(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
上記した歩行型ブレード作業機は、地面に堆積した雪等の処理物をブレード作業部によってすくい上げて搬送することを可能にされたものである。
この種の歩行型ブレード作業機としては、例えば特許文献1に示される歩行型ブレード除雪機がある。特許文献1に示される歩行型ブレード除雪機では、左右一対のクローラ走行装置によって支持される機体フレーム、機体フレームに支持される操縦ハンドル、機体フレームの前方に配置され、支持フレームを介して機体フレームに支持されるブレード部が備えられている。
特許文献2には、除雪機ブレードを伸張可能に構成することが開示されている。すなわち、伸張可能な除雪機ブレードには、車両に持上げ構造体を介して支持される固定ブレード本体と、固定ブレード本体の支持手段に摺動可能に設置され、固定ブレード本体に対して左方向かつ長手方向に延出可能な第1延長部と、固定ブレード本体の支持手段に摺動可能に設置され、固定ブレード本体に対して右方向かつ長手方向に延出可能な第2延長部と、が備えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の歩行型ブレード作業機では、ブレード作業部の作業幅変更が不可能になっている。これにより、作業場所の横幅が狭い場合、ブレード作業部の作業幅が作業場所よりも広くてブレード作業部を持ち込むことができず、作業をできないという問題の発生頻度が高くなる。作業場所の横幅が広い場合、ブレード作業部の作業幅が作業場所よりも狭くてすくい上げを何度も繰り返して行なわねばならず、手間が掛かるという問題の発生頻度が高くなる。
【0005】
引用文献2に示される技術を適用すれば、ブレード作業部における作業幅を変更することが可能になり、上記した問題の発生頻度を低くできる。しかし、ブレードをスライド伸縮可能に構成せねばならず、コスト高になる。これに加え、ブレード作業部が重くなる。
歩行型ブレード作業機では、ブレード作業部が重い場合、ブレード作業部を持ち上げにくい、また、操縦ハンドルによる操縦操作が重いなど、作業を行ない難い。
【0006】
本発明は、上記した問題の発生頻度を低くできるのみならず、安価に得ることができ、かつ、作業を行ないやすい歩行型ブレード作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による歩行型ブレード作業機は、
走行機体から後方向きに延出された操縦ハンドルと、
前記走行機体の前方に設けられたブレード作業部と、が備えられ、
前記ブレード作業部は、前記走行機体に支持されたブレード本体と、前記ブレード本体の横端部に脱着可能に取付けられる側板部と、前記ブレード本体を横幅方向に延長する延長ブレードと、を有し、
前記延長ブレードの横一端部に、前記横端部に前記側板部に代えて脱着可能に連結される連結部が形成され、前記延長ブレードの横他端部に、前記側板部が脱着可能に取付けられる取付け部が形成され
、
前記連結部を前記横端部に連結する連結構造は、前記連結部から前記横端部に向けて前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に突設されて前記横端部に挿入される位置決めピンと、前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に締め付けられて前記連結部を前記横端部に連結する連結ボルトと、を備えている。
また、本発明による歩行型ブレード作業機は、
走行機体から後方向きに延出された操縦ハンドルと、
前記走行機体の前方に設けられたブレード作業部と、が備えられ、
前記ブレード作業部は、前記走行機体に支持されたブレード本体と、前記ブレード本体の横端部に脱着可能に取付けられる側板部と、前記ブレード本体を横幅方向に延長する延長ブレードと、を有し、
前記延長ブレードの横一端部に、前記横端部に前記側板部に代えて脱着可能に連結される連結部が形成され、前記延長ブレードの横他端部に、前記側板部が脱着可能に取付けられる取付け部が形成され、
前記側板部を前記取付け部に取付ける取付け構造は、前記側板部から前記取付け部に向けて前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に突設されて前記取付け部に挿入される位置決めピンと、前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に締め付けられて前記側板部を前記取付け部に連結する連結ボルトと、を備えている。
また、本発明による歩行型ブレード作業機は、
走行機体から後方向きに延出された操縦ハンドルと、
前記走行機体の前方に設けられたブレード作業部と、が備えられ、
前記ブレード作業部は、前記走行機体に支持されたブレード本体と、前記ブレード本体の横端部に脱着可能に取付けられる側板部と、前記ブレード本体を横幅方向に延長する延長ブレードと、を有し、
前記延長ブレードの横一端部に、前記横端部に前記側板部に代えて脱着可能に連結される連結部が形成され、前記延長ブレードの横他端部に、前記側板部が脱着可能に取付けられる取付け部が形成され、
前記連結部を前記横端部に連結する連結構造は、前記連結部から前記横端部に向けて前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に突設されて前記横端部に挿入される位置決めピンと、前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に締め付けられて前記連結部を前記横端部に連結する連結ボルトと、を備え、
前記側板部を前記取付け部に取付ける取付け構造は、前記側板部から前記取付け部に向けて前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に突設されて前記取付け部に挿入される位置決めピンと、前記ブレード本体の横幅方向に沿う方向に締め付けられて前記側板部を前記取付け部に連結する連結ボルトと、を備えている。
【0008】
本構成によると、ブレード本体の横端部に側板部を取付けて、延長ブレードを使用しないことにより、ブレード作業部が非延長形態になる。ブレード本体の横端部に延長ブレードを連結すると共に延長ブレードのブレード本体側と反対側の横他端部に側板部を取付けることにより、ブレード作業部が延長形態になる。延長形態でのブレード作業部の作業幅が、非延長形態でのブレード作業部の作業幅よりも広くなる。
【0009】
延長ブレードをブレード本体に脱着可能に連結するので、かつ、側板部を外したブレード本体に延長ブレードを連結するので、この連結構造を簡素かつ軽量にできる。
【0010】
従って、作業場所の横幅が狭くても、ブレード作業部における作業幅を狭くして対応させることができるので、作業できないという事態を従来よりも起こりにくくできる。作業場所の横幅が広くても、ブレード作業部における作業幅を広くして対応させることができるので、すくい上げ操作の繰り返し回数を従来よりも少なくできる。しかも、延長ブレード部を簡素かつ軽量な連結構造でブレード本体に連結できるので、安価に得ることができ、かつ、ブレード作業部が軽量で作業を行ないやすい。
【0011】
【0012】
本構成によると、位置決めピンをブレード本体の横端部に挿入するだけであっても、延長ブレードの横一端部が連結ボルトによってブレード本体の横端部に連結されるので、位置決めピン及び連結ボルトのうち、連結ボルトを締め付け操作するだけで操作簡単に延長ブレードをブレード本体に連結できる。
【0013】
位置決めピンを延長ブレードの取付け部に挿入するだけであっても、側板部が連結ボルトによって延長ブレードの取付け部に連結されるので、位置決めピン及び連結ボルトのうち、連結ボルトを締め付け操作するだけで操作簡単に側板部を延長ブレードに連結できる。
【0014】
本発明においては、前記連結構造において、前記連結ボルトの数が前記位置決めピンの数より少なく、前記取付け構造において、前記連結ボルトの数が前記位置決めピンの数より少ないと好適である。
【0015】
本構成によると、位置決めピンよりも数少ない連結ボルトを締め付け操作するだけで延長ブレードの横一端部がブレード本体の横端部に連結されるので、より操作簡単に延長ブレードをブレード本体に連結できる。位置決めピンよりも数少ない連結ボルトを締め付け操作するだけで側板部が延長ブレードの取付け部に連結されるので、より操作簡単に側板部を延長ブレードに連結できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、歩行型ブレード作業機の一例である歩行型ブレード除雪機に適応した場合について、図面に基づいて説明する。
図1は、歩行型ブレード除雪機の全体を示す左側面図である。
図2は、ブレード作業部7の作業幅が広い状態での歩行型ブレード除雪機の全体を示す平面図である。
図1,2に示す[F]の方向が走行機体1の前方向、[B]の方向が走行機体1の後方向、
図2に示す[L]の方向が走行機体1の左方向、[R]の方向が走行機体1の右方向と定義する。
【0018】
図1,2に示すように、歩行型ブレード除雪機は、左右一対のクローラ走行装置2が装備された走行機体1を備えている。左右のクローラ走行装置2は、走行機体1の両横外側に配備されている。走行機体1から左右一対の操縦ハンドル3が後方向きに延出されている。走行機体1に、電動モータ4及びバッテリー5が設けられている。電動モータ4及びバッテリー5は、カバー6によって上側から覆われている。走行機体1は、電動モータ4がバッテリー5によって供給される電力によって駆動され、左右のクローラ走行装置2が電動モータ4の動力によって駆動されることによって自走する。
【0019】
走行機体1の前方にブレード作業部7が設けられている。ブレード作業部7は、走行機体1から前向きに延出された左右一対の支持アーム8の延出端部に支持され、左右一対の支持アーム8を介して走行機体1に支持されている。左右一対の支持アーム8と左右一対の操縦ハンドル3とは、走行機体1の前後方向に延びる一連の構造体によって構成されている。一連の構造体の走行機体前後方向での中間部が枢支軸9を介して走行機体1に支持されている。左右一対の支持アーム8と左右一対の操縦ハンドル3とは、枢支軸9を揺動支点として上下揺動可能な状態で走行機体1に支持され、かつ、背反的に上下揺動する状態で連動連結されている。操縦ハンドル3を上げ操作することにより、支持アーム8が下降揺動し、ブレード作業部7の対地高さを低くなる側に調節できる。操縦ハンドル3を下げ操作することにより、支持アーム8が上昇揺動し、ブレード作業部7の対地高さを高くなる側に調節できる。また、操縦ハンドル3を下げ操作することにより、ブレード作業部7を搬送用の対地高さに持ち上げることができる。
【0020】
図1,2,3に示すように、ブレード作業部7は、左右一対の支持アーム8の先端部に姿勢切換え部10を介して支持されている。すなわち、ブレード作業部7は、姿勢切換え部10が有する枢支軸11を揺動支点にして支持アーム8に対して重力で下降揺動した排出姿勢と、枢支軸11を揺動支点にして支持アーム8に対して上昇揺動したすくい姿勢とに姿勢変更可能になっている。姿勢切換え部10には、ブレード作業部7をすくい姿勢に保持するロック状態と、ブレード作業部7の排出姿勢への揺動を許容するロック解除状態とに切換え可能なロック部12が備えられている。ロック部12は、左右一対の支持アーム8の先端部を連結する部材13に支持されている。ロック部12と、操縦ハンドル3に支持された切換えレバー14とが操作ケーブル15を介して連動連結されている。ロック部12は、切換えレバー14の握り操作によってロック解除状態に切り換え操作され、切換えレバー14の開放操作によってロック状態に切り換え操作される。ブレード作業部7が排出姿勢になっている場合、操縦ハンドル3を持ち上げ操作し、ブレード作業部7の前端部を地面に押し付けることにより、ブレード作業部7を支持アーム8に対して上昇揺動させてすくい姿勢に姿勢切換えできる。
【0021】
ブレード作業部7をロック部12によってすくい姿勢に保持しておき、操縦ハンドル3を昇降操作してブレード作業部7の対地高さを除雪目標高さに調節をする。ブレード作業部7が除雪目標高さになると、クローラ走行装置2を駆動して走行機体1を前進移動させ、ブレード作業部7を地面上の雪に押し付ける。すると、雪がブレード作業部7によってすくいとられる。雪がすくいとられると、操縦ハンドル3を下げ操作することにより、ブレード作業部7が持ち上がり、すくいとられた雪をブレード作業部7に保持させて捨て場所へ搬送できる。捨て場所へ搬送すると、切換えレバー14を握り操作する。すると、ロック部12がロック解除状態に切り換わって、ブレード作業部7及び雪の荷重によってブレード作業部7が排出姿勢に切り換わり、ブレード作業部7から雪が落下する。
【0022】
〔ブレード作業部7について〕
図2,3に示すように、ブレード作業部7は、ブレード本体20と、左右一対の延長ブレード21と、左右一対の側板部22とを有している。
【0023】
図1,2,3に示すように、ブレード本体20は、姿勢切換え部10を介して左右一対の支持アーム8に支持され、姿勢切換え部10及び左右一対の支持アーム8を介して走行機体1に支持されている。ブレード本体20の下端部にスクレーパ23が備えられている。
【0024】
図3,5に示すように、左右の延長ブレード21は、走行機体1の横幅方向に沿う方向視での形状がブレード本体20の走行機体1の横幅方向に沿う方向視での形状と同じ形状になるように構成されている。左右の延長ブレード21の下端部にスクレーパ24が備えられている。左の延長ブレード21の横一端部としての走行機体横内方側の端部(右端部)に連結部25が形成されている。左の延長ブレード21の横他端部としての走行機体横外方側の端部(左端部)に取付け部26が形成されている。右の延長ブレード21の横一端部としての走行機体横内方側の端部(左端部)に連結部25が形成されている。右の延長ブレード21の横他端部としての走行機体横外方側の端部(右端部)に取付け部26が形成されている。
【0025】
図2,3に示すように、左右の延長ブレード21のうちの左の延長ブレード21は、連結部25がブレード本体20の左の横端部20Aに延長用の連結構造27によって脱着可能に連結されている。左の延長ブレード21は、ブレード本体20から左横外向きに延出する状態でブレード本体20に支持されている。左右の延長ブレード21のうちの右の延長ブレード21は、連結部25がブレード本体20の右の横端部20Bに延長用の連結構造27によって脱着可能に連結されている。右の延長ブレード21は、ブレード本体20から右横外向きに延出する状態でブレード本体20に支持されている。ブレード本体20が左の延長ブレード21によって左横外側へ延長され、右の延長ブレード21によって右横外側へ延長され、ブレード作業部7の全体の作業幅がブレード本体20の作業幅に二つの延長ブレード21の作業幅を加えた作業幅になっている。
【0026】
図5に示すように、左の延長ブレード21とブレード本体20との間の延長用の連結構造27、及び、右の延長ブレード21とブレード本体20との間の延長用の連結構造27は、同じ構成を備えている。
図5,6に示すように、左右の延長用の連結構造27は、ブレード本体20の横端部20A,20Bに設けられたフランジ28と、延長ブレード21に設けられた連結部25と、一つの連結ボルト29と、を備えている。連結部25に、一つの連結穴30及び二つの位置決めピン31が備えられている。本実施形態では、連結ボルト29は、ノブボルトによって構成されている。連結ボルト29としては、六角ボルト、六角穴付きボルト等各種のボルトを採用可能である。
【0027】
図5,6に示すように、ブレード本体20のフランジ28には、一つの連結穴32、及び、二つの位置決め穴33が設けられている。連結穴32及び位置決め穴33は、ブレード本体20の上下方向に沿う方向に間隔を空けて並んでいる。連結穴32は、二つの位置決め穴33よりも上方に位置している。連結穴32の裏側にナット部材34が固設されている。二つの位置決めピン31は、連結部25からブレード本体20の横端部20A,20Bに向けてブレード本体20の横幅方向に沿う方向に突設されている。
【0028】
左右の延長用の連結構造27においては、二つの位置決めピン31がブレード本体20の二つの位置決め穴33に各別に挿入され、連結ボルト29が連結部25の連結穴30、ブレード本体20の連結穴32、及び、ナット部材34に装着されてブレード本体20の横幅方向に沿う方向に締め付けられることにより、連結部25が連結ボルト29の締め付け力によってフランジ28に固定される。すなわち、連結部25がブレード本体20の横端部20A,20Bに固定される。連結ボルト29が取り外されることにより、二つの位置決めピン31の抜き外しが可能になり、連結部25をブレード本体20から取り外すことができる。
【0029】
図2,3に示すように、左右の側板部22のうちの左の側板部22は、左の延長ブレード21の取付け部26に取付け構造35によって脱着可能に取付けられている。左右の側板部22のうちの右の側板部22は、右の延長ブレード21の取付け部26に取付け構造35によって脱着可能に取付けられている。
【0030】
図5,7に示すように、左の側板部22と左の延長ブレード21との間の取付け構造35、及び、右の側板部22と右の延長ブレード21との間の取付け構造35は、同じ構成を備えている。左右の取付け構造35は、延長ブレード21に形成された取付け部26と、側板部22に設けられた一つの連結穴36及び二つ位置決めピン37と、一つの連結ボルト38とを備えている。連結穴36及び二つの位置決めピン37は、側板部22の上下方向に沿う方向に間隔を空けて並んでいる。連結穴36は、二つの位置決めピン37よりも上方に位置している。二つの位置決めピン37は、側板部22から延長ブレード21の取付け部26に向けてブレード本体20の横幅方向に沿う方向に突設されている。取付け部26には、一つの連結穴39及び二つの位置決め穴40が形成されている。連結穴39の裏側にナット部材41が固設されている。本実施形態では、連結ボルト38は、ノブボルトによって構成されている。連結ボルト38としては、六角ボルト、六角穴付きボルト等各種のボルトを採用可能である。
【0031】
左右の取付け構造35においては、二つの位置決めピン37が取付け部26の二つの位置決め穴40に各別に挿入され、連結ボルト38が側板部22の連結穴36、取付け部26の連結穴39及びナット部材41に装着されてブレード本体20の横幅方向に沿う方向に締め付けられることにより、側板部22が連結ボルト38の締め付け力によって取付け部26に固定される。連結ボルト38が取り外されることにより、二つの位置決めピン37の抜き外しが可能になり、側板部22を延長ブレード21から取り外すことができる。
【0032】
図4に示すように、左右の側板部22のうちの左の側板部22は、ブレード本体20の左の横端部20Aに側板用の連結構造42によって脱着可能に連結可能に構成されている。左右の側板部22のうちの右の側板部22は、ブレード本体20の右の横端部20Bに側板用の連結構造42によって脱着可能に連結可能に構成されている。
【0033】
左の側板部22とブレード本体20との間の側板用の連結構造42、及び、右の側板部22とブレード本体20との間の側板用の連結構造42は、同じ構成を備えている。左右の連結構造42は、延長用の連結構造27を構成しているフランジ28、連結穴32及び位置決め穴33と、側板用の取付け構造35を構成している側板部22の連結穴36、位置決めピン37及び連結ボルト38によって構成されている。
【0034】
左右の側板用の連結構造42においては、二つの位置決めピン37がブレード本体20の二つの位置決め穴33に各別に挿入され、連結ボルト38が側板部22の連結穴36、ブレード本体20の連結穴32及びナット部材34に装着されてブレード本体20の横幅方向に沿う方向に締め付けられることにより、側板部22が連結ボルト38の締め付け力によってフランジ28に固定される。すなわち、側板部22がブレード本体20の横端部20A,20Bに固定される。連結ボルト38が取り外されることにより、二つの位置決めピン37の抜き外しが可能になり、側板部22をブレード本体20から取り外すことができる。
【0035】
作業場所の横幅が狭い場合、
図4に示すように、左右の延長ブレード21を使用せず、ブレード本体20の両横端部20A,20Bに側板部22を側板用の連結構造42によって連結する。このとき、位置決めピン37及び連結ボルト38のうち、連結ボルト38を締め付け操作するだけで側板部22を連結できる。これにより、ブレード作業部7の作業幅をブレード本体20の作業幅に等しい幅狭の作業幅にして、かつ、ブレード本体20の両横側を雪がこぼれ出ないように側板部22によって閉じた状態にして除雪作業をできる。
【0036】
作業場所の横幅が広い場合、
図2,3に示すように、ブレード本体20の両横端部20A,20Bから側板部22を取外し、ブレード本体20の両横端部20A,20Bに側板部22に代えて延長ブレード21を延長用の連結構造27によって連結する。このとき、位置決めピン31及び連結ボルト29のうち、連結ボルト29を締め付け操作するだけで延長ブレード21を連結できる。両延長ブレード21の取付け部26に、ブレード本体20から取り外した側板部22を取付け構造35によって取り付ける。このとき、位置決めピン37及び連結ボルト38のうち、連結ボルト38を締め付け操作するだけで側板部22を取り付けることができる。これにより、ブレード作業部7の作業幅をブレード本体20の作業幅に両延長ブレード21の作業幅が加わった幅広の作業幅にして、かつ、延長ブレード21の横外側を雪がこぼれ出ないように側板部22によって閉じた状態にして除雪作業をできる。
【0037】
本実施形態では、延長ブレード21を使用するとき、ブレード本体20に備えられているスクレーパ23、及び、延長ブレード21に備えられているスクレーパ24をそのまま使用するよう構成しているが、ブレード本体20及び延長ブレード21に各別に備えられているスクレーパ23,24を取外し、ブレード本体20と延長ブレード21とにわたる一連のスクレーパを取り付けるよう構成してもよい。
【0038】
ブレード本体20の両横端部20A,20Bに延長ブレード21を連結し、ブレード本体20の作業幅に二つの延長ブレード21の作業幅が加わった広幅の作業幅を採用する他、作業場所の横幅の広さによっては、ブレード本体20の両横端部20A,20Bのうちのいずれか一方の横端部に延長ブレード21を連結し、ブレード本体20の両横端部20A,20Bのうちの他方の横端部に側板部22を連結し、ブレード本体20だけの作業幅よりも広く、ブレード本体20の作業幅に二つの延長ブレード21の作業幅が加わった作業幅よりも狭い作業幅を採用してもよい。
【0039】
図1に示すように、操縦ボックス45に操向レバー46が設けられている。操向レバー46による走行機体1の操向操作を可能にする操向装置47が
図8に示す如く構成されている。
【0040】
電動モータ4の出力軸4aに出力ギヤ48が相対回転不能に支持されている。出力ギヤ48と、ギヤミッション49の入力ギヤ49aとが係合されている。ギヤミッション49の出力軸49bの一端側と、左のクローラ走行装置2の駆動軸2aとにわたって左操向クラッチ50が設けられている。出力軸49bの他端側と、右のクローラ走行装置2の駆動軸2bとにわたって右操向クラッチ51が設けられている。左操向クラッチ50及び右操向クラッチ51は、噛み合いクラッチによって構成され、シフター50a,51aが揺動操作されることにより、入り状態である噛み合い状態と、切り状態である噛み合い解除状態とに切り換わる。左操向クラッチ50のシフター50aと、操向レバー46の左出力部46aとが操作ケーブル53を介して連動連結されている。右操向クラッチ51のシフター51aと、操向レバー46の右出力部46bとが操作ケーブル54を介して連動連結されている。操向レバー46は、支軸55を揺動支点にして中立位置[N]を挟んで左旋回位置[LS]と右旋回位置[RS]とに走行機体横方向に揺動操作可能に支持されている。
操向レバー46は、左操向クラッチ50を入り状態に付勢するスプリング(図示せず)と右操向クラッチ51を入り状態に付勢するスプリング(図示せず)とによって操作ケーブル53,54を介して中立位置[N]に付勢されている。
【0041】
操向レバー46を中立位置[N]に操作すると、左の操作ケーブル53が左出力部46aによって緩め操作されて左操向クラッチ50がスプリングによって入り状態に操作され、右の操作ケーブル54が右出力部46bによって緩め操作されて右操向クラッチ51がスプリングによって入り状態に操作される。これにより、電動モータ4の動力が左右の駆動軸2a,2bに伝達されて左右のクローラ走行装置2が駆動され、走行機体1が直進走行する。
【0042】
操向レバー46を中立位置[N]から左向きに揺動させて左旋回位置[LS]に操作すると、左の操作ケーブル53が左出力部46aによって引張り操作されて左操向クラッチ50が切り状態に切り換え操作される。このとき、右の操作ケーブル54が右出力部46bによって直進時よりもさらに緩め操作されて右操向クラッチ51が入り状態に維持される。これにより、電動モータ4から左の駆動軸2aへの動力伝達が絶たれて左のクローラ走行装置2が停止され、電動モータ4の動力が右の駆動軸2bに伝達されて右のクローラ走行装置2が駆動され、走行機体1が左向きに旋回走行する。
【0043】
操向レバー46を中立位置[N]から右向きに揺動させて右旋回位置[RS]に操作すると、右の操作ケーブル54が右出力部46bによって引張り操作されて右操向クラッチ51が切り状態に切り換え操作される。このとき、左の操作ケーブル53が左出力部46aによって直進時よりもさらに緩め操作されて左操向クラッチ50が入り状態に維持される。これにより、電動モータ4から右の駆動軸2bへの動力伝達が絶たれて右のクローラ走行装置2が停止され、電動モータ4の動力が左の駆動軸2aに伝達されて左のクローラ走行装置2が駆動され、走行機体1が右向きに旋回走行する。
【0044】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、延長ブレード21が二つ備えられた例を示したが、一つだけ備えて実施してもよい。
【0045】
(2)上記した実施形態では、クローラ走行装置2が備えられた例を示したが、車輪を採用してもよい。
【0046】
(3)上記した実施形態では、延長ブレード21及び側板部22を位置決めピン31,37及び連結ボルト29,38によって連結する構成を採用した例を示したが、連結ボルト29,38のみで連結する構成を採用してもよい。