(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルタポケットが、液体サンプルを受け入れるように構成された凹部を有するサンプル入口、フィルタランディング、及び前記液体サンプルの受け入れ時に空気が排気されることを可能にするように構成されたベントを備える、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
前記乾燥試薬ゾーンが、前記サンプルを前記試薬ゾーンの親水性領域に維持するように構成された、キャピラリフローに垂直な高さを有する疎水性インク壁を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004] マイクロ流体デバイスは、一般に、マイクロ流体デバイス内に配置されたキャピラリフローチャネルを含み、キャピラリフローチャネルは、近位開口部及び遠位開口部と、近位開口部に配置されたフィルタポケットと、フィルタポケットに対して遠位に配置された混合ウェルと、混合ウェルに対して遠位に配置された試薬を収容する乾燥試薬ゾーンと、乾燥試薬ゾーンに対して遠位に配置されたピンチ領域と、ピンチ領域に対して遠位に配置された検出ゾーンとを備え、フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンは、流体連通している。
【0006】
[0005] ある態様では、フィルタポケットは、ヒトの指の穿刺からの血液体積を受け入れるように構成された凹部を有するサンプル入口、フィルタランディング、及び液体サンプルの受け入れ時に空気が排気されることを可能にするように構成されたベントを含む。
【0007】
[0006] 他の態様では、フィルタランディングは、フィルタポケットの遠位縁から延びる隆起したプラトーを含む。
【0008】
[0007] ある実施形態では、フィルタポケットは、およそ25から75マイクロリットルまでの間の総体積の血液を受け入れるように構成することができる。
【0009】
[0008] ある実施形態では、フィルタポケットは、およそ1から10マイクロリットルまでの間の総体積の血液を受け入れるように構成される。
【0010】
[0009] 他の実施形態では、フィルタポケットは、血液を含むサンプルの血漿から赤血球を分離するように構成されたフィルタを含む。
【0011】
[0010] ある実施形態では、フィルタポケットは、血漿をサンプル入口からフィルタランディングへ誘導するために配置されたキャットウォークストリップをさらに備える。
【0012】
[0011] 他の実施形態では、混合ウェルは、長さ、幅、深さを有するボウル形状を有し、ウェルは、濾過された液体サンプルを毛管作用により移動させるように構成される。
【0013】
[0012] 他の実施形態では、混合ウェルは、およそ2〜6mmの直径及び125〜225μmの深さを有する。
【0014】
[0013] ある態様では、乾燥試薬ゾーンは、試薬ゾーンの床部に置かれる試薬を含み、試薬ゾーンは、乾燥試薬を濾過された液体中で再構成するように構成される。
【0015】
[0014] ある態様では、乾燥試薬ゾーンは、サンプルを試薬ゾーンの親水性領域に維持するように構成された、キャピラリフローに垂直な高さを有する疎水性インク壁を含む。
【0016】
[0015] ある態様では、乾燥試薬ゾーンは、1〜3mmの幅、6〜18mmの長さ、及びおよそ50〜100μmの深さを有する。
【0017】
[0016] 一態様では、ピンチ領域は、試薬に対して遠位に配置され、濾過された液体は、毛管作用によりピンチ領域を通って検出ゾーンへ移動される。
【0018】
[0017] いくつかの態様において、ピンチ領域は、サンプルが試薬と接触するためのインキュベーション時間を増加させ、濾過された液体サンプルを毛管作用により移動させ、これにより、流体の流量を受動的に制御するべく、ローブと共に構成される。ピンチは、およそ10mm〜75mm、例えば10mm、18mm、36mm、48mm、又は75mmの長さを有することができる。ピンチは、およそ150μm〜250μm、例えば、150μm、215μm、又は250μmの幅を有することができる。ピンチは、およそ33μm〜85μm、例えば33μm、50μm、78μm、又は85μmの深さを有することができる。
【0019】
[0018] 特許請求されるマイクロ流体デバイスにおける血漿及び血液の流量は、キャピラリフローチャネル内の位置に応じて1nl/secから120nl/secまでの間で変えることができる。
【0020】
[0019] ある態様では、濾過成分混合ウェルにおける血漿の流量は、およそ80nl/secなどの60〜100nl/secまでの間とすることができる。濾過成分混合ウェルにおける血液の流量は、およそ40nl/secなどの35から55nl/secまでの間とすることができる。
【0021】
[0020] 乾燥試薬ゾーンにおける血漿の流量は、およそ60nl/secなどの40から80nl/secまでの間とすることができる。乾燥試薬ゾーンにおける血液の流量は、およそ45nl/secなどの25から70nl/secまでの間とすることができる。
【0022】
[0021] ピンチ領域における血漿の流量は、およそ4.5nl/secなどの2.5から7nl/secまでの間とすることができる。ピンチ領域における血液の流量は、およそ3.5nl/secなどの1nl/secから10nl/secまでの間とすることができる。
【0023】
[0022] 検出ゾーンにおける血漿の流量は、およそ14nl/secなどの7〜21nl/secまでの間とすることができる。検出ゾーンにおける血液の流量は、およそ12nl/secなどの6〜18nl/secまでの間とすることができる。
【0024】
[0023] いくつかの態様において、ピンチ領域は、サンプルが試薬と接触するためのインキュベーション時間を増加させ、流体の流量を受動的に制御するように構成された、2つ以上のローブを有する。
【0025】
[0024] いくつかの態様において、ピンチ領域は、キャピラリフローチャネルの幅の1/2の幅を有する。
【0026】
[0025] いくつかの態様において、ピンチ領域は、キャピラリフローチャネルの幅の1/4の幅を有する。
【0027】
[0026] いくつかの実施形態では、ピンチ領域は、キャピラリフローチャネルの幅の1/6の幅を有する。
【0028】
[0027] いくつかの実施形態では、ピンチ領域は、キャピラリフローチャネルの幅の1/10の幅を有する。
【0029】
[0028] いくつかの態様において、ピンチ領域は、少なくとも50μm、少なくとも75μm、又は少なくとも100μmの深さを有する。
【0030】
[0029] いくつかの態様において、検出ゾーンは、液体サンプルを受け入れ、液体サンプル中の1つ以上のターゲットの存在を判定するように構成される。
【0031】
[0030] いくつかの態様において、検出ゾーンは、特定の分析物と結合し、検出ゾーンを通過する液体が取り込みスポットと確実に十分に接触するようにし、応答を測定するべく信号を提供するように構成された、少なくとも1つの固相取り込みスポットを含む。
【0032】
[0031] 他の態様では、マイクロ流体デバイスは、検出ゾーンの長さに沿って直接に配列された2つ以上の固相取り込みスポットを含む。
【0033】
[0032] いくつかの態様において、固相取り込みスポットは丸みを帯びている。
【0034】
[0033] 他の態様では、固相取り込みスポットは長方形である。
【0035】
[0034] いくつかの態様において、固相取り込みスポットは、読取り装置により測定される信号を提供する。
【0036】
[0035] いくつかの実施形態では、少なくとも1つの固相取り込みスポットは、制御部として作用する。
【0037】
[0036] 他の態様では、読取り装置は走査型蛍光光度計である。
【0038】
[0037] 他の態様では、信号は、応答を校正されたモデルと相関させ、応答の強度を測定するソフトウェアにより処理される。
【0039】
[0038] 他の態様では、試薬は、検出可能な標識及びターゲットに関するバインダを含むコンジュゲートを含む。
【0040】
[0039] ある態様では、検出ゾーンは、ターゲットに関するバインダ又はコンジュゲートとターゲットの複合体を含む。
【0041】
[0040] 他の態様では、マイクロ流体デバイスは、検出ゾーンの洗浄中に過剰液体サンプルを保持するように構成された廃液チャネルをさらに備える。
【0042】
[0041] 他の態様では、基板の一部は廃液チャネルを覆い、該一部は、流量を増加させ且つ洗浄時間を減少させるべく疎水性インクでプリントされる。
【0043】
[0042] 他の態様では、廃液チャネルは、3〜7mmの長さ、50〜90mmの長さ、及びおよそ25〜40μmの深さを有する。
【0044】
[0043] 他の態様では、チャネルは、上側基板と下側基板との間に配置される。
【0045】
[0044] ある態様では、下側基板は、第1の深さを有する第1の部分と、第1の深さよりも小さい第2の深さを有する第2の部分を備える。
【0046】
[0045] 他の態様では、第1の深さは、第2の深さよりも少なくとも約1.5〜2倍大きい。
【0047】
[0046] 他の態様では、第1の深さを有する部分は凸形であり、第2の深さを有する部分は平坦である。
【0048】
[0047] 他の態様では、マイクロ流体デバイスは、フィルタの下面と下側基板の上面との間の高さd4を有するギャップをさらに備え、高さdは、フィルタの下面の中央縦軸から下側基板の第1の深さを有する部分の外周に向けて増加する。
【0049】
[0048] ある態様では、フィルタの下面の中央部に接触する下側基板の表面の一部は、第1の深さを有する下側基板の一部にある。
【0050】
[0049] 他の態様では、フィルタの下面と下側基板の表面との間のギャップの高さは、基板の第1の深さを有する部分の外周から下側基板の第2の深さを有する部分の外周にかけて一定である。
【0051】
[0050] 他の態様では、マイクロ流体デバイスは、基板の第2の深さよりも小さい第3の深さを有する部分をさらに備える。
【0052】
[0051] 他の態様では、第3の深さは、第2の深さの約半分である。
【0053】
[0052] 他の態様では、第1の深さは、混合ウェルの高さにより画定される。
【0054】
[0053] 他の態様では、第2の深さは、乾燥試薬ゾーンの高さにより画定される。
【0055】
[0054] ある態様では、第3の深さは、検出ゾーンに対して遠位に配置された廃液チャネルの高さにより画定される。
【0056】
[0055] 他の態様では、下側基板は、プラトーにより画定される第4の深さをさらに含み、プラトーは、フィルタポケットの凹部の中に配置される。
【0057】
[0056] 他の態様では、フィルタポケットは、濾過された液体を毛管作用によりキャピラリチャンバに沿ってキャピラリチャネルの混合ウェルへ移動させるように構成される。
【0058】
[0057] 他の実施形態では、混合ウェルは、濾過された液体を毛管作用によりキャピラリチャンバに沿ってキャピラリチャネルのピンチ領域へ移動させるように構成される。
【0059】
[0058] ある実施形態では、キャピラリフローチャネルの残りに比べてより大きい深さを有する混合ウェルは、濾過成分の濃縮を抑制し、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするように構成される。
【0060】
[0059] ある態様では、混合ウェルは、およそ125〜200μmの深さを有する。他の態様では、混合ウェルは、およそ175μmの深さを有する。
【0061】
[0060] ある態様では、請求項1に記載のマイクロ流体デバイスは、キャピラリフローチャネルの近位部内に配置される液体サンプルと、液体サンプルは、試薬に対して近位のキャピラリフローチャネル内に配置された気液界面を備え;液体サンプルの気液界面に対して遠位のキャピラリフローチャネル内に配置されたガスと;をさらに備え、その圧力は、液体サンプルがキャピラリチャネルに沿って試薬の方へ前進するのを防ぐのに十分である。
【0062】
[0061] ある実施形態では、サンプル中のターゲットを検出するための方法は、マイクロ流体デバイスをマイクロ流体デバイスに関する読取り装置と共に動作可能な関係性に位置決めすることと、マイクロ流体デバイスは、近位開口部及び遠位開口部を備えるキャピラリフローチャネルを備え;サンプルを、キャピラリフローチャネルの近位部にあるフィルタポケットに導入することと、フィルタポケットは、液体サンプルを生成するべくサンプルの液体部分を分離し;液体サンプルを、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするべく混合ウェルに通すことと;混合ウェルからの液体サンプルを、乾燥試薬を液体サンプル中で再構成するように構成された乾燥試薬ゾーンに通すことと;乾燥試薬ゾーンからの液体サンプルを、減少した拡散距離でインキュベートするための試薬の付加的な時間をもたらすことによりアッセイの感度を高めるように構成されたピンチ領域に通すことと;ピンチ領域からの液体サンプルを、ターゲットの存在を検出するように構成された検出ゾーンに通すことと;検出ゾーンにおいて固相取り込みスポットと接触させることと;固相取り込みスポットからの信号を読み取ることと;検出ゾーンからの液体サンプルを、検出ゾーンの洗浄からの過剰液体サンプルを保持するように構成された廃液チャネルに通すことを含む。
【0063】
[0062] さらに他の実施形態では、マイクロ流体デバイスを製造するための方法は、上側基板と下側基板との間にキャピラリフローチャネルを位置決めすることと、キャピラリフローチャネルは近位開口部及び遠位開口部を備え;キャピラリフローチャネルの近位部にフィルタポケットを接続することと、フィルタポケットは、液体サンプルを生成するべくサンプルの液体部分を分離し、液体サンプルの遠位気液界面に作用するガス圧力が液体サンプルがキャピラリフローチャネルに沿ってさらに前進するのを防ぐまで液体サンプルを毛管流動によりキャピラリフローチャネルの一部のみに沿って前進させるように構成され;混合ウェルをフィルタポケットに対して遠位に位置決めすることと、混合ウェルは、濾過成分の濃縮を抑制し、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするように構成され;乾燥試薬ゾーンを混合ウェルに対して遠位に位置決めすることと、乾燥試薬ゾーンは、乾燥試薬を液体サンプル中で再構成するように構成され;ピンチ領域を乾燥試薬ゾーンに対して遠位に位置決めすることと、ピンチ領域は、減少した拡散距離でインキュベートするための試薬の付加的な時間をもたらすことによりアッセイの感度を高めるように構成され;検出ゾーンをピンチ領域に対して遠位に位置決めすることと、検出ゾーンは、ターゲットの存在を検出するように構成され;廃液チャネルを検出ゾーンに対して遠位に位置決めすることと;を含み、廃液チャネルは、検出ゾーンの洗浄からの過剰液体サンプルを保持するように構成され、フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンはすべて流体連通する。
【0064】
[0063] さらに他の実施形態では、マイクロ流体デバイスを製造するための方法は、廃液チャネルを覆う上側基板の表面上に疎水性インクをプリントすることを含み、疎水性インクは、流量を増加させ且つ洗浄時間を減少させるように構成される。
【0065】
[0064] さらに他の実施形態では、マイクロ流体デバイスはまた、キャピラリフローチャネルの遠位開口部と流体連通するポンプをさらに含むことができる。
【0066】
[0065] 他の実施形態では、デバイスは、液体サンプルの少なくとも気液界面が試薬と接触するまで液体サンプルをキャピラリフローチャネルに沿って前進させるのに十分な量だけキャピラリフローチャネルの中のガス圧力を減少させるべくポンプを作動させるように構成された、コントローラをさらに含むことができる。
【0067】
[0066] さらに他の実施形態では、読取り装置は、ポンプがキャピラリフローチャネルの遠位開口部から離れる方へ移動した後で、光励起源及び光学検出器を検出ゾーンと光学連通する状態に配置するように構成される。
【0068】
[0067] 基板の表面の少なくとも一部は、凸形であってよく、及び/又はテーパしてよい。
【0069】
[0068] 上記のフィルタのいずれかにおいて、フィルタの下面と基板の表面との間のギャップは、少なくとも2つの相対する方向に沿ってフィルタの下面の中央部から外周部に向けて増加してよい。相対する方向のそれぞれにおいて、ギャップは、約10ミクロン、例えば、約15ミクロン、約20ミクロンから増加してよい。相対する方向のそれぞれにおいて、ギャップは、約50ミクロンに、約75ミクロンに、100ミクロンに、約200ミクロンに、約300ミクロンに、約500ミクロンに増加してよい。相対する方向のそれぞれにおいて、ギャップは、少なくとも約750ミクロン、少なくとも約1500ミクロン、少なくとも約2000ミクロンの横方向の距離にわたって増加してよい。相対する方向のそれぞれにおいて、ギャップは、約5000ミクロン以下、約3000ミクロン以下、約2500ミクロン以下の距離にわたって増加してよい。
【0070】
[0069] 上記のフィルタのいずれかにおいて、基板の表面の一部は、フィルタの下面の中央部と接触してよい。
【0071】
[0070] 上記のフィルタのいずれかにおいて、フィルタは長さ及び幅を有してよく、基板の表面の一部は、フィルタの長さの実質的にすべてに沿ってフィルタの下面の中央部と接触してよい。フィルタの長さは、フィルタの幅の少なくとも約1.25倍、例えば、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍の大きさであってよい。フィルタの長さは、フィルタの幅とほぼ同じであってよい。フィルタの長さは、少なくとも約2mm、例えば、少なくとも約3mm、例えば、少なくとも約5mm、例えば、少なくとも約7.5mm、例えば、少なくとも約10mmであってよい。フィルタの長さは、約15mm以下、例えば、約10mm以下であってよい。フィルタの幅は、少なくとも約2mm、例えば、少なくとも約2mm、例えば、少なくとも約3mm、例えば、少なくとも約5mm、例えば、少なくとも約7.5mm、例えば、少なくとも約10mmであってよい。フィルタの幅は、約15mm以下、例えば、約10mm以下、約7.5mm以下、約5mm以下であってよい。
【0072】
[0071] 基板の表面の一部がフィルタの下面と接触する上記のフィルタのいずれかにおいて、基板の表面は、フィルタの幅の約半分未満、例えばフィルタの幅の約4分の1未満、例えばフィルタの幅の約1/8未満に沿ってフィルタの下面と接触してよい。基板の表面の一部がフィルタの下面と接触する上記のフィルタのいずれかにおいて、基板の表面は、フィルタの長さの少なくとも約半分、例えば、フィルタの長さの少なくとも約3/4、例えば、フィルタの長さの少なくとも約4/5、フィルタの長さの少なくとも約9/10、例えば、フィルタの長さの実質的にすべてに沿ってフィルタの下面と接触してよい。フィルタの下面と接触する基板の一部は、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mm、少なくとも約10mmのフィルタの長さに沿ってフィルタと接触してよい。フィルタの下面と接触する基板の一部は、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約200ミクロン、少なくとも約300ミクロン、少なくとも約500ミクロンのフィルタの幅に沿ってフィルタと接触してよい。フィルタの下面と接触する基板の一部は、約1000ミクロン以下、約750ミクロン以下、約500ミクロン以下のフィルタの幅に沿ってフィルタと接触してよい。
【0073】
[0072] 上記のフィルタのいずれかにおいて、基板の表面の一部は、フィルタの第1の寸法に沿って及びフィルタの第2の寸法に沿ってフィルタの下面の中央部と接触してよく、フィルタの第1の寸法に沿って接触する距離は、フィルタの第2の寸法に沿った場合の少なくとも約5倍大きい、少なくとも約7.5倍大きい、少なくとも約10倍大きくてよく、第1の寸法と第2の寸法は垂直であってよい。
【0074】
[0073] 上記のフィルタのいずれかは、フィルタの下面と基板の表面との間のスペースと流体連通する開口部を有するキャピラリフローチャネルをさらに備えてよい。
【0075】
[0074] 上記のフィルタのいずれかは、フィルタの下面と基板の表面との間のスペースと流体連通するベントをさらに備えてよい。キャピラリチャネルの開口部とベントは、フィルタの長さ又は幅の実質的にすべてだけ離間されてよい。
【0076】
上記のフィルタのいずれかは、孔を備えてよく、孔のサイズは、フィルタの上面からフ[0075]ィルタの下面にかけて減少してよい。
【0077】
[0076] 上記のフィルタのいずれかは、血液のサンプルから赤血球を分離し、血液のサンプルの液体成分の通過を可能にするように構成されてよい。
【0078】
[0077] 上記のフィルタのいずれかにおいて、フィルタの下面は、少なくとも1つの寸法に沿って凸形であってよく又はテーパしてよい。フィルタの下面は、それに沿ってフィルタの下面が基板の表面と接触するフィルタの寸法に垂直な寸法に沿って凸形であってよく又はテーパしてよい。
【0079】
[0078] 上記のフィルタのいずれかにおいて、基板の表面の一部は、フィルタの第1の寸法に沿って及びフィルタの第2の寸法に沿ってフィルタの下面の中央部と接触してよく、フィルタの第1の寸法に沿って接触される距離は、フィルタの第2の寸法に沿った場合の少なくとも約5倍、例えば、少なくとも約7.5倍、例えば、少なくとも約10倍大きくてよく、第1の寸法と第2の寸法は垂直であってよく、さらに、フィルタの下面は、フィルタの第2の寸法に沿って凸形であってよく又はテーパしてよい。
【0080】
[0079] ある実施形態では、患者サンプル中の心筋トロポニンの存在又は欠如を判定するための方法は、存在する場合、トロポニンの結合パートナー及び検出可能な分子を含む標識でトロポニンを標識することと、ハンドヘルドアッセイにおける標識の存在又は欠如を判定することによりサンプル中のトロポニンを検出することとを含み、標識の存在の検出は、サンプル中のトロポニンの存在を示し、アッセイは、正規基準母集団の99
thパーセンタイルで約10%未満の変動係数を有する。
【0081】
[0080] 他の実施形態では、患者サンプル中の心筋トロポニンの存在又は欠如を判定するための方法は、存在する場合、トロポニンの結合パートナー及び検出可能な分子を含む標識でトロポニンを標識することと、ハンドヘルドアッセイにおける標識の存在又は欠如を判定することによりサンプル中のトロポニンを検出することとを含み、標識の存在の検出は、サンプル中のトロポニンの存在を示し、アッセイは、約20%未満の変動係数と共に約3pg/mLの定量限界を有する。
【0082】
[0081] トロポニンは、心筋トロポニンI(cTnI)とすることができる。トロポニンは、心筋トロポニンT(cTnT)とすることができる。ある実施形態では、トロポニンは、cTnIとcTnTの複合体とすることができる。
【0083】
[0082] ある実施形態では、結合パートナーは、トロポニンに特異的な抗体を含む。
【0084】
[0083] ある実施形態では、患者サンプルは、血液、血清、又は血漿サンプルである。サンプルは、血液及び血漿サンプルとすることもできる。
【0085】
[0084] ある実施形態では、ハンドヘルドアッセイにおける標識の存在又は欠如は、患者サンプルをアッセイに適用する際の18分以下又は16分以下などの20分以内に判定することができる。
【0086】
[0085] ある実施形態では、サンプル中のトロポニンは、マイクロ流体デバイスを含むハンドヘルドアッセイにおける標識の存在又は欠如を判定することにより検出することができる。
【0087】
[0086] 他の実施形態では、サンプル中のトロポニンは、特許請求されるマイクロ流体デバイスを含むハンドヘルドアッセイにおける標識の存在又は欠如を判定することにより検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0089】
[0114]
図1A〜
図7を参照すると、マイクロ流体デバイス20は、液体サンプル中に存在する1つ以上のターゲットの判定のために液体サンプルを受け入れるように構成される。マイクロ流体デバイス20は、下側基板面21及び上側基板面23で形成され、それらの間に、近位開口部27と、キャピラリチャネル25の遠位部30に隣接して配置されたベント29とを有する、キャピラリフローチャネル25が画定される。キャピラリフローチャネル25内に試薬ゾーン41及び
検出ゾーン43が配置される。マイクロ流体デバイス20は、上側基板23を通るサンプル導入ポート31をさらに含む。ポート31を介してマイクロ流体デバイスに液体サンプルが導入される。
【0090】
[0115] マイクロ流体デバイスは、キャピラリフローチャネルを通る流体の流量を受動的に制御するように設計されたコンポーネントと共に構成される。
【0091】
[0116] 本出願は、2017年3月7日に出願されたPCT/US2017/021211の主題を参照により組み込んでいる。
【0092】
[0117] マイクロ流体システムは、下面及び上面を有する基板と、その上面とその下面との間に配置され、近位開口部及び遠位開口部を備えるキャピラリフローチャネルと、キャピラリフローチャネルの近位部と流体連通するフィルタランディング及び液体サンプルの受け入れ時に空気が排気されることを可能にするように構成されたフィルタポケットベントを有するフィルタポケットと、フィルタポケットに対して遠位に配置された混合ウェルと、混合ウェルに対して遠位に配置された試薬ゾーンの床部上に試薬を備える乾燥試薬ゾーンと、乾燥試薬ゾーンに対して遠位に配置されたピンチ領域と、ピンチ領域に対して遠位に配置された検出ゾーンと、キャピラリフローチャネルを受け入れ、液体サンプル中の1つ以上のターゲットの存在を判定するように構成された読取り装置と、を備え、フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンは、流体連通している。
【0093】
[0118] マイクロ流体システムは、キャピラリフローチャネルの近位部内に配置される液体サンプルであって、試薬に対して近位のキャピラリフローチャネル内に配置された気液界面を備えた液体サンプルと、液体サンプルの気液界面に対して遠位のキャピラリフローチャネル内に配置されたガスと、をさらに含むことができ、その圧力は、液体サンプルがキャピラリチャネルに沿って試薬の方へ前進するのを防ぐのに十分である。
【0094】
[0119] サンプル中のターゲットを検出するための方法は、近位開口部及び遠位開口部を有するキャピラリフローチャネルを備えたマイクロ流体デバイスをマイクロ流体デバイスに関する読取り装置と共に動作可能な関係性に位置決めすることと、キャピラリフローチャネルの近位部にあるフィルタポケットであって、液体サンプルを生成するべくサンプルの液体部分を分離し、液体サンプルの遠位気液界面に作用するガス圧力が液体サンプルがキャピラリフローチャネルに沿ってさらに前進するのを防ぐまで液体サンプルを毛管流動によりキャピラリフローチャネルの一部のみに沿って前進させるフィルタポケットにサンプルを導入することと、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするべく液体サンプルを混合ウェルに通すことと、混合ウェルからの液体サンプルを、乾燥試薬を液体サンプル中で再構成するように構成された乾燥試薬ゾーンに通すことと、乾燥試薬ゾーンからの液体サンプルを、減少した拡散距離でインキュベートするための試薬の付加的な時間をもたらすことによりアッセイの感度を高めるように構成されたピンチ領域に通すことと、ピンチ領域からの液体サンプルを、ターゲットの存在を検出するように構成された検出ゾーンに通すことと、検出ゾーンからの液体サンプルを、検出ゾーンの洗浄からの過剰液体サンプルを保持するように構成された廃液チャネルに通すこと、を含むことができる。
【0095】
[0120] マイクロ流体デバイスを製造するための方法は、近位開口部及び遠位開口部を有するキャピラリフローチャネルを基板内に位置決めすることと、キャピラリフローチャネルの近位部にフィルタポケットを接続することであって、フィルタポケットは、液体サンプルを生成するべくサンプルの液体部分を分離し、液体サンプルの遠位気液界面に作用するガス圧力が液体サンプルがキャピラリフローチャネルに沿ってさらに前進するのを防ぐまで液体サンプルを毛管流動によりキャピラリフローチャネルの一部のみに沿って前進させるように構成された、フィルタポケットを接続することと、濾過成分の濃縮を抑制し、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするように構成された混合ウェルを、フィルタポケットに対して遠位に位置決めすることと、乾燥試薬を液体サンプル中で再構成するように構成された乾燥試薬ゾーンを混合ウェルに対して遠位に位置決めすることと、減少した拡散距離でインキュベートするための試薬の付加的な時間をもたらすことによりアッセイの感度を高めるように構成されたピンチ領域を乾燥試薬ゾーンに対して遠位に位置決めすることと、ターゲットの存在を検出するように構成された検出ゾーンをピンチ領域に対して遠位に位置決めすることと、廃液チャネルを検出ゾーンに対して遠位に位置決めすることと、を含むことができ、廃液チャネルは、検出ゾーンの洗浄からの過剰液体サンプルを保持するように構成され、フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンはすべて流体連通する。
【0096】
[0121] マイクロ流体デバイスを製造するための方法はまた、廃液チャネルを覆う基板の表面上に疎水性インクをプリントすることを含むことができ、疎水性インクは、流量を増加させ、且つ洗浄時間を減少させるように構成される。
【0097】
[0122] デバイス、システム、又は方法は、1つ以上のターゲットの存在を判定するのに例えば免疫学(抗体の使用などを通じて)及び/又は電気化学を使用してよい。方法はまた、液体サンプルをキャピラリフローチャネルの近位部に導入することと、液体サンプルの少なくとも遠位気液界面がキャピラリフローチャネル内に乾燥した形態で配置されたコンジュゲートと接触するまで液体サンプルをキャピラリフローチャネルの遠位部の方へ第1の流量で前進させることであって、コンジュゲートは、ターゲットに対する親和性を有する結合剤を含む、第1の流量で前進させることと、その後、液体サンプルの近位気液界面と液体サンプルの遠位気液界面とのガス圧力差を増加させることにより、少なくとも遠位気液界面がキャピラリフローチャネル内で検出ゾーンと接触するまで液体サンプルをキャピラリフローチャネルの遠位部の方へ第2の流量で前進させることであって、検出ゾーンは、コンジュゲート及びターゲットを含む複合体に対する親和性を有する第2の結合剤を備え、第2の流量は第1の流量よりも遅い、第2の流量で前進させることと、その後、液体サンプルの近位気液界面と遠位気液界面とのガス圧力差を増加させることにより、コンジュゲートの少なくとも大部分が第2の結合剤に結合される及び/又は検出ゾーンを越えてキャピラリフローチャネルの遠位端の方へ前進するまで液体サンプルをキャピラリフローチャネルの遠位部の方へ第3の流量で前進させること、を含むことができる。
【0098】
[0123]
図1Aを参照すると、マイクロ流体デバイスは、混合ウェル210及びピンチ領域230を含むことができる。マイクロ流体デバイスは、入口又はポート31を有する
フィルタ33、キャピラリフローチャネル25の近位部と流体連通するフィルタランディング202、及び液体サンプルの受け入れ時に空気が排気されることを可能にするように構成された
ベント49を含む、下側基板を有することができる。
図7は、
図4A及び
図4B、並びに
図5、
図6A、及び
図6Bにより詳細に描画される
図1Aの断面を示す。
図8は、サンプルフィルタが除去されている、
図1Aのマイクロ流体デバイスの斜視上面図である。
【0100】
[0125]
図1A及び
図1Bを参照すると、マイクロ流体デバイスは、サンプル入口31を有する
フィルタ33を含むことができる。フィルタポケットは、キャットウォーク204及び
フィルタランディング202をさらに含むことができる。キャットウォークは、フィルタポケットの長さと平行に延びる長さを有し、且つ遠位端において近位端でよりも広い幅を有する細長いストリップとすることができる。遠位端は、収集したサンプルを毛管力などの受動流体制御技術のマイクロ流体力学原理に基づいて混合ウェル及び診断レーン又は検出ゾーンに誘導するべく先細りしている。
【0101】
[0126]
図1A及び
図2の斜視図からの
図1Aのマイクロ流体デバイスの拡大図である
図3Aを参照すると、フィルタポケットは、キャットウォーク204及びフィルタランディング202をさらに含むことができる。
【0102】
[0127] フィルタランディング202は、キャピラリフローチャネルの近位部、及び液体サンプルの受け入れ時に空気が排気されることを可能にするように構成されたフィルタポケットベントと流体連通する。フィルタランディングは、フィルタポケットの遠位縁から延びる隆起したプラトーとして構造化される。
【0103】
[0128] フィルタポケットは、下側基板21と上側基板23との間に配置されるフィルタ、上面35、及び下面37を含む。フィルタの上面35は、通常は、上面35への適用により微粒子、例えば赤血球又は白血球などの細胞を含む、液体サンプル、例えば血液又は尿を受け入れ、下面37を通じて、低減した数のこのような微粒子を有する、例えば、このような微粒子を本質的に含有しない、濾過された液体サンプルをもたらすように構成される。ある実施形態では、フィルタポケットは、例えば、指の穿刺の血液体積に関連した小さいサンプル体積を取り込むように設計及び寸法設定される。これは、デバイスがケアの時点で又はさらには特定の状況でエンドユーザにより用いられることを可能にする。
【0104】
[0129] ある実施形態では、フィルタは、上面35から下面37にかけて減少する直径又はサイズを有する
突起47を含む。孔は、規則的なパターンに又は代替的によりランダムな構成に位置決めすることができる。孔のサイズ変化は、通常は、表面35に適用される液体サンプル中の微粒子がフィルタ33の内部へ進むがフィルタ33の第2の表面37を通過しないように構成される。フィルタはまた、1つ以上の緩衝液、1つ以上の抗凝血薬、1つ以上の塩、1つ以上の安定薬、1つ以上のタンパク質阻害薬タンパク質、又は1つ以上のこのような試薬の組み合わせなどの1つ以上の試薬を液体サンプルに送達するのに用いられてよい。付加的な又は代替的な試薬は、血液サンプル中の赤血球の溶血を減少させる試薬及び水性サンプルに関するフィルタの濡れ性を向上させる試薬を含む。
【0105】
[0130] マイクロ流体デバイスのフィルタポケットは、濾過された液体を毛管作用によりキャピラリチャンバに沿ってキャピラリチャネルの混合ウェルへ移動させるように構成することができる。同様に、混合ウェルは、濾過された液体を毛管作用によりキャピラリチャンバに沿ってキャピラリチャネルのピンチ領域へ移動させるように構成することができる。混合ウェルは、キャピラリフローチャネルの残りに比べてより大きい深さを有することができ、これにより、濾過成分の濃縮を抑制し、デバイス間の濾過成分の変動を最小にするように構成される。混合ウェルは、およそ125、150、175、200、又は225μmなどのおよそ125〜225μmの深さを有することができる。
【0106】
[0131] ある実施形態では、フィルタポケットは、ヒトの指の穿刺からの血液体積を受け入れるように構成されたポート31を有するサンプル入口を含む。フィルタポケットは、約75マイクロリットル、50マイクロリットル、30マイクロリットル、20マイクロリットル、15マイクロリットル、又は10マイクロリットルの総体積の血液を受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、フィルタポケットは、血液を含むサンプルの血漿から赤血球を濾過するように構成されたフィルタを備える。他の実施形態では、フィルタランディング202は、フィルタポケットの遠位縁から延びる隆起したプラトーを含む。他の実施形態では、フィルタポケットは、血漿をサンプル入口からフィルタランディングへ誘導するために配置されたキャットウォークストリップをさらに備える。
【0108】
[0133] 混合ウェル210は、フィルタポケットに対して遠位に且つ乾燥試薬ゾーンに対して近位に配置される。混合ウェルは、丸みのある形状、並びに近位開口部及び遠位開口部を有することができ、近位開口部はフィルタポケットと連通し、遠位開口部は乾燥試薬ゾーンと連通する。乾燥試薬ゾーンは、次に、ピンチ領域と連通する。混合ウェルは、キャビティを画定する長さ、幅、高さ、及び外周を有することができ、その幅は、少なくとも2つの相対する方向に沿って混合ゾーンの中央部から外周に向けて減少し、これにより、濾過された液体サンプルを毛管作用によりキャピラリチャネルの混合ウェルへ移動させるように構成される。ある実施形態では、混合ウェルは、化学添加剤を含有しないものとすることができ、他の実施形態では、混合ウェルは、化学添加剤のカクテルを含有することができる。
【0109】
[0134] ある実施形態では、混合ウェルは、キャビティを画定する長さ、幅、高さ、及び外周を有し、その幅は、少なくとも2つの相対する方向に沿って混合ゾーンの中央部から外周に向けて減少し、これにより、濾過された液体サンプルを毛管作用によりキャピラリチャネルの混合ウェルへ移動させるように構成される。ある態様では、血漿の流量は、濾過成分混合ウェルの中でおよそ80nl/secなどの60から100nl/secまでの間とすることができる。濾過成分混合ウェルにおける血液の流量は、およそ40nl/secなどの35から55nl/secまでの間とすることができる。
【0111】
[0136]
図1Cを参照すると、マイクロ流体デバイスは、乾燥試薬ゾーン220をさらに含むことができる。このゾーンは、液体サンプル中の1つ以上のターゲットの検出を容易にする1つ以上の試薬41を含む。このような試薬を試薬部95に堆積するための例示的な試薬及び技術が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,824,611号で説明される。
【0112】
[0137] 乾燥試薬ゾーン220は、試薬41が乾燥され、サンプル中で再構成されるチャネルの部分を指す。試薬及びターゲット(もしあれば)は、例えば、検出可能な標識が試薬ゾーンに存在する結合剤と結合することにより乾燥試薬ゾーンで化合及び/又は反応する。濾過された液体及び試薬が反応及び/又は化合することを可能にするのに十分な時間後に、毛管作用が、液体をキャピラリチャネル107に沿ってピンチ領域を通してさらに吸い出す。他の実施形態では、濾過された液体を移動させるべくポンプが作動されてもよい。乾燥試薬ゾーンにおける血漿の流量は、およそ60nl/secなどの40から80nl/secまでの間とすることができる。乾燥試薬ゾーンにおける血液の流量は、およそ45nl/secなどの25から70nl/secまでの間とすることができる。
【0114】
[0139] ピンチ領域230は、マイクロ流体デバイスの長さに実質的に垂直な方向に湾曲している又はローブしている(lobed)チャネルの一部を指す。これは、アッセイの感度を高め、ターゲット分析物及び試薬を減少した拡散距離でインキュベートすることを可能にするのに用いられる流体抵抗特徴である。これは、流体の流れ及び制御を最適化するように寸法設定される。チャネルの幅及び高さは、流れを止めずに毛管移動を促進するのに十分なだけ大きくされる必要がある。ピンチ領域の長さは、増加した滞留時間の関数として構造化することができ、流体移動を制約する。好ましい実施形態において、滞留時間は、流体の流れを妨げる及びテストの正確さを減少させることなく増強される。ピンチ領域230は試薬に対して遠位に配置され、濾過された液体サンプルは、毛管作用によりピンチ領域を通って検出ゾーンへ移動される。ピンチ領域は、濾過された液体サンプルを毛管作用により移動させ、これにより、流体の流量を受動的に制御するように構成される。ピンチ領域は、サンプルが試薬と接触するためのインキュベーション時間を増加させ、流体の流量を受動的に制御し、アッセイの感度を高めるべく、少なくとも1つのローブと共に構成される。他の実施形態では、ピンチ領域は、サンプルが試薬と接触するためのインキュベーション時間を増加させ、流体の流量を受動的に制御し、アッセイの感度を高めるように構成された、2つ以上のローブを有することができる。これにより、ピンチ領域は、大気圧の温度に影響されずに、その長さに沿って液体のより均一な分布を達成する。
【0115】
[0140] ある実施形態では、マイクロ流体デバイスは、ピンチ領域におけるチャネルがキャピラリフローチャネルの幅よりも小さい幅を有する、ピンチ領域230を有することができる。例えば、その幅は、キャピラリフローチャネルの幅の1/2、1/4、1/6、1/10以下とすることができる。ピンチ領域における血液の流量は、およそ3.5nl/secなどの1nl/secから10nl/secまでの間とすることができる。ピンチは、およそ10mm〜75mm、例えば10mm、18mm、36mm、48mm、又は75mmの長さを有することができる。ピンチは、およそ150μm〜250μm、例えば、150μm、215μm、又は250μmの幅を有することができる。ピンチは、およそ33μm〜85μm、例えば33μm、50μm、78μm、又は85μmの深さを有することができる。ある実施形態では、ピンチ領域における液体の流量は、1.0nl/sec〜10nl/secであり、ある実施形態では、流量は、少なくとも2.5nl/sec、少なくとも3.5nl/sec、少なくとも4.5nl/sec、少なくとも5.5nl/secである。ピンチ領域における血漿の流量は、およそ4.5nl/secなどの2.5から7nl/secまでの間とすることができる。ピンチ領域における血液の流量は、およそ3.5nl/secなどの1nl/secから10nl/secまでの間とすることができる。
【0117】
[0142] 検出ゾーンは、ピンチ領域に対して遠位に配置され、マイクロ流体デバイスの長さに概して平行なチャネルの診断レーンである。フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンは、マイクロ流体デバイス内で流体連通する。
【0118】
[0143] いくつかの実施形態では、検出ゾーンは、液体サンプルを受け入れ、液体サンプル中の1つ以上のターゲットの存在を判定するように構成される。検出ゾーンは、検出可能な標識及びターゲットに関するバインダを含むコンジュゲートを含む試薬を含むことができる。検出ゾーンはまた、ターゲットに関するバインダ又はコンジュゲートとターゲットの複合体を含むことができる。検出ゾーンにおける血漿の流量は、およそ14nl/secなどの7から21nl/secまでの間とすることができる。検出ゾーンにおける血液の流量は、およそ12nl/secなどの6から18nl/secまでの間とすることができる。
【0119】
[0144] マイクロ流体デバイスは、試薬部95と遠位部との間の約900ミクロンの幅を有するチャネル25を含む。ある実施形態では、チャネル25の幅は、少なくとも約500ミクロン、少なくとも約750ミクロン、少なくとも約850ミクロンである。チャネル25の幅は、約2500ミクロン以下、約2100ミクロン以下、又は約1750ミクロン以下であってよい。
【0120】
[0145] ある実施形態では、下側基板は、第1の深さを有する部分と、第1の深さよりも小さい第2の深さを有する部分を備える。いくつかの実施形態では、第1の深さは、第2の深さよりも少なくとも約2倍、少なくとも約1.8倍、又は少なくとも約1.5倍大きい。例えば、第1の深さは175μmとすることができ、第2の深さは75μmとすることができる。いくつかの実施形態では、第1の深さを有する部分は、凸形又はボウル形であり、第2の深さを有する部分は、平坦又は平面である。第1の深さは、混合ボウルの深さを指すことができ、第2の深さは乾燥試薬ゾーンの深さを指すことができる。
【0121】
[0146]
図1Dを参照すると、マイクロ流体デバイスは、診断レーン又は
検出ゾーン43をさらに含むことができる。検出ゾーンは、長方形又は丸みのある形状とすることができる、検出ゾーンの長さに沿って直接に配列される、固相取り込みスポット343(
図15参照)を含むことができる。固相スポットのうちの1つ以上は、検出部を通過する液体をテストスポットと確実に十分に接触するように制御し、信号応答が高すぎる又は低すぎると思われる場合に補正措置の機会を与えることができる。固相スポットのうちの1つ以上は、例えば蛍光信号などの信号を提供する特定の分析物又はマーカと結合するように設計することができる。固相スポットは、走査型蛍光光度計などの読取り装置により測定することができる。ソフトウェアは、蛍光光度計の読取値を特定の校正モデル又はアルゴリズムと相関させ、蛍光光度計の単位を信号応答の尺度として濃度値に変換することができる。
【0122】
[0147] 試薬及びターゲット(もしあれば)は、例えば、検出可能な標識が
検出ゾーン43に存在する結合剤と結合することにより検出ゾーンで化合及び/又は反応する。毛管作用が、ターゲットに結合していない試薬ゾーンからの実質的にすべての試薬がキャピラリチャネルに沿って
検出ゾーン43の遠位に移動されるまで、濾過された液体をキャピラリチャネルに沿ってさらに吸い出す。
【0123】
[0148] さらなる実施形態では、
図1Fを参照すると、マイクロ流体デバイス20は、温度可変蛍光を呈する組成物をさらに備える。例えば、第1の温度センサ500は、温度可変蛍光を有し、マイクロ流体デバイス20の遠位表面上に配置される、ある量の組成物を備え、第2の温度センサ520は、サンプルがマイクロ流体デバイス20に適用されるときに、温度センサ520が液体サンプル中で再構成され、キャピラリフローチャネル25に沿って移動するように、検出ゾーン43の領域においてキャピラリフローチャネル25の内面にしっかりと付着され得るか又は試薬部41内に提供され得るマイクロ粒子として提供される温度可変蛍光を有する或る量の組成物を備える。
【0124】
[0149] 第1の温度センサ500は、マイクロ流体デバイス20が光学読取り装置へ最初に挿入されるときに光学読取り装置の光学系によりインテロゲートされる。温度センサ500の測定された蛍光が、マイクロ流体デバイス20の第1の温度値を提供するべく格納されたプロフィールに対して比較される。第2の温度センサ520は、その後、マイクロ流体デバイス20の第2の温度値を提供するべく光学読取り装置の光学系によりインテロゲートされる。第1の温度値及び第2の温度値は、次いで、液体サンプル中のターゲットの存在又は量を判定するのに用いられる分析的アルゴリズムへ組み込まれてよい。取り込まれているターゲットに関係する検出ゾーン43で記録される信号は、アッセイ温度の関数として変化し得る。例えば、検出ゾーン43が免疫学的検定法を含むとき、可溶性のリガンドを取り込むべく表面固定化抗体が提供され、どの結合相互作用の動力学も温度の関数として変化することになる。このような効果は、サポートする液体の粘度の変化にさらに影響され得る、結合速度並びに解離速度の変化を含む場合がある。
【0125】
[0150] 温度センサは、温度依存の蛍光を呈する任意の適切な蛍光材料を用いて実装されてよい。このような材料の例は、量子ドット、ローダミンレッド、テトラメチルローダミン、及びカルボシアニド群からの染料を含むがこれらに限定されない。このような染料は、通常は、温度の関数としての発光ピークの大きさの差異を呈する。したがって、それぞれの第1及び第2の温度センサ(500、520)の蛍光強度に基づいてアッセイ温度の判定を可能にする校正プロフィールを作成することができる。
【0126】
[0151] マイクロ流体デバイス20のすぐ外部の温度、並びに内部の流体サンプルの温度の組み合わされた測定を通じて、センサ表面でのターゲットリガンドのより多い又は少ない取り込みからの結果である測定信号の変動を含む免疫学的検定法挙動に対する温度の影響を考慮に入れた温度補償アルゴリズムに基づいてアッセイ性能の向上を達成することができる。
【0127】
[0152] さらなる実施形態では、マイクロ流体デバイス20は、被検者から得られる血液のサンプル中の心筋トロポニンIの存在又は量を判定するように構成される。
図1Bを参照すると、マイクロ流体デバイス20は、乾燥試薬ゾーン220内に配置される蛍光粒子とコンジュゲートされる心筋トロポニンI(cTnI)と特異的に結合することができる第1の薬剤を備える。検出ゾーン43は、cTnIと特異的に結合することができる第2の薬剤を備え、該薬剤は、マイクロ流体デバイス20に適用されるサンプル内に存在する任意の心筋トロポニンIを取り込む及び局在化させるのに役立つように検出ゾーン43内で固定化される。マイクロ流体デバイス20に適用されるサンプル内にcTnIが存在するときに、検出ゾーン43内に複合体が形成され、結果的にサンプル内に存在するcTnIの量に比例する量の検出ゾーン43内の蛍光粒子の蓄積を生じるように、第1及び第2の薬剤は、両方ともcTnIと同時に結合することができる。同様のアッセイの特異的結合及び感度に関するさらなる詳細が、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/297,894号、米国特許第8,114,612号、及びWO96/33415に記載されている。
【0128】
[0153]
図1A〜
図1Eを参照して論じたマイクロ流体デバイス20に関して上記で説明した向上は、結果的にTnIに関するアッセイの臨床性能の向上をもたらした。一例では、高感度トロポニンテストに関するNational Institute for health and Care Excellence (NICE)ガイドラインに準拠するために、アッセイは、例えば参照により本明細書に組み込まれるwww.nice.org.uk/guidance/dgl5/chapter/l−Recommendationsに記載の厳しい性能基準を達成することが要求される。
【0129】
[0154] 特に、アッセイは、80%を超える臨床感度及び特異性を達成することが期待される。評価中に、アッセイは、99
thパーセンタイルで(41ng/Lで)84.8%の感度及び89.5%の特異性;97.5
thパーセンタイルで(14ng/Lで)91.1%の感度及び81.5%の特異性を有することが示された。
【0130】
[0155] アッセイは、正規の99
thパーセンタイル(基準母集団の上限)(41ng/L)で10%未満の変動係数を達成することが期待される。評価中に、アッセイは、15%CVで3ng/L(血漿)及び15%CVで4ng/L(全血)の定量限界(LOQ)
*を実証した。基準点
*25ng/L−5.4〜8.9%CV、15ng/L−4〜9.5%CV(全血)、25ng/L−4.3〜6.4%CV、15ng/L−5.2〜8.6%CV(血漿)。
*アッセイデバイスの6つの製造バッチにわたってテストした25人の被検者からのサンプルに基づく。
【0131】
[0156] アッセイはまた、血液で行った測定を血漿で行った測定と比較するときに5%未満のバイアスディファレンスを実証することが示された。アッセイはまた、99
thパーセンタイル付近の20%未満の許容総合誤差を実証した(期待される性能は、期待値の+/−20%以内の結果の95%であった)。
【0132】
[0157] さらなる全般的向上は、
図19に示すように、結果的に(20分の業界ベンチマークから)16分の結果への総時間をもたらした。業界基準は、20分での太い水平ラインにより示され、アッセイ性能データは、ひし形の点により示される。
【0133】
[0158]
図17及び
図18を参照すると、これらの結果は、6つの異なる製造バッチの範囲にわたる一般的なアッセイ性能を示す。
図17は、全血へスパイクされる25ng/L cTnIで判定されたアッセイの精度を表す。業界基準は、10%CVでの太い水平ラインにより示される。アッセイ性能データは、四角形の点により示される。
図18は、血漿へスパイクされる25ng/L cTnIで判定されたアッセイの精度を表す。業界基準は、10%CVでの太い水平ラインにより示される。アッセイ性能データは、四角形の点により示される。各場合に、グラフに示すように、平均分散は、製造パラメータ内で指定される10%閾値をはるかに下回る約4%〜約8%の範囲である。同様の業界基準が、例えば、同じく参照により本明細書に組み込まれるcirc.ahajournals.org/content/126/16/2020などの心筋梗塞に関する基準を記載する専門家の合意文書に記載される。
【0134】
[0159]
図15〜
図16などのある実施形態では、マイクロ流体デバイスは、読取り装置及びポンプをさらに含むことができる。濾過された液体及び試薬が特定の固相スポット343と反応及び/又は化合することを可能にするのに十分な時間後に、読取り装置は、遠位気液界面107に作用するガス圧力を減少させるのに十分な量だけ封入されたガスの体積を増加させるべくシリンジポンプ801を作動させることができる。
【0135】
[0160] ある実施形態では、検出ゾーンは、チャネルの長さに沿って相対する壁を有するチャネルとして形状設定され、壁の頂部は、UVスクライブラインにより挟まれる(flanked)。検出ゾーンの壁は、疎水性インクでコーティングすることができ、インクは、タイムゲート又は流体ストップとして役立ち、毛管の吸い上げはインクの濃さの関数である。
【0136】
[0161] UVスクライブラインは、例えば、第2の異なる波長を有する光に対する第1の基板の吸収度を増加させるのに十分な第1の波長及び強度を有するレーザビームを第1の基板の一部に照射することにより第1の基板を第2の基板に接合するプロセスにより生み出すことができる。これは、例えば参照により本明細書に組み込まれるWO/2013/163433で説明される。例えば、レーザビームは、第1の基板の照射された部分の少なくとも一部を炭化し得る。第1の基板の炭化した部分は、通常は、第1の基板の照射されていない部分よりも光に対するより高い吸収度を有する。第2の基板は、次いで、第1の基板の照射された部分と接触して配置される。第1の基板と第2の基板がこのように接触している状態で、第1の基板の照射された部分に、第1の基板の照射された部分を加熱する、好ましくは溶融するのに十分な強度の第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザが照射される。第1の基板の照射された部分の吸収度は、第1の基板の照射されていない部分の吸収度よりも高いので、第2のレーザビームは、第1の基板の以前に照射された部分を効率よく加熱(好ましくは溶融)して、第1の波長のレーザに未暴露の基板の部分に実質的に影響を及ぼさずに第1及び第2の基板を互いに接合させる。いくつかの実施形態では、接合された第1及び第2の基板は、マイクロ流体デバイスの少なくとも一部をなす。
【0138】
[0163]
図1Eを参照すると、マイクロ流体デバイスはさらに、廃液チャネル240をさらに含むことができる。廃液チャネルは、検出ゾーンの洗浄からの過剰液体サンプルを保持するように形状設定され、フィルタポケット、混合ウェル、乾燥試薬ゾーン、ピンチ領域、及び検出ゾーンはすべて流体連通する。ある実施形態では、廃液チャネルは、流量を増加させ且つ洗浄時間を減少させるように構成された疎水性インクでコーティングされた表面により覆うことができる。
【0139】
[0164]
図2を参照すると、フィルタ33は、その上面35に適用される所望の量のサンプルを収容するための領域を提供するのに十分な長さl1及び幅w1(
図2)を有する。例えば、長さl1は、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mmであってよい。長さl1は、約25mm以下、約20mm以下、約15mm以下、約10mm以下であってよい。幅w1は、少なくとも約2.5mm、少なくとも約3.5mm、少なくとも約5mmであってよい。幅w1は、約17.5mm以下、約12.5mm以下、約10mm以下、約7.5mm以下であってよい。
【0140】
[0165] フィルタ33は、通常は、上側基板23に対して固定される。例えば、フィルタ33の上面35の外周部39は、例えば、熱かしめ、レーザ溶接、又は接着剤により上側基板23の下面に取り付けられてよい。
図1〜
図3の実施形態では、フィルタ33は下側基板21に取り付けられないが、このような取り付けが用いられてもよい。
図13及び
図14も参照すると、フィルタ33の一部、例えば、外周部39に対して内部に配置される上面35の上側部分は、上側基板23の下面45の
フィルタ33内に収容される。
フィルタ33は、基板23の下面45から距離d1にわたって外方に突き出る複数の突起47を含む。突起47は、フィルタ33の上面35と接触し、距離d1とほぼ同じ、例えば同じ高さを有するキャビティ51を形成する。通常は、距離d1は、ガス及び/又は液体サンプルがフィルタ33の上面35と基板23の下面45との間を流れることを可能にするのに十分である。いくつかの実施形態では、d1は、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン、又は少なくとも約25ミクロンであってよい。いくつかの実施形態では、d1は、約1000ミクロン以下、約250ミクロン以下、約175ミクロン以下、約125ミクロン以下、又は約100ミクロン以下である。
【0141】
[0166]
図3A〜
図3B及び
図14を参照すると、
フィルタ33はまた、ガスがポート31を通過せずに
フィルタ33と周囲雰囲気(例えば、マイクロ流体デバイスを概して取り囲む雰囲気)との間を通過することを可能にする複数のベント49を含む。使用中に、ポート31を通じてフィルタ33に適用される液体サンプルは、該前進する液体がベント49を経由して
フィルタ33から出ることによりガスが排気される状態で、上側基板23の表面35と表面43との間のギャップ51内でフィルタ33の表面35にわたって横方向に移動する。したがって、ポート31に適用されるサンプルは、ポート31の領域よりも大きいフィルタ33の上面35の領域と接触することになる。これは、ポート31に適用される液体がポート31の領域に限定される上面35の領域と接触した場合よりもフィルタ33のより効率的な使用を可能にする。いくつかの実施形態では、フィルタ33の上面35の領域とポート31の領域との比は、少なくとも約1.5、少なくとも約2、又は少なくとも約2.5である。いくつかの実施形態では、フィルタ33の上面35の領域とポート31の領域との比は、約10以下、約7.5以下、又は約5以下である。通常は、ポート31を通じてフィルタ33に適用される液体サンプルは、フィルタ33の上面35の領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%以上と接触することになる。
【0142】
[0167]
図4A、
図4B、
図5、
図6A、
図6B、及び
図10を参照すると、下側基板21(
図4A、
図6B)の上面53(
図6B)は、リッジ57(
図10)及び遠位部59を備えるフィルタ接触面55(
図6A)を画定する。フィルタ33の下面37(
図5)は、フィルタ接触面55でのみ下側基板21と接触する(しかし、いくつかの実施形態では、下面37は、フィルタ接触面55以外の場所で下側基板21と接触してよい)。
【0143】
[0168] いくつかの実施形態では、フィルタ33は、液体サンプルが上面35から下面37へ通過して、例えば、経路p2(
図4A及び
図4B)及び/又は経路p1(
図6A及び
図6B)に沿ってフィルタ35内で横方向に移動することを可能にする。このような横方向の移動は、ポート31内の上面35でフィルタ33に適用される液体サンプルが、フィルタポケット31から横方向に離間された場所でフィルタ33の下面37を出ることを可能にする。
【0144】
[0169] フィルタ接触面55は、フィルタの外周部39から内方に位置する下面37の場所でのみフィルタ33の下面37と接触する。外周部39と接触面55の最も近い接触点との間の距離は、少なくとも約250ミクロン、少なくとも約375ミクロン、少なくとも約500ミクロン、少なくとも約750ミクロン、又は少なくとも約1mmであってよい。
【0145】
[0170] リッジ57(
図4B)は、キャピラリチャネル25の近位開口部27の近位床部61からフィルタ接触面55の遠位部59(
図10)へ近位に延びる。いくつかの実施形態では、フィルタ接触面55のリッジ57(
図6A)は、例えば、フィルタ33の長さl1の少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、例えば、実質的にすべてに沿って離間された1つ以上の場所でフィルタ33の下面37と接触する。例えば、フィルタ接触面55のリッジ57は、フィルタ33の長さl1の少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、例えば、実質的にすべてに沿ってフィルタ33の下面37と連続的に(すなわち、ギャップなしに)接触してよい。いくつかの実施形態では、フィルタ接触面55のリッジ57の長さl2は、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mm、少なくとも約10mmである。長さ12は、約25mm以下、約20mm以下、又は約15mm以下であってよい。
【0146】
[0171] いくつかの実施形態では、フィルタ接触面55のリッジ57は、フィルタ33の幅w1の約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下に沿って離間された1つ以上の場所でフィルタ33の下面37と接触する。いくつかの実施形態では、フィルタ接触面55のリッジ57は、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約200ミクロン、少なくとも約300ミクロン、少なくとも約500ミクロンの幅w2(
図12)を有する。フィルタ接触面55の幅w2は、約1000ミクロン以下、約750ミクロン以下、約650ミクロン以下、又は約500ミクロン以下であってよい。いくつかの実施形態では、リッジ57の長さl2は、リッジ57の幅w2よりも少なくとも約5倍以上、少なくとも約7.5倍以上、少なくとも約10倍以上、少なくとも約15倍以上であり、長さl2及び幅w2は、リッジ57の垂直寸法に沿ってとられる。
【0147】
[0172] フィルタ接触面55の遠位部59の最大長さ13は、通常は、フィルタ接触面55のリッジ57の長さ12よりも小さい(
図12)。例えば、13及び13の比は、約0.5以下、約0.35以下、約0.25以下、約0.2以下、又は約17.5以下であってよい。フィルタ接触面55の遠位部59の最小長さ14は、通常は、長さ13よりも小さい(
図12)。例えば、長さ14及び13の比は、約0.95以下、約0.9以下、約0.8以下であってよい。
【0148】
[0173] フィルタ接触面55のリッジ57は、第1及び第2の相対する壁63a、63bを画定し、フィルタ接触面55の遠位部59は、第1及び第2の遠位壁65a、65bを画定する。キャピラリチャネル25の近位部61は、第1及び第2の近位壁67a、67bを画定する。下側基板21の上面53は、第1及び第2の傾斜床部69a、69b並びに第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71cを画定する。第1及び第2の傾斜床部69a、69b並びに第1及び第2の疎水性床部71a、71bは、それぞれ、第1及び第2のジャンクション73a、73bによって分離される。第3の疎水性の床部71cは、フィルタ接触面59から下方に延びる遠位壁81に対して遠位に配置される。
【0149】
[0174] 例えば、
図10及び
図12で見られるように、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71cの周辺部は、下側基板23の上面53においてフィルタポケット81の外周部を画定するべく上方へ延びる周壁79a、79b、79c、79eと当接する。キャピラリ接触面55と第1及び第2の近位床部69a、69bは、フィルタポケット81内の第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71cの上に延びる突起を構成する。
【0150】
[0175] 総じて、第1及び第2の相対する壁63a、63b、第1及び第2の遠位壁65a、65b、第1及び第2の近位壁67a、67b、第1及び第2のジャンクション73a、73b、第1及び第2の傾斜床部69a、690b、並びに第1及び第2の傾斜床部69a、690bよりも上の下面37の一部、並びに第1及び第2の傾斜床部69a、690bよりも下の下面37の一部は、それぞれのサンプルキャビティ75a、75bを画定する。
【0151】
[0176]
図4B、
図6A、及び
図12を参照すると、サンプルキャビティ75a、75bは、下側基板21に対して垂直に配向された軸a2に沿ってキャピラリチャネル25の床部61から離間される、例えば、その高さよりも下に配置される。いくつかの実施形態では、キャビティ75a、75bの体積の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約95%、本質的にすべては、軸a2に沿ってキャピラリチャネル25の近位部の床部61よりも下に配置される。いくつかの実施形態では、フィルタ33の下面37の活性領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約95%、又は本質的にすべては、軸a2に沿ってキャピラリチャネル25の近位部の床部61よりも下に配置される。いくつかの実施形態では、キャビティ75a、75bの体積の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約95%、本質的にすべては、上側基板23の上面から軸a2に沿って配置される又はキャピラリチャネル25の近位部の床部61よりも上側基板23の上面から軸a2に沿ってより大きい距離に配置される。いくつかの実施形態では、フィルタ33の下面37の活性領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約95%、又は本質的にすべては、上側基板23の上面から軸a2に沿って配置される又はキャピラリチャネル25の近位部の床部61よりもより大きい距離に配置される。フィルタ33の活性領域は、使用中に濾過された液体がそこを通って出てくる領域である。
【0152】
[0177] 総じて、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71cの上のフィルタ33の下面37の部分、並びに、周壁79a、79b、79c、79eは、サンプルキャビティ75a、75bと気体連通する周辺キャビティ85を画定する。ベント83は、ガスがフィルタ33を通過せずに、一方では活性キャビティ75a、75bと周辺キャビティ85との間、他方では周囲雰囲気(例えば、マイクロ流体デバイスを概して取り囲む雰囲気)を通過することを可能にする。ベント83は、活性キャビティ75a、75bの遠位に配置される。
【0153】
[0178] 第1及び第2の相対する壁63a、63bの高さd2は、通常は、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約20ミクロン、少なくとも約30ミクロン、少なくとも約50ミクロン、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、又は少なくとも約150ミクロンである。高さd2は、約175ミクロン以下、約125ミクロン以下、約100ミクロン以下、約75ミクロン以下、又は約50ミクロン以下であってよい。通常は、第1及び第2の相対する壁63a、63bの高さd2は、リッジ57及びキャピラリチャネル25の近位部61のすぐ近くに隣接する第1及び第2の近位壁67a、67bの高さとほぼ同じ、例えば、同じである。いくつかの実施形態では、高さd2は、第1及び第2の傾斜床部69a、69bがフィルタ接触面55のリッジ57から下方に傾斜するようにゼロである。
【0154】
[0179] 第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、リッジ57から横方向に進み、フィルタ33の下面37から離れる方に傾斜するので、第1及び第2の近位壁67a、67bの高さは、リッジ57及びキャピラリチャネル25の近位部61のすぐ近くに隣接する最小から、第1及び第2の近位壁67a、67bの横部分77a、77bでの最大高さd3へ増加する。第1及び第2の近位壁67a、67bの横部分77a、77bの高さd3は、通常は、少なくとも約30ミクロン、少なくとも約50ミクロン、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約150ミクロン、少なくとも約200ミクロン、又は少なくとも約250ミクロンである。高さd3は、約500ミクロン以下、約350ミクロン以下、約300ミクロン以下、約275ミクロン以下、又は約225ミクロン以下であってよい。少なくとも1つの寸法において凸形の形状を有する第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、例えば、第1及び第2の近位壁67a、67bと第1及び第2の遠位壁65a、65bとの間に延びる軸を中心として円筒状に凸形である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、平坦又は弓形である。
【0155】
[0180] 第1及び第2の遠位壁65a、65bの高さ、すなわち、フィルタ接触面55の遠位部59と第1及び第2の傾斜床部69a、69bとの間の距離は、通常は、第1及び第2の近位壁67a、67bの高さとほぼ同じであり、これは、上述のように、リッジ57及びキャピラリチャネル25の近位部61のすぐ近くに隣接する最小から、第1及び第2の近位壁67a、67bの横部分77a、77bでの最大高さd3へ増加する。
【0156】
[0181] 下側基板21の上面53の第1及び第2のジャンクション73a、73bとフィルタ33の下面37との間のギャップの高さd4(
図5)は、通常は、第1及び第2の近位壁67a、67bの横部分77a、77bでの高さd3と少なくとも同じくらい大きい、例えば、より大きい。
【0157】
[0182]
図9を参照すると、高さd4は、通常は、一定であり(しかし変化してもよい)、流体管理を最適化するように選択され、通常は、少なくとも約30ミクロン、少なくとも約50ミクロン、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約150ミクロン、少なくとも約200ミクロン、又は少なくとも約250ミクロンである。高さd4は、約600ミクロン以下、約400ミクロン以下、約350ミクロン以下、約300ミクロン以下、又は約275ミクロン以下であってよい。下側基板21の上面53の第1及び第2の疎水性床部71a、71bとフィルタ33の下面37との間の高さd5(
図6A)は、高さd4とほぼ同じ、例えば、同じであってよい。
【0158】
[0183] 高さd5は、通常は、下側基板21の上面53の第1及び第2のジャンクション73a、73bから横方向に第1及び第2横方向の壁79a、79bに向かって一定である(しかし変化してもよい)(
図6A、
図6B、及び
図12)。
【0159】
[0184] 第1及び第2の相対する壁63a、63bと第1及び第2のジャンクション73a、3bとの間の横方向の距離d6(
図12)は、通常は、少なくとも約1mm、少なくとも約1.25mm、少なくとも約1.5mm、少なくとも約1.75mm、又は少なくとも約2mmである。横方向の距離d6は、約10mm以下、約7.5mm以下、約5mm以下、約3mm以下、又は約2.5mm以下であってよい。遠位壁79cと遠位壁81との間の距離d7(
図12)は、通常は、距離d6とほぼ同じ、例えば、同じである。
【0160】
[0185] ある実施形態では、マイクロ流体デバイスは、第2の深さよりも小さい第3の深さを含むことができる。特定の実施形態では、第3の深さは、第2の深さの約半分以下である。例えば、第2の深さが75μmである場合、第3の深さは、例えば33μmとすることができる。
【0161】
[0186] いくつかの実施形態では、第1の深さは、混合ウェルの高さに対応する又は混合ウェルの高さにより画定される。第2の深さは、乾燥試薬ゾーンの高さにより画定され、第3の深さは、検出ゾーンに対して遠位に配置された廃液チャネルの高さにより画定される。
【0162】
[0187] いくつかの実施形態では、マイクロ流体デバイスは、フィルタポケットの凹部の中に配置されるプラトーにより画定される第4の深さをさらに含む。第4の深さは第1の深さよりも小さくすることができる。第4の深さは第2の深さよりも小さくすることができる。
【0163】
[0188] いくつかの実施形態では、フィルタポケットは、隆起したプラトーと一体の、下側基板の上面により画定される溝の近位部から近位に延びる、リッジを備える。
【0164】
[0189] いくつかの実施形態では、傾斜床部は、横方向外方に及びリッジと一体のプラトーへ下方に延びる。
【0165】
[0190] 例えば、
図11及び
図12を参照すると、周壁79a、79b、79c、79eは、下側基板21の表面53においてフィルタポケット86の周辺部を画定する。第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、フィルタポケット86の床部を画定する。第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、上側基板が下側基板21に対して固定されるときに上面53に対して垂直な軸a2に沿って及び/又は上側基板23の下面45(
図13)に対して垂直な軸a1に沿ってフィルタポケット86に隣接する下側基板21の上面53の部分から離間される、例えば、下に配置される。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bの領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は本質的にすべては、フィルタポケット86に隣接する下側基板21の上面53の部分から離間される、例えば、下に配置される。
【0166】
[0191] 下側基板21の上面53は、近位部93(近位床部61と同じ)から延びる溝87、試薬部95、ランプ部分97、検出部99、及び遠位部をさらに画定する。第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bは、溝87から離間される、例えば、下に配置される。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bの領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は本質的にすべては、溝87の少なくとも一部、例えば、溝87の少なくとも50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、本質的にすべてから離間される、例えば、下に配置される。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71c並びに第1及び第2の傾斜床部69a、69bの領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は本質的にすべては、検出ゾーン43に対して近位に配置される溝87の少なくとも一部、例えば、検出ゾーン43に対して近位に配置される溝87の少なくとも50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、本質的にすべてから離間される、例えば、下に配置される。
【0167】
[0192] いくつかの実施形態では、乾燥試薬ゾーン95は、試薬ゾーンの床部に置かれる試薬を含み、試薬ゾーンは、乾燥試薬を濾過された液体中で再構成するように構成される。いくつかの実施形態では、乾燥試薬ゾーンは、サンプルを試薬ゾーンの親水性領域に維持するように構成された、キャピラリフローに垂直な高さを有する疎水性インク壁を含む。いくつかの実施形態では、乾燥試薬ゾーンは、およそ75μmの幅を有する。
【0168】
[0193] マイクロ流体デバイス20の検出ゾーン43は、通常は、1つ以上の取り込みゾーンを含む。取り込みゾーンは、液体サンプル及び/又は液体サンプルと化合した試薬からの1つ以上の成分と結合又は反応するレセプタなどの試薬又は電極などのデバイスからなる。このような結合又は反応は、サンプル中のターゲットリガンドの存在又は量に関係する。1つ以上のターゲットリガンドの存在又は量を測定するべく1つ以上の検出ゾーン43をキャピラリチャネル25の中に配置することができる。マイクロ流体デバイス20の試薬部95は、液体サンプル中の1つ以上のターゲットの検出を容易にする1つ以上の試薬を含む。試薬部95にこのような試薬を堆積するための例示的な試薬及び技術が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,824,611号で説明される。
【0169】
[0194] 例えば、米国特許第7,824,611号で説明されるように、デバイス表面上のテクスチャは、デバイスの作製中の表面上の試薬の乾燥、並びに以下のように表面上の乾燥した試薬の均一な配置を促進することができる。液体試薬を含有する流体は、テクスチャ表面と接触して配置され、小さい試薬流体メニスカスは、隣接する各テクスチャ構造を形成する。テクスチャの存在なしでは、流体は、チャンバ全体の角部により大きいメニスカスを形成する傾向があり、乾燥されるときに乾燥した試薬の不均一な層を生じるであろう。テクスチャ構造がデバイスへ設計されるとき、多数の小さいメニスカスの存在が、チャンバの全体を通して乾燥される試薬のより均一な層をもたらす。
【0170】
[0195] いくつかの実施形態では、試薬は、液体サンプル及び/又は液体サンプルと化合した試薬からの1つ以上の成分と結合又は反応するレセプタを含む。レセプタなどの試薬は、共有結合を通じて又は吸着を通じてデバイスの表面上に固定化されてよい。一実施形態は、例えば約0.1μm〜5μmの範囲の直径のレセプタでコーティングされたラテックス粒子を固定化することである。加えて、「ナノ粒子」と呼ばれる粒子は、レセプタでコーティングすることもでき、結果的に得られるナノ粒子は、吸着又は共有結合を通じてデバイスに固定化することができる。ナノ粒子は、一般に、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、セリア、金属ゾル、及びポリスチレンなどで構成され、粒径は、約1nm〜100nmの範囲である。ナノ粒子を用いることの利点は、固形分の関数としてのナノ粒子をコーティングするタンパク質の表面積が、より大きいラテックス粒子に対して劇的に増すことである。一実施形態では、レセプタは、静電気の相互作用、水素結合の相互作用、及び/又は疎水性の相互作用を通じて表面に結合する。静電気の相互作用、水素結合の相互作用、及び疎水性の相互作用は、例えば、Biochemistry20,3096(1981)及びBiochemistry29,7133(1990)で論じられている。例えば、表面は、表面上にカルボン酸基を生成するべくプラズマで処理することができる。レセプタでコーティングされたラテックス粒子は、好ましくは、例えば、1〜20mmの、レセプタの等電点を下回るpHの、低塩溶液中で適用される。したがって、カルボン酸基の負の性質とレセプタラテックスの正電荷の性質が、結果的に、表面上のラテックスの強化された静電気安定化を生じることになる。水素結合及び疎水性の相互作用はまた、表面へのレセプタラテックスの安定化及び結合におそらく寄与することになる。磁場はまた、磁場により引き寄せられる粒子を固定化するのに用いられてよい。
【0171】
[0196] 上述のように、テクスチャ表面は、より高密度のアッセイ試薬がその上に固定化されることを可能にするさらなる表面積を提供するのに役立つことができる。さらに、表面上に又は表面内に流体の流動特徴をもたらすべくテクスチャ表面又は他の表面改質を提供することができる。例えば、本明細書で開示される場合の表面は、疎水性の領域における流体の流れの範囲を縮小するべく疎水性の領域を備えることができ、表面上の乾燥した試薬のより均一な分布を提供するテクスチャを用いることができ、テクスチャは、流体の流れの前でメニスカスの構成を変更するために提供することができ、又は表面内の流体の移動のための毛管駆動力を提供するテクスチャを用いることができる。
【0172】
[0197] 試薬は、信号生成試薬を含む。このような試薬は、例えば、金又はセレンゾルなどのコロイド状の金属に吸着されるターゲットリガンドに特異的なレセプタを含む。他の試薬は、例えば、米国特許第5,028,535号及び第5,089,391号により教示されるように、各ターゲットリガンドへのリガンドアナログ−リガンド補体コンジュゲート及び各ターゲットリガンドへの例えば0.1μm〜5μmの直径をもつラテックス粒子に吸着されるレセプタを適切な量で含む。コンジュゲート上のリガンド補体は、ターゲットリガンドに関するレセプタに結合しない任意の化学物質又は生化学物質とすることができる。さらなる試薬は、洗浄ステップのための洗剤を含む。
【0173】
[0198] ある実施形態では、マイクロ流体デバイスは、検出ゾーンの洗浄中に過剰液体サンプルを保持するように構成された廃液チャネル240をさらに含む。いくつかの実施形態では、基板の一部は廃液チャネルを覆い、廃液チャネルを覆うその一部は、疎水性インクでプリントされ、その構造は、流量を増加させ且つ洗浄時間を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、廃液チャネルは、およそ30μmの深さを有する。
【0174】
[0199] 本明細書で用いられる場合のターゲットリガンドは、1つ以上のレセプタへの結合パートナーを指す。ターゲットリガンドに関する同義語は、分析物、リガンド、又はターゲット分析物である。
【0175】
[0200] 本明細書で用いられる場合のリガンドは、1つ以上のリガンドレセプタへの結合パートナーを指す。リガンドに関する同義語は分析物である。例えば、リガンドは、抗原、ヌクレオチド配列、レクチン、又はアビジンを含むことができる。
【0176】
[0201] 本明細書で用いられる場合のリガンドアナログは、他の種に、例えば、信号発生要素に共有的に又は非共有的に付着し得るターゲットリガンドの化学的誘導体を指す。リガンドアナログとターゲットリガンドは同じであってよく、両方とも、一般に、リガンドレセプタに結合することができる。リガンドアナログに関する同義語は、分析物アナログ又はターゲット分析物アナログである。
【0177】
[0202] 本明細書で用いられる場合のリガンドアナログコンジュゲートは、リガンドアナログ及び信号発生要素のコンジュゲートを指す。リガンドアナログコンジュゲートは、標識されたリガンドアナログと呼ぶことができる。
【0178】
[0203] 本明細書で用いられる場合のレセプタは、ターゲットリガンド、通常は、抗体、結合フラグメント、相補的ヌクレオチド配列、炭水化物、ビオチン、又はキレートと反応又は結合することができるが、アッセイがレセプタであるターゲットリガンドを検出するように設計される場合はリガンドであり得る化学種又は生化学種を指す。レセプタはまた、ターゲットリガンドと特異的に反応する酵素又は化学試薬を含んでよい。レセプタは、試薬又は結合部材と呼ぶことができる。標識されたレセプタ又は固定化されたレセプタのいずれでもないレセプタは、補助レセプタ又は補助結合部材と呼ぶことができる。例えば、レセプタは、抗体を含むことができる。
【0179】
[0204] 本明細書で用いられる場合のリガンドレセプタコンジュゲートは、リガンドレセプタと信号発生要素のコンジュゲートを指し、この用語に関する同義語は、結合部材コンジュゲート、試薬コンジュゲート、標識された試薬、又は標識された結合部材を含む。
【0180】
[0205] 本明細書で用いられる場合のリガンド補体は、リガンドアナログコンジュゲート、レセプタ、リガンドアナログ構造、又は信号発生要素を標識する際に用いられる特化されたリガンドを指す。
【0181】
[0206] 本明細書で用いられる場合のリガンド補体レセプタは、リガンド補体に関するレセプタを指し、リガンドアナログ−リガンド補体コンジュゲートは、リガンドアナログ及びリガンド補体を含むコンジュゲートを指す。
【0182】
[0207] マイクロ流体デバイスのランプ部分97は、キャピラリチャネル25に沿った3mmの長さと、キャピラリチャネル25に沿って遠位への14ミクロン/mmのピッチを有する。正のピッチは、キャピラリチャネル25の高さをランプ部分97の前での75ミクロンからランプ部分97に対して遠位での33ミクロンに減少させる。いくつかの実施形態では、ランプ部分は、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mmの長さを有してよい。ランプ部分は、約5mm以下、約4mm以下、約3.5mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下の長さを有してよい。いくつかの実施形態では、ランプ部分のピッチは、少なくとも約10ミクロン/mm、少なくとも約12ミクロン/mm、少なくとも約14ミクロン/mm、少なくとも約17.5ミクロン/mmであってよい。ランプ部分のピッチは、約30ミクロン/mm以下、約25ミクロン/mm以下、約20ミクロン/mm以下であってよい。いくつかの実施形態では、ランプ部分は、キャピラリチャネル25に沿って遠位への22ミクロン/mmのピッチで長さ約1mmであり、チャネルの高さをランプ部分の近位での約55ミクロンからランプ部分に対して遠位での約33ミクロンに減少させる。
【0183】
[0208] 使用時に、マイクロ流体デバイス20は、通常は、その中でデバイスが輸送及び/又は貯蔵される封止された包装材から最初に取り出される。包装材は、通常は、包装材の内部から包装材を取り囲む周囲ガスへのガスの交換に抵抗する材料で形成される。包装からの取り出し後に、マイクロ流体デバイスは、液体サンプル、例えば、血液又は尿サンプル中の1つ以上のターゲットを検出するべくマイクロ流体デバイス20を動作させるように構成された読取り装置(101、
図15)へ挿入される。
【0184】
[0209] いくつかの実施形態では、液体サンプルは、血液サンプル、例えば、人間の指から得られる血液サンプルである。液体サンプルは、約75マイクロリットル以下、50マイクロリットル以下、30マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下、約15マイクロリットル以下など、約10マイクロリットル以下などの総体積を有してよい。液体サンプルは、液体サンプルをマイクロ流体デバイスに導入する前に、試薬、例えば、液体及び/又は乾燥試薬と化合してよい。
【0186】
[0211]
図15〜
図16を参照すると、ある実施形態では、該システムは、マイクロ流体デバイス20のキャピラリチャネル25の遠位のベント29と流体接続、例えば、気密シールをなすシリンジポンプ801をさらに含むことができる。
【0187】
[0212] 液体サンプルは、次いで、ポート31を介してフィルタ33の上面35に適用される。濾過された液体(例えば、ポート31内の上面35に適用された後でフィルタ33の下面37から出てくる液体)は、第1及び第2のキャビティ部分のサンプルキャビティ75a、75bに入る。フィルタの下面37が第1及び第2の相対する壁63a、63bと接触する第1及び第2の部分で濾過された液体が経験する高い毛管現象が、液体を、例えば一般に経路p2及び経路p3に沿ってフィルタ33からサンプルキャビティ75a、75bへ吸い出す。第1及び第2の疎水性床部71a、71b、71cは、濾過された液体が第1及び第2のジャンクション73a、73bを越えて周辺キャビティ85へ入ることを防ぐ。
【0188】
[0213] 濾過された液体は、毛管作用によりサンプルキャビティ75a、75b内でキャピラリチャネル25の近位開口部27へ移動し、毛管作用によりキャピラリチャネル25への道の少なくとも一部を移動する。ポンプがキャピラリチャネル25の遠位のベント29と流体接続している状態で、濾過された液体の遠位気液界面107に作用するガスの体積は、界面107に対して遠位のキャピラリチャネル25の体積及びポンプのデッドボリュームにより決定される体積内に制限される。遠位気液界面107がチャネル25に沿って遠位に移動する際に、閉じ込められたガスの体積が減少し、遠位気液界面107に作用する閉じ込められたガスの圧力が、減少した体積に対応する量だけ増加する。キャピラリチャネル25の開口部27に対して遠位の閉じ込められたガスの総体積は、約25マイクロリットルである。ガスの総体積とは、チャネル25の中のガスの体積及びチャネル25と連通するポンプ801内のガスの体積を含む体積を意味する。いくつかの実施形態では、ガスの総体積は、約50マイクロリットル以下、約35マイクロリットル以下、約30マイクロリットル以下、又は約25マイクロリットル以下である。ガスの総体積は、少なくとも約10マイクロリットル、少なくとも約15マイクロリットル、少なくとも約20マイクロリットルであってよい。チャネル25の体積は、通常は、少なくとも約7.5マイクロリットル、少なくとも約10マイクロリットル、又は少なくとも約12.5マイクロリットルである。チャネル25の体積は、約25マイクロリットル以下、約20マイクロリットル以下、約17.5マイクロリットル以下、又は約15マイクロリットル以下であってよい。
【0189】
[0214] 濾過された液体の遠位気液界面107がキャピラリチャネル25の試薬部41に接触する前に、濾過された液体が経験する毛管力が濾過された液体をキャピラリチャネル(
図15)に沿ってさらに移動させるのに不十分であるように、遠位気液界面107に作用するガス圧力が増加する。
【0190】
[0215] 遠位気液界面107に対して遠位の封入されたガスの体積と連通する圧力センサ103を用いて、濾過された液体の遠位気液界面に作用するガスの圧力が判定される。圧力センサ103は、封入されたガスの絶対圧力、例えば、周囲ガスの圧力に対する圧力、例えば、マイクロ流体デバイス20の外面に作用するガスの圧力を判定するように構成されてよい。
【0191】
[0216] 代替的な実施形態では、読取り装置は、遠位気液界面107に作用するガス圧力を減少させるのに十分な量だけ封入されたガスの体積を増加させるべくシリンジポンプ801を作動させる。毛管作用が、遠位気液界面107が試薬部41と接触し、試薬部41を通過するまで、濾過された液体をキャピラリチャネル107に沿ってさらに吸い出す。濾過された液体が経験する毛管力が濾過された液体をキャピラリチャネル(
図16)に沿ってさらに移動させるのに不十分であるように、遠位気液界面107に作用するガス圧力が増加する。
【0192】
[0217] ポンプを含むいくつかの実施形態では、濾過された液体及び試薬が試薬部41で試薬と反応及び/又は化合することを可能にするのに十分な時間後に、読取り装置は、遠位気液界面107に作用するガス圧力を減少させるのに十分な量だけ封入されたガスの体積を増加させるべくシリンジポンプ801を作動させる。毛管作用が、遠位気液界面107が検出ゾーン43と接触し、検出ゾーン43を通過するまで、濾過された液体をキャピラリチャネル107に沿ってさらに吸い出す。濾過された液体が経験する毛管力が濾過された液体をキャピラリチャネル(
図16)に沿ってさらに移動させるのに不十分であるように、遠位気液界面107に作用するガス圧力が増加する。
【0194】
[0219] マイクロ流体デバイスにおける1つ以上のターゲットの存在及び/又は量を判定するべくマイクロ流体システムの一部として読取り装置が構造化される。読取り装置は、1つ以上のターゲットの存在及び/又は量を判定するべくバイオセンサを含んでよい。バイオセンサは、電気化学検出器、光学検出器、電気光学検出器、又は音響機械的検出器であってよい。
図15を参照すると、例えば、読取り装置は、走査型蛍光光度計であってよく、固相スポット343において結合した検出可能な標識の存在及び/又は量を判定するべく光源及び光検出器を含んでよい。
図16のような随意的な実施形態では、ポンプ801は、流体の流れを制御するように構成されてよい。
【0195】
[0220] 使用中に、キャピラリチャネル25へ吸い込まれる濾過された液体の総体積は、濾過された液体がマイクロ流体デバイス20のベント29を出ないようにキャピラリチャネルの総体積よりも小さい。
【0196】
[0221] キャピラリチャネル25の遠位部は、キャピラリブレイク113を有する遠位ストップ111を含む。キャピラリブレイク113に到達する液体は、液体がキャピラリチャネル25に沿ってさらに前進する傾向を低減する、低減した毛管力を経験する。遠位ストップ111の深さは300ミクロンである。遠位ストップ111の深さは、通常は、少なくとも約200ミクロン、少なくとも約250ミクロン、又は少なくとも約275ミクロンである。遠位ストップ111の深さは、約1000ミクロン以下、約750ミクロン以下、又は約500ミクロン以下であってよい。遠位ストップ111内のチャネル25の幅は約1mmである。通常は、遠位ストップ111内のチャネル25の幅は、少なくとも約500ミクロン、又は少なくとも約750ミクロンである。遠位ストップ111内のチャネル25の幅は、約2500ミクロン以下、約1500ミクロン以下、又は約1250ミクロン以下であってよい。
【0198】
[0223]
図10を参照すると、マイクロ流体デバイス20の疎水性の表面、例えば、第1、第2、及び第3の疎水性の床部71a、71b、71cは、脂肪族化合物及び/又は芳香族化合物などの疎水性の化合物及び種々のインク及びポリマーなどを用いて疎水性にされてよい。化合物は、一般に、有機溶媒又は水性溶媒と有機溶媒の混合物中に溶解される。米国特許第7,824,611号(参照により本明細書に組み込まれる)は、表面上又は表面内の疎水性のゾーンの適用を可能にする適切な技術(インクジェット印刷、スプレー、シルクスクリーニング、ドローイング、エンボス加工など)を開示する。
【0199】
[0224] 例えば、米国特許第7,824,611号は、表面を疎水性にするのに用いられ得るいくつかの技術を開示する。親水性にされた表面に関して、疎水性のゾーンは、表面の親水性の性質を破壊するべく変性したタンパク質による又は合焦したレーザビームを用いる表面の局所加熱により自然な状態の疎水性のプラスチック表面を再作製(recreate)する又は疎水性の表面を作製するべくプラズマ処理を破壊する又はタンパク質を変性させる有機溶媒の適用により作製することができる。代替的に、上記の方法のいずれかにより親水性領域を作製する前に疎水性の領域をマスクすることができる。領域は、テンプレートなどのオブジェクトによりマスクすることができ、又は、表面に適用されその後除去される材料によりマスクすることができる。
【0200】
[0225] 一実施形態では、疎水性の表面は、自然な状態のプラスチック及びエラストマー(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、シリコーンエラストマーなど)で見受けられるような疎水性の表面で開始することにより作製されてよい。一実施形態では、疎水性の粒子が表面上に堆積されてよい。このような粒子は、約0.01μmから10μmまでの間の直径をもつラテックス粒子、例えばポリスチレンラテックス、又はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどの疎水性のポリマーを含む。別の実施形態では、疎水性の表面は、インク又は長鎖脂肪酸などの疎水性の化学物質又は疎水性のデカールを所望のゾーンに適用することにより作製されてよい。疎水性の化学物質又はデカールは、一般に反応混合物中に可溶性ではない又は乏しい可溶性である。また別の好ましい実施形態では、疎水性の表面は、親水性の表面を疎水性の表面に変化させることによって形成されてよい。例えば、プラズマ処理により親水性にされた疎水性の表面は、溶媒、紫外光、又は熱などの適用により疎水性の表面に戻るように変換することができる。これらの処置は、親水性のプラズマ改質表面の分子構造を疎水性の形態に戻るように変化させるように作用することができる。
【0201】
[0226] 上述のように、脂肪族化合物及び/又は芳香族化合物などの疎水性の化合物並びに種々のインク及びポリマーなどを、本発明に係る疎水性のゾーンの作製のために用いることができる。化合物は、一般に、有機溶媒又は水性溶媒と有機溶媒の混合物中に溶解される。当該技術分野では公知の様々な技術(インクジェット印刷、スプレー、シルクスクリーニング、ドローイング、エンボス加工など)が表面上又は表面内の疎水性のゾーンの適用を可能にする技術であることを当業者は認識するであろう。
【0202】
[0227] マイクロ流体デバイス20の構成要素(例えば、下側基板21及び上側基板23)は、コポリマー、ブレンド、ラミネート、メタライズドホイル、メタライズドフィルム、又は金属から作ることができる。代替的に、マイクロ流体デバイスの構成要素は、以下の材料、すなわち、ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン含有ポリマー、ポリカーボネート、アクリルポリマー、塩素含有ポリマー、アセタールホモポリマー及びコポリマー、セルロース系及びそれらのエステル、硝酸セルロース、フッ素含有ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、硫黄含有ポリマー、ポリウレタン、ケイ素含有ポリマー、ガラス、及びセラミック材料のうちの1つが堆積されたコポリマー、ブレンド、ラミネート、メタライズドホイル、メタライズドフィルム、又は金属から作ることができる。下側基板21及び上側基板23は、限定はされないが、グルーイング、超音波による溶接、リベット打ちなどを含むいくつかの技術により互いに対して固定され、種々の凹部及び溝が封止され、キャピラリキャビティ及びチャネルが形成されてよい。
【0203】
[0228] 本発明のいくつかの実施形態が説明されている。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の修正がなされ得ることが理解されるであろう。