特許第6869267号(P6869267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6869267熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869267
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステム。
(51)【国際特許分類】
   F02C 6/00 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   F02C6/00 C
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-564354(P2018-564354)
(86)(22)【出願日】2018年10月1日
(65)【公表番号】特表2020-535339(P2020-535339A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】BG2018000036
(87)【国際公開番号】WO2020047619
(87)【国際公開日】20200312
【審査請求日】2019年5月10日
(31)【優先権主張番号】112798
(32)【優先日】2018年9月3日
(33)【優先権主張国】BG
(73)【特許権者】
【識別番号】518431750
【氏名又は名称】コレヴ,ニコラ トドロフ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】コレヴ,ニコラ トドロフ
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08141360(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0016980(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0325981(US,A1)
【文献】 特開平04−272431(JP,A)
【文献】 特表2008−533369(JP,A)
【文献】 特開2015−169124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムであって、
燃焼室を備え、前記燃焼室の排出口は主要ガスターボチャージャーのガスタービンの入口に接続され、主要ガスターボチャージャーのガスタービンの排出口は第二ガスタービンに接続され、主要ガスターボチャージャーの遠心コンプレッサーの排出口は、機械式モジュールに接続され、シリンダーブロックとして実装される機械式モジュール(17)への遠心コンプレッサー(2)の接続は、第一圧力変換器(20)、第四バルブ(19)、吸気マニホルド(16)、およびその対応する分岐(18)を連続的にシリンダーブロック(17)の各シリンダー(27)のボリュームに接続することを介して実現され、各シリンダー(27)の排出口は排気マニホルド(21)に接続され、後者の排出口は第二圧力変換器(22)、および第五バルブ(23)を介して大気に繋げられ、排気マニホルド(21)の排出口はエジェクター(3)の内パイプ(4)にも接続され、エジェクター(3)の外パイプ(5)は第三バルブ(15)を介して電気コンプレッサー(11)に接続され、電気コンプレッサー(11)の排出口は第三バルブ(15)、および第一バルブ(12)に同時に接続され、その後、第二バルブ(13)を介して燃焼室(8)に、吸気マニホルド(16)、および吸気マニホルド(16)の対応する分岐(18)を介してシリンダーブロック(17)のそれぞれのシリンダー(27)に同時に接続され、第二ガスタービン(7)は第二ガスターボチャージャーの一部であり、第二ガスターボチャージャーの第二遠心コンプレッサー(6)の排出口はエジェクター(3)の入口に接続され、燃焼室(8)は、ディスペンサー(10)を介して燃料タンク(9)に接続され、および点火プラグ(14)に電気接続され、システムはさらに電源供給ユニット(25)によって動力が供給された制御ユニット(24)を有し、制御ユニット(24)は燃料タンク(9)、ディスペンサー(10)、電気コンプレッサー(11)、点火プラグ(14)、第一バルブ(12)、第二バルブ(13)、第三バルブ(15)、第四バルブ(19)および第五バルブ(23)に加えて、第一圧力変換器(20)、および第二圧力変換器(22)にも電気接続され、シリンダーブロック(17)には、シリンダーブロック(17)のシリンダー(27)を閉じる分配プレート(26)が備えられており、長手軸の水平の円筒状ダクトは分配プレート(26)の長手軸に沿って構成され、そのダクトにおいて、自由回転を可能にするように、円筒状の分配軸(28)が形成され、各シリンダー(27)の上の領域の分配プレート(26)において、空気取入(29)、および排気(30)を排出するための、一組の相対する水平横ダクトがそれぞれ構成されていて、それらの軸は1つの平面にあって、互いに平行し、分配プレートの長手軸に垂直し、互いに対して一定の距離でオフセットされており、空気取入(29)、および排気(30)のための、水平横ダクトの端部は、それぞれ空気取入開口部、および排気排出開口部として構成され、各水平横ダクト(29)の空気取入開口部は、シリンダー(27)の吸気マニホルド(16)の対応する分岐に接続され、各水平横ダクト(30)の排気排出開口部は、排気マニホルド(21)に接続され、分配軸(28)の下の、および各シリンダー(27)の上の分配プレート(26)において、垂直ダクト(33)が空気取入、および排気排出のために構成され、分配軸(28)は滑らかなシリンダーとして実装され、互いと一定の距離を置いて、かつ各シリンダー(27)の上の領域に、空気取入開口部(31)と排気排出開口部(32)がそれぞれ構成され、前記開口部は分配軸(28)の径に沿って切られ、かつ互いに対して配置され、それにより、垂直ダクト(33)を介して各シリンダー(27)を、水平横空気取入ダクト(29)に断続的、かつ順次に接続し、加えて、垂直ダクト(33)を介して、各シリンダー(27)を、排気を排出するための各水平横ダクト(30)に断続的、かつ連続的に接続し、分配軸(28)はギア伝動によって、クランク軸(34)によって駆動され、分配軸(28)の各空気取入開口部(31)は、ピストン(35)が上死点の上を2−3度通った際に、垂直ダクト(33)を通って吸気マニホルド(16)をそれぞれのシリンダー(27)に接続させ、およびピストン(35)が下死点に到達する前に、水平空気取入ダクト(29)の開口部を閉じるように構成され、排気を排出するための各開口部(32)は、ピストン(35)が下死点の前の位置に到達した際に、垂直ダクト(33)を通して排気マニホルド(21)に排気を排出するために、前記排気排出開口部が水平横ダクト(30)の開口部に対して配置されるように構成される、
ことを特徴とする、熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素系燃料燃焼によって生成されたパワーを消費する全てのシステムに適用可能であって、様々な工学分野において内燃機関(ICE)に取って代わる、熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
炭素系燃料の燃焼による有毒酸化物の生成は内燃機関の大きな問題である。燃料燃焼プロセスは有効ではない。炭素系燃料の燃焼は、下記のより重要な要因によって悪化する:CO2燃焼生成物の分子の量が、酸化の後に燃料分子における炭素原子の数より常に少ないこと;酸素が炭素系燃料の分子に連結されるに必要な時間が短く、粒子が燃焼していないままであること;燃焼プロセスにおいて発生する高温および高圧が、有毒窒素酸化物、すなわちNOを生成し、そして気化および燃焼が発生する小さなスペースが、熱エネルギー生成のプロセスの品質を悪化させること。内燃機関の燃焼室における多量の酸素の取り込みのために、慣性等に基づいた充填コンプレッサーが用いられる。より多くの酸素を内燃機関のシリンダーへと装填することは、パワーの増加を目的とした全ての現代的な変化の唯一の目的である。内燃機関の全ての改善には、吸気マニホルドにより多くの空気を飛ばすことにより気化および燃焼を向上させる課題がある。多量の酸素は、CO2を形成する炭素系燃料のより多くの分子を酸化させるが、気化の状況、および酸化の所要時間を変化させない。高価な触媒が有毒酸化物の量を減らすために導入される。この長期的な欠陥の結果を減少させる、部分的解決法が適用されている。しかし、高温高圧で短期間にわたって、少量で生じる、内燃機関における気化、および燃焼という長期的な欠点が未だに存在しており、なぜならば、圧縮の終わりに圧力が上昇し、かつ燃焼の終わりに最大圧力が著しく上昇するからであり、その結果として、摩擦によって増加した損失が発生し、および構造の強度を高めるという必要性も増えている。
【0003】
冷却、分配および燃料噴射用の付属機器はパワーを消費し、内燃機関の効率を下げる。現在、内燃機関の動作中に放出される最小限の有毒生成物の規準は満たされておらず、このことがそれらの製造および使用の禁止が要求されている理由である。内燃機関上で運転する電源ユニットを他の合理的なシステムに置き換えることによって、有毒廃棄物を放出することなく、CO2を形成する炭素系燃料の98−99%酸化を達成し、かつユニット当たりの燃料消費量を減少させる、という大きなニーズがある。
【0004】
既知のシステムの欠点は、動作する内燃機関からの廃ガスとともに、空気が燃焼室に入ってくるため、絶えずに動作する内燃機関と大量の有毒廃棄物が原因で増加した燃料消費であり、このことは低効率の理由となる。このシステムは、パワーを消費する、多くの冷却、分配、および燃料噴射装置、およびユニットから構成され、システムの効率はそれらによってさらに下げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US8141360
【発明の概要】
【0006】
本発明の目標は、熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムを作り出すことであり、該システムは、燃料消費が低く、有毒廃棄物を排出しない少ないCO2排出をもたらし、効率を上昇させ、かつ新製品に導入されることに加えて、既に当該技術分野で使用されている内燃機関の再構成へと組み込まれることができる。
【0007】
この課題は、熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムにより解決され、当該システムは燃焼室を備え、燃焼室の排出口は主要ガスターボチャージャーのガスタービンの入口に接続され、ガスタービンの排出口は第二ガスタービンの入口に接続される。主要ガスターボチャージャーの遠心コンプレッサーの排出口は、機械式モジュールに接続される。本発明によれば、シリンダーブロックとして構成される機械式モジュールの、遠心コンプレッサーへの接続は、第一圧力変換器、第四バルブ、吸気マニホルド、およびその対応する分岐をシリンダーブロックの各シリンダーのボリューム(volume)に接続することで確立される。各シリンダーの排出口は排気マニホルドに接続され、次に、排気マニホルドの排出口は第二圧力変換器、および第五バルブを介して大気に繋げられる。排気マニホルドの排出口はエジェクターの内パイプにも接続され、その外パイプは第三バルブを介して電気コンプレッサーに接続され、その排出口は、第三バルブならびに第一バルブに同時に接続され、後者は第二バルブを介して燃焼室に、かつ吸気マニホルドと、吸気マニホルドの対応する分岐とを介して、シリンダーブロックの各シリンダーに同時に接続される。第二ガスタービンは第二ガスターボチャージャーの一部である。第二ガスターボチャージャーの第二遠心コンプレッサーの排出口は、エジェクター入口に接続される。燃焼室は、ディスペンサーを介して燃料タンクに接続され、かつ点火プラグに電気接続される。システムは、さらに電源供給ユニットに接続された制御ユニットを有する。制御ユニットは、第一および第の圧力変換器に加えて燃料タンク、ディスペンサー、電気コンプレッサー、点火プラグ、第一、第二、第三、第四および第五バルブにも電気接続される。シリンダーブロックには、シリンダーブロックのシリンダーを閉じる分配プレートが備えられている。分配プレートの長手軸に沿って、長手方向の水平の円筒状ダクトは通され、その中では、円筒状の分配軸が自由な回転を可能にする方法で一体化される。各シリンダー上の領域の分配プレートにおいて、空気供給、および排気排出のための1組の相対する水平横ダクトが構成され、そのダクトの軸は一つのプレート内に、互いに平行して、および分配プレートの長手軸に垂直に存在しており、一定の距離で互いにオフセットされる。空気取入、および排気排出のための水平横ダクトの端部は、空気取入開口部、および排気排出開口部をそれぞれ形成するように構成される。各水平横ダクトの空気取入開口部は、シリンダーに空気を供給する吸気マニホルドのそれぞれの分岐に接続され、各水平横排気ダクトの排気を排出するための開口部は、排気マニホルドに接続される。分配軸の下の、および各シリンダーの上の分配プレートにおいて、給気ダクトと排気ダクトの両方として機能するように構成された垂直ダクトがある。分配軸は、滑らかなシリンダーとして構成されており、滑らかなシリンダーに沿って、互いと一定の距離を置き、かつ各シリンダーの上に位置する領域において、空気取入開口部、および排気排出開口部がそれぞれ構成されており、空気取入開口部と排気排出開口部は、分配軸の直径に沿って切られ、かつ互いに対して配置され、それにより、垂直ダクトを介して各シリンダーをその対応する水平横空気取入ダクトに断続的、および順次に接続し、加えて、垂直ダクトを介して各シリンダーを排気を排出するための各水平横ダクトに接続する。分配軸はギア伝動を介してクランク軸によって駆動される。分配軸上の各空気取入開口部は、ピストンが死点の上を2−3度通った際に、垂直ダクトを通して吸気マニホルドをそれぞれのシリンダーに接続させ、およびピストンが下死点に到達する前に、水平空気取入ダクトの空気取入開口部を閉じるように構成される。各排気開口部は、ピストンが下死点に到達する前に、垂直ダクトを通して排気を排気マニホルドに排出するために、水平横ダクトの開口部と相対する場所に位置づけられるように構成される。
【0008】
発明の利点は、大量の酸素での効率的な気化における永久的な燃焼プロセスでの燃料の完全酸化による有毒廃棄物をもたらすことなく、熱エネルギーの機械力への変換を少ない燃料消費、少ないCO2排出で高効率によって達成されることである。システムの別の利点は、機械力生成のための既存の内燃機関の再構成、異なる技術分野での新しい電力システムの生産の療法における幅広い適用である。システムの利点、すなわち高効率は、エネルギー担体(例えば、圧縮空気)の低温低圧でシステムにおいて実行される最も効率的な熱力学的工程を介して、熱エネルギーを機械力へと変換するために用いられる、効率的なユニット、および装置を適用することによって達成される。効率の増加は、冷却、空気と燃料との混合物分配および噴射装置等の、システムに必要とされないユニットおよび装置の除去にもよる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は添付図面によって説明される。
図1図1は、本発明に係る熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムを例示する主要な図解である。
図2図2は、シリンダーブロックで実装された機械式モジュールを示す側面図である。
図3図3は、シリンダーブロックのA−Aに沿った拡大部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る熱エネルギーを機械力へと変換するためのシステムは、図1に示されており、図1において、油圧接続は実線によって示され、電気接続は破線によって示される。上記システムは、遠心コンプレッサー(2)に機械的に接続されたガスタービン(1)を備える主要ターボチャージャーを含む。エジェクター(3)は遠心コンプレッサー(2)の吸引側面に接続される。エジェクター(3)は、外パイプ(5)によって包まれた内パイプ(4)に配置される。システムは、第二遠心コンプレッサー(6)に機械的に接続された、第二ガスタービン(7)を備える第二ガスターボチャージャーをさらに含む。エジェクター(3)の入口は、第二ガスタービン(7)に機械的に接続される第二遠心コンプレッサー(6)の排出口に接続され、その入口は第一ガスタービン(1)の排出口に接続される。第一ガスタービン(1)の入口は、ディスペンサー(10)を通して燃料タンク(9)に接続される燃焼室(8)の排出口に接続される。システムは、排出口が第一バルブ(12)、および第三バルブ(15)に同時に接続される電気コンプレッサー(11)をさらに含む。第一バルブ(12)は、第二バルブ(13)を介して燃焼室(8)に、および吸気マニホルド(16)を介して、それぞれの分岐(18)に同時に接続される。エジェクター(3)の外パイプ(5)は第三バルブ(15)に接続される。燃焼室(8)は、点火プラグ(14)に電気接続される。吸気マニホルド(16)は、図2、および図3に示されるシリンダーブロックで実装された機械的なユニット(17)に接合される。吸気マニホルド(16)の対応する分岐(18)は、シリンダーブロック(17)の各シリンダー(27)のボリュームそれぞれに接続される。主要ガスターボチャージャーの第一遠心コンプレッサー(2)の排出口は、第四バルブ(19)、および第一圧力変換器(20)を介して、吸気マニホルド(16)に接続される。シリンダーブロック(17)の各シリンダー(27)のボリュームは、排出(排気)マニホルド(21)に接続され、その排出口はエジェクター(3)の内パイプ(4)に接続される。排出(排気)マニホルド(21)には第二圧力変換器(22)が備えられていて、その排出口は第五バルブ(23)を介して大気に繋げられる。システムは、バッテリーで実装された電源供給ユニット(25)に接続される、制御ユニット(24)をさらに含む。図1に破線で示されるように、制御ユニット(24)は、電気的かつ個別に燃料タンク(9)、ディスペンサー(10)、点火プラグ(14)、第一バルブ(12)、第二バルブ(13)、第三バルブ(15)、第四バルブ(19)、および第五バルブ(23)バルブ、第一圧力変換器(20)、および第二(22)圧力変換器、電気コンプレッサー(11)に接続される。
【0011】
図2、および3に示されるシリンダーブロック(17)は、シリンダーブロック(17)のシリンダー(27)を閉じる、分配プレート(26)備える。分配プレート(26)の長手軸に沿って、長手方向の水平の円筒状ダクトが構成され、そこに分配軸(28)は自由に回転できるように設置されている。各シリンダー(27)の上の領域の分配プレート(26)において(図3)、各シリンダーに対し、水平横断給気ダクト(29)、および排気排出ダクト(30)のペアがあって、それらの軸は同一の平面にあり、互いに平行し、分配プレート(26)の長手軸と垂直し、互いに対して一定の距離で配置される。水平横給気ダクト(29)、および排気排出ダクト(30)の端部はそれぞれ空気取入開口部、および排気排出開口部として構成される。各水平横ダクト(29)の空気取入開口部は、シリンダー(27)に空気を供給する吸気マニホルド(16)に接続される。各水平横ダクト(30)の排気排出開口部は排気マニホルド21に接続される。分配軸(28)の下の、および各シリンダー(27)の上の分配プレート(26)において、垂直ダクト(33)は給気ダクトと、排気ダクトの両方として機能するように構成される。分配軸(28)は、滑らかなシリンダーにおいて実装され、その長さに沿って、互いと一定の距離を置いて、かつ各シリンダー(27)の上の領域において、空気供給開口部(31)、および排気排出開口部(32)が構成され、空気供給開口部(31)と排気排出開口部(32)は、軸(28)の径に沿って切られ、かつ互いに対して配置され、それにより、垂直ダクト(33)を介して各シリンダー(27)を、空気取入のための各対応する水平横ダクト(29)に断続的、かつ順次に接続し、加えて、排気を排出するための各水平横ダクト(30)を、シリンダー(27)からの排気を排出するための垂直ダクト(33)に断続的、かつ順次に接続する。分配軸(28)は1:1の比率でのギア伝動の手段によってクランク軸(34)によって駆動される。分配軸(28)の各空気取入開口部(31)は、ピストン(35)が上死点の上を2−3度通った際に、垂直ダクト(33)を介して吸気マニホルド(16)をそれぞれのシリンダー(27)に接続させ、およびピストン(35)が下死点に到達する前に、水平空気取入ダクト(29)の開口部を閉じるように構成される。各排気排出開口部(32)は、ピストン(35)が下死点の前の位置に到達した後、垂直ダクト(33)を通して排気を排気マニホルド(21)に排出するために、水平横ダクト(30)の開口部と相対する場所に設置されるように構成される。
【0012】
本発明の別の実施形態では、極端な機械力が必要とされない場合、第二遠心コンプレッサー(6)、および第二ガスタービン(7)を含む第二ガスターボチャージャーは取り除かれてもよい。そうすると、エジェクター(3)の入口は大気に繋げられる。
【0013】
発明の使用。システムは3つの別個の運転モードを実装することができる。運転開始モード、極端な機械力を生成するモード、および電気自動車モード。
【0014】
システムは電気コンプレッサー(11)による動作へと設定され、電気コンプレッサー(11)は空気パイプを介し、圧縮空気を第一バルブ(12)に通して充填し、第一バルブ(12)は、吸気マニホルド(16)、およびシリンダー(27)のボリュームへのその分岐(18)を通って第二バルブ(13)を介して燃焼室(8)へと分岐され、かつシリンダーブロックとして実装される機械式モジュールへと分岐される。機械式モジュール(17)のクランク軸(34)は回転するように設定され、燃焼室(8)は圧縮空気によって充填され、その後、点火プラグ(14)、燃料タンク(9)およびディスペンサー(10)は、同様に動作状態に入る。熱いガスは、第一ガスタービン(1)および第二ガスタービン(7)を用いて、第一遠心コンプレッサー(2)、および第二遠心コンプレッサー(6)のホイールを回転させる。最初に、第一遠心コンプレッサー(2)は第五バルブ(23)を介して空気を取り入れ、第二ターボチャージャーが回転した後、エジェクター(3)を介して第二遠心コンプレッサー(6)によって圧縮空気で充満されることで、第四バルブ(19)への空気パイプは圧力とフローによって充填される。第二遠心コンプレッサー(6)は大気から空気を取り入れる。空気パイプ中で設計圧力に到達すると、第一圧力変換器(20)は、電気ユニット(24)に信号を送ることで第四バルブ(19)を開き、電気コンプレッサー(11)を遮断し、点火プラグ(14)を遮断し、および第一バルブ(12)を閉じる。
【0015】
第四バルブ(19)より後の空気の流れが吸気マニホルドを充填し、それによって、空気の流れの一部は、第二バルブ(13)を通って燃焼室(8)へと導かれ、他の部分は、ピストン(35)が上死点の上を2 −3度通った際に、分岐(18)を通ってシリンダー(27)に入る。ピストン(35)が下死点に到達する前に、シリンダー(27)から排気マニホルド(21)への空気排出が始まって、そこで第二圧力変換器(22)、および第五バルブ(23)は、最小の電力損失を果たし、かつ第一遠心コンプレッサー(2)にフローを加えるために付与される圧力によって、取付けられる。第一遠心コンプレッサー(2)より後の空気パイプにおける圧力が設計圧力より小さい場合、第一変換器(20)は、電気コンプレッサー(11)をオンにし、かつ第一バルブ(12)を開くために、制御ユニット(24)に信号を送る。
【0016】
システムは、有効なモデルに従って、極端な機械力を生成するモードで作動している場合、圧縮空気での第一遠心コンプレッサー(2)の充填のより高い圧力を必要とするため、電気コンプレッサー(11)のスイッチはオンになる。これは、第三バルブ(15)が開いていて、第一バルブ(12)が閉じていて、およびフローを電気コンプレッサー(11)から第一遠心コンプレッサー(2)の吸気ポートへ移すための動作に、空気パイプが設定されている状態で実装される。第一遠心コンプレッサー(2)の充填圧は、空気の流れをシリンダーブロック(17)から第一遠心コンプレッサー(2)の吸気ポートへ移すことにより、排気マニホルド(21)中の圧力を減少させるよって補われる。カスケード配置されている第二遠心コンプレッサー(6)、および第二ガスタービン(7)により、および第一ガスタービン(1)から排出される熱いガスの再使用により、充填圧は増加する。第二遠心コンプレッサー(6)によって吸い込まれた空気は、エジェクター(3)へと充填される。エジェクター(3)を介した第二遠心コンプレッサー(6)のフロージェットは、排出マニホルド(21)から空気を吸い込む。システムは電気コンプレッサー(11)によって空気を装填することによる第一遠心コンプレッサー(2)の排出ポートにおける圧力の増加によって、極端なパワーを生成し、第一バルブ(12)が閉じており、第三バルブ(15)が空気パイプを介してエジェクター(3)の外パイプへと開かれている。
【0017】
本発明に係るシステムは、都市環境において、および頻繁な制動と多様な推移が適用されている場所において、電気自動車として、自動車駆動モードで実装することもできる。電気自動車モード(vehicle electric mode)において、電気コンプレッサー(11)、第一バルブ(12)および第五バルブ(23)を除いた全てのユニット、およびバルブは動作を停止させられる。電気自動車モードは、バッテリーとして実装される電源ユニット(25)によって動力が供給される制御ユニット(24)によって管理される。制御ユニット(24)は電圧を電気コンプレッサー(11)、第一バルブ(12)、および第五バルブ(23)に供給する。電気コンプレッサー(11)によって生成された圧縮空気は空気パイプを介して、第一バルブ(12)を通って吸気マニホルド(16)へと送られ、それぞれの分岐(18)を通ってシリンダーブロック(17)のシリンダー(27)に入る。排気は排気マニホルド(21)へと排出され、開放バルブ(23)を通って大気へと放出される。シリンダーブロック(17)によって生成されたパワーは、シリンダー(27)のボリューム、電気コンプレッサー(11)によって生成された圧縮空気の圧力、およびシリンダーブロック(17)の分配軸(28)の回転速度によって決定される。電気自動車運転モードの走行距離はバッテリー(25)の容量によって決定され、バッテリー(25)は、シリンダーブロック(17)のクランク軸(34)、および図1に図示されないバッテリー充電発電機(25)の軸の回転によって充電される。
図1
図2
図3