特許第6869558号(P6869558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869558
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/44 20060101AFI20210426BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20210426BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B65D5/44 M
   B65D5/52 L
   B65D5/42 C
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-152264(P2019-152264)
(22)【出願日】2019年8月22日
(65)【公開番号】特開2021-31103(P2021-31103A)
(43)【公開日】2021年3月1日
【審査請求日】2019年8月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 : 平成30年10月17日、18日、19日 展示会名: モノづくりフェア2018 開催場所: マリンメッセ福岡(〒812−0031 福岡市博多区沖浜町7−1) 〔刊行物等〕 展示日 : 令和1年6月5日〜11日 展示会名: 大阪まるかじりフェア 開催場所: 東京都庁第一本庁舎(〒160−0023 東京都新宿区西新宿2−8−1)
(73)【特許権者】
【識別番号】394004608
【氏名又は名称】株式会社秀英
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 孝司
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第206569392(CN,U)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0323171(KR,Y1)
【文献】 特開2001−328622(JP,A)
【文献】 米国特許第06016906(US,A)
【文献】 特開2009−202876(JP,A)
【文献】 特開2005−082210(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175344(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底状の容器本体を有する包装用容器であって、当該包装用容器の壁面を構成する板体のうち少なくとも一つの板体が、窓穴を有する窓穴形成板体を含む包装用容器であって、
前記窓穴を覆うように前記窓穴形成板体の内面側に配置され、前記窓穴形成板体に貼着されたシートであって、透明材料または半透明材料を用いて形成されたシートと、
前記窓穴形成板体の一つの端辺である一端辺に沿って形成された切り込みと、
前記窓穴形成板体の内面において前記切り込みと前記窓穴とで仕切られた領域を除く領域に配置され、前記窓穴形成板体に前記シートを貼着するための貼着部と、を含み、
前記窓穴形成板体の内面と透明材料または半透明材料を用いて形成された前記シートの外面とによって、表示シートを収容するための表示収容空間が区画されており、
前記切り込みを介して前記表示収容空間に前記表示シートを挿入可能であり、
前記表示収容空間に収容された状態の前記表示シートが、前記窓穴形成板体の内面と前記シートの外面とに接している、包装用容器。
【請求項2】
前記容器本体が開口面を有し、
前記包装用容器が、前記容器本体の前記面を覆うための蓋体をさらに含み
前記窓穴形成板体が、前記容器本体の側板および底板ならびに前記蓋体のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記窓穴形成板体が、前記蓋体を含み、
前記蓋体が、前記容器本体の前記開口面を区画する側辺の一つである基端辺に連結されており、
前記一端辺が、前記基端辺である、請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記シートが、汚れ防止用フィルムを含み、
前記汚れ防止用フィルムが、前記蓋体の内面および前記容器本体の内面の双方を覆う、請求項3に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記貼着部が、前記窓穴形成板体において前記窓穴の周縁部を除く領域に配置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項6】
前記切り込みが、前記一端辺上に形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、食品等を包装する蓋付きの紙製包装用容器が開示されている。この紙製包装用容器では、蓋の内面および容器本体の内面の全域に、被包装物との接触による汚れを防止する汚れ防止用フィルムが積層貼着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−328622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に係る紙製包装用容器の蓋体の外面に、表示情報を設けることを検討している。たとえば、蓋体の外面に表示情報を印字することが考えられる。
しかしながら、紙製包装用容器に表示情報を印字してしまうと、その紙製包装用容器の使用用途が限られてしまう。そのため、被包装物の内容を紙製包装用容器に印字してしまうと、その紙製包装用容器は、他の被包装物の包装のためには使用できない。
【0005】
そして、製造コストを考慮すると、紙製包装用容器の作製個数は一定のロット数以上である必要がある。すなわち、所定の表示情報を付す必要がある紙製包装用容器の個数が少数(少ロット)である場合には、紙製包装用容器に対する表示情報の付与を、表示情報の印字によって実現できない。
すなわち、少数生産にも対応可能なように、紙製包装用容器において、利用者が視認可能な表示情報が変更可能に設けられていることが望ましい。
【0006】
そこで、この発明の一つの目的は、利用者が視認可能な表示情報が変更可能に設けられた包装用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
の発明の一実施形態は、有底状の容器本体を有する包装用容器であって、当該包装用容器の壁面を構成する板体のうち少なくとも一つの板体が、窓穴を有する窓穴形成板体を含む包装用容器であって、前記窓穴を覆うように前記窓穴形成板体の内面側に配置されたシートと、前記窓穴形成板体の一つの端辺である一端辺に沿って形成された切り込みと、前記窓穴形成板体の内面において前記切り込みと前記窓穴とで仕切られた領域を除く領域に配置され、前記シートを貼着するための貼着部と、を含み、前記窓穴形成板体の内面と前記シートの外面とによって、表示シートを収容するための表示収容空間が区画されており、前記切り込みを介して前記表示収容空間に前記表示シートを挿入可能である、包装用容器を提供する。
【0008】
この構成によれば、窓穴形成板体の内面とシートとによって、表示シートを収容するための表示収容空間が区画される。また、窓穴形成板体には、窓穴形成板体の一端辺に沿う切り込みが形成されている。貼着部が、窓穴形成板体における切り込みと窓穴とで仕切られた領域に配置されていないので、切り込みを介して表示収容空間に表示シートを挿入可能であり、かつ、挿入される表示シートを、表示収容空間に良好に収容できる。
【0009】
表示シートが表示収容空間に収容された状態において、包装用容器の窓穴形成板体の外から窓穴を介して、表示シートの表面に記載されている表示情報を利用者が視認可能である。これにより、包装用容器において、表示シートの表示情報を利用者が視認できる。また、表示収容空間に収容される表示シートを交換することにより、利用者が視認可能な表示情報を変更することが可能である。これにより、視認可能な表示情報が変更可能に設けられた包装用容器を提供できる。
【0010】
前記シートが、前記窓穴形成板体に貼着されていてもよい。前記貼着部が、窓穴形成板体に前記シートを貼着してもよい。前記表示収容空間に収容された状態の前記表示シートが、前記窓穴形成板体の内面と前記シートの外面とに接していていてもよい。
前記容器本体が開口面を有していてもよい。前記包装用容器が、前記容器本体の前記面を覆うための蓋体をさらに含んでいてもよい。前記窓穴形成板体が、前記容器本体の側板および底板ならびに前記蓋体のうちの少なくとも一つであってもよい。
この場合、前記窓穴形成板体が、前記蓋体を含み、前記蓋体が、前記容器本体の前記開口面を区画する側辺の一つである基端辺に連結されていてもよく、その場合、前記一端辺が、前記基端辺である。
【0011】
の発明の一実施形態では、前記シートが、透明材料または半透明材料を用いて形成されている。
この構成によれば、シートが透明または半透明である場合には、表示シートが表示収容空間に収容された状態において、窓穴形成板体の内面から、表示シートの裏面側に記載されている表示情報を利用者が視認することが可能である。これにより、開放状態にある包装用容器において、表示シートの表示情報を利用者が視認できる。
また、表示シートを表示収容空間に収容させることで、被包装物を、透明または半透明のシートを介して利用者に視認させないようにすることができる。
【0012】
の発明の一実施形態では、前記シートが、汚れ防止用フィルムを含む。そして、前記汚れ防止用フィルムが、前記蓋体の内面および前記容器本体の内面の双方を覆う。
この構成によれば、シートが、蓋体の内面および容器本体の内面の双方を覆う汚れ防止用フィルムを含む。包装用容器の使用後において、分別回収のため、汚れ防止用フィルムが蓋体および容器本体から離脱される。このとき、表示シートを包装用容器から利用者が取り出し、自己の使用に供することが可能である。
【0013】
の発明の一実施形態では、前記シートが、前記窓穴形成板体の内面の全域を覆っており、前記貼着部が、前記窓穴形成板体において前記一端辺に隣接する側端辺に沿って配置されている。
この構成によれば、貼着部が、窓穴形成板体の側端辺に沿って配置されている。そのため、窓穴形成板体に対する表示収容空間の面積の比率を大きく確保することが可能である。また、窓穴形成板体の内面の全域を覆うシートを、剥がれることなく、窓穴形成板体に良好に貼着できる。
すなわち、窓穴形成板体に対する表示収容空間の面積の比率を大きく確保でき、窓穴形成板体における切り込みと窓穴とで仕切られた領域に貼着部を配置することなく、シートを窓穴形成板体に良好に貼着する構成を実現できる。
【0014】
の発明の一実施形態では、前記貼着部が、点在配置されている。
この構成によれば、貼着部が点在配置されているので、シートを蓋体の内面に貼着させ易く、かつ貼着状態にある表示シートを、蓋体から剥がし易い。
構成は、窓穴形成板体の内面の全域をシートが覆う構成、および窓穴形成板体において一端辺に隣接する側端辺に沿って貼着部が配置されている構成と組み合わされることが好ましい。包装用容器の使用後には、利用者が表示シートを、表示収容空間から抜き取ることがある。このとき、表示シートの抜き取りの際に汚れ防止用フィルムに力が加わることによって、汚れ防止用フィルムと蓋体との貼着の一部または全部が、剥がれることがある。これにより、汚れ防止用フィルムと蓋体とを互いに分離させることができ、包装用容器における、汚れ防止用フィルムと蓋体および容器本体との分別を、より一層促進させることができる。
前記貼着部が、前記窓穴の周縁部を除く領域に配置されていてもよい。
【0015】
また、の発明の一実施形態では、前記切り込みが、前記一端辺上に形成されている。
この構成によれば、切り込みが基端辺上、すなわち、容器本体の一の面と蓋体との間の稜線部分に形成されている。そのため、切り込みと窓穴形成板体との間に、隙間が形成され易い。これにより、切り込みを介した表示シートの表示収容空間への挿入を、比較的容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る包装用容器(蓋開き状態の包装用容器)の斜視図である。
図2】前記包装用容器(封緘状態の包装用容器)の斜視図である。
図3A】前記包装用容器の展開図である。
図3B】汚れ防止用フィルムの展開図である。
図4】表示収容空間への表示シートの挿入を説明するための斜視図である。
図5】前記表示シートを説明するための図である。
図6】前記表示シートが表示収容空間に収容され、かつ、封緘状態にある前記包装用容器の斜視図である。
図7】前記表示シートが表示収容空間に収容された状態において、蓋体の内面を、当該内面に垂直な方向から見た図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る包装用容器(封緘状態の包装用容器)の斜視図である。
図9】表示収容空間への表示シートの挿入を説明するための斜視図である。
図10】本発明の第3の実施形態に係る包装用容器(封緘状態の包装用容器)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る包装用容器1の斜視図である。図1に、包装用容器1の蓋開き状態を示し、図2に、包装用容器1の封緘状態を示している。図3Aは、包装用容器1の展開図(すなわち、包装用容器1として組み立てられる前の板紙ブランク5の平面図)である。図3Bは、汚れ防止用フィルム4の展開図である。
【0020】
包装用容器1は、食品を包装するための容器である。包装用容器1は、蓋付きの容器である。包装用容器1は、上面(開口面)が開放した有底容器状の容器本体2と、容器本体2に一体的に取り付けられ、容器本体2の上面を閉塞するための平板状の蓋体3と、容器本体2の内面2aおよび蓋体(窓穴形成板体)3の内面3aを覆う汚れ防止用フィルム4(図3Bも併せて参照)と、を含む。
【0021】
図1および図2に示すように、容器本体2の4つの側面(前面2c、左面2d、右面2e、後面2f)は、上辺長さが下辺長さよりも大きく設定されている。すなわち、各側面は、上底が下底よりも長い台形状に形成されている。これにより、容器本体2は、上底面積が下底面積よりも大きい四角錐台形状をなしている。すなわち、容器本体2は、いわゆるテーパ付き容器である。
【0022】
図1および図2に示すように、包装用容器1は、たとえば持ち帰り用の食品を包装する。具体的には、たとえば持ち帰り弁当屋や、学園祭、海の家、屋台等の小売店において、食品を包装して顧客に提供するために用いられる。包装用容器1は、たとえば、蓋付きの箱である。包装用容器1の内面、すなわち容器本体2の内面2aおよび蓋体3の内面3aが汚れ防止用フィルム4によって覆われている。防止用フィルム4の利点を活かすとすると、包装用容器1によって包装されるのに好適な被包装物として、表面に液体調味料が塗られた食品(焼きそばやたこ焼き等)や、液汁の出る食品(おでん等)、水分の出る食品(お弁当等)、油物を含む食品(から揚げ等、フライ等)を例示できる。
【0023】
蓋体3の開く側を「前方」とし、蓋体3のヒンジ側を「後方」として、以下説明する。
包装用容器1は、図3Aに示す板紙ブランク5を、たとえば製函機を用いて折り曲げることによって製函(形成)される。板紙ブランク5は、平板状の紙板を、プレス打ち抜き装置によって所定の形状に打ち抜くと共に、所定位置に罫線(折り線用の罫線および歪吸収用の罫線)を付すことにより形成される。板紙ブランク5は、左右対称である。図3Aにおいては、谷折り線を破線で示し、山折り線を二点鎖線で示す。
【0024】
また、板紙ブランク5の内面(図3Aに示す手前側の面)の全面には、図3Bに示す汚れ防止用フィルム4が積層される。換言すると、板紙ブランク5の内面が汚れ防止用フィルム4によって覆われる。汚れ防止用フィルム4は、食品との接触による汚れを防止するためのシートであり、たとえば透明な合成樹脂材料を用いて形成されている。
汚れ防止用フィルム4は、板紙ブランク5の内面(図3Aに示す手前側の面)の所定位置に所定の貼着箇所において、接着剤によって形成された貼着部25を介して貼着される(積層貼着)。
【0025】
汚れ防止用フィルム4は、板紙ブランク5に整合するように貼着されている。後述するように、蓋板紙15には窓穴22が形成されている。しかしながら、汚れ防止用フィルム4は、蓋板紙15の窓穴22に相当する部分にも配置されている。すなわち、汚れ防止用フィルム4には、蓋板紙15の窓穴22に相当する穴は存在しない。
貼着部25は、汚れ防止用フィルム4が剥離可能な程度の強さで貼り着されている。貼着部25は、汚れ防止用フィルム4が剥離可能な接着剤によって板紙ブランク5の内面に貼着されていてもよいし、汚れ防止用フィルム4と板紙ブランク5の内面とが熱溶着により、剥離可能に接合されていてもよい。たとえば、接着剤を用いて貼着する場合、剥離可能な接着剤は、たとえば、被接着物を容易に剥ぎ取ることのできるいわゆる軽剥離接着剤と呼ばれる剥離性接着剤である。具体的な例として、東立化成工業株式会社製のエマルジョン型接着剤「TX?1286」を挙げることができる。
【0026】
板紙ブランク5において、図3Aに図示している面のほぼ全てが、組み立て後の包装用容器1において内面2a,3aになり、反対側の面が外面になる。換言すると、組み立て後の包装用容器1における内面2a,3aの全てが、図3Aに図示している面になる。
板紙ブランク5は、容器本体2の底面2b(図1参照)を形成する矩形状(長方形状)の底面板紙(底板)11と、底面板紙11を取り囲む4つの台形状の側面板紙と、を備えている。4つの側面板紙(側板)は、前面板紙12と、左右一対の端面板紙13と、後面板紙14とを含む。板紙ブランク5は、蓋体3を形成する矩形状(長方形状)の蓋板紙15を含む。
【0027】
前面板紙12は、板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4が包装用容器1に組み立てられた状態で、容器本体2の前面2c(図1および図2参照)を構成する。前面板紙12は、底面板紙11の長辺である前側辺11aに沿って設けられた折り線L1を介して連なっている。前面板紙12には、切り込みによって形成された挿し込み口16が形成されている。前面板紙12において、底面板紙11側と反対側の側辺12aには、折り線L2を介して前フラップ17が連なっている。
【0028】
一対の端面板紙13は、板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4が包装用容器1に組み立てられた状態で、容器本体2の左面2d(図1参照)および容器本体2の右面2e(図1参照)をそれぞれ構成する。底面板紙11の短辺である左側辺11bおよび右側辺11cには、それぞれ、当該側辺に沿って折り線L3が設けられている。一対の端面板紙13は、折り線L3を介して底面板紙11に連なっている。各端面板紙13において、底面板紙11と反対側の側辺13aには、折り線L4を介して一対の横フラップ18が連なっている。
【0029】
個々の端面板紙13の中央部には、押し込み片26を形成するための略U字状の切り欠き27が形成されている。この押し込み片26は、包装用容器1の使用後における汚れ防止用フィルム4の引き剥がし操作において使用される。
後面板紙14は、板紙ブランク5が包装用容器1に組み立てられた状態で、容器本体2の後面2f(図1参照)を構成する。後面板紙14は、底面板紙11の長辺である後側辺11dに沿って設けられた折り線L5を介して連なっている。
【0030】
蓋板紙15は、後面板紙14の上辺14aに折り線L6を介して上方に連なっている。蓋板紙15が、後面板紙14の上辺14a(容器本体2の上辺)に一致する。蓋板紙15は、矩形状(長方形状)をなしている。蓋板紙15の中央部には、方形状(たとえば矩形状)の窓穴22が形成されている。窓穴22の一対の長辺22aは、基端辺(一端辺)15aに平行に延びている。また、窓穴22の一対の短辺22cは、蓋板紙15の一対の側端辺15bに沿って延びている。そのため、蓋板紙15の肉厚部分は、四角環状をなしている。
【0031】
蓋板紙15には、基端辺15aの中央部分に、基端辺15aに沿う切り込み23が形成されている。図3Aおよび図4の例では、基端辺15a上に切り込み23が形成されているが、基端辺15aから蓋板紙15の中央部側に少し寄った位置に、切り込み23が形成されていてもよい。この実施形態では、切り込み23の長さは、官製はがきの長辺(たとえば148mm)よりも若干長く形成されている。
【0032】
板紙ブランク5は、前面板紙12の左方および右方のそれぞれにコーナー板紙19を備えている。各コーナー板紙19は、前面板紙12と、当該前面板紙12に隣接する端面板紙13と、を連結する。各コーナー板紙19は、折り線L7を介して前面板紙12に連なっており、折り線L8を介して端面板紙13に連なっている。
板紙ブランク5は、後面板紙14の左方および右方のそれぞれにコーナー板紙19を備えている。各コーナー板紙19は、後面板紙14と、当該後面板紙14に隣接する端面板紙13とを連結する。各コーナー板紙19は、折り線L7を介して後面板紙14に連なっており、折り線L8を介して端面板紙13に連なっている。
【0033】
各コーナー板紙19は、前面板紙12に連なる第1の半部19aと、後面板紙14に連なる第2の半部19bと、を含む。第1の半部19aと第2の半部19bとの境界には、罫線からなる折り線L9が設けられている。折り線L9は、折り線L1,L5と折り線L3との交点P1を起点として、折り線L5と折り線L6とがなす角度(図3Aの例では90°)を2等分するように延びる直線である。そのため、各コーナー板紙19を、折り線L9に沿って2つに折り畳むことができる。
【0034】
板紙ブランク5は、さらに、蓋板紙15に連なる先端フラップ20と、先端フラップ20に連なる係合舌片21と、を含む。先端フラップ20は、蓋板紙15の上辺に折り線L10を介して上方に連なっている。
底面板紙11、前面板紙12、左右一対の端面板紙13、後面板紙14、蓋板紙15、前フラップ17、一対の横フラップ18、4つのコーナー板紙19、先端フラップ20等を構成する板紙は、紙器用板紙である。この実施形態では、板紙は、係合舌片21と挿し込み口16との弾性係合、包装用容器1としての強度の兼ね合いから、坪量が270g/m以上400g/m以下のコート紙であることがより好ましい。
【0035】
図3Aおよび図3Bに示す展開図の状態から、互いに貼着された板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4を、製函機を用いて、板紙ブランク5の折り線L1〜L10に沿って折り曲げることにより、包装用容器1に組み立てられる。板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4が包装用容器1に組み立てられた状態で、底面板紙11と、前面板紙12と、左右一対の端面板紙13と、後面板紙14と、汚れ防止用フィルム4のうちこれらの板紙に相当する部分と、によって、包装用容器1の容器本体2(図1図2等参照)が構成されている。また、板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4が包装用容器1に組み立てられた状態で、蓋板紙15、および汚れ防止用フィルム4のうち蓋板紙15に相当する部分によって、蓋体3(図1図2等参照)が構成されている。板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4の展開図は、図3Aおよび図3Bに示すように、左右対称である。
【0036】
具体的には、板紙ブランク54つのコーナー板紙19を折り線L9に沿って谷折りして折り畳みながら、前面板紙12、一対の端面板紙13および後面板紙14を、底面板紙11に対して谷折りする。これにより、前面板紙12、一対の端面板紙13および後面板紙14が起立し、底面板紙11、前面板紙12、一対の端面板紙13および後面板紙14が容器状(たとえばトレー状)に構成される。そして、三角形状に折り畳まれた4つのコーナー板紙19が、起立状態にある端面板紙13の外面に折り重ねられ、接着剤を用いて端面板紙13の外面に貼着される。また、前フラップ17および一対の横フラップ18を、それぞれ、前面板紙12および一対の端面板紙13に対して谷折りする。これにより、図2に示すように、容器状の容器本体2が形成される。
【0037】
また、蓋板紙15を、後面板紙14に対し折り線L6に沿って山折りする。そして、先端フラップ20を、蓋板紙15に対し折り線L10に沿って谷折りする。これにより、蓋体3が形成される。
板紙ブランク5および汚れ防止用フィルム4が包装用容器1に組み立てられた状態で、汚れ防止用フィルム4は、蓋体3の内面3aの略全域および容器本体2の内面2aの略全域の双方を覆っている。
【0038】
蓋体3の内面3aと汚れ防止用フィルム4とを、接着剤を用いて貼着する貼着部25について説明する。貼着部25は、直径3〜10mmの略円状(点状)をなし、互いに間隔を空けて設けられている。すなわち、板紙ブランク5には、複数の貼着部25が点在配置されている。汚れ防止用フィルム4は、板紙ブランク5に整合する形状を有している。
貼着部25は、先端フラップ20の左右両端部に配置されている。貼着部25は、係合舌片21に配置されている。貼着部25は、前フラップ17に、その長手方向に沿って複数配置されている。貼着部25は、横フラップ18に、その長手方向に沿って複数配置されている。貼着部25は、一対の端面板紙13の下部領域にも配置されている。
【0039】
貼着部25は、蓋体3において、蓋板紙15の側端辺15bに沿って設けられた一対の側端領域15Pに配置されている。貼着部25は、基端辺15aの周辺基端領域に配置されていないし、窓穴22の外周縁の周囲の外周領域にも配置されていない。
蓋体3において、窓穴22の外周領域に貼着部25が配置されていないので、蓋体3の内面3aと、汚れ防止用フィルム4との間に、空間が形成されている。この空間は、表示シート7を収容するための表示収容空間6(図7(b)参照)として機能する。この表示収容空間6には、表示シート7(図5(a),図5(b)参照)が収容される。
【0040】
図4は、表示収容空間6への表示シート7の挿入を説明するための斜視図である。図5(a)は、表示シート7の表面7aを説明するための図である。図5(b)は、表示シート7の裏面7bを説明するための図である。
前述のように、蓋板紙15には、折り線L6に沿う切り込み23が形成されている。そして、切り込み23との関係で言うと、蓋体3の内面3aにおける、切り込み23と窓穴22とで仕切られた切り込み間領域15Sには、貼着部25が配置されていない。そのため、図4に示すように、この切り込み23を介して表示収容空間6に表示シート7を挿入可能である。そして、挿入された表示シート7は、表示収容空間6に良好に収容される。
【0041】
表示シート7は、窓穴22よりも大きな縦横寸法を有するたとえば矩形状のシートである。表示シート7は、紙を用いて形成されていてもよいし、合成樹脂によって構成されていてもよい。
表示シート7は、たとえばポストカードである。ポストカードのサイズは、官製はがきと同じである。表示シート7には、表面7aだけでなく、裏面7bにも、表示情報30a,30bが記載されている。図5(a)に示すように、表面7aには、包装用容器1の被包装物等の内容(たとえば名称や販売元)等についてのイラストやメッセージである表示情報30aが記載されている。図5(b)に示すように、裏面7bには、包装用容器1の分別方法(汚れ防止用フィルム4と蓋体3および容器本体2との分別方法)等についてのイラストやメッセージである表示情報30bが記載されている。表示情報30a,30bの内容は、図5(a)および図5(b)に記載の内容に限られない。
【0042】
図6は、表示シート7が表示収容空間6に収容され、かつ、封緘状態にある包装用容器1の斜視図である。図7は、表示シート7が表示収容空間6に収容され、かつ、蓋開き状態にある包装用容器1の図である。図7(a)では、蓋体3の内面3aを、内面3aに垂直な方向から見た図によって、蓋開き状態の包装用容器1を示している。また、図7(a)では、汚れ防止用フィルム4を、ハッチング(網掛け)を用いて示している。図7(b)は、図7(a)を、切断面線B−Bから見た図である。
【0043】
表示シート7が表示収容空間6に収容された状態において、図6に示すように、利用者(この実施形態では、包装用容器1を含む食品の購入者)は、封緘状態にある包装用容器1の蓋体3の外面3bから窓穴22を介して、表示シート7の表面7aに記載されている表示情報30aを視認可能である。これにより、封緘状態にある包装用容器1において、表示シート7の表示情報30aを利用者が視認できる。ゆえに、表示情報30aが付された包装用容器1を実現できる。
【0044】
また、表示収容空間6に表示シート7を収容させないようにすることで、包装用容器1被包装物を、透明の汚れ防止用フィルム4を介して利用者に視認させないようにすることができる。
また、汚れ防止用フィルム4が透明である場合には、表示シート7が表示収容空間6に収容された状態において、図7に示すように、利用者は、蓋開き状態にある蓋体3の内面3aから、表示シート7の裏面7b側に記載されている表示情報30bを視認可能である。これにより、蓋開き状態にある包装用容器1において、表示シート7の表示情報30bを利用者が視認できる。具体的には、食事をしながら(包装用容器1の被包装物を食べながら)、利用者は、表示シート7の表示情報30bを読むことができる。
【0045】
そして、表示収容空間6に収容される表示シート7を交換することができる。これにより、利用者が視認可能な表示情報30a,30bを変更することが可能である。
食事の終了後、すなわち、包装用容器1の使用後において、分別回収のため、包装用容器1の内面2a,3aから汚れ防止用フィルム4を引き剥がして分離する。
具体的には、まず、利用者は、包装用容器1の左面2dおよび右面2eに形成された押し込み片26を、利用者の左右の指ごと内側に押し込み、汚れ防止用フィルム4を内側へと押し付ける。これにより、汚れ防止用フィルム4が浮き上がる。
【0046】
浮き上がった汚れ防止用フィルム4の端を利用者が摘み、この汚れ防止用フィルム4を引き剥がす。
汚れ防止用フィルム4が取り除かれた後の包装用容器1について、利用者は、包装用容器1のコーナー部分を展開し、板紙ブランク5に戻す。汚れ防止用フィルム4は廃棄され、板紙ブランク5は再生紙へとリサイクルされる。
【0047】
なお、汚れ防止用フィルム4の浮き上がりを、前述の操作に代えて、包装用容器1の左面2dおよび右面2eを内側に折り畳むような操作によって実現することもできる。
以上により、この実施形態によれば、蓋体3の内面3aと汚れ防止用フィルム4とによって、表示シート7を収容するための表示収容空間6が区画される。また、蓋体3には、蓋体3の基端辺15aに沿う切り込み23が形成されている。貼着部25が、蓋体3の切り込み間領域15Sに配置されていないので、この切り込み23を介して表示収容空間6に表示シート7を挿入可能であり、かつ、挿入される表示シート7を表示収容空間6に良好に収容できる。
【0048】
表示シート7が表示収容空間6に収容された状態において、封緘状態にある包装用容器1の蓋体3の外面3bから窓穴22を介して、表示シート7の表面7aに記載されている表示情報30aを利用者が視認可能である。これにより、封緘状態にある包装用容器1において、表示シート7の表示情報30aを利用者が視認できる。また、表示収容空間6に収容される表示シート7を交換することにより、利用者が視認可能な表示情報30aを変更することが可能である。これにより、視認可能な表示情報30aが変更可能に設けられた包装用容器1を提供できる。
【0049】
また、貼着部25が、蓋体3の側端辺15bに沿って配置されている。そのため、蓋体3に対する表示収容空間6の面積の比率を大きく確保することが可能である。また、蓋体3の内面3aの全域を覆う汚れ防止用フィルム4を、剥がれることなく、蓋体3に良好に貼着できる。
すなわち、蓋体3に対する表示収容空間6の面積の比率を大きく確保でき、蓋体3の切り込み間領域15Sに貼着部25を配置することなく、汚れ防止用フィルム4を蓋体3に良好に貼着する構成を実現できる。
【0050】
また、包装用容器1の使用後において、分別回収のため、汚れ防止用フィルム4が蓋体3および容器本体2から離脱される。このとき、表示シート7を包装用容器1から利用者が取り出し、自己の使用に供することが可能である。
また、貼着部25が点在接着により設けられているので、汚れ防止用フィルム4を蓋体3の内面3aに接着させ易く、かつ貼着状態にある汚れ防止用フィルム4を、蓋体3から剥がし易い。
【0051】
また、包装用容器1の使用後には、利用者が表示シート7を、表示収容空間6から抜き取ることがある。とくに、表示シート7に趣向が凝らされている場合や限定品である等の場合には、利用者が表示シート7を表示収容空間6から抜き取ることがある。このとき、貼着部25が点在接着により設けられているので、表示シート7の抜き取りの際に汚れ防止用フィルム4に力が加わることによって、汚れ防止用フィルム4と蓋体3との接着の一部または全部が、剥がれることがある。これにより、汚れ防止用フィルム4と蓋体3とを互いに分離させることができ、包装用容器1における、汚れ防止用フィルム4と蓋体3および容器本体2との分別を、より一層促進させることができる。
【0052】
また、切り込み23が折り線L6上に形成されている。すなわち、切り込み23が、容器本体2の後面2fと蓋体3との間の稜線部分に形成されている。そのため、切り込み23と蓋体3との間に隙間を形成し易い。これにより、表示シート7の切り込み23を介した表示収容空間6への挿入を、比較的容易に行うことができる。
また、切り込み23が基端辺15a上に形成されている。すなわち、切り込み23が、容器本体2の後面2fと蓋体3との間の稜線部分に形成されている。そのため、切り込み23と蓋体3との間に隙間を形成し易い。これにより、表示シート7の切り込み23を介した表示収容空間6への挿入を、比較的容易に行うことができる。
【0053】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る包装用容器201の斜視図である。図8には、封緘状態の包装用容器201を示している。図9は、表示収容空間206への表示シート207の挿入を説明するための斜視図である。
第2の実施形態(図8および図9に示す実施形態)において、第1の実施形態(図1図7に示す実施形態)と共通する部分には、図1図7の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
【0054】
第2の実施形態に係る包装用容器201が、第1の実施形態に係る包装用容器1と相違する点は、包装用容器201の平面形状が、長方形でなく、略正方形である点である。包装用容器201の容器本体202は、丼状をなしている。
この場合、蓋体3の内面3aと、汚れ防止用フィルム4との間に形成される表示収容空間206に、表示シート207が収容される。表示シート207は、略正方形をなすである点において表示シート7と相違する。
【0055】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る包装用容器301の斜視図である。図10には、封緘状態の包装用容器301を示している。
第3の実施形態(図10に示す実施形態)において、第1の実施形態(図1図7に示す実施形態)と共通する部分には、図1図7の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
【0056】
第3の実施形態に係る包装用容器301が、第1の実施形態に係る包装用容器1と相違する点は、蓋体303から分離可能な分離片305が蓋体303に取り付けられており、分離片305が蓋体303から分離されることにより、窓穴322(図2参照)が形成されるようにした点である。
具体的には、蓋体303の中央部には、無端状のミシン目302によって区画された矩形状(たとえば長方形状)の分離片305が形成されている。分離片305の周縁部には、つまみ片304が形成されている。このつまみ片304をつまんで、分離片305を蓋体303から引き剥がすことにより、蓋体303に窓穴322(図2参照)が形成される。
【0057】
蓋体303に窓穴322を設ける必要がある場合、すなわち窓穴322を介した表示シート7の表示を行う場合には、蓋体303から分離片305を分離させて蓋体303に窓穴322を形成する。一方、蓋体303に窓穴322を設ける必要がない場合、すなわち窓穴322を介した表示シート7の表示を行わない場合には、分離片305を蓋体303から分離させない。
【0058】
これにより、窓穴322の形成の有無を適宜設定できる。
以上、この発明の3つの形態について説明したが、この発明は、さらに他の実施形態で実施できる。
たとえば、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせてもよい。
また、蓋体3において、貼着部25を、切り込み間領域15Sを除く領域であれば、側端領域15P以外の領域に配置するようにしてもよい。
【0059】
また、窓穴22,322が、蓋体3,303の中央部でなく、蓋体3,303の中央部から周縁側に寄った位置に形成されていてもよい。また、窓穴22,322が、矩形状でなくてもよく、他の形状(たとえば、円形や楕円形)であってもよい。
また、容器本体2が錐台形状(いわゆるテーパ付き容器)でなく、直方体形状を有していてもよい。すなわち、容器本体2の4つの側面が矩形状(長方形状)をなしていてもよい。
【0060】
また、蓋体3,303の基端辺15aが、容器本体2の後端辺である上辺14aでなく、他の上辺であってもよい。
また、窓穴が形成される窓穴形成板体が、蓋体3,303でなく、他の板体(底面板紙11、前面板紙12、左右一対の端面板紙13、後面板紙14等)に形成されていてもよい。この場合、窓穴が形成される窓穴形成板体の内面が、汚れ防止用フィルム4によって覆われていてもよい。とくに、前面板紙12、左右一対の端面板紙13、後面板紙14の少なくとも一つをいずれかを窓穴形成板体とすることで、包装用容器1,201,301がスーパーの陳列棚に配置されている状態において、利用者の目に付きやすくできる。
【0061】
前述の各実施形態では、包装用容器1,201,301に窓穴22,322を1つ設ける構成について説明したが、包装用容器1,201,301に複数の窓穴が形成されていてもよい。この場合、複数の窓穴が1つの面に設けられていても良いし、複数の窓穴が互いに異なる面に窓穴が設けられていてもよい。この場合、包装用容器1,201,301が蓋体を有さない蓋無し構造であってもよい。
【0062】
また、前述の各実施形態では、包装用容器1,201,301の容器本体2の開口を包装用容器1,201,301の上面に設ける構成を例に挙げたが、容器本体2の開口が、包装用容器1,201,301の上面以外の面(たとえば、前面や側面)に設けられていてもよい。
また、汚れ防止用フィルム4が透明でなく、半透明であってもよい。この場合にも、利用者は、蓋開き状態にある蓋体3の内面3aから、表示シート7の裏面7b側に記載されている表示情報30bを視認可能である。
【0063】
また、表示シート7,207の表面7a,207aにのみ表示情報30aが記載されて、表示シート7,207の裏面7b,207bには表示情報が記載されていなくてもよい。この場合、汚れ防止用フィルム4が、透明または半透明である必要はなく、不透明であってもよい。また、汚れ防止用フィルム4は、汚れ防止のために用いられていなくてもよい(単なるシートであってもよい)。 また、前述の各実施形態では、板紙ブランク5を用いて包装用容器1,201,301を形成するとして説明したが、板ブランクが、段ボール原紙や雑板紙等の板紙以外の板(紙製)を用いて形成されていてもよい。また、板ブランクが、合成樹脂板(より具体的には、たとえば塩ビ、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテフタレート(PET)等を用いて形成された樹脂板)を用いて形成されていてもよい。
【0064】
また、前述の説明では、包装用容器1,201,301を、自動製函機(図示しない)による機械貼りによって製函するものを例に挙げて説明したが、手貼りにより形成される包装用容器に、この構成を採用することもできる。
また、包装用容器1,201,301が、食品を収容するものに限られず、食品以外の物品を収容するものであってもよい。
【0065】
この場合、シートは、汚れ防止用フィルム4に限られず、蓋体3,303の内面3a,303aとの間で表示シート7,207を保持可能なシートであれば足りる。このシートの材質は、合成樹脂であってもよいし、紙等であってもよい。このシートは、透明や半透明であってもよいし、非透明であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【符号の説明】
【0066】
1 :包装用容器
2 :容器本体
2a :容器本体の内面
3 :蓋体(窓穴形成板体)
3a :蓋体(窓穴形成板体)の内面
4 :汚れ防止用フィルム(シート)
6 :表示収容空間
7 :表示シート
11 :底面板紙(底板)
12 :前面板紙(側板)
13 :端面板紙(側板)
14 :後面板紙(側板)
15a :基端辺(一端辺)
15b :側端辺
22 :窓穴
23 :切り込み
25 :貼着部
201 :包装用容器
202 :容器本体
206 :表示収容空間
207 :表示シート
301 :包装用容器
303 :蓋体
305 :分離片
308 :窓穴
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10