(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868700
(24)【登録日】2021年4月14日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】GaNパワーアンプを用いた電力発振器
(51)【国際特許分類】
H03B 5/12 20060101AFI20210426BHJP
H03B 5/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
H03B5/12 Z
H03B5/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-535329(P2019-535329)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(65)【公表番号】特表2020-524419(P2020-524419A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】KR2018006377
(87)【国際公開番号】WO2019221324
(87)【国際公開日】20191121
【審査請求日】2019年6月24日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0057089
(32)【優先日】2018年5月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519229459
【氏名又は名称】ウェイブピア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン−フン
【審査官】
▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0128370(KR,A)
【文献】
特開2015−103921(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0026159(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/132337(WO,A1)
【文献】
特開2001−267915(JP,A)
【文献】
特開2004−312343(JP,A)
【文献】
特開2013−074595(JP,A)
【文献】
米国特許第03577099(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B5/00−H03B5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力するGaNパワーアンプと、
前記GaNパワーアンプの出力信号の一部をフィードバック信号として提供するディレクショナルカプラと、
前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させるフェーズシフターと、
前記フェーズシフターによるインピーダンス不整合を調整し、前記GaNパワーアンプへ前記フィードバック信号を伝達する第1アイソレータと、
前記ディレクショナルカプラと前記フェーズシフターとの間に配置され、前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータと、
前記ディレクショナルカプラと出力端子との間に配置され、前記ディレクショナルカプラによるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータと、
を含むことを特徴とする、GaNパワーアンプを用いた電力発振器。
【請求項2】
GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力する第1GaNパワーアンプと、
GaN素子で構成され、前記第1GaNパワーアンプに並列接続され、入力信号の電力を増幅させて出力する第2GaNパワーアンプと、
前記第1GaNパワーアンプおよび前記第2GaNパワーアンプによって増幅させて出力する信号を結合するパワーコンバイナと、
前記パワーコンバイナによって伝達される信号の一部をフィードバック信号として提供するディレクショナルカプラと、
前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させるフェーズシフターと、
前記フェーズシフターによるインピーダンス不整合を調整する第1アイソレータと、
前記第1アイソレータを介して伝達されるフィードバック信号を分配して前記第1GaNパワーアンプおよび前記第2GaNパワーアンプへ伝達するパワースプリッタと、
前記ディレクショナルカプラと前記フェーズシフターとの間に配置され、前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータと、
前記ディレクショナルカプラと出力端子との間に配置され、前記ディレクショナルカプラによるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータと、
を含むことを特徴とする、GaNパワーアンプを用いた電力発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GaNパワーアンプを用いた電力発振器に係り、より詳細には、GaN(Gallium Nitride)素子を含むGaNパワーアンプとフィードバックループを用いて高出力および高効率を実現した、GaNパワーアンプを用いた電力発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
ICT(Information and Communications Technologies)技術の普及により、屋外空間で行われていた様々な活動がますます室内で行われている。これにより、日常生活の中で室内空間が占める割合は次第に高まっているとともに、ナビゲーションなどのように屋外空間を対象に提供されてきたサービスは次第に室内空間を対象に拡張されている。
【0003】
このようなサービスの需要を満たすために、高性能を提供するRF(Radio Frequency)製品が提案されており、前記高性能RF製品のためには、高出力および高効率の電力発振器が必要不可欠である。
【0004】
従来では、上述した高出力および高効率の電力発振器を実現するために、外部にカスケード方式のパワーアンプを追加しなければならなかった。
【0005】
本発明の背景技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2012−0128370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明が解決しようとする技術的課題は、GaN素子を含むGaNパワーアンプとフィードバックループを用いて高出力および高効率を実現した、GaNパワーアンプを用いた電力発振器を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に限定されず、上述していない別の技術的課題は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力するGaNパワーアンプと、前記GaNパワーアンプの出力信号の一部をフィードバック信号として提供するディレクショナルカプラと、前記ディレ
クショナルカプラによって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させるフェーズシフターと、前記フェーズシフターによるインピーダンス不整合を調整し、前記GaNパワーアンプへ前記フィードバック信号を伝達する第1アイソレータと、を含む。
【0010】
本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラと前記フェーズシフターとの間に配置され、前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータをさらに含むことが好ましい。
【0011】
本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラと出力端子との間に配置され、前記ディレクショナルカプラによるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータをさらに含むことが好ましい。
【0012】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力する第1GaNパワーアンプと、GaN素子で構成され、前記第1GaNパワーアンプに並列接続され、入力信号の電力を増幅させて出力する第2GaNパワーアンプと、前記第1GaNパワーアンプおよび前記第2GaNパワーアンプによって増幅させて出力する信号を結合するパワーコンバイナと、前記パワーコンバイナによって伝達される信号の一部をフィードバック信号として提供するディレクショナルカプラと、前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させるフェーズシフターと、前記フェーズシフターによるインピーダンス不整合を調整する第1アイソレータと、前記第1アイソレータを介して伝達されるフィードバック信号を分配して前記第1GaNパワーアンプおよび前記第2GaNパワーアンプへ伝達するパワースプリッタと、を含む。
【0013】
本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラと前記フェーズシフターとの間に配置され、前記ディレクショナルカプラによって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータをさらに含むことが好ましい。
【0014】
本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラと出力端子との間に配置され、前記ディレクショナルカプラによるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータをさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、GaN素子を含むGaNパワーアンプとフィードバックループを用いて高出力と高効率の電力信号を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器の回路図である。
【
図2】本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施し得る程度に十分に詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の実施形態で実現できる。また、それぞれの開示された実施形態内の個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更できることが理解されるべきである。
【0018】
したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取ろうとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されれば、それらの請求項が主張するのと均等なすべての範囲と共に添付された請求項によってのみ限定される。図面における類似の参照符号は、さまざまな側面にわたって同一または類似の機能を指し、長さ、面積、厚さおよびその形態などは、便宜のために誇張されて表現されることもある。
【0019】
本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、
図1に示すように、GaNパワーアンプ1100、ディレクショナルカプラ1200、フェーズシフター1320、および第1アイソレータ1330を含んで構成できる。
【0020】
ここで、GaNパワーアンプ1100は、GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力し、ディレクショナルカプラ1200は、前記GaNパワーアンプ1100の出力信号の一部をフィードバック信号として提供する。
【0021】
また、フェーズシフター1320は、前記ディレクショナルカプラ1200によって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させ、第1アイソレータ1330は、前記GaNパワーアンプ1100へ前記フィードバック信号を伝達し、前記フェーズシフター1320によるインピーダンス不整合を調整する。
【0022】
一方、本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラ1200と前記フェーズシフター1320との間に配置され、前記ディレクショナルカプラ1200によって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータ1310をさらに含む。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラ1200と出力端子(Output)との間に配置され、前記ディレクショナルカプラ1200によるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータ1400をさらに含む。
【0024】
本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、
図2に示すように、第1GaNパワーアンプ2110、第2GaNパワーアンプ2120、パワーコンバイナ2130、ディレクショナルカプラ2200、フェーズシフター2320、第1アイソレータ2330、およびパワースプリッタ2140を含んで構成できる。
【0025】
ここで、第1GaNパワーアンプ2110は、GaN素子で構成され、入力信号の電力を増幅させて出力し、第2GaNパワーアンプ2120は、GaN素子で構成され、第1GaNパワーアンプ2110に並列接続され、入力信号の電力を増幅させて出力し、パワーコンバイナ2130は、前記第1GaNパワーアンプ2110及び前記第2GaNパワーアンプ2120によって増幅させて出力する信号を結合する。
【0026】
また、ディレクショナルカプラ2200は、前記パワーコンバイナ2130によって伝達される信号の一部をフィードバック信号として提供し、フェーズシフター2320は、前記ディレクショナルカプラ2200によって提供されるフィードバック信号のフェーズを可変させる。
【0027】
一方、第1アイソレータ2330は、前記フェーズシフター2320によるインピーダンス不整合を調整し、パワースプリッタ2140は、前記第1アイソレータ2330を介して伝達されるフィードバック信号を分配して前記第1GaNパワーアンプ2110と前記第2GaNパワーアンプ2120へ伝達する。
【0028】
本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラ2200と前記フェーズシフター2320との間に配置され、前記ディレクショナルカプラ2200によって提供されるフィードバック信号の大きさを可変させるアッテネータ2310をさらに含む。
【0029】
また、本発明の他の実施形態に係るGaNパワーアンプを用いた電力発振器は、前記ディレクショナルカプラ2200と出力端子との間に配置され、前記ディレクショナルカプラ2200によるインピーダンス不整合を調整する第2アイソレータ2400をさらに含む。
【0030】
以上、本発明を、本発明の原理を例示するための好適な実施形態に関連して説明および図示したが、本発明は、そのように図示および説明された通りの構成及び作用に限定されるものではない。
【0031】
むしろ、添付された請求の範囲の思想及び範疇を逸脱することなく、本発明に対して多数の変更及び修正を加え得るのを当業者であればよく理解することができるだろう。
【0032】
よって、それらのあらゆる適切な変更および修正とそれらの均等物も本発明の範囲に属するとみなされるべきである。