(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、飲食注文端末において、動画等を視聴するサービスを提供する場合、本来の機能である商品(飲食物)の注文と、動画再生の両方を実行する必要がある。特許文献1に開示されている飲食店用接客管理装置では、どのようにこれら処理を切り替えるかについての開示は無く、また、切り替えの際における便宜も図られていない。
【0007】
本発明は、飲食注文端末において、顧客に対して動画を視聴させるサービスを提供するものであり、特に、飲食注文端末における動画再生機能の改善を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係る飲食注文システムは、
飲食注文端末と、飲食注文端末にネットワーク接続された管理サーバー装置を備えた飲食注文システムであって、
オーダー処理と動画再生処理とを切り替えて実行可能とするとともに、レジューム管理処理、レジュームクリア処理を実行可能とし、
オーダー処理は、提供する商品に関するメニューを飲食注文端末の表示手段に表示させ、顧客により確定された商品に関する注文情報をネットワークに送信し、
動画再生処理は、顧客により選択された動画情報を再生して
前記表示手段に表示させ、
レジューム管理処理は、動画再生処理からオーダー処理に切り替えられた場合、動画情報の再生を停止して、再生停止位置に関する位置情報をレジューム情報
として記憶させ、オーダー処理から動画再生処理に切り替えられた場合、レジューム情報
として記憶している位置情報に基づいて動画情報を再生開始させ、
レジュームクリア処理は、会計指示から着席指示の期間に、レジューム情報
として記憶している位置情報をクリアすることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明に係る飲食注文システムにおいて、
飲食注文端末は、ネットワークから割込指示を受信した際、オーダー処理もしくは動画再生処理を割込処理に切り替え、
レジューム管理処理は、動画再生処理から割込処理に切り替えられた場合、動画情報の再生を停止して、再生停止位置に関する位置情報をレジューム情報
として記憶させ、割込処理から動画再生処理に切り替えられた場合、レジューム情報
として記憶している位置情報に基づいて動画情報を再生開始させることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明に係る飲食注文システムにおいて、
レジュームクリア処理は、会計指示、バッシング完了指示、着席指示の何れかの指示に基づいて実行されることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明に係る飲食注文システムにおいて、
レジュームクリア処理は、管理サーバー装置もしくはネットワークに接続され
、従業員が操作を行うハンディーターミナルから指示可能としたことを特徴とする。
【0012】
さらに本発明に係る飲食注文システムにおいて、
レジューム情報には、飲食注文端末が配置されたテーブルを判別するための情報が含まれていることを特徴とする。
【0013】
さらに本発明に係る飲食注文システムにおいて、
レジューム情報には、飲食注文端末を使用している顧客の会員IDが含まれ、
レジュームクリア処理は、位置情報をクリアする際、会員IDに対応付けて位置情報を保存し、
飲食注文端末もしくは管理サーバー装置は、
会員IDが読み込まれた場合、会員IDに対応する位置情報をレジューム情報
として復元させるレジューム復元処理を実行可能とすることを特徴とする。
【0014】
また本発明に係る飲食注文
端末は、
管理サーバー装置にネットワーク接続される飲食注文端末であって、
オーダー処理と動画再生処理とを切り替えて実行可能とするとともに、レジューム管理処理、レジュームクリア処理を実行可能とし、
オーダー処理は、提供する商品に関するメニューを表示手段に表示させ、顧客により確定された商品に関する注文情報をネットワークに送信し、
動画再生処理は、顧客により選択された動画情報を再生して
前記表示手段に表示させ、
レジューム管理処理は、動画再生処理からオーダー処理に切り替えられた場合、動画情報の再生を停止させて、動画情報の再生停止位置に関する位置情報をレジューム情報
として記憶させ、オーダー処理から動画再生処理に切り替えられた場合、レジューム情報
として記憶している位置情報に基づいて動画情報を再生開始させ、
レジュームクリア処理は、会計指示から着席指示の期間に、レジューム情報
として記憶している位置情報をクリアすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る飲食注文システム、飲食注文端末によれば、オーダー処理(あるいは割込処理)から動画再生処理に切り替えられた場合、レジューム情報
として記憶されている位置情報を使用して動画再生を再開する構成により、飲食注文端末装置を使用する顧客は、商品の注文を行う飲食端末装置において、快適に動画視聴を楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る飲食注文システムの構成を示す図である。この図は、ある飲食店の店内の様子を模式的に示した図である。飲食店は大きく分けて顧客に飲食物を提供する場となるフロアと、飲食物を調理する場となるキッチン(厨房)に分けられている。
【0018】
フロアには、飲食注文システムを統括して管理する管理サーバー装置1、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3a〜3d、従業員が携帯することで、受注処理、あるいは、注文状況などの各種情報を確認するためのハンディーターミナル9a、9bが設置される。この他、入店した顧客に対して予約、あるいは、入店待ち時間などを知らせるためのウェイティング端末6が設置されている。
【0019】
一方、キッチン(厨房)には、料理人に対して注文状況などを知らせるキッチン端末5、キッチンプリンター51が設置されている。注文端末3にて受けた注文情報は、このキッチン端末5、キッチンプリンター51に出力され、料理人は受注した商品を確認することが可能となっている。また、本実施形態では、タイムセール商品を登録するための登録端末52が配設されている。キッチンでは、この登録端末52を使用してタイムセール商品を登録することで、各注文端末3aでのタイムセール商品を注文可能とすることが可能となっている。本実施形態の登録端末52は、注文端末3aと同じ、もしくは、同様の機能を有する携帯情報端末にて構成されているため、ブロック図などその詳細についての説明は注文端末3aを代用することとする。
【0020】
これら店内に設置された各種端末、装置は、LAN2、あるいは、アクセスポイント22にて有線、無線によりネットワーク接続されている。この例では、管理サーバー装置1、キッチン端末5、キッチンプリンター51は、有線でネットワークに接続されている。また、注文端末3、ハンディーターミナル9、ウェイティング端末6は、アクセスポイント22を介して無線でネットワークに接続されている。
【0021】
さらに店舗内のネットワークはルーター21を介してインターネットに接続されており、インターネット上の各種サーバー装置と通信を行うことを可能としている。店舗内に設置された各種装置、端末は、このルーター21を介してインターネット上の各種サーバー装置と通信し、各種情報をやりとりすることが可能となっている。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る注文端末3、充電台4の構成を示すブロック図である。注文端末3は、制御手段として機能するCPU34a、ROM34b、RAM34c、画像処理部34d、音声処理部34eを有している。CPU34aは、ROM34bあるいはSSD35などの記憶手段に記憶されたプログラムに基づいて、注文端末3の処理全体を統括制御する。その際、一時的に生成されたデータなどはRAM34cに記憶される。
【0023】
画像処理部34dは、CPU34aで処理されたデータを画像に変換し、表示部32aに表示出力する。音声処理部34eは、CPU34aで処理されたデータを音声に変換し、スピーカーに音声出力する。
【0024】
本実施形態では、表示部32aとタッチパネル32bとでタッチパネルモニター32が構成されている。このタッチパネル32bは、表示部32aに表示されるアイコンやスイッチなどの各種オブジェクトに対応して、ユーザーからの入力を受け付ける入力手段として機能する。注文端末3には、このタッチパネル32b以外にも機械的なスイッチなどの入力手段を設けることとしてもよい。タッチパネル32bからの入力情報は、インターフェイス37bを介してCPU34aに伝達される。
【0025】
SSD35(Solid State Drive)は、半導体メモリで構成され、注文端末3の記憶手段として機能する。SSD35には、注文端末3を動作させるために必要な各種プログラム情報、あるいは、画像(静止画、動画)、音声などの各種コンテンツなどを記憶する。記憶手段としては、SSD35以外に、ハードディスク等、他の形態の記憶手段を使用することも可能である。
【0026】
注文端末3は、外部からの情報を検出する手段として、撮像手段36a、NFCセンサー36b、照度センサー36cを備えている。撮像手段36aは、CCDなどで構成され、外部の様子を静止画、動画として取得することが可能である。この撮像手段36aを介して顧客の提示するクーポン券などを撮影、認識し、会計時における割引などに使用するなどのサービスに使用することが考えられる。NFCセンサー36bは、非接触でカード媒体、あるいは携帯情報端末と通信を行うためのセンサーである。このNFCセンサー36bを使用して顧客の会員情報(会員ID等)の読み取り、あるいは、顧客の所持する携帯情報端末に対する各種情報の提供を行うことが可能である。照度センサー36cは、表示部32aの輝度調整に使用されるセンサーである。この照度センサー36cで読み取った周囲の輝度に基づいて、表示部32aの輝度を調整することで、周囲環境に応じた見やすい画面を表示することが可能となる。
【0027】
本実施形態の注文端末3は、さらに無線通信部38を有している。この無線通信部38はアンテナ38aを備え、無線LAN規格による無線通信を可能としている。注文端末3は、
図1に示されるアクセスポイント22と無線接続することで、LAN2にて構成されたネットワークに参加可能し、管理サーバー装置1、キッチン端末5などの各種装置、端末との接続、あるいは、ルーター21を介したインターネット接続を可能としている。
【0028】
この注文端末3は、バッテリー39を備え、外部電源に接続することなく単独での使用が可能である。このバッテリー39は、充電端子33と電源線Lpで接続されており、外部から供給される電源にて充電することが可能である。CPU34aは、バッテリー39の残量や、充電状況などを監視することが可能となっている。充電端子33は、充電台4(クレードル)側の給電端子42と電気的に接続することで、バッテリー19に対する充電が可能となっている。
【0029】
注文端末3を充電する充電台4は、DC変換部41を有している。このDC変換部41は、電源ライン43から供給される交流電源を、設定された電圧の直流電源に変換し、電源線Lpを介して給電端子42に供給する。
【0030】
図3は本発明の実施形態に係る管理サーバー装置1の構成を示すブロック図である。管理サーバー装置1は、飲食店の出入口付近等に設置され、管理者によって使用される装置である。本実施形態では、飲食注文システムを統括して管理する他、販売実績を集計するPOS端末、そして、会計やレシート(領収書)の発行などを行う会計端末としても機能する。この管理サーバー装置1は、通常のパーソナルコンピューターにて構成することが可能である。管理サーバー装置1は、制御部として、CPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを有する。画像処理部11dは、CPU11aで処理したデータを表示部17aに表示出力する。また、音声処理部51eは、CPU11aで処理したデータをスピーカーに音声出力する。
【0031】
また、管理サーバー装置1は、記憶手段としてHDD12(ハードディスク)を有している。記憶手段としてはHDD12以外に、SSD(Solid State Drive)など各種形態を採用することが可能である。HDD12には管理サーバー装置1の各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。
【0032】
通信部13は、管理サーバー装置1をLAN2に有線接続することで、管理サーバー装置1をネットワークに参加可能としている。管理サーバー装置1は、通信部13を介して、システム内の注文端末3、キッチン端末5、キッチンプリンター51、ウェイティング端末6、ハンディーターミナル9と通信可能としている。また、ルーター21を介してインターネットと各種通信を行うことも可能となっている。
【0033】
インターフェイス14には、キーボードやマウスなどの入力手段が接続可能となっている。管理者はこの入力手段を介して、管理サーバー装置1を操作する。また、本実施形態のインターフェイス14には、入力手段としてタッチパネル17bが接続されており、表示部17aとともにタッチパネルモニター17を構成している。管理者はこのタッチパネルモニター17によって、注文端末3と同様、タッチ入力を行うことが可能である。
【0034】
さらにインターフェイス14には、レシートプリンター16が接続されており、管理サーバー装置1にて処理した情報を印字出力することが可能となっている。管理サーバー装置1にて会計機能を行う場合には、このレシートプリンター16にてレシート(領収書)を印字することで顧客に手渡すことが可能となる。
【0035】
では、このような飲食注文システムにおいて実行される各種処理について説明する。
図4は、飲食注文システムにて実行されるメイン処理を示したフロー図である。このメイン処理は一人の顧客、あるいは、1つの顧客グループ(テーブル)に対して行われる一連の処理を示したものである。まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員はハンディーターミナル9、あるいは、管理サーバー装置1に対して顧客に関する情報を入力する。S101における着席判定は、この顧客に関する情報入力に基づいて実行され、案内されたテーブルに設置された注文端末3は、S200以降の処理を開始する。
【0036】
本実施形態では、入店した顧客の着席が判定された後(S101:Yes)、顧客から注文端末3において商品の注文を受け付けるオーダー処理(S200)が開始される。なお、このオーダー処理(S200)は、注文端末3の記憶手段(SSD35など)に記憶されるプログラムで実行されるものであってもよいし、管理サーバー装置1の記憶手段(HDD12など)に記憶されるプログラムで実行であってもよい。あるいは、注文端末3側で記憶するプログラムと、管理サーバー装置1側で記憶するプログラムが連携して実行されるものであってもよい。このオーダー処理(S200)については、後で詳細に説明を行う。
【0037】
会計(顧客の退店)が指示された場合、会計処理(S102)が実行される。会計指示は顧客自身が注文端末3に対して入力することとしても、あるいは、従業員に退店する旨を伝え、従業員がハンディーターミナル9、あるいは、管理サーバー装置1に入力して行うこととしてもよい。会計処理(S102)では、オーダー処理(S200)で注文した商品の合計金額が算出され、顧客による支払い、並びに、レシートプリンター16によるレシート(領収書)の印刷が実行される。この会計処理(S102)の後、顧客によって使用されたテーブルは、バッシング待ち(清掃待ち)の状態となる(S103)。従業員によるテーブルの清掃が完了し、当該テーブルが次の顧客を受け入れ可能となった場合、ハンディーターミナル9、あるいは、管理サーバー装置1に対してバッシング完了指示が入力され、次の顧客(顧客グループ)に対する処理が再度開始される。また、本実施形態では、このバッシング完了指示に基づいて、動画再生に関連したレジュームクリア処理(S105)が実行される。この処理については後で詳しく説明を行う。
【0038】
では、本発明において特徴となるオーダー処理(S200)についてその詳細を説明する。
【0039】
図5、
図6は、飲食注文システムにおいて使用される各種データの構成を示した図であって、
図5は、本発明の実施形態に係る店舗情報のデータ構成を、
図6は、本発明の実施形態に係る顧客関連情報のデータ構成を示したものである。これら店舗情報、顧客関連情報は、管理サーバー装置1の記憶手段(HDD12)で蓄積、管理される。
【0040】
店舗情報は、商品マスター情報、テーブル−端末情報、タイムセール情報、動画管理情報、動画情報などを含んで構成されている。商品マスター情報は、飲食店で扱う商品について各種情報を規定した情報であって、本実施形態では、商品コード、商品名、単価などを含んで構成されている。テーブル−端末情報は、店舗内のどのテーブルにどの注文端末3が設置されているかを示す情報である。注文端末3の不良、故障などにより注文端末3を交換する必要がある場合は、このテーブル−端末情報を書き換えることで、新たに設置された注文端末3をテーブルに紐付けることが可能となっている。テーブル−端末情報の書き換えは、例えば、注文端末3の設置時に、注文端末3にテーブル番号などの識別情報を入力することで行うこと等によって行われる。
【0041】
本実施形態の店舗情報は、後に説明するタイムセールのための割込処理を実行するため、タイムセール情報を有して構成される。このリアルタイムセール情報は、予め店舗情報として登録されている商品マスター情報とは異なり、キッチンに配設された登録端末52で登録されたタイムセール商品に関する情報である。本実施形態では、このタイムセール情報として、タイムセールの識別情報としてのタイムセールコード(シリアル番号などで構成)、商品コード、商品名、単価、販売可能数量、販売条件、画像情報などを含んで構成される。このタイムセール情報に基づいて、各注文端末3に対して商品のタイムセールを行うことが可能となる。
【0042】
タイムセール情報中、販売可能数量は、商品を限定数とした場合に設定される情報であって販売上限数に相当する情報である。販売条件は、テーブル毎の販売制限数、一人あたりの販売制限数、女性限定、など顧客属性に基づく販売条件を規定した情報である。この他、タイムセール情報には、画像情報を含めることが可能であって、画像情報には、登録端末52などを使用して、キッチンにて撮影された現物の商品、あるいは、現物の商品に使用した素材などの写真を使用することが可能である。画像情報には、写真のような静止画像に限ることなく、調理風景を撮影した動画像を採用することが可能である。この他、タイムセール情報には、キッチンで録音した音声などを含めることとしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、店舗情報として、顧客に動画視聴させるための動画管理情報、動画情報を有している。本実施形態では、動画管理情報、動画情報を管理サーバー装置1に記憶しており、再生要求のあった注文端末3a〜3dに対して、動画情報を配信することとしている。動画情報は、各注文端末3a〜3dに予め記憶させておく形態、あるいは、インターネット上の動画配信サーバー装置に記憶させておき、再生要求によって受信すること等、各種形態が考えられる。また、注文端末3a〜3dでは、動画情報をダウンロードして再生する形態の他、ストリーミング形態で再生することとしてもよい。
【0044】
動画管理情報は、ユーザーに再生させる動画情報を選択させるため、動画タイトル、動画サブタイトル、サムネイル画像等、各種属性情報を記憶している。また、動画管理情報と動画情報には動画IDが付与されており、動画管理情報を使用して選択された動画情報を特定することが可能となっている。
【0045】
図6の顧客関連情報は、顧客の来店によって生成される情報であり、テーブル情報、注文履歴情報(注文情報)、レジューム情報などを含んで構成されている。テーブル情報は、顧客の来店時、従業員のハンディーターミナル9、管理サーバー装置1の操作によって入力される情報であり、顧客(顧客グループ)に関する情報で構成される。入店コードは、顧客(顧客グループ)毎に割り振られる識別情報であって、顧客(顧客グループ)毎に加算されるシリアル番号などにて構成される。テーブルコードは顧客が着席したテーブルを示す識別情報である。入店日時は、顧客(顧客グループ)の入店した日時であって、テーブル情報を作成した際の日時が自動入力される。この他、オプション情報として、顧客(顧客グループ)の人数、あるいは、顧客(顧客グループ)の性別、年齢(年齢層)などの顧客属性を含めることとしてもよい。このようなオプション情報は、従業員による目視確認に基づき判断され、ハンディーターミナル9、管理サーバー装置1に対して入力される。
【0046】
注文履歴情報(注文情報)は、テーブルに着席した顧客によって注文端末3から送信され、管理サーバー装置1に記憶された情報である。ここでは、注文端末3から送信された情報を注文情報、管理サーバー装置1に記憶された情報を注文履歴情報と呼んでいるが、その内容は同等のものである。この注文履歴情報(注文情報)は、注文した各商品について商品コード、数量、注文日時が含まれている。また、入店コードが合わせて記憶されており、商品マスター情報とつき合わせることで、入店コード毎、すなわち、顧客(顧客グループ)毎の合計額を算出し、会計処理を行うことが可能となっている。なお、注文した商品がタイムセール商品の場合、注文履歴情報(注文情報)には、タイムセールコードが併せて記録される。注文履歴情報に記録されたタイムセールコードをカウントすることで、販売総数量をカウントすることが可能となり、販売可能数量が設定されたタイムセール商品の品切れを判定することが可能となる。
【0047】
レジューム情報は、顧客の滞在中、注文端末3において視聴している動画情報が、再生停止された場合、動画情報の再生停止位置に関する位置情報を記憶している。本実施形態のレジューム情報は、位置情報の他、再生停止された動画情報を識別するための動画ID、注文端末3が設置されているテーブルを示すテーブルコードを記憶している。レジューム情報は、注文端末3で記憶管理してもよいが、本実施形態では、レジューム情報を管理サーバー装置1で記憶管理している。例えば、注文端末3の故障、また、テーブルに充電台4が設けられていない利用形態においてバッテリー切れとなった場合、注文端末3を交換することが考えられる。本実施形態のように、レジューム情報にテーブルコードを対応付けておくことで、注文端末3が交換された場合であっても、同テーブルに設置された新たな注文端末3において位置情報に基づいて動画再生を再開させることが可能となっている。このように本実施形態では、レジューム情報に、注文端末3が設置されているテーブルを判別するための情報として、テーブルコードを含ませている。なお、テーブルを判別するための情報としては、テーブルコードに代え、注文端末コードであってもよい。テーブル−端末情報を参照することで注文端末3が設置されているテーブルを判別することができる。
【0048】
図7は、本発明の実施形態に係るオーダー処理を示すフロー図である。このオーダー処理(S200)では、商品マスター情報に登録されている商品を基本として注文することが可能である。オーダー処理(S200)が開始されると、商品マスター情報に登録されている商品についてメニュー表示が実行される(S201)。
図8には、注文端末3のタッチパネルモニター32に表示されたオーダー画面が示されている。本実施形態のオーダーは、商品毎の種別毎に階層化されており、多くの商品の中から効率的に選択することが可能となっている。そのため、画面上部には種別を選択するための種別選択欄3Aが設けられている。顧客はこの種別選択欄3Aの中から所望のタブを選択して、メニュー欄3Bに表示される商品をタッチして選択することができる。また、この種別選択欄3Aの右端には「動画」と表示されたタブが設けられており、顧客はこのタブを操作することで、動画情報を視聴することが可能となる。
【0049】
メニュー欄3Bは、操作ボタン3C、3Dを操作することで左右にスクロール表示させることが可能となっている。各商品は、その商品画像、商品名、価格(単価)が表示されている。顧客によるタッチで選択された商品は、選択商品名欄3Eに表示され、顧客はプラスボタン、マイナスボタンで構成された数量選択ボタン3Fを使用して、注文数量を指定する(S205;Yes)。数量選択ボタン3Fで指定された商品は、カートに格納される(S206)とともに、選択商品欄3G内に、サムネイル画像(SN)と商品名が表示される。画面右下には、注文確認ボタン3Hが設けられており、顧客がこの注文確認ボタン3Hを操作した場合、
図9に示す注文確認画面に移行し、カートに入れた商品の確認が行われる。本実施形態では、カート内注文内容を表示する注文商品欄3J内に、各商品の数量を変更するボタンが設けられており、顧客は商品の注文を確定する前に修正することが可能となっている。
【0050】
注文内容を確認した顧客は、注文確定ボタン3Lを操作することで注文を確定し(S207:Yes)、確定された注文商品は、その数量、入店コード、注文日時などを対応付け、注文情報としてネットワークに送信される(S208)。ネットワークに送信された注文情報は、管理サーバー装置1に注文履歴情報として蓄積されるとともに、キッチン端末5、キッチンプリンター51などに送信され、調理、配膳のために使用される。
【0051】
一方、注文確認画面において、左下に表示されるもどるボタン3Kが操作された場合には、
図8に示すオーダー画面に戻る。このオーダー処理(S200)は、顧客による会計指示(退席指示ともいう)にて終了する(S204:Yes)。注文端末3からの会計指示、あるいは、従業員に対して退席する旨を告げ、従業員によるハンディーターミナル9、あるいは、管理サーバー装置1の操作によって会計指示が入力されると、このオーダー処理(S200)を終了し、
図4のメイン処理中の会計処理(S102)へと移行する。
【0052】
注文端末3では、オーダー処理(S200)の他、動画情報を再生する動画再生処理を実行することが可能である。
図8で説明したオーダー画面の種別選択欄3A中、「動画」と表記されているタブがユーザーによって選択される(S202:Yes)と、動画再生処理(S300)が開始される。
図10は、本実施形態の動画再生処理(S300)を示すフロー図である。動画再生処理(S300)において、注文端末3は、利用しているテーブル(注文端末3が設置されているテーブル)のテーブルコードに対応するレジューム情報を管理サーバー装置1から取得する(S301)。なお、レジューム情報を注文端末3で記憶管理する形態では、SSD35からレジューム情報が読み出される。そして、取得したレジューム情報中に、位置情報が記憶されているか否かが判定される(S302)。テーブルに着席後、初回の動画再生処理(S300)では、位置情報はクリアされた状態となっており、レジューム情報中には位置情報は記憶されていない(S302:Yes)。この場合、タッチパネルモニター32には、ユーザーに動画を選択させる動画選択画面が表示される(S303)。
【0053】
図11は、本実施形態の動画選択画面を示す図である。動画選択画面には、選択対象となる各動画について、
図5で説明した動画管理情報に基づいて動画関連情報31Bが表示される。また、本実施形態では、各動画について、動画タイトル31C、動画サブタイトル31D、サムネイル画像31Eが表示されている。ユーザーは、この動画関連情報31Bを参照し、サムネイル画像31Eを選択操作することで視聴したい動画を選択する。また、動画選択画面には、ページ変更ボタン31G、31Hが設けられており、これらページ変更ボタン31G、31Hを操作することで、ページを変更し、選択対象となる動画を変更することが可能となっている。また、動画選択画面右上には、メニュー復帰ボタン31Aが設けられており、メニュー復帰ボタン31Aを操作することで、
図8に示すような動画再生処理(S300)へ移行する前のオーダー画面に戻ることが可能である。
【0054】
ユーザーが視聴したい動画を選択した場合(S304:Yes)、選択された動画関連情報31Bに対応する動画IDが管理サーバー装置1へと送信され、動画IDに対応する動画情報が注文端末3に送信される。注文端末3は受信した動画情報中の圧縮動画情報を再生し、タッチパネルモニター32に動画を表示するとともに、スピーカーから音声を拡声させる(S305)。
図12は、本実施形態の動画再生画面を示す図である。動画再生画面には、再生された動画情報を表示する動画再生欄31Jが設けられている。
図12に示す状態は、動画再生中、ユーザーが動画再生欄31をタッチ操作したときの一時停止状態を示している。一時停止状態の動画再生欄31Jには、動画再生位置を指定するシークバー31K、一時停止状態を示すアイコンが表示されている。ユーザーが動画再生欄31Jをタッチ操作することで、一時停止状態が解除され、動画の再生が再開される。なお、動画再生時には、シークバー31K及び一時停止状態を示すアイコンは非表示となる。また、動画再生画面には、音量ボタン31Fが設けられており、この音量ボタン31Fを操作することで、スピーカーから拡声される音量を変更することが可能となっている。また、動画再生画面には、店員呼出ボタン31Lが設けられている。店員呼出ボタン31Lが操作された場合、管理サーバー装置1にテーブルコードが送信され、テーブルコードに対応した呼出ランプの点灯、あるいは、呼出音の拡声が行われる。ユーザーは、この店員呼出ボタン31Lを操作することで、動画の視聴を中断することなく店員を呼び出すことが可能である。
【0055】
ところで、本来、商品の注文を主たる目的として使用する注文端末3では、動画再生処理(S300)中において、商品を注文する必要が生じる場合がある。そのため、この動画再生画面には、
図11の動画選択画面と同様、メニュー復帰ボタン31Aが設けられている。メニュー復帰ボタン31Aが操作された場合(S308:Yes)、再生中の動画を停止(S309)し、レジューム情報の更新(S310)、具体的には、レジューム情報中の再生している動画情報に対応する動画ID、そして、再生停止位置に関する位置情報の更新が行われる。再生停止位置に関する位置情報には、再生開始からの経過時間の他、再生中のチャプター情報等、各種形態を採用することが可能である。また、本実施形態では、管理サーバー装置1においてレジューム情報を記憶管理しているため、レジューム情報の更新は、管理サーバー装置1に記憶されたレジューム情報に対して行われる。
【0056】
レジューム情報の更新(S310)の後、オーダー処理(S200)を実行することで、ユーザーは、
図8のオーダー画面等を使用して商品を注文することが可能となる。商品の注文に関する操作を終えたユーザーは、再度、種別選択欄3A中、「動画」と表記されたタグを選択する(S202:Yes)ことで、動画再生処理(S300)に復帰させることが可能である。視聴途中の動画があった場合、レジューム情報中には位置情報が記憶されている(S302:Yes)ため、レジューム情報に基づいて動画情報の再生が再開される(S306)。動画情報の再生再開は、レジューム情報に記憶されている動画IDに対応する動画情報を、位置情報に対応する位置から再生させることになる。なお、再生再開する位置は、位置情報と同じ位置である必要は無く、例えば位置情報が再生開始からの経過時間である場合は位置情報の所定時間前とする、あるいは、例えば位置情報が再生停止した位置のチャプター情報である場合、当該チャプター情報もしくはその1つ前のチャプター情報とする等、各種形態を採用することが可能である。
【0057】
このように本実施形態では、動画再生処理からオーダー処理に切り替えられた場合、レジューム情報の更新(S310)を行い、その後、オーダー処理から動画再生処理に切り替えられた場合、レジューム情報に基づいて動画情報の再生を再開する(S306)ことで、注文端末3における動画再生の利便性向上が図られている。
【0058】
メイン処理(S100)で説明したように、本実施形態ではバッシング完了指示(S104:Yes)に基づいて、レジューム情報中の動画IDと位置情報をクリアするレジュームクリア処理(S105)が実行される。バッシング完了指示は、対象となるテーブルのテーブルコードを伴って入力され、ハッシング完了対象となったテーブルは、次の顧客の受け入れが整ったことになる。バッシング完了指示に応じてレジュームクリア処理(S105)を実行することで、動画再生処理(S300)についても次の顧客の受け入れが整うことになる。本実施形態では、管理サーバー装置1においてレジューム情報を記憶管理しており、バッシング完了指示が入力された場合、それに付されたテーブルコードを参照し、テーブルコードに対応するレジューム情報中の動画IDと位置情報がクリア(消去)される。なお、レジューム情報中の動画IDと位置情報のクリアは、注文端末3で会計が指示されてから、次の着席指示までの期間であれば、いつ行うこととしてもよい。特に、同期間中にテーブルコードに対応して指示される他の指示(バッシング指示、会計指示、あるいは着席指示等)を使用してクリアすることで、従業員等は、レジューム情報に対してクリアするための特段の指示を必要としない。
【0059】
ところで、本実施形態の注文端末3では、キッチンに配置された登録端末52、あるいは、管理サーバー装置1等、注文端末3の外部から注文端末3に対して割込指示をかけることが可能である。割込指示を受信した注文端末3は、割込指示に対応する割込処理を実行する。割込処理としては、タイムセール、宣伝、広告など、店舗側が顧客に対して伝えたい情報を、注文端末3のタッチパネルモニター32を使用して表示される。ここでは、割込処理として、登録端末52で登録されたお奨めの商品を表示するタイムセールを例に取って説明する。
図7のオーダー処理(S200)において、外部から割込指示を受信した場合(S203:Yes)、割込処理(S400)に移行する。また、
図10の動画再生処理(S300)において、外部から割込指示を受信した場合(S311:Yes)、メニュー復帰ボタン31Aが操作された場合(S308:Yes)と同様、動画が再生停止(S312)され、レジューム情報が更新(S313)された後、割込処理(S400)に移行する。
【0060】
図13は、本実施形態の割込処理(S400)を示すフロー図であり、
図14は、本実施形態のタイムセール受注画面例である。タイムセール情報は、キッチンで使用される登録端末52を使用して登録された情報であり、キッチンでの料理の進行状況に応じて登録される。割込処理(S400)は、登録端末52から直接、あるいは、管理サーバー装置1を経て、割込指示としてのタイムセール情報を受信することで開始される。注文端末3は、受信したタイムセール情報に基づいて、タイムセール受注画面を表示させる(S401)。注文端末3を顧客が使用中の場合、タイムセール受注画面の表示を待つことも考えられるが、前述したように販売可能数量が限定されたタイムセール商品では、品切れのため一刻を争う状況も考えられる。そのため、本実施形態では、注文端末3が操作中であっても、割り込む形態にてタイムセール受注画面を表示させ、タイムセール商品の販売開始をアピールすることとしている。
【0061】
図14は、割込処理(S400)実行時に表示されるタイムセール受注画面である。タイムセール受注画面には、タイムセール情報に含まれる商品名、商品画像等、タイムセール商品に関する各種情報が表示される。顧客は、画面中央下方に表示された注文確定ボタン3Pを操作することで注文を確定することが可能となっている。本実施形態では、
図8、
図9で説明した通常のオーダーと異なり、カートを利用することなく、注文確定ボタン3Pを操作するのみで注文を確定、すなわち、タイムセール商品の注文情報が管理サーバー装置1などへ送信される。また、タイムセール商品に関する各種購入条件は、条件表示欄3Nに表示される。また、タイムセール商品の注文を希望しない顧客は、画面左下に表示されるもどるボタン3Rを操作することで、元の画面に戻ることが可能である。
【0062】
図13のフロー図において、注文確定ボタン3Pの操作が判定された場合(S402:Yes)、注文端末3は、管理サーバー装置1と通信することで、タイムセール商品の注文受理、不受理を判定する。タイムセール商品が販売可能数量に到達した場合、あるいは、注文を行ったテーブルが設定された条件を満たしていない場合には、当該注文は不受理として判定される(S404:No)。注文が受理された場合(S404:Yes)、タイムセール商品の注文を確定する(S405)。管理サーバー装置1は、タイムセール商品の注文情報を注文履歴情報として記憶するとともに、キッチン端末5あるいはキッチンプリンター51などへ、タイムセール商品の注文を出力することで、キッチンに対してタイムセール商品の配膳指示を実行する。
【0063】
また、各注文端末3におけるタイムセール商品の販売数は、タイムセール受注画面の右下に「ご注文数」として表示され、顧客は注文数を確認することが可能となっている。さらに、本実施形態では、タイムセール受注画面の中央に大きく残数表示3Qを表示することで、顧客に対してタイムセール商品の売れ行きをアピールすることとしている。この残数表示3Qに代え、タイムセール商品の販売数を表示することとしてもよい。このタイムセール商品の残数、販売数は、注文が確定する毎に、管理サーバー装置1からの指示で更新される。
【0064】
注文が不受理となった場合(S404:No)や、注文を確定した(S405)ことによって、販売可能数量に達した、あるいは、設定された条件を満たさなくなった等、タイムセールの終了が判定された場合(S406:Yes)、あるいは、もどるボタン3Rが操作された場合(S402:Yes)、移動元の処理、すなわち、割込処理(S400)の前に行っていた処理が判定される(S408)。移動元がオーダー処理(S408)の場合にはオーダー処理(S200)が再開される。一方、移動元が動画再生処理(S300)の場合には、動画再生処理(S300)が再開される。動画再生処理(S300)では、レジューム情報中の位置情報に基づき、動画の視聴を再開することが可能となっている。
【0065】
このように本実施形態の注文端末3では、タイムセールのような割込処理(S400)が行われた場合であっても、割込処理(S400)の実行後、速やかに動画再生を再開させることが可能となっている。また、動画再生処理(S300)期間中であっても、顧客に有益な情報を提供することができる。
【0066】
ところで、飲食店等の店舗では会員登録しているユーザーに対してポイントを付与する等のサービスを実施することがある。会員登録しているユーザーに対して、動画再生に関する更なるサービスを提供することも可能である。
図15は、会員サービスを提供する店舗におけるテーブル情報、レジューム情報のデータ構成を示す図である。会員登録しているユーザーには、会員IDが付与されている。来店時、会員カード等、会員IDが記載された媒体を従業員に対して提示する、あるいは、会員IDを記録しているICカード、あるいは、スマートホン等を注文端末3のNFCセンサー36b等に読み取らせることで、テーブル情報には会員IDが書き込まれる。
【0067】
また、会員IDを使用した状態で、動画再生処理(S300)を実行した場合、レジューム情報には、動画ID、位置情報に加えて会員IDが書き込まれる。レジューム情報をクリアする際、会員IDに対応付けて、動画ID、位置情報を管理サーバー装置1等に保存しておくことで、次回、来店した際、会員IDに対応するレジューム情報を読み出すことで、前回来店時の続きから動画を再開させることが可能となる。このような形態では、顧客は飲食だけで無く、継続した動画鑑賞を来店の楽しみとすることが可能となり、店舗における顧客の誘引要素とすることが可能となる。
【0068】
また、複数の店舗によるチェーン店展開が行われる場合がある。このような場合、レジューム情報中、会員IDに対応付けた動画ID、位置情報をインターネット上のサーバー装置等に保存しておくことで、チェーン店展開している各店舗において利用可能することも可能である。例えば、A店に来店して動画を視聴した顧客が、その後、A店のチェーン店であるB店に来店した際、顧客の会員IDに対応する動画ID、位置情報を読み出して使用することで、B店においてA店での続きから動画視聴を楽しむことが可能となる。同じ店舗の場合と同様、顧客誘引の一要素とすることが可能となる。