【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明の離座検知システムは、水平方向に回動する把持部を有し洋風大便器の前方に設置される介助装置と、該介助装置の把持部の位置を検知することで使用者の前記洋風大便器からの離座を察知する前記介助装置とは別体の離座センサと、を備える。前記介助装置は、少なくとも前記把持部の長手方向が前記洋風大便器の幅方向に対して略平行になる使用位置で前記把持部を固定する固定機構および該固定機構による前記把持部の固定を解除する解除機構を有し、前記介助装置の把持部は、前記固定機構により前記使用位置で固定された状態において、前記使用位置を中心として所定の範囲で揺動自在に固定されており、前記離座センサの検知位置が、前記使用位置を中心とした揺動範囲外
、かつ前記使用位置よりも前記洋風大便器から遠い位置に設けられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、離座センサの検知位置が、使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられていることにより、使用者の体動により最も揺動する可能性の高い使用位置で離座の検知が行われないため、便器使用者の体動を介助装置の動きとして誤検知してしまうことを抑制できる。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記検知位置は、前記洋風大便器から見て前記使用位置より前方の前方空間領域に設けられていることを特徴とする。
第2の発明によれば、使用者の体の大部分は使用位置よりも洋風大便器側にあることが多いので、検知位置が洋風大便器から見て使用位置より前方の前方空間領域に設けられていることにより、使用位置より後方で検知した場合に比べて、誤検知の可能性が減る。
【0007】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記検知位置は、前記洋風大便器の幅方向の両端を前記洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域の外側に設けられていることを特徴とする。
第3の発明によれば、使用者の体の大部分は洋風大便器の幅方向の両端を洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域にあることが多いので、検知位置が大便器前方領域の外側に設けられていることにより、使用者の体の動きなどによる誤検知が抑制できる。
【0008】
第4の発明は、第1または第2の発明において、前記洋風大便器の前方に形成され、幅が35cm以上50cm以下であると共に幅方向の仮想中心線が前記洋風大便器の幅方向の仮想中心線と略一致する大便器前方領域の外側に前記検知位置が設けられていることを特徴とする。
第4の発明によれば、人間の肩幅に対応する35cm以上50cm以下の範囲の内側では体動が多く誤検知し易いので、幅が35cm以上50cm以下であると共に幅方向の仮想中心線が洋風大便器の幅方向の仮想中心線と略一致する大便器前方領域の外側に検知位置が設けられていることにより誤検知の可能性が減る。
【0009】
第5の発明は、第3または第4の発明において、前記検知位置は、前記大便器前方領域の外側のうち、前記介助装置の把持部の回動軸側に設けられていることを特徴とする。
第5の発明によれば、介助者は、大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側とは反対側から被介助者に向かって接近することが多いため、検知位置を大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側に設けることで、介助者等を誤検知する可能性が減らせる。
【0010】
第6の発明は、第1または第2の発明において、前記介助装置の把持部は、回動腕部と該回動腕部に載置されている板状のボード部を有し、前記検知位置は、前記洋風大便器または前記使用位置における前記ボード部のうち幅の小さいものの幅方向の両端を前記洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域の外側に設けられていることを特徴とする。
第6の発明によれば、使用者の体の大部分は洋風大便器または使用位置におけるボード部のうち幅の小さいものの幅方向の両端を洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域にあることが多いので、検知位置が、大便器前方領域の外側に設けられていることにより、使用者の体の動きなどによる誤検知が抑制できる。
【0011】
第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記把持部は、前記固定機構により前記使用位置とは異なる離座動作準備位置でも固定され、前記検知位置は、前記離座動作準備位置に設けられていることを特徴とする。
第7の発明によれば、使用位置とは異なる離座動作準備位置に検知位置が設けられることにより、検知位置が明確になるため、検知位置の初期設定が楽になる。
【0012】
第8の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、電磁波及び超音波の少なくともいずれかにより前記離座を検知すると共に指向性を有するものであることを特徴とする。
第8の発明によれば、離座センサが電磁波及び超音波の少なくともいずれかにより検知を行うものであることにより、測定距離を長くできるため、離座センサの設置の自由度をあげることができる。さらに、離座センサが指向性を有するものであることにより、検知範囲が限定されるため、誤検知の可能性を減らすことができる。
【0013】
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、前記介助装置の把持部の回動範囲外に配設され、前記介助装置の把持部が、前記離座センサに接触しないことを特徴とする。
第9の発明によれば、離座センサが介助装置の把持部の回動範囲外に配設されることにより、介助装置の把持部が離座センサに接触しないため、介助装置と離座センサとの間に手などを挟まなくでき、医療施設などにおける事故の可能性が減らせる。
【0014】
第10の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明において、前記洋風大便器から見て前記使用位置より前方の前方空間領域に配設されていることを特徴とする。
第10の発明によれば、使用者の体の大部分は使用位置よりも洋風大便器側にあることが多いので、離座センサが洋風大便器から見て使用位置より前方の前方空間領域に配設されていることにより、誤検知の可能性が減る。
【0015】
第11の発明は、第1〜10のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、前記洋風大便器の側方のうち、前記介助装置の把持部の回動軸側の側方領域または前記介助装置の把持部の回動軸の側壁に配設されていることを特徴とする。
第11の発明によれば、介助者は、大便器の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側とは反対側から被介助者に向かって接近することが多いため、離座センサを大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側の側方領域または側壁に設けることで、介助者等を誤検知する可能性が減らせる。
【0016】
第12の発明は、第1〜11のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、鉛直方向において、前記介助装置の少なくとも一部と重なることを特徴とする。
第12の発明によれば、離座センサが鉛直方向において介助装置の少なくとも一部と重なることにより、介助装置と離座センサとの間の距離が最短にできるので、介助装置と離座センサとの間の領域に入った体などによる誤検知の可能性が減らせる。
【0017】
第13の発明は、第1〜12のいずれか1つの発明において、前記介助装置は、前記把持部の回転を固定または解除する操作レバーをさらに含み、前記離座センサは、前記操作レバーの位置を検知することを特徴とする。
第13の発明によれば、使用者は洋風大便器から離座するに操作レバーを操作して介助装置の把持部を使用位置から移動させるため、離座センサが操作レバーの位置を検知することにより、離座を早期に察知できる。
【0018】
第14の発明の離座センサは、水平方向に回動する把持部を有し洋風大便器の前方に設置される介助装置の前記把持部の位置を検知することで使用者の前記洋風大便器からの離座を察知し、前記介助装置とは別体である。前記介助装置は、少なくとも前記把持部の長手方向が前記洋風大便器の幅方向に対して略平行になる使用位置で前記把持部を固定する固定機構および該固定機構による前記把持部の固定を解除する解除機構を有し、前記介助装置の把持部は、前記固定機構により前記使用位置で固定された状態において、前記使用位置を中心として所定の範囲で揺動自在に固定されており、前記離座センサの検知位置が、前記使用位置を中心とした揺動範囲外
、かつ前記使用位置よりも前記洋風大便器から遠い位置に設けられていることを特徴とする。
第14の発明によれば、離座センサの検知位置が、使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられていることにより、使用者の体動により最も揺動する可能性の高い使用位置で離座の検知が行われないため、便器使用者の体動を介助装置の動きとして誤検知してしまうことを抑制できる。
【0019】
第15の発明は、第14の発明において、前記検知位置は、前記洋風大便器から見て前記使用位置より前方の前方空間領域に設けられていることを特徴とする。
第15の発明によれば、使用者の体の大部分は使用位置よりも洋風大便器側にあることが多いので、検知位置が洋風大便器から見て使用位置より前方の前方空間領域に設けられていることにより、使用位置より後方で検知した場合に比べて、誤検知の可能性が減る。
【0020】
第16の発明は、第14または15の発明において、前記検知位置は、前記洋風大便器の幅方向の両端を前記洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域の外側に設けられていることを特徴とする。
第16の発明によれば、使用者の体の大部分は洋風大便器の幅方向の両端を洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域にあることが多いので、検知位置が、大便器前方領域の外側に設けられていることにより、使用者の体の動きなどによる誤検知が抑制できる。
【0021】
第17の発明は、第14または第15の発明において、前記洋風大便器の前方に形成され、幅が35cm以上50cm以下であると共に幅方向の仮想中心線が前記洋風大便器の幅方向の仮想中心線と略一致する大便器前方領域の外側に前記検知位置が設けられているあることを特徴とする。
第17の発明によれば、人間の肩幅に対応する35cm以上50cm以下の範囲の内側では体動が多く誤検知し易いので、幅が35cm以上50cm以下であると共に幅方向の仮想中心線が洋風大便器の幅方向の仮想中心線と略一致する大便器前方領域の外側に検知位置が設けられていることにより誤検知の可能性が減る。
【0022】
第18の発明は、第16または第17の発明において、前記検知位置は、前記大便器前方領域の外側のうち、前記介助装置の把持部の回動軸側に設けられていることを特徴とする。
第18の発明によれば、介助者は、大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側とは反対側から被介助者に向かって接近することが多いため、検知位置を大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側に設けることで、介助者等を誤検知する可能性が減らせる。
【0023】
第19の発明は、第14または15の発明において、前記介助装置の把持部は、回動腕部と該回動腕部に載置されている板状のボード部を有し、前記検知位置は、前記洋風大便器または前記使用位置における前記ボード部のうち幅の小さいものの幅方向の両端を前記洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域の外側に設けられていることを特徴とする。
第19の発明によれば、使用者の体の大部分は洋風大便器または使用位置におけるボード部のうち幅の小さいものの幅方向の両端を洋風大便器の前方側に延伸させた仮想直線に挟まれた大便器前方領域にあることが多いので、検知位置が、大便器前方領域の外側に設けられていることにより、使用者の体の動きなどによる誤検知が抑制できる。
【0024】
第20の発明は、第14〜19のいずれか1つの発明において、前記把持部は、前記固定機構により前記使用位置とは異なる離座動作準備位置でも固定され、前記検知位置は、前記離座動作準備位置に設けられていることを特徴とする。
第20の発明によれば、使用位置とは異なる離座動作準備位置に検知位置が設けられることにより、検知位置が明確になるため、検知位置の初期設定が楽になる。
【0025】
第21の発明は、第14〜20のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、電磁波及び超音波の少なくともいずれかにより前記離座を検知すると共に指向性を有するものであることを特徴とする。
第21の発明によれば、離座センサが電磁波及び超音波の少なくともいずれかにより検知を行うものであることにより、測定距離を長くできるため、離座センサの設置の自由度をあげることができる。さらに、離座センサが、指向性を有するものであることにより、検知範囲が限定されるため、誤検知の可能性を減らすことができる。
【0026】
第22の発明は、第14〜21のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、前記介助装置の把持部の回動範囲外に配設され、前記介助装置の把持部が、前記離座センサに接触しないことを特徴とする。
第22の発明によれば、離座センサが介助装置の把持部の回動範囲外に配設されることにより、介助装置の把持部が離座センサに接触しないため、介助装置と離座センサとの間に手を挟まなくでき、医療施設などにおける事故の可能性が減らせる。
【0027】
第23の発明は、第14〜22のいずれか1つの発明において、前記洋風大便器から見て前記使用位置より前方の前方空間領域に配設されていることを特徴とする。
第23の発明によれば、使用者の体の大部分は使用位置よりも洋風大便器側にあることが多いので、離座センサが洋風大便器から見て使用位置より前方の前方空間領域に配設されていることにより、誤検知の可能性が減る。
【0028】
第24の発明は、第14〜23のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、前記洋風大便器の側方のうち、前記介助装置の把持部の回動軸側の側方領域または前記介助装置の把持部の回動軸の側壁に配設されていることを特徴とする。
第24の発明によれば、介助者は大便器の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側とは反対側から被介助者に向かって接近することが多いため、離座センサを大便器前方領域の外側のうち、介助装置の把持部の回動軸側の側方領域または側壁に設けることで、介助者等を誤検知する可能性が減らせる。
【0029】
第25の発明は、第14〜24のいずれか1つの発明において、前記離座センサは、鉛直方向において、前記介助装置の少なくとも一部と重なることを特徴とする。
第25の発明によれば、離座センサが鉛直方向において介助装置の少なくとも一部と重なることにより、介助装置と離座センサとの間の距離が最短にできるので、介助装置と離座センサとの間の領域に入った体などによる誤検知の可能性が減らせる。
【0030】
第26の発明は、第14〜25のいずれか1つの発明において、前記介助装置は、前記把持部の回転を固定または解除する操作レバーをさらに含み、前記離座センサは、前記操作レバーの位置を検知することを特徴とする。
第26の発明によれば、使用者は洋風大便器から離座する前に操作レバーを操作して介助装置の把持部を使用位置から移動させるため、離座センサが操作レバーの位置を検知することにより、離座を早期に検知できる。
第27の発明は、水平方向に回動する把持部を有し洋風大便器の前方に設置される介助装置と、該介助装置の把持部の位置を検知することで使用者の前記洋風大便器からの離座を察知する前記介助装置とは別体の離座センサと、を備えた離座検知システムであって、前記介助装置は、少なくとも前記把持部の長手方向が前記洋風大便器の幅方向に対して略平行になる使用位置で前記把持部を固定する固定機構および該固定機構による前記把持部の固定を解除する解除機構を有し、前記介助装置の把持部は、前記固定機構により前記使用位置で固定された状態において、前記使用位置を中心として所定の範囲で揺動自在に固定されており、前記離座センサの検知位置が、前記使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられており、前記介助装置は、前記把持部の回転を固定または解除する操作レバーをさらに含み、前記離座センサは、前記操作レバーの位置を検知することを特徴とする離座検知システムである。
第27の発明によれば、離座センサの検知位置が、使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられていることにより、使用者の体動により最も揺動する可能性の高い使用位置で離座の検知が行われないため、便器使用者の体動を介助装置の動きとして誤検知してしまうことを抑制できる。
第28の発明は、水平方向に回動する把持部を有し洋風大便器の前方に設置される介助装置の前記把持部の位置を検知することで使用者の前記洋風大便器からの離座を察知し前記介助装置とは別体の離座センサであって、前記介助装置は、少なくとも前記把持部の長手方向が前記洋風大便器の幅方向に対して略平行になる使用位置で前記把持部を固定する固定機構および該固定機構による前記把持部の固定を解除する解除機構を有し、前記介助装置の把持部は、前記固定機構により前記使用位置で固定された状態において、前記使用位置を中心として所定の範囲で揺動自在に固定されており、前記離座センサの検知位置が、前記使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられており、前記介助装置は、前記把持部の回転を固定または解除する操作レバーをさらに含み、前記離座センサは、前記操作レバーの位置を検知することを特徴とする離座センサである。
第28の発明によれば、離座センサの検知位置が、使用位置を中心とした揺動範囲外に設けられていることにより、使用者の体動により最も揺動する可能性の高い使用位置で離座の検知が行われないため、便器使用者の体動を介助装置の動きとして誤検知してしまうことを抑制できる。