(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バケットを有する作業機を有し,前記バケットで作業対象物を運搬車両に積み込む積込作業を繰り返して行う建設機械と,前記バケット内の作業対象物の重量を算出する制御装置と,前記制御装置が算出した作業対象物の重量を表示する表示装置とを備える建設機械の荷重計測システムにおいて,
前記制御装置は,
前記運搬車両に積み込む作業対象物の総重量の目標値である目標積載重量P及び前記目標積載重量Pに到達させるまでに要する前記建設機械による積込回数を示す設定積込回数に基づいて,前記設定積込回数の積込作業で前記目標積載重量Pの作業対象物を前記運搬車両に積み込むために,前記建設機械による1回の積込作業で前記運搬車両に積み込むべき作業対象物の重量の適正値である適正積込重量Waを、前記目標積載重量Pを前記設定積み込み回数で除することで算出する積込重量演算部と,
前記適正積込重量Wa及び前記バケットに積み込み可能な前記作業対象物の最大重量を含むバケット形状情報に基づいて,前記適正積込重量Waの作業対象物を所定の姿勢の前記バケットに積み込んだときの前記バケット内における作業対象物の状態のイラストである適正量イラストを作成するイラスト作成部と、を有し,
前記表示装置は,前記所定の姿勢の前記バケットのイラストと前記適正量イラストを重畳表示することを特徴とする建設機械の荷重計測システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明に係る建設機械の荷重計測システムの実施の形態の1つを
図1,
図2を用いて説明する。本実施形態では建設機械として油圧ショベルを利用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係る建設機械の荷重計測システムが適用される油圧ショベルの側面図である。本実施形態では,油圧ショベルのフロント作業機のアーム先端に取り付けるアタッチメントとしてバケットを使用し,このバケットにより土砂(作業対象物)を掘削してダンプトラック(運搬車両)の荷台に積み込む作業(積込作業)を繰り返して行う場合について説明する。
【0012】
図1において,油圧ショベル1は,履帯式の走行装置を左右に一対備えた下部走行体2と,下部走行体2の上部に旋回装置11を介して旋回可能に装着された上部旋回体3と,この上部旋回体3の上部に上下方向に揺動自在に取り付けられたフロント作業機4と,上部旋回体3上に搭載されオペレータが搭乗するキャブ17とを備えている。
【0013】
フロント作業機4は,上部旋回体3に上下方向に揺動自在に取り付けられたブーム5と,このブーム5の先端に揺動自在に取り付けられたアーム6と,このアーム6の先端に回動自在に取り付けられたバケット7と,ブーム5を起伏させて揺動させるためのブームシリンダ(油圧シリンダ)8と,アーム6を揺動させるためのアームシリンダ(油圧シリンダ)9と,バケット7を回動させるためのバケットシリンダ(油圧シリンダ)10とを有している。ブーム5は上部旋回体3の前部中央に設けられたブラケットにピンを介して連結され,この連結部を支点として揺動自在に支持されている。
【0014】
また,上部旋回体3には,本実施形態の荷重計測システムにおける各種演算を行うコンピュータ(制御装置)18と,このコンピュータ18での演算結果などを表示する表示装置19と,オペレータがコンピュータ18への情報の入力を行うための入力装置50と,本実施形態の荷重計測システムによる一連の処理を開始するための荷重計測開始スイッチ22と,本実施形態の荷重計測システムによる一連の処理を終了するための荷重計測終了スイッチ23とが設けられている。
【0015】
コンピュータ18は,後述の荷重演算部26(
図2参照)によって実行されるバケット7内の作業対象物の重量を算出する機能を有しており,表示装置19はコンピュータ18が算出した作業対象物の重量を表示する。
【0016】
表示装置19と,入力装置50と,荷重計測開始スイッチ22と,荷重計測終了スイッチ23はキャブ17内に設置することができる。コンピュータ18はキャブ17内に設置してもキャブ17外の任意の場所に設置してもよい。
【0017】
フロント作業機4には各種センサから成る姿勢検出装置101と圧力検出装置102が設けられている。姿勢検出装置101は,フロント作業機4の姿勢を検出するための装置であり,ブーム5の上部旋回体3に対する角度を検出するためのブーム角度センサ12と,アーム6のブーム5に対する角度を検出するためのアーム角度センサ13と,バケット7のアームに対する角度を検出するためのバケット角度センサ14とで構成されている。また,圧力検出装置102は,ブームシリンダ8におけるボトム側のシリンダ内の作動油圧を検出するブームボトムシリンダ圧力センサ15と,ブームシリンダ8におけるロッド側のシリンダ内の作動油圧を検出するブームロッドシリンダ圧力センサ16とで構成されており,これらセンサ15,16が検出した作動油圧に基づいてブームシリンダ8に作用する負荷が検出されている。
【0018】
次に上述した
図1を参照しつつ,
図2により本実施形態の荷重計測システムのシステム構成について説明する。
図2は本実施形態の荷重計測システムのシステム構成図である。なお,先の図と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略することがある(以下の図についても同様とする)。
図2の荷重計測システムは,コンピュータ18と,入力装置50と,表示装置19と,姿勢検出装置101と,圧力検出装置102と,荷重計測開始スイッチ22及び荷重計測終了スイッチ23を備えている。
【0019】
入力装置50は,例えばテンキー,タッチパネル,キーボード等であり,ダンプトラックに積み込む作業対象物の総重量の目標値である目標積載重量Pの入力設定を行うための目標積載重量設定部20と,バケット7の形状を示すバケット形状情報の入力設定を行うためのバケット形状設定部21と,ダンプトラックに積み込む作業対象物の重量を目標積載重量Pに到達させるまでに要する油圧ショベル1による積込回数(積込作業の回数)を示す設定積込回数nの入力設定を行うための積込回数設定部61を有している。積込作業の効率を最大化する観点からは積込作業で利用するダンプトラックの最大積載重量を目標積載重量Pと設定することが好ましい。バケット形状情報には,フロント作業機4に装着されたバケット7の容器としての形状を規定するために必要な情報が含まれており,例えば,バケット7の外寸及び内寸を含む寸法情報,バケット幅方向に直交する断面形状及び断面積並びにバケット幅方向長さ,バケット7に積み込み可能な作業対象物の最大重量及び最大容量等が含まれ得る。なお,バケットの種類ごとに識別子を設定し,各識別子にバケット形状情報が紐づけられてコンピュータ18(記憶装置40)に記憶されている場合には,フロント作業機4のバケット7の識別子をバケット形状情報として入力することで間接的にバケット形状を設定しても良い。入力装置50を介して入力される目標積載重量P,設定積込回数n,バケット形状情報等はコンピュータ18に入力される。
【0020】
コンピュータ18は,半導体メモリ(例えばROM,RAM)や磁気記憶装置(HDD)で構成される記憶装置40と,図示しない処理装置(例えばCPU,MPU)を備え,センサ信号入力部25,荷重演算部26,積込重量演算部27,及びイラスト作成部28として機能する。
【0021】
センサ信号入力部25は,フロント作業機4に設けられた姿勢検出装置101と圧力検出装置102の各センサの出力信号と,荷重計測開始スイッチ22の出力信号と,荷重計測終了スイッチ23の出力信号とを入力し,それぞれの入力信号の形式をコンピュータ18(処理装置)が荷重演算部26で演算を行うために必要な形式に変換するものである。
【0022】
荷重演算部26は,姿勢検出装置101と圧力検出装置102の各センサから入力される信号を基に,運搬中のバケット7内の作業対象物(土砂や鉱石など)の重量である実積込重量W
kをフロント作業機4の動作中に演算し,演算した実積込重量W
kを表示装置19と積込重量演算部27とに出力する。実積込重量W
kの演算方法は,例えば特許第6042358号公報の実施例1の作業対象物重量Wの演算方法が利用可能である。この文献の演算方法では,フロント作業機4の自重,圧力センサ15,16の検出値から算出されるブームシリンダ8の支持力,センサ12,13,14の検出値から算出されるブーム揺動中心とバケット重心位置間の水平方向長さ,センサ12,13,14の検出値から算出されるブーム揺動中心とブームシリンダ8を除いたフロント作業機4の重心位置間の水平方向長さに基づいて重量Wが算出されている。但し,この演算方法に限るものではなく,運搬中のバケット7内の作業対象物の重量Wが演算可能な公知の方法が利用可能である。
【0023】
積込重量演算部27は,油圧ショベル1による次回の積込作業でダンプトラックに積み込むべき作業対象物の重量の適正値である適正積込重量W
aを演算する処理を実行する部分である。本実施形態の積込重量演算部27は,まず,残り積載重量P
aと残り積込回数nを算出する。残り積載重量P
aは,ダンプトラックに積み込み済みの作業対象物の重量である実積込重量W
kの積算値(ΣW
k(k=1,2,3,…))を目標積載重量Pから減じた値である(P
a=P−ΣW
k)。kはダンプトラックに対して行った積込作業の回数を示し,残り積込回数nは積込回数設定部61で入力した設定積込回数(nの初期値)からkを減じた値である。そして,積込重量演算部27は,残り積載重量P
aを残り積込回数nで除することで,油圧ショベル1による次回の積込作業でダンプトラックに積み込むべき作業対象物の重量の適正値である適正積込重量W
aを演算する(W
a=P
a/n)。適正積込重量W
aが,バケット7に積込可能な作業対象物の最大重量W
capを上回る場合は残り積込回数nに1を加えて適正積込重量W
aを再度演算しても良い。この場合,適正積込重量W
aがバケット最大重量W
capを下回るまでこの処理を繰り返すことが好ましい。積込重量演算部27で演算された適正積込重量W
aはイラスト作成部28に出力される。
【0024】
イラスト作成部28は,適正積込重量W
a及びバケット形状情報に基づいて,適正積込重量W
aの作業対象物を所定の姿勢(本稿では「特定姿勢」と称することがある)のバケット7に積み込んだときのバケット7内における作業対象物の状態のイラストである適正量イラスト30(
図4参照)を作成する。本実施形態ではキャブ17内のオペレータからのバケット7の見え方を考慮して
図4に示すようにバケット7の開口面を略水平に保持した状態を特定姿勢として設定している。本稿では,特定姿勢のバケット7のイラストをバケットイラスト29と称し,そのバケットイラスト29の上に適正量イラスト30を重ね合わせたものを目標イラスト31と称する。また,イラスト作成部28は,バケット形状情報に基づいてバケットイラスト29を作成し,そのバケットイラスト29と適正量イラスト30から目標イラスト31を作成し,目標イラスト31を画面表示するための情報を表示装置19に出力する。
【0025】
図4は本実施形態における表示装置19の表示画面の外観図の一例である。
図4を用いて本実施形態の荷重計測システムの表示について説明する。表示装置19は積込重量演算部27により演算される適正積込重量W
aを目標掘削量32として表示し,イラスト作成部28で作成された目標イラスト31(バケットイラスト29に適正量イラスト30を重畳表示したイラスト)を表示し,荷重演算部26で演算された実積込重量W
kを掘削量33として表示している。また,目標積載重量設定部20を介して入力された目標積算重量Pは目標積算重量41として表示され,積込回数設定部61を介して入力された設定積込回数nは積込回数43として表示されている。
図4中のバケット容量42には,便宜上,バケット形状設定部21を介して入力されたバケット形状情報と作業対象物の密度ρ1を基に算出されるバケット7に積込可能な作業対象物の最大重量W
capを表示しているが,「バケット容量」という表示に即してバケット7に積込可能な作業対象物の最大容積を表示しても良い。
【0026】
なお,表示装置19をタッチパネルで構成し,画面上の目標積算重量41をタッチすると目標積載重量Pの入力画面に遷移するようすることで表示装置19を入力装置50として機能させても良い。同様にバケット容量42をタッチするとバケット形状情報の入力画面に,積込回数43をタッチすると設定積込回数nの入力画面に遷移するようにしても良い。
【0027】
次に
図3に示すフローチャートを用いて本実施形態の荷重計測システムにおける演算の流れを説明する。荷重計測開始スイッチ22がオペレータによって押下されると,コンピュータ18は
図3の一連の処理を開始する(ステップS101)。ステップS102では,目標積載重量設定部20及び積込回数設定部61を介してオペレータに設定された運搬先のダンプトラックの目標積載重量Pと積込回数nを入力する。ステップS103ではバケット形状設定部21を介してオペレータに設定されたバケット形状情報を入力する。
【0028】
ステップS104では,イラスト作成部28にて,ステップS103で入力したバケット形状情報に基づいてバケットイラスト29(特定姿勢のバケット7のイラスト)を作成する。フロント作業機4に装着したバケット7の形状が予め判明済みの場合には,ステップS103のバケット形状情報の入力を省略し,記憶装置40に予め記憶しておいたバケットイラスト29を以後の処理で利用するようにプログラムを構成しても良い。
【0029】
ステップS105では,積込重量演算部27にて適正積込重量W
aを演算する。ダンプトラックに作業対象物を積み込む前の初回は,ステップS102で入力した目標積載重量Pを同じくステップ102で入力した積込回数で除した値を適正積込重量W
aとする。
【0030】
ステップS106では,S105で算出した適正積込重量W
aがバケット7に積込可能な作業対象物の最大重量W
capより小さいか否かを判定する。ここで,適正積込重量W
aが最大重量W
capより小さいと判定された場合(YESの場合)はステップS107に進む。反対に適正積込重量W
aが最大重量W
cap以上と判定された場合(NOの場合)は,バケット7に作業対象物(土砂)が入りきらないことを示すので,ステップS119で積込回数nを1回増やし,ステップS105に戻って適正積込重量W
aを再度演算する。
【0031】
ステップS107では,イラスト作成部28にて,バケット形状情報から規定されるバケット形状とステップS105で演算した適正積込重量W
aとに基づいて適正量イラスト30を作成する。本実施形態のイラスト作成部28は,適正量イラスト30の作成に際して,まず,予め設定されている作業対象物の密度ρ1で適正積込重量W
aを除して適正積込容量V
aを算出する。そして,イラスト作成部28は,S103で入力したバケット形状情報に基づいてバケット7の容器としての形状を規定し,特定姿勢のバケット7に適正積込容量V
aの作業対象物を入れたときのバケット7内での作業対象物の見え方(外観)を基に適正量イラスト30を作成している。本実施形態では,
図4に示すように,特定姿勢のバケット7内に適正積込容量V
aの作業対象物を入れたときのその作業対象物の表面がバケット7の内側面と交差して現れる四角形を適正量イラスト30としており,その際の作業対象物を半透明で示してバケットイラスト29におけるバケット底面を視認可能にしている。
【0032】
ステップS109では,イラスト作成部28にて,バケットイラスト29と適正量イラスト30を重畳して目標イラスト31を作成する。そして,ステップS110では,その目標イラスト31を表示装置19に表示する。これによりキャブ17内のオペレータに次回の掘削作業でどの程度の作業対象物をバケット7内に入れれば良いかを直観的に把握させることができる。
【0033】
ステップS111では姿勢検出装置101と圧力検出装置102から入力される信号を基に荷重演算部26により実積込重量W
kを演算し,ステップS112ではその実積込重量W
kの値を表示装置19で掘削量33として表示する。
【0034】
ステップS113では,姿勢検出装置101の入力信号からフロント作業機4の姿勢を検出し,フロント作業機4がバケットダンプ動作をしているか否かを判定する。ここでバケットダンプ動作が検出された場合には,ダンプトラックへの放土動作が行われたとみなしてステップS114に進んで残りの積込回数を1減らす。なお,本実施形態では放土動作が行われたか否かをバケットダンプ動作を検出することで判定したが,ダンプトラックに近づく方向への旋回動作,バケット7内の実積込重量W
kの変化,ダンプトラックの積込重量の変化を検出する等してダンプトラックへの放土動作の実施を判定しても良い。
【0035】
ステップS115では,残り積込回数がゼロに達したか否かを判定する。ここで残りの積込回数がゼロでない場合にはステップS116に進んで荷重演算部26により積算積込重量ΣWkを演算する。
【0036】
ステップS117では,積込重量演算部27により,残り積載重量P
a(P
a=P−ΣW
k)を演算する。例えば,積込作業が1回完了した場合は,P
a=P−W
1となる。
【0037】
ステップS118ではkに1を加えて,ステップS105で適正積込重量W
aを再度演算する。例えば2回目に適正積込重量W
aを演算する場合には,W
a=(P−W
1)/(n−1)(ただし,この式のnは積込回数設定部61で入力した値とする)となる。
【0038】
一方,ステップS115で残り積込回数がゼロとなった場合にはステップS120でkを初期値の1に設定してフローチャートの処理を終了する(ステップS121)。
【0039】
上記のように構成した荷重計測システムによれば,適正積込重量W
aを容量(体積)に変換した値(適正積込容量Va)と現在装着しているバケット7の容器としての形状に基づいて,所定の姿勢(特定姿勢)のバケット7に適正積込重量W
aの作業対象物を入れた状態を示すイラスト(目標イラスト31)が作成され,そのイラストが表示装置19に表示されるので,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかをオペレータが直観的に把握できる。これによりダンプトラックの積載重量を目標値P(例えば最大積載重量)に容易に近づけることができるので作業効率を向上できる。
【0040】
また,上記の実施形態では実積込重量W
kの積算値(ΣW
k))に応じて適正積込重量W
aと積込回数を補正しているため,例え途中の積込作業で当初の適正積込重量W
aと異なる重量の作業対象物を積み込んでしまったとしてもダンプトラックの最終的に積載重量を目標値Pに近づけることができる。
【0041】
次に本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では,バケット形状情報に応じたバケットイラストが予め記憶装置40に記憶されており,バケットに積込可能な作業対象物の最大重量(以下では便宜的に「バケット容量」と称する)W
capに対する適正積込重量の比である比率W
bに対応する各バケットの適正量イラスト30が予め記憶装置40に記憶されている。すなわち,バケット形状と比率W
bに応じた複数の適正量イラスト30が記憶装置40に記憶されている。その他のハードウェア構成は
図1及び
図2に示したものと同じであり,表示装置19の画面も
図4と同じとする。
【0042】
次に
図5に示すフローチャートを用いて本実施形態における荷重計測システムの演算の流れを説明する。荷重計測スイッチ22がオペレータに押下されるとコンピュータ18は
図5の処理を開始する(ステップS1)。ステップS2では目標積載重量設定部20及び積込回数設定部61でダンプトラックの目標積載重量Pと積込回数nを入力する。
【0043】
ステップS3ではバケット形状設定部21を介してオペレータに設定されたバケット形状情報を入力する。ステップS4ではイラスト作成部28にて,ステップS103で入力したバケット形状情報に応じたバケットイラスト29を記憶装置40から呼び出す。
【0044】
ステップS5では積込重量演算部27にて適正積込重量W
aを演算する。続くステップS32では適正積込重量W
aがバケット容量W
capより小さいか否かを判定する。バケット容量W
capはバケット形状情報を基に現在のバケット7のバケット容量として適した値が記憶装置40から選択される。ここで,適正積込重量W
aがバケット容量W
capより小さいと判定された場合はステップS6に進む。反対に適正積込重量W
aが最大重量W
cap以上と判定された場合は,ステップS33で積込回数nを1回増やし,ステップS5に戻って適正積込重量W
aを再度演算する。
【0045】
ステップS6ではイラスト作成部28にてバケット容量W
capと適正積込重量W
aとの比率W
bを演算し,ステップS8ではイラスト作成部28にて比率W
bに応じた適正量イラスト30を記憶装置40から呼び出す。
【0046】
ステップS9ではイラスト作成部28においてステップS4で呼び出したバケットイラスト29とステップS8で呼び出した適正量イラスト30とを重畳した目標イラスト31を作成して表示装置19に出力し,ステップS10ではその目標イラスト31を表示装置19の画面に表示する。
【0047】
ステップS11では姿勢検出装置101と圧力検出装置102から入力される信号を基に荷重演算部26により実積込重量W
kを演算し,ステップS12ではその実積込重量W
kの値を表示装置19で掘削量33として表示する。
【0048】
ステップS13では,荷重計測終了スイッチ23が押下されているか否かを判定する。荷重計測終了スイッチ23が押下されている場合(YESの場合),荷重計測停止となりステップS14に進み荷重計測の処理を終了する。反対に荷重計測終了スイッチ23の押下が無ければ(NOの場合),ステップS34で残り積込回数を1回減らす。そして,ステップS35で残り積込回数nがゼロか否かを判定し,残り積込回数が0回の場合(YESの場合)はステップS14に進み処理を終了する。一方,残り積込回数が0回以外の場合(NOの場合)はステップS5に戻り以降の処理を繰り返す。
【0049】
なお,ステップS13の判定がNOの場合,ステップS34に進む前に
図3のステップS113を実行することでダンプトラックへの作業対象物の積込が完了したか否かを判定し,そこでYESと判定されてからステップS34に進むようにフローを構成しても良い。
【0050】
上記のように構成された実施形態でも,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかをオペレータに直観的に把握させることができる。特に本実施形態では,バケット形状情報に応じて用意されたバケットイラスト29と,バケット容量W
capと適正積込重量の比率W
bごとに用意された各バケットの適正量イラスト30が予め記憶装置40に記憶されているため,バケットイラスト29と適正量イラスト30の作成(つまり目標イラスト31の作成)に伴うコンピュータ18の演算負荷を
図3の例よりも著しく低減できる点がメリットとなる。
【0051】
なお,バケット容量W
capは,バケット形状設定部21を介してバケット形状情報として入力することもできるし,他のバケット形状情報から算出することもできるし,バケット7の種類ごとに記憶装置40に予め記憶しておきバケット形状情報を基に呼び出すこともできる。バケット容量W
capを利用する他の実施形態の場合も同様である。
【0052】
次に本発明の他の実施形態について説明する。
図6は本実施形態の荷重計測システムのシステム構成図であり,
図7は本実施形態の表示装置19の表示画面の外観図であり,
図8は本実施形態の荷重計測システムにおける演算処理のフローチャートである。これらの図では既出の図と同じ部分及び同じステップに同一の符号を付している。以下では既出の図と同じ部分及び同じステップについての説明は省略し,異なるところを中心に説明する。
【0053】
まず
図6について説明する。本実施形態のコンピュータ18は上下限重量演算部34として機能する。本実施形態でも,バケット形状情報に応じたバケットイラストが予め記憶装置40に記憶されており,バケットに積込可能な作業対象物の最大重量(バケット容量)W
capと適正積込重量の比率W
bごとに各バケットの適正量イラストが予め記憶装置40に記憶されている。
【0054】
上下限重量演算部34は,1回の積込作業でダンプトラックに積み込むべき作業対象物の重量の許容上限値である適正上限重量W
upを適正積込重量W
aと所定の1以上の値である上限係数A
upに基づいて算出し,1回の積込作業でダンプトラックに積み込むべき作業対象物の重量の許容下限値である適正下限重量W
loを適正積込重量W
aと所定の1以下の値である下限係数A
loに基づいて算出する。
【0055】
本実施形態の上下限重量演算部34は適正上限重量W
upを次のように演算している。まず,上下限重量演算部34は,バケット形状設定部21を介して入力されたバケット形状情報を基にバケット容量W
capを取得し,積込重量演算部27から適正積込重量W
aを入力する。そして,その入力した適正積込重量W
aに上限係数A
upを乗じて適正上限重量W
upを演算する。適正上限重量W
upとバケット容量W
capを比較して適正上限重量W
upの方が大きい場合はバケット容量W
capを適正上限重量W
upとしてイラスト作成部28に出力する。反対にバケット容量W
capの方が大きい場合は適正上限重量W
upをイラスト作成部28に出力する。なお,上限係数A
upは1以上の任意の値を設定でき,記憶装置40に予め記憶しておくことができる。
【0056】
また,本実施形態の上下限重量演算部34は適正下限重量W
loを次のように演算している。上下限重量演算部34は,積込重量演算部27から入力した適正積込重量W
aに下限係数A
loを乗じて適正下限重量W
loを演算し,イラスト作成部28に出力する。なお,下限係数A
loは1以下の任意の値を設定でき,記憶装置40に予め記憶しておくことができる。
【0057】
イラスト作成部28では,バケット容量W
capに対する適正上限重量W
upの比である上限比率W
bupを演算(W
bup=W
up/W
cap)し,上限比率W
bupに応じた適正量イラスト30を記憶装置40から呼び出し,それを適正量上限イラスト35とする。また,バケット容量W
capに対する適正上限重量W
loの比である下限比率W
bloを演算(W
blo=W
lo/W
cap)し,下限比率W
bupに応じた適正量イラスト30を記憶装置40から呼び出し,それを適正量下限イラスト36とする。そして,バケット7を図示したバケットイラスト29に適正量上限イラスト35と適正量下限イラスト36とを重畳して目標イラスト31を作成し,作成した目標イラスト31を表示装置19に出力し,表示装置19上に目標イラスト31を表示する。
【0058】
図7は本実施形態における表示装置19の表示画面の外観図の一例である。本実施形態の表示装置19は,イラスト作成部28で作成されたバケットイラスト29,適正量上限イラスト35及び適正量下限イラスト36を重畳した目標イラスト31を表示する。適正量上限イラスト35では適正上限重量W
upの作業対象物の表面がバケット7の内側面と交差して現れる四角形が実線で示されており,適正量下限イラスト36では同様の四角形が破線で示されている。
【0059】
次に
図8に示すフローチャートを用いて本実施形態の荷重計測システムにおける演算の流れを説明する。なお,
図8におけるステップS2,S3,S4,S5と,ステップS10,S11,S12,S13と,ステップS34,S35,S14では
図5と同じ処理を行う。また,
図8のステップS5の後に
図5のステップS32の判定を行い,当該判定がNOのときはステップS33を実行してステップS5に戻り,当該判定がYESのときはステップS15に進むように構成することもできる。
【0060】
ステップS15では上下限重量演算部34により適正積込重量W
aに上限係数A
upを乗じて適正上限重量W
upを演算し,ステップS16で適正上限重量W
upがバケット容量W
capより小さいか否かを判定する。
【0061】
ステップS16で適正上限重量W
upがバケット容量W
capより小さいと判定された場合(YESの場合)はそのままステップS18に移行する。反対にステップS16で適正上限重量W
upがバケット容量W
capより大きいと判定された場合(NOの場合)は,適正上限重量W
up=バケット容量W
capとし(ステップS17),ステップS18に移行する。
【0062】
ステップS18では上下限重量演算部34により適正積込重量W
aに下限係数A
loを乗じて適正下限重量W
loを演算する。
【0063】
ステップS19ではイラスト作成部28において,バケット容量W
capと適正上限重量W
upとの比率W
bupを演算し,ステップS21でその比率W
bupに対応する適正量イラスト30を適正量上限イラスト35として記憶装置40から呼び出す。
【0064】
次にステップS22ではイラスト作成部28において,バケット容量W
capと適正下限重量W
loとの比率W
bloを演算し,ステップS24で比率W
bloに対応する適正量イラスト30を適正量下限イラスト36として記憶装置40から呼び出す。
【0065】
ステップS25では,イラスト作成部28にて,ステップS4で作成したバケットイラスト29と,ステップS21で作成した適正量上限イラスト35と,ステップS24で作成した適正量下限イラスト36とを重畳した目標イラスト31を作成して表示装置19に出力し,ステップS10ではその目標イラスト31を表示装置19の画面に表示する。以降の処理については
図5のフローチャートと同じである。
【0066】
上記のように構成された実施形態でも,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかをオペレータに直観的に把握させることができる。特に本実施形態では,適正積込重量に上限値W
upと下限値W
loを設けることで,適正積込重量に所定の許容幅がある場合でも,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかを直感的に把握できる。
【0067】
なお,本実施形態では,2つの比率W
bup,W
bloを基に適正量上限イラスト35と適正量下限イラスト36を記憶装置40から呼び出したが,
図3の例のように適正上限重量W
upと適正下限重量W
loからそれぞれ容積を算出し,その容積に基づいて適正量上限イラスト35と適正量下限イラスト36をそれぞれ作成しても良い。
【0068】
また,入力装置50は,オペレータが所望する値の上限係数A
upと下限係数A
loを入力可能に構成することが好ましい。
図9は表示装置19を入力装置50として利用するためにタッチパネルで構成した場合の表示画面の外観図である。
図9の表示画面は上限許容量入力部44と,下限許容量入力部45を有している。上限許容量入力部44と下限許容量入力部45がオペレータにタッチされると数値入力ダイアログ(図示せず)が画面上に立ち上がり,画面上で上限許容量Xと下限許容量Yが入力可能となる。入力された値X,Y(X,Yはゼロ以上100以下の整数とする)と,X,Yで上限係数A
upと下限係数A
loを表した関係式(具体的には,上限係数A
up=(100+X)/100,下限係数A
lo=(100−Y)/100)を利用して上限係数A
upと下限係数A
loを決定する。このようにシステムを構成して上限値W
upと下限値W
loをオペレータが設定できるようにすると,作業対象物を積み込むダンプトラックが変わって適正積込重量の許容幅が変わった場合でも本実施形態と同様の効果が得られる。
【0069】
次に本発明の他の実施形態について説明する。
図10は本実施形態の荷重計測システムのシステム構成図であり,
図11は本実施形態の表示装置19の表示画面の外観図であり,
図12は本実施形態の荷重計測システムにおける演算処理のフローチャートである。以下では既出の図と同じ部分及び同じステップについての説明は省略し,異なるところを中心に説明する。
【0070】
まず
図10について説明する。先の各実施形態では荷重演算部26を表示装置19に接続していたが,本実施形態では荷重演算部26をさらにイラスト作成部28に接続している。荷重演算部26は演算した実積込重量W
kをイラスト作成部28に出力している。
【0071】
イラスト作成部28ではバケット容量W
capに対する実積込重量W
kの比である比率W
c(W
c=W
k/W
cap)を演算する。イラスト作成部28は,この比率W
cに対応する適正量イラスト30を記憶装置40から読み出して実積込量イラスト38とし,これを目標イラスト31(バケットイラスト29及び適正量イラスト30)に重畳したもの(結果イラスト39)を表示装置19に出力する。これにより表示装置19に
図11のように結果イラスト39が表示される。
【0072】
図11は本実施形態における表示装置19の表示画面の外観図の一例である。本実施形態の表示装置19は,イラスト作成部28で作成されたバケットイラスト29,適正量イラスト30及び実積込量イラスト38を重畳した結果イラスト39を表示する。
【0073】
次に
図12に示すフローチャートを用いて本実施形態の荷重計測システムにおける演算の流れを説明する。まず,ステップS1からステップS12に至るまでの各処理は
図5と同じ処理を行う。次にステップS28では,イラスト作成部28により,バケット容量W
capに対する実積込重量W
kの比である比率W
c(W
c=W
k/W
cap)を演算し,ステップS29でその比率W
cに対応する適正量イラスト30を実積込量イラスト38として記憶装置40から呼び出す。次にイラスト作成部28はステップS30において目標イラスト31と実積込量イラスト38とを重畳して結果イラスト39を作成する。ステップS31では表示装置19が結果イラスト39を表示する。以降の処理については
図5のフローチャートと同じである。
【0074】
上記のように構成された実施形態でも,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかをオペレータに直観的に把握させることができる。特に本実施形態では,作業対象物の目標量を示す適正量イラスト30と実際量を示す実積込量イラスト38を合わせて表示しているため,バケット7への作業対象物の積み込み作業(掘削作業)の正確性をオペレータに即座にフィードバックできる。これにより技量向上のきっかけをオペレータの与えることができ,さらには将来的な作業効率の向上も見込める。
【0075】
次に本発明の他の実施形態について説明する。
図15は本実施形態の荷重計測システムのシステム構成図であり,
図16は本実施形態の表示装置19の表示画面の外観図であり,
図17は本実施形態の荷重計測システムにおける演算処理のフローチャートである。以下では既出の図と同じ部分及び同じステップについての説明は省略し,異なるところを中心に説明する。
【0076】
まず
図15について説明する。本実施形態の入力装置50は固着・落下重量設定部66として機能する点で他の実施形態と異なる。固着・落下重量設定部66は,バケット7に固着して放土されない作業対象物(固着物)の重量である固着重量W
fと,ダンプトラックへの積み込み時(例えば旋回中)にバケット7からこぼれ落ちた作業対象物(落下物)の重量を示す落下重量W
dを入力するための部分である。ダンプトラックの積載重量を目標積載重量Pに近づける観点からは固着物と落下物の重量W
f,W
dを考慮した目標イラスト31の作成と実積込重量W
kの算出が好ましい。入力装置50(固着・落下重量設定部66)を介してオペレータに入力された固着重量W
fと落下重量W
dはコンピュータ18内の荷重演算部26とイラスト作成部28に出力される。なお,固着重量W
fと落下重量W
dはいずれか一方のみを入力しても良く,一方のみが入力された場合には他方の値はゼロとすれば良い。
【0077】
図16は本実施形態における表示装置19の表示画面の外観図の一例である。本実施形態の表示装置19は,イラスト作成部28で作成されたバケットイラスト29と補正適正量イラスト30Aを重畳した目標イラスト31Aを表示する。また,本実施形態の表示装置19は入力装置50として利用するためにタッチパネルで構成されている。
図16の表示画面は固着重量入力部62と,落下重量入力部63を有している。固着重量入力部62と落下重量入力部63がオペレータにタッチされると数値入力ダイアログ(図示せず)が画面上に立ち上がり,画面上で固着重量W
fと落下重量W
dが入力可能となる。入力された固着重量W
fと落下重量W
dはコンピュータ18内の荷重演算部26とイラスト作成部28に出力される。
【0078】
次に
図17に示すフローチャートを用いて本実施形態における荷重計測システムの演算の流れを説明する。まず,ステップS1−S5,ステップS32,S33の各処理は
図5と同じ処理を行う。
【0079】
ステップS171では,イラスト作成部28にて,適正積込重量W
aと固着重量W
fと落下重量W
dの合計値W
sを算出する。そして,イラスト作成部28は,ステップS172でバケット容量W
capと合計値W
sとの比率W
gを演算し,ステップS173でその比率W
gに対応する適正量イラスト30を補正適正量イラスト30Aとして記憶装置40から呼び出す。
【0080】
ステップS174では,イラスト作成部28にて,ステップS4で作成したバケットイラスト29と,ステップS173で作成した補正適正量イラスト30Aを重畳した目標イラスト31Aを作成して表示装置19に出力し,ステップS10ではその目標イラスト31Aを表示装置19の画面に表示する。
【0081】
ステップS11では姿勢検出装置101と圧力検出装置102から入力される信号を基に荷重演算部26により実積込重量W
kを演算し,ステップS175では固着重量W
fと落下重量W
dの合計値をその実積込重量W
kから減じた値(補正実積込重量W’
k=W
k−(W
f+W
d))を表示装置19の掘削量33に表示する。以降の処理については
図5のフローチャートと同じである。
【0082】
なお,
図3に示したフローチャートのように次回の適正積込重量W
aを算出する際に積算積込重量を利用する場合には,実積込重量W
kの積算値ではなく補正実積込重量W’
kの積算値(ΣW’
k)を算出することが好ましい。
【0083】
上記のように構成された実施形態でも,次回の積込作業でどれくらいの容量の作業対象物をバケット7内に入れればよいかをオペレータに直観的に把握させることができる。特に本実施形態では,実際にはダンプトラックの荷台に放土されない作業対象物の重量(固着重量W
fと落下重量W
d)を見越して容量が多めに補正された作業対象物のイラスト(補正適正量イラスト30A)が表示装置19に表示されるので,固着物や落下物が原因でダンプトラックの積載重量が想定を下回ることを防止でき,作業効率の低下を防止できる。
【0084】
<その他>
上記の各実施形態ではバケットイラスト29として特定姿勢に保持されたバケット7をキャブ17から見た図(透視図)を採用したが,
図13に示すように特定姿勢に保持されたバケット7を側面から見た図(側面図)をバケットイラストとしても良いし,その他の視点から見た図をバケットイラストとしても良い。
【0085】
また,上記の各実施形態ではバケット7内の作業対象物の表面は平面と仮定して適正量イラスト30を作成したが,
図14に示すようにバケット7の前後左右それぞれの方向から所定の勾配で作業対象物が山積みにされることを仮定して適正量イラスト30を作成するようにしても良い。
図14の適正量イラスト30の例では山積みになった作業対象物の形状を等高線で表現しており,各等高線で囲まれた領域の色を変えている。
【0086】
また,バケット形状情報を基にバケット7の3次元モデルを作成し,その3次元モデルのバケット7に適正積込重量W
aの作業対象物を入れた状態をシミュレーションし,その状態を所定の方向から見た図をベースに目標イラスト31や結果イラスト39を作成しても良い。そして,この場合の「所定の方向」はオペレータが所望する方向に適宜変更可能に構成することが好ましく,その際のバケット7の特定姿勢もオペレータが所望する姿勢に適宜変更可能に構成することが好ましい。
【0087】
本発明は,上記の各実施形態で説明に利用した油圧ショベルに限らず,フロント作業機により掘削,積込を行うホイールローダ等の建設機械にも適用可能である。また,上記の各実施形態では運搬車両をダンプトラックとして説明したが,例えば,大型トラック,荷物を運ぶことができる他の自走式の運搬機械も利用可能である。
【0088】
また,本発明は,上記の実施の形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば,本発明は,上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず,その構成の一部を削除したものも含まれる。また,ある実施の形態に係る構成の一部を,他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
【0089】
また,上記の制御装置に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は,それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また,上記の制御装置に係る構成は,演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることで当該制御装置の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は,例えば,半導体メモリ(フラッシュメモリ,SSD等),磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク,光ディスク等)等に記憶することができる。