特許第6869251号(P6869251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869251
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】バラスト収容装置を備えた機械
(51)【国際特許分類】
   E01B 27/06 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   E01B27/06
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-539366(P2018-539366)
(86)(22)【出願日】2017年1月2日
(65)【公表番号】特表2019-503442(P2019-503442A)
(43)【公表日】2019年2月7日
(86)【国際出願番号】EP2017000001
(87)【国際公開番号】WO2017129345
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】A44/2016
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ブルニンガー
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−508838(JP,A)
【文献】 特開平05−202503(JP,A)
【文献】 実開昭56−051803(JP,U)
【文献】 実開平03−069004(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道の下側にあるバラストを、チェーン通路(14)内にガイドされた無端の除去チェーン(8)によって収容するためのバラスト収容装置を備えた機械であって、前記チェーン通路(14)は、前記軌道(4)の下側にある横方向通路(15)と、空通路(16)と、バラスト搬送のために設けられた搬送通路(17)とから構成されており、前記横方向通路(15)から前記搬送通路(17)への結合ジョイント(18)内に、旋回軸線(19)を中心として旋回可能なバラストガイド翼(20)が取り付けられている、機械において、
前記バラストガイド翼(20)に、前記旋回軸線(19)の方向にバラストを搬送するためのコンベヤ駆動装置(23)によって形成されるバラストコンベヤ(24)が配置されていることを特徴とする、バラスト収容装置を備えた機械。
【請求項2】
前記バラストコンベヤ(24)が、駆動装置(27)によって前記バラストガイド翼(20)に対して相対的に高さ調節可能に形成されている、請求項1記載の機械。
【請求項3】
高さ調節のために設けられたガイド(28)が、前記旋回軸線(19)に対して平行に配置されている、請求項2記載の機械。
【請求項4】
前記バラストコンベヤ(24)が、前記バラストガイド翼(20)の翼平面(26)に対して垂直方向に延びる軸線(29)を中心として旋回可能に形成されている、請求項1、2または3記載の機械。
【請求項5】
前記バラストコンベヤ(24)が、回転軸線(25)を中心として回転可能なスクリューコンベヤとして形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の機械。
【請求項6】
前記バラストコンベヤ(24)は、互いに離間した2つの軸線(30)を中心として変向可能な、複数のショベル(31)を有するコンベヤチェーンとして形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の機械。
【請求項7】
前記バラストガイド翼(20)は、旋回駆動装置(21)により前記旋回軸線(29)を中心として調節可能に形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の機械。
【請求項8】
運動報知または距離測定のために設けられた電子的なセンサ(33)が、前記旋回駆動装置(21)の自動的な作動のために、有利には前記バラストガイド翼(20)に直接に配置されている、請求項7記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道の下側にあるバラストを、チェーン通路内をガイドされた無端の除去チェーンにより収容するためのバラスト収容装置を備えた機械であって、チェーン通路が、軌道の下側にある横方向通路と、空通路と、バラスト搬送のために設けられた搬送通路とから構成されており、横方向通路から搬送通路への接続ジョイント内に、旋回軸線を中心として旋回可能なバラストガイド翼が取り付けられている、バラスト収容装置を備えた機械に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなバラスト収容装置は、たとえば欧州特許出願公開第2238296号明細書から公知であり、軌道の下側にあるバラストをクリーニング篩へと搬送するために使用される。軌道の側方で横側に架線柱が位置するや否や、除去チェーンの、横方向通路の長さによって規定される使用幅が制限されてしまう。隣り合った架線柱の間に位置するバラストは、クリーニングされないままになってしまうか、またはクリーニング機の使用前に軌道に向かう方向へと移動させる必要がある。
【0003】
欧州特許第0152643号明細書によれば、バラスト収容装置が知られている。このバラスト収容装置の、分岐器またはクロッシング部の処理のための使用範囲は、旋回可能な補助掘削チェーンまたはパワーショベルにより変更可能である。分岐器区分に適合されたこのような形態は、極めて高い構造上の付加的な手間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式の機械を改良して、簡略化された構造的な手段によってバラスト収容装置の使用範囲の迅速な拡大を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた形式の機械において、バラストガイド翼に、旋回軸線の方向にバラストを搬送するためのコンベヤ駆動装置によって形成されるバラストコンベヤを配置することによって解決される。
【0006】
このような解決手段は、構造的に極めて単純な構成に対してさらに以下の利点を有している。すなわち、バラストコンベヤは、需要に応じて極めて迅速に作業位置へ、または同様に極めて迅速に非作動位置へと移動可能である。この非作動位置では、バラスト収容装置は、引き続き全く妨げられずに、バラスト収容に影響を与えることなしに使用することができる。バラストガイド翼の旋回による、作動位置および非作動位置の間での迅速な交替によって、なんの制限もなしに、バラスト収容装置を連続的な機械走行において持続的に使用することが可能である。バラストコンベヤは、バラストコンベヤが全く妨げられずにこれまでに公知の機能を満たすことができるように、バラストガイド翼に位置決めすることができる。既に使用されているあらゆる機械に極めて簡単に後装着可能である。
【0007】
本発明の別の利点は、従属請求項および図面の説明から判る。
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施形態に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】バラストをクリーニングするためのバラスト収容装置を備えた機械の側面図である。
図2】バラスト収容装置の一部を拡大して示す上から見た平面図である。
図3】別の態様を示す図である。
図4】別の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示した機械1は、レール走行装置2によって作業方向3で軌道4上を走行可能であり、バラスト6を収容するための、図1では作業状態で示されたバラスト収容装置5を有している。高さ調節可能なバラスト収容装置5は、図2から判るような、駆動装置35によって回転方向7で回転可能な無端の除去チェーン8を有している。除去チェーン8により軌道4の下側で収容されたバラスト6は、投下端部9を介して篩い装置10内にクリーニングのために投下される。コンベヤベルト11は、クリーニングされたバラスト6の投下のために、軌道リフト装置12の直後に設けられている。クリーニングにより生じた屑は、コンベヤベルト13によって運び去られる。
【0011】
無端の除去チェーン8は、横断面に関してほぼU字形のチェーン通路14内でガイドされる(図2を参照)。このチェーン通路14は、作業状態では軌道4の下側にある横方向通路15と、空通路16と、バラスト搬送のために設けられた搬送通路17とから構成されている。横方向通路15から搬送通路17への結合ジョイント18内に、バラストガイド翼20が取り付けられている。このバラストガイド翼20は、液圧式の旋回駆動装置21によって、バラスト掘削平面22に対して垂直方向に延びる旋回軸線19を中心として旋回可能である。
【0012】
図2図4から判るように、バラストガイド翼20には、横方向通路15に面した翼平面26に、旋回軸線19に向かう方向へバラストを搬送するためのコンベヤ駆動装置23によって形成されるバラストコンベヤ24が配置されている。このバラストコンベヤ24は、バラスト掘削平面22に対して平行に、かつ翼平面26に対して平行に延びる回転軸線25を中心として回転可能な搬送スクリューコンベヤとして形成されている。
【0013】
図3から判るように、バラストコンベヤ24は、別の態様では、駆動装置27により、バラストガイド翼20に対して相対的に高さ調節可能に形成されている。高さ調節のために設けられたガイド28は、旋回軸線19に対して平行に延びている。
【0014】
図3に概略的に示した態様によれば、バラストコンベヤ24は、バラストガイド翼20の翼平面26に対して垂直方向に延びる旋回軸線29を中心として旋回可能に形成されている。
【0015】
図4において判るように、バラストコンベヤ24は、互いに離間した2つの軸線30を中心として変向可能な、複数のショベル31を有するコンベヤチェーン32として形成されていてもよい。
【0016】
運動報知または距離測定のために設けられた電子的なセンサ33(図2)が、旋回駆動装置21の自動的な作動のために、直接にバラストガイド翼20に配置されており、架線柱34の自動的な検出のために役立つ。
【0017】
以下に、本発明を使用時に関して詳しく説明する。機械1は、バラストクリーニングのために連続的に作業方向3へと走行する。その際に、横方向通路15の領域において、軌道4の下側にあるバラスト6が捕らえられ、結合ジョイント18に向かう方向へと送られ、次いで搬送通路17内で投下端部9にまで持ち上げられるように搬送される。このとき、軌道4に関するバラストガイド翼20の位置は一定であり、架線柱34を問題なしに通過可能であるようになっている。
【0018】
架線柱34を通過するや否や、このことはセンサ33により確認され、したがってセンサ33は自動的に旋回駆動装置21の作動をアクティブにする。これによって、バラストガイド翼20が、バラストコンベヤ24と共に外方に向かって旋回され、バラストコンベヤ24は、今やコンベヤ駆動装置23のアクティブ化後に、活動範囲内に位置するバラスト3の搬送のために回転される。この形式によって横方向通路15から搬送通路17への移行部に向かう方向に搬送されたバラスト3は、最終的には自動的に回転する除去チェーン8によって捕らえられ、搬送通路17内で投下端部9にまで持ち上げられるように搬送される。駆動装置27により、バラストガイド翼20によって積み重ねられたバラスト量へのバラストコンベヤ24の最適な適合が可能である。
【0019】
次に続く架線柱34がセンサ33の作動半径内に入る否や、バラストガイド翼20は、問題のない通過のために自動的に出発位置へと戻るように旋回される。バラストガイド翼20の旋回は、当然、オペレータによって手動で制御することもできる。架線柱34の間にバラスト3が位置していない場合、当然ながらバラストコンベヤ24のアクティブ化は必要ではない。バラストコンベヤ24は、むしろ持続的に非作動位置に留まり、その際にバラストガイド翼20の既に公知の機能は制限されずに提供される。有利には、センサ33は音響的かつ/または視覚的な警告信号を作動させることもできる。
図1
図2
図3
図4