(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6868984
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】異物介在防止装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20210426BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20210426BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20210426BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20210426BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20210426BHJP
B60L 53/124 20190101ALN20210426BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J50/70
H02J50/90
H02J50/60
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
!B60L53/124
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-166786(P2016-166786)
(22)【出願日】2016年8月29日
(65)【公開番号】特開2018-38110(P2018-38110A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 茂
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−059236(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/128600(WO,A1)
【文献】
特開2016−048974(JP,A)
【文献】
特開2014−027813(JP,A)
【文献】
特開2014−039403(JP,A)
【文献】
特開2017−038471(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/159994(WO,A2)
【文献】
特開2016−059139(JP,A)
【文献】
特開2016−059141(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0129793(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第104333147(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104201794(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/10
H02J 7/00
H02J 50/60
H02J 50/70
H02J 50/90
B60L 53/124
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して非接触で電力の供給を行う送電用コイルと受電用コイルの間の位置まで移動して前記送電用コイルと前記受電用コイルの間に介在する異物を除去する自走可能な移動除去装置が設けられ、
前記送電用コイルと前記受電用コイルの間に介在する異物を除去する異物除去手段が前記移動除去装置に設けられ、
前記異物除去手段は、自走可能な前記移動除去装置内に収納され移動可能である
ことを特徴とする異物介在防止装置。
【請求項2】
前記受電用コイルが前記送電用コイルと対向する位置に移動されたことを検知して信号を送信する位置検知装置と、該位置検知装置からの信号を受信して前記移動除去装置を前記受電用コイルと前記送電用コイルの間に移動させる制御装置が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の異物介在防止装置。
【請求項3】
前記移動除去装置に前記送電用コイルと前記受電用コイルの間の外周側面付近で発生する電磁界の漏洩を抑える磁性体が設けられ、該磁性体の外周の大きさが前記送電用コイル及び前記受電用コイルの外周より大きいことを特徴とする請求項1乃至2の何れか一つに記載の異物介在防止装置。
【請求項4】
前記受電用コイルが前記送電用コイルと対向する位置に移動されたことを検知して信号を送信する位置検知装置と、該位置検知装置からの信号を受信して前記移動除去装置を前記受電用コイルと前記送電用コイルの間に移動させる制御装置が設けられ、
前記移動除去装置を収納部に収納可能な待機充電箱を備え、
前記待機充電箱は、前記移動除去装置が前記収納部内に待機している間に前記移動除去装置を充電可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の異物介在防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で電子製品に電力を供給して充電を行う送電用コイルと受電用コイルの間に異物が介在することを防止するための異物介在防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品を充電する方法の一つとして、電力を供給する電源と接続した送電用コイルに電子製品に設けられた受電用コイルを対向させて非接触で電力の供給を行う方法が知られている。この充電方法においては、送電用コイルからの電力を効率良く受電用コイルに供給させて、効率良く電子製品を充電するため、送電用コイルと受電用コイルの間で発生する電磁界の遮蔽等を防止することが求められている。そのため、送電用コイルと受電用コイルの間で発生する供給に関与する電磁界の遮蔽等の原因となる送電用コイルと受電用コイルの間の異物の介在を防ぐことが特に重要となる。
【0003】
ここで、従来の技術として、送電用コイルと受電用コイルの間に異物が介在することを防ぐため、送電用コイルと電動式の車両に設けられた受電用コイルの間にエアバッグが介在するように構成されている装置を送電用コイルの上部に備えることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。すなわち、電動式の車両の充電を行う際に、送電用コイルの上部に設けられたエアバッグが膨張して送電用コイルと受電用コイルの間に介在する異物を除去する。その後、送電用コイルから受電用コイルに電力が供給されている間、膨張したエアバッグが両コイル間に介在して異物が介入することを防止することにより送電用コイルと受電用コイルの間で発生する電磁界の遮蔽等を防止することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−196015号公報(段落[0006]、[0022]〜[0027]、[
図6]、[
図7]、[
図8]等)
【特許文献2】特開2015−177633号公報(段落[0008]〜[0011]、[
図1]等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1及び2に記載されたエアバッグ等が送電用コイルの上部に予め設けられている装置では、収縮したエアバッグの上に異物が載っていた場合、エアバッグが膨張すると、その異物がエアバッグと受電用コイルの間に挟まってしまう。この異物により、送電用コイルと受電用コイルの間で発生する電力の供給に関与する電磁界が遮蔽等され、電動式の車両の充電の効率が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、送電用コイルと受電用コイルの間の異物の介在及び充電中の異物の介入を防いで送電用コイルと受電用コイルの間で発生する電磁界の遮蔽等を防止することにより、電子製品の充電の効率の低下を防ぐ異物介在防止装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、互いに対向して非接触で電力の供給を行う送電用コイルと受電用コイルの間の位置まで移動して前記送電用コイルと前記受電用コイルの間に介在する異物を除去する
自走可能な移動除去装置が設けられ
、前記送電用コイルと前記受電用コイルの間に介在する異物を除去する異物除去手段が前記移動除去装置に設けられ、前記異物除去手段は、自走可能な前記移動除去装置内に収納され移動可能であることを特徴とする異物介在防止装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記受電用コイルが前記送電用コイルと対向する位置に移動されたことを検知して信号を送信する位置検知装置と、該位置検知装置からの信号を受信して前記移動除去装置を前記受電用コイルと前記送電用コイルの間に移動させる制御装置が設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
請求項1乃至2の何れか一つに記載の構成に加え、前記移動除去装置に前記送電用コイルと前記受電用コイルの間の外周側面付近で発生する電磁界 の漏洩を抑える磁性体が設けられ、該磁性体の外周の大きさが前記送電用コイル及び前記受電用コイルの外周より大きいことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記受電用コイルが前記送電用コイルと対向する位置に移動されたことを検知して信号を送信する位置検知装置と、該位置検知装置からの信号を受信して前記移動除去装置を前記受電用コイルと前記送電用コイルの間に移動させる制御装置が設けられ、前記移動除去装置を収納部に収納可能な待機充電箱を備え、前記待機充電箱は、前記移動除去装置が前記収納部内に待機している間に前記移動除去装置を充電可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送電用コイルと受電用コイルの間の異物の介在及び充電中の異物の介入を防止して送電用コイルと受電用コイルの間で発生する電磁界の遮蔽等を防止して電子製品の充電の効率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る異物介在防止装置等の全体の構成を示す斜視図である。
【
図2】当実施の形態に係る異物介在防止装置の使用方法を示す側面図である。
【
図3】当実施の形態に係る異物介在防止装置の移動除去装置が送電用コイルと受電用コイルの間まで移動する状態を示す側面図である。
【
図4】当実施の形態に係る異物介在防止装置の移動除去装置が送電用コイルと受電用コイルの間に介在する状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至
図4には、発明の実施の形態を示す。
この実施の形態に係る異物介在防止装置100は、
図1及び2に示すように、地面に設けられた送電用コイル2から車両9に設けられた受電用コイル3に電力を供給する際、送電用コイル2と受電用コイル3の間に移動して異物を除去する移動除去装置1と、移動除去装置1が収納される待機充電箱6とが備えられている。
【0014】
図1に示すように、送電用コイル2は樹脂で形成された短円筒形の筐体2aに、円形状体のコイル本体部2bが収容されて構成されている。受電用コイル3も、樹脂で形成された短円筒形の筐体3aに、円形状体のコイル本体部3bが収容されて構成されている。後述する非接触給電はコイル本体部2bとコイル本体部3bとの電磁誘導によって行われる。
【0015】
移動除去装置1は、
図1に示すように、平たい箱状の装置本体11に地面を転動する車輪10が4箇所設けられると共に、この装置本体11には車輪10を転動させる駆動源(図示せず)が設けられ、さらに、この装置本体11の中央部分には磁性体5が設けられている。また、この装置本体11の前面部分には送電用コイル2と受電用コイル3の間に介在する異物をその間の領域から外に除去する異物除去手段4が設けられている。さらに、装置本体11には、受電用コイル3の位置を検知する位置検知装置7からの信号を受信して駆動源の運転制御及び異物除去手段4の運転制御を行う制御装置8が設けられている。この位置検知装置7は待機充電箱6に設けられている。また、これら車輪10、駆動源、異物除去手段4及び制御装置8は磁性体5の外側に設けられている。
【0016】
また、磁性体5は輪形状を呈すると共に、この磁性体5の内部は樹脂で構成されている。この磁性体5の外周の大きさは、送電用コイル2及び受電用コイル3の外周より大きくなるように構成されている。
【0017】
さらに、異物除去手段4は、回転式のブラシにより構成され、移動除去装置1が送電用コイル2と受電用コイル3の間まで移動するときに、送電用コイル2の上部に存在する異物を掃き出して、送電用コイル2及び受電用コイル3の間の領域から外に除去するように構成されている。なお、異物除去手段4は、風圧により異物を吹き飛ばす風圧装置としても良い。
【0018】
なお、上記車輪10の代わりに、例えば無限軌道が設けられていても良いし、制御装置8は、この実施の形態においては移動除去装置1に設けられているが、待機充電箱6に設けられていてもよい。
【0019】
一方、この実施の形態に係る異物介在防止装置100の構成要素である待機充電箱6には、
図1に示すように、移動除去装置1を収納可能な凹部形状の収納部12が設けられている。また、この待機充電箱6には、収納部12内に移動除去装置1が待機している間、この移動除去装置1を充電する充電装置(図示せず)が設けられている。
【0020】
また、この待機充電箱6は、
図2に示すように、送電用コイル2と接続され、車両9に設けられた受電用コイル3を充電するため、送電用コイル2に電力を供給する電源装置の役割を兼ねている。なお、この構成に限らず、待機充電箱6とは別に送電用コイル2に接続される電源装置(図示せず)を設けることもできる。
【0021】
さらに、待機充電箱6には、
図1,
図3,
図4に示すように、前述の位置検知装置7が設けられ、この位置検知装置7は、受電用コイル3が送電用コイル2に対向する位置に移動したことを検知して、移動除去装置1に設けられた制御装置8に信号を送信するように構成されている。また、位置検知装置7と制御装置8による動作については後述する。
【0022】
なお、位置検知装置7は、この実施の形態では待機充電箱6に設けられているが、移動除去装置1に設けても良く、受電用コイル3の位置を検知しやすい送電用コイル2の位置付近に設けても良い。
【0023】
次に、この実施の形態に係る異物介在防止装置100の使用方法について説明する。
まず、車両9を充電するため、
図2に示すように、運転者は車両9に設けられた受電用コイル3が地面に設けられた送電用コイル2に対向するように車両9を移動させて停車させる。待機充電箱6に設けられた位置検知装置7は受電用コイル3が送電用コイル2に対向する位置に移動したことを検知して移動除去装置1に設けられた制御装置8に信号を送信する。制御装置8には待機充電箱6に設けられた収納部12から送電用コイル2までの距離が記録されており、制御装置8が信号を受信して移動除去装置1の駆動源を運転制御して、自動で移動除去装置1を
図3に示すように収納部12から外に移動させ、
図4に示すように送電用コイル2と受電用コイル3の間まで移動させる。
【0024】
そして、移動除去装置1が地面に設けられた送電用コイル2と車両9に設けられた受電用コイル3の間まで移動するとき、送電用コイル2と受電用コイル3の間に異物が介在している場合、移動除去装置1が異物を押し出して除去する。
【0025】
また、位置検知装置7が受電用コイル3が送電用コイル2に対向する位置に移動したことを検知して、移動除去装置1に設けられた制御装置8に信号を受信させ、制御装置8の制御により移動装置1に設けられている異物除去手段4の運転を開始させる。これにより、異物除去手段4は回転式のブラシで送電用コイル2の上部に存在する異物を送電用コイル2と受電用コイル3の間の領域から外に掃き出して、移動除去装置1の異物の押し出しによる除去に加えて、さらに微小な異物を除去する。
【0026】
その後、移動除去装置1は、送電用コイル2と受電用コイル3の間まで移動した後、その間に介在した状態で停止する。
【0027】
この状態で、運転者は待機充電箱6のスイッチを手動で操作して待機充電箱6から送電用コイル2のコイル本体部2bに電力を供給させる。そして、送電用コイル2のコイル本体部2bから受電用コイル3のコイル本体部3bに非接触給電にて電力を供給させて車両9の充電を開始する。
【0028】
なお、この実施の形態では、運転者が手動で待機充電箱6のスイッチを操作して車両9の充電を開始している。しかし、この限りではなく、受電用コイル3が送電用コイル2と対向する位置に移動したことを位置検知装置7が検知して信号を制御装置8に送信して、その信号を受信した制御装置8が待機充電箱6を運転制御してスイッチを操作して自動で車両9の充電を開始するものであっても良い。
【0029】
この充電時には、移動除去装置1が送電用コイル2と受電用コイル3の間の異物を押し出して除去したため、送電用コイル2と受電用コイル3の間で電磁界が遮蔽されるのを防止して、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給効率の低下を防ぐことができる。
【0030】
さらに、移動除去装置1に設けられている異物除去手段4が、移動除去装置1の異物の押し出しによる除去に加えて、送電用コイル2の上部に載っている微小な異物をブラシで掃きだして除去したため、送電用コイル2と受電用コイル3の間で電磁界が遮蔽されるのをより一層防ぐことができ、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給効率の低下を防ぐことができる。
【0031】
また、送電用コイル2から受電用コイル3の間に移動除去装置1が介在しているため、電力を供給している間、送電用コイル2と受電用コイル3の間に異物が介入することを防止することができるため、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給効率の低下を防ぐことができる。
【0032】
また、送電用コイル2から受電用コイル3に電力を供給している間、移動除去装置1に設けられた磁性体5は送電用コイル2と受電用コイル3の間に介在している。この磁性体5は、外周の大きさが送電用コイル2及び受電用コイル3の外周より大きくなるように構成されているため、磁性体5は送電用コイル2と受電用コイル3の間の外周側面付近で発生する送電用コイル2から受電用コイル3へ向かう方向の電磁界の磁束を妨げることなく電磁界の磁束が送電用コイル2及び受電用コイル3の外周外側に漏洩等することを防止できる。そして、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給の乱流が起きることを防ぐことができる。
【0033】
さらに、輪形状の磁性体5の内部は樹脂で構成されているため、送電用コイル2と受電用コイル3の間の中央部分で発生する電磁界の磁束の乱流等が起きることを防ぐことができる。これにより、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給効率を低下させることを防止できる。
【0034】
また、車両9を充電する前においては、移動除去装置1は待機充電箱6に設けられた収納部12内で待機しているため、移動除去装置1の上部に異物が載ることが防止されることから、移動除去装置1が送電用コイル2と受電用コイル3の間まで移動した状態でも、送電用コイル2と受電用コイル3の間に異物が介入することがない。よって、送電用コイル2から受電用コイル3に電力を供給している間、送電用コイル2と受電用コイル3の間で発生する電磁界の遮蔽等を防ぐことができる。
【0035】
さらにまた、送電用コイル2から受電用コイル3に電力を供給している間、移動除去装置1に設けられている車輪10、駆動源、異物除去手段4及び制御装置8は、移動除去装置1に設けられている磁性体5より外側に設けられているため、送電用コイル2と受電用コイル3の間で発生する電磁界が、これら車輪10、駆動源、異物除去手段4及び制御装置8により、遮蔽等されることを防止できる。従って、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給効率が低下することを防ぐことができる。
【0036】
このように充電が終了した後、車両に設けられた表示器(図示せず)が充電が終了したことを運転者に報知する。この報知を運転者は認知して、送電用コイル2から受電用コイル3への電力の供給を停止するため、待機充電箱6のスイッチを手動で操作して車両9の充電を停止する。その後、運転者が車両9を移動させて、受電用コイル3が送電用コイル2から離れた状態になると、位置検知装置7は受電用コイル3が送電用コイル2から離れたことを検知して移動除去装置1の制御装置8に信号を送信する。制御装置8には待機充電箱6に設けられた収納部12から送電用コイル2までの距離が記録されており、信号を受信した制御装置8は移動除去装置1の駆動源を運転制御して、移動除去装置1を収納部12まで移動させて待機させる。収納部12で待機している間、移動除去装置1は待機充電箱6により充電される。
【0037】
なお、この実施の形態では受電用コイル3の位置を位置検知装置7が検知して制御装置8に信号を送信して、信号を受信した制御装置8が駆動源を運転制御して移動除去装置1を両コイル間から収納部12まで移動させている。しかし、この構成に限らず、待機充電箱6に設けられた充電検知装置(図示せず)が車両9の充電が終了したことを検知して移動除去装置1に設けられた制御装置8に信号を送信して、信号を受信した制御装置8が駆動源を運転制御して移動除去装置1を両コイル間から収納部12まで移動させるように構成されているものであっても良い。
【0038】
以上、この実施の形態においては、異物介在防止装置100の構成である移動除去装置1が地面に設けられた送電用コイル2と車両9に設けられた受電用コイル3の間に移動して、送電用コイル2と受電用コイル3の間に介在する異物を押し出して除去する。そのため、送電用コイル2から受電用コイル3に電力を供給する際、異物による送電用コイル2と受電用コイル3で発生する電磁界が遮蔽等されるのを防ぐことができ、車両9の充電の効率の低下を防止できる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、異物介在防止装置100の構成の一つとして、待機充電箱6が設けられているが、構成によっては設けなくてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、異物介在防止装置100を車両9の充電するための非接触電力伝送装置に使用しているが、これに限らず、工場作業用ロボットなど駆動する大型の電子製品の充電装置に使用してもよい。
【0041】
さらに、上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない
【符号の説明】
【0042】
1・・・移動除去装置
2・・・送電用コイル
2a・・・送電用コイルの筺体
2b・・・送電用コイル本体
3・・・受電用コイル
3a・・・受電用コイルの筺体
3b・・・受電用コイル本体
4・・・異物除去手段
5・・・磁性体
6・・・待機充電箱
7・・・位置検知装置
8・・・制御装置
9・・・車両
10・・・車輪
11・・・装置本体
12・・・収納部
100・・・異物介在防止装置