(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記新たなゲーム要素が対応付けられた物品は、前記第2の期間の前記ゲームのプレイに対して提供される物品のうち、第2の順位より低い分類に属するゲーム要素が対応付けられた物品である請求項5に記載のゲーム装置。
前記新たなゲーム要素が対応付けられた物品は、前記第1の期間の前記ゲームのプレイに対して提供される物品のうち、前記第1の順位よりも高い分類に属するゲーム要素が対応付けられた物品である請求項5に記載のゲーム装置。
前記制御手段は、前記取得されたゲーム情報が前記所定の条件を満たさない場合に、前記所定の条件を満たすための前記使用物品の情報を、前記取得されたゲーム情報に基づいて前記提示手段に提示させる請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
前記新たなゲーム要素に対応付けられた物品を提供する場合に、前記使用物品に、該使用物品が使用不可となったことを示す情報を付加する付加手段をさらに有する請求項1乃至14のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲーム用物品を提供し、該ゲーム用物品に基づき特定されたゲーム情報に従って進行制御を行うゲームを実行可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、物品に付された情報の読み取り機能、及び物品提供機能を有する任意の機器に適用可能である。
【0011】
また、本明細書において、「弾」とは、ゲーム装置においてサービス提供されるゲームコンテンツを、ゲームシステム、提供される興趣要素、使用可能なゲーム要素数等において峻別するための概念として説明する。ゲームコンテンツの「弾」は、例えば該ゲームコンテンツについての所謂メジャーアップデートが実行された際に切り替えられるものであってよく、弾の切り替え前後で少なくともいずれかの興趣要素の提供に係る仕様や機能等が変更もしくは拡張される。弾の切り替えがなされた場合は、例えば切替後に物品を送出提供する収容部が、切替後の弾に対応したものに変更される、あるいはゲームプレイに対して提供する物品の収容部に、切替後の弾に対応した物品が装填される、ことにより、該弾に対応した物品の提供がなされる。本実施形態のゲーム装置では、ゲームコンテンツの弾を変更するアップデートが行われた後は、プレイヤは、切替前の弾(旧弾)に係る物品はゲームプレイに使用できる(情報取得させてゲームプレイを行うことができる)が、切替後の弾(最新弾)に係る物品のみを、ゲームプレイに対する物品として獲得できるものとする。
【0012】
なお、本実施形態では簡単のため、ゲームコンテンツに係るソフトウェアのメジャーアップデートが行われることによって、該ゲームコンテンツの弾の切り替えが行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、所謂マイナーアップデートや、時限式で設定されたキャンペーン等のイベントの発生に応じて、弾の切り替えが行われるものであってもよい。
【0013】
本実施形態のゲーム装置において提供されるゲームコンテンツでは、ゲームプレイに際し、本発明に係る物品または使用物品(ゲーム用物品)としてのゲームカードを使用することが可能に構成される。ゲームカードには、ゲームコンテンツに係るいずれか1つのゲーム要素が対応付けられている。ゲームカードは、
図6(a)に示されるように、カードを一意に識別するカードID601と、対応付けられたゲーム要素(例えばキャラクタ)を特定するキャラクタID602を含むカード情報が付されている。ゲームカードは、カード情報を取得させることで、該カードに対応付けられたゲーム要素を、ゲーム装置で行うゲームに登場させることが可能に構成される。
【0014】
以下の説明において、ゲーム用物品はゲームカードであるものとして説明するが、本発明の実施においてゲーム用物品はゲームカードに限られるものではない。ゲーム用物品は、少なくとも対応付けられたゲーム要素を特定するための情報を取得可能に構成された物品であれば、例えばゲーム要素(キャラクタやアイテム)の外観を有するフィギュア、玩具体、キーホルダー等の造形物であってよい。この場合、カード情報に相当するゲーム要素を特定するための情報は、該造形物の内部の記録媒体、あるいは該造形物に付された塗装、シール、印字、形状等の外観の一部から取得可能であってよい。またゲーム用物品は造形物だけでなく、ゲームカード以外の紙媒体やシール等、任意の物品であってよい。また本実施形態ではゲーム用物品に付されるカード情報は、所定の変換演算を適用することで1次元あるいは多次元のパターン(コード)に変換され、可視の情報としてゲームカード表面に印刷される態様でゲームカードに付されるものとして説明する。しかしながら、カード情報をゲームカードに付す態様は、このような可視の情報としてゲームカードに付す態様に限らず、不可視インクでの印刷により付す、あるいはゲームカードに含まれるICチップ等の記録媒体に記録され、データとして保持させる等、どのようなものであってもよい。
【0015】
また本実施形態ではゲーム装置が実行するゲームにおいて、ゲームカードを用いることで登場させることが可能となるゲーム要素は、キャラクタであるものとし、ゲームカードには対応するキャラクタの図柄(キャラクタ画像)が付されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、ゲームコンテンツのゲーム要素を特定する用途のゲームカードは、該コンテンツのゲームに係るキャラクタを特定可能に構成されるものに限らず、アイテム、発動する効果等、その他のゲーム要素を特定するものであってもよいことは言うまでもない。
【0016】
《ゲーム装置100の構成》
以下、本実施形態のゲーム装置100の機能構成について、
図1のブロック図を用いて説明する。
【0017】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0018】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0019】
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いに基づいて、プレイヤへのゲームカードの提供を伴うゲームのプレイ体験を可能ならしめるサービス(ゲームモード)、または後述するプレイヤ所有のゲームカードに基づく新たなゲームカードの提供を行うサービス(カード交換モード)を開始するものとして説明するが、対価の支払いは必須の要件ではなく、所定の開始指示に基づいてサービス提供は開始されるものであってもよい。
【0020】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームのプレイに際し、リーダ120を介してゲームカードからの情報取得を行う。リーダ120は、ゲーム装置100と同一筐体内に組み込まれる態様、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続される態様で設けられる。リーダ120は、ゲームカードからの情報取得が可能に構成されており、各々対応する物品が載置されたことを受けて、該物品から取得された情報を取得部105に出力する。このとき、ゲームカードから取得されたカード情報を、ゲーム装置100における各処理での利用に適した形式に変換するために、所定のデータ変換処理等が行われてもよい。リーダ120は、対応物品からの情報取得可能な状態に制御されている期間において、所定の部位に該物品が載置されたことの検出、及び該物品の認識または該物品からの情報取得を、例えば撮像により得られた画像に所定の画像処理を適用することで行う。
【0021】
また本実施形態のゲーム装置100では、後述するように、装置の利用にあたり情報取得された所定の条件を満たす複数のゲームカードに基づいて新たなゲームカードを提供する、カード交換モードを有する。より詳しくはカード交換モードでは、利用にあたり情報取得されたゲームカードを、ゲームプレイに使用不可能にする、即ちゲームプレイに際して以後情報取得させたとしても該ゲームカードに対応付けられたキャラクタをゲームに登場させることができない状態とすることを条件として、ゲームプレイを行わずとも新たなゲームカードが提供される。故に、ゲームカードを使用不可能な状態に加工するため、本実施形態のリーダ120はカード情報の取得機能に加え、情報取得がなされたゲームカードが所定の条件を満たすのであれば、該ゲームカードをゲーム装置100内部に引き込む引込部121、交換の条件が満たされるまで引き込まれたゲームカードを保持する保持部122、及び交換が確定した場合に、保持部122に保持されていたゲームカードをゲームプレイに使用不可能な状態となるよう加工する加工部123を有する(これら内部構成は不図示)。
【0022】
例えば
図3(a)に示されるように、ゲームカードがコード301を有して構成される場合、加工部123による加工は、
図3(b)に示されるようにコード301に対して該コードを読み取れなくするようマーク302が重畳印刷される、
図3(c)に示されるようにコード301の領域に対して穿孔する、
図3(d)に示されるように使用不可能であることを示す領域303に追加のコード304が印刷される、あるいは
図3(e)に示されるように、ゲームカードのコード301を含む部分が断裁される等によって行われるものであってよい。
【0023】
また、本実施形態ではゲームカードから直接の情報取得を行う装置をリーダとして説明するが、リード(情報読み取り)機能のみを備える装置でなく、ライト(情報書き込み)機能をさらに備える装置であってもよい。この場合、ゲームカードの各々は情報を保持し、書き換え可能に構成された記憶媒体を内蔵しているものとする。従って、このような態様においては、ゲームカードの外観を変更する加工に代え、ゲームプレイに使用不可能な状態となったことを示す情報をゲームカードの有する記録媒体に付すことによって、カードの状態変更を実現するものであってもよい。
【0024】
なお、本実施形態では使用不可能な状態に加工されたゲームカードは、プレイヤに返却されるものとして説明する。従って、厳密には「交換」とは異なるが、本実施形態では、使用可能であったゲームカードを使用不可能な状態として返却し、かつ使用可能な新たなゲームカードを提供することを、便宜上「交換」として言及する。勿論、本発明の実施においてカード交換モードで行われる新たなゲームカードの提供は、交換元となるゲームカードを、筐体内の不図示の回収部に収容し、返却しないよう構成することで「交換」として実現されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0025】
キャラクタDB106は、ゲーム装置100で実行されるゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についての情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100で提供されるゲームでは、1回のゲームプレイに係るゲーム中に複数体のキャラクタが登場し得る。また同一のキャラクタについては、ゲームコンテンツの1つの弾または複数の弾において、複数種類のゲームカード(図柄違い、属性違い、希少度違い等)が存在し得、キャラクタ情報は、その各々について管理されるものとする。即ち、同一のキャラクタであっても、ゲームコンテンツの弾がいずれであるか、及び対応付けられるカードがいずれ(の図柄のカード)であるかの組み合わせに応じて、異なるキャラクタ情報として管理されるものとする。
【0026】
1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば
図6(b)に示されるように、キャラクタを一意に特定するキャラクタID611に関連付けて、該キャラクタについて設定されたゲームにおけるランクを示すランク情報612、該キャラクタが対応付けられたゲームカードが提供された弾を識別する弾数情報613、該キャラクタの名称、属性等に加え、予め定められた体力(耐久力)、攻撃力、防御力、発動技、特殊スキル等のキャラクタ固有の能力を記述した進行パラメータ614、該キャラクタをゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報615、及び同じく音声提示に用いられる音声データ616を含む。進行パラメータ614は、キャラクタを登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。従って、本発明に係るゲーム情報は、キャラクタ情報に相当し、プレイヤは該キャラクタ情報を取得させるために、キャラクタを一意に特定するキャラクタIDを有するゲームカードから、リーダ120に情報取得を行わせる。
【0027】
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部130、音声出力を行う音声出力部140を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0028】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部130に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置である表示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0029】
また提示制御部107は、例えばサウンドボードやアンプ等の音声信号の出力/増幅を行う回路を含み、音声出力部140から出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には提示制御部107は、例えば予め記録媒体102に記録された音声データに基づき、同時に出力を行う音声データを確定し、これを電気的な音声信号に変換(D/A変換)して音声出力部140に出力することで、音声出力を行う。音声出力部140は、所定のスピーカ等であってよく、入力された音声信号に基づく音波を出力する。
【0030】
提供制御部108は、ゲーム装置100において行われるゲームカードの提供を制御する。上述したように本実施形態のゲーム装置100では、ゲームコンテンツの最新弾に係るゲームカードを提供可能であり、提供制御部108が提供部150を制御することで、ゲームカードがプレイヤに提供される。
【0031】
提供制御部108は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、通常1枚のゲームカードを提供させるよう提供部150を制御する。本実施形態のゲーム装置100において提供されるゲームカードは、対価の支払いがなされたことに対して、例えばゲームコンテンツに係る所定の遊戯(操作キャラクタを操作するゲームパート:対戦ゲーム)を実行するゲームシーケンスの開始前に提供されるものであり、ゲームのプレイ内容によらず、ゲームカードごとに予め定められた(固定の)情報が付されている。提供部150は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にゲームカードを堆積する不図示のストッカ(収容部)を有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じて、不図示の送出部153がストッカ最下部に保持されているゲームカードを1枚送出する機構を有する構成であってよい。
【0032】
また詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100では、ゲームモードとカード交換モードとで、ゲームカードのランクごとの提供割合を異ならせるため、不図示の第1収容部151と第2収容部152の2種類のストッカを有する。第1収容部151は、ゲームモード選択に係る、通常の1回のゲームプレイに対して提供するゲームカードを収容し、第2収容部152は、カード交換モード選択に係る、複数のゲームカード(の使用権利)と交換で提供されるゲームカードを収容する。
【0033】
提供されたゲームカードは、提供部150がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口154(
図2(a)参照)に導かれることでプレイヤに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100により提供されるゲームカードは、予め印刷製造された既製カードであり、カード表面に印刷されるキャラクタ画像やパラメータ等のデザインが固定的で、全て同形同大に形成される。
【0034】
操作入力部109は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば表示部130の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
【0035】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームコンテンツのプログラムをパッケージ化したプログラム(アップデートプログラム)データを通信部110を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部110により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームコンテンツのプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームコンテンツのプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0036】
《カード交換》
次に、カード交換モードが選択された場合に行われるカード交換についてその詳細を説明する。
【0037】
プレイヤは、所定の条件を満たす複数枚のゲームカードをリーダ120に情報取得させることで、該複数枚のゲームカードと交換という形で、1枚の新たなゲームカードを得ることができる。より詳しくは、該複数枚のゲームカードをゲームプレイに使用不可能な状態、即ちゲームカードから情報取得させたとしても対応付けられたキャラクタが提示されない、該キャラクタをゲームに登場させることができない、あるいはゲームカードの交換の対象とならない状態とすることを条件として、1枚の新たなゲームカードが提供される。本実施形態のゲーム装置100において交換の対象(交換元)となるゲームカードは全て、旧弾のゲームカードであって、ランク情報が所定のランクを示すキャラクタが対応付けられたゲームカードであることを要件とする。
【0038】
ここで、ランク情報は、例えばキャラクタ(もしくはキャラクタが対応付けられたゲームカード)について設定されたレアリティ(希少度)であってよく、希少度の高さに基づき、シークレットレア、レジェンドレア、スーパーレア、レア、アンコモン、コモンの順(希少度の高い順:希少度が高いほど流通量または生産量が少ない/提供割合が少ない/プレイヤの入手可能性が低い)で順位付けがなされているものとする。しかしながら、ゲームカードに対応するキャラクタ情報で管理されるランク情報は、必ずしもレアリティに基づいて定められるものである必要はなく、例えばゲームにおいて定められたレベルやキャラクタ種別等の階級や、ゲームパラメータに含まれる種々の能力値、及びレアリティの少なくともいずれかに基づいて、該当のキャラクタを分類するものであってよい。またランク情報で定められる各分類の順位付けは、例えばゲームの進行を有利にせしめる順でなされるものであってよい。
【0039】
以下の説明では、交換元の複数枚の旧弾のゲームカードは、いずれも対応付けられたランク情報が「コモン」のレアリティを示すことを要件とする。また、交換により提供されるゲームカードは、最新弾のゲームカードのうちの、対応付けられたランク情報が「レア」または「アンコモン」のレアリティを示すゲームカードであるものとする。ここで、説明を簡単にするため交換元の旧弾のゲームカードの枚数は、予め定められた固定枚数であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば情報取得されるゲームカードに対応付けられたキャラクタや該キャラクタのレアリティに応じて、動的に決定されるものであってもよい。また、交換元の複数の旧弾のゲームカードは、キャラクタやゲームカードの異同を問わず、交換対象とすることができるものとして説明するが、交換対象が全て同一のゲームカード(キャラクタ)であることを要件に含むものとしてもよい。
【0040】
本実施形態の態様では、レアリティがコモンである(レアリティがアンコモンを越えない)旧弾のゲームカードが交換の対象となるものとして説明するが、これは、該レアリティのゲームカードがプレイヤに提供されやすく、また該ゲームカードをゲームプレイに使用するプレイヤが比較的少ないことに依る。換言すれば、交換元である、レアリティがコモンのゲームカードは、より高いレアリティのゲームカードをプレイヤが入手したことにより、あるいは新弾のゲームプレイが可能になったことにより、プレイヤ需要が低下して交換が所望され得るカードであり、これを交換の対象とすることで、過去に入手したゲームカードを活用したいプレイヤを、最新弾のゲームプレイに誘導することができる。特に、本実施形態のように複数枚の旧弾のゲームカード(コモン)に対して、レアリティがレア以下ではあるが最新弾のゲームカードを提供する態様では、最新弾のゲームを最初からゲームプレイしてゲームカードを収集するよりもゲームの進行を有利にし得るゲームカードを入手し、効率的にゲームを進めることができるため、ゲーム装置の利用を停止したような所謂休眠プレイヤを、ゲーム装置の再度の利用に誘導しやすい。
【0041】
また、本実施形態では第2収容部152には、最新弾のゲームカードのうちの、レアリティがレアまたはアンコモンのゲームカードが収容され、カード交換モードにおいて該収容部からゲームカードが提供される。これは、最新弾のゲームをプレイするプレイヤにとっての、スーパーレア等の高レアリティのゲームカードを入手する興趣要素の担保や、高レアリティのゲームカードを入手容易性に起因するゲームバランスの偏りを回避するためであり、レアリティが所定のレアリティより低いものに提供を制限している。一方、該当する旧弾のゲームカードをプレイヤが所有していれば、スーパーレア等の高レアリティのゲームカードは提供されないが、通常のゲームモードをゲームプレイするよりも高い割合で、レアまたはアンコモンの最新弾のゲームカードが提供されることになる。故に、カード交換モードではゲームプレイを要件とせずとも特定のレアリティのゲームカードが提供されやすいため、ゲームカードの収集を目的とするようなプレイヤにとって、ゲームプレイに係る時間を費やさずとも、該レアリティのゲームカードを効率よく収集することができる。
【0042】
なお、本実施形態では交換により提供されるゲームカードは、レアリティがレアまたはアンコモンである最新弾のゲームカードであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。上述したように、最新弾のゲームのプレイにあたりゲームバランスへの影響を回避しつつ、従来のカード収集の興趣性を担保するものであればよく、交換により提供されるゲームカードは、レアリティが所定のランクよりも低い(例えばスーパーレアより低い(レア、アンコモン、コモン))最新弾のゲームカードに限定するものであってもよい。この場合であっても、カード交換モードで提供されるコモン以外のレアリティのゲームカードの提供割合を、ゲームモードよりも高く設定しておくことで、プレイヤのゲーム装置の利用が同様に期待される。
【0043】
また、本実施形態では、プレイヤにとって需要があり得る高レアリティのゲームカードが誤って使用されたとしても、これを使用不可能な状態としないよう、旧弾のコモンのゲームカードのみを交換の対象とするものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、交換元となるゲームカードは、所定のランクよりも低いレアリティのゲームカードに限定するものであれば、対象となるレアリティはコモンに限られる必要はない。
【0044】
カード交換モードにおいては、上述したように交換が行われた場合には交換元のゲームカードは使用不可能な状態となるため、該モードの利用にあたっては今後のカードのゲームプレイへの使用が不可能になる旨の通知の提示、及び同意の操作入力を要件とする。またその後、ゲームカードがリーダ120に載置されてカード情報が取得された場合には、カード情報に対応するキャラクタ情報に基づき、該ゲームカードが交換元のゲームカードたり得るか、即ちランク情報612がレアリティ「コモン」を示すか否かの判断が行われる。このとき、ゲームカードのレアリティがコモンである場合には、引込部121が駆動され、交換元のゲームカードとしてカードはゲーム装置100内に引き込まれ、保持部122に保持される。ゲームカードからの情報取得は、交換元のゲームカードとして保持されたカードの枚数が規定枚数となるまで繰り返される。
【0045】
このとき、ゲームカードからカード情報が取得されると、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタが、例えば該キャラクタの画像が表示部130に表示されることにより提示される。またゲームカードが交換元のゲームカードとしての条件を満たす場合、該提示は継続して行われ、後続のゲームカードからの情報取得がなされた場合には、該後続のゲームカードに対応付けられたキャラクタの画像とともに提示される。結果、保持部122に保持されているゲームカードの枚数分のキャラクタ画像が、表示部130に表示される。そして規定枚数の交換元のゲームカードが保持部122に保持されると、これらゲームカードに対応付けられたキャラクタ画像に代えて、交換により提供されるキャラクタの画像が提示される。本実施形態のゲーム装置100では、交換により提供されるゲームカードは最新弾のゲームカードのうちのレアリティがレアまたはアンコモンであるゲームカードのいずれかであるため、該当するキャラクタの画像群もしくはリスト等が表示部130に表示され、これらのキャラクタのいずれかが対応付けられたゲームカードが提供される旨が通知されればよい。
【0046】
新たに交換により提供されるキャラクタの提示がなされた後、提供制御部108が、提供部150の第2収容部152からゲームカードを送出させるよう送出部153を制御することで、プレイヤへの交換に係るゲームカードの提供がなされる。また保持部122に保持された交換元のゲームカードについては、加工部123によりコード領域への加工がなされた後、同様に取出口154に送出されてプレイヤに返却される。
【0047】
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100においてゲームのプレイ体験を提供する際に行われる提供処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0048】
なお、本提供処理は、例えばゲーム装置100がスタンバイ状態となっている期間に、対価の支払いがなされたことが支払検出部104により検出された際に開始されるものとして説明する。また本実施形態のゲーム装置100で提供されるゲームでは、ゲームカードに対応付けられたキャラクタを登場させた対戦ゲームを行うゲームモードと、カードの交換のみを行うカード交換モードとを有するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、対戦ゲームを行うモードにおいてカード交換がなされるものであってもよい。
【0049】
S401で、制御部101は、提示制御部107にモード選択に係る表示及び音声を提示させ、今回のゲーム装置100の利用におけるモード選択に係る操作入力を受け付ける。そして制御部101は、なされたモード選択がゲームモードとカード交換モードのいずれを選択するものであったかを判断する。制御部101は、なされたモード選択がゲームモードを選択するものであった場合は処理をS402に移し、カード交換モードを選択するものであった場合は処理をS408に移す。
【0050】
S402で、提供制御部108は制御部101の制御の下、今回のゲームモードのゲームプレイに係る対価の支払いに対し、ゲームカードを提供するよう提供部150を制御する。より詳しくは、提供制御部108は、提供部150の第1収容部151からゲームカードを送出するよう送出部153を制御し、ゲームカードの提供を行う。このとき提供されるゲームカードは、最新弾の通常のゲームプレイ(ゲームモード)に対して提供されるものであり、最新弾について設けられた全てのレアリティのうちのいずれかを有するゲームカード(最新弾)が、所定の提供割合で提供される。また制御部101は、該ゲームカードの提供に際し、ゲームカードが提供される旨の通知を提示制御部107に行わせる。
【0051】
S403で、制御部101は、今回のゲームプレイで対戦ゲームに登場させる相手キャラクタを決定する。本実施形態のゲーム装置100で提供される対戦ゲームは、それぞれプレイヤの操作に基づいて行動制御がなされる使用キャラクタ(プレイヤチーム)と、NPC(Non-Player Character)としてゲームに登場する相手キャラクタとの間で行われる対戦ゲームであるものとして説明する。使用キャラクタ及び相手キャラクタの各々については、対戦ゲームに登場する数が予め定められており、本ステップにおいて制御部101は必要数の相手キャラクタを決定し、該相手キャラクタに係る対戦ゲーム用の情報をメモリ103の相手キャラクタ管理テーブルに追加して格納する。相手キャラクタの決定は、予め設けられた相手キャラクタや、相手キャラクタに関連付けられたクエスト等のうちからいずれかを選択する操作入力がなされたことに応じて行われるものであってもよいし、抽選処理や、例えば別途の記録媒体に記録されたプレイヤのプレイ進行状況の情報に応じて、操作入力を要さずに行われるものであってもよい。
【0052】
なお、相手キャラクタ管理テーブルと後述の使用キャラクタ管理テーブルにて1体のキャラクタについて管理される1レコードの情報は、例えばキャラクタ情報からランク情報612及び弾数情報613の情報を除外した構成であってよく、決定された相手キャラクタのキャラクタIDに基づき、必要な情報がキャラクタDB106から取得されて格納されればよい。
【0053】
S404で、制御部101は、今回のゲームプレイにおいて対戦ゲームに登場させる、プレイヤの使用キャラクタを登録する登録処理を実行する。登録処理は、プレイヤがプレイヤチームとしての登場を所望するキャラクタに係るゲームカードのカード情報を、順次リーダ120に取得させることにより行われる。故に制御部101は、本ステップにおいて所定の期間、リーダ120を情報取得可能な状態に制御する。登録処理において取得部105は、例えば新たなゲームカードを検出した場合、取得部105は該カードに付されたコードを撮像した画像を取得し、所定の解析処理を適用することで、カード情報を取得する。そして制御部101は、該取得したカード情報のキャラクタID602に基づき、キャラクタDB106から該当のキャラクタ情報を取得することで1レコード分の情報(相手キャラクタと同様に、ランク情報612及び弾数情報613を含んでいなくてよい)を構成し、該情報をメモリ103の使用キャラクタ管理テーブルに追加して格納する。なお、本実施形態のゲーム装置100で提供される対戦ゲームは、プレイヤは最新弾のゲームカードに限らず、旧弾のゲームカードを使用しても使用キャラクタの登録を行うことが可能なように構成されるものとする。またゲームカードからの情報取得がなされた場合には、提示制御部107は制御部101の制御の下、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを、表示部130にキャラクタ画像を表示する、あるいは該キャラクタの音声データを再生する等によって、プレイヤに提示する。
【0054】
S405で、制御部101は、使用キャラクタの登録が終了したか否かを判断する。使用キャラクタの登録が終了したことは、プレイヤによる登録終了に係る操作入力がなされたことの検出や、上限数の使用キャラクタの登録が終了したことに基づいて判断されるものであってよい。制御部101は、使用キャラクタの登録が終了したと判断した場合は処理をS406に移し、登録がまだ終了していないと判断した場合は処理をS404に戻す。ここで、登録を終了する際に、登録された使用キャラクタの数が規定数に満たない場合は、今回の対戦ゲームに係り貸与するキャラクタを抽選処理等により選択し、該キャラクタの情報を使用キャラクタ管理テーブルに追加することで、使用キャラクタが規定数となるよう処理してもよい。
【0055】
S406で、制御部101は、登録した使用キャラクタと相手キャラクタとが登場する対戦ゲームに係るゲーム処理を開始する。より詳しくは、制御部101は、使用キャラクタ管理テーブルと相手キャラクタ管理テーブルを参照し、各キャラクタの進行パラメータ614に基づいて進行制御を行うゲーム処理を開始する。
【0056】
なお、本実施形態のゲーム装置100で提供される対戦ゲームは、規定回数のラウンドが終了したこと、または登場するキャラクタの行動の結果、使用キャラクタ及び相手キャラクタのいずれかが全て行動不能な状態(例えば体力総和が0)となったことを条件として終了する。
【0057】
S407で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS414に移し、満たされていないと判断した場合は終了条件が満たされるまで本ステップの処理を繰り返す。
【0058】
一方、S401においてカード交換モードが選択された場合、制御部101はS408で、カード交換が行われると、交換元のゲームカードは今後のゲームプレイに使用不可能となることを提示制御部107に提示させ、カード交換モードの利用同意に係るプレイヤの操作入力を受け付ける。制御部101は、カード交換モードの利用同意がなされたと判断した場合は処理をS409に移し、なされなかったと判断した場合は処理をS401に戻す。
【0059】
S409で、制御部101は、交換元のゲームカードを受け付ける受付処理を実行する。受付処理は、上述したようにプレイヤによりゲームカードがリーダ120に載置され、該載置されたゲームカードが交換元のゲームカードとしての条件を満たす場合に、引込部121が該ゲームカードをゲーム装置100内部に引き込み、保持部122に保持する動作を含む。より詳しくは、制御部101は受付処理において、リーダ120に載置されたゲームカードから取得されたカード情報のキャラクタID602に基づき、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタのキャラクタ情報をキャラクタDB106から読み出す。このとき、提示制御部107は制御部101の制御の下、読み出されたキャラクタ情報の描画用情報615に基づき、対応付けられたキャラクタの画像を表示部130に表示させる。また既に交換元のゲームカードに対応付けられたキャラクタの画像が表示されている場合は、該キャラクタの画像に加え、新たに載置されたゲームカードに対応付けられたキャラクタの画像を表示させるよう、提示制御部107は表示制御を行う。そして制御部101は、読み出したキャラクタ情報のランク情報612及び弾数情報613に基づき、交換元のゲームカードとしての条件が満たされるか否かの判断を行う。本実施形態では制御部101は、弾数情報613が旧弾であることを示し、かつランク情報612がコモンのレアリティを示す場合に、交換元のゲームカードとしての条件を満たすものとして判断する。制御部101は、載置されたゲームカードが交換元のゲームカードとしての条件を満たす場合、引込部121を駆動させて該ゲームカードをゲーム装置100内部に引き込み、保持部122に保持させる。このとき、提示制御部107は制御部101の制御の下、載置されたゲームカードが交換元のゲームカードとしての条件を満たす場合には、該ゲームカードがゲーム装置100内に一時的に取り込まれる旨、交換後に返却される旨、及び該ゲームカードに対応付けられたキャラクタが交換対象として確定した旨を該キャラクタの画像に付して示すよう表示制御を行う。また載置されたゲームカードが交換元のゲームカードとしての条件を満たさない場合には、提示制御部107はその旨を提示するよう、表示部130及び音声出力部140を制御すればよい。
【0060】
S410で、制御部101は、カード交換に係る規定枚数の交換元のゲームカードが保持部122に保持されたか否かを判断する。制御部101は、規定枚数の交換元のゲームカードが保持されたと判断した場合は処理をS411に移し、保持されていないと判断した場合は処理をS409に戻す。なお、保持部122に保持されたゲームカードが規定枚数に達せずに受付処理に係る所定の制限時間が経過した場合には、制御部101は、保持部122に保持されたゲームカードを使用可能な状態のまま取出口154に送出し、処理をS414に移せばよい。この場合、提示制御部107は制御部101の制御の下、制限時間終了につき新たなゲームカードの提供が行われず、プレイヤから預かった交換元のゲームカードも使用可能な状態で返却する旨、提示する。また提供処理の開始に際して支払われた対価も、返却されるものとする。
【0061】
本実施形態では、リーダ120に載置されたゲームカードについて、交換元のゲームカードとしての条件を満たす場合にはこれを保持部122に保持し、ゲームカードごとに順次条件を満たすか否かを判断するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば複数のゲームカードから並行してカード情報を取得可能にゲーム装置100が構成されている場合、同時期に情報取得されたゲームカードに係るキャラクタ情報の全てが条件を満たすか否かに応じて、カード交換を行うか否かを判断するものであってもよい。
【0062】
S411で、提示制御部107は制御部101の制御の下、カード交換に係る演出提示を行う。該演出提示は、交換元のゲームカードについて表示部130に表示させていたキャラクタ画像群を、交換により提供され得るゲームカード、即ち最新弾のレアまたはアンコモンのゲームカードに対応付けられるキャラクタを示す画像に変更する表示変更、及び変更した画像に含まれるいずれかのキャラクタに対応付けられたゲームカードが、今回の交換に係り提供される旨の通知提示を含む。
【0063】
S412で、提供制御部108は制御部101の制御の下、今回のカード交換に係るゲームカードを提供するよう提供部150を制御する。より詳しくは、提供制御部108は、提供部150の第2収容部152からゲームカードを送出するよう送出部153を制御し、ゲームカードの提供を行う。このとき提供されるゲームカードは、ゲームモードとは異なり、最新弾のレアまたはアンコモンのいずれかに該当するゲームカードが、交換用に定められた所定の提供割合で提供される。また制御部101は、該ゲームカードの提供に際し、ゲームカードが提供される旨の通知を提示制御部107に行わせる。
【0064】
S413で、制御部101は加工部123に、保持部122に保持されている規定枚数の交換元のゲームカードに対して使用不可能な状態とする加工を施させた後、該ゲームカードを取出口154に送出させる。
【0065】
S414で、制御部101は、今回のゲーム装置100の利用終了に係る各種処理を実行し、本提供処理を完了する。該処理は、例えば提示制御部107によるゲーム結果の提示やカード交換完了の通知、スタンバイ状態への移行処理を含んでいてよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、プレイヤの関心を持続させる物品提供を行うことができる。より詳しくは、ゲーム装置は、プレイヤが所有しているゲームカードのうち、需要度が低いと想定されるゲームカードをゲームに使用不可能な状態とすることを条件として、ゲーム装置において提供されているゲームにおいて一定の価値を有する新たなゲームカードを、プレイヤに提供することができる。このようにすることで、ゲーム装置の利用を停止している休眠プレイヤや、長期にわたってゲーム装置を利用しているようなプレイヤの、ゲームコンテンツへの関心を高め、かつ新たなゲームカードを入手したことに基づく、更なる装置利用に繋げることができる。
【0067】
[実施形態2]
上述した実施形態1では、ゲームカードが旧弾のゲームコンテンツのサービス中に提供されたものであり、かつレアリティがコモンであることを交換元のゲームカードとしての条件とし、該条件を満たすゲームカードがプレイヤにとって需要度が低いものとし、交換の対象とするものとして説明した。しかしながら、プレイヤにとって需要度が低いゲームカードは必ずしも該条件に限定されるものではない。即ち、プレイヤごとに趣味・趣向やゲームのプレイスタイルは異なるため、一概に上記条件でプレイヤにとって需要度が低いゲームカードであるか否かを特定できるものではない。
【0068】
従って、本実施形態では、ゲームカードごとの使用履歴を管理し、実際に該ゲームカードが未使用であった期間に応じて、所有するプレイヤにとっての該ゲームカードの需要の有無を推定し、これに基づき交換元とするゲームカードを判別する態様について説明する。本実施形態では複数の地理的位置にゲーム装置100が設置され、そのいずれにおいてもプレイヤの装置利用がなされ得ることを考慮し、プレイヤのゲームカードの使用履歴は、
図2(b)に示されるような、ネットワーク510を介して複数のゲーム装置100と接続するサーバ500において管理されるものとする。
【0069】
《サーバの構成》
以下、ゲーム装置100を含む、本実施形態のゲームシステムのサーバ500の機能構成について、
図5のブロック図を用いて説明する。なお、本実施形態では、本発明の物品に係るゲーム情報にゲームカードの使用履歴の情報が含まれ、サーバ500において該使用履歴の情報のみを管理する、即ちゲーム情報に係る一部の情報(キャラクタ情報以外の情報)がサーバ500において管理されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。つまり、ゲームカードがゲームプレイやカード交換に使用される際に、該ゲームカードに基づき取得されるゲーム情報である、キャラクタ情報及びカードの使用履歴の情報は、サーバ500に集約されて管理されるものであってもよい。あるいは、ゲーム装置100がネットワーク連携等せずに単体でサービス提供する態様においては、ゲーム装置100に全ての情報が管理されるものであってもよい。従って、本実施形態ではゲーム装置100とサーバ500とにゲーム情報を分離して管理するものとして説明するが、本発明の実施においてゲーム情報の管理は、1以上の装置によってなされるものであってよく、ゲーム装置100とサーバ500以外の外部装置に存在を否定するものではない。
【0070】
サーバ制御部501は、例えばCPUであり、サーバ500が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部501は、例えばサーバ記録媒体502に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、サーバメモリ503に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0071】
サーバ記録媒体502は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体502は、サーバ500が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ503は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ503は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0072】
カードDB504は、流通しているゲームカードの各々について、該ゲームカードの使用履歴の情報を管理するデータベースである。カードDB504において管理される情報は、
図6(c)に示されるように、ゲームカードを一意に特定するカードID621に関連付けて、該ゲームカードのゲーム装置100における使用履歴を示す使用履歴情報622を有する。本実施形態では簡単のため、使用履歴情報622は、単に、ゲーム装置100においてゲームモードの利用に際してゲームカードが使用された日時の情報を管理するものとして説明するが、この他、行われた対戦ゲームのプレイ内容に基づく育成要素に係る情報やゲームカードを所有しているプレイヤを識別する情報等を含むものであってよいことは言うまでもない。
【0073】
サーバ通信部505は、サーバ500が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部505は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク510(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部505は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク510を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部505は、例えばネットワーク510を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ503に格納する。
【0074】
《カード交換》
以下、本実施形態のゲームシステムで実現されるカード交換の概要について説明する。
【0075】
本実施形態のゲームシステムでは、実施形態1と異なり、ゲームカードが交換の対象たり得るか否かをさらにゲームカードの使用履歴に基づいて判断する。即ち、ゲーム装置100で実行される提供処理の、S409で判断される交換元のゲームカードとしての条件が実施形態1とは異なる。具体的には制御部101は、リーダ120に載置されたゲームカードから取得されたカード情報のキャラクタID602に基づき、該ゲームカードに対応付けらえたキャラクタのキャラクタ情報をキャラクタDB106から読み出すだけでなく、取得されたカード情報のカードID601を通信部110に伝送し、使用履歴情報の送信要求と共にサーバ500に送信させ、サーバ500から対応する使用履歴情報622を取得する。そして制御部101は、読み出したキャラクタ情報のランク情報612及び弾数情報613と、取得した使用履歴情報とに基づいて、交換元のゲームカードとしての条件が満たされるか否かの判断を行う。本実施形態では制御部101は、弾数情報613が旧弾であることを示し、ランク情報612がコモンのレアリティを示し、かつ使用履歴情報により示される日時から所定時間が経過している場合に、交換元のゲームカードとしての条件を満たすものとして判断する。ここで、使用履歴情報の判断に係る所定時間は、プレイヤにとって該ゲームカードの需要が低いものとして判別するために定められる時間である。即ち、本実施形態のゲーム装置100では、最後にゲームカードが使用されてから未使用であった期間がどの程度であったかに応じて、該ゲームカードのプレイヤにとっての需要度を計り、交換元のゲームカードとしてよいかを判断する。
【0076】
なお、例えばプレイヤが既に同一のキャラクタが対応付けられたゲームカードを所有している場合等、ゲームカードが一度も使用されずにカード交換に用いられる可能性もある。このような場合、該ゲームカードの使用履歴情報は、最後にゲームモードに使用された日時の情報がないため、これに代えて、該ゲームカードの製造がなされた日、ゲーム装置100の設置店舗に発送された日、最新弾のゲームコンテンツがリリースされた日等を用いるものであってもよい。またゲーム装置100からゲームカードが提供される場合に、該ゲームカードのカード情報を取得可能に構成される態様においては、該提供がなされた日時の情報をサーバ500において使用履歴情報622として管理し、最後にゲームモードに使用された日時の情報として代用するものであってもよい。
【0077】
このようにすることで、プレイヤが今後もゲームプレイに使用し得るゲームカードを誤ってカード交換に用いようとした場合であっても、これを交換元のゲームカードとしないよう制御することができる。
【0078】
また、本実施形態では実施形態1と同様に、ゲームカードのレアリティがコモンであること及び旧弾であることを交換元のゲームカードとしての条件に含むものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。該条件は、未使用期間のみに基づいて判断されるものであってもよい。また、高レアリティのゲームカードは価値が高く、プレイヤにとって需要があるものと推定されるため、レアリティに係る条件と未使用期間とに基づいて判断されるものであってもよい。
【0079】
[変形例1]
実施形態1及び2を用いて、本発明に係るカード交換の要件について説明したが、本発明の実施はこれらの実施形態に記載した態様に限られるものではない。
【0080】
通常、プレイヤはゲーム装置100を利用することでゲームカードを入手することができるが、近年ではこのような正規なルートとは異なるルートでゲームカードが流通することもあり得る。しかし、カード交換において提供されるゲームカードが所定の価値を有する以上、正当なゲームプレイをすることなく非正規なルートで入手されたゲームカードに基づいて新たなゲームカードを提供することは、プレイヤ間の公平性を欠くことになり好ましくない。故に、ゲームカードの各々について所有しているプレイヤをゲーム情報に含めて管理し、交換によりゲームカードを提供するか否かは、交換元のゲームカードが、全て同一のプレイヤに関連付けられていることを要件として含めるものであってもよい。この場合、ゲームカードを所有しているプレイヤの情報は、例えばゲームプレイに際して、プレイヤを識別するプレイヤIDが付された別途の記録媒体を有する物品から情報取得がなされた場合に、該ゲームプレイに使用された(他のプレイヤIDに関連付けられていない)ゲームカードとプレイヤIDとを関連付け、例えばサーバ500のカードDB504に管理させる構成としてもよい。あるいは、例えばゲーム装置100の提供部150が印刷装置等で構成され、ゲームのプレイ内容等に基づき、所謂オンデマンド印刷でゲームカードを生成可能に構成される態様では、任意の情報を生成するゲームカードに付すことが可能であるため、プレイヤを識別するプレイヤIDは、カード情報としてゲームカードに付されてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では予め製造された既製カードが各収容部に収容され、所定の提供タイミングにおいて、該収容部から1枚のゲームカードが無作為に送出されてプレイヤに提供されるものであったが、上述したように提供部150(あるいは、少なくともカード交換モードにおけるゲームカードを提供する構成)がオンデマンド印刷可能な態様では、本発明の実施はこれに限られるものではない。オンデマンド印刷によりゲームカードを提供する態様では、任意のキャラクタを対応付けたゲームカードを生成することが可能であるため、カード交換に係る演出提示において、交換により提供されるゲームカードに対応付けられるキャラクタを提供前に提示することができ、カード交換に係る興趣性を高めることができる。またこのような態様においては、例えば提供可能であるものとして提示したキャラクタのうちから、交換によりゲームカードを入手したいキャラクタをプレイヤに選択させ、所望のキャラクタが対応付けられたゲームカードをプレイヤに提供することもできる。また、例えばカード交換により対応付けられるキャラクタは抽選処理等により、第2収容部152に収容されているゲームカードに依らず、即ちいずれのゲーム装置100でカード交換モードを利用しようとも、常に所定の提供確率に応じた公平なカード交換を実現することができる。
【0082】
また交換により提供されるゲームカードに対応付けられるキャラクタは、交換元のゲームカードに応じて決定されるものであってもよい。該決定は、交換元のゲームカードの枚数や、交換元のゲームカードに対応付けられたキャラクタの組み合わせ、交換元のゲームカードそれぞれの使用回数等に基づいて行われるものであってもよい。
【0083】
例えば交換元のゲームカードの枚数に応じて、提供されるゲームカードのレアリティを決定(枚数が多ければ、レアリティを高くする)し、該レアリティに該当するキャラクタから提供するゲームカードに対応付けるキャラクタを決定するものであってもよい。
【0084】
また例えばカード交換でゲームカードが提供されるキャラクタごとに、交換元のゲームカードとして情報取得が必要となるゲームカード(あるいはゲームカードに対応付けられたキャラクタ)の組み合わせが、提供条件として予め定められるものであってもよい。この場合、例えば交換元のゲームカードに係る組み合わせによって提供条件が満たされたキャラクタの画像が、該ゲームカードに係り表示されたキャラクタ画像群に代えて表示部130に提示され、その後、該提供条件が満たされたキャラクタのゲームカードがオンデマンド印刷により生成され、提供されればよい。
【0085】
なお、交換元のゲームカードについて枚数の条件を定めない態様においては、種々の枚数の組み合わせについて提供条件が設定され得、交換元のゲームカードの組み合わせが複数の提供条件を満たす状況が想定されるが、この場合、条件を満たしたキャラクタのうちからプレイヤが所望のキャラクタを選択でき、対応するゲームカードを提供するよう構成してもよい。また、情報取得された交換元のゲームカードの組み合わせが特定の提供条件を満たしておらず、かつ所定枚数のゲームカードを交換元のゲームカードとして追加で情報取得させることで該提供条件が満たされる場合、該追加で情報取得させることで提供条件が満たされる旨、及びいずれのゲームカードから情報取得させることで提供条件が満たされるかの情報を通知するものであってもよい。即ち、カード交換が行われれば、交換元のゲームカードを使用不可能な状態となるため、他の提供条件を満たし得る場合にはこれを通知し、好適な交換機会を担保することが好ましい。
【0086】
ところで、カード交換モードにおけるこれらの交換元のゲームカードに応じた新たなゲームカードの提供制御は、提供部150にオンデマンド印刷方式を採用している態様に限らず実現可能である。例えば、交換により提供するゲームカードをランク情報やキャラクタごとに分類し、各々異なる収容部に収容し、提供制御部108は交換元のゲームカードに係るゲーム情報に応じて、該当する収容部からゲームカードを送出させるように送出部153を制御すればよい。
【0087】
また、交換元のゲームカードは旧弾のゲームコンテンツに係り提供されたゲームカードであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば最新弾のゲームコンテンツに係り提供されるゲームカードであっても、レアリティが低く、プレイヤが重複して取得し得るようなゲームカードは交換が所望され得るため、旧弾に限らず、このようなゲームカードを交換元のゲームカードに該当するものとしてもよい。このようにすることで、新弾のゲームコンテンツからゲームプレイを開始したプレイヤであってもカード交換に係る興趣要素を体験できるため、結果、該プレイヤの積極的な装置利用を促すことができる。また、交換元のゲームカードは複数枚であることを要件として説明したが、本発明の実施はこれに限られず、1枚以上のゲームカードに基づき新たなゲームカードの提供が可能なように構成されるものであってもよい。
【0088】
また、交換元のゲームカードは所定のレアリティ(ランク)よりも低いことを要件として説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ランク情報ごとに交換元のゲームカードとすることが可能な枚数(ランクが高いほど多い)を定め、いずれのランクに該当するゲームカードであっても、同一のランクのゲームカードを定められた枚数以上情報取得させることで、交換元のゲームカードにできるものとしてもよい。この場合、プレイヤの利益を考慮し、交換元のゲームカード以上のランク情報を示すゲームカードを提供することが好適である。
【0089】
また、交換により提供するゲームカードは最新弾のゲームカードであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、交換により提供するゲームカードは、交換元のゲームカードを上回るランク情報を示す旧弾のゲームカードであってもよい。あるいは、交換により提供するゲームカードは、ゲームプレイに使用した場合に、通常のゲームモードの利用で入手するものよりもゲームの進行を有利にせしめるよう、特典情報が関連付けられた(付与された)状態とされるのであれば、交換元のゲームカードと同等のランク情報を示す旧弾のゲームカードであってもよい。特定情報の付加は、実施形態2のようにカードIDに関連付けて管理されることにより実現されるものであってもよいし、ゲームカードが情報付与可能に構成される態様ではカードが有する情報に含められることにより実現されるものであってもよい。このように、旧弾のゲームカードを、交換により提供されるゲームカードとすることで、プレイヤ間の公平性を担保し、またゲーム装置100の設置店舗が保有する旧弾のゲームカード在庫を有効利用し、好適なゲーム装置100の運用を実現することができる。
【0090】
[変形例2]
上述した実施形態では、ゲームカードを使用した場合にカード交換の可否の制御に参照されるゲーム情報は、該使用したゲームカードと対応付けて、ゲーム装置100(キャラクタ情報)またはゲーム装置100及びサーバ500(キャラクタ情報及び使用履歴情報)に管理されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム情報は、使用されるゲームカード自体から取得可能なよう、コードもしくはデータの形態でゲームカードに付されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0091】
以上、本発明について実施形態及び変形例で各種実現態様を説明したが、これらの態様は発明の実施に際し、如何様にも組み合わせてよい。例えば、ゲームモードの利用に対し提供されるゲームカードは既製カードとし、カード交換モードの利用に対し提供されるゲームカードは、オンデマンド印刷により生成されたカードとするものであってもよい。
【0092】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、コンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。