(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869225
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】回転軸装置
(51)【国際特許分類】
H02K 7/14 20060101AFI20210426BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20210426BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20210426BHJP
H02K 7/108 20060101ALI20210426BHJP
F16D 28/00 20060101ALN20210426BHJP
F16D 43/18 20060101ALN20210426BHJP
【FI】
H02K7/14 C
G08C17/00 B
H02K7/116
H02K7/108
!F16D28/00 Z
!F16D43/18
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-505689(P2018-505689)
(86)(22)【出願日】2016年8月1日
(65)【公表番号】特表2018-530979(P2018-530979A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】EP2016068340
(87)【国際公開番号】WO2017021374
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月16日
(31)【優先権主張番号】102015000041494
(32)【優先日】2015年8月3日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514151524
【氏名又は名称】ピアッジオ・アンド・シー.・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヌーティ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】カンティーニ,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ミラニ,ジャンポール
【審査官】
三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06771031(US,B1)
【文献】
特開2015−057881(JP,A)
【文献】
特開2011−106564(JP,A)
【文献】
特許第5089056(JP,B2)
【文献】
特開2003−146196(JP,A)
【文献】
特開2004−232676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/14
G08C 17/00
H02K 7/108
H02K 7/116
F16D 28/00
F16D 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定されたケーシング(21)と、一つ以上の回転軸(8)の内、少なくとも一つに不可欠な駆動手段と、を備え、各駆動手段は独自の統合された制御及び電力供給部(11,25)を有する、回転軸装置であって、
前記制御及び電力供給部(11,25)に接続され、前記回転軸(8)の一つ以上を少なくとも部分的に囲うよう配置され、前記回転軸(8)に不可欠であり、前記制御及び電力供給部(11,25)によって受信されて関連する前記駆動手段を駆動する信号の導波管として前記回転軸(8)が作用する、一つ以上の環状アンテナ(24)と、
前記ケーシング(21)と一体的であり、前記回転軸(8)の内、一つ以上と関連付けられて前記一つ以上の環状アンテナ(24)に信号を送る無線送信手段(26)と、を備える回転軸装置。
【請求項2】
前記環状アンテナ(24)は前記回転軸(8)を全体的に囲う、請求項1に記載の回転軸装置。
【請求項3】
前記環状アンテナ(24)は円形である、請求項1又は2に記載の回転軸装置。
【請求項4】
前記環状アンテナ(24)は、前記回転軸(8)と同軸となるよう配置される、請求項2又は3に記載の回転軸装置。
【請求項5】
前記ケーシング(21)と一体的な前記無線送信手段(26)は、前記回転軸(8)の軸方向突出部を少なくとも部分的に囲う環状の送信アンテナを有する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の回転軸装置。
【請求項6】
前記環状の送信アンテナは、前記回転軸(8)の前記軸方向突出部を全体的に囲う、請求項5に記載の回転軸装置。
【請求項7】
前記環状の送信アンテナは円形である、請求項5又は6に記載の回転軸装置。
【請求項8】
前記環状の送信アンテナは、前記回転軸(8)と同軸となるよう配置される、請求項6又は7に記載の回転軸装置。
【請求項9】
前記制御及び電力供給部(11,25)に接続される前記環状のアンテナ(24)は、受動型である、請求項1に記載の回転軸装置。
【請求項10】
前記ケーシング(21)には、前記駆動軸に対して半径方向に位置決めされる複数の永久磁石(9)が設けられ、
電力供給のために前記制御及び電力供給部(11,25)に接続される、前記回転軸(8)と一体の電気巻線(10)を更に備える、請求項1乃至9の何れか1項に記載の回転軸装置。
【請求項11】
前記駆動手段の一部を構成するステータ(13)とロータ(14)を含み、前記回転軸(8)と一体の電気モータ(12)を更に備える、請求項10に記載の回転軸装置。
【請求項12】
前記電気モータ(12)は前記巻線(10)によって供給される、請求項11に記載の回転軸装置。
【請求項13】
前記制御及び電力供給部(11,25)は、AC/DC変換器を含む、請求項12に記載の回転軸装置。
【請求項14】
作動型シンクロナイザ(20)である、請求項1乃至13の何れか1項に記載の回転軸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号での駆動が要求され、エネルギーが供給される、一つ又は複数の回転軸に不可欠な駆動手段を有する回転軸装置(rotating shaft device)に関する。
【背景技術】
【0002】
非制限的な例として提供される一例は、車両、特にオートバイに搭載して使用され得るスピード・トランスミッション用のシンクロナイザによって構成され、この場合、同期は、例えば遠心シンクロナイザのように、ある回転状態で自動的に自身を活性化又は外部から機械的に駆動されない受動型システムでは制御されない。
【0003】
回転軸にとって不可欠な作動の最も明らかな問題は、作動を制御するユニットに活性化信号(activation signal)を供給する巻線に接続できないことである。
【0004】
しかしながら、信号は、例えば摺動接触又は回転軸装置の補強部上の電磁石を用いる等、多くの方法で伝達されてもよく、このとき、磁場の変動は回転軸に設けられたセンサによって検出され得るが、これらのシステムは構造が複雑なため設計は容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、公知の技術を参照して説明した欠点を取り除くことができる回転軸装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような問題は、添付の特許請求の範囲の請求項1に記載された装置によって解決される。
【0007】
本発明に係る回転軸装置の主な利点は、駆動手段を支持する回転軸を実質的に導波管として利用することにあり、アンテナは回転状態に影響を及ぼされることなく信号を受信する理想的な位置に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の図面を参照して、制限目的でなく一例として提供される好ましい実施の形態に従って以下に説明される。
【
図1】本発明に係る回転軸装置、特にシンクロナイザの不等角投影図である。
【
図3】
図2の断面A−Aで取られる、
図1におけるシンクロナイザの第1の部分断面図である。
【
図4】
図2の断面B−Bで取られる、
図1におけるシンクロナイザの第2の完全断面図である。
【
図5】本発明に係る装置の動作スキーム(Scheme)を示す図である。
【
図6】装置の応用の詳細を示す不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至
図4を参照するに、全体として符号20が付与されたシンクロナイザは、集積基板を含む作動手段と、回転軸と一体の制御駆動部を有し、直接的な電力供給と制御駆動部に信号を送信する結線システムが設けられていない回転軸装置が一例として以下に説明される。
【0010】
本願明細書に記載のシンクロナイザは作動型(actuated type)であり、つまり、回転状態にかかわらず、特にそれの回転体制(rotation regime)から外部駆動制御を受信したとき、同期機能を実行し、挿入されるトランスミッションの制御ロジックを可能にし、及び/又は速度変化と関連して、いつ伝達比が同期されるべきかをドライバに判断させるタイプである。そのため、このようなシンクロナイザは、それの動作パラメータと関連する状態が起きたときに同期を自動的に作動させるシンクロナイザとは異なっている。
【0011】
以下の説明は、このシンクロナイザの一例だけでなく、全ての作動型シンクロナイザ、並びに駆動手段を有する全ての回転軸装置にも適用され得るものであり、該駆動手段は、対応する回転軸に引きずり込まれ、制御ロジックによって、及び/又はオペレータによって制御信号の送信またはステータス信号等の受信により駆動される。
【0012】
本例のシンクロナイザ20は、1次軸8を有し、1次軸8にはローラ・コンベヤ7を間に介在させて支持素子2が組み付けられ、その上にシンクロナイザのベル状部材1が重ねられる。このようにして、支持素子2は、1次軸8に旋回可能に組み付けられる。
【0013】
支持素子2は、1次軸8から半径方向に延在する板の形状を有し、1次軸8と同軸の摩擦内側円筒面を有するベル状部材1内に収容されている。
【0014】
図3を参照するに、支持素子2上には第1のラック6が設けられ、該第1のラックも回転に引きずられる。ラック5にはギア5が係合され、ギア5は反対にシュー3の内面に形成される第2のラック19と係合される。通常の状態下では、支持素子2の外側エッジと同一平面内で支持素子2から突出しない円形外形を有し、支持素子2の外側エッジ内に外接されてその内部に収容され、通常の状態下ではベル状部材1と干渉し得ない。
【0015】
シュー3は、細長い形状を有し、ベル状部材1の内側円筒面18に対向する摩擦表面としての外側面を有している。
【0016】
このような外側面は、シューの端部に、好適な材料のコーティングによって与えられる一対のライニング16を有している。つまり、ライニング16上に形成される二つの摩擦表面はベル状部材1の内側円筒面18と摺動摩擦を実施するのに好適であり、支持素子2に対してベル状部材1の回転を遅くさせることができる。
【0017】
通常の状態下では、シュー3全体が支持素子2の内部に収容されているため、各ライニング16上に形成される摩擦表面とベル状部材1の内側円筒面18とが接触することはない。
【0018】
シュー3は、一対の接合アーム4により支持素子2に拘束され、一対の接合アームは、第1のラック6の端部とシュー3の端部にヒンジ付けされて、アーム4がレバーとなる接合された四辺形を形成している。アームは、広く離間して配置され、回転軸の隣りで接合部を通る半径よりも大きく傾いている。この傾きの値は、摩擦システムに与えることが望ましい感度に応じて0°乃至20°である。
【0019】
実際に、アームの何れか一方を時計回り及び反時計回りの両方向にある角度だけ動かすことによって、シュー3は、支持素子2の外側の円形外形に追随しなくなり、ベル状部材1の内側円筒面18と干渉することによって一方の端部が突出する位置を取り得ることに注意すべきである。
【0020】
アーム4の回転は、シュー3に作用する遠心力によって決定される休止位置に対するサイドシュー3の並進を決定する。
【0021】
この移動(shifting)は、平衡位置からの移動を表し、以下に説明するシュー3を並進させる手段によって生じ得る。アーム4の影響により、シュー3は、アーム4の両回転方向においてベル状部材1の内側円筒摩擦表面との干渉を生じさせる所定の軌跡に追随せざるを得ないことに注意すべきである。
【0022】
本例では、この移動は、支持素子2と一体の第1のラック6に対して第2のラック19に介入することによってシュー3を横方向に移動させることができるギア5の回転によって生じ得る。
【0023】
以下に説明するようにして回転作動されるギア5と第1のラック6は、シュー3を横方向に並進させる手段を構成している。
【0024】
シンクロナイザ20は、軸自体の回転速度に依存しない作動手段を用いて、1次軸8からベル状部材1への動きの伝達を可能にする。すなわち、作動は、ある所定の回転状態の発生に依存せず、常に制御され得る。
【0025】
特定のシステムは、係合されたギアから独立し、且つエンジン状態とは独立して排気ブレーキの効果を発揮できることを追加的な特徴として保証することにより、常に各ギアを選択する可能性を与えるスピード・トランスミッションの一体部分である。
【0026】
このようなシンクロナイザを用いたスピード・トランスミッションでは、ギアは、回転状態だけには基づかず、幾つかの動作パラメータを考慮してドライバ又はサーボシステムによって選択される。
【0027】
システムの平衡構成では、シュー3と第1のラック6は同じ角速度で回転され、その間に配置されるギアさえも同じ速度で回転され、アーム4に対して中心位置で保持されている。
【0028】
しかしながら、回転が制御される場合には遊星配置として動作し得る。
【0029】
ギア5の軌跡が円の弧に沿って展開されないため、シュー3の内側面及びラック6の歯状外形は好適な展開と、ギア5の妨害を生ずることなくシューに並進させるクリアランスを有すべきである。
【0030】
シンクロナイザ20は、ベル状部材1と結合されて略閉空間を形成する
ケーシング21を有している。
ケーシング21には、つまり、その内側円筒面には、駆動軸に対して半径方向に位置決めされる複数の永久型磁石9が設けられている。
【0031】
ケーシング21は、1次軸8と同軸に組み付けられ、1次軸と一緒に回転する、ステッピングタイプの軸流電気モータ12を更に含み、該モータは、互いに対向するステータ13とロータ14を有している。ロータ14には、1次軸8に対するギア5の回転を保証する溝付きの外形(grooved profile)15が設けられている。
【0032】
本解決策では、回転速度及び素子の関連する位置は正確に知られていなくてはならない。速度と、その結果の回転角度は、電気巻線10も含む
ケーシング21と一体的な複数の磁石9によって生成される磁気誘導を用いて検出される。
【0033】
巻線10における磁気誘導の効果により、内部で交流電流が生成される。
【0034】
最後に、装置は、幾つかの構成要素が実装されたプリント回路基板11を含み、中でも、ステッピングモータ12に供給する必要がある、巻線10によって生成される電流を好適に整流し変調するAC/DC変換器と、
ケーシング21の外部から信号を受信して制御信号に変換し、この信号に応じて電気モータ12のロータ14を回転させることができる制御及び電力供給部、つまり、遠隔制御作動システムが実装されている。
【0035】
これに関して、電気モータ12は、前述の通り、本例では回転軸装置を作動する手段を構成しており、基板11には統合された制御及び電力供給部も含んでいる。
【0036】
ステッピングモータに組み付けられたプリント回路基板上で電力供給及び制御が直接実施され、このタイプの解決策により全ての摺動接触が排除され、レイアウトや確実性が相当単純化される。しかしながら、ドライバとスレーブ制御部の両方から来る活性化信号は、ステッピングモータに伝達される必要がある。
【0037】
これに関して、基板11に実装された電子機器において、信号を受信し、正確に解釈して、ステッピングモータ12をリアルタイムで好適に制御できる受信器が含まれる必要がある。
【0038】
信号が伝達されるスキームは、
図5を参照して説明される。
【0039】
このようなスキームは、軸8と一体的なシステムの回転によって生成される磁場の変動を利用することにより、プリント回路基板の電力供給に使用される交流電圧を生成する、上述の電力供給巻線10を有している。制御部の動作に必要なエネルギーが外部からではなく、装置の回転素子から得られることに注意すべきである。
【0040】
これに関して、基板11上では、AC/DC変換器22は、巻線10によって生成される交流電圧を、プリント回路基板11の電力供給に使用される調節された直流電圧への変換を実行する。
【0041】
更に、制御部は、モータ12のステータ13を駆動するドライバ23と、外側伝達を管理するシステムから制御を受けるために必要な電磁石型の信号を受信するのに適切な環状アンテナ24を有している。
【0042】
例えば、アンテナ24は、マイクロ波の場又は無線周波数の一つで動作し得る。
【0043】
制御部では、マイクロコントローラ25は、外側制御部、つまり、本例ではトランスミッション26を管理するマスターからの制御を環状アンテナ24から受信し、ステッピングモータ12のドライバ23を管理してロータ14の制御された回転を制御する。
【0044】
本スキームでは、トランスミッション26を管理するマスターは、回転軸8の軸方向突出部が軸に配置された、便宜上円形の好適なアンテナを用いて電磁信号によりシンクロナイザを作動させるリクエストを送信する。
【0045】
特定の用途では、一つ以上設けられてもよい環状アンテナ24は、回転軸8を囲うように配置され、本例では、回転軸と一緒に回転するため一体化されるプリント回路基板11の支持部27に配置される(
図6)。
【0046】
本例では、制御部、つまり、マイクロコントローラ25は、ジェネレータ10から供給されることにより、環状アンテナ26から制御信号又は全ての他のタイプの信号を受信し、ドライバ23を用いてモータ12のロータ14の回転を制御する。
【0047】
つまり、制御部は、ロータ14の軸8に関連するステータス及び/又は位置をマスター26と通信することもできる。一般的に、このように実施される通信は、回転軸8を常に導波管として用いる双方向型である。
【0048】
これを実施するためには、制御及び電力供給部に接続される受信用環状アンテナ24と送信環状アンテナの両方が環状であり、円形であり、それぞれの回転軸に対して且つ軸方向突出部に対して同軸となるよう配置されることが好ましい。
【0049】
しかしながら、軸が導波管として作用するよう、受信用環状アンテナ24は、必ずしも軸に対して同軸で円形でなくてもよく、軸を少なくとも部分的に囲うだけで十分である。
【0050】
同様にして、送信アンテナは、環状でなくてもよく、必ずしも軸に対して同軸で円形でなくてもよく、軸の軸方向突出部を少なくとも部分的に囲うだけで十分である。
【0051】
ケーシング21に組み付けられた一つ以上の磁石9によって生成される磁場と関連付けられる巻線10の回転により、基板11の電力供給も可能である。しかしながら、例えば電池等の他の電力供給システムも可能である。
【0052】
従って、本願明細書に記載の通信システムは、一般的に、以下により構成される。
・環状であり、円形であり、回転軸に対して中心化されている、つまり、回転軸に対して対称的で同軸であることが好ましいアンテナを用いて、受信用アンテナに電磁信号を発信するマスター制御部であって、送信アンテナが回転軸に対して固定され得る、マスター制御部と、
・マスター中央部によって生成される電磁場を受信用アンテナに伝達する導波管の機能を有する回転軸、この場合、クランクシャフトであって、導波管機能が軸の回転によって無効化されない、回転軸と、
・円形であることが好ましい、参照する回転軸に対して中心化され、回転軸と同軸となる環状の受信用アンテナであって、回転軸と一体的で回転に引きずられる、環状の受信用アンテナと、
・回転軸と一体的で回転に引きずられる一つ以上のスレーブシステムであって、本例では、基板11上に実装される制御及び電力供給部によって構成される、スレーブシステムと、によって構成される。
【0053】
電磁無線信号の送信により、回転軸と一体の電子システムと通信することが可能となる。クランクシャフトは、
ケーシングと一体のステータのマスター電子システムから回転する電子システムと、その逆に対して導波管の機能を担う。
【0054】
しかしながら、固定された送信アンテナは、回転しないため、従来のアンテナでもよく、環状である必要はない。
【0055】
クランクシャフトと同軸のアンテナは、本システムで高信号対ノイズ比を得ることにより、電磁場と交差される。
【0056】
この新しいタイプの伝達システムにより、受信用の環状アンテナは、簡単な電磁誘導によって、供給部からの電圧がない場合でも弱いがチップスレーブに電力を供給するのに十分な電流を生成することが可能となる。この場合、環状アンテナは、RFIDタグにおけるように受動的に動作し得る。
【0057】
しかしながら、通信は双方向でもよく、制御部はステータス信号を、ある場合には、事前設定された作動制御をスレーブからマスターに送信することができる。
【0058】
更に、マスターは、一つの単一の回転軸を導波管として用いることにより、或いは、より複雑なシステムでは、例えば複雑な作業機械で起こり得るように、同目的のために幾つかの回転軸を用いることにより、単一のアンテナに接続されるか、上述したように受信用アンテナを有する一つ以上のスレーブと通信する可能性を有している。複数のアンテナは、対応する制御部に、又は幾つかの作動システムを管理する単一の制御部に接続され得る。
【0059】
シンクロナイザの分野において上述した通信システムは、全ての種類の回転軸装置に適用可能である。包括的ではないが、例として、全ての種類の作業機械、ピストンまたは回転部を含む内燃機関、タービン、ポンプ、ファン、遠心性及び軸性の航空ジェネレータ、プロペラシステム、機械ツール、スピード・トランスミッション、シンクロナイザ、摩擦クラッチ等を含み、つまり信号に応じて作動されなくてはならない機構を回転軸が回転に引きずり、ステータス信号は逆ルートを取り扱わなければならない。
【0060】
更に、回転型のモータを有する作動手段についての記載は、リニア型のモータにも当てはまる。
【0061】
上述の回転軸装置に関して、追加的且つ付帯的な必要性を満たす目的で、当業者は、特許請求の範囲によって定義される本発明の保護範囲内に全て含まれる幾つかの変更態様及び変形例が考えられる。