),2.88(br s,6H),2.54(s,3H),2.43(br s,4H),2.31(br t,J=7.2Hz,2H),1.65−1.46(m,4H),1.40(t,J=7.0Hz,3H),0.90(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z565.8[M+H];純度約96%。
【0255】
実施例82
1−(2−エトキシ−5−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)ベンズアミド)−4−ホルミル−3−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(48)
47(1.875g、3.32mmol)をDMF(15mL)に溶かした攪拌溶液にTBTU(2.135g、6.64mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.7mL、9.97mmol)を加え、室温で20分間攪拌した。これに塩化アンモニウム(356mg、6.64mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、水(50mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、溶離液としてジクロロメタン中4〜8%勾配のメタノールを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、褐色固体の表題化合物48(1.4g、74%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ10.61(s,1H;DO exchageable),10.05(s,1H),8.51(d,J=2.4Hz,1H),7.89(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),5.66(br s,2H;DO exchageable),4.42(q,J=7.2Hz,2H),3.73(t,J=5.1Hz,2H),3.06−3.02(m,4H),2.64−2.60(m,6H),2.57(s,3H),1.74−1.61(m,7H),0.97(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z564.3[M+H];純度約95%。
【0256】
実施例83
2−(2−エトキシ−5−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(49)
48(500mg、0.88mmol)を無水エタノール(8mL)に溶かした攪拌溶液に1M KOH水溶液(8mL)を加え、密閉チューブの中で96時間、100℃で攪拌した。反応混合物を減圧下で完全に濃縮した。得られた残渣を水(10mL)で希釈し、沈殿した固体をろ過し、乾燥させて、淡黄色固体の表題化合物49(350mg、72%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ10.18(s,1H),8.47(br s,1H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.15(d,J=8.8Hz,1H),4.37−4.33(m,3H),3.73−3.70(m,2H),3.21(br t,J=7.2Hz,2H),3.07−3.03(m,4H),2.78(s,3H),2.63−2.58(m,6H),1.89−1.50(m,7H),0.99(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z546.7[M+H];純度約91%。
【0257】
実施例84
(E)−2−(2−エトキシ−5−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドオキシム(1an)
49(150mg、0.275mmol)をエタノール(5mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(47.8mg、0.68mmol)を加え、反応混合物を16時間、90℃に加熱した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(5mL)に溶かし、メタノールの10%ジクロロメタン溶液(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、オフホワイト固体の表題化合物1an(62mg、40%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.56(br s,1H;DO exchageable),10.95(br s,1H;DO exchageable),8.21(s,1H),7.91−7.80(m,2H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),4.34(br s,1H;DO exchageable),4.22(q,J=7.0Hz,2H),3.38−3.34(m,2H),3.00−2.81(m,6H),2.55(s,3H),2.43−2.40(m,4H),2.35−2.27(m,2H),1.62−1.58(m,2H),1.54−1.45(m,2H),1.34(t,J=7.0Hz,3H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z561.4[M+H];純度約95%。
【0258】
スキーム39:
【化104】
【0259】
実施例85
2−(5−(4−(3−クロロプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)−2−エトキシフェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(50)
2−(2−エトキシ−5−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(49)(200mg、0.366mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした攪拌溶液にSOCl(0.1mL、1.83mmol)を室温で加えた。反応混合物を70℃に加熱し、12時間攪拌した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の粗化合物50(235mg)を得、それ以上精製せずに直接次の反応に用いた。H NMR(300MHz,CDCl):δ9.64(s,1H),8.48(d,J=2.0Hz,1H),7.84(d,J=2.0,8.8Hz,1H),7.16(d,J=8.8Hz,1H),4.34(q,J=6.8Hz,2H),3.58−3.55(m,2H),3.27−2.97(m,7H),2.75(s,3H),2.58−2.54(m,4H),1.82−1.72(m,2H),1.67−1.53(m,6H),1.02(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(M+H)=m/z564.3[M+H];純度約94%。
【0260】
実施例86
3−(4−(4−エトキシ−3−(6−ホルミル−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)プロピルニトラート(51)
8(220mg)をDMF(3mL)に溶かした攪拌溶液にAgNO(266mg、1.56mmol)およびNaI(58.5mg、0.39mmol)を室温で加えた。次いで、反応温度を60℃に上げ、48時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗化合物50を得た。
【0261】
注:同じ反応を2つのバッチ(100mg+200mg)で実施し、得られた粗物質を合わせ、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物9(52mg)を得た。LCMS(M+H)=m/z591.4[M+H];純度約97%。
【0262】
実施例87
(E)−3−(4−(4−エトキシ−3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)フェニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)プロピルニトラート(1ao)
51(50mg、0.084mmol)をエタノール(2mL)および水(0.5mL)に溶かした攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(15mg、0.211mmol)を加え、反応混合物を12時間、90℃に加熱した。反応終了後(TLCによりモニターした)、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(2mL)に溶かし、メタノールの5%ジクロロメタン溶液(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、白色固体の表題化合物1ao(10mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.56(br s,1H;DO exchageable),10.95(s,1H;DO exchageable),8.21(s,1H),7.93−7.78(m,2H),7.39(br d,J=8.8Hz,1H),4.48(br t,J=6.6Hz,2H),4.29−4.15(m,2H),3.14−2.77(m,6H),2.55(s,3H),2.47−2.20(m,6H),1.86−1.70(m,2H),1.59(td,J=7.3,14.7Hz,2H),1.35(t,J=7.1Hz,3H),0.87(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(M+H)=m/z606.4[M+H];純度約95.8%。
【0263】
スキーム40:
【化105】
【0264】
実施例88
2−(2−エトキシ−5−((4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(1ap)
2−(2−エトキシ−5−((4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)スルホニル)フェニル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド(49)(150mg、0.275mmol)、ベンゼン(2.5mL)およびエチレングリコール(2.5mL)を反応チューブに入れ、5分間攪拌した。これにpTSA.HO(75mg、0.399mmol)を加え、反応チューブに蓋をした。反応混合物を140℃に予熱した油浴に浸け、16時間攪拌した。反応終了後(TLCおよびLCMS解析によりモニターした)、反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈した。得られた溶液を酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水/アセトニトリル中0.1%のギ酸を用いた逆相分取HPLCにより精製して、白色固体の1ap(50mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.49(br s,1H;DO exchangeable),8.50(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.14(d,J=8.8Hz,1H),6.17(s,1H),4.34(q,J=7.0Hz,2H),4.26(br s,1H;DO exchangeable),3.72(t,J=5.1Hz,2H),3.07(br s,4H),2.85(t,J=7.6Hz,2H),2.75−2.58(m,6H),2.54(s,3H),1.84−1.65(m,4H),1.61(t,J=7.0Hz,3H),1.01(t,J=7.6Hz,3H);LCMS(ESI)=m/z518.27,純度約95.44%。
【0265】
スキーム41:
【化106】
【0266】
実施例89
(Z)−2−(1−((3−(6−((ヒドロキシイミノ)メチル)−5−メチル−4−オキソ−7−プロピル−3,4−ジヒドロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−プロポキシフェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)エチルニトラート(1aq)
1v(100mg;0.164mmol)をアルゴン雰囲気下、還流温度でベンゼン(2mL)に溶かした。次いで、反応温度を約50℃に上げ、沈殿が形成され始めるまで(約5分)乾燥HClガスをパージした。沈殿が観察された後、反応温度を0℃に下げ、15分間攪拌した。固体をろ過し、ベンゼン(0.5mL)、石油エーテル(0.5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。固体をジエチルエーテル(8mL)に取り込み、予冷した0℃の2.6M NaOH水溶液(約1.0mL)を固体が完全に溶解するまで加えた。沈殿が形成され1分以内に溶液に戻るまで飽和NHCl溶液(約2.0mL)を加えた。ジエチルエーテル層を分離し、水層をジエチルエーテル(2×8mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、LCMSの純度が約66%の粗生成物を得た。この生成物を逆相分取HPLC(XBridge C18カラム;10mM炭酸水素アンモニウム水溶液およびアセトニトリル)により精製して、オフホワイト固体の1aq(17.5mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.38(s,1H;DO exchangeable),11.18(br s,1H,DO exchangeable),7.90−7.78(m,2H),7.51(s,1H),7.36(br d,J=9.3Hz,1H),4.52(br t,J=6.6Hz,2H),4.11(t,J=6.4Hz,2H),3.64−3.61(m,2H),2.89−2.77(m,2H),2.41(s,3H),2.28−2.23(m,2H),1.82−1.66(m,4H),1.65−1.51(m,4H),1.38−1.31(m,H),1.25−1.19(m,2H),0.94(t,J=7.3Hz,3H),0.83(t,J=7.3Hz,3H);LCMS(ES):m/z605.5[M+H];純度約95%。
【0267】
実施例90
PDE5アッセイ
目的:ヒト血小板から単離したPDE5酵素を用いてcGMPからの5’GMPの生成を測定することによって定量化されるヒトホスホジエステラーゼ5の活性に対する本発明の化合物の効果を評価すること。上記の測定はMasaaki I,Nishikawa M,Fujioka M,Miyahara M,Isaka N,Shiku H,Nakano T,Cell Signal(1996),8(8):575−581によって記載されている方法に従って実施した。
【0268】
実験プロトコル:40mMトリス/HCl(pH7.8)、3mM MgCl2、1.4mM DTT、0.21%BSA、200mM NH4Cl、1μM cGMPおよび0.1μCi[3H]cGMPを含有する緩衝液に被験化合物、すなわち、本発明の化合物、参照化合物または水(対照)を加えた。次いで、酵素の添加により反応を開始し、混合物を22℃で60分間インキュベートした。
【0269】
基準となる対照の測定では、反応混合物に酵素を加えなかった。インキュベーション後、SPAビーズを加えた。22℃で20分間振盪した後、シンチレーションカウンター(Topcount、Packard社)で[3H]5’GMPの量を定量化した。
【0270】
表1に示す結果は、対照酵素活性に対する阻害のパーセントで表されている。基準となる阻害参照化合物はジピリダモールであり、この物質を各実験で数種類の濃度で試験して阻害曲線を得、その曲線からIC50値を算出する。
【0271】
表1に示されるように、本発明の化合物は、ヒトcGMP特異的PDE5に対する強力で選択的な阻害剤である。
【0272】
【表1】
【0273】
実施例91
ヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)でのcGMPの測定
ヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMC)をClonetics(商標)Lonza社(Lonza社、参照番号CC−2581)から購入し、BulletKit(商標)成長因子サプリメント(Lonza社、参照番号CC−3182)を添加したClonetics(商標)平滑筋成長培地(Clonetics(商標)SmGM(商標)−2)で5%CO、37℃にて培養した。48時間毎に培地を交換した。75cmの培養プレートで細胞を増殖させた。
【0274】
実験の48時間前、細胞をトリプシン処理(Trypsin kit One ReagentPack(商標)(CC−5034)、Lonza社)し、I型コラーゲンで予めコートした96ウェルプレートに1ウェル当たり10000個播いた。実験の24時間前、培地を低血清(0.5%FBS)培地に交換した。実験直前、培地を交換し、hPASMCを本発明の化合物1v(濃度1×10−12M(1pM)〜1×10−7M(100nM))、本発明の化合物1r(濃度1×10−16M(0.1fM)〜1×10−7M(100nM))、参照PDE5阻害剤シルデナフィル(濃度1×10−10M(0.1nM)〜1×10−7M(100nM))または溶媒(0.1%DMSO)の存在下で15分間または30分間インキュベートした。
【0275】
Amersham cGMP EIA System(GE Healthcare社、RPN226)を製造業者の指示通りに用いて細胞内cGMPの測定を実施した。アッセイの感度は1ウェル当たり2fmol cGMPである。簡潔に述べれば、Amersham溶解緩衝液1の添加によりインキュベーションを停止し、細胞を10分間攪拌して完全に溶解させた。次いで、トリエチルアミンおよび無水酢酸を用いて試料中のcGMPをアセチル化し、競合ELISA法により測定した。このELISAは、予めコートした96ウェルMTPに固定化したcGMP特異的抗血清上にある少ない結合部位をめぐる細胞培養溶解物中のアセチル化cGMPとペルオキシダーゼ標識cGMPコンジュゲートとの間の競合に基づくものである。標準曲線に基づきcGMPを求めた。結果を3つの独立した3連の実験で得た10細胞中のcGMPのfmol数の平均±SEで表した(図1A図1B図1C)。驚くべきことに、本発明の化合物1vおよび1r、特に1rには、参照阻害剤シルデナフィルより有意に高い活性が認められる。
【0276】
実施例92
ラット大動脈リングを用いた等尺性張力試験。
動物
Harland社(バルセロナ)から購入した雄11週齢Sprague−Dawleyラットを計131匹用いた。試験は、Care and Use of Laboratory Animals(1996)に従うものとした。ラットを1週間馴化させた後、麻酔をかけた。脚屈筋反応および眼瞼反射がみられないことにより、麻酔がしかるべき深度であると判断した。次いで、胸部を正中切開により迅速に切開し、心臓に切れ目を入れ全脱血させることによりラットを屠殺した。大動脈を内皮に損傷を与えずに迅速に摘出し、クレブス溶液で満たし95%O2/5%CO2の気泡を通したビーカーに入れた。
【0277】
単離器官の調製
ラット大動脈リング:インタクトの内皮
簡潔に述べれば、NaCl 118.0mM、KCl 4.7mM、CaCl2 1.9mM、KH2PO4 1.2mM、MgSO4 1.2mM、NaHCO3 25.0mMおよびグルコース5.0mMを含有するクレブス溶液を入れ、37℃に維持し、95%O2/5%CO2の気泡を通した個別の5ml器官槽に3〜4mmの胸部大動脈リングを取り付けた(Klein T,Eltze M,Grebe T,Hatzelmann A,Komhoff M(2007).Celecoxib dilates guinea−pig coronaries and rat aortic rings and amplifies NO/cGMP signaling by PDE5 inhibition.Cardiovasc Res 75:390−7)。生理食塩水にインドメタシン(1μM)を加えた。
【0278】
組織を力変位変換器(force displacement transducer)に取り付け、静止張力1〜1.5gまで伸張させた。次いで、フェニレフリン(PE、300nM、その最大効果の80〜90%に相当する)で予め収縮させた血管のアセチルコリン(ACh、1μM)に対する反応性を検証することにより、標本の内皮の完全性を判定した。300nMのPEで得られた張力が1μMのAChにより60%超弛緩すれば、その標本を適格とした。次いで、適格なリングを数回洗浄して、張力をベースラインレベルまで回復させた。この処置の後、標本を60分間平衡化させてから新たな単一濃度のフェニレフリン(300nM)で収縮させた。
【0279】
ラット大動脈:機械的に除去した内皮
いくつかの実験では、完全長の胸部大動脈の内腔表面を1.5mmのガラス棒で穏やかに擦り取ることにより内皮層を機能的に剥離した。組織を力変位変換器(force displacement transducer)に取り付け、静止張力1〜1.5gまで伸張させた。次いで、PE(300nM)で予め収縮させた血管にアセチルコリン(1μM)に対する反応がみられないことを検証することにより、内皮が存在しないことを確認した。次いで、リングを数回洗浄して、張力をベースラインレベルまで回復させた。この反応の後、標本を60分間平衡化させてから新たな単一濃度のフェニレフリン(300nM;それ自体の最大効果のEC80〜90)で収縮させた。
【0280】
ラット大動脈リング:高グルコースによる内皮機能障害
簡潔に述べれば、NaCl 118.0mM、KCl 4.7mM、CaCl2 1.9mM、KH2PO4 1.2mM、MgSO4 1.2mM、NaHCO3 25.0mMおよびグルコース5.0mMを含有するクレブス溶液を入れ、37℃に維持し、95%O2/5%CO2の気泡を通した個別の5ml器官槽に3〜4mmの胸部大動脈リングを取り付けた[1]。生理食塩水にインドメタシン(1μM)を加えた。組織を力変位変換器(force displacement transducer)に取り付け、静止張力1〜1.5gまで伸張させた。次いで、PE(300nM)で予め収縮させた血管のアセチルコリン(1μM)に対する反応性を検証することにより、標本の内皮の完全性を判定した。1μMのAChに対して300nMでの張力から少なくとも60%弛緩した血管のみを適格であるとした。
【0281】
NaCl 118.0mM、KCl 4.7mM、CaCl2 1.9mM、KH2PO4 1.2mM、MgSO4 1.2mM、NaHCO3 25.0mMおよびグルコース25.0mMを含有し37℃、95%O2/5%CO2に維持したクレブス溶液で適格なリングを数回洗浄して平衡化させ、張力をベースラインレベルまで回復させた。標本を高グルコース(25mM)のクレブス溶液中で60分間平衡化させた後、新たな単一濃度のPE(300nM)で収縮させた。実験プロトコルは、既に記載されているプロトコル(Dhar I,Dhar A,Wu L,Desai K(2012).Arginine attenuates methylglyoxal−and high glucose−induced endothelial dysfunction and oxidative stress by an endothelial nitric−oxide synthase−independent mechanism.J Pharmacol Exp Ther 342:196−204)に修正を加えたものである。
【0282】
デザイン−濃度依存性弛緩曲線−累積的プロトコル
第一の実験の組では、N−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME 100μM)の存在下または高グルコース(25mM)クレブス溶液中での内皮インタクト標本または内皮剥離標本のシルデナフィル(参照)、1rまたは1vに対する濃度反応曲線(1pM〜1μM)を作成した。被験化合物および参照化合物(シルデナフィル、1rまたは1v)によって誘導される弛緩に対するNG−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)の影響を評価するにあたっては、PEの30分前にL−NAMEを標本に添加した。PEが誘導する張力がプラトーに達したとき、器官槽に弛緩が最大になるまで化合物(シルデナフィル、1rまたは1v)を累積的に添加した(1種類の濃度で30分間)。最後に、動脈リングの最大弛緩を得るために、ニトロプルッシドナトリウム(0.1mM)を添加した。
【0283】
フェニレフリンにより得た張力(プラトー)からの弛緩のパーセントとして弛緩量(パーセント値の平均±SEM)を定量化した。
【0284】
薬物
化合物をDMSO(100%)に10mMの濃度で溶かし、アリコートで−20℃にて保管した。各実験の直前に希釈を実施し、全インキュベーションでDMSO濃度を0.1%に維持した。
【0285】
解析結果
データを平均±SEMで表す。パラメトリックまたはノンパラメトリック(クラスカル・ウォリス)分散分析(ANOVA)、次いで、必要に応じてボンフェローニ検定またはダン検定により、結果の統計解析を実施した(GraphPad Software社、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)。P<0.05であれば有意であるとした。GraphPadソフトウェアで非線形回帰を実施した。各測定ポイントの結果を溶媒対照(0.1%DMSO)と関連付ける。
【0286】
結果
図2に、インタクトの内皮を有しフェニレフリン(PE、300nM)で予め収縮させたラット大動脈リング(図2A)、予め高グルコース(25mM)に曝露したラット大動脈リング(図2B)、一酸化窒素合成酵素阻害剤L−NAMEの存在下でのラット大動脈リング(図2C)および内皮不在下でのラット大動脈リング(図2D)の濃度依存性弛緩を示す。
【0287】
インタクトの内皮(図2A)では、本発明の化合物1vおよび1rの方がシルデナフィルよりも効力および効果が高い。表1に示したように、1vはPDE5を阻害する効力が1rの40倍であったが、1vが1rとほぼ同程度の効力および効果を示しているのは注目に値する。上記の所見は、曝露の間に1vがそのNO放出によって一部1rに変換されたことを示していると思われる。
【0288】
ラット大動脈リングを予め高グルコース(25mM)に曝露すると、内皮での一酸化窒素生成が減少することにより、高血糖症による内皮機能障害の状態が再現されることが記載されている(Dhar I,Dhar A,Wu L,Desai K(2012).Arginine attenuates methylglyoxal−and high glucose−induced endothelial dysfunction and oxidative stress by an endothelial nitric−oxide synthase−independent mechanism.J Pharmacol Exp Ther 342:196−204)。図2Bから、このような条件下では1vの方が1rよりも明らかに効力が高く効果的であったことがわかる。後者の場合、効力および効果が低いのは、内皮細胞から一酸化窒素が失われ、それにより可溶性グアニル酸シクラーゼを生成するcGMPの活性化が低下することによるものである可能性が極めて高い。これに対し、1rと比較してさらにONO基を含む1vの方が優れているのは、PDE5阻害に伴うNO放出に起因するものと考えられる。このような1vなどの二重薬理作用NO放出PDE5阻害剤は、糖尿病患者の治療に極めて有益であると考えられる。この理論および見解に束縛されるわけではないが、1vが大動脈平滑筋細胞内に入ると、酵素的/非酵素的過程により「生理的に活性化され」て、より強力なPDE5阻害剤1rおよび一酸化窒素になると考えられる。この一酸化窒素は、付加的なものにとどまらずに、低下した可溶性グアニル酸シクラーゼの活性を回復させ、PDE5阻害剤と相互作用する。この見解は、内皮の一酸化窒素生成をNOS阻害剤L−NAMEによって遮断する条件下(図2C)で、または内皮の機械的除去(図2D)により裏付けられる。インタクトの内皮と比較すると、効力および効果は、純粋なPDE5阻害剤1rが大幅に損なわれているのに対し、NO放出PDE5阻害剤1vは優れている。図2に示したデータの非線形回帰解析を図3に示す。
【0289】
効力(EC50)、効果(Emax)および40%の弛緩が得られた濃度を表2にまとめる。
【0290】
【表2】
【0291】
EC50およびEmaxに基づくと、1vはシルデナフィルと比較して、(i)インタクトの内皮を用いた実験では、PEで予め収縮させたラット大動脈リングを弛緩させる効力が約17倍であり、(ii)内皮の不在下では、PEで予め収縮させたラット大動脈リングを弛緩させる効力および効果が約95倍であり、(iii)L−NAMEの存在下では、PEで予め収縮させたラット大動脈リングを弛緩させる効力および効果が約22倍であり、(iv)最も重要なことに、インタクトの内皮を有するが実験開始前に予め高グルコース(25mM)に60分間曝露しPEで予め収縮させたラット大動脈リングを弛緩させる効力および効果が約110倍であった。したがって、参照PDE5阻害剤シルデナフィルと関連させると、本発明のNO放出PDE5阻害剤1vは、PEで予め収縮させたラット大動脈リングの40%の弛緩を、(i)インタクトの内皮を有するもの、(ii)内皮を有さないもの、(iii)L−NAMEを添加したもの、(iv)高グルコースを添加したものについて、それぞれ約24分の1、130分の1未満、68分の1、1250分の1の濃度で達成したことになる。
【0292】
以上のデータをまとめると、1vまたはこれに対応し本発明のPDE5阻害剤を含有する硝酸エステルに関して例示およびデザインした本発明の新規で独創的な好ましい二重薬理学的方法は、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しPDE5を阻害することが強く裏付けられる。このような好ましい二重薬理学的方法は、特に内皮機能障害の状態にあり内皮細胞からの内因性NO生成に障害がある場合に、単独でPDE5阻害剤よりも優れたものとなる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D