(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記全回動動作が、前記スイング制御における、前記第1動作の直前の回動動作、前記第2動作の直後の回動動作、前記第3動作の直前の回動動作、及び前記第4動作の直後の回動動作の少なくともいずれかである、
請求項1に記載の空気調和機。
前記第1範囲は、前記第1回動範囲の上限と下限の間の中間点から前記第1回動範囲の上限までの範囲であり、前記第2範囲は、前記中間点から前記第1回動範囲の下限までの範囲である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
前記第1フラップは、前記第1回動範囲の上限と下限の間の中間点を含み且つ上限と下限を含まない第3範囲の上端から下端まで回動する第5動作と前記第3範囲の下端から上端まで回動する第6動作を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のようなスイング制御の効果の一つに、ユーザに空気を直接吹きつけることにより、ユーザに空気の温度を快適に体感させるという効果がある。例えば、フラップを固定した状態で、常にユーザに対して空気を吹きつけ続けると、ユーザが空気の温度を十分体感できる反面、常に気流を吹き付けられることによってドラフト感をユーザが感じてしまうことになる。そこで、スイング制御が設けられることによって適度な間隔でユーザに空気を直接吹きつけるようにすることで、上述のドラフト感が緩和できている。
【0004】
しかしながら、スイング制御を行うことによってユーザのドラフト感が緩和されるものの、ユーザの周囲の温度を下げる効果も低下せざるを得ないものとなっていることを本発明の発明者が見出した。その結果、スイング制御によって空気が直接吹きつけられるユーザの快適性の向上について改良の余地があることが見出された。
【0005】
本発明の課題は、フラップのスイング制御を行う場合にユーザの周囲の温度を吹出し直後の空気の温度に速く近づけ、空気を直接吹きつけられるユーザの快適性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和機は、空調対象空間に設置され、空気を吹き出す第1吹出口を有するケーシングと、第1吹出口に設けられ、第1回動範囲の上限から下限までの中で回動することにより、第1吹出口から吹出される空気の風向を上下に変更する第1フラップと、を備え、第1フラップは、スイング制御において、第1回動範囲より小さく且つ第1回動範囲の上限に近いまたは上限と下限から等しい第1範囲において第1範囲の下端まで第1回動範囲の下限に近づく第1動作と第1範囲の下端から第1回動範囲の上限に近づく第2動作を行うとともに第1動作及び第2動作のうちの少なくとも一方によって第1範囲の全範囲で回動し、及び/または第1回動範囲より小さく且つ第1回動範囲の下限に近いまたは上限と下限から等しい第2範囲において第2範囲の上端まで第1回動範囲の上限に近づく第3動作と第2範囲の上端から第1回動範囲の下限に近づく第4動作を行うとともに第3動作及び第4動作のうちの少なくとも一方によって第2範囲の全範囲で回動し、
且つ第1回動範囲の全範囲で静止せずに回動する全回動動作を行う。第1フラップは、スイング制御において、第1動作及び第2動作の組並びに第3動作及び第4動作の組のうちの少なくとも一方の組と全回動動作とを含む動作を繰り返す。
【0007】
本発明の第1観点に係る空気調和機においては、第1フラップが、スイング制御において、第1範囲の下端まで第1回動範囲の下限に近づく第1動作と第1範囲の下端からの第1回動範囲の上限に近づく第2動作を行うとともに第1動作及び第2動作のうちの少なくとも一方によって第1範囲の全範囲で回動することから、第1範囲の下端で折り返さずに第1フラップが一方向に回動して第1範囲を通過する場合に比べて第1範囲で空気の吹出し時の拡散を抑えることができる。また、第1フラップが、スイング制御において、第2範囲の上端まで第1回動範囲の上限に近づく第3動作と第2範囲の上端から第1回動範囲の下限に近づく第4動作を行うとともに第3動作及び第4動作のうちの少なくとも一方によって第2範囲の全範囲で回動することから、第2範囲の上端で折り返さずに第1フラップが一方向に回動して第2範囲を通過する場合に比べて第2範囲で空気の吹出し時の拡散を抑えることができる。その結果、第1フラップが第1動作〜第4動作のいずれの動作も行わない場合に比べて風が直接吹きつけられる第1範囲及び第2範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、
全回動動作が、スイング制御において、第1動作の直前の回動動作、第2動作の直後の回動動作、第3動作の直前の回動動作、及び第4動作の直後の回動動作の少なくともいずれかである。
【0009】
本発明の
第3観点に係る空気調和機は、
第1観点または第2観点に係る空気調和機において、第1動作の始点と第2動作の終点が同じであり、第3動作の始点と第4動作の終点が同じである、ものである。
【0010】
本発明の
第3観点に係る空気調和機においては、第1フラップが第1動作と第2動作を行う場合には第1動作と第2動作の2つの動作とも第1範囲の全範囲を往復させることができる。第1フラップが第3動作と第4動作を行う場合には第3動作と第4動作の2つの動作とも第2範囲の全範囲を往復させることができる。
【0011】
本発明の
第4観点に係る空気調和機は、
第1観点から第3観点のいずれかに係る空気調和機において、第2範囲が第1回動範囲の下限に近い場合であって、第2範囲には、第1回動範囲の下限が含まれる、ものである。
【0012】
本発明の
第4観点に係る空気調和機においては、第2範囲に第1回動範囲の下限が含まれることから、第1フラップがスイングすることで吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうち吹出口から最も近い範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくすることができる。
【0013】
本発明の
第5観点に係る空気調和機は、第1観点から
第4観点のいずれかに係る空気調和機において、第1範囲が第1回動範囲の上限に近い場合であって、第1範囲には、第1回動範囲の上限が含まれる、ものである。
【0014】
本発明の
第5観点に係る空気調和機においては、第1範囲に第1回動範囲の上限が含まれることから、第1フラップがスイングすることで吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうち吹出口から最も遠い範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくすることができる。
【0015】
本発明の
第6観点に係る空気調和機は、第1観点から
第5観点のいずれかに係る空気調和機において、第1範囲は、第1回動範囲の上限と下限の間の中間点から第1回動範囲の上限までの範囲であり、第2範囲は、中間点から第1回動範囲の下限までの範囲である、ものである。
【0016】
本発明の
第6観点に係る空気調和機においては、中間点から第1回動範囲の上限までを第1範囲とし、中間点から第1回動範囲の下限までを第2範囲とすることから、第1フラップがスイングすることで吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる全範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくすることができる。
【0017】
本発明の
第7観点に係る空気調和機は、第1観点から
第6観点のいずれかに係る空気調和機において、第1フラップは、第1回動範囲の上限と下限の間の中間点を含み且つ上限と下限を含まない第3範囲の上端から下端まで回動する第5動作と第3範囲の下端から上端まで回動する第6動作を行う、ものである。
【0018】
本発明の
第7観点に係る空気調和機においては、空気が直接当たる全範囲のうちの中間部分である第3範囲の空気の吹出し時の拡散を抑えることができる。
【0019】
本発明の
第8観点に係る空気調和機は、第1観点から
第7観点のいずれかに係る空気調和機において、ケーシングは、空気を吹き出す第2吹出口をさらに有し、第2吹出口に設けられ、第2回動範囲の上限から下限までの中で回動することにより、第2吹出口から吹出される空気の風向を上下に変更する第2フラップと、を備え、第2フラップは、スイング制御において、第2回動範囲より小さく且つ第2回動範囲の上限に近い第4範囲において第4範囲の下端まで第2回動範囲の下限に近づく第7動作と第4範囲の下端から第2回動範囲の上限に近づく第8動作を行うとともに第7動作及び第8動作のうちの少なくとも一方によって第4範囲の全範囲で回動し、及び/または第2回動範囲より小さく且つ第2回動範囲の下限に近い第5範囲において第5範囲の上端まで第2回動範囲の上限に近づく第9動作と第5範囲の上端から第2回動範囲の下限に近づく第10動作を行うとともに第9動作及び第10動作のうちの少なくとも一方によって第5範囲の全範囲で回動する、ものである。
【0020】
本発明の
第8観点に係る空気調和機においては、第2フラップについても第1フラップと同様に、第2フラップが第7動作から第10動作を行わない場合に比べて風が直接吹きつけられる第4範囲及び第5範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができ、スイング制御時に空気を直接吹きつけられるユーザの快適性が向上する。
【0021】
本発明の
第9観点に係る空気調和機は、第1観点から
第8観点のいずれかに係る空気調和機において、第1フラップを駆動する第1駆動モータをさらに備え、第1駆動モータは、第1フラップを移動させるときの単位時間当たりの回転数が実質的に同じである、ものである。
【0022】
本発明の
第9観点に係る空気調和機においては、第1フラップを移動させるときの単位時間当たりの第1駆動モータの回転数が実質的に同じであって第1フラップの移動速度を複雑に変化させないため安価な第1駆動モータを用いることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1観点に係る空気調和機では、スイング制御において空気を直接吹きつけられるユーザの快適性を向上させることができる。
【0024】
本発明の
第3観点に係る空気調和機では、第1範囲及び/または第2範囲の快適性を十分に向上させることができる。
【0025】
本発明の
第4観点に係る空気調和機では、吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうちの吹出口から最も近い範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができる。
【0026】
本発明の
第5観点に係る空気調和機では、吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうちの吹出口から最も遠い範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができる。
【0027】
本発明の
第6観点に係る空気調和機では、吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる全範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができる。
【0028】
本発明の
第7観点に係る空気調和機では、第1フラップが第5動作及び第6動作を行わない場合に比べて、吹出口から吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうちの中間部分の温度を、吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができる。
【0029】
本発明の
第8観点に係る空気調和機では、第1フラップと第2フラップの両方について、スイング制御において空気を直接吹きつけられるユーザの快適性を向上させることができる。
【0030】
本発明の
第9観点に係る空気調和機では、空気が吹出口から直接吹きつけられる範囲の温度を吹出し直後の空気の温度に向けて速く変化させることができる空気調和機を低コストで実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
(1)空気調和機の全体構成
図1には、本発明の実施形態に係る空気調和機の外観が示されている。空気調和機10は、例えば、天井設置型の空気調和機である。空気調和機10は、上から見ると八角形の形状を呈するケーシング12と、ケーシング12の下側に配置された化粧パネル13とを有している。化粧パネル13は下から見ると正方形の形状を呈する。
【0033】
図2には、
図1のI−I線に沿ってケーシング12の中心を通る平面により切断された空気調和機10の断面形状が示されている。空気調和機10が室内の天井CEに埋め込まれた状態では、空調対象空間である室内に化粧パネル13が露出している。
【0034】
化粧パネル13の中央部には、室内の空気をケーシング12の中に吸入するために、吸込口14が形成されている。この吸込口14には、グリル19が取り付けられている。
【0035】
空気調和機10から室内に空気を吹き出すために、化粧パネル13の吸込口14の外周を囲むように、実質的に四角形のリング状の吹出口15が形成されている。吹出口15は、四角形の4つの辺に対応する部分に長く延びた主吹出口16と、四角形の四隅に対応する副吹出口17とを含んでいる。主吹出口16の各辺に対応する部分を第1吹出口16a、第2吹出口16b、第3吹出口16c及び第4吹出口16dという。
【0036】
第1吹出口16aには第1フラップ51が設けられ、第2吹出口16bには第2フラップ52が設けられ、第3吹出口16cには第3フラップ53が設けられ、第4吹出口16dには第4フラップ54が設けられている。
図2に示されているように、第1フラップ51及び第2フラップ52は、それぞれ回転軸61,62の中心に回動する。第1フラップ51及び第2フラップ52は、実線で示され且つハッチングが施されているポジションでは比較的上方に空気を吹き出すのに対し、破線で示されているポジションでは比較的下方に空気を吹き出す。このように、第1フラップ51及び第2フラップ52は、それぞれ、回動することにより第1吹出口16a及び第2吹出口16bから吹出される空気の風向を上下に変更する。図示を省略するが、第3フラップ53及び第4フラップ54も、それぞれ、第1フラップ51及び第2フラップ52と同様に回転軸を中心に回動し、第3吹出口16c及び第4吹出口16dから吹出される空気の風向を上下に変更する。
【0037】
(2)空気調和機10の内部構成
空気調和機10は、グリル19の上に、吸込口14から吸い込む室内空気から塵埃を除去するフィルタ21を備えている。空気調和機10は、フィルタ21の上に、ベルマウス22を備え、ベルマウス22の上に遠心ファン23を備えている。遠心ファン23が駆動されているとき、フィルタ21を通過した室内空気は、ベルマウス22により遠心ファン23の羽根車23aに案内される。
【0038】
羽根車23aがファンモータ24によって回転することにより、遠心ファン23の羽根車23aに下方から室内空気が吸い込まれ、羽根車23aから外周方向(天井CEに実質的に平行な方向)に室内空気が吹出される。羽根車23aの外周方向には、室内熱交換器25が配置されている。室内熱交換器25は、遠心ファン23を囲むように配置され、上方から見るとO字型に配置されている。室内熱交換器25の外周側には、吹出口15に続く吹出通路27が形成されている。室内熱交換器25で熱交換された後の調和空気は、吹出通路27を通って吹出口15から吹出される。
【0039】
空気調和機10の室内熱交換器25は、例えば室外機(熱源側ユニット)の室外熱交換器及び膨張弁を含む冷媒回路に接続されている(図示せず)。室内熱交換器25を通過する室内空気は、蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる冷媒回路を循環する冷媒との間で熱交換する。
【0040】
(3)空気調和機10の制御系統
図3には、空気調和機10を制御する制御装置30とその制御装置30によって制御される主な機器などが示されている。制御装置30は、ファンモータ24、第1駆動モータ31、第2駆動モータ32、第3駆動モータ33及び第4駆動モータ34を制御する。制御装置30は、ファンモータ24のオン・オフだけでなく、ファンモータ24の回転数を制御することができる。ファンモータ24の回転数が大きいほど、吹出口15から吹出される風速が速くなる。この空気調和機10では、例えば、微風を発生させるためのLタップ、微風よりも風速の速い弱風を発生させるためのMタップ、弱風よりも速い強風を発生させるためのHタップが設けられており、Lタップ、Mタップ及びHタップの順に風量が多くなる。この空気調和機10では、Lタップ、Mタップ及びHタップの風量の選択を行うことにより風速が段階的に変更できるようにファンタップが設定されている。また、制御装置30は、機器の制御を行うための情報を得るため、吸込温度センサ42及び室内熱交換器用温度センサ43などの各種センサに接続されている。
【0041】
制御装置30の制御の下で、第1駆動モータ31が第1フラップ51を回動させて第1フラップ51の角度を変更し、第2駆動モータ32が第2フラップ52を回動させて第2フラップ52の角度を変更し、第3駆動モータ33が第3フラップ53を回動させて第3フラップ53の角度を変更し、第4駆動モータ34が第4フラップ54を回動させて第4フラップ54の角度を変更する。
図4には、第1フラップ51が取り得るポジションが示されている。第1フラップ51のポジションが変更されると、上下方向の風向が変化する。空気調和機10が吹出口15から空気を吹き出すときには、第1フラップ51は、ポジションP0〜P4の間のポジションをとる。また、空気調和機10が停止しているときには、第1フラップ51は、第1吹出口16aを塞ぐポジションPcをとる。なお、第2フラップ52、第3フラップ53及び第4フラップ54も、第1フラップ51と同様に、空気を吹き出すときのポジションP0〜P4及び空気調和機10が停止しているときのポジションPcを選択できるように構成されている。
【0042】
第1フラップ51がポジションP0にあるときは、第1吹出口16aから吹出される風向が最も上方を向いている状態になる。このとき、第1吹出口16aから空気が吹出されている状態の中では、第1フラップ51の外周側端部が最も高い位置にある。そして、第1吹出口16aから吹出される気流は、天井CEに平行な面F1(通常は水平面)に最も近づく。つまり、ポジションP0が第1フラップ51の第1回動範囲RR1の上端である。ポジションP0からポジションP1、ポジションP2、ポジションP3、ポジションP4へと移動するたびに第1フラップ51は下方に向けて予め設定されている角度ずつ回動する。そして、第1フラップ51がポジションP4にあるときは、第1吹出口16aから吹出される風向が最も下方を向いている状態になる。このとき、第1フラップ51の外周側端部が最も低い位置にある。つまり、ポジションP4が第1フラップ51の第1回動範囲RR1の下端である。なお、例えばポジションP0からポジションP1に回動するときの角度と、ポジションP1からポジションP2に回動するときの角度とは、同じに設定されてもよく、また異なる設定になっていてもよい。第2フラップ52〜第4フラップ54についてのポジションP0〜P4と風向との関係は、上述の第1フラップ51についての説明と同様である。
【0043】
制御装置30は、上述の機器を制御する際の諸条件を設定するため、リモートコントローラ41と送受信ができるように構成されている。ユーザは、リモートコントローラ41を使って上述のファンタップを設定することができる。また、ユーザは、リモートコントローラ41を使って制御装置30に指令を出し、第1駆動モータ31から第4駆動モータ34を駆動させ、第1フラップ51から第4フラップ54の角度を所望の角度に変更することができる。第1フラップ51から第4フラップ54の角度をリモートコントローラ41で変更した後は、その角度が維持される。また、制御装置30は、内部にCPU(中央演算処理装置)及びメモリを備えており(図示せず)、自動的に第1フラップ51から第4フラップ54の角度を変更することができる。リモートコントローラ41によりスイングモードを選択すると、制御装置30は、第1フラップ51から第4フラップ54の揺動を継続するスイング制御を行う。この空気調和機10は、後述する単純なスイングモードと特殊なスイングモードの2種類のスイングモードを選択できるように構成されており、制御装置30は、スイング制御として単純なスイング制御と特殊なスイング制御を行うことができるように構成されている。
【0044】
(4)スイング制御
(4−1)単純なスイングモード
図5及び
図6には単純なスイングモードにおける第1フラップ51の動作が示されている。この空気調和機10では、他の第2フラップ52〜第4フラップ54は、単純なスイングモードにおいて、例えば第1フラップ51と同じ動作を行うように構成されるか又は、第1フラップ51と動作のタイミングが異なるだけで同じ順序でポジションの変更を行うように構成される。そのため、ここでは、第1フラップ51の動作を説明し、他の第2フラップ52〜第4フラップ54の動作の説明を省略する。
【0045】
図5の時刻T0までは、空気調和機10が停止している。時刻T0において、例えばユーザがリモートコントローラ41を用いて空気調和機10の運転を開始させる。空気調和機10の運転が開始されると、制御装置30は、空気調和機10の運転が停止される前の状態の第1フラップを記憶している。例えば運転停止前に第1フラップ51がポジションP4の位置にあったと場合には
図5に示されているように、時刻T0から増締を行った後に第1フラップ51をポジションP4に移動させる。時刻T0から行われる増締では、時刻T0から第1フラップ51の位置修正のために第1吹出口16aを塞ぐポジションPcよりも上に第1フラップ51を移動させる方向へ第1駆動モータ31を駆動させる駆動信号が制御装置30から第1駆動モータ31に送信される。このような駆動信号が送信されてきたときに、第1フラップ51が第1吹出口16aを正しく塞いでいれば、第1フラップ51は上には移動しないので停止したままの状態を保つ。しかし、第1フラップ51がもしも第1吹出口16aを正しく塞いでおらず、下に回動した状態にあった場合には、増締によって第1フラップ51は上に移動し、第1フラップ51は第1吹出口16aを正しく塞ぐことができる。このように空気調和機10の運転開始直後の第1フラップ51の移動開始前に増締をすることで、第1フラップ51は、塞ぐポジションPcから正しく移動を開始することができる。
【0046】
運転が開始された後、リモートコントローラ41により空気調和機10に単純なスイングモードに切換えられる時刻T1まで、第1フラップ51はポジションP4を維持している。時刻T1でリモートコントローラ41から単純なスイングモードへの切換えの指令が制御装置30に入力されると、制御装置30は単純なスイング制御を開始する。単純なスイング制御が開始されると、第1フラップ51は、回動動作M0により、ポジションP4からポジションP0に移動する角度の変更を行う。この回動動作M0は、第1フラップ51をポジションP0に移動させる単純なスイング制御のための準備動作である。例えば、リモートコントローラ41で単純なスイングモードに切り換える際に、第1フラップ51がポジションP4以外のポジションP1〜P3のいずれかにあっても、先ずポジションP0に移動する回動動作が行われる。ただし、リモートコントローラ41で単純なスイングモードに切り換える際に、ポジションP0にあるときは、上述の準備動作が省かれる。
【0047】
次に、第1フラップ51は、所定の保持時間(例えば1秒)だけポジションP0を維持する。保持時間が経過した後、第1フラップ51は、回動動作M1により、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。また、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP4を維持した後、回動動作M2により、ポジションP4からポジションP0に移動する角度の変更を行う。また、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP0を維持した後、回動動作M3により、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。さらに、第1フラップ51は、回動動作M0により、ポジションP4からポジションP0に戻り、単純なスイング制御の最初の状態に戻る。なお、保持時間は、1秒には限られず、1秒より長くてもよく、あるいは1秒より短くてもよく、例えば、保持時間が0秒でもよい。
【0048】
このように、単純なスイングモードが解除されるまで、第1フラップ51は、ポジションP0とポジションP4の間を往復する回動動作を繰り返す。単純なスイングモードの解除が生じるのは、例えば、リモートコントローラ41により第1フラップ51の位置が指定された場合、他のモードに切り換えられた場合、及び空気調和機10が停止した場合である。
【0049】
(4−2)特殊なスイングモード
図7及び
図8には、特殊なスイングモードにおける第1フラップ51の動作の一例が示されている。この空気調和機10では、他の第2フラップ52〜第4フラップ54は、特殊なスイングモードにおいて、例えば第1フラップ51と同じ動作を行うように構成されるか又は、第1フラップ51と動作のタイミングが異なるだけで同じ順序でポジションの変更を行うように構成される。そのため、ここでは、第1フラップ51の動作を説明し、他の第2フラップ52〜第4フラップ54の動作の説明を省略する。
【0050】
図7の時刻T0まで及び時刻T0から時刻T2までは、
図5に示されている単純なスイングモードの場合と同様であるので説明を省略する。時刻T2でリモートコントローラ41から特殊なスイングモードへの切換えの指令が制御装置30に入力されると、制御装置30は特殊なスイング制御を開始する。特殊なスイング制御が開始されると、第1フラップ51は、回動動作M10により、ポジションP4からポジションP0に移動する角度の変更を行う。この回動動作M10は、第1フラップ51をポジションP0に移動させる特殊なスイング制御のための準備動作である。例えば、リモートコントローラ41で特殊なスイングモードに切り換える際に、第1フラップ51がポジションP4以外のポジションP1〜P3のいずれかにあっても、先ずポジションP0に移動する回動動作が行われる。ただし、リモートコントローラ41で単純なスイングモードに切り換える際に、ポジションP0にあるときは、上述の準備動作が省かれる。
【0051】
次に、第1フラップ51は、所定の保持時間(例えば1秒)だけポジションP0を維持する。保持時間が経過した後、第1フラップ51は、回動動作M11により、ポジションP0からポジションP2に移動する角度の変更を行う。また、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP2を維持した後、回動動作M12により、ポジションP2からポジションP0に移動する角度の変更を行う。これら回動動作M11,M12により行われるのが、第1回動範囲RR1より小さく且つ第1回動範囲RR1の上限であるポジションP0に近い第1範囲r1での第1フラップ51の回動になる。すなわち、第1フラップ51は、特殊なスイング制御において、第1範囲r1において、第1範囲r1の下端であるポジションP2まで第1回動範囲RR1の下限であるポジションP4に近づく第1動作である回動動作M11と、第1範囲r1の下端であるポジションP2から第1回動範囲RR1の上限であるポジションP0に近づく第2動作である回動動作M12とを行って第1範囲r1の全範囲で回動する。そして、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP0を維持した後、回動動作M13により、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。
【0052】
次に、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP4を維持した後、回動動作M14により、ポジションP4からポジションP2に移動する角度の変更を行う。また、第1フラップ51は、所定の保持時間だけポジションP2を維持した後、回動動作M15により、ポジションP2からポジションP4に移動する角度の変更を行う。これら回動動作M14,M15により行われるのが、第1回動範囲RR1より小さく且つ第1回動範囲RR1の下限であるポジションP4に近い第2範囲r2での第1フラップ51の回動になる。すなわち、第1フラップ51は、特殊なスイング制御において、第2範囲r2において、第2範囲r2の上端であるポジションP2まで第1回動範囲RR1の下限であるポジションP4
から近づく第3動作である回動動作M14と第2範囲r2の上端であるポジションP2から第1回動範囲RR1の
下限であるポジション
P4に近づく
第4動作である回動動作M15を行って第2範囲r2の全範囲で回動する。そして、回動動作M16により、ポジションP4からポジションP0に戻り、特殊なスイング制御の最初の状態に戻る。
【0053】
第1フラップ51は、特殊なスイングモードが解除されるまで、回動動作M11〜M16を繰り返す。特殊なスイングモードの解除が生じるのは、例えば、リモートコントローラ41により第1フラップ51の位置が指定された場合、他のモードに切り換えられた場合、及び空気調和機10が停止した場合である。
【0054】
(4−3)単純なスイングモードと特殊なスイングモードの効果の比較
図9には、
図6及び
図8に示されている室内に配置された空気調和機10と空気調和による室内の温度変化を測定する測定ポイントが示されている。また、
図10及び
図11には、
図9に示された測定ポイントにおける室内の温度変化が示されている。
図6に示されているように、室内の床FLから天井CEまでの高さH1が2.6m、第1吹出口16aから床FLに下ろした垂線の足から測定ポイントMP1,MP2までの距離L1がそれぞれ1.2m,2.4m、測定ポイントMP1,MP2の高さH3が0.8mである。椅子に座ったユーザの高さH2が1.3mになることを想定して、上述の測定条件が決められている。また、この測定では、4台ある空気調和機10のうちの3台が停止され、1台だけが運転されている。設定温度が20℃に設定されるとともに風量がHタップに設定され空気調和機10によって30℃の室内が冷やされる場合について、単純なスイングモードと特殊なスイングモードとによる室内温度の変化が比較された。
【0055】
図10には、単純なスイングモードの場合の測定ポイントMP1における測定結果が曲線C1で示され、特殊なスイングモードの場合の測定ポイントMP1における測定結果が曲線C2で示されている。また、
図11には、単純なスイングモードの場合の測定ポイントMP2における測定結果が曲線C3で示され、特殊なスイングモードの場合の測定ポイントMP2における測定結果が曲線C4で示されている。
【0056】
図10及び
図11に示されているいずれの測定条件においても、特殊なスイングモードで空気調和機10が運転された場合の方が単純なスイングモードで運転された場合に比べて15秒分経過時点での室内の温度低下が速いことが分かる。単純なスイングモードを用いるよりも特殊なスイングモードを用いた方が、測定ポイントMP1,MP2に居るユーザは、より速く涼しさを感じられる。
【0057】
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記実施形態では、空気調和機10が単純なスイングモードと特殊なスイングモードの両方のモードを持っている場合について説明したが、空気調和機10は、単純なスイングモードを持たずに、特殊なスイングモードのみを持つように構成されてもよい。
【0058】
(5−2)変形例1B
上記実施形態では、第1吹出口16a、第2吹出口16b、第3吹出口16c及び第4吹出口16dに、それぞれ第1フラップ51、第2フラップ52、第3フラップ53及び第4フラップ54が設けられている場合について説明した。第1吹出口16aから第4吹出口16dが副吹出口17によって結合されて一つの吹出口15を構成している。しかし、必ずしも、第1吹出口16aから第4吹出口16dの4つが結合されている必要はなく、例えば副吹出口17が塞がれていて、主吹出口16が4つに分離されていてもよい。
【0059】
(5−3)変形例1C
上記実施形態では、第1吹出口16aから第4吹出口16dの4つの第1フラップ51、第2フラップ52、第3フラップ53及び第4フラップ54が設けられている場合について説明した。しかし、本発明の空気調和機は、吹出口とフラップを一つずつ備える構成であってもよい。また、2つの吹出口にそれぞれ一つずつのフラップが設けられている構成を本発明の空気調和機がとることもできる。さらに、本発明の空気調和機は、3つ以上の吹出口にそれぞれ一つずつのフラップが設けられている構成であってもよい。また、一つの吹出口に設けられるフラップは、一つに限られるものではなく、複数であってもよい。
【0060】
(5−4)変形例1D
上述の空気調和機10は、天井設置型である。しかし、本発明が適用される空気調和機は、天井設置型に限られるものではなく、例えば、天井から吊り下げて設置する天井吊下げ型、または室内の壁に取り付ける壁掛け型であってもよい。
【0061】
(5−5)変形例1E
図7を用いて説明した特殊なスイング制御、あるいは以下に説明するスイング制御においては、第1フラップ51〜第4フラップ54が空気を吹き出しているときに取り得るポジションがポジションP0〜P4の5つであったが、第1フラップ51〜第4フラップ54が取り得るポジションが3つから4つ若しくは6つ以上であってもよい。
【0062】
(5−6)変形例1F
上記実施形態では、特殊なスイング制御において、第1フラップ51は、第1範囲r1では、第1範囲r1の下端で折り返す動作を行い、第2範囲r2では、第2範囲r2の上端で折り返す動作を行っていた。しかし、例えば
図12に示されているように、第2範囲r2の上端で折り返す動作を省いて、第1範囲r1の下端で折り返す動作のみを行わせるようにしてもよい。準備動作M20の後、特殊なスイング制御が続く限り、
図12に示されている回動動作M21,M22,M23,M24が繰り返される。また、例えば
図13に示されているように、第1範囲r1の上端で折り返す動作を省いて、第2範囲r2の下端で折り返す動作のみを行わせるようにしてもよい。準備動作M30の後、特殊なスイング制御が続く限り、
図13に示されている回動動作M31,M32,M33,M34が繰り返される。なお、回動動作M21,M22,M23,M24及び回動動作M31,M32,M33,M34の後には、それぞれ所定の保持時間だけ各ポジションが維持される。
【0063】
また、第1範囲r1で第1フラップ51が複数回の往復動作を繰り返すように構成されてもよい。同様に、第2範囲r2で第1フラップ51が複数回の往復動作を繰り返すように構成されてもよい。
【0064】
(5−7)変形例1G
図7を用いて説明された特殊なスイング制御においては、第1範囲r1の下端に相当するポジションP2と、第2範囲r2の上端に相当するポジションP2とが一致している場合について説明した。しかし、本発明の空気調和機の特殊なスイング制御において、第1範囲の下端と第2範囲の上端が一致しないように構成してもよい。
【0065】
特殊なスイング制御において、第1フラップ51が例えば
図14に示されている動作を行うように空気調和機が構成されてもよい。
図14に示されている第1範囲r11では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M41により第1範囲r11の上端に相当するポジションP0から第1範囲r11の下端に相当するポジションP1に移動する。また、保持時間だけポジションP1を維持した後、第2動作である回動動作M42によりポジションP1(第1範囲r11の下端)からポジションP0(第1範囲r11の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP0を維持した後の次の回動動作M43により、第1フラップ51は、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。また、第2範囲r12では、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP4を維持した後、第3動作である回動動作M44により第2範囲r12の下端に相当するポジションP4から第2範囲r12の上端に相当するポジションP3に移動する。また、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP3を維持した後、第4動作である回動動作M45によりポジションP3(第2範囲r12の上端)からポジションP0(第2範囲r12の下端)に移動する。なお、回動動作M40はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。
【0066】
また、特殊なスイング制御において、第1フラップ51が例えば
図15に示されている動作を行うように空気調和機が構成されてもよい。
図15に示されている第1範囲r21では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M51により第1範囲r21の上端に相当するポジションP0から第1範囲r21の下端に相当するポジションP3に移動する。また、保持時間だけポジションP3を維持した後、第2動作である回動動作M52によりポジションP3(第1範囲r21の下端)からポジションP0(第1範囲r21の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP0を維持した後の次の回動動作M53により、第1フラップ51は、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。また、第2範囲r22では、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP4を維持した後、第3動作である回動動作M54により第2範囲r22の下端に相当するポジションP4から第2範囲r22の上端に相当するポジションP1に移動する。また、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP1を維持した後、第4動作である回動動作M55によりポジションP1(第2範囲r22の上端)からポジションP0(第2範囲r22の下端)に移動する。なお、回動動作M50はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。
【0067】
(5−8)変形例1H
図7を用いて説明された特殊なスイング制御においては、第1範囲r1における第1動作である回動動作M11と第2動作である回動動作M12は、回動動作M11の始点(ポジションP0)と回動動作M12の終点(ポジションP0)が一致し、回動動作M11の終点(ポジションP2)と回動動作M12の始点(ポジションP2)が一致する。つまり、第1動作(回動動作M11)と第2動作(回動動作M12)は、第1範囲r1を往復する往復動作になっている。また、第2範囲r2における第3動作である回動動作M14と第4動作である回動動作M15は、回動動作M14の始点(ポジションP4)と回動動作M15の終点(ポジションP4)が一致し、回動動作M14の終点(ポジションP2)と回動動作M15の始点(ポジションP2)が一致する。つまり、第3動作(回動動作M14)と第4動作(回動動作M15)は、第2範囲r2を往復する往復動作になっている。
【0068】
しかし、本発明の空気調和機においては、第1動作と第2動作が往復動作になっていなくてもよく、また第3動作と第4動作が往復動作になっていなくてもよい。特殊なスイング制御において、第1フラップ51が例えば、
図16に示されている動作を行うように空気調和機が構成されてもよい。
図16に示されている第1範囲r31では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M61により第1範囲r31の上端に相当するポジションP0から第1範囲r31の下端に相当するポジションP2に移動する。また、保持時間だけポジションP2を維持した後、第2動作である回動動作M62によりポジションP2(第1範囲r31の下端)からポジションP1に移動する。所定の保持時間だけポジションP1を維持した後の次の回動動作M63により、第1フラップ51は、ポジションP1からポジションP4に移動する角度の変更を行う。また、第2範囲r32では、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP4を維持した後、第3動作である回動動作M64により第2範囲r32の下端に相当するポジションP4から第2範囲r32の上端に相当するポジションP2に移動する。また、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP2を維持した後、第4動作である回動動作M65によりポジションP2(第2範囲r32の上端)からポジションP3に移動する。所定の保持時間だけポジションP3を維持した後の次の回動動作M66により、第1フラップ51は、ポジションP3からポジションP0に移動する角度の変更を行う。なお、回動動作M60はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。
【0069】
また、特殊なスイング制御において、第1フラップ51が例えば
図17に示されている動作を行うように空気調和機が構成されてもよい。
図17に示されている第1範囲r41では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、回動動作M71により第1範囲r41の上端に相当するポジションP0からポジションP1に移動する。さらに、保持時間だけポジションP1を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M72によりポジションP1から第1範囲r41の下端に相当するポジションP2に移動する。また、保持時間だけポジションP2を維持した後、第2動作である回動動作M73によりポジションP2(第1範囲r41の下端)からポジションP0(第1範囲r41の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP1を維持した後の次の回動動作M74により、第1フラップ51は、ポジションP1からポジションP3に移動する角度の変更を行う。また、第2範囲r42では、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP3を維持した後、第3動作である回動動作M75によりポジションP3から第2範囲r42の上端に相当するポジションP2に移動する。また、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP2を維持した後、第4動作である回動動作M76によりポジションP2(第2範囲r42の上端)からポジションP4(第2範囲r42の下端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP4を維持した後の次の回動動作M77により、第1フラップ51は、ポジションP4からポジションP1に移動する角度の変更を行う。なお、回動動作M70はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。
【0070】
(5−9)変形例1I
特殊なスイング制御において、第1フラップ51が例えば
図18に示されている動作を行うように空気調和機が構成されてもよい。
図18に示された特殊なスイング制御では、第1範囲r51(ポジションP0〜P1)と第2範囲r52(ポジションP3〜P4)の間に第3範囲r53(ポジションP1〜P3)が設けられている。
【0071】
図18に示されている第1範囲r51では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M81により第1範囲r51の上端に相当するポジションP0から第1範囲r51の下端に相当するポジションP1に移動する。また、保持時間だけポジションP1を維持した後、第2動作である回動動作M82によりポジションP1(第1範囲r51の下端)からポジションP0(第1範囲r51の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP0を維持した後の次の回動動作M83により、第1フラップ51は、ポジションP0からポジションP3に移動する角度の変更を行う。第3範囲r53では、保持時間だけポジションP3を維持した後、第1フラップ51が、第6動作である回動動作M84により第3範囲r53の下端に相当するポジションP3から第3範囲r53の上端に相当するポジションP1に移動する。また、保持時間だけポジションP1を維持した後、第1フラップ51が、第5動作である回動動作M85により第3範囲r53の上端に相当するポジションP1から第3範囲r53の下端に相当するポジションP3に移動する。さらに、保持時間だけポジションP3を維持した後、第6動作である回動動作M86によりポジションP3(第3範囲r53の下端)からポジションP1(第3範囲r53の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP1を維持した後の次の回動動作M87により、第1フラップ51は、ポジションP1からポジションP4に移動する角度の変更を行う。第2範囲r52では、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP4を維持した後、第3動作である回動動作M88により第2範囲r52の下端に相当するポジションP4から第2範囲r52の上端に相当するポジションP3に移動する。また、第1フラップ51が、保持時間だけポジションP3を維持した後、第4動作である回動動作M89によりポジションP3(第2範囲r52の上端)からポジションP4(第2範囲r52の下端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP3を維持した後の次の回動動作により、第1フラップ51は、ポジションP4からポジションP0に移動する角度の変更を行う。なお、回動動作M80はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。
【0072】
(5−10)変形例1J
上記実施形態及び変形例1F〜1Iの特殊なスイング制御における第1フラップ51の第1範囲r1,r11,r21,r31,r41には、第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)が含まれている。しかし、第1範囲には、第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)が含まれないように特殊なスイング制御が構成されてもよい。例えば、第1範囲の上端をポジションP1に設定してもよい。また、上記実施形態及び変形例1F〜1Hの特殊なスイング制御における第1フラップ51の第2範囲r2,r12,r22,r32,r42には、第1回動範囲RR1の下限(ポジションP4)が含まれている。しかし、第2範囲には、第1回動範囲RR1の下限(ポジションP4)が含まれないように特殊なスイング制御が構成されてもよい。例えば、第2範囲の下端をポジションP3に設定してもよい。
【0073】
(5−11)変形例1K
上記実施形態及び変形例1A〜1Jでは、第1範囲及び第2範囲での往復動作がそれぞれ1回ずつである場合について説明したが、往復動作を複数回行ってもよい。
【0074】
(5−12)変形例1L
上記実施形態及び変形例1A〜1Kでは、第1フラップ51の動作について説明したが、また、第2フラップ52〜第4フラップ54においても第1フラップ51と同様の特殊なスイング制御又は同じ順序でポジションが変更される類似の特殊なスイング制御が行われるように空気調和機が構成されてもよい。例えば、
図19に示されているように、時刻T2でリモートコントローラ41から特殊なスイングモードへの切換えの指令が制御装置30に入力されると、制御装置30は特殊なスイング制御を開始する。特殊なスイング制御が開始されると、第2フラップ52は、回動動作M90により、ポジションP4からポジションP0に移動する角度の変更を行う。この回動動作M90は、第2フラップ52をポジションP0に移動させる特殊なスイング制御のための準備動作である。例えば、リモートコントローラ41で特殊なスイングモードに切り換える際に、第2フラップ52がポジションP4以外のポジションP1〜P3のいずれかにあっても、先ずポジションP0に移動する回動動作が行われる。ただし、リモートコントローラ41で単純なスイングモードに切り換える際に、ポジションP0にあるときは、上述の準備動作が省かれる。
【0075】
次に、第2フラップ52は、例えば2秒だけ(第1フラップ51よりも1秒長く)ポジションP0を維持する。保持時間が経過した後、第2フラップ52は、回動動作M91により、ポジションP0からポジションP2に移動する角度の変更を行う。また、第2フラップ52は、所定の保持時間だけポジションP2を維持した後、回動動作M92により、ポジションP2からポジションP0に移動する角度の変更を行う。これら回動動作M91,M92により行われるのが、第2回動範囲RR2より小さく且つ第2回動範囲RR2の上限であるポジションP0に近い第4範囲r4での第2フラップ52の回動になる。すなわち、第2フラップ52は、特殊なスイング制御において、第4範囲r4において、第4範囲r4の下端であるポジションP2まで第2回動範囲RR2の下限であるポジションP4に近づく第7動作である回動動作M91と、第4範囲r4の下端であるポジションP2から第2回動範囲RR2の上限であるポジションP0に近づく第8動作である回動動作M92とを行って第4範囲r4の全範囲で回動する。そして、第2フラップ52は、所定の保持時間だけポジションP0を維持した後、回動動作M93により、ポジションP0からポジションP4に移動する角度の変更を行う。
【0076】
次に、第2フラップ52は、所定の保持時間だけポジションP4を維持した後、回動動作M94により、ポジションP4からポジションP2に移動する角度の変更を行う。また、第2フラップ52は、所定の保持時間だけポジションP2を維持した後、回動動作M95により、ポジションP2からポジションP4に移動する角度の変更を行う。これら回動動作M94,M95により行われるのが、第2回動範囲RR2より小さく且つ第2回動範囲RR2の下限であるポジションP4に近い第5範囲r5での第2フラップ52の回動になる。すなわち、第2フラップ52は、特殊なスイング制御において、第5範囲r5において、第5範囲r5の上端であるポジションP2まで第2回動範囲RR2の下限であるポジションP4に近づく第9動作である回動動作M94と、第5範囲r5の上端であるポジションP2から第2回動範囲RR2の上限であるポジションP0に近づく第9動作である回動動作M95を行って第5範囲r5の全範囲で回動する。そして、回動動作M96により、ポジションP4からポジションP0に戻り、特殊なスイング制御の最初の状態に戻る。
【0077】
第2フラップ52は、特殊なスイングモードが解除されるまで、回動動作M91〜M96を繰り返す。特殊なスイングモードの解除が生じるのは、例えば、リモートコントローラ41により第2フラップ52の位置が指定された場合、他のモードに切り換えられた場合、及び空気調和機10が停止した場合である。
【0078】
なお、
図19を用いた変形例1Lの説明では、第1フラップ51が動作する第1範囲r1と第2フラップ52が動作する第4範囲r4が同じポジションP0からポジションP2の範囲に設定されているが、第1範囲r1と第4範囲r4が異なっていてもよい。また、第1フラップ51が動作する第2範囲r2と第2フラップ52が動作する第5範囲r5が同じポジションP4からポジションP2の範囲に設定されているが、第2範囲r2と第5範囲r5が異なっていてもよい。また、第1フラップ51と第2フラップ52の保持時間が異なる長さに設定されてもよい。また、第1フラップ51と第2フラップ52の回動速度が異なる設定とされてもよい。さらに、
図19を用いた変形例1Lの説明では、第1フラップ51の第1回動範囲RR1と第2フラップ52の第2回動範囲RR2が同じである場合について説明したが、第1回動範囲RR1と第2回動範囲RR2が異なるように構成されていてもよい。
【0079】
(5−13)変形例1M
上記実施形態及び変形例1A〜1Kで説明した特殊なスイング制御においては、速く温度を変化させるために、風量を最大風量であるHタップにするのが好ましい。しかし、特殊なスイング制御を行うときの風量は、最大風量に限られるものではない。例えば、順に風量が大きくなるようにLタップ、MLタップ、Mタップ、MHタップ、Hタップの5段階の風量が設けられ、これらの5段階の風量から選択可能に構成されている場合、特殊なスイング制御において、MHタップまたはHタップに設定されるように構成されてもよい。これらの選択は、リモートコントローラ41によりユーザが行うように構成してもよく、制御装置30が例えば室内の温度と設定温度に基づいて自動的に選択するように構成してもよい。また、上記実施形態の4つの第1フラップ51〜第4フラップ54のうちの幾つかのフラップを閉じることにより、風量が変更できるように空気調和機が構成されてもよい。
【0080】
(5−14)変形例1N
また、第1範囲は、
図20に示されている第1範囲r61のように、第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)と下限(ポジションP4)から等距離にあるように設定されてもよい。
図20に示されている第1範囲r61では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、回動動作M101によりポジションP0から第1範囲r61の上端に相当するポジションP1に移動する。さらに、保持時間だけポジションP1を維持した後、第1フラップ51が、第1動作である回動動作M102によりポジションP1から第1範囲r61の下端に相当するポジションP3に移動する。また、保持時間だけポジションP3を維持した後、第2動作である回動動作M103によりポジションP3(第1範囲r61の下端)からポジションP1(第1範囲r61の上端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP1を維持した後の次の回動動作M104により、第1フラップ51は、ポジションP1からポジションP4に移動する角度の変更を行う。なお、
図20において、第2範囲r2の回動動作については、上記実施形態で説明しているので説明を省略する。なお、回動動作M100はポジションP0に移動するための準備動作である。また、第2範囲r2を省略して、第1範囲r61の範囲の回動動作を繰り返すように構成されてもよい。このような特殊なスイング制御において、第1範囲r61と第2範囲r2での回動動作のみを繰り返してもよいが、途中で単純なスイング制御と同様の第1回動範囲RR1を単純に往復する回動動作を挟んでもよい。
【0081】
また、第2範囲は、
図21に示されている第2範囲r62のように、第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)と下限(ポジションP4)から等距離にあるように設定されてもよい。
図21において、第1範囲r1の回動動作については、上記実施形態で説明しているので説明を省略する。
図21に示されている第2範囲r62では、保持時間だけポジションP0を維持した後、第1フラップ51が、回動動作M111によりポジションP0から第2範囲r62の下端に相当するポジションP3に移動する。さらに、保持時間だけポジションP3を維持した後、第1フラップ51が、第3動作である回動動作M112によりポジションP3から第2範囲r62の上端に相当するポジションP1に移動する。また、保持時間だけポジションP1を維持した後、第4動作である回動動作M113によりポジションP1(第2範囲r62の上端)からポジションP3(第2範囲r62の下端)に移動する。所定の保持時間だけポジションP3を維持した後の次の回動動作M114により、第1フラップ51は、ポジションP3からポジションP0に移動する角度の変更を行う。なお、このような特殊なスイング制御において、第1範囲r1と第2範囲r62での回動動作のみを繰り返してもよいが、途中で単純なスイング制御と同様の第1回動範囲RR1を単純に往復する回動動作を挟んでもよい。また、特殊なスイング制御において途中に第1回動範囲RR1を単純に往復する回動動作を挟んでもよいのは他の実施形態及び変形例においても同様である。
【0082】
(6)特徴
(6−1)
上記実施形態及び変形例1A〜1Nについては、第1フラップ51が、特殊なスイング制御において、第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61の下端まで第1回動範囲RR1の下限(ポジションP4)に近づく第1動作(回動動作M11,M21,M41,M51,M61,M72,M81,M102)と第1範囲r1,r11,r21,r31,r41の下端からの第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)に近づく第2動作(回動動作M12,M22,M42,M52,M62,M73,M82,M103)を行うとともに第1動作及び第2動作のうちの少なくとも一方によって第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61の全範囲で回動することから、第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61の下端で折り返さずに第1フラップ51が一方向に回動して第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61を通過する場合に比べて第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61で空気の吹出し時の拡散を抑えることができる。
【0083】
また、第1フラップ51が、特殊なスイング制御において、第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62の上端まで第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)に近づく第3動作(回動動作M14,M32,M44,M54,M64,M75,M88,M112)と第2範囲r2,r12,r22,r32,r42の上端から第1回動範囲の下限(ポジションP4)に近づく第4動作(回動動作M15,M33,M45,M55,M65,M76,M89,M113)を行うとともに第3動作及び第4動作のうちの少なくとも一方によって第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62の全範囲で回動することから、第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62の上端で折り返さずに第1フラップ51が一方向に回動して第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62を通過する場合に比べて第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62で空気の吹出し時の拡散を抑えることができる。その結果、第1フラップ51が第1動作〜第4動作のいずれの動作も行わない場合(例えば、上述の単純なスイング制御)に比べて風が直接吹きつけられる第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51,r61及び第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52,r62の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができ、スイング制御におけるユーザの快適性が向上する。
【0084】
(6−2)
上記実施形態、変形例1F及び変形例1Gで説明した第1フラップ51の動作においては、第1フラップ51が第1動作(回動動作M11,M21,M41,M51,M81,M102)と第2動作(回動動作M12,M22,M32,M42,M52,M82,M103)を行う場合には第1動作と第2動作の2つの動作とも第1範囲r1,r11,r21,r51,r61の全範囲を往復するので、第1範囲r1,r11,r21,r51,r61の快適性の向上が顕著になり、第1フラップ51が第3動作(回動動作M14,M32,M44,M54,M84,M112)と第4動作(回動動作M15,M33,M45,M55,M85,M113)を行う場合には第3動作と第4動作の2つの動作とも第2範囲r2,r12,r22,r52,r62の全範囲を往復するので、第2範囲r2,r12,r22,r52,r62の快適性の向上が顕著になる。
【0085】
(6−3)
上記実施形態及び変形例1F〜1Hで説明した第1フラップ51の動作においては、第2範囲r2,r12,r22,r32,r42,r52に第1回動範囲RR1の下限(ポジションP4)が含まれることから、第1フラップ51がスイングすることで第1吹出口16aから吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうち吹出口から最も近い範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくできる。その結果、
図10を用いて説明したように、第1吹出口16aから最も近い範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができる。
【0086】
(6−4)
上記実施形態及び変形例1F〜1Hで説明した第1フラップ51の動作においては、第1範囲r1,r11,r21,r31,r41,r51に第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)が含まれることから、第1フラップ51がスイングすることで第1吹出口16aから吹出された空気が直接吹きつけられる範囲のうち吹出口から最も遠い範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくできる。その結果、
図11を用いて説明したように、第1吹出口16aから最も遠い範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができる。
【0087】
(6−5)
上記実施形態及び変形例1Hで説明した第1フラップ51の動作においては、中間点(ポジションP2)から第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)までを第1範囲r1,r31,r41とし、中間点から第1回動範囲RR1の下限(ポジションP4)までを第2範囲r2,r32,r42とすることから、第1フラップ51がスイングすることで第1吹出口16aから吹出された空気が直接吹きつけられる全範囲について空気の吹出し時の拡散を小さくでき、空気が直接吹きつけられる全範囲の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができる。
【0088】
(6−6)
変形例1Iで説明した第1フラップ51の動作においては、第5動作と第6動作が行われる。第5動作は、第3範囲r53の上端(ポジションP1)から下端(ポジションP3)まで回動する動作である。この第3範囲r53は、第1回動範囲RR1の上限(ポジションP0)と下限(ポジションP4)の間の中間点(ポジションP2)を含んでいるが、第1回動範囲RR1の上限と下限を含まない。第6動作は、第3範囲r53の下端から上端まで回動する動作である。空気が直接当たる全範囲のうちの中間部分である第3範囲r53の空気の吹出し時の拡散を抑えることができるので、第1フラップ51が第5動作及び第6動作を行わない場合に比べて第3範囲r53の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができる。
【0089】
(6−7)
変形例1Lで説明した第2フラップ52は、ケーシング12の第2吹出口16bに設けられている。第2フラップ52は、第2回動範囲RR2の上限(ポジションP0)から下限(ポジションP4)までの中で回動することにより、第2吹出口から吹出される空気の風向を上下に変更する。この第2フラップ52は、特殊なスイング制御において、第2回動範囲RR2より小さく且つ第2回動範囲RR2の上限に近い第4範囲r4において第4範囲r4の下端(ポジションP2)まで第2回動範囲RR2の下限に近づく第7動作と、第4範囲r4の下端から第2回動範囲RR2の上限に近づく第8動作を行う。変形例1Lでは、第7動作及び第8動作の両方で第4範囲r4の全範囲で回動しているが、第1フラップ51について変形例1Hで説明したように、第7動作及び第8動作のうちの一方のみが第4範囲r4の全範囲で回動するように構成してもよい。
【0090】
変形例1Lでは、第2フラップ52は、第2回動範囲RR2より小さく且つ第2回動範囲RR2の下限(ポジションP4)に近い第5範囲r5において第5範囲r5の上端(ポジションP2)まで第2回動範囲RR2の上限に近づく第9動作と、第5範囲r5の上端から第2回動範囲RR2の下限に近づく第10動作とを行う。変形例1Lでは、第9動作及び第10動作の両方で第5範囲r5の全範囲で回動しているが、第1フラップ51について変形例1Hで説明したように、第9動作及び第10動作のうちの一方のみが第5範囲r5の全範囲で回動するように構成してもよい。
【0091】
また、変形例1Lでは、第2フラップ52が、第7動作及び第8動作並びに第9動作及び第10動作を行うように構成されているが、第7動作及び第8動作のみ、または第9動作及び第10動作のみを行うように構成されてもよい。
【0092】
このように、第2フラップ52についても第1フラップ51と同様に、第2フラップ52が第7動作から第10動作を行わない場合に比べて風が直接吹きつけられる第4範囲r4及び第5範囲r5の温度を、吹出し直後の空気の温度になるように速く変化させることができ、特殊なスイング制御時に空気を直接吹きつけられるユーザの快適性が向上する。
【0093】
(6−8)
図3に示されている第1フラップ51を駆動する第1駆動モータ31は、第1フラップ51を移動させるときの単位時間当たりの回転数が実質的に同じになるものであって、第1フラップ51の移動速度を複雑に変化させないため安価な第1駆動モータ31を用いることができる。このような構成については、第2駆動モータ32、第3駆動モータ33及び第4駆動モータ34についても同様に移動速度を複雑に変化させなくてもよい場合には安価なものを用いることができる。