【実施例】
【0019】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」である。
【0020】
実施例1
低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤HFO−1233zd(LBA:ハネウェル社製)35部に対し、室温で、ビフェントリンを0.5部(0.15%)、1.1部(0.35%)、1.6部(0.50%)添加し溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、発泡剤として水を2部添加し混合したものを用意し、これに前記液状物を添加混合して、ポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液155部を加え(イソシアネートインデックス110)、ラボミキサーを用いて混合発泡させポリウレタンフォームを得た。
【0021】
実施例2
ビフェントリンを、室温でオルト蟻酸エチル(脱水剤)に濃度が40質量%になるように溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、発泡剤として水2部とHFO−1233zd(ハネウェル社製、LBA)35部を添加し混合したものに対し、前記液状物を1.3部(0.15%)、2.8部(0.35%)、4.0部(0.50%)添加混合して、ポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液155部を加え(イソシアネートインデックス110)、ラボミキサーを用いて混合発泡させポリウレタンフォームを得た。
【0022】
実施例3
ビフェントリンを、りん酸トリス(2−ブトキシエチル)(可塑剤)に、濃度が20質量%になるように溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、発泡剤として水2部とHFO−1233zd(ハネウェル社製、LBA)35部を添加し混合したものに対し、前記液状物を2.5部(0.15%)、5.5部(0.35%)、8.0部(0.50%)添加混合して、ポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液155部を加え(イソシアネートインデックス110)、ラボミキサーを用いて混合発泡させポリウレタンフォームを得た。
【0023】
実施例4〜6
実施例1〜3におけるビフェントリンをシラフルオフェンに変えた点以外は同様にして実施例4〜6の各ポリウレタンフォームを得た。
【0024】
実施例7
低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤HFO−1233zd(LBA:ハネウェル社製)25部とHFO−1336mzz(オプティオン−1100:ケマーズ社製)10部の混合物に対し、室温で、ビフェントリンを0.5部(0.15%)、1.1部(0.35%)、1.6部(0.50%)添加し溶解させて液状物を得た点以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0025】
実施例8
低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤HFO−1233zd(LBA:ハネウェル社製)35部と、HFO−1234ze(HBA−1:ハネウェル社製)2部の混合物に対し、室温で、ビフェントリンを0.5部(0.15%)、1.1部(0.35%)、1.6部(0.50%)添加し溶解させて液状物を得た点以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0026】
実施例9
低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤HFO−1233zd(LBA:ハネウェル社製)35部に対し、室温で、ビフェントリンを0.7部(0.15%)、1.6部(0.35%)、2.2部(0.50%)添加し溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒1(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、触媒2(オクチル酸カリウム触媒、エアープロダクツ社製、DABCO K−15)1部、発泡剤として水を2部添加混合したものを用意し、これに前記液状物を添加混合して、ポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液282部を加え(イソシアネートインデックス200)、ラボミキサーを用いて混合発泡させウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを得た。
【0027】
実施例10
ビフェントリンを、室温でオルト蟻酸エチル(脱水剤)に、濃度が40質量%になるように溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒1(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、触媒2(オクチル酸カリウム触媒、エアープロダクツ社製、DABCO K−15)1部、発泡剤として水2部とHFO−1233zd(ハネウェル社製、LBA)35部を添加混合したものに対し、前記液状物を1.8部(0.15%)、4.0部(0.35%)、5.5部(0.50%)添加混合してポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液282部を加え(イソシアネートインデックス200)、ラボミキサーを用いて混合発泡させウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを得た。
【0028】
実施例11
ビフェントリンを、りん酸トリス(2−ブトキシエチル)(可塑剤)に、濃度が20質量%になるように溶解させて液状物を得た。
これとは別に、芳香族ポリエステルポリオール(水酸基価:250、川崎化成工業社製、RFK−505)50部、ショ糖系ポリオール(水酸基価:450、三洋化成工業社製、HS−209)15部、エチレンジアミン系ポリオール(水酸基価:760、三洋化成工業社製、NP−300)35部、整泡剤(シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製、SH−193)2部、触媒1(トリエチレンジアミン系触媒、東ソー社製、TEDA−L33)2部、触媒2(オクチル酸カリウム触媒、エアープロダクツ社製、DABCO K−15)1部、発泡剤として水2部とHFO−1233zd(ハネウェル社製、LBA)35部を添加混合したものに対し、前記液状物を3.5部(0.15%)、8.0部(0.35%)、11部(0.50%)添加混合して、ポリオール側原液を調製した。
上記ポリオール側原液に対し、ポリメリックMDI(東ソー社製、C−1130)からなるポリイソシアネート側原液282部を加え(イソシアネートインデックス200)、ラボミキサーを用いて混合発泡させウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを得た。
【0029】
実施例12〜14
実施例9〜11におけるビフェントリンをシラフルオフェンに変えた点以外は同様にして実施例12〜14の各ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを得た。
【0030】
比較例1〜8
防虫剤を用いなかった点以外は、実施例1〜8と同様にして比較例1〜8のポリウレタンフォームを得た。即ち、防虫剤を溶解させることなく、低沸点発泡剤、脱水剤又は可塑剤をそのまま加えた。
【0031】
比較例9〜14
防虫剤を用いなかった点以外は、実施例9〜14と同様にして比較例9〜14のウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを得た。即ち、防虫剤を溶解させることなく、低沸点発泡剤、脱水剤又は可塑剤をそのまま加えた。
【0032】
実施例1〜14、及び比較例1〜14の各フォーム(防虫断熱材)について、次のようにして白蟻を用いた防蟻性試験を行った。結果を纏めて表1〜表14に示す。
なお、実施例1〜14及び比較例1〜14は、それぞれ対応する番号の表に示した。
各フォームから1cm×1cm×2cmの試験片を作製した。
直径8cm、高さ6cmのアクリル樹脂製円筒の底部に厚さ約5mmの硬石こう層を設けた飼育容器に前記試験片を1個入れた後、該飼育容器に無作為に巣から取り出した職蟻150匹と兵蟻15匹を投入した。この飼育容器を試験片毎に用意し、これらを予め底の全面に約2cmの厚さの湿潤綿を敷きつめた蓋付き容器内に入れ、これを28±2℃の暗所に21日間静置して飼育した。その後、試験片から付着物を除去して質量を測定して、次の式により、質量減少率を算出した。
質量減少率(%)=〔(試験前の質量−試験後の質量)/試験前の質量〕×100
また、飼育終了後に生存していた職蟻の数を計測し、次の式により死虫率を算出した。
死虫率(%)=〔(当初の生存数−飼育終了後の生存数)/当初の生存数〕
×100
【0033】
【表1】
【表2】
【表3】
【0034】
【表4】
【表5】
【表6】
【0035】
【表7】
【表8】
【0036】
【表9】
【表10】
【表11】
【0037】
【表12】
【表13】
【表14】
【0038】
ビフェントリンは白蟻に対する忌避効果を有しており、表1〜3、表7〜11から分かるように、ポリウレタンフォーム及びウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームに白蟻が接触することを阻害する。したがって、死虫率は必ずしも高くないが、フォームが受ける食害を顕著に減少させることができる。
一方、シラフルオフェンは忌避効果を有しないが、殺虫効果を有している。したがって、表4〜6、表12〜14から分かるように、ビフェントリンに比べて食害に対する効果は小さいが、死虫率は100%と顕著である。