【実施例】
【0062】
実施例1:レシチンの溶解度。エタノールが、レシチンの添加とともに、水中でゆっくりと希釈されるとき、レシチン分画の性質が変化する。この実施例では、脱脂レシチンを、水:エタノール混合物(70:30の比率)に加え、非常に粘性の分散体が得られた。水およびエタノールは、共沸混合物を形成する能力を有し、共沸混合物は、水またはエタノールと異なる特性を有する。混合物中の水を、70%のソルビトール溶液に取り替えると、脱脂レシチンは、完全に透明な水溶性溶液を形成した。したがって、アルコール中のレシチンの分画は、ソルビトール溶液の添加によって食い止められ得る。
【0063】
実施例2:レシチンの分画。エタノール(ε=25)、水(ε=80)、および70%のソルビトール溶液(ε=62)についての誘電率値、ならびに、ε=52の理論的誘電率における実施例1の結果に基づいて、透明な水溶性溶液をもたらすレシチンの完全な溶解が行われるべきである。一般的な極性溶媒を試験して、それらが実際に水溶性レシチンを生じさせるかどうかを決定した。意外にも、ε=52の理論的誘電率に最も近い誘電率を有するDMSOが、完全に不溶性のレシチンおよび分画をもたらした。試験される溶媒は、以下の表3において、それらの誘電率とともにまとめられている。したがって、誘電率は単独で、水溶性レシチンを生成する溶媒の能力の決定要因ではない。
【0064】
【表3】
【0065】
実施例3:エタノール中のソルビトールの溶解度。糖アルコールは、冷却すると非常に過飽和状態になり得る。水を、ゆっくりとエタノールに取り替えると、溶質が完全に溶解する最高濃度の著しい変化があり得る。この実施例では、70%のソルビトール溶液およびエタノールのブレンドを作製した。ソルビトール/エタノールブレンドは、70:30の比率で完全に透明であることが分かった。30%超のエタノールを含むブレンドは、ソルビトールの結晶化を有することが分かった。
【0066】
実施例4:混合物中のレシチンの溶解度。この実施例では、糖アルコールまたは糖の、エタノールとのブレンドを作製し、5重量%の脱脂レシチンを加えた。脱脂レシチン(5重量%)を、75:25の比率のソルビトール/エタノール(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)に溶解させ、それにより、透明な溶液が得られた(
図1、「ソルビトール」と表示されたバイアル)。70%のソルビトール溶液を、70%のスクロース溶液に取り替え、5重量%の脱脂レシチンを、75:25の比率のスクロース/エタノール(70%のスクロース溶液を用いて作製された)に加え、それにより、透明な溶液が得られた(
図1、「スクロース」と表示されたバイアル)。70%のソルビトール溶液を、70%の高果糖コーンシロップ溶液(HFCS、ADM製)に取り替え、5重量%の脱脂レシチンを、75:25の比率のHFCS/エタノール(70%のHFCS溶液を用いて作製された)に加え、それにより、透明な溶液が得られた(
図1、「HFCS」と表示されたバイアル)。
【0067】
実施例5:混合物中のレシチンの水溶性の比較。この実施例では、高HLBを有する流体レシチンの5重量%のブレンドを、70:30の水/エタノール混合物に加え、得られた混合物を、高HLBを有する流体レシチンの5重量%のブレンドを、70:30のソルビトール/エタノール混合物(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)に加えた混合物と比較した(
図2)。流体レシチンは、70:30の水/エタノール混合物中の流体レシチン(不透明な外観)と比較して、70:30のソルビトール/エタノール混合物(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)においてより可溶性(わずかに濁った外観)であることが分かった(
図2)。レシチン混合物/分散体中のソルビトールの存在は、混合物の粘度を低下させ、この混合物は、典型的に非常に高い粘度を有する流体レシチンの濃縮された分散体を作製するのに利用され得る。
【0068】
実施例6:混合物中のレシチンの水溶性の比較。この実施例では、25重量%の脱脂レシチン(Yelkinol AC、ADM製)を、75:25の水/エタノール混合物(
図3a)に加え、得られた混合物を、25重量%の脱脂レシチンを、75:25のソルビトール/エタノール溶液(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)に加えた溶液と比較した(
図3b)。
図3aの左側に、25重量%の脱脂レシチンを添加した、不透明な水/エタノール(75:25)混合物が示される。
図3aの右側に、25重量%の脱脂レシチンを添加した、水/エタノール(75:25)混合物を用いて作製された不透明な分散体が示される。
図3bの左側に、25重量%の脱脂レシチンを添加した、70%のソルビトール溶液を用いて作製された透明なソルビトール/エタノール(75:25)溶液が示される。
図3bの右側に、25重量%の脱脂レシチンを添加した、ソルビトール/エタノール(75:25)溶液(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)を用いて作製された分散体が示される。糖アルコール溶液の添加により、レシチンの分画が食い止められ、透明な水溶性生成物が生成した。さらに、
図3aおよび
図3bに示される分散体の比較は、ソルビトールの存在が、比較的透明な分散体をもたらすことを示す。
【0069】
実施例7:アルキルポリグリコシドを添加した混合物中のレシチンの水溶性。ソルビトール/エタノール溶液中の脱脂レシチンへの高HLB界面活性剤の添加の効果を試験した。天然脂肪族アルコールC8〜C14ベースのアルキルポリグリコシド(APG)(Glucopon(登録商標)425、BASF製)を、補助界面活性剤として使用した。50重量%のAPG(Glucopon(登録商標)425)、21重量%の脱脂レシチン(Yelkinol AC)、21重量%のソルビトール(70%のソルビトール溶液)、および9重量%のエタノールを含む組成物を作製した。得られた組成物は、高い水溶性を有する、完全に透明な流動性液体であった(
図4)。
図4の左側に、50重量%のAPG、21重量%の脱脂レシチン、および70%のソルビトール溶液を用いて作製された30%のソルビトール/エタノール溶液(70:30)を含む透明な組成物が示される。
図4の右側に、左側に示される組成物を用いて作製された比較的透明な分散体が示される。糖アルコール溶液の添加により、レシチンの分画が食い止められ、透明な水溶性生成物が生成した。
【0070】
実施例8:アルキルポリグリコシドをより少ない量で添加した混合物中のレシチンの水溶性。40重量%の脱脂レシチン(Yelkinol AC、ADM製)、36重量%のソルビトール(70%のソルビトール溶液)、18重量%のエタノール、および6重量%のAPG(Glucopon(登録商標)425、BASF製)を含む組成物を作製した。生成物は、完全に透明であった(
図5a)。
図5aの左側に、この実施例の透明な組成物が示される。
図5aの右側に、この実施例の組成物を用いて作製された分散体が示される。より良好に分散された生成物が、より良好な機能性を有するため、より高い濃度の脱脂レシチンを組み込むことは課題である。この実施例の組成物は、流体であり、それにより、分散が容易になり、その機能性が最大になる。
【0071】
実施例9:混合物中のより高い濃度のレシチンの溶解度。より高い濃度のレシチンが、ソルビトール/エタノール含有組成物中で使用されるとき、得られた組成物は、非常に粘性であり、生成物の透明度を維持しながら、プロピレングリコール(PG)中で容易に希釈され得る。40重量%の脱脂レシチン(Yelkinol AC、ADM製)、36重量%のソルビトール(70%のソルビトール溶液)、18重量%のエタノール、および6重量%のAPG(Glucopon(登録商標)425、BASF製)を含む、実施例8からの組成物は、PGに容易に溶解可能であった。したがって、PGは、糖アルコールおよびアルコールが組成物中に存在するとき、50%もの高い脱脂レシチンを含むより濃縮されたレシチン生成物を作製するための希釈剤として使用され得る。しかしながら、PGは単独で、脱脂レシチンを可溶化しない。一般に、ソルビトール/エタノール混合物は、不溶性の糖質の溶解度を向上させることが分かった。
【0072】
実施例10:アルキルポリグリコシドを添加した混合物中のレシチンの溶解度。この実施例では、ソルビトール/エタノール溶液(70%のソルビトール溶液を用いて作製された)中の透明なレシチンへのアルキルポリグリコシドの添加を試験した。50%のアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425)、21%の脱脂レシチン、21%のソルビトール(70%の溶液)、および9%のエタノールを含むブレンドは、容易に水に溶解可能であることが分かった。このブレンドを、大豆メチルエステル、リモネン、それらのブレンド、およびハッカ油とともにマイクロエマルションを作製するための界面活性剤ベース濃縮物として使用した。このブレンドは、チューインガムにおいて用途を有するであろう。特に、長持ちするハッカ風味への要望は、チューインガム産業にとっての課題であった。脱脂レシチンは、現在、ガム基材として使用される。チューインガムの香味料部分中に存在するソルビトールへの本発明の水溶性レシチンの添加が、ガム基材中に既に存在する乳化剤と相乗的に働くため、本発明の水溶性レシチンの使用は、有利であろう。
【0073】
実施例11:スクロースエステルを添加した混合物中のレシチンの溶解度。アルキルポリグリコシド(APG)に加えて、脱脂レシチンおよびソルビトール/エタノール溶液を含む組成物に加えられ得る、食品等級のスクロースエステルを含む他の高HLB界面活性剤がある。この実施例では、使用される界面活性剤は、脂肪酸(ステアレート/パルミテート)のスクロースエステル(HLB=11)(Sisterna(登録商標)SP 50、Sisterna製)の50%の活性溶液であった。50重量%のスクロースエステル(Sisterna(登録商標)SP 50)、21重量%の脱脂レシチン(Yelkinol AC、ADM製)、21重量%のソルビトール(70%のソルビトール溶液)、および9重量%のエタノールを含む組成物を作製した。得られた組成物は、高い水溶性を有する、完全に透明な低粘度の液体であった。糖アルコール溶液の添加は、レシチンの分画を食い止め、透明な水溶性生成物を生成することが分かった。したがって、スクロースエステルは、特に、ポリソルベートなしで、マイクロエマルションを作製するために、界面活性剤濃縮物中で使用され得る。
【0074】
実施例12:水溶性レシチン混合物を用いた油回収。実施例7からのブレンド(50%のアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)、21%の脱脂レシチン、21%のソルビトール(70%の溶液)、および9%のエタノール)を、油回収のためのトウモロコシ乾式ミルプロセスからのシロップ中で試験した。典型的に、ポリソルベート(すなわちポリソルベート80)が、油回収のために商業的に使用されるため、ポリソルベート80を、実施例7からのブレンドと比較した。実施例7からのブレンドは、純粋なアルキルポリグリコシド(APG)(Glucopon(登録商標)425、BASF製)より優れていたほどだった(
図6)。
【0075】
図6は、エタノール乾式粉砕プロセスからの希薄な蒸留廃液の4つの試料を示し、4つの試料はそれぞれ、添加剤なしであるかまたは異なるタイプのトウモロコシ油回収添加剤を含んでいた。添加剤濃度は、添加剤(Glucopon(登録商標)425、ポリソルベート80、または実施例7の組成物のいずれか)を含有する3つの試料について、40gのシロップの総重量を基準にして200ppmであった。試料を十分に混合し、20分間にわたって85℃の水浴に入れた。試料を浴から取り出し、4分間にわたって4500rpmで遠心分離した。添加剤を含有する試料からの油回収を、対照(添加剤なし)と比較した。
【0076】
図6の一番左側のバイアルは、添加剤を有さず、上部に小さい油層を有する。左から2番目のバイアルは、添加剤アルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)を有し、添加剤なしの試料と比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。左から3番目のバイアルは、添加剤ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を有し、Glucopon(登録商標)425を含む試料と比較して、上層として分離された同様の量のトウモロコシ油を有する。一番右側のバイアルは、実施例7からの添加剤(50%のアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425)、21%の脱脂レシチン、21%のソルビトール(70%の溶液)、および9%のエタノール)を有し、Glucopon(登録商標)425を含む試料またはポリソルベート80を含む試料のいずれかと比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。したがって、実施例7からのブレンドの使用は、石油由来の誘導体を用いずに100%生物由来であること、ならびにエタノール乾式粉砕プロセスから分離されるトウモロコシ油のより多い収量の利点をもたらした。
【0077】
実施例13:エトキシ化モノグリセリドおよびPGを含むレシチン混合物を用いた油回収。実施例12に加えて、油回収プロセスにおいて添加剤として有用な組成物を生成するためにレシチンに加えられ得る他の高HLB界面活性剤がある。80重量%のレシチン(ADM製)、10重量%のエトキシ化モノグリセリド(BASF製)、2重量%のプロピレングリコール、および8重量%の大豆油を混合することによって、レシチン−補助界面活性剤ブレンドを調製した。ブレンドを、30分間〜60分間にわたって常に撹拌しながら50℃で混合し、それによって、琥珀色の透明なレシチン−補助界面活性剤ブレンドを生成し、これは、乳化剤として使用され得る。
【0078】
この乳化剤ブレンドを、エタノール乾式ミルプロセスからのトウモロコシ油回収における添加剤として使用した。実施例13の乳化剤ブレンドを、エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリドの添加剤と比較し、これらの添加剤の両方を対照(添加剤なし)と比較した(
図7)。添加剤濃度は、添加剤(エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリドまたは実施例13の組成物のいずれか)を含有する2つの試料について、40gのシロップの総重量を基準にして200ppmであった。試料を十分に混合し、20分間にわたって85℃の水浴に入れた。試料を浴から取り出し、4分間にわたって4500rpmで遠心分離した。添加剤を含有する試料からの油回収を、対照(添加剤なし)と比較した。
【0079】
図7の左側のバイアルは、添加剤を有さず、上部に小さい油層を有する。真ん中のバイアルは、添加剤エトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリドを有し、上層として分離された少量のトウモロコシ油も有する。右側のバイアルは、実施例13からの添加剤(80重量%のレシチン(ADM製)、10重量%のエトキシ化モノグリセリド(BASF製)、2重量%のプロピレングリコール、および8重量%の大豆油)を有し、対照およびエトキシ化モノグリセリドおよびエトキシ化ジグリセリドを含む試料と比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。したがって、実施例13からのブレンドの使用は、エタノール乾式粉砕プロセスから分離されるトウモロコシ油のより多い収量の利点をもたらした。
【0080】
実施例14:他の乳化剤を添加した混合物中のレシチンの溶解度。70%のソルビトール溶液を用いて作製されたソルビトール/エタノール(75:25)溶液と組み合わせてアルキルポリグリコシドを用いる代わりに、キラヤ(quillaja)と組み合わされた25重量%の脱脂レシチンの添加を使用した。キラヤは、天然の、一般に安全と認められる(generally recognized as safe)(GRAS)、サポニンに富む食品等級の界面活性剤である。キラヤは、特に、透明な系が所望される場合、食品およびパーソナルケア産業においてエマルションを安定させる乳化剤として一般的に使用される。キラヤは、例えば飲料エマルション中で使用される場合、安全に摂取され得る。この実施例では、27%の脱脂レシチン、28%のソルビトール(70%の溶液)、および12%のエタノールを含むブレンドを予め作製し、33%のUltra Liquid(キラヤ抽出物、Desert King、CA)を、透明な溶液を作製するために加えた。この溶液ブレンドは、活性成分、例えば1%重量/体積(w/v)のβカロテン(大豆油中のβカロテン)を可溶化するためにマイクロエマルションを作製する際に使用され得る。完成したマイクロエマルションは、透明な水溶性飲料系中に供給され得る。この実施例の組成物の利点は、ポリソルベートの使用がなくされたことである。
【0081】
実施例15:乳化剤および乳化剤ブレンドの解乳化機能性。試料を、トウモロコシ油回収プロセスにおいて使用するために選別された乳化剤および乳化剤ブレンドから調製した。各乳化剤または乳化剤ブレンドの2つの100mLの溶液を調製した−200ppmで一方の溶液および400ppmで他方の溶液(水中の乳化剤または乳化剤ブレンド)。これらの乳化剤溶液を、溶解を確実にするために加熱した。30mLの乳化剤溶液を、0.5gの油(染料が添加された)と組み合わせて、ボルテックスし、水浴中で85℃に加熱して、乳化剤油ブレンドを形成した。乳化剤油ブレンドを、3分間にわたって3000rpmで遠心分離し、分離を観察した。水層の上部に形成される油層、および分離された油の量が測定され得る。各試料の水層の色は、使用される乳化剤の解乳化能力の優れた指標である。乳化剤および乳化剤ブレンドのいくつかの結果が、
図8に示される。
図8の一番左側で、使用される乳化剤は、アルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)であった。
図8の左から2番目で、使用される乳化剤は、2%のシリカを含むアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)であった。
図8の真ん中で、使用される乳化剤は、市販のポリソルベート化学薬品(すなわち、ポリソルベート80)であった。
図8の右から2番目で、使用される乳化剤ブレンドは、49%のアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)、49%のポリ(エチレングリコール)モノオレエート(PEGモノオレエート)、および2%の親水性シリカであった。
図8の一番右側で、使用される乳化剤ブレンドは、44%のアルキルポリグリコシド(Glucopon(登録商標)425、BASF製)、44%のPEGモノオレエート、10%のキャノーラ油、および2親水性シリカであった。
図8に示される全ての試料は、乳化剤油ブレンド(この実施例にしたがって調製された)から分離された、容量分析的に同様の量の油を示した。以下の表4は、この実施例にしたがって調製された乳化剤および乳化剤ブレンドを列挙している。
【0082】
【表4】
【0083】
実施例16:エトキシ化モノグリセリドおよびプロピレングリコールを含むレシチン混合物を用いた油回収。実施例12に加えて、油回収プロセスにおいて添加剤として有用な組成物を生成するためにレシチンに加えられ得る他の高HLB界面活性剤がある。56重量%のレシチン(ADM)、30重量%のエトキシ化モノグリセリド(BASF)、11重量%のプロピレングリコール、および3重量%の大豆油を混合することによって、レシチン補助界面活性剤ブレンドを調製したが、この混合は、30分間〜60分間にわたって常に撹拌しながら50℃で行われ、それによって、琥珀色の透明なレシチン補助界面活性剤ブレンドを生成した。このブレンドは、乳化剤として使用され得る。
【0084】
実施例17.エトキシ化モノグリセリドおよびシリカを含むレシチン混合物を用いた油回収。実施例16からのブレンドを、3%の親水性シリカと混合した。この新たなブレンドを、トウモロコシ油回収添加剤として実施例16からのブレンドと比較した。添加剤濃度は、添加剤(ポリソルベート80、実施例16のブレンド、実施例17のブレンド)を含有する3つの試料について、40gのCDSシロップ(エタノール工場からの凝縮蒸留可溶物(condensed distillers soluble)シロップ)の総重量を基準にして300ppmであった。試料を十分に混合し、20分間にわたって85℃の水浴に入れた。試料を浴から取り出し、4分間にわたって4500rpmで遠心分離した。添加剤を含有する試料からの油回収を、対照(添加剤なし)と比較した。
【0085】
対照と表示された
図9の一番左側のバイアルは、添加剤を有さず、上部に小さい油層を有する。ポリソルベート化学薬品と表示された
図9の左から2番目のバイアルは、添加剤ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を有し、上部に小さい油層を有する。実施例16と表示された
図9の左から3番目のバイアルは、実施例16からの添加剤(56重量%のレシチン(ADM)、30重量%のエトキシ化モノグリセリド(BASF)、11重量%のプロピレングリコール、および3重量%の大豆油)を有し、対照と表示されたバイアルまたはポリソルベート化学薬品と表示されたバイアルのいずれかと比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。実施例17と表示された
図9の一番右側のバイアルは、実施例17からの添加剤(3%の親水性シリカと混合された、実施例16のブレンド)を含有し、対照と表示されたバイアル、ポリソルベート化学薬品と表示されたバイアル、および実施例16と表示されたバイアルのいずれかと比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。
【0086】
実施例18:PEG 400モノオレエートおよびプロピレングリコールを含むレシチン混合物を用いた油回収。実施例12および16に加えて、油回収プロセスにおいて添加剤として有用な組成物を生成するためにレシチンに加えられ得る他の高HLB界面活性剤がある。56重量%のレシチン(ADM)、30重量%のPEG 400モノオレエート(BASF)、11重量%のプロピレングリコール、および3重量%の大豆油を混合することによって、レシチン補助界面活性剤ブレンドを調製したが、この混合は、30分間〜60分間にわたって常に撹拌しながら50℃で行われ、それによって、琥珀色の透明なレシチン補助界面活性剤ブレンドを生成した。このブレンドは、乳化剤として使用され得る。
【0087】
実施例19:PEG 400モノオレエート、プロピレングリコール、およびシリカを含むレシチン混合物を用いた油回収。実施例18からのブレンドを、3%の親水性シリカと混合した。この新たなブレンドを、トウモロコシ油回収添加剤として実施例18からのブレンドと比較した。添加剤濃度は、添加剤(ポリソルベート80、実施例16のブレンド、実施例17のブレンド)を含有する3つの試料について、40gのCDSシロップ(エタノール工場からの凝縮蒸留可溶物シロップ)の総重量を基準にして300ppmであった。試料を十分に混合し、20分間にわたって85℃の水浴に入れた。試料を浴から取り出し、4分間にわたって4500rpmで遠心分離した。添加剤を含有する試料からの油回収を、対照(添加剤なし)と比較した。
【0088】
対照と表示された
図10の一番左側のバイアルは、添加剤を有さず、上部に小さい油層を有する。ポリソルベート化学薬品と表示された
図10の左から2番目のバイアルは、添加剤ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を有し、上部に小さい油層を有する。実施例18と表示された
図10の左から3番目のバイアルは、実施例18からの添加剤(56重量%のレシチン(ADM)、30重量%のPEG 400モノオレエート(BASF)、11重量%のプロピレングリコール、および3重量%の大豆油)を有し、対照と表示されたバイアルまたはポリソルベート化学薬品と表示されたバイアルのいずれかと比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。実施例19と表示された
図10の一番右側のバイアルは、実施例19からの添加剤(3%の親水性シリカと混合された、実施例18のブレンド)を含有し、対照と表示されたバイアル、ポリソルベート化学薬品と表示されたバイアル、および実施例18と表示されたバイアルのいずれかと比較して、上層として分離されたより多い量のトウモロコシ油を有する。
【0089】
本発明は、特定の実施例を参照して説明されている。しかしながら、実施例のいずれかの様々な置き換え、変更、または組合せが、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに行われ得ることが、当業者によって認識されるであろう。したがって、本発明は、実施例の説明によって限定されず、原出願された添付の特許請求の範囲によって限定される。