(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、位置変換器について詳細に説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
【0014】
図1Aは、位置変換器100の縦断面図である。
図1Bは、
図1Aに対して90度側方から見た位置変換器100の縦断面図である。
図1Cは、位置変換器100を一部破断して示した斜視図である。なお、
図1Cでは、軸受け8などは、図示されていない。
【0015】
位置変換器100は、回転制限モータ1、拡散光吸収体3、LEDダイ4、ケース5、プリント基板6、反射器7、検出器11などから構成される。位置変換器100は、LEDダイ4から出射され、反射器7により反射された光を検出器11で検出することにより、回転制限モータ1の回転角度を検出する反射型光学式位置変換器である。
【0016】
回転制限モータ1は、ロータ10の端部に回転軸2を有し、回転軸2は軸受け8により支持されている。回転軸2の先端部には反射器取付部2aが突出している。反射器取付部2aには、反射器7が取り付けられる。反射器7は、回転制限モータ1の駆動により、基準位置を中心とする限られた角度範囲内で正方向および逆方向に回転軸2とともに回転する。
【0017】
回転制限モータ1の上部には、反射器7から距離を持って拡散光吸収体3が配置されている。
図1Cに示すように、拡散光吸収体3は、円板形状部3cと、円板形状部3cの中央付近に形成された台形形状部3aと、台形形状部3aの中央に形成された貫通孔3bとを有する。拡散光吸収体3は、回転軸2が貫通孔3bを挿通するように、回転制限モータ1の上端に取り付けられている。拡散光吸収体3は、円筒形のケース5に組み込まれている。
【0018】
拡散光吸収体3とケース5は、回転制限モータ1によっては回転しない固定側の部材である。反射器7の反射面から距離を持った固定側の拡散光吸収体3とケース5の表面には、LEDダイ4からの光を吸収する拡散光吸収部材3d(
図2参照)が配置されている。すなわち、拡散光吸収体3とケース5で形成される内部の空間は、拡散光吸収部材3dで取り囲まれている。拡散光吸収体3とケース5は、LEDダイ4から出射され、反射器7に当たらなかった光を、拡散光吸収部材3dにより吸収する。
【0019】
図2は、拡散光吸収部材3dの表面の拡大図である。拡散光吸収部材3dは、表面処理が施された黒色の部材であり、その表面に、光の波長に合うピッチおよび高さをもった凹凸などの、立体的で複雑な微細構造を有する。拡散光吸収部材3dは、その表面への入射光Lをこの微細構造にて繰り返し反射させることにより、その光を閉じ込めて吸収する(迷光効果)。表面処理は、蒸着、めっき、無機系焼付塗装、または静電植毛などの方法により行われる。
【0020】
ケース5の上には、プリント基板6(回路基板の一例)が被せて取り付けられている。LEDダイ4は、
図1Aに示すように、プリント基板6の下面で、回転軸2の中心に対応する位置に実装されている。位置変換器100は2個のLEDダイ4a,4bを有し、これらをまとめてLEDダイ4と記載する。ただし、LEDダイ4の個数は1個でも3個以上でもよい。LEDダイ4は、一点から光が出射し、出射した光が所定の広がりをもって放出される拡散光源であり、反射器7に対向してプリント基板6上に実装される。
図1Aおよび
図1Bでは、LEDダイ4から照射される光を矢印で示している。位置変換器100では、LEDダイ4として、例えば、ピーク波長が870nmであるアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)が使用される。
【0021】
プリント基板6には、10ピンの端子を有するコネクタ9が取り付けられている。コネクタ9の各ピン9a(
図3参照)は、プリント基板6に形成されているパターン(図示されていない)の各ランドに半田付けなどによって固定され、検出器11やLEDダイ4の端子に電気的に接続されている。コネクタ9には、信号処理回路の接続端子などが接続されている雌(または雄)のコネクタ(図示されていない)が電気結合される。
【0022】
図3は、実施形態の位置変換器100におけるプリント基板6の平面図である。
図4は、比較例の位置変換器200におけるプリント基板6の平面図である。
図5(a)〜
図5(c)は、位置変換器100,200の検出器11,11’および反射器7,7’の平面図である。
図5(a)〜
図5(c)では、上側に位置変換器100の検出器11および反射器7を示し、下側に位置変換器200の検出器11’および反射器7’を示す。位置変換器200は、反射器7が反射器7’に、検出器11が検出器11’にそれぞれ置き換えられている点のみが位置変換器100とは異なり、その他の点では位置変換器100と同一の構成を有する。
【0023】
図5(a)〜
図5(c)に示すように、反射器7は、嵌合により回転軸2の反射器取付部2aに取り付けるための取付孔7aを中央に有し、中央から放射状に突出するバタフライ形状の平坦な2枚の反射面7b,7cを有する。反射器7は、反射領域である反射面7b,7cを有するが、非反射領域を有していない。LEDダイ4から出射され、反射器7の反射面7b,7cに当たった光は、反射面7b,7cで検出器11に向けて反射される。LEDダイ4から見て反射器7の背後には拡散光吸収体3が配置されているので、LEDダイ4から出射された光のうち、反射面7b,7c以外の領域を通過して反射器7の裏面側へ通り抜けた光は、拡散光吸収部材3dで吸収される。
【0024】
反射器7は、冷間圧延などによる鏡面仕上げ加工された金属板をエッチングやワイヤカットなどでバタフライ形状に加工して作製される。反射面7b,7cにアルミ、銀、金などを蒸着して金属コーティングを施すことにより、反射器7の反射率をさらに向上させてもよい。
【0025】
検出器11は、
図3に示す4つのフォトダイオードダイ111〜114で構成される。フォトダイオードダイ111〜114は、感度波長が800〜900nmのシリコンウェハにより構成され、それぞれ部分円環状の感光領域A1,B1,A2,B2を有する。以下では、これらのフォトダイオードダイおよび感光領域のことを、それぞれ「チップ111〜114」および「フォトダイオードA1,B1,A2,B2」という。チップ111〜114はいずれも6角形であり、フォトダイオードA1,B1,A2,B2はそれぞれ中心角が約90度の部分円環の形状である。フォトダイオードA1,B1,A2,B2は、プリント基板6の下面における回転軸2の直上の位置を中心とする円周上に配置されている。LEDダイ4とチップ111〜114は、パッケージングされることなく、プリント基板6に直接実装されている(チップオンボード)。
【0026】
チップ111〜114は、中央に配置されたLEDダイ4を挟んで、フォトダイオードA1,A2が互いに向かい合い、フォトダイオードB1,B2も互いに向かい合うように実装されている。隣り合うフォトダイオードA1,B1を1対とし、フォトダイオードA2,B2を他の1対として、検出器11は2対のフォトダイオードを有する。プリント基板6上では、フォトダイオードA1,A2が並列に接続され、フォトダイオードB1,B2が並列に接続されている。
【0027】
図4に示すように、位置変換器200の検出器11’は4枚のチップ111’〜114’で構成され、部分円環状の4つのフォトダイオードA1’,B1’,A2’,B2’を有する。検出器11’は、チップおよびフォトダイオードの形状および配置のみが位置変換器100の検出器11とは異なる。チップ111’〜114’はいずれも長方形であり、フォトダイオードA1’,B1’,A2’,B2’はそれぞれ中心角が約60度の部分円環の形状である。検出器11’では、チップ111’,112’(1対のフォトダイオードA1’,B1’)が1辺で互いに接触し、チップ113’,114’(他の1対のフォトダイオードA2’,B2’)も1辺で互いに接触している。チップ111’,112’とチップ113’,114’の間には間隔が空いており、その部分のプリント基板6上にLEDダイ4(4a,4b)が実装されている。
【0028】
検出器11’のフォトダイオードもLEDダイ4を中心とする円周上に配置されているが、プリント基板6上のLEDダイ4の全周を取り囲んでおらず、LEDダイ4を挟んで向かい合う
図4における左右の2つの領域6cではフォトダイオードが途切れている。各フォトダイオードを中心角が約90度の部分円環の形状にすると、それらを同一円周上に配置するためには4枚のチップ111’〜114’を互いに接触させなければならず、そうするとプリント基板6上にLEDダイ4を配置することができなくなる。
【0029】
図3に示すように、位置変換器100の検出器11では、チップ111〜114はそれぞれ隣り合う他のチップと1辺で互いに接触しており、形状が6角形であることで、検出器11の中心にLEDダイ4の実装領域6a(プリント基板6の面が露出する領域)が形成される。検出器11では、検出器11’の領域6cのようにフォトダイオードが途切れる区間はなく、4つのフォトダイオードは全体としてLEDダイ4を取り囲む円環形状である。ただし、対を構成しないフォトダイオードA1とB2の間およびフォトダイオードB1とA2の間には、多少の隙間が空いていてもよい。
【0030】
検出器11では、フォトダイオードの個数は4個であり、フォトダイオードA1,B1,A2,B2およびチップ111〜114は、プリント基板6上でそれぞれ360度/4(=90度)の回転対称に配置されている。チップ111〜114は互いに合同な6角形であり、検出器11は全体として概ね正八角形の外形を有する。ただし、フォトダイオードが全体として円環形状に配置されていれば、各チップの形状および大きさは完全同一でなくてもよく、検出器11の外形も正多角形でなくてもよい。
【0031】
各チップの形状が6角形であることで、プリント基板6にケース5を被せるときに各チップの外周側の部分が邪魔にならないため、位置変換器100を小型化できる。図示した例とは異なり、
図3に示す検出器11の外周側における4つの3角形領域6bも各チップの一部分として、各チップを互いに合同な5角形にし、検出器11の外形を正方形または長方形にしてもよい。あるいは、各チップの形状を、
図3に示した実装領域6a側の辺Lを上底とする台形(すなわち4角形)にしてもよい。
【0032】
LEDダイ4から出射され反射器7で反射されてフォトダイオードA1,B1,A2,B2に照射されたバタフライ形状の像は、回転制限モータ1の回転とともに移動する。検出器11は、回転する反射面7b,7cによる反射光の像を受光して、各対を構成する2つのフォトダイオードの間における像の受光面積の割合に応じて変化する信号を出力する。具体的には、フォトダイオードA1,A2とフォトダイオードB1,B2は、その像を受光して、それぞれの受光面積に応じた光電流Ia,Ibを出力する。光電流Ia,Ibは、後述する
図6の信号処理回路13により電流電圧変換されて、それぞれ電圧Va,Vbとなる。この電圧差Va−Vbが位置変換器100の出力となる。
【0033】
例えば、
図5(a)のときには、フォトダイオードA1,A2の受光面積とフォトダイオードB1,B2の受光面積が等しいため、位置変換器100の出力電圧はVa−Vb=0になる。このとき、反射器7は基準位置にあり、その回転角度は0度であるとする。
図5(b)および
図5(c)のときには、フォトダイオードA1,A2の受光面積よりもフォトダイオードB1,B2の受光面積が大きいため、位置変換器100の出力電圧はVa−Vb<0になる。反射器7が
図5(b)および
図5(c)の場合とは逆方向に回転したときには、位置変換器100の出力電圧はVa−Vb>0になる。これらは位置変換器200についても同様である。
【0034】
位置変換器200の反射器7’は、
図5(a)〜
図5(c)に示すように、反射器7のものと同様の取付孔7a’および反射面7b’,7c’を有する。反射器7の反射面7b,7cは、検出器11の各フォトダイオードの弧長が検出器11’のものよりも大きいので、反射器7’の反射面7b’,7c’よりも幅広である。位置変換器が動作するためには、反射器の反射面は対を構成するフォトダイオードA1とB1の両方およびフォトダイオードA2とB2の両方に同時に重なる必要がある。しかしながら、反射面が対を構成しないフォトダイオードB1とA2の両方およびフォトダイオードA1とB2の両方に同時に重なると、正しい出力が得られない。このため、反射面7b,7cの幅は、反射器7が動作角度範囲の限界まで回転したときでも各反射面が対を構成しない2つのフォトダイオードに重ならないように設定される。
【0035】
図5(a)〜
図5(c)での反射器7,7’の回転角度はそれぞれ互いに等しく、これらの図における時計回りを正方向とすると、
図5(c)での回転角度は
図5(b)での回転角度よりも大きい。位置変換器200の場合には、
図5(c)では各反射面7b’,7c’が対を構成する2つのフォトダイオードに重ならず、また、回転方向側における反射面7b’,7c’の端部もそれぞれフォトダイオードB1’,B2’に重ならないので、反射器7’は
図5(c)に示す角度まで回転することはできず、
図5(b)に示す角度が反射器7’の動作角度範囲の上限になる。これに対し、位置変換器100の場合には、
図5(c)に示す角度でも反射面7b,7cが対を構成するフォトダイオードA1とB1の両方およびフォトダイオードA2とB2の両方にぎりぎり重なっており、また、回転方向側における反射面7b,7cの端部もそれぞれフォトダイオードB1,B2にぎりぎり重なっているので、この角度が反射器7の動作角度範囲の上限になる。したがって、位置変換器200よりも位置変換器100の方が動作角度範囲が広い。
【0036】
位置変換器100では、6角形のチップ111〜114を互いに接触させてフォトダイオードA1,B1,A2,B2を全体として円環形状にすることで、プリント基板6上にLEDダイ4の実装領域を確保しつつ、動作角度範囲を広げることができる。
【0037】
特許文献1の位置変換器システムのように複数のフォトダイオードを1枚のウェハ上に形成すると、LEDダイも同じウェハ上に実装する必要があるので、LEDダイからの光が直接フォトダイオードに入射して出力のSN比が低くなるとともに、暗電流が流れて個体ごとの特性のバラつきが出やすくなる。この場合、プリント基板上にLEDダイを実装できるように検出器のウェハの中心に開口部を形成することは技術的に難しく、実現できたとしても加工コストが高くなる。
【0038】
位置変換器100では、フォトダイオードA1,B1,A2,B2はそれぞれ別々のチップ111〜114上に形成されている。このようにフォトダイオードのチップを分割することで、上記の通りプリント基板6上にLEDダイ4の実装領域が確保され、それにより、(
図1A,1Bの下側を上とすると)各チップの厚さ分だけ各チップの上面に対するLEDダイ4の実装位置が低くなる。したがって、複数のフォトダイオードを1枚のウェハ上に形成した場合と比べてLEDダイからの光が直接フォトダイオードに入射し難くなるので、SN比が向上する。
【0039】
図6は、位置変換器100の信号処理回路13の回路図である。
図1A〜
図1Cには示していないが、位置変換器100は、回転制限モータ1の回転角度に応じたフォトダイオードA1,B1,A2,B2よる光電流を電圧信号に変換する信号処理回路13を有する。
【0040】
フォトダイオードA1,A2の出力である光電流Iaは、電流電圧変換部21aに入力される。また、フォトダイオードB1,B2の出力である光電流Ibは、電流電圧変換部21bに入力される。電流電圧変換部21aの出力電圧Vaと電流電圧変換部21bの出力電圧Vbは、減算器22に入力され、減算処理がなされる。信号処理回路13で処理された位置変換器出力Voは、
Vo=(Ia−Ib)Vref/(Ia+Ib)
となる。Vrefは参照電圧である。
【0041】
また、信号処理回路13は、高精度な位置変換出力を得るために、光学系で補償しきれない温度変化に対する温度補償および直線性補償を行うAGC回路28aを有する。電流電圧変換部21aの出力電圧Vaと電流電圧変換部21bの出力電圧Vbは、AGC回路28aに導かれ、加算器23で加算される。この加算出力は、比較器24により参照電圧Vrefと比較される。比較器24の出力は、積分回路25で積分処理され、電流アンプ26aによって増幅される。これにより、抵抗器27を介してLED20(LEDダイ4)に電流Ifが供給される。
【0042】
図7(a)および
図7(b)は、それぞれ検出器11,11’の製造方法を説明するための図である。位置変換器100の検出器11を製造するには、まず、
図7(a)に示す通り、例えば1枚のシリコンウェハ上に部分円環状の複数のフォトダイオードPDを格子状かつ隣同士で180度逆向きに配列するように形成する。この部分円環は中心角が約90度のものであり、
図7(a)において部分円環の右上に中心があるフォトダイオードと部分円環の左下に中心があるフォトダイオードとが、縦方向および横方向の両方についてシリコンウェハ上で交互に配置されるようにする。部分円環状の感光領域を形成するには、例えば、シリコンウェハの表面にアルミ蒸着などで扇形形状のヌケを設けて、検出器として不要な部分が遮光されるようにする。
【0043】
次に、
図7(a)に示す直線L1〜L3に沿ってシリコンウェハを縦、横および斜めに切断(ダイシング)して、5角形の複数のチップ110を形成する。特に、直線L3に沿った斜めの切断により、各チップをプリント基板6上に実装したときにLEDダイ4の実装領域6aに面する辺L(
図3参照)が形成される。検出器11に5角形のチップを使用する場合には切断は直線L1〜L3に沿った3回でよいが、6角形のチップを使用する場合には、
図7(a)に示す直線L4に沿ってシリコンウェハをさらに斜めに切断する。そして、部分円環状の複数のフォトダイオードPDが全体として円環形状になるように、個片化された複数のチップ110をプリント基板6上に実装する。これにより、
図3に示す検出器11が完成する。
【0044】
位置変換器200の検出器11’用のチップ110’を製造するには、
図7(b)に示す通り、1枚のシリコンウェハ上に部分円環状の複数のフォトダイオードPD’を格子状かつすべて同じ向きに配列するように形成し、直線L1,L2に沿ってウェハを縦横に切断すればよい。この配列であればウェハの無駄は最小限になるが、検出器11用のチップ110を製造するときにもフォトダイオードPDを
図7(b)のようにすべて同じ向きに配列させると、実装領域6aに面する各チップの辺Lを形成するためには、チップごとに斜めの切断をする必要がある。
図7(a)に示すようにシリコンウェハ上において複数のフォトダイオードを隣同士で180度逆向きに配列させれば、直線L3に沿った1回の切断で複数のチップの辺Lを形成できるので、同じ個数のチップを形成するために必要な切断回数が
図7(b)の配列の場合よりも少なくなる。
【0045】
ウェハの切断回数が少ないほど製造コストは安くなるため、
図7(a)に示す配列により検出器11の製造コストを抑えることができる。ウェハの切断方法はブレードによるダイシングに限らず、レーザによるダイシングでもよい。ウェハの切断線は直線に限らず曲線でもよく、したがって検出器11の各チップは多角形でなくてもよい。
【0046】
図8(a)および
図8(b)は、別の検出器12およびそれに対応する反射器70の平面図である。検出器12は、
図8(a)に示す8個のフォトダイオードダイ(チップ)121〜128で構成される。チップ121〜128はいずれも5角形であり、それぞれ中心角が約45度の部分円環状の感光領域(フォトダイオード)A1,B1,A2,B2,A3,B3,A4,B4を有する。隣り合うフォトダイオードA1とB1、A2とB2、A3とB3およびA4とB4がそれぞれ対を構成し、検出器12は4対のフォトダイオードを有する。チップ121〜128はそれぞれ隣り合う他のチップと1辺で互いに接触しており、検出器12の中心にプリント基板6の面が露出する領域が形成される。検出器12でも、8つのフォトダイオードは全体としてLEDダイ4を取り囲む円環形状になっている。
【0047】
検出器12では、フォトダイオードA1〜A4,B1〜B4は、プリント基板6上でそれぞれ360度/8(=45度)の回転対称に配置されている。LEDダイ4の中心を通る直線に関して各チップ121〜128を線対称に形成すれば、チップ121〜128も45度の回転対称になる。チップ121〜128は互いに合同な5角形であり、検出器12は全体として概ね正八角形の外形を有する。図示した例とは異なり、
図8(a)に示す検出器12の外周側における8つの3角形領域6dも各チップの一部分として、各チップを互いに合同な4角形にし、検出器12の外形を正方形または長方形にしてもよい。
【0048】
図8(b)に示すように、反射器70は、反射器取付部2aに取り付けられる中央の取付孔70aと、中央から放射状に突出する平坦な4枚の反射面70b〜70eとを有する。検出器12および反射器70の動作は、フォトダイオードの個数および反射面の枚数が増えているだけであるため、検出器11および反射器7のものと同様である。位置変換器100の検出器11および反射器7を検出器12および反射器70に替えても、プリント基板6上にLEDダイ4の実装領域を確保しつつ、動作角度範囲を広げることができる。
【0049】
図示した例に限らず、反射器の反射面は3枚でも5枚以上でもよく、その場合には、検出器を(反射面の枚数)×2個のフォトダイオードで構成すればよい。反射面を半円形の1枚とし、検出器を2個のフォトダイオードで構成すると、反射面が偏心したときに補正が利かなくなるので、偏心補正ができるように、反射面は2枚以上、フォトダイオードは4個以上であることが好ましい。
【解決手段】位置変換器は、回転制限モータの回転軸に取り付けられ、回転軸から放射状に突出する複数の反射面を有する反射器と、反射面に対向して回路基板上に実装された拡散光源と、回路基板上における回転軸の直上の位置を中心とする円周上に配置された複数対のフォトダイオード(PD)を有し、回転する反射面による反射光の像を受光して、各対を構成する2つのPDによる像の受光面積に応じて変化する信号を出力する検出器とを有し、各PDが互いに別々のチップ上に形成され、回路基板上の拡散光源の実装領域を取り囲みPDが全体として円環形状になるように複数のチップが回路基板上に実装されている。