(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、回転式の飲料充填機において、高い精度で液面レベルを検出するとともに、メンテナンスの容易な液面レベル検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、円弧状の搬送経路を搬送される複数の容器に充填される製品液の液面レベルを検出する装置であって、容器の外部から液面レベルを含む容器の画像を撮影する撮影部と、画像から液面レベルを特定する制御部と、を備える。
本発明における撮影部は、搬送経路よりも外側の単数又は複数の外側定点に設けられ、搬送経路を搬送される容器を正面から撮影するカメラと、搬送経路よりも内側に設けられ、容器の背面に向けて照明光を照射する照射体と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の撮影部におけるカメラは、搬送される複数の容器のそれぞれについて、特定の視野を撮影する、ことが好ましい。
【0008】
本発明における照射体は、少なくとも二つの形態を含む。
一つ目は、照射体が反射体からなる形態である。この形態は、容器の背面に照射される照明光が、搬送経路よりも外側に設けられる光源から搬送経路の内側に向けて照射された照明光が、照射体である反射体で反射される。
二つ目は、照射体が導光体からなる形態である。この形態は、容器の背面に照射される照明光が、導光体に隣接して設けられる光源から照射された照明光が、導光体を通って導光体の表面から照射される。
【0009】
本発明の撮影部における光源は、照射体として反射体を用いる場合、隣接する容器の間から、搬送経路よりも内側に向けて照明光を照射する、ことができる。
また、本発明の撮影部における光源は、白色光又は近赤外光を照射する、ことができる。この光源は、照射体が反射体及び導光体のいずれにも有効である。
本発明の撮影部における反射体は、照明光を反射する面が白色をなす、ことが好ましい。
【0010】
本発明の撮影部における照射体は、搬送経路の内側の単数又は複数の内側定点に、カメラに対応して設ける、ことができる。
【0011】
本発明は、円弧状の搬送経路を搬送される複数の容器に充填される製品液の液面レベルを検出する方法を提供する。この検出方法は、容器の外部から液面レベルを含む容器の画像を撮影する撮影ステップと、画像から液面レベルを特定するレベル特定ステップと、を備える。
本発明における撮影ステップにおいて、搬送経路よりも内側から容器の背面に向けて照明光を照射しながら、搬送経路よりも外側の単数又は複数の外側定点から、搬送経路を搬送される容器を正面から画像を撮影する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明は、以上説明した液面レベル検出装置を備える充填機を提供する。この充填機は、複数の容器が円弧状の搬送経路を搬送し、複数の容器のそれぞれに対応する充填バルブを備える回転体と、上述したいずれかの液面レベル検出装置と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の液面レベル検出装置によれば、容器の背面から照明を照射するので、液面レベルを高い精度で検出できる。しかも本発明の液面レベル検出装置によれば、容器を撮影するカメラが搬送経路の外側に設けられており、回転体などの機器の存在を気にすることなくメンテナンスを容易にできる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、液面レベル検出装置30を備える回転式の飲料充填機1に関し、特に、高い精度で液面レベルを検出できるとともに、メンテナンスの容易な液面レベル検出装置30を提案する。
以下、飲料充填機1の構成及び動作を説明し、次いで、飲料充填機1の効果を説明する。
【0016】
[飲料充填機1の全体構成]
飲料充填機1は、
図1に示すように、図示を省略する搬送コンベアにより連続的に搬送される容器100を回転体としての搬入スターホィール7から受け取る。飲料充填機1には、フィラ本体5の周囲に複数の充填バルブ10(
図3参照)が配置されており、搬入スターホィール7から受け渡される容器100が容器供給地点INから容器排出地点EXまでの円弧状の搬送経路Rを移動する間に、一連の手順で飲料の充填が行なわれる。飲料充填が完了した容器100は、搬出スターホィール8に受け渡されてから、キャップの取り付けなどを行う次工程に向けて搬送される。
なお、
図1は容器100を間引いて示している。
【0017】
飲料充填機1は、
図1に示すように、フィラ本体5と、
図3に示される充填バルブ10と、液面レベル検出装置30と、フィラ本体5、液面レベル検出装置30などの動作を制御する制御部50と、を備えている。
フィラ本体5は、駆動源により回転駆動される搬送スターホィール6と、搬送スターホィール6との外周に設けられ、容器100を保持する複数の保持具と、を備えている。なお、保持具の図示は省略されている。フィラ本体5は、複数の保持具のそれぞれに対応して充填バルブ10が設けられる。
【0018】
フィラ本体5は、搬入スターホィール7から連続的に搬入される容器100を容器供給地点INで受け取り、受け取った容器100を搬送スターホィール6でから容器排出地点EXまで搬送する。フィラ本体5は、容器100を容器供給地点INから容器排出地点EXまで搬送する過程で、それぞれの容器100に対応して設けられる充填バルブ10から製品液が充填される。
本実施形態に適用される製品液には制限がなく、炭酸を含むビール、コーラなどの飲料、炭酸を含まないお茶、ミネラルウォータなどの飲料などを用いることができる。また、固形物を含む飲料製品を本実施形態の製品液に用いることもできる。
【0019】
本実施形態が対象とする容器100は、内部に充填される製品液の液面レベルを外部から撮影できることが必要であるから、透明であることを前提とする。これに該当する容器100の材質としては、ガラス及び樹脂が掲げられる。適用される容器100の形状は任意であり、口の細いボトル(bottle)、口の広いジャー(jar)、取っ手のあるジャグ(jug)などを容器100とすることができる。
【0020】
[充填バルブ10]
飲料充填機1は、
図1及び
図3に示すように、図示しない駆動モータによって一方向に回転駆動される搬送スターホィール6を備えている。搬送スターホィール6には、その外周に円周方向に沿って多数の充填バルブ10が備えられている。各充填バルブ10は、容器100を保持した状態で、容器100の内部の容積部分に製品液を充填する。
【0021】
充填バルブ10は、搬送スターホィール6の上方に配置された液タンク9から、給液路P1を介して製品液が供給される。各充填バルブ10は、制御部50によりその作動が制御され、製品液の供給開始・供給停止及び流量の調整が行われる。なお、給液路P1は、配管及び継手などによって構成される。後述する通気路P2も同様である。
【0022】
液タンク9は、充填バルブ10を介して容器100に供給する製品液が蓄えられている液相領域9Aと気相領域9Bを備えている。気相領域9Bは、例えばビール飲料を充填する際のカウンタ工程において充填バルブ10を介して容器100に供給されるカウンタガス、例えば二酸化炭素(CO
2)ガス、窒素(N
2)ガス、エアなどから選択されるガスを蓄えている
【0023】
気相領域9Bと充填バルブ10の間には、通気路P2が設けられている。
通気路P2は、例えばカウンタ工程の際に、気相領域9Bから容器100の容積部分に向けて二酸化炭素を供給するとともに、製品液を供給する際には、容器100から排出される二酸化炭素を気相領域9Bに向けて戻すのに用いられる。
【0024】
ビールのように炭酸を含む飲料を容器100へ充填する一連のプロセスにおいて、容器100の内部の空気を除去するとともに、容器100の内部を二酸化炭素ガスに置換するガッシング(gassing)処理、容器100の内部を二酸化炭素で加圧された状態にするカウンタ処理を行い、その後にビール(製品液)を充填する。必要な量だけビールを充填した後は、その状態を所定時間だけ維持(ホールド処理)し、さらに、容器100の内部のヘッドスペースに残存する置換ガスを排出させるスニフト処理が行われる。飲料充填機1及び充填バルブ10はこれら処理を行うための要素を備えているが、ここでは省略する。
【0025】
[液面レベル検出装置30]
液面レベル検出装置30は、
図1に示すように、その主体をなす撮影部31が、製品液の流量が小流量の範囲に設けられる。なお、制御部50は液面レベル検出装置30の一要素であり、液面レベル検出装置30は撮影部31と制御部50から構成される。
【0026】
次に、撮影部31の構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、撮影部31は、液面レベルを含む容器100の所定の視野を撮影するカメラ32と、撮影範囲を照らす照明光を照射する光源33と、光源33から照射される照明光Lを反射する反射体35と、を備える。
【0027】
カメラ32は、高速で連続的に搬送される複数の容器100のそれぞれを、一本ずつ、正面から視野FV1の範囲を撮影する。撮影された画像は、カメラ32から制御部50に送られる。カメラ32は、容器100が搬送される搬送経路Rよりも外側の定点(外側定点)に配置される。なお、本実施形態は、カメラ32で静止画を撮影することを前提とするが、動画を撮影することを排除するものではない。
【0028】
カメラ32としては、高速度で駆動されるデジタルカメラが適用できる。カメラ32を構成する撮影素子としては、CCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体:Complementary Metal Oxide Semiconductor)が掲げられる。
高い精度で液面レベルを検出するには、100万画素以上、好ましくは200万画素以上の高解像度なカメラ32が選択されることが好ましい。また、同様に、カメラ32は、撮影速度が速いことが好ましく、撮影速度が1000fps(frame per second)以上、さらには3000fps以上のハイスピードカメラが適用される。
【0029】
図5に示すように、カメラ32で撮影される視野FV1は、容器100の首部103の部分である。製品液が充填される容器100が撮影部31のカメラ32に対応する位置まで搬送されると、製品液は視野FV1の範囲内に達することが想定されている。
【0030】
次に、撮影部31は、
図2に示すように、搬送経路Rよりも外側に置かれ、搬送経路Rの内側に向けて照明光Lを発する光源33を備える。
撮影部31は、カメラ32を挟んで二台の光源33,33を備えており、二台の光源33,33のそれぞれが発する照明光Lは、隣接する容器100,100の間を通って搬送経路Rよりも内側の反射体35に到る。二台の光源33,33は好ましい形態であり、本発明は一台の光源33だけでもよい。
【0031】
光源33は、面状光を発する面状光源を用いてもよいし、多数の点状光源を配列する構成にしてもよい。また、光源33からの照明光Lは、連続光でもよいし、パルス状の光でもよい。
光源33が発する照明光Lとしては、白色光、近赤外光(波長がおよそ700〜2500nm)を用いることができる。白色光は、製品液の色によっては透過しにくいため、例えば製品液が黒い場合には、近赤外光を用いるのがよい。近赤外光は、波長が800〜900nmであることがより好ましい。
照明光Lを発する光源としては、消費電力の少ないLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)のほかに、ハロゲンランプ、半導体レーザ、蛍光灯、白熱灯、HIDランプ(High-Intensity Discharge lamp)を用いることもできる。
【0032】
また、撮影部31は、光源33から照射される照明光Lを反射する反射体35を備える。反射体35は、搬送経路Rよりも内側の定点(内側定点)に置かれており、隣接する容器100,100の間を通過してきた照明光Lをカメラ32による撮影対象の容器100に向けて反射する。つまり、撮影対象となる容器100には、カメラ32に対する背面側に反射された照明光Lが照射される。反射体35から反射される照明光Lが照射対象の容器100に集まるようにするために、カメラ32の両側に設けられる光源33,33は、
図2に示すように、光軸をカメラ32に対して傾くように配置される。
【0033】
反射体35を構成する材料は任意であるが、容器100に照明光Lが一様に反射されることが高い精度で液面レベルh1を検出するのに好ましい。
【0034】
そのためには、容器100に対向する面である反射面が白色を呈していることが好ましい。例えば、反射体35の反射面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン:Polytetrafluoroethylene)の膜を被覆する、PTFEのシートを貼り付ける、あるいは、反射体35を板状のPTFEで構成することができる。また、白色を呈するセラミックス材料、例えばアルミナ(Al
2O
3)焼結体から反射体35を構成できる。さらに、反射面を白色にするには、反射面に白色の塗料を塗布することもできる。
【0035】
反射体35は、反射面が白色に限るものではなく、金属板、例えばステンレス鋼の表面を鏡面に研磨した反射体35を用いることもできる。
【0036】
反射体35は、本実施形態においては平板状のものを用いたが、特定の形状に限定されず、容器100に照明光Lを集めやすくするために、反射面を内側に向けてへこむ円弧面にすることもできる。
【0037】
[制御部50]
制御部50は、フィラ本体5を構成する搬送スターホィール6の回転及び充填バルブ10の開度を制御する。充填バルブ10の開度の制御は、本発明における製品液の充填状態の制御に対応し、本実施形態においては、充填バルブ10を閉じることで充填を停止すること、充填バルブ10の開度を変えることで製品液の充填流量を切り替える。ここでいう充填流量は、単位時間当たりの流量であり、単位としてはmL/secが該当する。
【0038】
制御部50は、
図5に示すように、カメラ32で撮影された液面レベルを含む画像情報を撮影部31から受け取り、受け取った画像情報を解析して液面レベルh1を求める。制御部50は、特定した液面レベルh1と目標とされる最終入味線高さh0を比較することにより、充填バルブ10を閉じる時間を制御する。制御部50は、最終入味線高さh0に関する情報を保持する。具体的な制御手法は後述する。
ここで、最終入味線高さh0は、容器100に適量の製品液が充填される目標となる液面レベルである。液面レベルは、容器100の容器口101が上を向く正立した状態において、最終入味線高さh0からの鉛直方向Vの距離で特定される。
なお、
図5において、hcは製品液の充填流量が大流量から小流量に切り換えられるタイミングを示している。また、
図5において、Hは水平方向を示している。
【0039】
制御部50は、液面レベル検出装置30を通過する容器100をカメラ32により撮影することを指示する。
制御部50は、搬送スターホィール6に保持されながら搬送されるそれぞれの容器100の位置を認識する。つまり、容器供給地点INで搬送スターホィール6に受け渡された時点で容器100が容器供給地点INにいることを認識できる。その後も、制御部50は、搬送スターホィール6の回転に伴って搬送される位置を継続して認識し、容器排出地点EXに達すれば、容器100が容器排出地点EXにいることを認識できる。
【0040】
制御部50は、カメラ32で撮影した画像を取得し、画像解析することにより、現時点の液面レベルh1を求める。この特定は画像の濃淡に基づいて行われるが、注意を要するのは製品液の液面に堆積する泡の存在と、製品液が連続的に充填され続けることである。つまり、撮影した画像の濃淡を検出する際に、撮影した画像の上から濃淡を検出すると、泡及び充填される製品液の影響を受けるおそれがあり、液面レベルを正確に検出できないこともある。例えば、泡の発生しやすい炭酸飲料の場合、制御部50は泡の上面を液面レベルとして認識するおそれがある。そこで、特に発泡のしやすい炭酸飲料においては、画像の濃淡を検出する際に、撮影した画像の下方から順に濃淡を判別する。
【0041】
制御部50は、容器100の容器口101からの距離と容器100のヘッドスペースの容積とが対応付けられた情報である高さ−容積情報を保持している。高さ−容積情報の一例を
図6に示している。容器口101からの距離を、本願においては高さという。
【0042】
本発明者らは、容器口101からの高さと、容器口101からこの高さまでを占める容積と、の関係を多数の容器100について調査した。その結果、本発明者らが調査したそれぞれの容器100の容積にはばらつきがあること、そして、このばらつきは容器100の径の大きい胴部105ほど大きく、径の小さい首部103ほど小さいことを知見した。例えば、
図6の破線及び一点鎖線がばらつきを示している。したがって、高さ−容積情報を採用するとしても、容積のばらつきが小さい部分の高さ−容積情報を用いることが好ましい。
【0043】
ここでは一例として首部103の容積のばらつきが小さいことを説明したが、容器100の種類、形状などの仕様によってばらつきの小さい部分及び大きい部分が相違することがあり得る。したがって、充填の対象となる容器100について個別に高さ−容積情報を特定し、その中でばらつき小さい部分を用いるのが好ましい。
【0044】
制御部50は、最終入味線高さh0及び液面レベル検出装置30で検出された液面レベルh1を高さ−容積情報に照合することにより、それ以後に充填バルブ10を閉じるまでの停止時間tsを求める。この停止時間tsは、現時点の製品液の充填流量で停止時間tsだけ充填を続けると、製品液が最終入味線高さh0に届くことを前提に求められる。より具体的な停止時間tsの設定について、
図5を参照して説明する。
【0045】
図5において、カメラ32は、製品液の充填流量が小流量とされている領域に視野FV1を有し、この視野FV1において液面レベルh1を撮影すると、制御部50は液面レベルh1を現時点の液面レベルh1と認識する。この後に製品液が、液面レベルh1と最終入味線高さh0の間の容積だけ充填されればよい。なお、この小流量の充填流量はQで一定と仮定する。
【0046】
制御部50は、最終入味線高さh0及び現時点の液面レベルh1を高さ−容積情報に照合することにより、最終入味線高さh0に達するまでに充填されるべき製品液の容積Vを求める。例えば、最終入味線高さh0と現時点の液面レベルh1が
図6に示す通りとし、それぞれに対応する容器の容積をV0,V1(mL)とすると、充填されるべき製品液の容積V(mL)は、V1−V0である。いま、製品液の充填流量はQ(mL/sec)であるから、容積Vを満たすまでの停止時間ts(sec)は以下の式(1)により求められる。制御部50は、求められた停止時間tsに基づいて充填バルブ10を閉じる。
停止時間ts=(V1−V0)/Q … 式(1)
【0047】
[飲料充填機1の動作]
次に、飲料充填機1の製品液の充填パターンについて、
図4及び
図5を参照して説明する。この充填パターンは、充填の際に発泡しやすい炭酸飲料を製品液とする場合の一例である。
飲料充填機1は、中流量、大流量及び小流量の順に、容器100に製品液を充填する。中流量、大流量及び小流量は、充填バルブ10の開度を調整することにより実行される。なお、ここでいう中流量、大流量及び小流量は相対的な関係にすぎず、具体的な流量を特定するものではない。なお、
図4において上段の三本の線図は充填バルブ10の制御を示しており、下段の一本の線図は充填流量を示している。
【0048】
充填当初は、発泡が生じやすいことから中流量で充填を行うが、ある程度の製品液が充填されると発泡が抑えられるので、大流量に切り換えられる。制御部50は、中流量充填を開始してから予め定められている切換時間T1が経過したならば、充填バルブ10の開度をそれまでの中流量に対応する開度から大流量に対応する開度に切り換える。
大流量充填を開始してから切換時間T2が経過したならば、制御部50は、充填バルブ10の開度をそれまでの大流量充填に対応する開度から小流量充填に対応する開度に切り換える。
【0049】
小流量充填に切り換えられてから、容器100はカメラ32により撮影できる位置まで搬送される。制御部50は、容器100が当該位置まで搬送されることを認識すると、カメラ32で容器100を撮影するように指示する。
【0050】
このカメラ32による容器100の撮影時に、一対の光源33,33から照射された照明光Lは反射体35の表面で反射され、撮影対象の容器100の背面に照射される。したがって、カメラ32により容器100の内部の液面レベルを正確に検出できる。
【0051】
撮影された視野FV1に関する画像情報は、カメラ32から制御部50に送られ、画像情報を受け取った制御部50は、前述した手順により、最終入味線高さh0及び取得した現時点の液面レベルh1を予め所持している高さ−容積情報に照合することにより、停止時間tsを求める。
制御部50は、停止時間tsが経過したら充填バルブ10を閉じるように充填バルブ10を制御する。この制御は、例えば充填バルブ10の開閉を制御するタイマを用い、停止時間tsが経過したら充填バルブ10を閉じるようにタイマをセットする。これで、一本の容器100へ製品液の充填を終了する。
【0052】
[飲料充填機1の効果]
以上説明したように、飲料充填機1は、光源33から照射された照明光Lは反射体35の表面で反射され、カメラ32に対して撮影対象である容器100の背面側から照射される。したがって、カメラ32により容器100の内部の液面レベルを正確に検出できる。
また、飲料充填機1は、撮影部31の要素の中で、カメラ32及び光源33,33が搬送経路Rの外側に設けられており、搬送スターホィール6などの他の機器の存在を気にすることなく容易にメンテナンスを行える。したがって、飲料充填機1によれば、生産停止時間の短縮及びメンテナンスの工程短縮を実現できる。
さらに、カメラ32及び光源33,33が搬送経路Rの外側に設けられており、この領域は製品液が及ぶことを想定する必要がないので、防水性の要求レベルが低くて済む。したがって、飲料充填機1は、カメラ32及び光源33,33のコストが低い。
【0053】
本実施形態の液面レベル検出装置30は、光源33,33が隣接する容器100,100の間から、搬送経路Rよりも内側に向けて照明光Lを照射する。したがって、液面レベル検出装置30によれば、光源33,33が搬送経路Rより外側にありながら、反射体35に向けて照明光Lを届けることができる。
【0054】
また、液面レベル検出装置30は、定点に設けられる一台のカメラ32だけで搬送される複数の容器100について特定の視野FV1を連続的に撮影し、それぞれの液面レベルh1を検出する。そして、液面レベル検出装置30は、検出された液面レベルh1に基づいてそれぞれの容器100に対応する充填バルブ10を閉じるタイミングを制御するので、多数の容器100のそれぞれに対応するカメラを設けるのに比べて、飲料充填機1の低コスト化に寄与する。
特に、液面レベル検出装置30は、反射体35もカメラ32に対応する内側定点だけに設けられるので、飲料充填機1の低コスト化により一層寄与する。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【0056】
例えば、本実施形態は、本発明の照射体として、受けた照明光Lを容器100の背面に向けて反射する反射体35の例を示したが、本発明は導光体を照射体として用いることができる。その一例を
図7(a)に示すが、照明光Lは、導光体36に隣接して設けられる光源33から照射された照明光Lが、導光体36を通って導光体36の表面から容器100の背面に照射される。
【0057】
図7(a)は導光体36の一側面に光源33を設けたいわゆるエッジライト方式の例を示しているが、本発明は
図7(b)に示すように直下型方式を採用することもできる。直下型方式は、
図7(b)に示すように、光源33が導光体36の内側、つまり背面に設けられる。光源33から照射された照明光Lは導光体36の内部で拡散を繰り返した後に、導光体36の表面から容器100の背面に向けて照射される。
【0058】
また、本実施形態では、製品液の充填流量が中流量、大流量及び小流量の三段階に切り替えられる例を示したが、本発明における製品液の充填流量は任意であり、例えば二段階あるいは四段階に切り換えられるのを許容する。
【0059】
また、本実施形態は、カメラ32が単数の例を示したが、本発明は複数のカメラを設けて複数の液面レベルを検出することを許容する。