(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部によって前記角度相違が判断されたときに、表示器に対して前記保持部材の前記収容角度が相違している旨を表示させて、当該保持部材の前記収容角度の修正を案内する案内部を備える請求項1または請求項2に記載の部品装着機。
前記判断部によって前記角度相違が判断され且つ前記ツールステーションから前記保持部材を取り出すときに、実際の前記収容角度と前記所定収容角度との角度差分、前記所定収容角度に対して回転した補正角度で当該保持部材を取り出させる補正部を備える請求項1または請求項2に記載の部品装着機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第一実施形態
1−1.部品装着機10の構成例
図1に示すように、部品装着機10は、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15、制御装置16およびツールステーション17を備えている。基板搬送装置11は、例えば、ベルトコンベアなどにより構成され、基板90を搬送方向(X軸方向)に搬送する。基板90は、電子回路または電気回路が形成される回路基板である。基板搬送装置11は、部品装着機10の機内に基板90を搬入するとともに、機内の所定位置に基板90を位置決めする。基板搬送装置11は、部品装着機10による部品80の装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機10の機外に搬出する。
【0011】
部品供給装置12は、基板90に装着される部品80を供給する。部品供給装置12は、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる複数のフィーダ121を備えている。複数のフィーダ121の各々は、複数の部品80が収納されているキャリアテープを送り移動させて、フィーダ121の先端側に位置する供給位置において部品80を採取可能に供給する。また、部品供給装置12は、チップ部品などと比べて比較的大型の電子部品(例えば、リード部品など)を、トレイ上に配置した状態で供給してもよい。
【0012】
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置131および移動台132を備えている。ヘッド駆動装置131は、直動機構により移動台132を、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。移動台132には、クランプ部材(図示略)により部品装着ヘッド20が着脱可能(交換可能)に設けられている。部品装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材30を用いて部品供給装置12によって供給される部品80を採取(保持)して、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90に部品80を装着する。保持部材30は、例えば、吸着ノズル、チャックなどを用いることができる。
【0013】
図2に示すように、保持部材30は、本体部31と、フランジ部32と、複数(本実施形態では、2つ)の識別部33と、把持部34とを備えている。本体部31は、基板90に装着する部品80を保持可能な部位であり、実際に部品80を保持する部位を含む。例えば、保持部材30が吸着ノズルの場合、本体部31には、部品80を吸着するノズル先端部(図示略)が含まれる。保持部材30がチャックの場合、本体部31には、部品80を把持する爪部(図示略)が含まれる。
【0014】
フランジ部32は、例えば、円板状に形成されている。また、フランジ部32には、複数(本実施形態では、2つ)の切欠き部32aが設けられている。本実施形態では、複数(2つ)の切欠き部32aは、フランジ部32の外周部において、等間隔に設けられている。後述するように、複数(2つ)の切欠き部32aの各々は、ツールステーション17に設けられる角度規定部材17cと嵌合可能な形状に形成されている。本実施形態では、例えば、角度規定部材17cが円筒状に形成されており、複数(2つ)の切欠き部32aの各々は、保持部材30の軸方向視において、半円状に形成されている。
【0015】
複数(2つ)の識別部33は、複数(本実施形態では、2つ)の収容角度を識別可能に設けられる。本実施形態では、複数(2つ)の識別部33は、フランジ部32の二つの面のうち、後述する遮蔽部材18と対面可能な一の面に設けられている。また、複数(2つ)の識別部33は、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩またはこれらの結合であると好適である。複数(2つ)の識別部33は、例えば、フランジ部32の特徴的な部位を用いることができる。例えば、フランジ部32に保持部材30の固有情報を示す識別コードが付されている場合、複数(2つ)の識別部33は、識別コードを含むと好適である。識別コードは、一次元コードであっても良く、二次元コードであっても良い。
【0016】
また、フランジ部32に製造者の名称、製品の型式、ロット番号、基準適合マークなどの文字、図形、記号などが付されている場合、複数(2つ)の識別部33は、これらを含むことができる。さらに、フランジ部32に凹部、凸部などの立体的形状が形成されている場合、複数(2つ)の識別部33は、これらを含むことができる。また、フランジ部32の一部の色彩が他の部位と異なる場合、複数(2つ)の識別部33は、当該一部の色彩を含むことができる。さらに、複数(2つ)の識別部33は、文字、図形、記号、立体的形状および色彩のうちの二つ以上が結合されたもの(「結合識別部」という。)を含むことができる。結合識別部は、文字、図形、記号、立体的形状および色彩のうちの二つ以上を単に組み合わせたものでも良く、これらが複合したものであっても良い。例えば、フランジ部32に製造者の名称等が刻印されている場合、当該刻印は、文字、図形または記号と、立体的形状とが結合した結合識別部と言える。
【0017】
部品装着ヘッド20は、保持している保持部材30と、ツールステーション17に収容されている保持部材30とを交換することができる。把持部34は、ツールステーション17に収容されている保持部材30を取り出す際に、部品装着ヘッド20によって把持可能に形成されている。把持部34は、部品装着ヘッド20によって把持可能であれば良く、形状等は、種々の形態をとり得る。
図2に示すように、本実施形態の把持部34は、保持部材30の軸方向と直交する方向に、本体部31から突出するように形成されている。
【0018】
部品カメラ14および基板カメラ15は、例えば、撮像素子を有するデジタル式の撮像装置を用いることができる。撮像素子は、例えば、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを用いることができる。部品カメラ14および基板カメラ15は、制御装置16から送出される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14および基板カメラ15によって撮像された画像の画像データは、制御装置16に送信される。
【0019】
部品カメラ14は、光軸がZ軸方向の上向き(鉛直上方方向)になるように、部品装着機10の基台に固定されている。部品カメラ14は、保持部材30によって保持されている部品80を下方から撮像することができる。基板カメラ15は、光軸がZ軸方向の下向き(鉛直下方方向)になるように、部品移載装置13の移動台132に設けられている。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像することができる。
【0020】
制御装置16は、公知の中央演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている(いずれも図示略)。中央演算装置は、CPU(Central Processing Unit)であり、種々の演算処理を行うことができる。記憶装置は、第一記憶装置および第二記憶装置を備えている。第一記憶装置は、揮発性の記憶装置(RAM:Random Access Memory)であり、第二記憶装置は、不揮発性の記憶装置(ROM:Read Only Memory)である。制御装置16には、部品装着機10に設けられている各種センサから出力される情報、画像データなどが入力される。制御装置16は、制御プログラムおよび予め設定されている所定の装着条件などに基づいて、部品移載装置13に対して制御信号を送出する。
【0021】
具体的には、制御装置16は、部品供給装置12によって供給される部品80を保持部材30に採取(保持)させて、部品80を保持している保持部材30を部品カメラ14に撮像させる。制御装置16は、部品カメラ14によって撮像された画像を画像処理して、保持部材30に対する部品80の保持姿勢を認識する。制御装置16は、例えば、位置決めの基準位置となる部位、部品80の外観で特徴的な部位などを画像処理によって把握して、部品80の保持姿勢を認識することができる。
【0022】
制御装置16は、制御プログラムなどによって予め設定される装着予定位置の上方に向かって、保持部材30を移動させる。また、制御装置16は、部品80の保持姿勢に基づいて、装着予定位置を補正して、実際に部品80を装着する装着位置を設定する。装着予定位置および装着位置は、位置(X軸座標およびY軸座標)の他に回転角度を含む。制御装置16は、装着位置に合わせて、保持部材30の目標位置(X軸座標およびY軸座標)および回転角度を補正する。制御装置16は、位置(X軸座標およびY軸座標)および回転角度が補正された保持部材30を下降させて、基板90に部品80を装着する。制御装置16は、上記のピックアンドプレースサイクルを繰り返すことによって、基板90に複数の部品80を装着する装着処理を実行する。
【0023】
ツールステーション17は、部品装着ヘッド20の移動範囲内に設置されており、複数(本実施形態では、35(=7×5)個)の保持部材30を着脱可能に収容することができる。また、ツールステーション17の上面には、遮蔽部材18が設けられている。ツールステーション17は、複数(本実施形態では、35個)の収容凹部17aと、支持部材17bと、複数(本実施形態では、35個)の角度規定部材17cとを備えている。
図1は、ツールステーション17の全体を模式的に示しており、
図3Aおよび
図3Bは、一の収容凹部17aにおける一の保持部材30の収容状態の一例を示している。
【0024】
複数(35個)の収容凹部17aは、ツールステーション17において、所定ピッチで格子点状に複数列(本実施形態では、5列)に形成されている。複数(35個)の収容凹部17aの各々は、ツールステーション17の内部に形成されており、保持部材30の本体部31を収容することができる。支持部材17bは、板状に形成されており、複数(35個)の保持部材30のフランジ部32を支持することができる。複数(35個)の角度規定部材17cの各々は、保持部材30の複数(2つ)の切欠き部32aのうちの少なくとも一つの切欠き部32aと嵌合して、複数(2つ)の収容角度のうちの一の収容角度で保持部材30を収容させる。
図3Aに示すように、本実施形態の角度規定部材17cは、円筒状に形成されており、保持部材30の複数(2つ)の切欠き部32aのうちの一つの切欠き部32aと嵌合している。なお、保持部材30の複数(2つ)の切欠き部32aの各々において、切欠き部32aと角度規定部材17cとを嵌合させることもできる。
【0025】
遮蔽部材18は、例えば、ツールステーション17の交換作業時などにおいて、ツールステーション17に収容されている保持部材30の脱落を規制する。遮蔽部材18は、例えば、ツールステーション17の長手方向(本実施形態では、
図1に示すX軸方向)に沿ってスライド可能に設けられている。
図3Aおよび
図3Bに示すように、遮蔽部材18は、収容凹部17aに対応する位置に孔部18aを備えている。孔部18aは、例えば、遮蔽部材18のスライド方向に沿って延伸するように形成されている。孔部18aは、保持部材30のフランジ部32の外径と比べて大径の大径部18a1と、保持部材30のフランジ部32の外径と比べて幅狭であり、遮蔽部材18のスライド方向に沿って延伸している延伸部18a2とを備えている。
【0026】
図3Aに示すように、遮蔽部材18を開放位置にスライドさせた開放状態では、孔部18aの大径部18a1が保持部材30のフランジ部32と対向して、収容凹部17aから保持部材30の本体部31を取り出し可能にする。
図3Bに示すように、遮蔽部材18を閉鎖位置にスライドさせた閉鎖状態では、孔部18aの延伸部18a2が保持部材30のフランジ部32と対向して、保持部材30のフランジ部32が遮蔽部材18によって抜け止めされて、保持部材30の脱落が規制される。なお、遮蔽部材18は、遮蔽部材駆動機構(図示略)によって開閉駆動される。遮蔽部材駆動機構は、例えば、部品装着機10の稼働中に遮蔽部材18を開放位置にスライドさせて、保持部材30の収容および取り出しを許容する。遮蔽部材駆動機構は、例えば、部品装着機10の生産停止中、ツールステーション17の交換作業時などに遮蔽部材18を閉鎖位置にスライドさせて、保持部材30の収容および取り出しを規制する。
【0027】
1−2.制御装置16による制御例
既述したように、保持部材30のフランジ部32には、複数(2つ)の切欠き部32aが設けられている。そのため、ツールステーション17において保持部材30を収容する際に、複数(2つ)の収容角度が存在する。
図4Aは、
図3Aおよび
図3Bに示す収容状態のときの保持部材30の収容角度(以下、「所定収容角度」という。)の一例を示している。このとき、保持部材30の複数(2つ)の切欠き部32aのうちの一の切欠き部32aと、角度規定部材17cとが嵌合している。
図4Bは、
図3Aおよび
図3Bに示す収容状態と異なる収容状態のときの保持部材30の収容角度の一例を示している。このとき、保持部材30の複数(2つ)の切欠き部32aのうちの他の一の切欠き部32aと、角度規定部材17cとが嵌合している。
【0028】
保持部材30が所定収容角度と異なる収容角度で収容されている場合、保持部材30の取り出しおよび部品80の装着などを失敗する可能性が高くなるので、部品装着機10は、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を認識する必要がある。本実施形態の部品装着機10の制御装置16は、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を判断することができる。制御装置16は、制御ブロックとして捉えると、判断部41を備えている。制御装置16は、案内部42をさらに備えていると好適である。
図5に示すように、本実施形態の制御装置16は、判断部41および案内部42を備えている。
【0029】
1−2−1.判断部41
図3Aに示すように、開放状態では、複数(2つ)の識別部33が露出している。
図3Bに示すように、閉鎖状態では、複数(2つ)の識別部33のうちの一部である一つの識別部33が遮蔽部材18によって覆われ、他の一つの識別部33が露出している。このように、複数の識別部33の一部が遮蔽部材18によって覆われている閉鎖状態において、保持部材30の収容角度が所定収容角度のときに露出する少なくとも一つの識別部33を第一識別部33fとする。また、第一識別部33fと異なる少なくとも一つの識別部33を第二識別部33sとする。なお、
図4Aと
図4Bを比較すると明らかなように、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる場合、閉鎖状態において、第二識別部33sが露出する。また、識別部33の数が3つ以上になると、第一識別部33fおよび第二識別部33sのうちの少なくとも一方は、複数の識別部33を備える。
【0030】
判断部41は、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を判断する。具体的には、判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、第二識別部33sの認識を試行し、閉鎖状態において第二識別部33sを認識できたときに、角度相違を判断する。また、第一識別部33fは、保持部材30の固有情報を示す識別コードであると好適である。
【0031】
判断部41は、閉鎖状態において、例えば、
図1に示す部品移載装置13の移動台132に設けられる読み取り装置(図示略)を用いて、第一識別部33fの認識を試行することができる。この場合、判断部41は、ヘッド駆動装置131に対して動作指示をすることにより、ヘッド駆動装置131によって移動台132が移動されて、認識しようとする保持部材30の上方に読み取り装置が移動する。例えば、第一識別部33fが保持部材30の固有情報を示す識別コードである場合、判断部41は、読み取り装置に対して、識別コードの読み取りを試行させ、識別コードの読み取り可否および読み取り結果を制御装置16(判断部41)に送信させる。また、判断部41は、読み取り装置として、既述した基板カメラ15を用いることもできる。この場合、判断部41は、同様にして、認識しようとする保持部材30の上方に基板カメラ15を移動させる。判断部41は、基板カメラ15に対して、第一識別部33fを撮像させ、撮像した画像データを制御装置16(判断部41)に送信させる。判断部41は、第一識別部33fの画像を画像処理して、第一識別部33fの認識を試行することができる。
【0032】
判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識することができたときに、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が所定収容角度で収容されていると判断する。判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、第一識別部33fと同様にして、第二識別部33sの認識を試行する。判断部41は、閉鎖状態において第二識別部33sを認識できたときに、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を判断する。
【0033】
なお、判断部41は、フランジ部32における複数(2つ)の切欠き部32aの配置と、フランジ部32における複数(2つ)の識別部33の配置との関係を予め取得しておくことができる。これにより、判断部41は、閉鎖状態において第二識別部33sを認識できたときに、フランジ部32における当該第二識別部33sの位置に基づいて、保持部材30の収容角度を算出することができる。上述したことは、第二識別部33sが複数存在する場合についても同様に言える。
【0034】
本実施形態によれば、保持部材30は、フランジ部32を備えている。また、複数(2つ)の識別部33は、フランジ部32がツールステーション17の支持部材17bによって支持され本体部31がツールステーション17の内部に収容されている状態において、遮蔽部材18と面する側のフランジ部32の一の面に設けられている。これにより、ツールステーション17は、遮蔽部材18の開閉状態に応じて、開放状態または閉鎖状態を形成することができる。
【0035】
また、フランジ部32は、複数(2つ)の切欠き部32aを備えている。そして、角度規定部材17cは、複数(2つ)の切欠き部32aのうちの少なくとも一つの切欠き部32aと嵌合して複数(2つ)の収容角度のうちの一の収容角度で保持部材30を収容させる。これにより、ツールステーション17は、複数(2つ)の収容角度のうちの一の収容角度において、保持部材30を着脱可能に収容することができる。
【0036】
さらに、複数(2つ)の識別部33は、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩またはこれらの結合である。そのため、判断部41は、例えば、読み取り装置による読み取り、カメラによる撮像などの簡易な手段によって、複数(2つ)の収容角度を識別することができる。また、第一識別部33fは、保持部材30の固有情報を示す識別コードである。これにより、部品装着機10は、閉鎖状態において、最初に識別コードの認識を試行することができる。部品装着機10は、識別コードを認識できたときに、ツールステーション17において保持部材30が所定収容角度で収容されている収容角度の合致と、保持部材30の固有情報とを合わせて取得することができる。
【0037】
1−2−2.案内部42
案内部42は、判断部41によって角度相違が判断されたときに、表示器70に対して保持部材30の収容角度が相違している旨を表示させて、当該保持部材30の収容角度の修正を案内する。案内部42は、例えば、判断部41によって角度相違が判断された保持部材30のツールステーション17における位置と、当該保持部材30の収容角度が相違している旨とを合わせて表示させると好適である。表示器70は、これらの情報を表示することができれば良く、種々の形態をとり得る。表示器70は、例えば、
図1に示す部品装着機10の生産状況などを表示する表示装置を用いることができる。また、表示器70は、別途設けられる公知の表示装置(例えば、液晶ディスプレイなど)であっても良い。
【0038】
本実施形態によれば、案内部42は、判断部41によって角度相違が判断されたときに、表示器70に対して保持部材30の収容角度が相違している旨を表示させて、当該保持部材30の収容角度の修正を案内する。これにより、部品装着機10を操作する操作者は、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が、所定収容角度と異なることを知得することができ、当該保持部材30の収容角度を修正することができる。
【0039】
1−3.変形形態
本変形形態の制御装置16は、制御ブロックとして捉えると、判断部41および補正部43を備えている。制御装置16は、記憶部44をさらに備えていると好適である。
図6に示すように、本変形形態の制御装置16は、判断部41、補正部43および記憶部44を備えている。本変形形態の判断部41は、既述した第一実施形態の判断部41と同じである。
【0040】
1−3−1.補正部43
補正部43は、判断部41によって角度相違が判断され且つツールステーション17から保持部材30を取り出すときに、実際の収容角度と所定収容角度との角度差分、所定収容角度に対して回転した補正角度で当該保持部材30を取り出させる。例えば、
図4Bに示す収容角度で、ツールステーション17において保持部材30が収容されている場合を想定する。このとき、判断部41は、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なるので、当該保持部材30の角度相違を判断する。また、既述したように、判断部41は、閉鎖状態において第二識別部33sを認識できたときの当該第二識別部33sの位置から、保持部材30の収容角度を算出することができる。この場合、判断部41は、所定収容角度に対して180°回転した角度を、実際の収容角度と算出する。
【0041】
補正部43は、例えば、部品装着ヘッド20がツールステーション17から保持部材30を取り出すときに、実際の収容角度と所定収容角度との角度差分、所定収容角度に対して回転した補正角度で当該保持部材30を取り出させる。この場合、実際の収容角度と所定収容角度との角度差は、180°である。よって、補正部43は、部品装着ヘッド20に対して、所定収容角度から180°分、回転した補正角度で当該保持部材30を取り出させる。
【0042】
本変形形態によれば、補正部43は、判断部41によって角度相違が判断され且つツールステーション17から保持部材30を取り出すときに、実際の収容角度と所定収容角度との角度差分、所定収容角度に対して回転した補正角度で当該保持部材30を取り出させる。これにより、部品装着機10は、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が、所定収容角度と異なるときに、実際の収容角度に応じた補正角度で当該保持部材30を取り出すことができる。
【0043】
1−3−2.記憶部44
記憶部44は、ツールステーション17における保持部材30の収容位置と、保持部材30の実際の収容角度とを対応づけて記憶する。補正部43は、記憶部44が記憶している収容角度を用いて補正角度を設定すると好適である。
【0044】
既述したように、補正部43は、判断部41によって角度相違が判断された保持部材30をツールステーション17から取り出す際に、実際の収容角度に基づいて補正角度を設定する必要がある。そのため、ツールステーション17における保持部材30の収容位置と、保持部材30の実際の収容角度とを対応づけて記憶する記憶部44が設けられていると好適である。この場合、補正部43は、記憶部44が記憶している収容角度を読み出して、補正角度を設定することができる。なお、記憶部44は、不揮発性の記憶装置(図示略)を用いると良い。
【0045】
本変形形態によれば、記憶部44は、ツールステーション17における保持部材30の収容位置と、保持部材30の実際の収容角度とを対応づけて記憶する。また、補正部43は、記憶部44が記憶している収容角度を用いて補正角度を設定する。これにより、部品装着機10は、判断部41によって角度相違が判断された保持部材30をツールステーション17から取り出す際に、実際の収容角度の算出を省略することができる。
【0046】
2.第二実施形態
本実施形態の部品装着機10は、第一実施形態で既述した部品装着機10と同様の構成を備えている。但し、保持部材30は、少なくとも一つの識別部33を備えていれば良い。よって、本実施形態では、少なくとも一つの識別部33の少なくとも一部が遮蔽部材18によって覆われている閉鎖状態において、保持部材30の収容角度が所定収容角度のときに露出する少なくとも一つの識別部33を第一識別部33fとする。
【0047】
また、本実施形態の判断部41は、第一実施形態で既述した判断部41と異なる。本実施形態の判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、遮蔽部材18による少なくとも一つの識別部33の少なくとも一部の識別部33の被覆が解除されている開放状態にして第一識別部33fの認識を試行し、開放状態において第一識別部33fを認識できたときに、角度相違を判断する。
【0048】
判断部41は、第一実施形態と同様にして、閉鎖状態において第一識別部33fの認識を試行することができる。判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識することができたときに、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が所定収容角度で収容されていると判断する。判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、開放状態にして第一識別部33fの認識を試行する。判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fの認識を試行したときと同様にして、開放状態において第一識別部33fの認識を試行することができる。判断部41は、開放状態において第一識別部33fを認識できたときに、保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を判断する。なお、判断部41は、第一実施形態と同様にして、保持部材30の収容角度を算出することもできる。また、いずれの実施形態および変形形態においても、判断部41は、既述した遮蔽部材駆動機構を用いて遮蔽部材18を開閉駆動させて、開放状態または閉鎖状態を形成することができる。
【0049】
本実施形態においても、制御装置16は、案内部42をさらに備えていると好適である。また、第一実施形態の変形形態と同様に、制御装置16は、補正部43および記憶部44のうちの少なくとも補正部43を備えることもできる。さらに、本実施形態においても、第一識別部33fは、保持部材30の固有情報を示す識別コードであると好適である。
【0050】
3.その他
上述した実施形態および変形形態は、保持部材30が吸着ノズルの場合を例に説明されている。しかしながら、実施形態および変形形態は、保持部材30がチャックの場合についても、同様に適用することができる。但し、保持部材30がチャックの場合、本体部31には、部品80を把持する爪部が含まれ、吸着ノズルの場合と比べて本体部31が大型化する。そのため、保持部材30がチャックの場合、
図7に示すように、ツールステーション17の収容凹部17aは、本体部31が通過可能な形状に形成する必要がある。このことは、遮蔽部材18の大径部18a1についても、同様に言える。なお、収容凹部17aおよび大径部18a1は、保持部材30がチャックの場合の形状に合わせて形成しておくと、保持部材30が吸着ノズルの場合にも適用することができ、汎用性が高まる。
【0051】
4.部品装着機10の制御方法
部品装着機10について既述したことは、部品装着機10の制御方法として捉えることもできる。具体的には、判断部41が行う制御は、判断工程に相当する。案内部42が行う制御は、案内工程に相当する。補正部43が行う制御は、補正工程に相当する。記憶部44が行う制御は、記憶工程に相当する。部品装着機10の制御方法においても、部品装着機10について既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
5.実施形態の効果の一例
第一実施形態の部品装着機10によれば、判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、第二識別部33sの認識を試行し、閉鎖状態において第二識別部33sを認識できたときに、角度相違を判断する。第二実施形態の部品装着機10によれば、判断部41は、閉鎖状態において第一識別部33fを認識できなかったときに、開放状態にして第一識別部33fの認識を試行し、開放状態において第一識別部33fを認識できたときに、角度相違を判断する。いずれの部品装着機10においても、判断部41は、ツールステーション17に収容されている保持部材30の収容角度が所定収容角度と異なる角度相違を判断することができる。