特許第6868911号(P6868911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868911
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】自動分注装置に用いられる容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   A61J1/05 313Z
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-159495(P2019-159495)
(22)【出願日】2019年9月2日
(62)【分割の表示】特願2015-188487(P2015-188487)の分割
【原出願日】2015年9月25日
(65)【公開番号】特開2019-217340(P2019-217340A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2019年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】根占 賢志
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−43369(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、
前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、
前記注出部に連接される摘み部と、を有する容器であって、
前記注出部は、先端部に曲率を有する咥え部を有し、
前記咥え部は、前記摘み部に連接される略球状であると共に前記摘み部との間で破断可能であり、
前記摘み部は前記咥え部の両側を取り囲むように形成されている略板状であって、
前記摘み部の前記咥え部との接続部分には前記咥え部よりも径が小さい球状部を有することを特徴とする容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分注装置に用いられる容器に関するものである。特に、1回の服用分の薬液を分注する自動分注装置に用いられる容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分注装置として例えば特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された分注装置は、自動的に薬瓶から薬液を吸引し患者用容器に排出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−16569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された分注装置は、薬液の分注総量を患者用容器に分注するものである。このような分注装置によって分注された患者用容器の薬液は、複数回の服用分の薬液が注入されている。したがって、実際に患者が服用するときには、患者自身が1回の服用分の薬液を目視やスポイト等により計量し、患者用容器から取り出す必要がある。したがって、患者がこのような作業を行うのは手間が掛かる上に計量を間違ってしまったり、誤って一度に全て服用してしまったりするおそれがある。
【0005】
また、例えば患者が保育所に通う子供の場合には、保育所で患者用容器から1回の服用分の薬液を取り出す作業をしてもらえないことが多い。そのため、予め保護者が患者用容器から1回の服用分の薬液を取り出し、異なる容器に入れて子供に所持させることもできるが、液漏れしない容器が必要であり、そのような特殊な容器を子供に開封させるのは困難である。
【0006】
また、近年、所定の容量の薬液を容器に封止して販売されている場合がある。このような薬液を製造する製造装置は、事業者が予め所定の容量の薬液を容器に充填して大量に製造することを目的としたものである。したがって、患者の処方箋ごとに薬液の種類、容量、必要な本数が異なる薬局等で処方される場合に対応することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、1回の服用分の薬液を容器に充填させる場合に適した自動分注装置用の容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、前記注出部に連接される摘み部と、を有する容器であって、前記注出部は、先端部に曲率を有する咥え部を有し、前記咥え部は、前記摘み部に連接されると共に前記摘み部との間で破断可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1回の服用分の薬液を容器に充填させる場合に適した容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自動分注システムの構成を示す図である。
図2】自動分注装置の概略構成を示す上面図である。
図3】自動分注装置の一部を分解した状態を示す斜視図である。
図4】移送部の周辺の構成を示す斜視図である。
図5】容器の構成を示す図である。
図6】容器供給部の概略構成を示す図である。
図7】薬液充填部の周辺の構成を示す斜視図である。
図8】薬液充填部の周辺の概略構成を示す図である。
図9図8に示すI−I線を切断して矢印方向から見た断面図である。
図10A】容器封止部の周辺の構成を示す斜視図である。
図10B】容器封止部の周辺の構成を示す斜視図である。
図11】容器を封止している状態を示す図である。
図12】自動分注装置の内部構成を示す図である。
図13】自動分注装置の処理を示すフローチャートである。
図14】パソコンの注入指示の画面の一例を示す図である。
図15】パソコンの調整設定の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る自動分注システムの構成を示す図である。自動分注システム10は、自動分注装置20、パソコン30、プリンタ40を含んで構成されている。自動分注装置20は、パソコン30と通信可能に接続されている。プリンタ40は、パソコン30に接続されている。なお、図1を含む各図では、必要に応じて自動分注装置20の前側をF、後側をB、右側をR、左側をLで示している。
【0012】
自動分注装置20は、フレーム101によって骨格が構成され、図示しないカバーで全体が覆われる。自動分注装置20は、パソコン30から受信した、1回の服用分の容量の情報および容器の本数の情報に基づいて、自動的に1つの容器ごとに1回の服用分の薬液を分注し、容器ごとに封止する。また、自動分注装置20は、受信した本数の分注が完了した後に、後述する薬液充填部140を自動的に洗浄する。
【0013】
また、図1に示すように、自動分注装置20の前面には停止ボタン102が配置され、側面には電源スイッチ103が配置されている。停止ボタン102は、自動分注装置20の処理を停止させるためのボタンである。電源スイッチ103は自動分注装置20を起動するためのスイッチである。また、自動分注装置20の前面には、収容部104の取手105が配置されている。収容部104には分注が完了した容器が収容され、取手105により手前側に引き出すことができる。
【0014】
パソコン30は、例えばノート型パソコンを用いることができる。薬剤師等のユーザは、患者(服用者)の処方箋に記載された1回の服用分の容量および服用回数に基づいて、パソコン30に1回の服用分の薬液の容量の情報および本数の情報等を入力する。パソコン30は、入力された情報を自動分注装置20に送信する。また、パソコン30は、ユーザが入力した容器のサイズおよび薬液の増減量等の情報も自動分注装置20に送信する。
プリンタ40は、ジャーナルプリンタまたはラベルプリンタを用いることができる。プリンタ40は、自動分注装置20が分注した薬液の容量および本数等を紙媒体に印刷する。
【0015】
自動分注装置20の具体的は構成について図1図4図6図11を参照して説明する。
図2は、上面から見た自動分注装置20の概略構成を示す図である。自動分注装置20は、テーブル状の移送部110が鉛直軸を回転中心にして回転可能に配置されている。また、自動分注装置20は、移送部110における角度90度の間隔で容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170が配置されている。また、薬液充填部140と同様の位置に洗浄部180が配置されている。
【0016】
まず、移送部110の構成について説明する。図3は、自動分注装置20の一部を分解した状態を示す斜視図である。図4は、移送部110の周辺を拡大した状態を示す斜視図である。
移送部110は、フレーム101によって支持され、薬液を充填する前の容器または充填した後の容器を移送する。図4に示すように、移送部110は、第1ターンテーブル109a、第2ターンテーブル109b、テーブル回転モータ115、支持板116、テーブル昇降モータ117を備えている。
第1ターンテーブル109aは円板状であって、周縁に近接した位置に上下方向に貫通する挿通孔111が90度間隔で形成される。また、第1ターンテーブル109a上には、挿通孔111に連通する連通孔112が形成されたガイド部113がそれぞれ90度間隔で固定される。挿通孔111および連通孔112に容器が挿通される。
【0017】
第2ターンテーブル109bは円板状であって、第1ターンテーブル109aの下側で第1ターンテーブル109aと平行に配置される。なお、第2ターンテーブル109bのうち第1ターンテーブル109aと同様の構成には同一符号を付している。また、第2ターンテーブル109bは、第1ターンテーブル109aとの間で連結ガイド部114によって連結され、常に互いの挿通孔111が上下方向に連通している。また、第2ターンテーブル109bは、第1ターンテーブル109aと異なり、上下に昇降可能である。このとき、第2ターンテーブル109bの昇降は、連結ガイド部114によってガイドされる。
【0018】
テーブル回転モータ115は、移送回転部の一例であって、第1ターンテーブル109aの上方でフレーム101に固定される。テーブル回転モータ115は、回転軸を介して第1ターンテーブル109aを回転させる。テーブル回転モータ115は、第1ターンテーブル109aを一方向(左回り)に90度回転させたら、所定時間(t1)停止する処理を繰り返す。なお、第2ターンテーブル109bは、連結ガイド部114を介して第1ターンテーブル109aと同期して回転する。
【0019】
支持板116は平板状であって、第2ターンテーブル109bの下側に配置され、第2ターンテーブル109bを下側から支持する。また、支持板116は第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bの各挿通孔111に挿通された容器の下端を支持する。図2に示すように上面から見たとき、支持板116は第1ターンテーブル109aに対して、容器供給部120、薬液充填部140および容器封止部160に相当する位置では略重なり合う形状であるが、容器排出部170に相当する位置では重なり合わず切り欠かれている。また、支持板116は、第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bと異なり回転しないが、上下に昇降可能である。
【0020】
テーブル昇降モータ117は、移送昇降部の一例であって、第1ターンテーブル109aの後側でフレーム101に固定される。テーブル昇降モータ117は、支持板116を昇降する。具体的には、テーブル昇降モータ117の出力軸と、出力軸の下方に配置されたプーリ118との間にタイミングベルト119が上下方向に巻回され、このタイミングベルト119の一部に支持板116が連結される。したがって、テーブル昇降モータ117が回転することで、タイミングベルト119を介して支持板116が上下に昇降する。
【0021】
このとき、第2ターンテーブル109bが支持板116によって支持されているので、支持板116の上下の昇降に応じて第2ターンテーブル109bも昇降する。支持板116および第2ターンテーブル109bを昇降させることで、第1ターンテーブル109aとの間の上下の距離が変化する。また、テーブル昇降モータ117は、テーブル回転モータ115が第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bを90度回転させ、所定時間(t1)停止している間に、支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させ、その後に下降させる。支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させることで、容器の後述する充填口をそれぞれ薬液充填部140および容器封止部160に近接させることができる。
【0022】
ここで、本実施形態に用いる容器について図5を参照して説明する。図5(a)は薬液が充填される前の空の容器200の斜視図である。図5(b)は薬液が充填された後の容器200の斜視図である。図5(c)は摘み部206を破断したときの容器200の斜視図である。
容器200は、略透明であって、軟質な合成樹脂、例えば軟質ポリエチレンで一体的に形成され、容器本体201、摘み部206および被充填部209等を有している。容器本体201は、略筒状に形成され、内部に薬液を収容する収容空間202が形成される。容器本体201は、指で押圧することで変形し、押圧を解除することで元の形状に戻る程度の柔軟性を有している。また、容器本体201は、その下側に収容空間202と連通する注出部203が形成されている。注出部203は円錐部213と、咥え部214とを有する。円錐部213は、容器本体201の径よりも小径であって、下方に向かうにしたがって徐々に縮径する。咥え部214は、摘み部206を容器本体201から破断して離脱させることで、その下端に、容器本体201内に収容された薬液を外部に注出できる注出口204が形成される。咥え部214は、略球状であり、患者が口に咥えるのに適した球径である。なお、容器本体201、円錐部213、咥え部214をそれぞれ水平方向に切断した場合、各円の直径は容器本体201、咥え部214、円錐部213の順に小さくなる。
【0023】
摘み部206は、容器本体201、具体的には注出部203の咥え部214に連接されている。摘み部206は、患者が摘み易い厚みの略板状であって、注出部203を取り囲むように形成されている。また、摘み部206には、咥え部214の下端であって、咥え部214と連通する球状部207を有している。摘み部206を容器本体201から離脱させるまでは、容器本体201の下方は、球状部207によって密閉される。また、咥え部214と球状部207とは、互いの球形状が縮径した位置に境界があることから、摘み部206を容器本体201から離脱するときに、咥え部214と球状部207との間で破断し易い構造になっている。すなわち、咥え部214と球状部207との間で破断させることで、摘み部206を離脱させたときに、確実に注出口204を形成させることができる。また、摘み部206には、注出部203の周囲に連接する接続部208を有している。接続部208は他の部位よりも薄肉に形成されていることから、摘み部206を容器本体201から離脱するときに、接続部208自体が破断する。
【0024】
被充填部209は、容器本体201に連接されている。被充填部209は、容器本体201の長手方向と同方向に沿った略筒状に形成され、内部が薬液を容器本体201内に導入するための通路210となっている。また、被充填部209は、その上方に薬液を容器本体201内に充填するための充填口211を有している。充填口211から薬液が充填された後、充填口211は後述する容器封止部160によって封止される。したがって、本実施形態の容器200では、任意の薬液を任意の量だけ充填させることができる。
【0025】
容器200は、いわゆる中空成形(ブロー成形)によって製造される。中空成形は、製品の外形が形成されている一対の金型でパリソンを挟み込み、中に空気を吹き込むことによって製品を成形する成形方法である。したがって、図5(a)に示すように、成形された容器200の両側には長手方向に沿って、一対の金型の合わせ面によって形成されたパーティングライン(分割ライン)205が形成される。
なお、容器200は、複数のサイズを有している。本実施形態の容器200は、小、中、大の3つのサイズがある。容器200は、小から大になるにしたがって容器本体201の全長が長く形成され、その他の部分は何れのサイズも同一形状である。なお、各図に示す容器200は、小サイズの容器を示している。
【0026】
次に、自動分注装置20の構成について説明する。自動分注装置20は、図2に示したように、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180の5つの主な構成を有している。以下、具体的に5つの構成について説明する。なお、以下では、第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとを区別する必要がない場合には単にターンテーブル109というものとする。
<容器供給部>
容器供給部120では、容器ホッパ121に収容されている空の容器200を一つずつ移送部110に供給する。具体的には、容器200をターンテーブル109の挿通孔111に挿通させて、支持板116で容器200の下端を支持する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止しているときに行われる。
図6は、容器供給部120の概略構成を示す図であり、容器供給部120の一部の構成を切断して右側から見た図である。
【0027】
容器供給部120は、容器ホッパ121、供給ホルダ126、容器ホルダ回転モータ128、搬送路134を備えている。
容器ホッパ121は薬液を充填する前の空の容器200を複数収容し、容器200を一つずつ供給ホルダ126に供給する。容器ホッパ121は、自動分注装置20の上側に位置し、着脱可能である。また、容器ホッパ121は、内部に同一サイズの容器200が同じ向きで収容されている。したがって、本実施形態では、容器200の小、中、大のサイズごとに同様の容器ホッパ121が用意されている。ユーザは1回の服用分の容量を充填するのに適切なサイズの容器200が収容された容器ホッパ121を設置する。
容器ホッパ121には収容された容器200のサイズを後述するコントローラ191が判定するための図示しない識別部が取り付けられている。識別部は、例えば磁石等であって容器200のサイズごとに異なる種類または異なる位置に取り付けられている。
【0028】
図3に示すように、容器ホッパ121は、内部に収容空間が形成された箱状であって蓋122を開放することで、収容空間内に空の容器200を補充することができる。また、容器ホッパ121は、前板の内側面と後板の内側面とにそれぞれ揺動円板123a、123bが回転可能に配置されている。揺動円板123aと揺動円板123bとは前後方向に沿った棒状の複数の連結部材124で連結され(ここでは一つのみを図示する)、同期して回転する。また、容器ホッパ121の底部は、揺動円板123aの下側半円および揺動円板123bの下側半円と、同一の曲率半径で湾曲する底面が形成される。底面の最も下側には、一つの容器200のみを容器ホッパ121から落下させるための供給孔125が前後方向に沿って形成される。
【0029】
供給ホルダ126は容器ホッパ121の下方に位置し、供給孔125から落下した一つの容器200を受け止め、倒伏した状態で保持する。具体的には、供給ホルダ126は前後方向に沿った略円筒状に形成され、外周面の一部に容器200を内部に収容するための開口127が前後方向に沿って形成される(図7も参照)。供給ホルダ126は、大きなサイズの容器200を保持できる大きさに形成されている。また、本実施形態では、容器200の充填口211が前側に位置し、容器200の摘み部206が後側に位置する向きを供給ホルダ126に保持される容器200の正しい向きであるとする。したがって、供給ホルダ126内に容器200が保持されたときに容器200が正しい向きになるように、容器ホッパ121に容器200を補充する必要がある。
【0030】
容器ホルダ回転モータ128は、ホルダ駆動部の一例であって、供給ホルダ126の後側でフレーム101に固定される。容器ホルダ回転モータ128は出力軸が供給ホルダ126の後端に接続され、供給ホルダ126を軸回りに回転させる。具体的には、容器ホルダ回転モータ128は容器200を保持した供給ホルダ126を一方方向に回転させることで、開口127が下側になるため、容器200を搬送路134に落下させることができる。また、容器ホルダ回転モータ128は空の供給ホルダ126を他方向に回転させることで、開口127が再び上側になるため、容器ホッパ121の供給孔125から落下する容器200を受け止めることができる。
【0031】
また、図6に示すように、容器ホルダ回転モータ128の出力軸と、出力軸の上方に配置されたプーリ129との間にタイミングベルト130が上下方向に巻回される。プーリ129の前側にはプーリ129と同期して回転する回転部材131が設けられる。また、回転部材131の前面には2つのプランジャ132が配置され、容器ホッパ121の揺動円板123bの後面に形成された2つの連結孔133に係合する(図3を参照)。したがって、容器ホルダ回転モータ128が回転すると、タイミングベルト130、プーリ129およびプランジャ132にも回転が伝達され、揺動円板123bが回転する。揺動円板123aの回転に同期して複数の連結部材124も揺動することから、容器ホッパ121の収容空間内に収容された容器200を分散させることができ、一箇所に複数の容器200が固まっている場合でも容器200を供給孔125に導くことができる。
このように、容器ホルダ回転モータ128が供給ホルダ126を回転させると共に、容器ホッパ121の揺動円板123bを回転させることで、アクチュエータを共通化でき、製造コストを削減することができる。
【0032】
搬送路134は、供給ホルダ126に近接した位置から第1ターンテーブル109aに近接した位置まで上下方向に延出している。搬送路134は、供給ホルダ126から倒伏状態で移送された容器200を起立状態に変位させて移送部110に搬送する。
図6に示すように、搬送路134は4つの側板135F、側板135B、側板135L、側板135Rによって囲まれた空間である(図4も参照)。側板135Fは搬送路134の前側に配置され、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜している。側板135Bは搬送路134の後側に配置され、略上下方向に延出している。すなわち、一対の側板135F、側板135Bは、互いに延出する角度が異なっている。また、側板135L、側板135Rは上下方向に延出し、搬送路134の左右に配置される。搬送路134の上側には供給ホルダ126に近接して上側開口136aが形成され、搬送路134の下側には第1のターンテーブル109aに近接させて下側開口136bが形成される。なお、搬送路134を上側開口136aから下側開口136bまで水平方向に切断した場合、通路断面積が徐々に小さくなる。
【0033】
容器ホルダ回転モータ128が供給ホルダ126を回転させることで、容器200が上側開口136aを通して搬送路134に落下する。容器200が搬送路134内を自重で落下するときに、容器200は略上下に沿って配置された側板135Bよりも傾斜した側板135Fに接触する。すなわち、主に側板135Fと容器200の充填口211側が接触するために、逆に容器200の摘み部206が先行して落下する。したがって、容器200は倒伏状態から起立状態に変位しながら落下する。搬送路134の下側開口136b側からターンテーブル109に向かって落下するときには、容器200は完全に起立状態に変位する。
【0034】
容器供給部120により供給された容器200は、ターンテーブル109の挿通孔111に挿通され、摘み部206が支持板116に支持され、充填口211が上側に開口した状態で保持される。
【0035】
また、後述する図7に示すように、容器供給部120は、容器センサ139aと、容器向きセンサ139bと、図示しないサイズ識別センサとを有する。容器センサ139aは、供給ホルダ126の右側に配置され、供給ホルダ126に容器200が保持されているか否かを検出する。容器向きセンサ139bは、供給ホルダ126の前側に配置され、供給ホルダ126内に保持されている容器200が正しい向きであるか否かを検出する。また、容器サイズ識別センサは、容器ホッパ121の取り付け位置に近接して配置され、容器ホッパ121の識別部を検出する。各種センサが検出した信号は、後述するコントローラ191に出力される。
このように、容器供給部120では、容器200を所定の姿勢に変位させた状態で一つずつ移送部110に供給することができる。
【0036】
<薬液充填部>
薬液充填部140は、移送部110によって移送された容器200内に薬液を充填する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図7は、薬液充填部140の周辺の構成を示す斜視図である。図8は、薬液充填部140の周辺の概略構成を示す図である。図9は、図8に示すI−I線を切断して矢印方向から見た断面図である。
【0037】
薬液充填部140は、薬液容器141、シリンジ143、シリンジ移動モータ146、吐出部149、第1電磁弁150a、第2電磁弁150bを備えている。薬液容器141は、ユーザが取扱いし易いように自動分注装置20の前側に配置され、フレーム101によって固定される。薬液容器141は、容器200に充填するための薬液を貯留する。ユーザは薬液容器141の蓋142を取り外し、1回の服用分の薬液の容量に服用する本数を乗算した総容量を薬液容器141に投入する。
【0038】
シリンジ143は、薬液充填部140に移送された容器200の上方に配置されている。シリンジ143は、外筒143aと内筒(プランジャー)143bとを有する。シリンジ143は、上下方向に延出する支持基台144に取り付けられる。外筒143aの下端には、それぞれ可撓性のチューブで構成された第1流路部145aと第2流路部145bが接続される。第1流路部145aはシリンジ143から支持基台144を経由して薬液容器141に接続される。一方、第2流路部145bは支持基台144を経由して吐出部149に接続される。シリンジ143は、1回の服用分の薬液を第1流路部145aを通して薬液容器141から吸引し、吸引した薬液を第2流路部145bおよび吐出部149を通して容器200に充填する。
【0039】
シリンジ移動モータ146は、シリンジ駆動部の一例であって、支持基台144のうちシリンジ143が取り付けられた側とは反対側に配置される。図7に示すように、シリンジ移動モータ146は、ラック147とピニオン148を用いて、シリンジ143の内筒143bを外筒143aに沿って移動させる。シリンジ移動モータ146が1回の服用分の薬液の容量に相当するストロークだけ内筒143bを上昇させた後、上昇させたストロークだけ内筒143bを下降させることで、シリンジ143は正確に1回の服用分の薬液を吐出部149に圧送する。
【0040】
吐出部149は、シリンジ143から圧送された1回の服用分の薬液を吐出し、充填口211を通して容器200に充填する。吐出部149は、薬液充填部140に移送された容器200の軸線上に位置している。図9に示すように、吐出部149内には、吐出ノズル149aが下方に向かって延出している。また、吐出部149の吐出ノズル149aの周りには、移送部110の支持板116によって上昇された容器200の充填口211を取り囲む内周面149bが形成されている。したがって、吐出部149では、吐出ノズル149aから容器200に薬液を充填している間、充填口211から容器200内に異物が進入するのを防止することができる。また、内周面149bは、下方に向かうにしたがって拡開するテーパ状に形成されている。したがって、仮に容器200がズレた状態で上昇されたとしても、吐出部149内に容器200の充填口211を配置することができる。
【0041】
第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bは、支持基台144のうちシリンジ143が取り付けられた側とは反対側で水平方向に並べて配置される。図9に示すように、第2電磁弁150bはプランジャ151が支持基台144を貫通して、第2流路部145bに対して進退できるように構成される。すなわち、第2電磁弁150bのプランジャ151を進出させて第2流路部145bを変形させることで、第2流路部145bの流路を閉塞させる。逆に、第2電磁弁150bのプランジャ151を第2流路部145bから後退させることで第2流路部145bの変形が元に戻り、第2流路部145bの流路を開放させる。第1電磁弁150aについても同様な構造でプランジャ151の進退に応じて第1流路部145aを閉塞または開放させる。
【0042】
したがって、シリンジ143の内筒143bが上昇するときには薬液容器141とシリンジ143との間でのみ薬液を通過できるように第1電磁弁150aが第1流路部145aを開放し、第2電磁弁150bが第2流路部145bを閉塞する。一方、内筒143bが下降するときにはシリンジ143と吐出部149との間でのみ薬液が通過できるように第1電磁弁150aが第1流路部145aを閉塞し、第2電磁弁150bが第2流路部145bを開放する。更に、薬液が容器200に分注された後、薬液容器141に残留した薬液および薬液容器141を洗浄した水を排水するときには薬液容器141と吐出部149との間で薬液を通過できるように、第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bが第1流路部145aおよび第2流路部145bを開放する。
【0043】
なお、第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bのそれぞれのプランジャ151が進出したときに、第1流路部145aおよび第2流路部145bを変形させて、流路を閉塞させるため、図9に示すように、薬液充填部140はプランジャ151の受部152を有している。図7および図8に示すように、受部152は、支持基台144に図示しないヒンジを介して水平方向に開閉する扉部153に取り付けられている。ここで、扉部153が閉塞されることで、受部152が第1流路部145aおよび第2流路部145bに対して密接され、プランジャ151の受けとして機能する。
【0044】
また、扉部153は第1流路部145aおよび第2流路部145bに加えて、シリンジ143も覆うことができる大きさに形成されている。したがって、扉部153が閉塞されることで、シリンジ143が支持基台144から抜き出ることを防止することができる。なお、シリンジ143、第1流路部145aおよび第2流路部145bが劣化した場合には、扉部153を開放することで、これらの部品を取り外すことができ、容易に交換することができる。
このように、薬液充填部140では、1回の服用分の薬液を容器200に充填することができる。
【0045】
<容器封止部>
容器封止部160は、薬液が充填された容器200を封止する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図10A図10Bは、容器封止部160の周辺の構成を示す斜視図である。なお、図10Aは容器200を封止する前の状態を示し、図10Bは容器200を封止している状態を示している。図11は、容器200を封止している状態を前側から見た図である。
【0046】
容器封止部160は、封止機161、加圧受台162、封止機移動モータ163を備えている。封止機161は、薬液が充填された容器200の充填口211を封止する。本実施形態では、封止機161として超音波振動装置を用いている。超音波振動装置は、電気エネルギーを機械的振動エネルギーに変換し、同時に加圧することにより、摩擦熱を発生させ樹脂を溶融して接着(溶着)させる装置である。超音波振動装置は、超音波振動子161aおよびホーン161bを備えている。
封止機161は、ホーン161bが容器封止部160に位置する容器200の充填口211に指向する状態で、ターンテーブル109の上方に配置されている。
【0047】
加圧受台162は、支持板116によって上昇された容器200に近接した位置に配置される。加圧受台162は、封止機161のホーン161bによる加圧を容器200の充填口211を介して受け止める。加圧受台162には、容器200との干渉を回避するための逃部162aが形成されている。逃部162aは、容器200の溶着位置の下側に形成され、下方に向かうにしたがって容器200から離れる方向に傾斜する。
【0048】
封止機移動モータ163は、封止機移動部の一例であって、封止機161および加圧受台162を互いに近接させる方向に移動させる。封止機移動モータ163は、左右方向に延出する支持基台164に対して出力軸が下側に指向するように固定される。また、支持基台164には、左右方向に沿って棒状の移動ガイド部165a、165bが架設されている。上述した封止機161および加圧受台162は、移動ガイド部165a、165bに沿って左右方向にガイドされる。
【0049】
また、封止機移動モータ163の出力軸は、リンク部166を介して封止機161および加圧受台162に連結されている。リンク部166は、それぞれ水平方向に配置された、第1リンク部材166a、第2リンク部材166b、第3リンク部材166cを有している。第1リンク部材166aは封止機移動モータ163の出力軸に連結されている。第2リンク部材166bは第1リンク部材166aの一端と封止機移動モータ163との間を連結し、第3リンク部材166cは第1リンク部材166aの他端と加圧受台162とを連結する。
【0050】
したがって、図10Bに示すように、封止機移動モータ163が一方方向に回転すると第1リンク部材166aが同期して回転する。また、第1リンク部材166aの回転に応じての左右方向に位置していた一端と他端とが前後方向に位置する。したがって、第1リンク部材166aに向かって第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cが引き寄せられることで、第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cに連結された封止機移動モータ163および加圧受台162が移動ガイド部165a、165bにガイドされながら接近する。また、封止機161により容器200が封止された後、封止機移動モータ163は他方方向に回転することで第1リンク部材166a、第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cが元の位置に戻り、封止機移動モータ163および加圧受台162が離れる。
【0051】
図11に示すように、容器200を封止する場合には、容器200の充填口211の外周面はホーン161bと加圧受台162とによって挟圧され、充填口211が閉塞される。特に、ホーン161bに接触している充填口211は、強力な摩擦熱が発生することで、溶融温度まで瞬時に上昇し、充填口211が溶融することで溶着される。このとき、加圧受台162には、逃部162aが形成されているので、充填口211が加圧受台162側に偏ることなく溶着されるので充填口211近辺で割れ等が発生せず、溶着の品質を向上させることができる。
【0052】
なお、図11に示すように、支持板116は容器封止部160に近接した位置に上側に突出する突起116aを有する。ターンテーブル109により容器封止部160に移送された容器200は、摘み部206が突起116aに案内されることで、容器200の両側のパーティングライン205がターンテーブル109の接線方向と平行になるように軸回りに回転する。したがって、容器200は封止機161によって両側のパーティングライン205が略合致するように挟圧される。図5(b)は、薬液が充填された容器200の充填口211が封止された状態を示す斜視図である。図5(b)に示すように、封止後の容器200は、比較的強度が弱いパーティングライン205が、封止によって形成された折曲がり部212に位置することを防止することができ、折曲がり部212の割れ等の発生を回避することができる。
【0053】
また、図3に示すように、容器封止部160の支持基台164は、フレーム101に対してヒンジ167を介して水平方向に開閉することができる。支持基台164を開放することで、容器封止部160の後側に配置されているターンテーブル109や薬液充填部140等を露出させることができる。したがって、ユーザはシリンジ143、第1流路部145aおよび第2流路部145bの交換を始めとしたメンテナンスを容易に行うことができる。
【0054】
<容器排出部>
容器排出部170は、薬液が充填された容器200を収容部104に排出する。この処理は、ターンテーブル109が回転することで行われる。
上述したように、支持板116は容器排出部170に相当する位置ではターンテーブル109に重なり合わず切り欠かれている。したがって、ターンテーブル109により移送された容器200が容器排出部170に到達することで、容器200を支持する支持板1
16が存在しないために、容器200が落下する。落下した容器200は収容部104内に排出される。
【0055】
このように自動分注装置20では、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160および容器排出部170を経て、1回の服用分の薬液が充填された容器200が収容部104に排出される。また、2本以上の容器200に薬液を充填する場合には、容器供給部120、薬液充填部140および容器封止部160では、本数分だけ上述した処理を連続して繰り返す。
【0056】
自動分注装置20では、パソコン30から入力された本数分の容器200に薬液を充填した後に、次の異なる薬液を充填する場合に備えて、充填し終わった薬液が残留する薬液容器141を含む薬液充填部140を洗浄するための洗浄部180を備えている。
<洗浄部>
洗浄部180では、充填が終了し薬液充填部140内に残留した薬液を洗浄水で洗浄する。この処理は、支持板116を上昇させている状態で行われる。
図8は、洗浄部180の概略構成を示している。
洗浄部180は、洗浄水ポンプ181、洗浄ノズル182、排水ソレノイド183、排水受184、排水ポンプ185を備えている。
【0057】
洗浄水ポンプ181は、洗浄水を揚水し、薬液容器141に向かって送水する。なお、洗浄水ポンプ181は、図示しない洗浄水タンクに貯水された洗浄水を取得してもよく、蛇口から直接、水道水を取得して洗浄水としてもよい。
洗浄ノズル182は、薬液容器141の蓋142の下面に取り付けられている。洗浄ノズル182は、洗浄水ポンプ181により揚水された洗浄水を薬液容器141内に噴射する。洗浄ノズル182は、洗浄水を拡散して噴射できるノズルが用いられる。洗浄水を拡散して噴射することで、薬液容器141の内面に洗浄水が満遍なく行きわたり、内面に付着した薬液を洗浄することができる。
【0058】
排水ソレノイド183は、排水受移動部の一例であって、薬液容器141に残留した薬液を排水する場合および洗浄部180により薬液充填部140を洗浄している場合に、排水受184の先端が吐出部149の直下になるように、排水受184を待機位置から移動させる。また、排水ソレノイド183は、薬液充填部140が洗浄された後、排水受184を待機位置に戻す。
【0059】
排水受184は、吐出部149から吐出される残留した薬液および薬液充填部140を洗浄し終わった洗浄水を受水し、下端に取り付けられた排水ホース186を介して、排水する。排水受184は、例えば金属製のパイプで形成され、上下方向に延出し、先端側が屈曲している。排水受184の先端側を屈曲させることで、排水受184を吐出部149の直下に移動させるときに、ターンテーブル109との干渉を防止することができる。なお、排水受184は、一部に移送部110の支持板116に当接する当接部187を有する。移送部110のテーブル昇降モータ117は、排水受184の先端が吐出部149の直下に位置したときに、支持板116を上昇させることで、排水受184を上昇させることができる。したがって、排水受184の先端を吐出ノズル149aに密着させることができる。
【0060】
排水ポンプ185は、薬液容器141に残留した薬液および薬液容器141を洗浄した洗浄水を、排水受184、吐出部149およびシリンジ143を介して吸い込み迅速に排水する。
以上が、自動分注装置20の容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180の構成である。
【0061】
次に、自動分注装置20の内部には、上述した容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180を制御するためにメインボード190を有している。
図12は、自動分注装置20のメインボード190の構成を示す図である。
メインボード190は、コントローラ191、入力インタフェース192、出力インタフェース193を有している。コントローラ191は、自動分注装置20全体を制御する制御部として機能する。コントローラ191は、入力インタフェース192を介してパソコン30、各種センサ194から入力される信号を受信する。各種センサ194には、容器サイズ識別センサ、容器センサ139aおよび容器向きセンサ139b等が含まれる。また、コントローラ191は、受信した信号に基づいて出力インタフェース193を介して信号を送信し、上述した各種モータ、第1電磁弁150a、第2電磁弁150b、封止機161、洗浄水ポンプ181、排水ソレノイド183、ブザー195等の駆動を制御する。
ブザー195は、ユーザに対して洗浄部180による洗浄が終了したことを報知する。
【0062】
コントローラ191は、CPU220、ROM221、RAM222等を含む、いわゆるコンピュータを構成している。CPU220は、ROM221に格納されたプログラムを実行することにより、後述するフローチャートの処理を実現する。ROM221は、不揮発性メモリであって、CPU220が実行するプログラム、自動分注装置20全体を制御するための情報等が格納されている。RAM222は、揮発性メモリであって、CPU220が自動分注装置20全体を制御するときの情報等を一時的に記憶する。
【0063】
次に、自動分注装置20による一連の処理を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。図13に示すフローチャートは、コントローラ191のCPU220がROM221に格納されたプログラムを実行することにより実現する。ここでは、ユーザは、予め患者の処方箋に記載された薬液を総容量よりも多めに薬液容器141に投入する。例えば、1回の服用分の薬液の容量が6mlであり、6本の容器200に充填する場合には、総容量は36mlであるが、36mlよりも幾分多めに投入する。このように多めに投入するのは例えば薬液容器141内に薬液が付着してしまい、1回の服用分の薬液の容量に不足するのを防止するためである。
【0064】
更に、ユーザは、1回の服用分の薬液の容量に合わせたサイズの容器200が収容された容器ホッパ121を設置する。このとき、コントローラ191は、容器サイズ識別センサにより検出された容器ホッパ121の識別部の情報に基づいて、容器ホッパ121に収容されている容器200のサイズの情報を取得することができる。
【0065】
まず、ステップS11では、ユーザはパソコン30を用いて、1回の服用分の薬液の容量と、充填する容器の本数とを入力する。パソコン30には、予め自動分注装置20のコントローラ191に対して薬液の注入指示をすることができるプログラムがインストールされている。図14は、パソコン30の注入指示の画面の一例を示す図である。図14に示す画面には、容量の入力欄225、本数の入力欄226、注入スタートボタン227、テンキーボタン228、容器サイズ選択ボタン229、OKボタン230、クリーニングボタン231が表示されている。
【0066】
ユーザは、テンキーボタン228を用いて1回の服用分の薬液の容量および充填する容器の本数を、容量の入力欄225および本数の入力欄226に入力する。このとき、画面には必要な薬液の総容量が表示される。また、ユーザは、容器サイズ選択ボタン229を用いて、充填する容器のサイズを選択する。最後に、ユーザは注入スタートボタン227を押下することで、パソコン30は1回の服用分の薬液の容量および充填する容器の本数
の情報、容器200のサイズの情報を自動分注装置20のコントローラ191に送信する。
【0067】
なお、図14に示す画面において、OKボタン230は画面に表示されるメッセージ233を確認した場合のボタンである。クリーニングボタン231は自動分注装置20の一連の動作によらず、単独で洗浄部180を動作させたい場合のボタンである。例えば、洗浄部180の動作を確認したい場合や一連の動作の中でも洗浄し切れていない場合に用いられる。
【0068】
また、ユーザは、必要に応じて容器200に充填される薬液の容量を調整することができる。図15は、パソコン30の調整設定の画面の一例を示す図である。図15に示す画面には、薬液の増減量の入力欄234、増量ボタン235、減量ボタン236が表示されている。ユーザは、増量ボタン235および減量ボタン236を用いて、1回の服用分の薬液の容量に対して増量または減量したい量を、入力欄234に入力する。この調整設定は、薬液充填部140において実際に充填される薬液の量が多かったり、少なかったりする場合に用いられる。入力欄234に入力された増減量の情報は、ユーザが注入スタートボタン227を押下したときに、1回の服用分の薬液の容量および充填する容器の本数の情報と共に、コントローラ191に送信される。
【0069】
図13に戻り、ステップS12では、コントローラ191はパソコン30から送信された容器200のサイズと、容器ホッパ121に収容されている容器200のサイズとが一致しているか否かを判定する。一致している場合にステップS13に進み、一致していない場合にはステップS29に進む。ステップS29では、コントローラ191は、容器200のサイズが一致していない旨をパソコン30に表示させ、ステップS11に戻る。
【0070】
以下、ステップS13〜ステップS15までが、薬液を容器200に充填するまでの準備処理を示している。
ステップS13では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させる。
ステップS14では、コントローラ191は第1電磁弁150aにより薬液容器141とシリンジ143との間の第1流路部145aを開放させる一方、第2電磁弁150bによりシリンジ143と吐出部149との間の第2流路部145bを閉塞させて、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。したがって、薬液容器141とシリンジ143との間の空気または残留している洗浄水をシリンジ143の外筒143a内に吸引することができる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させて、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、空気あるいは残留した洗浄水は吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水される。このような処理により、薬液容器141内の薬液をシリンジ143に至る位置まで到達させることができ、後述するステップS19において、シリンジ143の内筒143bを上昇させた直後から薬液をシリンジ143内に吸引させることができる。その後、コントローラ191は、排水受184を待機位置に戻す。
【0071】
以下、ステップS16〜ステップS23までが、1回の服用分の薬液を容器200に指示された本数だけ充填する分注処理を示している。
ステップS16では、コントローラ191は容器供給部120において供給ホルダ126を容器ホッパ121から容器200が落下するのを受け止めることができる位置に回転し、供給ホルダ126に容器200を保持する。このとき、コントローラ191は容器センサ139aおよび容器向きセンサ139bからの信号に基づいて供給ホルダ126内に正しい向きで保持されているかを判定する。
【0072】
容器200の充填口211が前側に位置し、容器200の摘み部206が後側に位置する正しい向きの場合、容器センサ139aが容器200を検出している状態では、容器向きセンサ139bは充填口211が検出方向であるために容器向きセンサ139bから信号は出力されない。一方、容器200が逆の向きの場合、容器センサ139aが容器200を検出している状態では、容器向きセンサ139bは摘み部206を検出するために容器向きセンサ139bから信号が出力される。したがって、コントローラ191は、容器センサ139aおよび容器向きセンサ139bの何れからも信号が出力されているときには容器200が逆の向きであると判定し、容器センサ139aのみから信号が出力されているときには容器200が正しい向きであると判定する。ただし、容器200の向きの判定は、この場合に限られず、他の方法で判定してもよい。コントローラ191は容器200が逆の向きであると判定した場合に、容器200が逆の向きである旨の情報を記憶する。
【0073】
ステップS17では、コントローラ191は容器200を移送部110のターンテーブル109に搬送する。具体的には、ターンテーブル109が停止している間に、コントローラ191が供給ホルダ126を回転させることで、供給ホルダ126に保持していた容器200を搬送路134を介して落下させる。
なお、コントローラ191はパソコン30から受信した容器200のサイズの情報に基づいて、予め支持板116を昇降させて、第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間の距離を、容器200のサイズに合わせた距離に設定する。したがって、容器200は第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間から抜け出てしまうことなく、挿通孔111内で起立した状態が維持される。なお、このときの支持板116および第2ターンテーブル109bの上下方向の位置を、以下では設定位置という。
以降、コントローラ191は、ターンテーブル109を所定の角度(ここでは90度)回転させ、支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させ、所定時間(t2)が経過した後に、設定位置まで下降させる処理を繰り返す。
【0074】
ステップS18では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、容器200を薬液充填部140に移送する。続いて、コントローラ191は、支持板116を設定位置から上昇させることで、容器200を上昇させて、容器200の充填口211を吐出部149内に位置させる。このとき、設定位置から支持板116を上昇させる距離は、容器200のサイズに関わらず同一である。したがって、どのようなサイズの容器200であっても、充填口211を常に吐出部149内に位置させることができる。
【0075】
なお、ステップS18において、容器200が逆の向きである旨の情報が記憶されている場合、コントローラ191はターンテーブル109を逆方向(右回り)に90度回転させ、容器200を容器排出部170に移送して、空の容器200を排出する。すなわち、S16において供給ホルダ126に容器200が逆の向きに保持されている場合、次のS17では、摘み部206が上側で充填口211が下側の状態でターンテーブル109に保持されてしまう。したがって、コントローラ191は逆の向きの容器200を容器排出部170で排出させることで、停止させることなく、分注処理を継続させることができる。
【0076】
ステップS19では、コントローラ191は第1流路部145aを開放させる一方、第2流路部145bを閉塞させた後、パソコン30から受信した薬液の容量の情報および調整設定された増減量の情報に基づいてシリンジ143の内筒143bを上昇させる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させた後、シリンジ143の内筒143bを下降させる。この処理によって、1回の服用分の薬液が薬液容器141からシリンジ143に吸引され、吐出部149を通して容器200に充填される。なお、ステップS20のうちシリンジ143の内筒143bを上昇させる処理は、ステップS18において支持板116を設定位置から上昇させるまでの間に行ってもよく、この場合には薬液を充填するまでの時間を短縮することができる。その後、コントローラ191は支持板116を設定位置まで下降させる。
【0077】
ステップS20では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、薬液が充填された容器200を容器封止部160に移送する。続いて、コントローラ191は、支持板116を設定位置から上昇させることで、容器200の充填口211を封止機161と加圧受台162との間に位置させる。
ステップS21では、コントローラ191は封止機161と加圧受台162とを近づけて、容器200の充填口211をホーン161bと加圧受台162とによって挟圧させながら、溶融させることで充填口211が封止される。その後、コントローラ191は支持板116を設定位置まで下降させる。
【0078】
ステップS22では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、薬液が充填された容器200を容器排出部170に移送する。容器排出部170では、容器200を支持する支持板116が存在しないために、容器200がターンテーブル109から落下し、収容部104内に排出される。
【0079】
ステップS23では、コントローラ191はパソコン30から受信した、指示された本数に達したか否かを判定する。本数に達した場合にはステップS24に進み、本数に達していない場合にはステップS16に戻る。ただし、本実施形態の自動分注装置20は、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160の各処理部において、連続して異なる容器200の処理が行われている。したがって、コントローラ191は各処理部において、指示された本数の処理が終了したか否かを判定し、終了した場合には、処理部ごとに処理を終了させる。ただし、コントローラ191は指示された最後の本数の容器200が排出されるまで、ターンテーブル109の回転および支持板116の昇降を繰り返し行う。指示された本数に達した場合、コントローラ191は分注が完了した旨をパソコン30に表示させる。
【0080】
以下、ステップS24〜ステップS28までが、薬液充填部140を洗浄する洗浄処理を示している。
ステップS24では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させた後、排水受184を上昇させる。
ステップS25では、コントローラ191はシリンジ143の内筒143bをある程度上昇させると共に、第1流路部145aおよび第2流路部145bを開放させる。次に、コントローラ191は排水ポンプ185を駆動する。したがって、薬液容器141に残留している薬液が排水受184を介して迅速に排水される。
【0081】
ステップS26では、コントローラ191は洗浄水ポンプ181により洗浄水を揚水し、洗浄ノズル182を介して洗浄水を薬液容器141内に噴射させる。このとき、洗浄後の洗浄水は、S25と同様の流路を経て、排水受184を介して迅速に排水される。なお、ステップS26の処理は、ステップS25の処理と同時に行ってもよい。
ステップS27では、コントローラ191は薬液容器141内が一通り洗浄される一定時間が経過した後、第1流路部145aを開放させたまま、第2流路部145bを閉塞させた状態で、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させた後、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、シリンジ143内を洗浄した洗浄水は吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水される。このように、一定時間が経過した後に、シリンジ143を洗浄することで、薬液が混ざっていない洗浄水で洗浄することができるので、迅速にシリンジ143を洗浄することができる。
このような処理により、薬液容器141、シリンジ143、第1流路部145a、第2流路部145b、吐出部149が洗浄水によって洗浄されるので、次に薬液容器141に投入される薬液との混合を防止することができる。なお、コントローラ191は設定に応じてステップS27の処理を2回以上行うようにしてもよい。続いて、コントローラ191は排水受184を待機位置に戻す。
【0082】
ステップS28では、コントローラ191はユーザに対して洗浄が完了した旨をパソコン30に表示すると共に、ブザー195により洗浄が終了したことを報知する。したがって、次の患者の薬液を容器200に充填する場合には、ユーザはブザー195の報知に応じて直ぐに次の薬液を薬液容器141に投入することができる。最後に、プリンタ40は充填した薬液の容量および充填した容器200の本数を紙媒体に出力する。
【0083】
以上の処理により、自動分注装置20による一連の処理が終了する。次の異なる薬液を分注させたい場合には、同様に上述したステップS11〜ステップS28までの処理を繰り返し行う。
【0084】
患者は、自動分注装置20により充填された容器200を用いて薬液を直接、服用することができる。患者は、摘み部206を摘んだ状態から水平方向に回転、すなわち捻ることで、接続部208自体が破断し、図5(c)に示すように摘み部206が容器本体201から離脱する。摘み部206を離脱させることにより、咥え部214の下端から球状部207が破断し、咥え部214の下端に注出口204が形成される。この状態で、患者が咥え部214を口に咥えながら容器本体201を指で押圧することにより、容器本体201に収容された薬液を注出口204を介して外部に注出させることができる。
【0085】
本実施形態の自動分注装置20によれば、1回の服用分の薬液を必要な本数だけ、容器200に充填させて封止することができる。したがって、例えば薬局等に本実施形態の自動分注装置20を設置した場合には、即座に処方箋に応じた1回の服用分の薬液を処方箋に応じた本数だけ患者に提供することができる。そのため、患者は、1回の服用分の薬液を目視やスポイト等により取り出す必要がなく、薬液を服用するときの手間を省くことができる。
【0086】
また、自動分注装置20は、薬液が貯留される薬液容器141を洗浄する洗浄部180を有していることから、次に処方箋に応じた薬液を容器200に充填する場合に、前回の薬液と混合することがなく、処方箋に応じた薬液のみを患者に提供することができる。このとき、洗浄部180は、1回の服用分の薬液を容器200に指示本数、充填し終わった後、直ぐに薬液容器141を洗浄するので、次の処方箋に応じた薬液を薬液容器141に投入することができる。
【0087】
また、自動分注装置20は、複数のサイズの容器200に対応しているので、1回の服用分の薬液の容量に応じた適切な容器200に薬液を充填することができる。したがって、患者は嵩張ることなく容器を持ち運ぶことができる。このとき、各サイズの容器200は、容器本体201の全長を変化させているだけである。したがって、自動分注装置20は、容器200のサイズに応じて支持板116を上昇させる位置を変更するだけの比較的簡単な制御で、複数のサイズの容器200に対応することができる。
【0088】
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上述した実施形態では、封止機161として、超音波振動装置を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、他の封止方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、パソコン30に1回の服用分の薬液の容量の情報および本数の情報等を入力する場合について説明したが、この場合に限られず、患者名や薬液の服用方法を入力できるように構成してもよい。この場合、プリンタ40は、入力された患者名や薬液の服用方法等を、1枚ずつ容器に貼り付け可能な紙媒体に印刷してもよい。
【0089】
また、本実施形態では、容器200の摘み部206を容器本体201から破断して離脱させることで、注出口204が形成される場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、摘み部を離脱させなくても単に折り曲げること等により注出口が形成される構成であってもよい。
また、本実施形態では、容器200が挿通孔111に挿通されることでターンテーブル109に保持される場合について説明したが、この場合に限られず、クリップ状の保持部が容器200を挟み込むようにすることで、ターンテーブル109に保持されてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、シリンジ143により薬液容器141から1回の服用分の薬液を吸引する場合について説明したが、この場合に限られない。例えばコントローラ191は、シリンジ143により複数回(例えば指示された本数分)の服用分の薬液を吸引してもよい。この場合であっても、コントローラ191は、シリンジ143により1回の服用分の薬液を容器200に充填する。このように、複数回の服用分の薬液を吸引することで、一つの容器200ごとに薬液を吸引する必要がなく、薬液を容器200に充填する時間を短縮させることができる。
また、本実施形態では、ステップS13〜S15までの準備処理を実行する場合について説明したが、この場合に限られず、必要に応じて省略してもよい。
【符号の説明】
【0091】
10:自動分注システム 20:自動分注装置 30:パソコン 109:ターンテーブル 110:移送部 116:支持板 120:容器供給部 121:容器ホッパ 126:供給ホルダ 140:薬液充填部 141:薬液容器 143:シリンジ 149:吐出部 145a:第1流路部 145b:第2流路部 150a:第1電磁弁 150b:第2電磁弁 160:容器封止部 161:封止機 162:加圧受台 170:容器排出部 180:洗浄部 184:排水受 200:容器 201:容器本体 203:注出部 204:注出口 205:パーティングライン 206:摘み部 207:球状部 208:接続部 209:被充填部 211:充填口 212:折曲がり部
図1
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図10A
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