特許第6869301号(P6869301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869301
(24)【登録日】2021年4月15日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/75 20110101AFI20210426BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H01R12/75
   H01R31/06 R
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-164990(P2019-164990)
(22)【出願日】2019年9月10日
(65)【公開番号】特開2020-87915(P2020-87915A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2019年9月10日
(31)【優先権主張番号】201811407824.5
(32)【優先日】2018年11月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516230320
【氏名又は名称】深▲せん▼市深台幃翔電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHENTAI WEIXIANG ELECTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】王 健
(72)【発明者】
【氏名】陳 平
(72)【発明者】
【氏名】王 俊
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/107865(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0273347(US,A1)
【文献】 特開2008−078093(JP,A)
【文献】 特開2018−147733(JP,A)
【文献】 米国特許第07938675(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/75
H01R 31/06
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタであって、接続部、それぞれ前記接続部の両側に配置される第一のソケット及び第二のソケットを含み、
前記接続部は接続部本体及び接続部端子を含み、前記接続部本体が第一の係止溝及び第二の係止溝がそれぞれで設置され、さらに前記接続部本体が挿入孔及び中間通気孔が設置され、前記挿入孔は前記第一の係止溝と前記第二の係止溝とそれぞれに連通され、前記接続部端子は前記挿入孔内に穿設され、前記中間通気孔は前記第一の係止溝と前記第二の係止溝とそれぞれに連通され、
前記第一のソケットは第一のソケット本体及び第一の導電端子を含み、前記第一のソケット本体は前記第一の係止溝内に配置され、前記第一のソケット本体に第一の取付溝及び第一の通気孔が設置され、前記第一の取付溝及び前記第一の通気孔はいずれも前記第一の係止溝に連通し、前記第一の導電端子は前記第一の取付溝内に係止され、前記接続部端子の一端はさらに前記第一の取付溝内に配置されて前記第一の導電端子と摺動接続され、
前記第二のソケットは第二のソケット本体と第二の導電端子を含み、前記第二のソケット本体は前記第二の係止溝内に配置され、前記第二のソケット本体に第二の取付溝及び第二の通気孔が設置され、前記第二の取付溝及び前記第二の通気孔はいずれも前記第二の係止溝に連通し、前記第二の導電端子は前記第二の取付溝内に係止され、前記接続部端子の他端はさらに前記第二の取付溝内に配置されて前記第二の導電端子と摺動接続され、
前記接続部端子が前記第一の導電端子に対し摺動する方向は第一の方向とし、前記接続部端子が前記第二の導電端子に対し摺動する方向は第二の方向とし、前記接続部端子がさらに前記第二の導電端子に対し前記接続部本体の軸方向に摺動することができ、前記第一の方向及び前記第二の方向は互いに垂直であり、
前記接続部端子は、互いに電気的に接続される第一の端子ユニット及び第二の端子ユニットを含み、前記挿入孔は第一の挿入孔と第二の挿入孔を含み、前記第一の挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝と連通し、前記第二の挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝と連通し、前記第一の端子ユニットは前記第一の挿入孔内に穿設され、前記第二の端子ユニットは前記第二の挿入孔内に穿設され、
前記第一の導電端子の数は少なくとも二つであり、前記第一の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第一の導電端子は対応する前記第一の取付溝内に配置され、前記第二の導電端子の数は少なくとも二つであり、前記第二の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第二の導電端子は対応する前記第二の取付溝内に配置され、
各前記第一の端子ユニットの両端は、それぞれ前記第一の取付溝のいずれも一つ及び前記第二の取付溝のいずれも一つに配置され、それぞれに対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続され、
各前記第二の端子ユニットの両端はそれぞれ他の前記第一の取付溝及び他の前記第二の取付溝内に配置され、かつ、それぞれに対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続されること、を特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記接続部端子の両端は、それぞれ前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第一の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第一の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続され、前記第一の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子は前記第一の取付溝のいずれも一つに配置され、二つの前記第二の導電端子及び前記第二の端子ユニットは前記第二の取付溝のいずれも一つに配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第二の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第二の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続され、前記第二の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子は前記第一の取付溝の他の一つに配置され、前記第二の端子ユニット及び二つの前記第二の導電端子は前記第二の取付溝の他の一つに配置される
ことを特徴とする請求項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第一の端子ユニットは前記第二の端子ユニットに当接される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第一の端子ユニットと前記第二の端子ユニットとの間に通気キャビティが形成され、前記通気キャビティはそれぞれ前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝に連通される
ことを特徴とする請求項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第一の端子ユニットと前記第二の端子ユニットは一体的に成形される
ことを特徴とする請求項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第一の端子ユニットに第一の弾性シートが設けられ、前記第一の弾性シートが前記第一の挿入孔の内壁に当接され、前記第二の端子ユニットに第二の弾性シートが設置され、前記第二の弾性シートが前記第二の挿入孔の内壁に当接され
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第二のソケット本体にリミット台が設置され、前記接続部本体は、前記第二のソケット本体に隣接する端部に摺動溝が設けられ、前記リミット台は前記摺動溝内に配置されて前記接続部本体と摺動接続される
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品の技術分野に関し、特にコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタというものは、電気機器に不可欠な部品である。コネクタの役割は、遮断された箇所又は二つの独自設置された回路の間に電気信号が導通される通路とし、電流又は信号の伝送を行う。従来のコネクタは許容度が良くないから、コネクタの利便性が高くない。また、当該コネクタの導電シートはベースに収容されたので、コネクタはハウジング又はハウジングの外側に露出する導電シートを介して外部と熱交換することしかできないため、コネクタの使用中に熱量がたくさん蓄積されてしまう問題が発生され、コネクタの耐用年数が短いという問題もある。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、コネクタの利便性が高くないと、コネクタの寿命が長くないの問題を解決できるコネクタを提供する必要がある。
【0004】
本願において、コネクタを提供し、当該コネクタが、接続部、それぞれ前記接続部の両側に配置される第一のソケット及び第二のソケットを含み、
前記接続部は接続部本体及び接続部端子を含み、前記接続部本体が第一の係止溝及び第二の係止溝がそれぞれで設置され、さらに前記接続部本体が挿入孔及び中間通気孔が設置され、前記挿入孔は前記第一の係止溝と前記第二の係止溝とそれぞれに連通され、前記接続部端子は前記挿入孔内に穿設され、前記中間通気孔は前記第一の係止溝と前記第二の係止溝とそれぞれに連通され、
前記第一のソケットは第一のソケット本体及び第一の導電端子を含み、前記第一のソケット本体は前記第一の係止溝内に配置され、前記第一のソケット本体に第一の取付溝及び第一の通気孔が設置され、前記第一の取付溝及び前記第一の通気孔はいずれも前記第一の係止溝に連通し、前記第一の導電端子は前記第一の取付溝内に係止され、前記接続部端子の一端はさらに前記第一の取付溝内に配置されて前記第一の導電端子と摺動接続され、
前記第二のソケットは第二のソケット本体と第二の導電端子を含み、前記第二のソケット本体は前記第二の係止溝内に配置され、前記第二のソケット本体に第二の取付溝及び第二の通気孔が設置され、前記第二の取付溝及び前記第二の通気孔はいずれも前記第二の係止溝に連通し、前記第二の導電端子は前記第二の取付溝内に係止され、前記接続部端子の他端はさらに前記第二の取付溝内に配置されて前記第二の導電端子と摺動接続され、
ここで、前記接続部端子が前記第一の導電端子に対し摺動する方向は第一の方向とし、前記接続部端子が前記第二の導電端子に対し摺動する方向は第二の方向とし、前記接続部端子がさらに前記第二の導電端子に対し前記接続部本体の軸方向に摺動することができ、前記第一の方向及び前記第二の方向は互いに垂直である。
【0005】
上記コネクタにおいて、第一のソケット本体は第一の係止溝内に配置され、第二のソケット本体は第二の係止溝内に配置され、第一の導電端子は第一の取付溝内に係止されて接続部端子と摺動接続されるより、第一のソケット本体が第一の導電端子に対し摺動され、第二の導電端子は第二の取付溝内に係止されて接続部端子と摺動接続され、第二のソケット本体が第二の導電端子に対し摺動され、接続部本体の軸方向、第一の方向及び第二の方向が互いに垂直であるため、第一のソケット本体が接続部本体に対し摺動する方向と第二のソケット本体が接続部本体に対し摺動する方向は異なる方向になり、よってコネクタの多方向許容度が実現され、コネクタの許容度を向上させ、コネクタの利便性を向上させ、接続部本体に中間通気孔が設置され、第一のソケット本体に第一の係止溝に連通する第一の通気孔が設置され、第二のソケット本体に第二の係止溝に連通する第二の通気孔が設置されとともに、中間通気孔が第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通するため、第一の通気孔及び第二の通気孔に連通し、よって第一の通気孔は中間通気孔を介して第二の通気孔と連通し、コネクタの外部の空気は第一の通気孔から第一の係止溝内に入り、中間通気孔、第二の係止溝、第二の通気孔から排出されることができ、コネクタ内の空気流通が実現され、挿入孔は第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通し、第一の取付溝は第一の係止溝に連通し、第二の取付溝は第二の係止溝に連通するため、第一の係止溝内に進入された空気で第一の導電端子及び接続部端子が放熱され、第二の係止溝内に進入された空気で第二の導電端子及び接続部端子が放熱されるため、空気がコネクタの外部で熱交換を行うだけでなく、コネクタの内部でも熱交換を行うことができ、また、コネクタの外部の空気は第二の通気孔から第二の係止溝内に進入されて中間通気孔、第一の係止溝、第一の通気孔から排出されることもできるため、同様に、第一の係止溝内に進入された空気で第一の導電端子及び接続部端子が放熱され、第二の係止溝内に進入された空気で第二の導電端子及び接続部端子が放熱され、空気がコネクタの外部で熱交換を行うだけでなく、コネクタの内部でも熱交換を行うことができ、上記コネクタは優れた許容度を有するだけでなく、良好な放熱効果も有する。
【0006】
一実施例において、前記接続部端子の両端は、それぞれ前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝内に配置され、それぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子に円滑に摺動接続され、また、接続部端子の両端はそれぞれ第一係止溝及び第二係止溝内に配置されるため、第一導電端子は短い長さで接続部端子と摺動接続され、第二導電端子は短い長さで接続部端子と摺動接続されることができる。
【0007】
一実施例において、前記接続部端子は、互いに電気的に接続される第一の端子ユニット及び第二の端子ユニットを含み、前記挿入孔は第一の挿入孔と第二の挿入孔を含み、前記第一の挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝と連通し、前記第二の挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝と連通し、前記第一の端子ユニットは前記第一の挿入孔内に穿設され、前記第二の端子ユニットは前記第二の挿入孔内に穿設され、
前記第一の導電端子の数は少なくとも二つであり、前記第一の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第一の導電端子は対応する前記第一の取付溝内に配置され、前記第二の導電端子の数は少なくとも二つであり、前記第二の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第二の導電端子は対応する前記第二の取付溝内に配置され、
各前記第一の端子ユニットの両端は、それぞれ前記第一の取付溝のいずれも一つ及び前記第二の取付溝のいずれも一つに配置され、それぞれに対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続され、
各前記第二の端子ユニットの両端はそれぞれ他の前記第一の取付溝及び他の前記第二の取付溝内に配置され、かつ、それぞれに対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続され、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットが電気的に接続されとともに、第一の端子ユニットの両端がそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と摺動接続され、第二の端子ユニットの両端がそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と摺動接続されることにより、接続部端子の両端は同時に二つの第一の導電端子及び二つの第二の導電端子と摺動接続される。
【0008】
一実施例において、前記第一の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第一の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続され、前記第一の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子は前記第一の取付溝のいずれも一つに配置され、二つの前記第二の導電端子及び前記第二の端子ユニットは前記第二の取付溝のいずれも一つに配置されることにより、第一の端子ユニットの両端はそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と円滑に摺動接続される。
【0009】
一実施例において、前記第二の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第二の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続され、前記第二の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子は前記第一の取付溝の他の一つに配置され、前記第二の端子ユニット及び二つの前記第二の導電端子は前記第二の取付溝の他の一つに配置されることにより、第二の端子ユニットの両端はそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と円滑に摺動接続される。
【0010】
一実施例において、前記第一の端子ユニットは前記第二の端子ユニットに当接することにより、第一の端子ユニットは第二の端子ユニットと電気的に接続される。
【0011】
一実施例において、前記第一の端子ユニットと前記第二の端子ユニットとの間に通気キャビティが形成され、前記通気キャビティはそれぞれ前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝に連通し、第一の通気孔内に流れた空気は通気キャビティを介して第二の通気孔に流入することか、第二の通気孔内に流れた空気は通気キャビティを介して第一の通気孔に流入することができ、よってコネクタの内部に流れた空気は中間通気孔だけでなく通気キャビティを介して放熱させることもでき、コネクタ内の空気流通速度を向上させ、コネクタの放熱性能を向上させる。
【0012】
一実施例において、前記第一の端子ユニットと前記第二の端子ユニットは一体的に成形され、よって接続部端子の構造がコンパクトで製造難度が低い。
【0013】
一実施例において、前記第一の端子ユニットに第一の弾性シートが設けられ、前記第一の弾性シートが前記第一の挿入孔の内壁に当接することにより、第一の端子ユニットが第一の挿入孔内に強固に挿着され、前記第二の端子ユニットに第二の弾性シートが設置され、前記第二の弾性シートが前記第二の挿入孔の内壁に当接することにより、第二の端子ユニットが第二の挿入孔内に強固に挿着され、よって第一の端子ユニット及び第二の端子ユニットが強固に取り付けられる。
【0014】
一実施例において、前記第二のソケット本体にリミット台が設置され、前記接続部本体は、前記第二のソケット本体に隣接する端部に摺動溝が設けられ、前記リミット台は前記摺動溝内に配置されて前記接続部本体と摺動接続され、案内作用を果たし、よって接続部本体を第二の導電端子に対し接続部本体の軸方向に沿ってより円滑に摺動させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施例のコネクタの概略図である。
図2図1に示すコネクタの分解図である。
図3図2に示すコネクタの分解図である。
図4図1に示すコネクタの断面図である。
図5図1に示すコネクタの第一のソケットの分解図である。
図6図5に示す第一のソケットの第一のソケット本体の断面図である。
図7図1に示すコネクタの第二のソケットの分解図である。
図8図1に示すコネクタの接続部の接続部端子の概略図である。
図9】他の実施例のコネクタの概略図である。
図10】もう一つの実施例のコネクタの概略図である。
図11図10に示すコネクタの分解図である。
図12図10に示すコネクタの接続部端子の概略図である。
図13図10に示すコネクタの接続部端子の放熱シミュレーション概略図である。
図14図10に示すコネクタの他の分解図である。
図15】異なる寸法のコネクタが回路基板に取付される状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の理解を容易にするために、次に、図面を参照しながら、コネクタについてより詳しく説明する。図面には、コネクタの最適な実施例が示されている。しかし、コネクタは様々な形で実現でき、ここで記述される実施例に限らない。逆に、これらの実施例を挙げる目的は、コネクタの開示をより徹底的かつ完全にすることにある。
【0017】
本明細書において、ある要素が他の要素に「固定」されるように記載する場合、この要素が前記他の要素に直接で固定され、或いは、中間要素を介して固定されていることを意味する。また、ある要素が他の要素に「接続」されているように記載する場合、この要素が前記他の要素に直接で接続され、或いは、中間要素を介して接続されていることを意味する。また、本明細書で使用する「垂直」、「水平」、「左」、「右」などの用語及び類似する表現は説明のためのものに過ぎず、唯一な実施形態を意味するものではない。
【0018】
特段に定義されない限り、ここで使用される全ての技術用語と科学用語の意味は、本発明の技術分野の当業者に一般的に理解されている意味とする。コネクタに関して明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。また、本明細書における「及び/または」は、挙げられた一または複数の関連項目の任意及び全ての組合せを含む意味とする。
【0019】
一実施例において、コネクタは接続部、それぞれ前記接続部の両側に配置される第一のソケット及び第二のソケットを含み、前記接続部は接続部本体及び接続部端子を含み、前記接続部本体に第一の係止溝及び第二の係止溝が設置され、記接続部本体にはさらに挿入孔及び中間通気孔が設置され、前記挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝にそれぞれ連通し、前記接続部端子は前記挿入孔内に穿設され、前記中間通気孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝にそれぞれ連通し、前記第一のソケットは第一のソケット本体及び第一の導電端子を含み、前記第一のソケット本体は前記第一の係止溝内に配置され、前記第一のソケット本体に第一の取付溝及び第一の通気孔が設置され、前記第一の取付溝及び前記第一の通気孔はいずれも前記第一の係止溝に連通し、前記第一の導電端子は前記第一の取付溝内に係止され、前記接続部端子の一端は前記第一の取付溝内に配置されかつ前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第二のソケットは第二のソケット本体と第二の導電端子を含み、前記第二のソケット本体は前記第二の係止溝内に配置され、前記第二のソケット本体に第二の取付溝及び第二の通気孔が設置され、前記第二の取付溝及び前記第二の通気孔はいずれも前記第二の係止溝に連通し、前記第二の導電端子は前記第二の取付溝内に係止され、前記接続部端子の他端は前記第二の取付溝内に配置されかつ前記第二の導電端子と摺動接続され、ここで、前記接続部端子が前記第一の導電端子に対し摺動する方向が第一の方向であり、前記接続部端子が前記第二の導電端子に対し摺動する方向が第二の方向であり、前記接続部端子がさらに前記第二の導電端子に対して前記接続部本体の軸方向に摺動可能であり、前記第一の方向及び前記第二の方向は互いに垂直である。
【0020】
図1に示すように、一実施例のコネクタ10は接続部100 、それぞれ前記接続部の両側に配置される第一のソケット200及び第二のソケット300を含む。
【0021】
図2図3に示すように、一実施例において、前記接続部100は接続部本体110及び接続部端子120を含む。図4に示すように、前記接続部本体110にそれぞれ第一の係止溝111及び第二の係止溝112が設置される。本実施例において、接続部本体は直方体状である。第一の係止溝及び第二の係止溝はそれぞれ接続部本体の両端に設置され、他の実施例において、第一の係止溝及び第二の係止溝はそれぞれ接続部本体の両側又は他の位置に設置されてもよい。また、前記接続部本体110に挿着孔113及び中間通気孔114が設置される。前記挿入孔113は前記第一の係止溝111と前記第二の係止溝112にそれぞれ連通し、前記接続部端子120は前記挿入孔113内に挿入される。前記中間通気孔114は前記第一の係止溝111及び前記第二の係止溝112にそれぞれ連通する。本実施例において、第一の係止溝及び第二の係止溝はそれぞれ接続部本体の両端に設置され、挿着孔及び中間通気孔はいずれも接続部本体の軸方向に接続部本体を貫通する。このように、中間通気孔は第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通し、挿着孔は第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通する。
【0022】
図4及び図5に示すように、一実施例において、前記第一のソケット200は第一のソケット本体210及び第一の導電端子220を含む。前記第一のソケット本体210は前記第一の係止溝111内に設置される。本実施例において、第一のソケットは第一の係止溝内に設置される。第一のソケット本体は、接続部本体と隙間嵌めであり、接続部本体に対して移動可能である。前記第一のソケット本体210に、前記第一の係止溝111に連通する第一の取付溝211及び第一の通気孔212が設置される。前記第一の導電端子220は前記第一の取付溝211内に係止される。また、前記接続部端子120の一端は前記第一の取付溝211内に配置され、前記第一の導電端子220と摺動接続される。図6に示すように、一実施例において、第一の導電端子220に第一の係止口222が設置され、第一の取付溝211の内壁に第一の係止口に応じた第一の係止台213が設けられ、第一の導電端子が第一の取付溝内に係止される。
【0023】
図4及び図7に示すように、一実施例において、前記第二のソケット300は第二のソケット本体310及び第二の導電端子320を含む。前記第二のソケット本体310は前記第二の係止溝112内に設置される。本実施例において、第二のソケットは第二の係止溝内に設置される。第二のソケット本体は、接続部本体と隙間嵌めであり、接続部本体に対して移動可能である。前記第二のソケット本体310に、前記第二の係止溝に連通する第二の取付溝311及び第二の通気孔312が設置される。前記第二の導電端子320は前記第二の取付溝311内に係止される。また、前記接続部端子120の他端は前記第二の取付溝311内に配置され、前記第二の導電端子320と摺動接続される。一実施例において、第二の導電端子に第二の係止口322が設置され、第二の取付溝の内壁に第二の係止口に応じた第二の係止台が設けられ、第二の導電端子が第二の取付溝内に係止される。
【0024】
ここで、前記接続部端子の前記第一の導電端子に対し摺動する方向は第一の方向であり、前記接続部端子の前記第二の導電端子に対し摺動する方向は第二の方向である。さらに、前記接続部端子は前記第二の導電端子に対して前記接続部本体の軸方向に沿って摺動する。前記接続部本体の軸方向、前記第一の方向及び前記第二の方向は互いに垂直である。本実施例において、接続部端子の第二の導電端子に対し摺動する方向は第二の方向及び接続部本体の軸方向であり、第二の方向は接続部本体の軸方向と互いに垂直である。第一の方向は接続部本体の端面の一辺と平行であり、第二の方向は接続部本体の端面の他の辺と平行であり、第一の方向と第二の方向とは互いに垂直である。図3に示すように、第一の方向はX方向であり、第二の方向はY方向であり、接続部本体の軸方向はZ方向である。
【0025】
上記コネクタでは、第一のソケット本体は第一の係止溝内に配置され、第二のソケット本体は第二の係止溝内に配置される。第一の導電端子は第一の取付溝内に係止され、接続部端子と摺動接続され、第一のソケット本体が第一の導電端子に対して摺動可能である。第二の導電端子は第二の取付溝内に係止され、接続部端子と摺動接続され、第二のソケット本体が第二の導電端子に対して摺動可能である。接続部本体の軸方向、第一の方向及び第二の方向が互いに垂直であるため、第一のソケット本体の接続部本体に対し摺動する方向と第二のソケット本体の接続部本体に対し摺動する方向は異なり、コネクタの多方向許容度が実現でき、コネクタの許容度を向上させ、コネクタの利便性を向上させる。接続部本体に中間通気孔が設置され、第一のソケット本体に第一の係止溝に連通する第一の通気孔が設置され、第二のソケット本体に第二の係止溝に連通する第二の通気孔が設置されるため、かつ、中間通気孔が第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通することにより第一の通気孔及び第二の通気孔に連通するため、第一の通気孔は中間通気孔を介して第二の通気孔と連通する。
【0026】
コネクタの外部の空気は第一の通気孔から第一の係止溝内に入り、中間通気孔、第二の係止溝、第二の通気孔から排出されることができ、コネクタ内の空気流通が実現される。挿入孔は第一の係止溝及び第二の係止溝にそれぞれ連通し、第一の取付溝は第一の係止溝に連通し、第二の取付溝は第二の係止溝に連通するため、第一の係止溝内に進入された空気により第一の導電端子及び接続部端子が放熱され、第二の係止溝内に進入された空気により第二の導電端子及び接続部端子が放熱され、空気がコネクタの外部で熱交換を行うだけでなく、コネクタの内部でも熱交換を行うことができる。また、コネクタの外部の空気は第二の通気孔から第二の係止溝内に入り、中間通気孔、第一の係止溝、第一の通気孔から排出されることもできるため、同様に、第一の係止溝内に進入された空気により第一の導電端子及び接続部端子が放熱され、第二の係止溝内に進入された空気により第二の導電端子及び接続部端子が放熱され、空気がコネクタの外部で熱交換を行うだけでなく、コネクタの内部でも熱交換を行うことができる。上記コネクタは優れた許容度を有するだけでなく、良好な放熱効果も有する。
【0027】
一実施例において、前記接続部端子は前記第一の導電端子に対する第一の方向における摺動変位が−0.5mm〜+0.5mmであり、よって、接続部端子と第一のソケット本体との間に第一の方向に+/−0.5mmの偏差が許容される。即ち、接続部端子と第一のソケット本体との間に第一の方向に+/−0.5mmの許容差を実現する。
【0028】
即ち、接続部端子と第二のソケット本体との間に第二の方向に+/−0.5mmの許容差を実現する。
【0029】
一実施例において、前記接続部端子は前記第二の導電端子に対して前記接続部本体の軸方向における摺動変位が−1.2mm〜+1.2mmであり、接続部端子と第二の導電端子との間に接続部本体の軸方向に+/−1.2mmの偏差が許容される。即ち、接続部端子と第二のソケット本体との間に接続部本体の軸方向に+/−1.2mmの許容差を実現する。
【0030】
図4に示すように、一実施例において、前記接続部端子120の両端は、それぞれ前記第一の係止溝111及び前記第二の係止溝112内に配置され、それぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子に円滑に摺動接続される。
【0031】
図8に示すように、一実施例において、前記接続部端子120は、互いに電気的に接続される第一の端子ユニット121及び第二の端子ユニット122を含む。図4に示すように、前記挿入孔113は第一の挿入孔1131と第二の挿入孔1132を含み、前記第一の挿入孔は前記第一の係止溝111及び前記第二の係止溝112と連通し、前記第二の挿入孔は前記第一の係止溝及び前記第二の係止溝と連通する。前記第一の端子ユニットは前記第一の挿入孔内に穿設され、前記第二の端子ユニットは前記第二の挿入孔内に穿設される。
【0032】
一実施例において、前記第一の導電端子の数は少なくとも二つである。前記第一の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第一の導電端子は対応する前記第一の取付溝内に配置される。前記第二の導電端子の数は少なくとも二つである。前記第二の取付溝の数は少なくとも二つであり、各前記第二の導電端子は対応する前記第二の取付溝内に配置される。
【0033】
一実施例において、各前記第一の端子ユニットの両端は、それぞれ一つの前記第一の取付溝及び一つの前記第二の取付溝内に配置され、かつ、それぞれ対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続される。各前記第二の端子ユニットの両端はそれぞれ他の前記第一の取付溝及び他の前記第二の取付溝内に配置され、かつ、それぞれ対応する前記第一の導電端子及び対応する前記第二の導電端子と摺動接続される。第一の端子ユニットと第二の端子ユニットが電気的に接続され、第一の端子ユニットの両端がそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と摺動接続され、第二の端子ユニットの両端がそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と摺動接続されることにより、接続部端子の両端は同時に二つの第一の導電端子及び二つの第二の導電端子と摺動接続される。
【0034】
一実施例において、前記第一の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第一の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続される。前記第一の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子はいずれも一つの前記第一の取付溝内に配置され、二つの前記第二の導電端子及び前記第二の端子ユニットはいずれも一つの前記第二の取付溝内に配置されることにより、第一の端子ユニットの両端はそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と円滑に摺動接続される。
【0035】
本実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に当接し、第一の端子ユニットを両側から挟む。一実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に弾性的に当接し、第一の端子ユニットを両側からよりよく挟む。同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に当接し、第二の端子ユニットを両側から挟む。一実施例において、同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に弾性的に当接し、第二の端子ユニットを両側からよりよく挟む。
【0036】
一実施例において、前記第二の端子ユニットの一端は二つの前記第一の導電端子と摺動接続され、前記第二の端子ユニットの他端は二つの前記第二の導電端子と摺動接続される。前記第二の端子ユニット及び二つの前記第一の導電端子はいずれも他の前記第一の取付溝内に配置され、前記第二の端子ユニット及び二つの前記第二の導電端子はいずれも他の前記第二の取付溝内に配置されることにより、第二の端子ユニットの両端はそれぞれ第一の導電端子及び第二の導電端子と円滑に摺動接続される。
【0037】
本実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に当接し、第一の端子ユニットを両側から挟む。一実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に弾性的に当接し、第一の端子ユニットを両側からよりよく挟む。同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に当接し、第二の端子ユニットを両側から挟む。一実施例において、同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に弾性的に当接し、第二の端子ユニットを両側からよりよく挟む。
【0038】
図4及び図5に示すように、一実施例において、それぞれ前記第二の端子ユニット122と摺動接続される二つの前記第一の導電端子220は互いに近接する方向に屈曲され、第二の端子ユニットに確実に当接する。なお、図7に示すように、それぞれ前記第二の端子ユニット122と摺動接続される二つの前記第二の導電端子320は互いに近接する方向に屈曲され、第二の端子ユニットに確実に当接する。本実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に当接し、同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第二の端子ユニットの両側に当接する。
【0039】
図5に示すように、一実施例において、各第一の導電端子220は互いに接続される第一の本体部223及び第一の屈曲部224を含む。第一の屈曲部224に第一のキャビティ225が形成され、それぞれ前記第二の端子ユニットに摺動接続される二つの前記第一の導電端子が互いに近接する方向に屈曲されるため、各第一の導電端子の第一のキャビティは第一の屈曲部224の第二の端子ユニット122から反対側に位置する。図7に示すように、一実施例において、各第二の導電端子320は互いに接続される第二の本体部323及び第二の屈曲部324を含み、第二の屈曲部324に第二のキャビティ325が形成される。それぞれ前記第二の端子ユニットに摺動接続される二つの前記第二の導電端子は互いに近接する方向に屈曲されるため、各第二の導電端子の第二のキャビティ325は第二の端子ユニット122から反対側に位置する。
【0040】
他の実施例において、それぞれ前記第二の端子ユニットと摺動接続される二つの前記第一の導電端子は互いに反対する方向に屈曲され、それぞれ第二の端子ユニットの両側に当接するように構成され、かつ、前記第二の端子ユニットにそれぞれ摺動接続される二つの前記第二の導電端子は互いに反対する方向に屈曲され、それぞれ第二の端子ユニットの両側に当接するように構成されてもよい。本実施例において、各第一の導電端子の第一のキャビティは第二の端子ユニットに隣接する側に配置され、各第二の導電端子の第二のキャビティは第二の端子ユニットに隣接する側に配置される。
【0041】
一実施例において、それぞれ前記第一の端子ユニットに摺動接続される二つの前記第一の導電端子は互いに近接する方向に屈曲され、第一の端子ユニットに確実に当接するように構成され、かつ、それぞれ前記第一の端子ユニットに摺動接続される二つの前記第二の導電端子は互いに近接する方向に屈曲され、第一の端子ユニットに確実に当接する。本実施例において、同じ第一の取付溝内に配置される二つの第一の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に当接し、同じ第二の取付溝内に配置される二つの第二の導電端子はそれぞれ第一の端子ユニットの両側に当接する。それぞれ前記第一の端子ユニットと摺動接続される二つの前記第一の導電端子は互いに近接する方向に屈曲されるため、各第一の導電端子の第一のキャビティは第一の端子ユニットから反対側に位置する。同様に、それぞれ前記第一の端子ユニットと摺動接続される二つの前記第二の導電端子は互いに近接する方向に屈曲されるため、各第二の導電端子の第二のキャビティは第一の端子ユニットから反対側に位置する。
【0042】
他の実施例において、それぞれ前記第一の端子ユニットと摺動接続される二つの前記第一の導電端子は互いに反対方向に屈曲され、それぞれ第一の端子ユニットの両側に当接するように構成され、かつ、前記第一の端子ユニットと摺動接続される二つの前記第二の導電端子は互いに反対方向に屈曲され、それぞれ第一の端子ユニットの両側に当接するように構成されてもよい。本実施例において、各第一の導電端子の第一のキャビティは第一の端子ユニットに隣接する側に位置し、各第二の導電端子の第二のキャビティは第一の端子ユニットに隣接する側に位置する。
【0043】
図4及び図8に示すように、一実施例において、前記第一の端子ユニット121は前記第二の端子ユニット122に当接し、よって、第一の端子ユニットは第二の端子ユニットと電気的に接続される。本実施例において、第一の端子ユニット及び第二の端子ユニットはいずれも屈曲状構造である。第一の端子ユニットの両端が所在する平面は互いに垂直であるため、第一の端子ユニットの両端はそれぞれ二つの異なる平面上の第一の導電端子と第二の導電端子と摺動接続される。第二の端子ユニットの両端が所在する平面は互いに垂直であるため、第二の端子ユニットの両端はそれぞれ二つの異なる平面上の第一の導電端子と第二の導電端子と摺動接続される。具体的には、第一の端子ユニットの第一の端が所在する平面と第二の端子ユニットの第一の端が所在する平面とは互いに平行であり、第一の端子ユニットの第二の端が所在する平面と第二の端子ユニットの第二の端が所在する平面とは互いに平行である。第一の挿入孔は第二の挿入孔に連通する。
【0044】
図9に示すように、一実施例において、接続部本体110に第三の通気孔116がさらに設置され、第三の通気孔116は第一の端子ユニット121と第二の端子ユニット122との間に配置される。第三の通気孔は第一の係止溝と第二の係止溝112にそれぞれ連通し、空気が第一の係止溝から第三の通気孔を通って第二の係止溝内に流れ、或いは、第二の係止溝から第三の通気孔を通って第一の係止溝内に流れることができる。このように、空気が中間通気孔だけでなく第三の通気孔によりも放熱でき、コネクタの放熱速度を向上させる。なお、第一のソケット本体210に第三の通気孔に連通する第四の通気孔(図9において接続部本体に遮られる)が設置され、第二のソケット本体310に第三の通気孔に連通する第五の通気孔316が設置される。このように、外部の空気は順に第四の通気孔、第三の通気孔及び第五の通気孔を流れることができ、コネクタの放熱速度をよりよく向上させる。
【0045】
一実施例において、第一の端子ユニットに係止突部が設けられ、第二の端子ユニットに凹部が設けられ、係止突部が凹溝内に係止されることにより、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットがスナップ接続され、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットとの間の迅速着脱を実現できる。理解できるように、他の実施例において、第一の端子ユニットは第二の端子ユニットに溶接されて堅固に接続されてもよい。
【0046】
図10図12に示すように、一実施例において、前記第一の端子ユニット121と前記第二の端子ユニット122との間に通気キャビティ123が形成される。前記通気キャビティ123はそれぞれ前記第一の係止溝111及び前記第二の係止溝112に連通し、第一の通気孔内に流れた空気は通気キャビティを介して第二の通気孔に流入することもでき、或いは、第二の通気孔内に流れた空気は通気キャビティを介して第一の通気孔に流入することもできるため、コネクタの内部に流れた空気は中間通気孔だけでなく通気キャビティを介して放熱させることもでき、コネクタ内の空気流通速度を向上させ、コネクタの放熱性能を向上させる。図13はコネクタの接続部端子の放熱シミュレーション概略図である。図13に示すように、シミュレーションテストにおいて、接続部端子内に通気キャビティが形成されているため、コネクタ全体を6〜10℃温度降下させることができる。コネクタ内の多くの熱量は接続部端子内の通気キャビティを流れる空気により外部へ放出され、通気キャビティがコネクタ内の主な放熱手段となるため、コネクタはより優れた放熱効果を有する。このように、接続部端子は通気放熱効果を強化できるだけでなく、即ち、熱量は接続部端子の内部の通気キャビティから排出される以外に接続部端子の外側から排出されることができ、かつ、摺動許容度を実現することもできる。本実施例において、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットによって通気キャビティを有するスリーブ構造が形成される。第一の挿入孔と第二の挿入孔は連通してスリーブ構造に適合する貫通孔を形成する。具体的には、本実施例において、スリーブ構造は矩形スリーブ構造である。接続部端子を環状の矩形体状構造に形成することにより、コネクタの放熱効果を向上させることができるだけでなく、XY軸方向における直交許容差を実現することもできる。他の実施例において、スリーブ構造の形状を実際の需要に応じて調整し変更することができる。
【0047】
図12及び図14に示すように、一実施例において、前記第一の端子ユニット121と前記第二の端子ユニット122は一体的に成形され、接続部端子の構造がコンパクトで製造難度が低い。本実施例において、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットは屈曲工程により一体的に成形され、接続部端子の製造コストが低い。
【0048】
図12に示すように、一実施例において、前記第一の端子ユニット121に第一の弾性シート124が設けられ、前記第一の弾性シートが前記第一の挿入孔の内壁に当接することにより、第一の端子ユニットが第一の挿入孔内に強固に挿着することができる。前記第二の端子ユニット122に第二の弾性シート125が設置され、前記第二の弾性シートが前記第二の挿入孔の内壁に当接することにより、第二の端子ユニットが第二の挿入孔内に強固に挿着することができる。このように、第一の端子ユニット及び第二の端子ユニットが強固に取り付けられる。
【0049】
図9に示すように、一実施例において、前記第二のソケット本体310にリミット台315が設置され、前記接続部本体110の前記第二のソケット本体310に隣接する端部に摺動溝115が設けられる。前記リミット台は前記摺動溝内に配置され、前記接続部本体と摺動接続され、案内作用を果たすことにより、接続部本体を第二の導電端子に対して接続部本体の軸方向に沿ってより円滑に摺動させる。
【0050】
一実施例において、前記挿入孔は前記接続部本体の軸方向に沿って設置される。本実施例において、第一の挿入孔及び第二の挿入孔はいずれも接続部本体の軸方向に沿って設置され、第一の端子ユニットと第二の端子ユニットはいずれも接続部本体の軸方向に沿って取り付けられる。
【0051】
理解できるように、第一のソケットと第二のソケットとの間の距離に応じて接続部の軸方向の長さを調整することができる。本実施例において、第一のソケットと第二のソケットのそれぞれは、一つの回路基板に接続される。図15に示すように、二つの回路基板20の間の距離に応じて接続部100の軸方向の長さを調整することができる。図15ではそのうちの一つの回路基板のみが示される。第一のソケット200と第二のソケット300との間の距離に応じて、接続部の軸方向の長さを調整する。図15に示す接続部の軸方向の長さはそれぞれ15mm 、20.1mm 、25mm 、28.5mm 、30mm 、38.5mm及び60mmなどである。
【0052】
異なる仕様の使用需要を満たすために、コネクタの横方向又は縦方向のチャンネル数を拡張することができる。コネクタを、図2に示す1*2Pinから、1*4Pin、図14に示す2*2Pin、図11に示す2*3Pin及び2*4Pin等に拡張することができる。
【0053】
図14に示すように、コネクタの組み立てを容易にするとともに、コネクタのチャンネル数を拡張するために、一実施例において、接続部100は少なくとも二つの接続部ユニット100aを含み、各接続部ユニットは接続部本体ユニット110a及び接続部端子ユニット120aを含み、隣接する二つの接続部ユニットは、接続部本体ユニットが互いに摺動接続されることにより摺動接合される。本実施例において、隣接する二つの接続部ユニットの接続部本体ユニットは挿入台及び挿入スロットにより摺動可能に嵌合されることにより摺動接続される。具体的には、隣接する二つの接続部ユニットの接続部本体ユニットのうち、一つの接続部ユニットの接続部本体ユニット120aに第一の挿入台121aが設けられ、他の接続部ユニットの接続部本体ユニットに第一の挿入台に対応する第一の挿入スロット122aが設けられ、隣接する二つの接続部ユニットの接続部本体ユニットは第一の挿入台及び第一の挿入スロットにより摺動可能に嵌合される。
【0054】
第一のソケット200は少なくとも二つの第一のソケットユニット200aを含み、各第一のソケットユニット200aは第一のソケット本体ユニット210a及び第一の導電端子ユニット220aを含み、隣接する二つの第一のソケットユニットは、第一のソケット本体ユニットが互いに摺動接続されることにより摺動接合される。各第一のソケットユニットの第一の導電端子ユニットは対応する接続部ユニットの接続部端子ユニットに摺動接続される。本実施例において、隣接する二つの第一のソケットユニットの第一のソケット本体ユニットは挿入台及び挿入スロットにより摺動可能に嵌合されて摺動接続される。具体的には、隣接する二つの第一のソケットユニットの第一のソケット本体ユニットのうち、一つの第一のソケットユニットの第一のソケット本体ユニット210aに第二の挿入台211aが設置され、他の第一のソケットユニットの第一のソケット本体ユニットに第二の挿入台に対応する第二の挿入スロット212aが設置され、隣接する二つの第一のソケットユニットの第一のソケット本体ユニットは挿入台及び挿入スロットにより摺動可能に嵌合される。
【0055】
第二のソケット300は少なくとも二つの第二のソケットユニット300aを含み、各第二のソケットユニットは第二のソケット本体ユニット310a及び第二の導電端子ユニット320aを含み、隣接する二つの第二のソケットユニットは、第二のソケット本体ユニットが互いに摺動接続されることにより摺動接合される。各第二のソケットユニットの第二の導電端子ユニットは対応する接続部ユニットの接続部端子ユニットに摺動接続される。本実施例において、隣接する二つの第二のソケットユニットの第二のソケット本体ユニットは挿入台及び挿入スロットにより摺動可能に嵌合されて摺動接続される。具体的には、隣接する二つの第二のソケットユニットの第二のソケット本体ユニットのうち、一つの第二のソケットユニットの第二のソケット本体ユニット310aに第三の挿入台311aが設置され、他の第二のソケットユニットの第二のソケット本体ユニット310aに第三の挿入台に対応する第三の挿入スロット312aが設置され、隣接する二つの第二のソケットユニットの第二のソケット本体ユニットは挿入台及び挿入スロットにより摺動可能に嵌合される。本実施例において、第一のソケットは第一の係止溝内に配置され、第二のソケットは第二の係止溝内に配置される。
【0056】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0057】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形および改良を行うことができ、これら変形や改良もすべて本発明の保護範囲内に含まれる。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15