特許第6868651号(P6868651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868651
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】コネクタ嵌合装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/26 20060101AFI20210426BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20210426BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H01R43/26
   B25J15/08 C
   B25J9/06 B
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-13946(P2019-13946)
(22)【出願日】2019年1月30日
(65)【公開番号】特開2020-121361(P2020-121361A)
(43)【公開日】2020年8月13日
【審査請求日】2020年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】根本 晋
【審査官】 篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−035776(JP,U)
【文献】 特開2018−103309(JP,A)
【文献】 特開2018−012183(JP,A)
【文献】 特開2015−196208(JP,A)
【文献】 特開2018−192574(JP,A)
【文献】 特開2016−043455(JP,A)
【文献】 特開2015−223649(JP,A)
【文献】 特開平09−098520(JP,A)
【文献】 実開平04−086193(JP,U)
【文献】 実開昭63−110475(JP,U)
【文献】 特開昭62−287989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/08
H01R 43/26
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを相手コネクタに嵌合するコネクタ嵌合装置であって、
基台に基端側が連結された可動アーム体と、
前記可動アーム体の先端側に連結され、前記コネクタを把持できる把持部とを備え、
前記可動アーム体は、前記基台に対して第1軸を中心に回転可能に設けられた装置本体と、
前記装置本体に前記第1軸の直交方向である第2軸を中心に回転可能に連結された第1アームと、
前記第1アームの先端部に前記第2軸と同一方向である第3軸を中心に回転可能に連結された第2アームと、
前記第2アームの先端に前記第2軸と同一方向である第4軸を中心に回転自在に連結された第3アームとを備え、
前記把持部は、前記第3アームの先端に前記第1軸と同一方向である第5軸を中心に回転自在に連結されて、3次元空間の任意の位置で、且つ、3次元空間の任意の向きに変移できるよう構成され
且つ、前記把持部は、一対の挟持部を有し、一対の前記挟持部は、互いに相手側の前記挟持部に向かって突出し、上下方向に間隔を置いて配置された2つの突起と、2つの前記突起よりも後方位置に配置された被当接面とをそれぞれ有していることを特徴とするコネクタ嵌合装置。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ嵌合装置であって、
前記一対の挟持部の2つの前記突起が前記コネクタの両側面に突設された位置ずれ阻止用突起の上下において逆方向に傾斜の2つのテーパ面に当接し、且つ、2つの前記突起からの押圧力によって2つの前記被当接面に前記コネクタの2つの前記テーパ面の後端に配置された当接面がそれぞれ当接した状態で前記一対の挟持部が前記コネクタを把持するようにしたことを特徴とするコネクタ嵌合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタを相手コネクタに嵌合させるコネクタ嵌合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図13に示すように、ハイブリッド自動車100では、バッテリ101に接続されたジャンクションボックス102とインバータユニット103との間が複数のワイヤーハーネスWH1〜WH3によって電気的に接続される。複数のワイヤーハーネスWH1〜WH3は、ジャンクションボックス102に接続される第1ワイヤーハーネスWH1と、インバータユニット103に接続される第2ワイヤーハーネスWH2と、第1ワイヤーハーネスWH1と第2ワイヤーハーネスWH2の間を連結する床下ワイヤーハーネスWH3とから構成される。
【0003】
具体的には、ジャンクションボックス102のコネクタ110と第1ワイヤーハーネスWH1のコネクタ(図示せず)の間、インバータユニット103のコネクタ111と第2ワイヤーハーネスWH2のコネクタ(図示せず)の間、及び、第1ワイヤーハーネスWH1のコネクタ112と床下ワイヤーハーネスWH3のコネクタ113の間、第2ワイヤーハーネスWH2のコネクタ114と床下ワイヤーハーネスWH3のコネクタ115の間を、それぞれコネクタ嵌合によって接続される。
【0004】
従来では、このようなコネクタ嵌合接続の作業は、作業者が手作業で行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−7378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コネクタ嵌合作業は、作業者の負担となり、その負担軽減が要請されている。
【0007】
そこで、本発明は、前記した課題をすべくなされたものであり、コネクタ嵌合作業者の作業負担を軽減できるコネクタ嵌合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コネクタを相手コネクタに嵌合するコネクタ嵌合装置であって、基台に基端側が連結された可動アーム体と、前記可動アーム体の先端側に連結され、前記コネクタを把持できる把持部とを備え、前記可動アーム体は、前記基台に対して第1軸を中心に回転可能に設けられた装置本体と、前記装置本体に前記第1軸の直交方向である第2軸を中心に回転可能に連結された第1アームと、前記第1アームの先端部に前記第2軸と同一方向である第3軸を中心に回転可能に連結された第2アームと、前記第2アームの先端に前記第2軸と同一方向である第4軸を中心に回転自在に連結された第3アームとを備え、前記把持部は、前記第3アームの先端に前記第1軸と同一方向である第5軸を中心に回転自在に連結されて、3次元空間の任意の位置で、且つ、3次元空間の任意の向きに変移できるよう構成され、且つ、前記把持部は、一対の挟持部を有し、一対の前記挟持部は、互いに相手側の前記挟持部に向かって突出し、上下方向に間隔を置いて配置された2つの突起と、2つの前記突起よりも後方位置に配置された被当接面とをそれぞれ有していることを特徴とするコネクタ嵌合装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタの供給位置に把持部を可動アーム体によって移動し、把持部でコネクタを把持し、把持したコネクタを可動アーム体によって相手コネクタの嵌合位置に移動し、前記コネクタを相手コネクタの嵌合方向に可動アーム体によって移動してコネクタ嵌合する。従って、コネクタ嵌合作業者は、自らコネクタ嵌合作業を行う必要がなく、コネクタ嵌合装置を操作、若しくは、自動操作の設定を行えば良いため、コネクタ嵌合作業者の作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態を示し、コネクタ嵌合装置によるコネクタ嵌合を説明するための概念図である。
図2】本発明の第1実施形態を示し、(a)はオスコネクタに対しメスコネクタが供給位置に位置する状態の斜視図、(b)はオスコネクタにメスコネクタが嵌合された状態の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態を示し、コネクタ嵌合装置の斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態を示し、コネクタ嵌合装置がメスコネクタを把持した状態の斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態を示し、コネクタ嵌合装置がメスコネクタをオスコネクタの対向位置に変移し、コネクタ嵌合を開始する状態の斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態を示し、コネクタ嵌合装置がメスコネクタをオスコネクタに嵌合した状態の斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態を示し、(a)はメスコネクタの前面側から見た斜視図、(b)は(a)のD1部拡大図、(c)メスコネクタの後面側から見た斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態を示し、(a)はコネクタ嵌合装置の斜視図、(b)は(a)のD2部拡大図である。
図9】本発明の第2実施形態を示し、コネクタ嵌合装置がメスコネクタを把持した状態の斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態を示し、図9のD3拡大図である。
図11】本発明の第2実施形態を示し、図10のb−b線断面図である。
図12】本発明の第3実施形態を示し、(a)はメスコネクタの前面側から見た斜視図、(b)は(a)のD4部拡大図、(c)メスコネクタの後面側から見た斜視図である。
図13】従来例を説明するための、ハイブリッド自動車のワイヤーハーネスを用いた電気的接続の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1図6は、本発明の第1実施形態を示す。図1に示すように、車両1内には、各種センサーや電子制御ユニット(ECU)等の筐体2が搭載されている。筐体2には、相手コネクタであるオスコネクタ10が取り付けされている。オスコネクタ10は、車両1内の決められた位置及び向きで固定されている。このオスコネクタ10にワイヤーハーネスWHの端末に接続されたメスコネクタ(コネクタ)20をコネクタ嵌合するによって、前記したセンサーや電子制御ユニットをワイヤーハーネス(電線)WH経由で車両のシステムに接続する。
【0013】
このように車両1内の決められた位置及び向きで固定されたオスコネクタ10に、コネクタ嵌合装置30を用いてワイヤーハーネスWHのメスコネクタ20をコネクタ嵌合する。詳細には、ワイヤーハーネスWHに接続されたメスコネクタ20は、図2(a)に示すように、コネクタ供給位置に配置されている。このコネクタ供給位置に配置されたメスコネクタ20を、車両1内の決められた位置及び向きで固定されたオスコネクタ10の位置まで搬送し、図2(b)に示すように、コネクタ嵌合する。
【0014】
先ず、オスコネクタ10及びメスコネクタ20について説明する。図2に示すように、オスコネクタ10は、コネクタ嵌合室11を有するハウジング12と、ハウジング12のコネクタ嵌合室11内に突出状態で配置された複数のオス端子(図示せず)とを有する。コネクタ嵌合室11は大略直方体形状の空間であり、一面が外部に開口している。この開口よりメスコネクタ20が挿入されて嵌合される。コネクタ嵌合室11には、ハウジング被係止ロック(図示せず)が配置されている。
【0015】
メスコネクタ20は、前面がそれぞれ開口された複数の端子収容室21を有するハウジング22と、端子収容室21に収容されたメス端子(図示せず)とを有する。ハウジング22は、大略直方体形状を有する。ハウジング22の上面には、ハウジング係止ロック23が設けられている。ハウジング22の両方の側面の後方位置が下記するコネクタ嵌合装置30の一対の挟持部41が挟持する被挟持面24とされている。被挟持面24は、平坦面である。ハウジング22の後面より各メス端子(図示せず)に接続されたワイヤーハーネスWHが引き出されている。このようにしてワイヤーハーネスWHの端末にメスコネクタ20が接続されている。
【0016】
次に、コネクタ嵌合装置30を説明する。図3に示すように、コネクタ嵌合装置30は、基台31に基端側が連結された可動アーム体32と、可動アーム体32の先端側に連結された把持部40とを備えている。
【0017】
可動アーム体32は、装置本体33と第1アーム34と第2アーム35と第3アーム36から構成されている。装置本体33は、基台31に対して垂直軸(第1軸)C1を中心に水平方向に回転可能に設けられている。第1アーム34は、装置本体33の先端部に垂直軸(第1軸)C1の直交方向である水平軸(第2軸)C2を中心に垂直方向に回転可能に連結されている。
【0018】
第2アーム35は、第1アーム34の先端部に前記水平軸(第2軸)C2と同一方向である水平軸(第3軸)C3を中心に垂直方向に回転可能に連結されている。
【0019】
第3アーム36は、第2アーム35の先端に前記水平軸(第2軸)C2と同一方向である水平軸(第4軸)C4を中心に回転自在に連結されている。
【0020】
把持部40は、第3アーム36の先端に前記垂直軸(第1軸)C1と同一方向である垂直軸(第5軸)C5を中心に回転自在に連結されている。
【0021】
つまり、基台31と装置本体33の間、装置本体33と第1アーム34の間、第1アーム34と第2アーム35の間、第2アーム35と第3アーム36の間、第3アーム36と把持部40の間は、それぞれ回転関節で連結されている。このような構成によって、把持部40を3次元空間の任意の位置で、且つ、3次元空間の任意の向きに移動できる。具体的には、装置本体33と第1アーム34と第2アーム35の回転によって把持部40を3次元空間の任意の位置に移動する。第3アーム35の回転と把持部40の自らの回転とによって把持部40を3次元空間の任意の向きに移動する。尚、第2アーム35と第3アーム36の間をボールジョイントで連結し、第3アーム36に把持部40をリジットに固定連結しても同様の動作が可能である。
【0022】
次に、コネクタ嵌合装置30を用いたコネクタ嵌合作業を説明する。メスコネクタ20の供給位置で、且つ、メスコネクタ20のハウジング22を挟持可能な位置に把持部40を可動アーム体32によって移動する。次に、図4に示すように、一対の挟持部41の間隔を狭くすることでメスコネクタ20のハウジング22の両側面の挟持面24を把持する。そして、把持したメスコネクタ20をオスコネクタ10の近接対向位置の嵌合開始位置に可動アーム体32によって移動する(図5参照)。次に、図5のa矢印にて示すように、把持したメスコネクタ20をオスコネクタ10への適正な嵌合向きに調整つつ嵌合方向に可動アーム体32によって移動する。メスコネクタ20のハウジング係止ロック23がオスコネクタ10のハウジング被係止ロック(図示せず)に係止されるまで移動する。これによって、図6に示すように、メスコネクタ20がオスコネクタ10に嵌合する。コネクタ嵌合が完了すると、一対の挟持部41の間隔を広げてメスコネクタ20のハウジング22より一対の挟持部41の挟持を解除する。これで、1つのコネクタ嵌合作業が完了する。
【0023】
以上説明したように、コネクタ嵌合装置30は、基台31に基端側が連結された可動アーム体32と、可動アーム体32の先端側に連結され、メスコネクタ20を把持できる把持部40とを備え、把持部40を3次元空間の任意の位置で、且つ、3次元空間の任意の向きに変移できるよう構成されている。換言すれば、コネクタ嵌合装置30は、メスコネクタ20を把持できる把持部40と、把持部40の3次元位置及び3次元方向の向きを可変できる可動アーム体32とを備えている。
【0024】
従って、コネクタ嵌合作業者は、自らメスコネクタ20の移動やコネクタ嵌合作業を行う必要がなく、コネクタ嵌合装置30を操作、若しくは、自動操作の設定を行えば良いため、コネクタ嵌合作業者の作業負担を軽減できる。
【0025】
(第2実施形態)
図7図11は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態は、前記第1実施形態と比較して、メスコネクタ20の構成とコネクタ嵌合装置30の一対の挟持部41の構成が異なる。
【0026】
つまり、図7に示すように、メスコネクタ20のハウジング22の両方の側面の後方位置、つまり、コネクタ嵌合装置30の一対の挟持部41が挟持する位置には、位置ずれ阻止用突起25が突設されている。各位置ずれ阻止用突起25は、概略として三角錐形状の突起である。各位置ずれ阻止用突起25は、互いに上下及び左右方向で、且つ、互いに逆方向に傾斜する2つのテーパ面25aと、2つのテーパ面25aの後端に配置された当接面25bとを有する。
【0027】
一対の挟持部41は、図8に示すように、互いに相手側の挟持部41に向かって突出し、上下方向に間隔を置いて配置された2つの突起42と、2つの突起42よりも後方位置に配置された被当接面43とをそれぞれ有する。各突起42は、円柱形のロッドで、その先端面が球面に形成されている。被当接面43は、挟持面41に直交する面に形成されている。
【0028】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一構成箇所には、同一符号を付して明確化を図る。
【0029】
一対の挟持部41の間隔を狭くしてメスコネクタ21を挟持する際には、図9及び図10に示すように、一対の挟持部41の2つの突起42がハウジング22の両方のテーパ面25aに当接し、且つ、2つの突起25aからの押圧力によって2つの被当接面43にハウジング22側の当接面25bがそれぞれ当接した状態で一対の挟持部41がメスコネクタ20のハウジング22を挟持する。
【0030】
この第2実施形態でも、前記第1実施形態と同様の理由によって、コネクタ嵌合作業者の作業負担を軽減できる。
【0031】
この第2実施形態では、図11に示すように、把持部40の一対の挟持部41がそれぞれ3点で当接支持する状態でメスコネクタ20のハウジング22を挟持するため、メスコネクタ20を強固に把持できる。従って、オスコネクタ10にメスコネクタ20を嵌合する際に、嵌合作業に伴う反力がメスコネクタ20から把持部40に作用しても、把持部40に対してメスコネクタ20が位置ずれしたり、角度ずれしたりすることがなく確実にコネクタ嵌合作業を行うことができる。
【0032】
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態は、前記第2実施形態と比較して、メスコネクタ20の構成のみが相違する。コネクタ嵌合装置30の一対の挟持部41の構成は、前記第2実施形態と比較するに同じである。
【0033】
つまり、メスコネクタ20は、ハウジング22と、ハウジング22の後方を覆うように取り付けされたホルダ26とを有する。そして、ホルダ26の両側面に位置ずれ阻止用突起25が設けられている。位置ずれ阻止用突起25は、前記第2実施形態の構成と同じであるため、重複説明を省略する。図面の同一構成箇所には、同一符号を付して明確化を図る。尚、メスコネクタ20のハウジング22の形態自体は、第2実施形態と相違し、これに併せて相手コネクタであるオスコネクタ(図示せず)も形態が相違する。
【0034】
コネクタ嵌合装置30の構成は、前記第2実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0035】
この第3実施形態でも、前記第1実施形態と同様の理由によって、コネクタ嵌合作業者の作業負担を軽減できる。
【0036】
この第3実施形態でも、前記第2実施形態と同様の理由によって、メスコネクタ20を強固に把持できる。
【0037】
つまり、第2実施形態のように、ハウジング22の後方の両側面が外部に露出する場合には、ハウジング22の両側面に位置ずれ阻止用突起25が設けられ、第3実施形態のように、ハウジング22の後方の両側面がホルダ26に覆われる場合には、ホルダ26の両側面に位置ずれ阻止用突起25が設けられる。
【0038】
(その他)
各実施形態では、筐体2に取り付けられたオスコネクタ10に、ワイヤーハーネスWHに接続されたメスコネクタ20をコネクタ嵌合する場合を説明したが、オスコネクタ10は筐体2に取り付けられているものであるか否かを問わず、メスコネクタ20はワイヤーハーネスWHに接続されているものであるか否かを問わない。つまり、2つのコネクタ間を嵌合する場合であれば、本発明は適用できる。
【0039】
又、オスコネクタ10とメスコネクタ20の関係は、逆であっても良い。つまり、車両1内の決められた位置及び向きで固定されたメスコネクタ20に、オスコネクタ10をコネクタ嵌合する場合でも良い。コネクタ嵌合装置30が把持するコネクタは、オスコネクタであっても良い。
【0040】
各実施形態では、可動アーム体32は、装置本体33と第1アーム34と第2アーム35と第3アーム36とから構成されているが、可動アーム体32は把持部40を3次元空間の任意の位置で、且つ、3次元空間の任意の向きに変移できる構成であれば良い。
【0041】
各実施形態では、把持部40は、一対の挟持部41を有する構成であるが、コネクタを把持できる構成であれば良い。
【符号の説明】
【0042】
10 オスコネクタ(相手コネクタ)
20 メスコネクタ(コネクタ)
22 ハウジング
25 位置ずれ防止用突起
25a テーパ面
25b 当接面
26 ホルダ
30 コネクタ嵌合装置
31 基台
32 可動アーム体
33 装置本体
34 第1アーム
35 第2アーム
36 第3アーム
40 把持部
41 挟持部
41a 挟持面
42 突起
43 被当接面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13