(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連絡部には、前記第1搬送路で搬送されたワークを第1所定位置で位置決めするストッパと、前記第1所定位置で位置決めされたワークに続いて搬送された次のワークを、第2所定位置で位置決めするストッパ機構と、を有する位置決め機構が設けられており、
前記第2搬送路は、前記第1所定位置で位置決めされたワークを搬送する第1レールと、前記第2所定位置で位置決めされたワークを搬送する第2レールとを有していることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
第1支持部材では、前記第1所定位置で位置決めされたワークの下面を支持する第1支持部と、前記第2所定位置で位置決めされたワークの下面を支持する第2支持部とが、前記第1搬送路での前記ワークの搬送方向で、直列に並んでおり、
第2支持部材では、前記第1所定位置で位置決めされたワークの下面を支持する第1支持部と、前記第2所定位置で位置決めされたワークの下面を支持する第2支持部とが、前記第1搬送路での前記ワークの搬送方向で、直列に並んでいることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、ワーク(図示せず)が、トレーTに載置された状態で搬送される搬送装置10の場合を例に挙げて説明する。
図1は、搬送装置10を説明する図であり、
図1の(a)は、搬送装置10を上方から見た平面図であり、
図1の(b)は、搬送装置10を、(a)におけるA―A矢視方向から見た側面図である。なお、
図1では、搬送されるトレーT(T1、T2)を仮想線で示している。
図2は、搬送装置10を説明する図であり、
図2の(a)は、搬送装置10の正面図であり、
図2の(b)は、搬送装置10を(a)におけるA―A矢視方向から見た側面図である。
図2の(c)は、搬送装置10を(a)におけるB―B矢視方向から見た側面図である。
なお、
図2の(b)では、第2搬送路2と、受渡機構4と、位置決め機構9の図示を省略している。
図2の(c)では、第2搬送路2と、位置決め機構9の図示を省略している。
図3は、搬送装置10の受渡機構4を説明する図である。
図3は、
図2の(a)におけるC−C断面を拡大して示した図に相当する。
図3では、トレーTとストッパ99を仮想線で示している。
【0015】
図1に示すように、搬送装置10は、第1搬送路1と、第2搬送路2とを有する。
搬送装置10では、第1搬送路1と第2搬送路2とが、互いに直交する向きで設けられている。
第1搬送路1では、ワーク(図示せず)が搭載された複数のトレーT(T1、T2)が、直列に連なって搬送される。第2搬送路2では、2つのトレーT(T1、T2)が、並列に並んで搬送される。
【0016】
第1搬送路1は、一対の搬送レール11、11を有している。これら搬送レール11、11は、第1搬送路1の幅方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。
【0017】
搬送レール11、11の終端11a、11a(
図1の(a)における右端)は、搬送レール11、11に直交する向きで配置された支持フレーム12Aに連結されている。
搬送装置10では、搬送レール11、11の終端11a、11a側の側方に、第2搬送路2が位置している。第1搬送路1では、搬送レール11、11の終端11a、11a側が、第2搬送路2との連絡部20となっている。
【0018】
図1(b)に示すように、第2搬送路2の始端2aは、第1搬送路1よりも上方に位置している。そのため、搬送装置10では、第1搬送路1で搬送されたトレーT(T1、T2)を、第2搬送路2に受け渡すための受渡機構4(
図1の(a)参照)が設けられている。
受渡機構4は、第1搬送路1の搬送方向で並んだ2つのトレーT(T1、T2)を、第2搬送路2の高さまで持ち上げた後、2つのトレーT(T1、T2)を、第2搬送路2側に同時に受け渡すために設けられている。
さらに、第2搬送路2に受け渡す2つのトレーT(T1、T2)を位置決めする位置決め機構9が設けられている。
【0019】
図1の(a)に示すように、搬送装置10では、上面視において矩形形状を成すトレーT(T1、T2)が、第1搬送路1を直列に連なって搬送される。この搬送されたトレーT(T1、T2)が、受渡機構4により第2搬送路2に受け渡されると、第2搬送路2では、2つのトレーT(T1、T2)が並列に並んで搬送される。
【0020】
図3に示すように、第2搬送路2では、2つの搬送レール21(21A、21B)が、仕切レール22を間に挟んで、互いに並列に並んでいる。
これら搬送レール21A、21Bは、第1搬送路1におけるトレーT(T1、T2)の搬送方向に並んでいる。搬送レール21(21A、21B)は、間隔をあけて互いに平行に配置された一対の支持レール210、210を有している。
支持レール210では、ローラRが回転可能に支持されている。ローラRは、当該支持レール210の長手方向に所定間隔で並んでいる。
【0021】
図1の(b)に示すように、搬送レール21(21A、21B)は、第1搬送路1から離れるにつれて、設置面Gからの高さが低くなる向きで傾斜している。
そのため、受渡機構4により、トレーT(T1、T2)が第2搬送路2に受け渡されると、ローラRが回転することで、トレーT(T1、T2)が、自重により、第1搬送路1から離れる方向に移動するようになっている。
【0022】
図1の(a)に示すように、第2搬送路2では、幅方向の両側にサイドレール25、25が設けられている。サイドレール25、25と、仕切レール22は、第2搬送路2の幅方向に、略等間隔で設けられており、サイドレール25、25と、仕切レール22は、互いに平行に設けられている。
図1の(b)に示すように、サイドレール25、25を支持する支持脚26、27は、第2搬送路2の搬送方向に間隔あけて設けられており、これら支持脚26、27は、連結フレーム28、28により位置関係が固定されている。
【0023】
サイドレール25、25と、仕切レール22は、設置面Gの上方で、設置面Gに対して平行に設けられている。サイドレール25、25と、仕切レール22は、第2搬送路2を移動するトレーT(T1、T2)が、搬送レール21A、21Bから脱落することを防止するために設けられている。
【0024】
図3に示すように、第1搬送路1では、搬送レール11、11の両側に、サイドレール13A、13Bが設けられている。これらサイドレール13A、13Bは、搬送レール11、11よりも上方に位置している(
図1の(b)参照)。サイドレール13A、13Bは、第1搬送路1で搬送されるトレーT(T1、T2)が、第1搬送路1から脱落することを防止するために設けられている。
【0025】
図3に示すように、サイドレール13Aは、第1搬送路1の長手方向の全長に亘って設けられている。サイドレール13Bは、第2搬送路2との連絡部20の手前まで設けられており、サイドレール13Aよりも長さが短くなっている。
連絡部20に設けられた受渡機構4によるトレーT(T1、T2)の受け渡しが、サイドレール13Bにより阻害されないようにするためである。
【0026】
受渡機構4は、第1支持部材5と、第2支持部材6と、移動調整部7とを有しており、さらに移動調整部7を作動させるための昇降機構8(
図4参照)を備えている。
【0027】
図4は、受渡機構4を説明する図であり、
図3におけるA−A断面に相当する図である。
図5は、受渡機構4の主要部(第1支持部材5、第2支持部材6、移動調整部7)の分解斜視図である。
図6は、第1支持部材5を説明する図である。
図6の(a)は、第1支持部材5を第2支持部材6とは反対から見た平面図であり、
図6の(b)は、(a)におけるA−A断面を拡大して示す図である。
図7は、第2支持部材6を説明する図である。
図8は、移動調整部7を説明する図である。
図8の(a)は、移動調整部7を第1支持部材5側から見た平面図であり、
図8の(b)は、移動調整部7は、第1支持部材5とは反対側から見た平面図である。
【0028】
図8に示すように、移動調整部7は、一対の昇降レール80、80で上下方向に移動可能に設けられた第1昇降部70と、第1昇降部70で上下方向に移動可能に支持された第2昇降部75とを有している。
【0029】
第1昇降部70は、両端が連結リング810、810に連結された下側シャフト71を有している。連結リング810、810は、一対の昇降レール80、80に外挿されており、下側シャフト71は、昇降レール80、80に沿って上下方向に変位可能となっている。
【0030】
下側シャフト71の両側では、連結リング810、810に隣接する位置に、一対の支持柱72、72が連結されている。支持柱72、72は、昇降レール80、80に沿って、下側シャフト71から上方に延びている。
支持柱72、72の上端部には、連結リング730、730を介して、上側シャフト73が連結されている。
【0031】
上側シャフト73は、下側シャフト71に対して平行に設けられており、下側シャフト71との間に間隔を開けて設けられている。
【0032】
連結リング730、730は、第2昇降部75側の支持柱77、77に外挿されている。支持柱77、77は、第1昇降部70側の支持柱72、72の間で、これら支持柱72、72に対して平行に設けられている。
【0033】
支持柱77、77の上端には、移動規制シャフト78が連結されている。移動規制シャフト78は、上側シャフト73に対して平行に設けられている。
【0034】
支持柱77、77の下端には、支持シャフト76が連結されている。支持シャフト76は、第1昇降部70側の上側シャフト73と下側シャフト71との間で、これら上側シャフト73と下側シャフト71に対して平行に配置されている。
支持シャフト76の長手方向の中央部には、後記する上昇規制部材92(
図4参照)との当接部材79が設けられている。
図5に示すように当接部材79は、隣接する第2支持部材6側に突出する柱状の部材である。
【0035】
図8の(b)に示すように、支持シャフト76では、当接部材79とは反対側の面に、スプリングSpの一端が連結されている。スプリングSpの他端は、支持シャフト76の上側に位置する上側シャフト73に連結されている。
スプリングSpの一端と他端は、それぞれ支持シャフト76の長手方向の中央部と、上側シャフト73の長手方向の中央部に連結されている。
移動調整部7では、スプリングSpの付勢力で、支持シャフト76と上側シャフト73とが、設置面Gを基準とした鉛直線方向で、最も近接させた位置に配置されている。
【0036】
図5に示すように、第1昇降部70の下側シャフト71には、連結シャフト74、74が設けられている。連結シャフト74、74は、下側シャフト71の幅方向の両側部に設けられており、第2昇降部75側の当接部材79と同方向に延出している。
第2支持部材6側から見て、連結シャフト74、74は、前記した支持柱72、72の直下に位置している(
図8の(a)参照)。
【0037】
図4に示すように、連結シャフト74、74には、第1支持部材5と、第2支持部材6とが設けられている。
第1支持部材5と第2支持部材6は、搬送レール11と搬送レール11の間の領域で、第1搬送路1の幅方向に間隔をあけて配置されている。
第1支持部材5と第2支持部材6は、設置面Gを基準とした鉛直線方向で、連結シャフト74、74の上側に固定されている。
【0038】
図6に示すように、第1支持部材5は、一対の支持柱51、51を有しており、これら支持柱51、51の下端は、移動調整部7側の連結シャフト74、74に固定されている。
支持柱51、51は、昇降レール80、80に沿う向きで設けられており、支持柱51、51の上端は、それぞれ支持シャフト53、53の下部に固定されている。
【0039】
支持シャフト53、53は、長手方向の一端側が支持柱51、51に支持されており、
支持シャフト53、53の他端側は、連結シャフト52の上部に固定された支持部材521、521で支持されている。
【0040】
支持シャフト53、53は、設置面Gに対して平行に設けられており、支持シャフト53、53の上部には、それぞれローラ組54A、54Bが設けられている。
ローラ組54A、54Bは、連結シャフト52の長手方向の中心線Cを挟んで対称となる位置関係で設けられている。
ローラ組54Aと、ローラ組54Bは、それぞれ、第2搬送路2の搬送レール21Aに対応する位置と、搬送レール21Bに対応する位置に設けられている。
【0041】
受渡機構4の駆動時には、ローラ組54Aで下面が支持されたトレーT1が、搬送レール21A側に移動して受け渡され、ローラ組54Bで下面が支持されたトレーT2が、搬送レール21B側に移動して受け渡されるようになっている(
図1の(a)参照)。
【0042】
図6の(b)に示すように、ローラ組54(54A、54B)は、複数(本実施形態では3つ)のローラRを有している。ローラRは、搬送レール11に直交する方向に並んで設けられており、ローラの各々は、搬送レールの長手方向に沿う軸線X1(
図6の(a)参照)回りに回転可能である。
ローラRは、搬送レール11から第2搬送路2側(
図6の(b)における右側)に向かうにつれて、設置面Gからの高さが低くなる位置関係で設けられている。
【0043】
そのため、トレーT(T1、T2)の下面が、ローラ組54(54A、54B)で支持されると、トレーT(T1、T2)は傾斜した状態となり、トレーT(T1、T2)における第2搬送路2側(
図6の(b)における右側)の方が、反対側よりも下方に位置するようになっている。
【0044】
ローラ組54(54A、54B)のローラRは、それぞれ回転可能に設けられている。
そのため、ローラ組54(54A、54B)で傾いた状態で支持されたトレーT(T1、T2)は、ローラRが回転することにより、自重により、第2搬送路2側(
図6の(b)における右側)に移動するようになっている。
【0045】
第2支持部材6は、第1支持部材5から見て第2搬送路2側に位置している(
図4参照)。
図7に示すように、第2支持部材6は、一対の支持柱61、61を有しており、これら支持柱61、61の下端は、連結シャフト74、74に固定されている。
【0046】
支持柱61、61は、昇降レール80、80に沿う向きで設けられており、支持柱61、61の上端は、支持シャフト62の下部に固定されている。
支持シャフト62は、設置面Gに対して平行に設けられており、支持シャフト62の上部には、一対の支持ローラ64A、64Bが設けられている。
支持ローラ64A、64Bは、支持シャフト62の長手方向の中心線Cを挟んで対称となる位置に設けられている。
【0047】
支持ローラ64A、64Bは、それぞれ、第2搬送路2の搬送レール21A、21Bに対応して設けられている(
図3参照)。
支持ローラ64A、64Bが備えるローラRは、それぞれ、搬送レール11の長手方向に沿う軸線X2回りに回転可能である。
【0048】
前記した第1支持部材5側から第2搬送路2側にトレーT(T1、T2)が移動する際に、トレーT(T1、T2)の下面を支持するローラRが回転して、支持されたトレーT(T1、T2)が、第2搬送路2側にスムーズに移動できるようになっている。
【0049】
図4および
図5に示すように、第1支持部材5と第2支持部材6は、連結シャフト74、74を介して、移動調整部7に連結されている。移動調整部7が、昇降レール80、80に沿って上下方向に変位すると、第1支持部材5と第2支持部材6もまた、移動調整部7と一体に上下方向に変位するようになっている。
【0050】
図5に示すように、昇降機構8は、昇降レール80、80に、上下の連結リング810、810を介して取り付けられた支持シャフト81、81を有している。
これら支持シャフト81、81上端部は、連結シャフト82(
図2の(a)、(c)参照)を介して連結されている。
【0051】
図1および
図2に示すように、連結シャフト82は、設置面Gに対して水平に配置されており、連結シャフト82の中央部には、支持部材83Aで支持された一対の動滑車84a、84aが並んでいる。
連結シャフト82の上方に位置する支持梁85B(
図2の(c)参照)にも、支持部材83Bで支持された固定滑車84b、84bが並んでいる。
【0052】
支持梁85Bは、昇降レール80、80の上端が接続された支持梁85Aに対して平行に設けられている(
図2の(a)参照)。
【0053】
これら支持梁85A、85Bは、第1搬送路1の長手方向に沿って設けられており、第1搬送路1の始端(
図2の(a)における左端)から終端(
図2の(b)における右端)まで及んでいる。
支持梁85Aには、第1搬送路1の始端に位置する支持柱86の上端が連結されている。
【0054】
図2の(b)に示すように、支持梁85Bの支持柱86側では、支持部材83Cで支持された固定滑車84cが位置している。
さらに支持柱86には、固定滑車84d、84eを支持する支持部材83D、83Eが設けられている。
【0055】
前記した動滑車84aに巻き掛けられたワイヤWは、各固定滑車84b、84c、84d、84eに順番に巻き掛けられたのち、操作レバー87に接続されている。
【0056】
第1搬送路1の始端で支持梁85Aを支持する支持柱86は、設置面Gに対して直交する向きで設けられている。支持柱86の設置面G側には、支持柱86と支持脚16とを連結する連結フレーム17、18が設けられている。
連結フレーム17、18は、設置面Gに対して平行に設けられており、連結フレーム18の下側には、搬送レール11、11を支持する支持フレーム12Bが設けられている
【0057】
連結フレーム17では、
図2の(b)において右側の支持脚16寄りの位置で、操作レバー87の基端部87bが回動可能に支持されている。
操作レバー87は、基端部87bが支持脚16側に位置すると共に、先端側の操作部87aが支持柱86側に位置するように、設置面Gに対して傾いて設けられており、この操作部87aの根元に、ワイヤWの端部が接続されている。
【0058】
搬送装置10では、操作レバー87を、支持柱86側に引き寄せると(
図2の(b)における矢印Pull参照)、ワイヤWが、第1搬送路1の始端側に引き寄せられて(
図2の(a)左向き矢印参照)、動滑車84aが設けられた連結シャフト82が上方に移動する(
図2の(a)上向き矢印参照)。
これにより連結シャフト82が連結された移動調整部7と、この移動調整部7に連結された第1支持部材5および第2支持部材6と、が上方に移動する(
図2の(c)上向き矢印参照)。
【0059】
昇降機構8では、動滑車84aを利用して、連結シャフト82を上方に移動させることで、受渡機構4(第1支持部材5、第2支持部材6、移動調整部7)を上方に移動させるようになっている。
そのため、受渡機構4を上方に移動させる際には、操作レバー87を、
図2の(b)における矢印Pull側に移動させる操作力が必要である。本実施形態では、動滑車84aを介在させていることで、操作レバー87の操作に必要な操作力を低減させている。
【0060】
図3に示すように、第1搬送路1における第2搬送路2との連絡部20には、トレーT(T1、T2)を、第2搬送路2の搬送レール21A、21Bに対応する位置に配置するための位置決め機構9が設けられている。
【0061】
図9および
図10は、位置決め機構9の動作を説明する図である。
図9の(a)は、作動前の位置決め機構9の状態を示す図であり、(b)は、(a)の状態を、第1搬送路1の上方から見た図である。
図10の(a)は、作動後の位置決め機構9の状態を示す図であり、(b)は、(a)の状態を上方から見た図である。
なお、
図9および
図10では、トレーT(T1、T2)を、ハッチングを付した仮想線の領域として示している。さらに、
図9の(a)および
図10の(a)では、サイドレール13Aの図示を省略している。
【0062】
図9の(b)に示すように、位置決め機構9は、一対のストッパ99、99と、移動阻止部材91と、を有している。
一対のストッパ99、99は、搬送レール11、11における支持フレーム12Aとの連結部に設けられており、第1搬送路1で搬送されたトレーT1が当接して、トレーT1が搬送レール21Aに対応する位置に配置される。
【0063】
移動阻止部材91は、ストッパ99、99で位置決めされたトレーT1に隣接する他のトレーT2を、搬送レール21Bに対応する位置に配置させる。
【0064】
図9の(b)に示すように、上面視において移動阻止部材91は、第2搬送路2側に位置する搬送レール11と、第1支持部材5との間に設けられている。
第1支持部材5のローラ組54A、54Bの間には、搬送レール11、11に直交する向きで上昇規制部材92が設けられている。
【0065】
移動阻止部材91の基端91bは、上昇規制部材92に連結されている。上昇規制部材92は、サイドレール13A側の端部に、連結フレーム93(
図9の(a)参照)が連結されている。
図9の(a)に示すように、連結フレーム93は、上昇規制部材92の径方向に直線状に延びており、連結フレーム93は、移動阻止部材91に対して平行に設けられている。
連結フレーム93は、移動阻止部材91よりも短い長さを有しており、連結フレーム93の先端93aは、被操作部材94に連結されている。
【0066】
被操作部材94は、連結フレーム93と移動阻止部材91に対して直交する向きで設けられた柱状の部材である。
図9の(b)に示すように、被操作部材94は、搬送レール11とサイドレール13Aとの間で、搬送レール11に沿う向きで設けられている。
図9の(a)に示すように、被操作部材94では、連結フレーム93から被操作部材94の長手方向の一端94a側にオフセットした位置に、支持フレーム95が連結されている。
【0067】
被操作部材94から見て支持フレーム95は、連結フレーム93と同じ方向に突出しており、支持フレーム95の先端側は、サイドレール13Aに連結された支持部96に回動可能に支持されている。
なお、
図9の(a)では、説明の便宜上、支持部96を仮想線で示している。
【0068】
被操作部材94は、支持フレーム95を介して支持部96で回動可能に支持されている。この状態において被操作部材94は、搬送レール11の長手方向に直交する回動軸Y1周りに変位可能となっている。
同様に、被操作部材94に連結フレーム93を介して連結された上昇規制部材92と、この上昇規制部材92に連結された移動阻止部材91もまた、被操作部材94と一体に回動軸Y1周りに変位可能となっている。
【0069】
位置決め機構9では、移動阻止部材91と、上昇規制部材92と、連結フレーム93と、被操作部材94と、支持フレーム95とで、可動部材90を構成している(
図10の(a)参照)。
【0070】
ここで、位置決め機構9の可動部材90は、被操作部材94の他端94b側(移動阻止部材91と上昇規制部材92と連結フレーム93が位置する側)のほうが、一端94a側よりも質量が大きくなっている。そのため、可動部材90には、当該可動部材90を回動軸Y1周りの反時計回り方向に回動させる駆動力が作用している。
【0071】
本実施形態では、第1搬送路1の下部に、可動部材90の回動範囲を規定するための水平バー97が設けられている。水平バー97の先端97a側には、垂直バー98が連結されており、水平バー97は、垂直バー98により、搬送レール11に対して平行に配置しされている。
水平バー97は、被操作部材94の一端94aが搬送レール11の上面111から所定高さ上方に突出した際に、上昇規制部材92が、水平バー97の先端97aに当接するように、設置面Gを基準とした鉛直線方向の位置が設定されている(
図9の(a)参照)。
【0072】
この状態において、移動阻止部材91の先端91aは、搬送レール11の上面111よりも下側に位置するように、移動阻止部材91の長さが設定されている。
【0073】
本実施形態にかかる可動部材90は、被操作部材94の先端91aと、移動阻止部材91の先端91aとが、搬送レール11の上面111から、交互に出没自在となるように設定されている。
そのため、被操作部材94の一端94aは、搬送レール11の上方に配置された基準位置(
図9参照)と、搬送レール11の上面111よりも下側に配置された作動位置(
図10参照)との間で変位するようになっている。
【0074】
さらに、移動阻止部材91の先端91aは、搬送レール11の上面111よりも下側に配置された基準位置(
図9参照)と、搬送レール11の上面111よりも上方に突出した作動位置(
図10参照)との間で変位するようになっている。
【0075】
ここで、
図9と
図10を用いて、位置決め機構9の動作を説明する。
第1搬送路1では、ワーク(図示せず)が搭載されたトレーT1、T2が直列に連なって搬送される。
第1搬送路1では、トレーT1、T2が第2搬送路2との連絡部20に到達していない段階では、被操作部材94と移動阻止部材91がそれぞれ基準位置に配置されている(
図9参照)。
この状態において、被操作部材94の一端94a側は、搬送レール11の上面111よりも上方に突出しており、移動阻止部材91の先端91aは、搬送レール11の上面111よりも下側に配置されている(
図9の(a)参照)。
【0076】
そのため、第2搬送路2との連絡部20に先に到達したトレーT1は、移動阻止部材91が設けられた領域を通過して、最終的にストッパ99、90(
図9の(b)参照)に当接して、第1搬送路1上での移動を終了する。
【0077】
この際に、被操作部材94の一端94a側が、トレーT1の下面により押されて、設置面G側の下方に変位する。そうすると、可動部材90が回動軸Y1周りに時計回り方向に回転して、移動阻止部材91の先端91a側が、搬送レール11の上面111よりも上方に突出する(
図10の(a)参照)。
【0078】
本実施形態では、トレーT1が移動阻止部材91の領域を通過した後に、移動阻止部材91の先端91a側が、搬送レール11の上面111よりも上方に突出するように設定されている。
そのため、トレーT1に続いて、第2搬送路2との連絡部20に進入したトレーT2は、移動阻止部材91の先端91a側に接触した時点で、第1搬送路1上での移動を終了する。
【0079】
本実施形態では、ストッパ99、99で位置決めされたトレーT1が、第2搬送路2の搬送レール21Aの正面に配置されると共に、移動阻止部材91で位置決めされたトレーT2が、第2搬送路2の搬送レール21Bの正面に配置されるように、ストッパ99、99と移動阻止部材91の位置関係が規定されている。
【0080】
前記したように、第2搬送路2は、第1搬送路1よりも上方に配置されている。そのため、第1搬送路1における第2搬送路2との連絡部20には、前記した受渡機構4が設けられており、第1搬送路1において第2搬送路2への受渡位置(連絡部20)に到達したトレーT1、T2を、受渡機構4を用いて第2搬送路2側に受け渡すようになっている。
【0081】
図11および
図12は、受渡機構4の動作を説明する図であって、トレーT1の第2搬送路2側への受け渡しを説明する図である。
図11および
図12では、受渡機構4の構成要素(第1支持部材、第2支持部材、移動調整部7)の位置関係が示されている。
図11の(a)、(b)は、位置決め機構9により、トレーT1、T2が搬送レール21A、21Bに対応する位置に配置された時点での位置関係を示している。
図11の(c)、(d)は、位置決め機構9により、トレーT1、T2が搬送レール11、11から上方に持ちあげられた時点での位置関係を示している。
図12の(a)、(b)は、移動調整部7の第2昇降部材75の上昇が、上昇規制部材92により規制された時点での位置関係を示している。
図12の(c)、(d)は、位置決め機構9により、トレーT1、T2が搬送レール21A、21Bへの受渡位置に到達した時点での位置関係を示している。
【0082】
第1搬送路1を搬送されたトレーT1がストッパ99、90(
図10参照)に当接して位置決めされると、トレーT1は、第2搬送路2の搬送レール21Aに対応する位置に配置される。
トレーT1の位置決めに連動して、トレーT2が移動阻止部材91(
図10参照)に当接して位置決めされると、トレーT2は、第2搬送路2の搬送レール21Aに対応する位置に配置される。
【0083】
この状態において、受渡機構4では、第1支持部材5のローラ組54(54A、54B)と、第2支持部材6の支持ローラ64(64A、64B)が、それぞれ搬送レール11の上面111よりも下側の基準位置に配置されている(
図11の(a)、(b)参照)。
また、移動調整部7の移動規制シャフト78は、搬送レール11、11と同じ高さ位置に配置される(
図11の(b)参照)。
【0084】
この状態において、操作レバー87を支持柱86側に引き寄せると(
図2の(b)における矢印Pull参照)、ワイヤWが、第1搬送路1の始端側に引き寄せられて(
図2の(a)左向き矢印参照)、動滑車84aが設けられた連結シャフト82が上方に移動する(
図2の(a)上向き矢印参照)。
これにより連結シャフト82が連結された移動調整部7と、この移動調整部7に連結された第1支持部材5および第2支持部材6とが上方に移動する(
図2の(c)上向き矢印参照)。
【0085】
そうすると、トレーT1、T2の下面に、第1支持部材5のローラ組54(54A、54B)と、第2支持部材6の支持ローラ64(64A、64B)とが当接し、トレーT1、T2が、搬送レール11、11から離れる方向の上方に持ち上げられる(
図11の(c)、(d)参照)。
【0086】
ローラ組54(54A、54B)のローラRは、搬送レール11から第2搬送路2側(
図11の(d)における右側)に向かうにつれて、設置面Gからの高さが低くなっている。
そのため、トレーT1、T2の下面が、ローラ組54で支持されると、トレーT1、T2は傾斜した状態となり、トレーT1、T2における第2搬送路2側(
図11の(d)における右側)の方が、反対側よりも下方に位置するようになっている。
そのため、ローラ組54(54A、54B)で下面が支持されたトレーT1、T2は、自重により搬送レール21(21A、21B)側に移動する。
【0087】
前記したように、支持ローラ64(64A、64B)が備えるローラRは、それぞれ、搬送レール11の長手方向に沿う軸線X2(
図7参照)回りに回転可能である。
そのため、ローラ組54(54A、54B)の傾きにより、トレーT1、T2が第2搬送路2側に移動すると、第2支持部材6では、トレーT1、T2の下面を支持するローラRが回転して、支持されたトレーT1、T2が、第2搬送路2側にスムーズに移動できるようになっている。
そうすると、移動したトレーT1、T2が、移動規制シャフト78に当接して、第2搬送路2側への移動が規制される。
そのため、トレーT1、T2は、移動規制シャフト78により第2搬送路2側に送出される直前の位置で保持される。
【0088】
操作レバー87の操作により、移動調整部7と、この移動調整部7に連結された第1支持部材5および第2支持部材6とがさらに上方に移動すると、
図12の(a)、(b)に示すように、支持シャフト76の長手方向の中央部の当接部材79が、上昇規制部材92に当接する。
本実施形態では、当接部材79が上昇規制部材92に当接する位置が、移動規制シャフト78が、第2搬送路2の始端2aと略同じ高さ位置になった時点になるように設定されている。
【0089】
当接部材79が上昇規制部材92に当接すると、移動調整部7の第2昇降部75は、上方への移動が規制される。
前記したように、移動調整部7では、第1昇降部70と第2昇降部75とが上下方向で相対移動可能となっている。
そのため、当接部材79が、上昇規制部材92に当接した後は、第1昇降部70と第2昇降部75とに連結されたスプリングSpが伸張することで、第1昇降部70のみが上方に移動する。これにより、当接部材79が上昇規制部材92に当接した後は、第1昇降部70が、移動規制された第2昇降部75に対して相対的に移動する(
図12の(c)、(d)参照)。
【0090】
これにより、トレーT1、T2の第2搬送路2側への移動を規制する移動規制シャフト78の上昇のみが規制された状態で、第1昇降部70と、第1支持部材5と第2支持部材6と、一体的に上昇する。
そうすると、トレーT1、T2が、移動規制シャフト78よりも上方に到達した時点(第2搬送路2への受け渡し高さに到達した時点)で、移動規制シャフト78によるトレーT1、T2の移動規制が完全に解消される(
図12の(c)、(d)参照)。
【0091】
そうすると、第1支持部材5と第2支持部材6で第2搬送路2側に傾いた状態で支持されているトレーT1、T2は、移動規制シャフト78による移動規制が解消された時点で、第2搬送路2側に移動して、対応する搬送レール21A、21Bに同時に送出される。
【0092】
このように、搬送装置10では、第1支持部材5と第2支持部材6が、第1昇降部材70の上昇時に、トレーTの第2搬送路2側が反対側よりも下方に位置するように、トレーTを傾けて支持する。
そして、第2昇降部材75の移動規制シャフト78が、所定高さに達するまで、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制する。
そのため、トレーT1、T2に載置されているワークの質量が異なるために、傾斜した状態での移動速度がトレーT1とトレーT2との間で異なる場合であっても、トレーT1とトレーT2を、対応する搬送レール21A、21Bに同時に送出することができる。
【0093】
以上の通り、本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(1)搬送装置10は、
ワークが搭載された複数のトレーTが直列に連なって搬送される第1搬送路1と、
ワークが搭載された複数のトレーTのうちの所定数のトレーTが並列に並んで搬送される第2搬送路2と、
所定数のトレーTを、第1搬送路1から、当該第1搬送路1よりも上方に位置する第2搬送路2に受け渡す受渡機構4と、を有する。
受渡機構4は、第1搬送路1における第2搬送路2との連絡部20に設けられている。
受渡機構4は、操作レバー87の操作に連動して昇降する移動調整部7を有する。
移動調整部7は、
操作レバー87の操作に連動して昇降する第1昇降部材70(昇降部材)と、
第1昇降部材70で当該第1昇降部材70の昇降方向に移動可能に設けられていると共に、第1昇降部材70の上昇時に、第1昇降部材70に追従して所定高さまで上昇する第2昇降部材75(移動規制部材)と、を有している。
第1昇降部材70は、第2搬送路2の搬送方向に間隔をあけて配置された第1支持部材5(第1支持部材)および第2支持部材6(第2支持部材)を有している。
第1支持部材5と第2支持部材6は、第1昇降部材70の上昇時に、トレーTの第2搬送路2側が反対側よりも下方に位置するように、トレーTを傾けて支持する。
第2昇降部材75は、所定高さに達するまで、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制する移動規制シャフト78を有している。
【0094】
このように構成すると、第1昇降部材70が上昇して、第1支持部材5と第2支持部材6により、トレーTが傾いて支持されても、第2昇降部材75の移動規制シャフト78が、所定高さに達するまで、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制する。
これにより、トレーTを、第2搬送路2側への移動に適した傾きに変更した際に、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制した状態で、トレーTを第2搬送路2側への移動に適した高さまで持ち上げることができる。
傾いた状態のトレーTには、第2搬送路2側に自重により移動する力(移動力)が作用している。そのため、所定高さを、トレーTを第2搬送路2に受け渡す高さの直前の高さに設定しておくことで、トレーTの脱落を防ぎつつ、トレーTを第2搬送路2にスムーズに送り出すことができる。
【0095】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(2)第2昇降部材75が所定高さまで上昇した時点で、第2昇降部材75が接触することで、第2昇降部材75の上昇を規制する上昇規制部材92をさらに有している。
第1昇降部材70と第2昇降部材75は、スプリングSp(弾性連結部材)を介して、第1昇降部材70の昇降方向で弾性的に相対変位可能に連結されている。
【0096】
このように構成すると、第2昇降部材75を、所定高さに達するまで、第1昇降部材70の上昇に追従させて上昇させることができる。
これにより、移動規制シャフト78と、第1支持部材5および第2支持部材6との上下方向での位置関係を保持することができ、第2昇降部材75が所定高さに達するまで、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制した状態で、トレーTを、第2搬送路2側への移動に適した高さまで持ち上げることができる。
さらに、第1昇降部材70を下降させた際に、第1昇降部材70と第2昇降部材75との上下方向での位置関係を、スプリングSpの弾性力で、初期位置まで速やかに復帰させることができる。
【0097】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(3)第2支持部材6は、第2搬送路2の始端2aと第1支持部材5との間に配置されている。
第1支持部材5におけるトレーTの支持部(ローラ組54)は、第2支持部材6におけるトレーTの支持部(支持ローラ64)よりも上方に位置している。
第2昇降部材75の移動規制シャフト78は、第1昇降部材70の上昇前の段階で、第2支持部材5のトレーTを支持する支持ローラ64よりも上方に配置されている。
第2昇降部材75の移動規制シャフト78は、第2昇降部材75が第1昇降部材70に追従して所定高さまで上昇するまで、支持ローラ64よりも上方に配置される。
【0098】
このように構成すると、第2昇降部材75が所定高さに達するまで、トレーTの第2搬送路2側への移動を規制できる。
【0099】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(4)連絡部20では、第2搬送路2が第1搬送路1の側方に配置されて、第1搬送路1でのトレーTの搬送方向に直交する方向に延びている。
第1搬送路1は、ワークが搭載されたトレーTの下面を支持する一対の搬送レール11、11を有している。
一対の搬送レール11、11は、第2搬送路2の搬送方向(第1搬送路1の幅方向)に間隔をあけて設けられている。
連絡部20では、一対の搬送レール11、11の間に、第1支持部材5と第2支持部材6とが設けられている。
連絡部20では、一対の搬送レール11、11のうちの一方の搬送レール11(第2搬送路2側の搬送レール11)と、第2搬送路2の始端2aとの間に、第1昇降部材70、第2昇降部材75が設けられている
【0100】
操作レバー87が操作されると、移動調整部7(第1昇降部材70、第2昇降部材75)と、第1支持部材5と、第2支持部材6とが上昇する。
そうすると、第1支持部材5側のローラ組54と、第2支持部材6側の支持ローラ64が、一対の搬送レール11、11の間から上昇して、トレーTが第2搬送路2側への移動に適した傾きで保持される。
さらに、第2昇降部材75の移動規制シャフト78が、第1支持部材5側のローラ組54と第2支持部材6側の支持ローラ64の上昇に同期して、搬送レール11と第2搬送路2の間から上昇する。
これにより、傾いて保持されたトレーTの第2搬送路2側への移動を、所定高さに到達するまで、移動規制シャフト78で適切に規制できる。
よって、トレーTの脱落を防ぎつつ、トレーTを第2搬送路2にスムーズに送り出すことができる高さまで持ち上げることができる。
【0101】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(5)連絡部20には、位置決め機構9が設けられている。
位置決め機構9は、
第1搬送路1で搬送されたトレーT1を、第1所定位置で位置決めするストッパ99、99と、
第1所定位置で位置決めされたトレーT1に続いて搬送された次のトレーT2を、第2所定位置で位置決めする可動部材90(ストッパ機構)と、を有する。
第2搬送路2は、第1所定位置で位置決めされたトレーT1を搬送する搬送レール21A(第1レール)と、第2所定位置で位置決めされたトレーT2を搬送する搬送レール21B(第2レール)とを有している。
【0102】
このように構成すると、2つのトレーTが並列に並んで搬送される第2搬送路2に、トレーT1、T2を適切に送り出すことができる。
【0103】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(6)第1支持部材5では、第1所定位置で位置決めされたトレーT1の下面を支持するローラ組54A(第1支持部)と、第2所定位置で位置決めされたトレーT2の下面を支持するローラ組54B(第2支持部)とが、第1搬送路1でのトレーT(T1、T2)の搬送方向で、直列に並んでいる。
第2支持部材6では、第1所定位置で位置決めされたトレーT1の下面を支持する支持ローラ64A(第1支持部)と、第2所定位置で位置決めされたトレーT2の下面を支持する支持ローラ64B(第2支持部)とが、第1搬送路1でのトレーT(T1、T2)の搬送方向で、直列に並んでいる。
【0104】
このように構成すると、第1所定位置で位置決めされたトレーT1と、第2所定位置で位置決めされたトレーT2を、第2搬送路2におけるトレーT(T1、T2)の移動方向に沿う向きで、第2搬送路2に適切に送り出すことができる。
【0105】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(7)ローラ組54Aとローラ組54Bは、第2搬送路2へのトレーT1、T2の受け渡し方向に転動可能な複数のローラRを有している。
複数のローラRは、第2搬送路2へのトレーT1、T2の受け渡し方向に並んでいる。
複数のローラRは、第2搬送路2側に位置するローラRほど下方に位置している。
【0106】
このように構成すると、ローラ組54Aとローラ組54Bにおける複数のローラRの並びを調整することで、第2搬送路2へのトレーT1、T2の送り出しに適した傾きで、トレーT1、T2を保持できる。
また、複数のローラRは、第2搬送路2へのトレーT1、T2の受け渡し方向に並んでいる。そのため、トレーT1、T2の下面におけるローラRで支持された領域は、第2搬送路2への受け渡し方向に所定の長さ範囲を持っている。そのため、ローラ組54Aとローラ組54BにおけるトレーT1、T2の支持が安定する。
【0107】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(8)可動部材90(ストッパ機構)は、
第1所定位置で位置決めされるトレーT1により操作される被操作部材94と、
第2所定位置で位置決めされるトレーT2を、第2の所定位置で位置決めする移動阻止部材91と、を有している。
被操作部材94と移動阻止部材91は、共通の回動軸Y1周りの周方向に変位可能に設けられている。
回動軸Y1は、第1搬送路1でのトレーT(T1、T2)の搬送方向に直交している。
回動軸Y1は、第2搬送路2でのトレーT(T1、T2)の搬送方向に沿う方向に延びている。
側面視において、被操作部材94と移動阻止部材91は、一対の搬送レール11、11の上面111、111よりも上側に交互に出没自在となるように設けられている。
【0108】
このように構成すると、被操作部材94が、一対の搬送レール11、11の上面111よりも上側に位置していると、移動阻止部材91が、一対の搬送レール11、11の上面111よりも下側に位置する。そして、被操作部材94が、一対の搬送レール11、11の上面111よりも下側に位置していると、移動阻止部材91が、一対の搬送レール11、11の上面111よりも上側に位置する。
これにより、トレーT1が第1所定位置に到達した時点で、被操作部材94が、トレーT1により押されて一対の搬送レール11、11の上面111よりも下側に変位するようにすると、移動阻止部材91が、一対の搬送レール11、11の上面111よりも上側に突出する。
そして、移動阻止部材91が、トレーT2を第2所定位置に配置するように設定することで、トレーT1が第1所定位置に到達した時点で、トレーT2を第2所定位置に適切に配置できる。
【0109】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(9)側面視において被操作部材94は、長手方向における回動軸Y1よりも一端94a側が、一対の搬送レール11、11よりも上側に出没自在となっている。
側面視において被操作部材94は、長手方向における回動軸Y1よりも他端94b側に、移動阻止部材91が、回動軸Y1方向に延びる上昇規制部材92(軸状部材)を介して連結されている。
可動部材90(ストッパ機構)は、上昇規制部材92に当接して、被操作部材94の一端94a側を一対の搬送レール11、11よりも上側に突出させた基準位置で保持する水平バー97(保持部材)を有している。
【0110】
このように構成すると、側面視において被操作部材94は、長手方向の他端94b側の質量が、一端94a側の質量よりも大きくなる。
これにより、トレーT1が第1所定位置に配置されていない状態では、可動部材90(ストッパ機構)は、上昇規制部材92を水平バー97に当接させた基準位置に保持される。この状態では、被操作部材94の一端94a側が、一対の搬送レール11、11よりも上側に配置されると共に、移動阻止部材91の先端91a側が、一対の搬送レール11、11よりも下側に配置される。
よって、第1搬送路1を搬送されるトレーT(T1、T2)の連絡部20への進入を阻害することなく、トレーT(T1、T2)を連絡部20に到達させることができる。
【0111】
本実施形態にかかる搬送装置10は、以下の構成を有している。
(10)移動調整部7に付設されて移動調整部7と一体に昇降する連結シャフト82に、動滑車84a(可動側の滑車)が設けられている。
固定側部材である支持梁85Bに、固定滑車84b(固定側の滑車)が設けられている。
長手方向の一端が固定滑車84bを支持する支持部材83B(固定側部材)に接続されていると共に、他端が操作レバー87に接続されたワイヤWを有する。
ワイヤWは、一端と他端の間の領域が、動滑車84aと固定滑車84bに巻き掛けられている。
操作レバー87が操作されると、動滑車84aが設けられた連結シャフト82と移動調整部7とが上昇して、上方に配置された支持梁85Bに近づく方向に変位する。
【0112】
このように構成すると、操作レバー87の操作力が、動滑車84aと固定滑車84bに巻き掛けられたワイヤWを介して伝達されて、移動調整部7が上昇する。
動滑車84aを介在させることで、移動調整部7を上昇させるのに必要な操作力を低減させることができる。
これにより、トレーTに載置されたワークが重量物である場合であっても、ワークが載置されたトレーTを、第1搬送路1から、より少ない操作力持ち上げて、第1搬送路1の上方に位置する第2搬送路2に受け渡すことができる。
【0113】
これにより、第1搬送路1から第2搬送路2へのトレーTの受け渡しを、作業者の操作力で行う場合であっても、受け渡し作業に要する労力を抑えることができる。
【0114】
前記した実施形態では、ワークがトレーTに載置されており、トレーTを、第1搬送路1から第2搬送路2に受け渡す場合を例示したが、本願発明は、トレーTを用いずに、ワーク自体を第1搬送路1から第2搬送路2に受け渡す仕様の搬送装置にも適用可能である。
【0115】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本願発明は前記した態様のもののみに限定されるものではない。本願発明の技術的な思想の中で適宜変更可能である。