(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の管状体の内壁に接触しながら当該管内を移動可能な構造の移動体と、当該移動体を駆動する駆動装置と、当該駆動装置への駆動指令により前記移動体の動作を制御する動作制御装置とを備えた管内移動システムにおいて、
前記動作制御装置は、前記移動体の一部分が前記内壁に接触したときの摩擦音の状態により、当該接触が原因で前記移動体が前記管内を移動不能になるスタックの発生を検出するスタック検出手段と、前記スタックが発生したときに、前記移動体に前記スタックを解消する動作をさせるように、前記駆動装置に駆動指令を行う駆動指令手段とを備えたことを特徴とする管内移動システム。
前記スタック音検出部では、前記スタックの発生が想定される前記動作フェーズ中の前記音圧データにおいて、予め設定した閾値を超える音圧が所定時間以上連続して発生している場合に、前記スタック音が発生していると判定されることを特徴とする請求項2記載の管内移動システム。
前記スタック情報取得部では、前記スタック音が発生した前記動作フェーズに対応して前記スタックの種類が特定されることを特徴とする請求項3記載の管内移動システム。
前記移動体は、空気圧駆動によって前記管内を尺取虫状に自走可能な構造をなし、前記駆動装置から供給される空気圧により、前記管内を移動するための推進力を生成可能に動作する推進可動部を備え、
前記推進可動部は、弾性変形可能な伸縮ホースと、当該伸縮ホースの前後両側に設けられたバルーンとにより構成され、
前記伸縮ホースは、前記駆動装置によって内部の空気圧が調整され、当該空気圧の変化により前後方向に伸縮可能に設けられ、
前記各バルーンは、前記駆動装置によって内部の空気圧が調整され、当該空気圧の変化による膨張及び収縮により、前記内壁に対する係止状態と非係止状態との間で変化可能に設けられ、前記移動体が前記管内を前進する通常走行モードにおいて、前記係止状態から前記非係止状態に移行する際の前記動作フェーズが前後異なるタイミングで行われ、
前記スタック情報取得部では、前記各バルーンが前記係止状態から前記非係止状態に移行する際の前記スタック音が移動体の前後どちらの前記バルーンで発生しているかにより、前記スタックの種類が特定されることを特徴とする請求項4記載の管内移動システム。
前記駆動指令手段では、前記後側スタックが発生している場合に、前側の前記バルーンを前記係止状態にし、前記伸縮ホースを後方に繰り返し伸縮させる後側スタック解消モードを行い、前記前側スタックが発生している場合に、後側の前記バルーンを前記係止状態にし、前記伸縮ホースを前方に繰り返し伸縮させる後側スタック解消モードを行い、前記先端側スタックが発生している場合に、前記移動体を後退させる先端側スタック解消モードを行うように、前記駆動装置に駆動指令することを特徴とする請求項7記載の管内移動システム。
所定の管状体の内壁に接触しながら当該管内を移動可能な構造の移動体の動作制御を行うコンピュータを、前記接触が原因で前記移動体が前記管内を移動不能になるスタックの発生を検出する手段として機能させる移動体のスタック検出用プログラムであって、
前記移動体の移動時に前記内壁に接触する動作フェーズに関する時間データを記憶し、前記管内で発生する音情報から音圧の経時変化を示す音圧データを取得し、前記時間データ及び前記音圧データに基づき、前記移動体の一部分が前記内壁に接触したときの摩擦音のうち前記スタックが原因となるスタック音の発生の有無を検出し、その検出結果から前記スタックの発生の有無と種類を特定することを特徴とする移動体のスタック検出用プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1には、本実施形態に係る管内移動システムの構成を説明するための概念図が示されている。これらの図において、前記管内移動システム10は、空気圧による駆動で管状体としてのガス管P内を自走可能に設けられた空気圧駆動型の移動体11と、移動体11を駆動する駆動装置として機能し、移動体11に対し圧縮空気を供給、排出するための空気給排ユニット12と、空気給排ユニット12への駆動指令により移動体11の動作を制御する動作制御装置13とを備えている。
【0019】
本実施形態での管内移動システム10は、移動体11が、地下に埋設されたガス管P内で自走しながら、ガス管P内の情報収集を行い、当該ガス管P内の異常発生等の状況を地上側から確認する配管内検査システムに利用される。
【0020】
前記移動体11は、ガス管Pの内壁に接触しながら、ガス管P内を尺取虫状に移動可能な構造となっており、具体的に、空気給排ユニット12から供給される空気圧により、ガス管P内を走行させる推進力を生成可能に動作する推進可動部15と、推進可動部15の一端側で屈曲可能に連なる先端部16とを備えている。
【0021】
前記推進可動部15は、弾性変形可能な伸縮ホース18と、伸縮ホース18の延出方向両端側に取り付けられた一対のバルーン20,21とにより構成され、移動体11は、伸縮ホース18の延出方向がガス管Pの延出方向に沿うように、ガス管P内を移動する。なお、以下の説明において、バルーン20,21のうち、伸縮ホース18の前側に存在する方を前部バルーン20と称し、同後側に存在する方を後部バルーン21と称する。
【0022】
前記伸縮ホース18は、
図2(A)に示されるように、中空部分を有する弾性被覆カバー23と、弾性被覆カバー23の中空部分に配置されて、空気給排ユニット12に繋がる内部空間を構成する袋状の弾性チューブ24とからなる。この伸縮ホース18は、空気給排ユニット12を駆動源とし、延出方向すなわち軸方向への変形となる所定範囲内での伸縮を可能に設けられる一方で、径方向に膨張不能になっている。
【0023】
前記弾性被覆カバー23は、曲げ変形と軸方向への伸縮変形が可能な弾性を備えた素材によって形成される一方、捩れ方向に抵抗力を発揮する蛇腹状の外形をなすとともに、径方向の弾性変形が規制される構造となっている。
【0024】
前記弾性チューブ24は、ゴム等の弾性体によって形成されるとともに、前記空気給排ユニット12により所定のタイミングで内部の空気が加圧若しくは減圧されることで、膨張と収縮を行えるようになっている。これにより、弾性チューブ24が膨張すると、その外側を囲む弾性被覆カバー23が軸方向に伸びるように変形し、伸縮ホース18が全体的に所定の基準長さから伸長することになる。そして、当該伸長状態から弾性チューブ24が収縮すると、弾性被覆カバー23がその弾性によって軸方向に縮むように変形し、伸縮ホース18が全体的に収縮して前記基準長さの状態に復帰する。また、空気給排ユニット12の駆動制御によって弾性チューブ24内の圧力が維持されると、そのときの伸縮ホース18の長さが維持されることになる。
【0025】
前記各バルーン20,21は、それぞれ、ゴム等の弾性体やビニール等の柔軟素材によって袋状に形成され、空気給排ユニット12により所定のタイミングで内部の空気が加圧若しくは減圧されることで、膨張と収縮を行えるようになっている。これらバルーン20,21に対しては、後述するように、相互に異なるタイミングで空気が給排される。なお、前部バルーン20の前方に、先端部16が配置されることとなる。
【0026】
以上の構成の推進可動部15は、
図3に示される移動体11の6つの動作フェーズを1サイクルとした動作が順番に繰り返し行われることにより、次のように、先端部16を先頭にして、ガス管P内の奥に向かって移動体11を前進させることが可能になる。なお、以下の説明において、当該前進時の推進可動部15の動作による移動体11の駆動を「基本推進駆動」と称する。
【0027】
先ず、
図3(A)の第1のフェーズでは、同図中左側の後部バルーン21が加圧されて膨張し、ガス管Pの内壁に押し当てられることで当該内壁に係止した係止状態となっている。一方、同図中右側の前部バルーン20は、減圧されて最も収縮した状態となっており、ガス管Pの内壁に接触していない非係止状態となっている。更に、伸縮ホース18は、減圧され、最短となる前記基準長さの状態になっている。
【0028】
この状態から、同図(B)の第2のフェーズでは、前記基準長さの伸縮ホース18が加圧されて軸方向に変形する。このとき、後部バルーン21は、その内圧が維持されて前記係止状態に維持される一方で、前部バルーン20は、前記非係止状態に維持されていることから、伸縮ホース18は前方に向かって伸長する。
【0029】
次に、同図(C)の第3のフェーズでは、前部バルーン20が加圧されて内壁への前記係止状態に変わる。このとき、伸縮ホース18と後部バルーン21は、第2のフェーズと同じ状態で維持される。
【0030】
更に、同図(D)の第4のフェーズでは、後部バルーン21が減圧されて収縮し、内壁への係止が解除された前記非係止状態となる。このとき、伸縮ホース18と前部バルーン20は、第3のフェーズと同じ状態で維持される。
【0031】
そして、同図(E)の第5のフェーズでは、伸縮ホース18が減圧されて収縮することで、その弾性により元の基準長さの状態に復帰する。この際、前部バルーン20が前記係止状態に維持される一方で、後部バルーン21が前記非係止状態に維持されていることから、伸縮ホース18は、前方に向かって収縮することになる。
【0032】
この状態から、同図(F)の第6のフェーズでは、前部バルーン20が、同図中実線で示されるように、再び減圧されて前記非係止状態となり、その後、伸縮ホース18の状態が維持されたまま、後部バルーン21が加圧される前記第1のフェーズに戻り、これら各フェーズが繰り返し行われる。ここでの第6フェーズの動作は、水平方向に延びるガス管P内における移動体11の移動時(以下、単に「水平管内の移動時」と称する)に適用される。
一方で、鉛直方向に延びるガス管P内における移動体11の移動時(以下、単に、「鉛直管内の移動時」と称する)における第6のフェーズの動作は、重力によるガス管P内での移動体11の落下を防止するために、水平管内の移動時と異なるように設定されている。すなわち、当該鉛直管内の移動時には、後部バルーン21が加圧され、前部バルーン20及び後部バルーン21が、それぞれ同図中破線で示されるように前記係止状態とされる。そして、伸縮ホース18の状態が維持されたまま、前部バルーン20が減圧される前記第1のフェーズに戻り、これら各フェーズが繰り返し行われる。
【0033】
なお、前述の各動作フェーズを逆順で行うと、移動体11はガス管P内を前述と逆方向に移動し、移動体11の後退動作が可能になる。
【0034】
前記先端部16は、
図2(A)に示されるように、前端側が窄まったロケット状をなす本体27と、本体27の前端側に設けられたカメラ28と、前方に向かって発光するライト29と、本体27と推進可動部15の前端側を連結する可動ジョイントとして機能する3個の空気圧シリンダ30とにより構成されている。
【0035】
前記カメラ28は、ライト29で照らされた移動体11の前方のガス管P内の空間を撮影可能に配置される。カメラ28から取得された画像情報は、移動体11に繋がるケーブル32を通じて地上側に伝送され、ガス管P内の様子を点検する等の目的で、地上でモニタリング可能となっている他、後述するように、前記動作制御装置13での移動体11の動作制御にも用いられる。なお、カメラ28としては、前記空間を撮影可能な機器である限りにおいて、特に限定されるものではない。
【0036】
前記各空気圧シリンダ30は、それら可動部が、本体27の周方向のほぼ等間隔となる3箇所の位置にそれぞれ回転自在に取り付けられている。これら空気圧シリンダ30は、空気給排ユニット12により圧縮空気の供給、排出がそれぞれ独立して行われ、伸縮ホース18の軸方向に進退可能となっている。この空気圧シリンダ30は、
図2(A)に示されるように、全て後退した初期状態では、本体27が推進可動部15に対して軸方向に一直線になる直線姿勢に維持される一方、何れかの空気圧シリンダ30の駆動状態が変わると、
図2(B)に示されるように、伸長量の多い空気圧シリンダ30の反対方向に本体27が屈曲する屈曲姿勢となる。ここで、推進可動部15に対する本体27の屈曲角度は、空気圧シリンダ30の伸長量を調整することで可変となる。これによって、先端部16は、空気給排ユニット12による空気圧シリンダ30の駆動により、推進可動部15に対して軸方向に一直線に並んだ直線姿勢と、移動体11の前方のあらゆる方向に屈曲可能な屈曲姿勢との間で変位可能になる。
【0037】
以上において、各バルーン20,21、伸縮ホース18及び各空気圧シリンダ30は、それぞれ、移動体11に所望の動作をさせるための空気圧アクチュエータ34(
図4参照)として機能し、以下の説明においては、適宜、これらバルーン20,21、伸縮ホース18及び各空気圧シリンダ30を空気圧アクチュエータ34として総称する。
【0038】
前記空気給排ユニット12は、
図1に示されるように、地上側に配置されており、各空気圧アクチュエータ34にチューブ36を介して繋がっている。この空気給排ユニット12は、
図4に示されるように、空気を給排するポンプユニット38と、前記動作制御装置13からの指令に基づいて、ポンプユニット38から各空気圧アクチュエータ34に対する空気の給排状態を切り替える電磁弁39とにより構成される。
【0039】
前記ポンプユニット38は、詳細な構造についての図示を省略するが、各空気圧アクチュエータ34の空気を加圧する加圧ポンプ、各空気圧アクチュエータ34の空気を減圧するための真空ポンプ、これらポンプに繋がるタンク類、及び圧力制御弁等によって構成される。
【0040】
前記電磁弁39は、前記加圧ポンプと所望の空気圧アクチュエータ34を連通する位置と、前記真空ポンプと所望の空気圧アクチュエータ34を連通する位置とに切り替え可能となっており、動作制御装置13からの指令に基づいて、各空気圧アクチュエータ34とポンプユニット38との連通状態が独立して制御される。
【0041】
前記動作制御装置13は、移動体11の前方の管内空間を撮影する前記カメラ28で取得した画像情報と、地上側から移動体11をガス管P内に導入する導入口D(
図1参照)付近に設置され、ガス管P内での発生音を収集するマイク41で取得した音情報とを用い、ガス管P内を進行する移動体11の動作制御を行うようになっている。なお、マイク41は、ガス管P内での発生音を収集できる限りにおいて、種々のタイプのものを採用することができる。
【0042】
この動作制御装置13は、地上側に配置されており、CPU等の演算処理装置及びメモリやハードディスク等の記憶装置等からなるコンピュータによって構成され、当該コンピュータを以下の各手段として機能させるためのプログラムがインストールされている。
【0043】
前記動作制御装置13は、
図4に示されるように、カメラ28で取得した画像データの処理を行う画像処理手段43と、マイク41からの音情報と画像処理手段43での画像処理結果に基づき、移動体11の一部分がガス管Pの内壁に接触したときの摩擦音の状態により、当該接触が原因で移動体11がガス管P内を移動不能となるスタックの発生を検出するスタック検出手段44と、画像処理手段43及びスタック検出手段44での処理結果に基づき、空気給排ユニット12の動作制御を通じて各空気圧アクチュエータ34への駆動指令を行う駆動指令手段45とを備えている。
【0044】
前記画像処理手段43は、移動体11の先端側がガス管Pの内壁に接近しているか否かを判定する内壁接近判定部47と、内壁接近判定部47での判定結果に基づいて、移動体11の前方空間における進行方向を特定する進行方向特定部48とを備えており、公知の画像処理技術を利用して次の各処理が行われる。
【0045】
前記内壁接近判定部47では、先ず、カメラ28で取得したガス管P内の前方空間の画像全体の輝度が予め設定した閾値よりも超えるか否かが判定される。このとき、前記輝度が前記閾値以下の場合には、前記前方空間に向かって照射されたライト29(
図2参照)の照射光がガス管Pの内壁で反射する量が少なく、画像全体が暗くなることから、移動体11の先端側が内壁に接近していない非接近状態と判定される。一方、前記輝度が前記閾値を超える場合には、ライト29の照射光の多くが内壁の存在によって反射され、画像全体が明るくなることから、移動体11の先端側が内壁に接近している接近状態と判定される。
【0046】
前記進行方向特定部48では、内壁接近判定部47で前記非接近状態と判定されると、移動体11の進行方向が直進方向であると判断される。一方、内壁接近判定部47で前記接近状態と判定されると、取得画像の各部分の輝度の分布が求められ、取得画像中、最も暗い部分を内壁が前方に存在しない空間と認識し、当該取得画像の暗い部分が移動体11の進行方向と判断される。
【0047】
前記スタック検出手段44では、内壁接近判定部47で判定された移動体11の先端部16の内壁への接近状況と、マイク41から取得した音情報の時間に対する音圧の状態とに基づき、次の各種スタックの発生の有無が検出される。
【0048】
前記スタックとしては、
図5に模式的に示されるように、原因別に次の3タイプがあり、後述するように、当該スタックを解消するためには、これら各タイプに応じた移動体11の自律動作が必要になる。
【0049】
第1のタイプとしては、
図5(A)に示されるように、移動体11の先端部16が曲管部分を曲がり切れずに内壁に当接することで、移動体11がガス管P内を前進不能になる先端側スタックがある。
【0050】
第2のタイプとしては、同図(B)に示されるように、移動体11が曲管部分を通過する過程で、伸縮ホース18の前寄り部分が内壁に当接して引っ掛かることで、移動体11がガス管P内を前進不能になる前側スタックがある。
【0051】
第3のタイプとしては、同図(C)に示されるように、移動体11が曲管部分を通過する過程で、伸縮ホース18の後寄り部分が内壁に当接して引っ掛かることで、移動体11がガス管P内を前進不能になる後側スタックがある。
【0052】
ところで、本発明者らは、試験研究により、移動体11がガス管P内を前進している際、ガス管P内で発生する異音の状態とその発生タイミングによって、前述した
図3の各動作フェーズによる移動体11の基本推進駆動の最中に、どのタイプのスタックが発生しているか否かが識別可能である旨を知見した。
【0053】
具体的に、移動体11が前記各動作フェーズを順に繰り返し行いながらガス管P内を前進している際に、前述した
図5(A)の先端側スタックや同(B)の前側スタックが生じた場合には、
図3(C)の第3のフェーズから同図(D)の第4のフェーズに移行する過程で、後部バルーン21から、ガス管Pの内壁に引き摺られているような摩擦音が発生する。
【0054】
すなわち、この場合には、
図3(B)の第2のフェーズで伸縮ホース18が伸長する過程で、その前寄りの部位の移動が拘束された状態となっており、第3のフェーズに達した時点で、伸縮ホース18が通常の長さまで伸長していない不完全な伸長状態になっている。その状態から、第4のフェーズに移行する際には、前部バルーン20が依然内壁への係止状態になっており、且つ、伸縮ホース18の内圧が維持されるため、後部バルーン21が徐々に減圧されて内壁への係止状態が徐々に解除されると、伸縮ホース18が完全な伸長状態になるように、後部バルーン21が内壁に接触しながら後方に引っ張られてしまう。従って、第3及び第4のフェーズの間の時間帯、すなわち、後部バルーン21が減圧を開始してから収縮を完了するまでの時間において、ある程度継続した摩擦音が発生した場合、先端側スタックや前側スタックが発生したと考えられる。
【0055】
また、移動体11が前記各動作フェーズを順に繰り返し行いながらガス管P内を前進している際に、前述した
図5(C)の後側スタックが生じた場合、前記水平管内の移動時には、
図3(E)の第5のフェーズから同図(F)の第6のフェーズに移行する過程で、前部バルーン20から、ガス管Pの内壁に引き摺られているような摩擦音が発生する。一方、前記鉛直管内の移動時に後側スタックが生じた場合には、同図(F)の第6のフェーズから同図(A)第1のフェーズに移行する過程で、前部バルーン20から前記摩擦音が発生する。
【0056】
すなわち、後側スタックが発生した場合には、第5のフェーズで伸長ホース18が収縮する過程で、その後寄りの部位の移動が拘束された状態となっており、第5のフェーズに達した時点で、伸縮ホース18が最短の基準長さにまで短縮していない不完全な収縮状態になっている。その状態から、第6のフェーズに移行する際、伸縮ホース18が減圧された状態であるため、水平管内の移動時において、前部バルーン21が徐々に減圧されて内壁への係止状態が徐々に解除されると、伸縮ホース18が完全な収縮状態になるように、前部バルーン20が内壁に接触しながら後方に引っ張られることになる。従って、前部バルーン20が減圧を開始してから収縮が完了するまでの時間となる第6のフェーズの時間帯において、ある程度継続した摩擦音が発生した場合、後側スタックが発生したと考えられる。
同様に、鉛直管内の移動時においては、前部バルーン20が減圧を開始してから収縮が完了するまでの時間となる第1のフェーズの時間帯に、である程度継続した摩擦音が発生した場合、後側スタックが発生したと考えられる。
【0057】
以上により、ある程度継続した摩擦音が前部バルーン20のみから発生した場合には、後側スタックが発生しており、ある程度継続した摩擦音が後部バルーン21のみから発生した場合には、先端側スタック若しくは前側スタックが発生していることになる。
【0058】
前記スタック検出手段44は、以上の現象を踏まえてスタックを自動的に検出可能な構成を採っており、所定の時間データが記憶された時間データ記憶部54と、マイク41で取得した音情報から音圧の経時変化を示す音圧データを取得する音圧データ取得部55と、これら時間データ及び音圧データに基づき、摩擦音のうちスタックが原因となるスタック音の発生の有無を検出するスタック音検出部56と、スタック音検出部56での検出結果を利用し、スタック発生の有無と種類を特定するスタック情報取得部57とにより構成される。
【0059】
前記時間データ記憶部54には、前記基本推進駆動の際に各バルーン20,21が収縮するフェーズについて、1サイクルにおける第1のフェーズ(
図3(A))の開始時をスタート時刻として、次の時間データが予め記憶されている。
【0060】
すなわち、この時間データ記憶部54では、時間データとして、後部バルーン21が減圧を開始する減圧開始時刻t
rsと、当該減圧開始時刻t
rsから後部バルーン21が完全に収縮するまでの時間(以下、「後部バルーン収縮時間t
rd」と称する)と、前部バルーン20が減圧を開始する減圧開始時刻t
fsと、当該減圧開始時刻t
fsから前部バルーン20が完全に収縮するまでの時間(以下、「前部バルーン収縮時間t
fd」と称する)と、後部バルーン21のスタック音検出用の時間の閾値(以下、「後部バルーン時間閾値t
rth」と称する)と、前部バルーン20のスタック音検出用の時間の閾値(以下、「前部バルーン時間閾値t
fth」と称する)とが記憶されている。
なお、後部バルーン21における減圧開始時刻t
rsとしては、第4のフェーズ(
図3(D))の開始時刻が記憶され、後部バルーン収縮時間t
rdとしては、第4のフェーズの開始時刻から第5のフェーズ(同図(E))の開始時刻までの時間が記憶される。
また、前部バルーン20における減圧開始時刻t
fsとしては、水平管内の移動時に使用する第6のフェーズ(同図(F))の開始時刻と、鉛直管内の移動時に使用する第1のフェーズ(同図(A))の開始時刻との2種が記憶される。また、前部バルーン収縮時間t
fdとしては、水平管内の移動時における第6のフェーズの開始時刻から前部バルーン20が完全に収縮する第1のフェーズの開始時刻までの時間と、鉛直管内の移動時における第1のフェーズの開始時刻から前部バルーン20が完全に収縮する第2のフェーズ(同図(B))の開始時刻までの時間とが記憶される。
【0061】
ここで、特に限定されるものではないが、前部バルーン時間閾値t
fthは、前部バルーン収縮時間t
fdに所定の係数K
t1(0<K
t1<1)を乗じて予め求められ、後部バルーン時間閾値t
rthは、後部バルーン収縮時間t
rdに所定の係数K
t2(0<K
t2<1)を乗じて予め求められる。なお、これら係数K
t1,K
t2は、同一の値でも、別の値としても良い。
【0062】
本実施形態では、前記時間データを予め記憶しているが、本発明はこれに限らず、基本推進駆動の際のサイクル毎等で、各バルーン20,21の減圧時間が逐次変更されるように制御される場合には、空気給排ユニット12の動作状況に基づいて、1サイクル毎に前記時間データを計時する計時部を設けることも可能である。
【0063】
前記音圧データ取得部55では、
図3(A)〜(F)の各動作フェーズを1サイクルとした前述の基本推進駆動が行われている際に、当該1サイクル毎に、同図(A)の第1のフェーズの開始時をスタート時刻とし、経時的な音圧データが取得される。
【0064】
前記スタック音検出部56では、前述のように、何等かのスタックが発生すると前後何れかのバルーン20,21にある程度の時間で連続した摩擦音が発生するため、これら各バルーン20,21について、連続した摩擦音が発生しているかが判定される。すなわち、ここでは、スタックが発生し得る移動体11の動作フェーズの各時間帯における音圧データの中で、予め設定した閾値を超える音圧が所定時間以上連続して発生している場合に、前記スタック音が発生していると判断される。
【0065】
具体的に、前部バルーン20については、次のようにして、前記スタック音が発生しているか否かが決定される。
【0066】
すなわち、ここでは、先ず、時間データ記憶部54で記憶された前述減圧開始時刻t
fsと前部バルーン収縮時間t
fdとから、前部バルーン20が前記係止状態から完全に収縮するまでの対象フェーズにおける音圧データが抽出される。
【0067】
そして、前記対象フェーズの音圧データについて、1サイクル全体の最大音圧P
maxに所定の係数K
p(0<K
p<1)を乗じて求められた音圧閾値P
thよりも高くなる音圧Pが連続的に存在するか否かが判定される。具体的には、音圧閾値P
thよりも高い音圧の連続時間t
fが求められ、当該連続時間t
fが、時間データ記憶部54に記憶された前部バルーン時間閾値t
fthを超える場合、スタック音が前部バルーン20に発生していると判定される。一方、音圧閾値P
thよりも高い音圧の連続時間t
fが、前部バルーン時間閾値t
fth以下の場合、前部バルーン20にはスタック音が発生していないと判定される。
【0068】
後部バルーン21についても、前部バルーン20のときと同様にして、スタック音の発生の有無が検出される。
【0069】
すなわち、ここでは、時間データ記憶部54に記憶された前述の減圧開始時刻t
rsと後部バルーン収縮時間t
rdとから、後部バルーン21が前記係止状態から完全に収縮するまでの対象フェーズにおける音圧データが抽出され、当該音圧データについて、前記音圧閾値P
thよりも高い音圧の連続時間t
rが求められる。そして、当該連続時間t
rが、後部バルーン時間閾値t
rthを超える場合、スタック音が後部バルーン21に発生していると判定される。一方、音圧閾値P
thよりも高い音圧の連続時間t
rが、後部バルーン時間閾値t
rth以下の場合、後部バルーン21にはスタック音が発生していないと判定される。
【0070】
前記スタック情報取得部57では、次のようにして、スタックの発生の有無と種類が特定される。
【0071】
スタック音検出部56で、前部バルーン20のみにスタック音が発生していると検出された場合には、前記後側スタックが発生していると特定される。
一方、スタック音検出部56で、後部バルーン21のみにスタック音が発生していると検出された場合には、前記先端側スタックと前側スタックの何れかが発生していることになる。そこで、この場合には、前記画像処理手段43の内壁接近判定部47での処理により、先端部16が内壁に対して接近状態か非接近状態かが判定される。そして、前記接近状態のときに、先端側スタックが発生していると特定され、前記非接近状態と判定されたときに、前側スタックが発生していると特定される。
なお、これら以外の場合は、何れのスタックも発生していないと特定される。
【0072】
前記駆動指令手段45では、前記基本推進駆動の1サイクル毎に、次のようにして、移動体11の移動時における次の各ケースに応じ、各空気圧アクチュエータ34に駆動指令を行う。特に、スタック情報取得部57でスタックが発生したと判断された場合には、移動体11にスタックを解消するための動作をさせる。
【0073】
第1のケースとして、スタック検出手段44で何れのスタックも発生していないと特定されると、基本推進駆動を繰り返し行う通常走行モードでの動作制御が行われるように、推進可動部15の伸縮ホース18、各バルーン20,21への空気圧の調整が行われる。この通常走行モードの際に、画像処理手段43の進行方向特定部48で、前述したように、先端部16の内壁への接近状況が判定され、進行方向が特定される。そして、先端部16が内壁に対して非接近状態であると判定されると、
図6(A)に示されるように、先端部16が伸縮ホース18と一直線上に並ぶ直線姿勢になるように、各空気圧シリンダ30の駆動が制御され、移動体11が直進用の通常走行モードで移動することになる。一方、通常走行モードの際に、進行方向特定部48で、先端部16が内壁に対して接近状態であると判定され、当該内壁を避けるための方向が特定されると、同図(B)に示されるように、当該方向に沿って先端部16が伸縮ホース18に対して屈曲する屈曲姿勢になるように、各空気圧シリンダ30の駆動が制御され、移動体11が方向転換用の通常走行モードで移動することになる。
【0074】
第2のケースとして、スタック検出手段44で先端側スタックが発生していると特定されると、基本推進駆動に対して逆順の動作を繰り返すことにより、
図6(C)に示されるように、移動体11を後退させる先端側スタック解消モードが所定時間行われる。
【0075】
第3のケースとして、スタック検出手段44で前側スタックが発生していると特定されると、基本推進駆動の第1及び第2のフェーズを所定回繰り返すように、後部バルーン21を係止状態として伸縮ホース18への加圧と減圧を交互に行い、
図6(D)に示されるように、移動体11の前寄り部分を前後に繰り返し動かす前側スタック解消モードが行われる。
【0076】
第4のケースとして、スタック検出手段44で後側スタックが発生していると特定されると、基本推進駆動の第4及び第5のフェーズを所定回繰り返すように、前部バルーン20を係止状態として伸縮ホース18への加圧と減圧を交互に行い、
図6(E)に示されるように、移動体11の後寄り部分を前後に繰り返し動かす後側スタック解消モードが行われる。
【0077】
以上で説明した前記動作制御装置13での各処理の手順について、
図7のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0078】
具体的に、先ず、前記基本推進駆動が行われ(ステップS100)、前部バルーン20について、前記スタック音が発生しているか否かが判定される(ステップS101)。次に、後部バルーン21についても、前部バルーン20のときと同様にして、スタック音の発生の有無が判定される(ステップS102)。
【0079】
そして、前部バルーン20のみに、スタック音が発生していると判定された場合には、前述の後側スタックが発生していると特定される(ステップS103)。一方、後部バルーン21のみにスタック音が発生していると判定された場合には、前記画像処理手段43での処理により、移動体11の先端側がガス管Pの内壁に対して接近状態か非接近状態かが判定される(ステップS104)。そして、前記接近状態と判定されたときに、前述の先端側スタックが発生していると特定され(ステップS105)、前記非接近状態と判定されたときに、前述の前側スタックが発生していると特定される(ステップS106)。なお、それ以外の場合は、何れのスタックも発生していないと特定される(ステップS107)。
【0080】
そこで、何れのスタックも発生していないと特定されると、移動体11の先端側がガス管Pの内壁に対して接近状態か非接近状態かが判定される(ステップS108)。そこで、前記非接近状態の場合には、
図6(A)の直進用の通常走行モードで移動体11を前進させる(ステップS109)。一方、前記接近状態の場合には、同図(B)の方向転換用の通常走行モードで移動体11を前進させる(ステップS110)。
【0081】
また、先端側スタックが発生していると特定されると、
図6(C)の先端側スタック解消モードで移動体11が所定時間動作する(ステップS111)。
【0082】
更に、前側スタックが発生していると特定されると、
図6(D)の前側スタック解消モードで移動体11が所定時間動作する(ステップS112)。
【0083】
また、後側スタックが発生していると特定されると、
図6(E)の後側スタック解消モードで移動体11が所定時間動作する(ステップS113)。
【0084】
そして、移動体11が目的の最終地点に到達するまで、前述の処理が繰り返し行われる(ステップS114)。
【0085】
以上の構成の管内移動システム10による移動体11の移動について、
図8に示される8曲りのガス管P内の移動を例に挙げ、
図9の状態遷移図を用いながら次に説明する。
【0086】
ここでの移動体11の動作は、家庭側から灯外内管、供給管を通って本支管に至るまでの管内の状態を検査するために、
図8のガス管P内での自走を可能にするように予めプログラミングされている。なお、
図8のガス管Pの説明において、鉛直方向を「縦方向」と称し、水平方向を「横方向」と称する。
【0087】
当該ガス管Pは、家庭H側の第1の領域P1と、当該第1の領域P1と本支管Mとの間で繋がる第2の領域P2とからなる。前記第1の領域P1は、家庭H側の地上に存在する移動体11の導入口Dから縦方向の下方に延びる鉛直管である第1の直管S1と、第1の直管S1に繋がり、縦方向から横方向に方向転換する曲管をなすエルボEと、エルボEに繋がり、横方向で方向転換する曲管をなす第1のベンドB1と、第1のベンドB1に繋がって横方向に延びる水平管である第2の直管S2と、第2の直管S2に繋がり、横方向で方向転換する曲管をなす第2のベンドB2と、第2のベンドB2に繋がり、横方向から縦方向に方向転換する曲管部分を含むサービスチーTとにより構成される。また、前記第2の領域P2は、第1の領域P1と実質的に同一となる配管構成となっており、第1の領域P1のサービスチーTに、第2の領域P2の第1の直管S1が接続されることで、第1及び第2の領域P1,P2が連なることになる。そして、第2の領域P2のサービスチーTが本支管Mに接続される。
【0088】
移動体11は、地上の前記導入口Dから導入され、その後、第1領域P1を自走する。
【0089】
すなわち、移動体11は、先ず、先端側が直線姿勢となる直進用の通常走行モードで、
図9中の破線領域Aの第1の直管S1内を前進する(動作M1)。
【0090】
そして、移動体11の先端部16がエルボEと第1のベンドB1に達すると、
図9中の破線領域Bに示されるように、先端側が屈曲姿勢となる方向転換用の通常走行モードで移動体11が前進する(動作M2)。この際、先端側スタックが発生すると、移動体11は、先端側スタック解消モードにより一旦後退してから(動作M3)、再び、直進用の通常走行モードで前進する(動作M1)。更に、エルボEや第1のベンドB1を通過する際、前側スタックが発生したときに、移動体11は、前側スタック解消モードによる動作が行われ(動作M4)、その後、再び、直進用の通常走行モードで前進する(動作M1)。また、ここでの通過の際、後側スタックが発生したときに、移動体11は、後側スタック解消モードによる動作が行われ(動作M5)、その後、再び、直進用の通常走行モードで前進する(動作M1)。なお、各スタックが解消されない、若しくは、再度各スタックが発生したときには、前記スタック解消用の動作が繰り返し行われる。
【0091】
次に、
図9中の破線領域Cに示されるように、移動体11が第2の直管S2内に達すると、直進用の通常走行モードで前進する(動作M1)。
【0092】
その後、移動体11が第2のベンドB2とサービスチーTに達すると、
図9中の破線領域Dに示されるように、前記エルボEや第1のベンドB1を移動体11が移動する際に説明したのと同一の動作が行われる。
【0093】
そして、移動体11が第2の領域P2に移動すると、前述した第1の領域P1と同一順で移動体11が動作し(
図9中Eの遷移部分)、第2の領域P2を通過後、本支管Mに向かう(同図中Fの遷移部分)。
【0094】
従って、このような実施形態によれば、移動体11が部品点数の少ない比較的簡単な構造の空気圧駆動型となっており、小径のガス管P内であっても自走可能となる。しかも、このような空気圧駆動型において、ガス管P内での摩擦音の発生状況から、ガス管P内の移動体11の移動時のスタックの発生を自動的に検出でき、当該スタックを解消する動作を自動的に移動体11に行わせることができる。また、ガス管P内を進行する移動体11は、電気的駆動でないため、ガスが存在する状態でのガス管P内の検査に好適となる。
【0095】
なお、前記実施形態では、スタックの検出に際し、カメラ28で取得した画像データを利用しているが、本発明において、当該画像データの利用は必須ではなく、取得した配管P内の摩擦音等の異音の相違により、各スタックを識別できる限りにおいて、管状体や移動体11の構造に応じて種々の態様を採ることができる。
【0096】
また、本実施形態では、前記マイク41をガス管Pの導入口D付近に設置したが、ガス管P内での発生音を検出できる限りにおいて、移動体11に付設し、或いは、ガス管P内の所定位置に設置しても良い。
【0097】
更に、前記実施形態では、ガス管P内の検査用として、移動体11をガス管P内で移動させる態様について図示説明したが、本発明はこれに限らず、他の配管やトンネルを含む他の管状体の内部空間等で何等かの移動体を移動させることにより、当該内部空間の状況を遠隔場所で確認するためのシステムに適用可能である。
【0098】
また、本発明において、前記移動体11は、前述した構造のものに限定されず、管状体の内壁に接触しながら移動可能な構造を有し、管状体内でスタックが発生した際に、内壁との間で摩擦音等の異音が発生し得るものであれば、何でも良い。例えば、移動体11を移動させる手段として、車輪を内壁に接触しながら駆動させる構造を採用し、スタック時に当該車輪に独自の摩擦音が発生し得るタイプのものを採用しても良い。
【0099】
更に、前記実施形態のスタック検出手段44では、自走式の移動体11についてのスタックの検出を行っているが、本発明はこれに限らず、圧送式、押込式等、操作者の操作によって管状体内を移動可能な他の移動体についてのスタックの検出も可能である。すなわち、スタック検出手段44でのアルゴリスムは、操作者が目視できない箇所でのスタックの発生有無や種類を認識するために種々のケースで利用できる。
【0100】
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。