(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3部分の断面形状は、略円形であり、前記第3部分は、ハンドル部の長軸方向に沿って前記第2部分に挟まれていることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
前記第1の軟質部は、少なくとも前記ハンドル部において前記ブラシ部側に突出して露出する柱状の第1突出部と、前記ハンドル部において前記ブラシ部とは逆側に突出して露出する柱状の第2突出部とを有することを特徴とする請求項4記載の歯ブラシ。
前記ネック部における前記第1の軟質部は、前記ブラシ領域と直交する第1の方向の幅が、前記第1の方向および前記ハンドル体の長さ方向と直交する第2の方向の幅よりも大きいことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項記載の歯ブラシ。
前記ブラシ領域と前記ハンドル部との間に、前記ブラシ領域と直交する第1の方向と前記ハンドル部の長さ方向とに直交する第2の方向の幅が、前記ヘッド部の最大幅以下のネック部が配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の歯ブラシ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の歯ブラシの実施の形態を、
図1乃至
図17を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の歯ブラシの寸法関係とは異なる場合がある。第1実施形態では、1種類の軟質樹脂を用いる構成について説明し、第2実施形態では、硬度の異なる2種類の軟質樹脂を用いる構成について説明し、また、ヘッド部とハンドル部との間に、ヘッド部の最大幅以下のネック部が配置される場合の例を用いて説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る歯ブラシの側面図である。
図2は、
図1に示す歯ブラシの正面図である。
図2では、説明の便宜上、
図1に示す複数の毛束12−1で構成されたブラシ部12の図示を省略する。
【0025】
図1および
図2に示すX方向は、歯ブラシ10を使用していない状態におけるハンドル体11の延在(長さ)方向(ネック部15の延在方向)を示している。
図1および
図2に示すZ方向は、歯ブラシ10を使用していない状態において、植毛面(ブラシ領域)21−1bに対して直交する第1の方向(法線方向)を示している。
図2に示すY方向は、歯ブラシ10の幅方向(言い換えれば、Z方向およびX方向に対して直交する第2の方向)を示している。
【0026】
図1〜
図2を参照するに、本実施の形態の歯ブラシ10は、ハンドル体11と、ブラシ部12と、を有する。ハンドル体11は、ヘッド部14と、ネック部15と、ハンドル部16と、を有する。ハンドル体11は、後述するように、軟質樹脂によって中実に形成されている。本実施の形態では、植毛面21−1bとハンドル部16との間に、上記第2の方向(Y方向)の幅が、ヘッド部14の幅(Y方向の最大幅)よりも小さいネック部15が配置されている。
【0027】
ヘッド部14は、ブラシ部12が配置されたブラシ領域12Aを有している。ブラシ領域12Aは+Z側に向いた植毛面21−1bを含む。ヘッド部14の先端部は、使用者が歯ブラシ10を使用して歯磨きをする際、使用者の口腔内と対向する部分であり、例えば、丸みを帯びた形状(ラウンド形状)に形成されている。
【0028】
ヘッド部14の長さ(X方向の長さ)は、特に限定されず、例えば、10〜30mmの範囲内が好ましく、12〜28mmの範囲内がより好ましい。また、ヘッド部14の長さが30mm以下であると、口腔内での歯ブラシ10の操作性を高めることができる。ヘッド部14の幅(ヘッド部14におけるY方向の最大幅)は、特に限定されず、例えば、7〜13mmの範囲内が好ましく、8〜12mmの範囲内がより好ましい。また、ヘッド部14の幅が13mm以下であると、口腔内での歯ブラシ10の操作性を高めることができる。Z方向におけるヘッド部14の厚さは、例えば、5.0mmである。ヘッド部14の厚さとは、一例として、ヘッド部14におけるX方向の中央部分で測定した厚さである。
【0029】
次に、
図2を参照して、ヘッド部14の後端とネック部15の先端との境界の位置、及びネック部15の後端とハンドル部16の先端との境界の位置について定義する。本発明では、植毛面21−1bとハンドル部16との間において、Y方向の幅がヘッド部14の最大幅と同一、またはヘッド部14の最大幅よりも小さい箇所をネック部に含む。
【0030】
なお、本実施形態では、ヘッド部14の先端からハンドル部16の後端に向かうX方向において、Y方向の幅が狭くなり、該幅の変化量が大きくなり、やがてY方向の該幅の変化量がほとんどなくなる位置を、ヘッド部14の後端とネック部15の先端との境界の位置とする。また、ネック部15の先端からハンドル部16の後端に向かうX方向において、Y方向の幅が広くなり、該幅の変化量が大きくなり、やがてY方向の該幅の変化量がほとんどなくなる位置を、ネック部15の後端とハンドル部16の先端との境界の位置とする。なお、本発明において、ヘッド部14の先端からX方向においてヘッド部14の先端から最も離間した位置に配置された植毛穴のハンドル部16の後端側の位置を、ヘッド部14の後端とネック部15の先端との境界の位置としてもよい。X方向におけるネック部15の長さは、例えば、20〜60mmの範囲内で適宜設定することができ、この場合、ヘッド部の長さとネック部の長さとを合計した長さは、例えば、40〜85mmの範囲内で適宜設定することができる。
【0031】
ネック部15は、歯ブラシ10において、ヘッド部10に外力が加わったときの曲げ強度(以下、単に曲げ強度と称する)が最も小さい領域である。
図3は、ネック部15をYZ平面で切断した断面図(以下、単に断面図と称する)である。ネック部15は、YZ平面で切断した断面形状が略楕円形状である。ネック部15におけるZ方向の幅W11は、ネック部15におけるY方向の幅W12より大きい。そのため、ヘッド部14に外力が加わったときに最初にネック部15において、例えば、ネック部15におけるX方向の中央部の変形部(第1部分)15AにY方向への曲げ(変形)が生じる。
【0032】
ハンドル部16は、ハンドル部本体31と、リング状窪み部32−1,32−2(リング状の窪み部)と、第1のリブ部34と、第2のリブ部35と、第3のリブ部37と、を有する。ハンドル部本体31は、歯ブラシ10の使用者が手で掴む部分であり、YZ平面で切断した断面形状が略円形である。
【0033】
リング状窪み部32−1,32−2は、ハンドル部本体31の周方向全体に亘って環状に設けられている。リング状窪み部32−1は、リング状窪み部32−1は、ハンドル部本体(第2部分)31の直径を縮径した形状に構成されている。すなわち、リング状窪み部32−1は、X方向と直交する断面形状がハンドル部本体31と同軸、且つ相似形で、且つ直径が連続的に小さくなる形状である。リング状窪み部32−2は、リング状窪み部32−1の配設位置よりもハンドル部16の後端側に、例えば、20mm〜50mm離れて配置されている。リング状窪み部32−2は、ハンドル部本体31の直径を縮径した形状に構成されている。すなわち、リング状窪み部32−2は、X方向と直交する断面形状がハンドル部本体31と同軸、且つ相似形で、且つ直径が連続的に小さくなる形状である。
【0034】
リング状窪み部32−1における最も断面積が小さい箇所の変形部(第3部分)32−1Aと、リング状窪み部32−2における最も断面積が小さい箇所の変形部(第3部分)32−2Aとは、いずれもハンドル部本体31の断面積よりも小さい。従って、変形部32−1A、32−2Aは、ハンドル部16における曲げ強度が最も小さい領域である。また、変形部32−1A、32−2Aの曲げ強度は、ネック部15の曲げ強度よりも大きい。換言すると、ネック部15の曲げ強度は、変形部32−1A、32−2Aの曲げ強度よりも小さく、変形部32−1A、32−2Aの曲げ強度は、ハンドル部本体31の曲げ強度よりも小さい。
【0035】
第1のリブ部34は、リング状窪み部32−1のうち、ハンドル部本体31の側面(言い換えれば、2つの側面)を構成する部分に複数配置されている。第2のリブ部35は、リング状窪み部32−2のうち、ハンドル部本体31の側面(言い換えれば、2つの側面)を構成する部分に複数配置されている。第3のリブ部37は、第2のリブ部35の配設位置よりも後端側に位置するハンドル部本体31の側面(言い換えれば、2つの側面)に複数配置されている。上記第1ないし第3のリブ部34,35,37は、第2の軟質部27で構成することができる。この場合、第1ないし第3のリブ部34,35,37は、ハンドル部本体31を形成する際に一括形成することができる。なお、上記第1ないし第3のリブ部34,35,37は、必ずしも必要ではない。
【0036】
このように、リング状窪み部32−1に配置された複数の第1のリブ34、リング状窪み部32−2に配置された複数のリング状窪み部32−2、及び第2のリブ部35の配設位置よりも後端側に位置するハンドル部本体31の側面に配置された複数の第3のリブ部37を有することで、歯ブラシ10を保持する指が滑りにくくなるため、ハンドル部本体31のグリップ性能を向上させることができる。
【0037】
上記のハンドル体11は、例えば、その硬度が、JIS K 7215 ショアAの硬度が90以下、好ましくは80以下である軟質樹脂で形成されている。このような軟質樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマー樹脂を例示することができる。スチレン系エラストマーの具体例としては、例えば、株式会社クラレ製のセプトン(商品名)、リケンテクノス株式会社製のレオストマー(商品名)等を例示することができる。
【0038】
ブラシ部12は、毛束12−1を備えている。毛束12−1の長さ(毛丈)は、例えば、6〜13mmの範囲内で適宜設定することができる。毛束12−1は、例えば、ヘッド部14を構成する軟質樹脂の中へ毛束12−1の下端を圧入して固定する熱融着法により植毛面21−1bに設けることができる。なお、毛束12−1を設ける方法としては、上記の熱融着法の他に、毛束12−1の下端を加熱して溶融塊を形成した後、金型内に溶融樹脂を導入させるインモールド法等や、予め毛束12−1を設けたカセットをヘッド部14に装着する方法等を採ることが可能である。
【0039】
ブラシ部12毛束12−1の配列および数は、例えば、
図2に示すような配列および数を用いることが可能であるが、これに限定されず、いわゆる碁盤目状の配列や千鳥状の配列等、いかなる配列パターンであってもよく、配列および数は目的に応じて適宜設定することができる。
【0040】
上記構成の歯ブラシ10に対して、例えば、ヘッド部14に外力が加わると、曲げ強度が最も小さいネック部15の変形部15Aが最初にY方向に曲がって変形し、次いで曲げ強度が小さい変形部32−1A、32−2Aが曲がって変形する。変形部32−1A、32−2Aは、断面が略円形であるため、Z方向およびY方向を含め、X方向と交差する方向に変形する。
【0041】
このように、本実施形態では、歯ブラシ10の先端部が軟質樹脂で形成されているため、使用者が歯ブラシ10を使用時において、軟質樹脂22がクッション材として機能するため、歯ブラシ10の後端側から先端側に向かう方向に外力が加えられて、使用者の口腔内に強く押し当てられた際、使用者の口腔内が損傷することを抑制できる。
【0042】
また、本実施形態の歯ブラシ10においては、ヘッド部14に外力が加わると、最も曲げ強度が小さいネック部15が変形するため、これにより、ヘッド部14の先端に加わる力を逃がすことが可能となるので、歯ブラシ10の使用者の口腔内が損傷することを抑制できる。特に、歯ブラシ10の使用者が1〜3才の乳幼児である場合、歯ブラシ10を口にくわえたままの状態で、走ったりする場合があるが、このような場合に乳幼児が転倒した際でも乳幼児の口腔内が損傷することを抑制できる。
【0043】
さらに、本実施形態の歯ブラシ10においては、ネック部15において、Z方向の幅W11がY方向の幅W12より大きく曲げ強度が大きいため、歯ブラシ10を用いて、歯を磨く際、ネック部15は、ブラシ部12の先端を歯や歯間等に押し当てる際に力が加えられるZ方向に対して、変形しにくいため、ブラシ部12の先端をしっかりと歯や歯間等に押し当てることが可能である。そのため、本実施形態の歯ブラシ10では、歯ブラシ10の清掃性能を低下させることなく、ヘッド部14の先端に強い外力または弱い外力が印加された際に変形部15AにおいてY方向に折れ曲がることが可能となる。
【0044】
なお、ネック部15においてZ方向の曲げ強度がY方向の曲げ強度よりも大きくなる形状としては、上述した楕円形状の他に長方形、菱形等を例示することができる。この場合、楕円とは、2つの焦点からの距離の和が一定である点の集合から作られる曲線の他に、同一半径の2つの半円を平行な二つの接線で繋げた長円も含む。楕円や菱形の断面形状とされたネック部15を用いる場合、幅W11の最大値が幅W12の最大値よりも大きくなるように構成すればよい。
【0045】
また、本実施形態の歯ブラシ10においては、リング状窪み部32−1,32−2を配置させることにより、歯ブラシ10を口にくわえた状態で、歯ブラシ10の後端からヘッド部14の先端に向かう方向に強い外力が加えられた際、リング状窪み部32−1,32−2の配設位置において、ハンドル部16が容易に折れ曲がることが可能となる。これにより、歯ブラシ10の後端からヘッド部14の先端に向かう方向に加えられる外力を、これとは異なる方向にさらに効率良く逃がすことが可能となるので、歯ブラシ10の使用者の口腔内が損傷をさらに抑制することができる。また、本実施形態の歯ブラシ10においては、リング状窪み部32−1,32−2を配置することにより、使用者が歯ブラシ10を使用する際、ハンドル部16を持ちやすくなるため、歯ブラシ10の操作性を向上させることができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、ハンドル部本体31に2つのリング状窪み部32−1,32−2を設けた場合を例に挙げて説明したが、リング状窪み部32−1,32−2の数は、2つに限定されない。リング状窪み部32−1,32−2は、必要に応じて、ハンドル部本体31に1つ以上、5つ以下の個数で設ければよい。また、リング状窪み部32−1,32−2の配設位置は、ハンドル部本体31の任意の位置に設ければよく、
図1および
図2に示すリング状窪み部32−1,32−2の配設位置に限定されない。
【0047】
(第2実施形態)
次に、歯ブラシ10の第2実施形態について
図4乃至
図15を参照して説明する。これらの図において、
図1乃至
図3に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。上記の第1実施形態では、ハンドル体11が一種類の軟質樹脂により形成される構成を例示したが、第2実施形態では硬度の異なる二種の軟質樹脂を用いる例について説明する。
【0048】
図4は、本発明の第2実施形態に係る歯ブラシの側面図である。
図5は、
図4に示す歯ブラシの正面図である。
図5では、説明の便宜上、
図4に示す複数の毛束12−1で構成されたブラシ部12の図示を省略する。
図6は、
図4に示す歯ブラシを背面図である。
図7は、
図4に示す第1の軟質部を拡大した側面図である。
図8は、
図5に示す第1の軟質部を拡大した正面図である。
図9は、
図6に示す第1の軟質部を拡大した背面図である。
【0049】
図4乃至
図9に示されるように、第2実施形態における歯ブラシ10のハンドル体11は、第1の軟質部17と第2の軟質部27とを含む。第1の軟質部17は、第1の軟質樹脂で形成されている。第2の軟質部27は、第1の軟質樹脂よりも硬度が小さい第2の軟質樹脂で形成されている。第2の軟質部27は、第1の軟質部17の少なくとも一部を内部に収容する。第1の軟質部17は、一例として、上記第1実施形態で説明したハンドル体11で例示した軟質樹脂のうち、JIS K 7215 ショアAの硬度が80の軟質樹脂で形成されている。第2の軟質部27は、一例として、上記第1実施形態で説明したハンドル体11で例示した軟質樹脂のうち、JIS K 7215 ショアAの硬度が30または60(好ましくは硬度30)の軟質樹脂で形成されている。
【0050】
第1の軟質部17は、ベース部材21および芯部25を有している。ベース部材21は、ヘッド部14に配置されており、ベース部材本体21−1と、2つの支持部21−2と、を有する。ベース部材本体21−1は、ベース部材本体21−1の側面及び底面21−1aに第2の軟質部27を配置することが可能なように、ヘッド部14の外形を1〜2mm程度縮小させた形状とされている。ベース部材本体21−1は、先端部21−1Aと、底面21−1aと、植毛面21−1bと、植毛穴21−1Bと、を有する。
【0051】
先端部21−1Aは、ベース部材本体21−1のうち、ヘッド部14とネック部15とが接続される側とは反対側に位置する部分である。先端部21−1Aは、使用者が歯ブラシ10を使用して歯磨きをする際、使用者の口腔内と対向する部分である。先端部21−1Aの形状は、例えば、丸みを帯びた形状(ラウンド形状)にするとよい。
【0052】
図10は、
図7に示すベース部材21のA−A線方向の断面図である。
図4、
図6、
図7、
図9、及び
図10を参照するに、底面21−1aは、第2の軟質部27で覆われる部分であり、植毛面21−1bの反対側に配置されている。底面21−1aは、例えば、平坦な面とすることができる。植毛面21−1bは、平坦な面とされている。植毛面21−1bは、複数の植毛穴21−1Bを露出している。植毛面21−1bは、ヘッド部14における第1露出部として、第2の軟質部27から露出されている。このように、第2の軟質部27よりも硬い樹脂を用いてベース部材本体21−1を構成すると共に、複数の植毛穴21−1B及び植毛面21−1bを第2の軟質部27から露出させることで、複数の植毛穴21−1Bに対して、例えば、平線植毛法を用いて、ブラシ部12を構成する毛束12−1を植毛(植設)することができる。なお、ベース部材本体21−1に毛束12−1を植毛する方法は、平線植毛法に限定されず、上述した熱融着法やインモールド法、カセット方式等を選択してもよい。
【0053】
植毛面21−1bは、後述する
図15に示す第2の金型51を用いて、第2の軟質部27を樹脂成型する際、一方の金型51−2(
図15参照)の内面と接触する面である。このように、植毛面21−1bが第2の金型51を構成する一方の金型51−2の内面と接触することで、複数の植毛穴21−1B及び植毛面21−1bに第2の軟質部27が形成されることを抑制できる。
【0054】
植毛穴21−1Bは、植毛面21−1bを構成する側のベース部材本体21−1に複数設けられている。植毛穴21−1Bは、ブラシ部12を構成する毛束12−1が植毛される穴である。複数の植毛穴21−1Bの配列としては、例えば、
図5に示すような配列を用いることが可能であるが、これに限定されず、いわゆる碁盤目状の配列や千鳥状の配列等、いかなる配列パターンであってもよい。また、複数の植毛穴21−1Bの数は、
図5に示す植毛穴21−1Bの数に限定されず、例えば、10〜60穴の範囲内で適宜設定することができる。つまり、複数の植毛穴21−1Bの配列、及び植毛穴21−1Bの数は、目的に応じて適宜設定することができる。植毛穴21−1Bの形状としては、特に限定されず、例えば、真円形状、楕円等の円形状、三角形状や四角形状等の多角形状等を用いることができる。また、植毛穴21−1Bの直径は、毛束12−1の太さに応じて決定することができ、具体的には、例えば、1〜3mmの範囲内で適宜設定することができる。
【0055】
Z方向におけるヘッド部14の厚さが5.0mmの場合、Z方向のベース部材本体21−1の厚さ(言い換えれば、底面21−1aと植毛面21−1bとの間の厚さ)は、例えば、4.2mmとすることができる。この場合、植毛面21−1bを基準としたときの複数の植毛穴21−1Bの深さは、例えば、2.5mmとすることができる。ヘッド部14の厚さとは、一例として、ヘッド部14におけるX方向の中央部分で測定した厚さである。
【0056】
2つの支持部21−2は、ベース部材本体21−1の底面21−1aからZ方向(
図4に示す状態の場合、下方)に突出するように設けられている。2つの支持部21−2のうち、一方がベース部材本体21−1の先端側に配置されており、他方がベース部材本体21−1の後端側に配置されている。2つの支持部21−2は、X方向において対向するように配置されている。2つの支持部21−2は、それぞれ平坦な面とされた突出面21−2aを有する。2つの突出面21−2aは、第2の軟質部27の外面から露出されると共に、第2の軟質部27の外面に対して面一とされている。すなわち、支持部21−2は、ヘッド部14における第2露出部として、
図6に示すように、植毛面21−1bとは逆側に露出している。
【0057】
突出面21−2aは、後述する
図14に示す第1の金型41を用いて、ベース部材本体21−1を含む第1の軟質部17を成型する際、第1の金型41(
図14参照)の内面と接触する部分である。このように、突出面21−2aが第1の金型41(
図14参照)の内面と接触することで、2つの支持部21−2の周囲及び底面21−1aに第2の軟質部27を形成することができる。つまり、2つの支持部21−2の突出量(言い換えれば、底面21−1aを基準としたときの突出面21−2aまでの距離)は、底面21−1aに配置する第2の軟質部27のZ方向の厚さと等しい。したがって、2つの支持部21−2の突出量は、底面21−1aに配置する第2の軟質部27の厚さに応じて適宜設定することができる。Z方向におけるヘッド部14の厚さが5.0mmで、かつZ方向のベース部材本体21−1の厚さが4.2mmの場合、2つの支持部21−2の突出量は、例えば、0.8mmとすることができる。ヘッド部14およびベース部材本体21−1の厚さとは、一例として、ヘッド部14におけるX方向の中央部分で測定した厚さである。なお、
図4及び
図6では、支持部21−2が2つの場合を例に挙げて説明したが、支持部21−2の数は1つ以上であればよく、2つに限定されない。
【0058】
ベース部材本体21−1の側面及び底面21−1aに配置する第2の軟質部27の厚さは、例えば、目的に応じて、0.2〜2.0mmの範囲内で適宜設定することが可能であるが、例えば、0.8mmとすることができる。なお、
図4〜
図6では、一例として、ベース部材本体21−1の側面及び底面21−1aを覆うように第2の軟質部27を設けた場合を例に挙げて説明したが、第2の軟質部27は、少なくともベース部材本体21−1の先端部21−1Aを覆うように配置されていればよい。
【0059】
芯部25は、X方向(ネック部15の延在方向)に延在し、かつネック部15を貫通する第1の部分25−1と、X方向に延在し、一端が第1の部分25−1と一体にされると共に、ハンドル部16の一部に配置された第2の部分25−2と、を有する。なお、ここでは、ネック部15を構成する第1の部分25−1について説明し、第2の部分25−2については、ハンドル部16の構成を説明する際に説明する。
【0060】
図11は、
図7に示す第1の軟質部17のB−B線方向の断面図である。第1の部分25−1は、その一端がベース部材21の後端と一体に構成されており、他端が第2の部分25−2と一体的に構成されている。
【0061】
第1の部分25−1は、X方向において同じ太さとされている。ヘッド部14の先端に強い外力が印加された際、ネック部15が、
図5に示す変形部15A(例えば、ネック部15の中央部近傍)において折れ曲がるように(言い換えれば、ヘッド部14の先端に加わる力を逃がすように)、第1の部分25−1の太さや形状、及び第1の部分25−1の周囲に配置される軟質部26の厚さは、決定するとよい。具体的には、X方向に対して直交する面でネック部15におけるX方向の中央部分を切断した際に得られるネック部15の切断面の面積(第1の部分25−1の切断面25−1aの面積S1と、第2の軟質部27の切断面の面積S2と、を合計した面積)を100%としたときに、第1の部分25−1の切断面25−1aの面積S1が5%以上50%未満にするとよい。
【0062】
X方向に対して直交する面で切断した際の第1の部分25−1の形状としては、例えば、円形状、楕円形状、正方形、長方形、菱形、星型等を用いることができる。また、使用者の安全性を考慮すると、第1の部分25−1の角部は、丸みを帯びた形状(ラウンド形状)にするとよい。上述したように、歯ブラシ10を用いて、歯を磨く際、ネック部15は、Z方向(言い換えれば、ブラシ部12の先端を歯や歯間等に押し当てる際に力が加えられる方向)に対して、変形しにくいこと(言い換えれば、ブラシ部12の先端をしっかりと歯や歯間等に押し当てることが可能なこと)が好ましいため、Z方向(植毛面21−1bに対して直交する第1の方向)における第1の部分25−1の第1の幅W1は、Z方向と直交するY方向(第2の方向)における第1の部分の第2の幅W2よりも大きくするとよい。第1の幅W1は、例えば、1.5mm〜3.0mmであり、第2の幅W2は、例えば、1.5mm〜2.0mmである。
【0063】
Z方向における第1の部分25−1の第1の幅W1がY方向における第1の部分の第2の幅W2よりも大きくなるような第1の部分25−1の断面形状としては、
図11に示すような楕円、長方形、菱形等を例示することができる。この場合、楕円とは、2つの焦点からの距離の和が一定である点の集合から作られる曲線の他に、同一半径の2つの半円を平行な二つの接線で繋げた長円も含む。楕円や菱形の断面形状とされた第1の部分25−1を用いる場合、第1の幅W1の最大値が第2の幅W2の最大値よりも大きくなるように構成すればよい。また、
図11において、ネック部15の直径R1が3.95mmの場合、第1の幅W1は、例えば、1.975mmとすることができる。このとき、第2の幅W2は、例えば、1.7mmとすることができる。
【0064】
ネック部15において、第2の軟質部27は、第1の部分25−1を内部に収容する。第2の軟質部27は、第1の部分25−1が露出されることを抑制するとともに、ヘッド部14の先端に強い力が加えられた際にネック部15の変形部15Aが折れ曲がるように変形する。
図11では、一例として、第2の軟質部27の切断面の外形が円形状である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、
図11に示す切断面25−1aが楕円形状とされた第1の部分25−1を用いる場合、第2の軟質部27の切断面の外形として、例えば、長軸の一部が切断面25−1aの長軸と一致する楕円形状あるいは上述した長円形状を用いてもよい。また、切断面25−1aが楕円形状や長円形状、あるいは多角形状である場合、ネック部15の直径R1は、切断面25−1aの外接円に応じた値に設定すればよい。
【0065】
図12は、
図7に示す第1の軟質部17のC−C線方向の断面図である。
図13は、
図7に示す第1の軟質部17のD−D線方向の断面図である。第2の部分25−2は、X方向において、第2の部分25−2の一端から複数の柱状の突出部29に向かうにつれて、X方向と直交する断面形状が連続的に拡径された相似形である構成とされている。つまり、第2の部分25−2は、複数の突出部29が設けられた部分の径が最も大きくなるように構成されている。また、第2の部分25−2のうち、複数の突出部29よりもハンドル部16の後端側に配置された部分は、複数の突出部29からハンドル部16の後端側に向かうにつれて、X方向と直交する断面形状が連続的に径が小さくなる相似形とされている。
【0066】
このように、第2の部分25−2のうち、複数の突出部29よりもハンドル部16の後端側に配置された部分の形状を、後端側に向かうにつれて径が小さくなる形状とすることにより、例えば、後述する
図15に示すように、第2の金型51内に第1の軟質部17を配置させた後、第2の金型51の後端側から第2の金型51内に第2の軟質樹脂を導入させた際、ヘッド部14の先端に向かう方向(X方向)に第2の軟質樹脂が移動(流動)しやすくなるため、第1の軟質部17全体(但し、植毛面21−1b、及び複数の植毛穴21−1Bを除く)を精度良く第2の軟質樹脂で包み込むことができる。また、後述するように、第2の金型51内に上記第2の軟質樹脂を導入させた際、導入された第2の軟質樹脂により、第2の金型51内における第1の軟質部17の位置及び姿勢が変化することを抑制できる。
【0067】
複数の突出部29は、本実施の形態の場合、一例として4つ設けられている。4つの突出部29は、第2の部分25−2のうち、最も径の太い部分の周方向に配置されている。隣り合う位置に配置された2つの突出部29の成す角度は、例えば、90度とすることができる。隣り合う位置に配置された2つの突出部29間に形成される空間は、後述する
図15に示す第2の金型51内に軟質樹脂を導入させる際の経路として機能する。該空間を介して、該軟質樹脂は、ヘッド部21の先端側に供給され、固まる(硬化する)ことで、第2の軟質部27となる。
【0068】
複数の突出部29は、それぞれ突出面29aを有する。複数の突出部29の突出面29aは、ハンドル部本体31の外面(言い換えれば、ハンドル部16の外面)から露出されると共に、ハンドル部本体31の外面(ハンドル部16の外面)に対して面一となるように構成されている。
図4、
図5および
図13に示すように、+Z側に位置する第1突出部としての突出部29は、ハンドル部本体31の開口部31aを介して植毛面21−1b側に露出する。−Z側に位置する第2突出部としての突出部29は、ハンドル部本体31(第2の軟質部27)の開口部31bを介して植毛面21−1bとは逆側に露出する。+Y側に位置する突出部29は、ハンドル部本体31の開口部31cを介して+Y側に露出する。−Y側に位置する突出部29は、ハンドル部本体31の開口部31cを介して−Y側に露出する。
図4および
図5に示されるように、ハンドル部16における第2の軟質部27は、先端側に向けて先細る先細り部31Aを有しており、開口部31a〜31dは、先細り部31Aに形成されている。換言すると、突出部29は、ハンドル部16における先細り部31Aに形成された開口部31a〜31dを介して外部に露出している。
【0069】
図13に示されるように、ハンドル部16の外面の断面形状が略円形状であることから、突出面29aの断面形状は円弧形状である。従って、各突出面29aは、径方向外側に臨んで露出するとともに、歯ブラシ10の長さ方向および径方向と直交する方向に臨んで露出する。具体的には、例えば、
図13において、+Z側に位置する第1突出部としての突出部29の突出面29aは、+Z側に臨んで露出するとともに、+Y側および−Y側に臨んで露出する。同様に、例えば、
図13において、−Z側に位置する第2突出部としての突出部29の突出面29aは、−Z側に臨んで露出するとともに、+Y側および−Y側に臨んで露出する。
【0070】
複数の突出部29は、第2の金型51(
図15参照)を用いて、第2の金型51の空間53内に第1の軟質部17を配置させて、ハンドル部本体31を成型する際、突出面29aが第2の金型51の内面と接触することで、ベース部材21を構成する2つの支持部21−12と共に、空間内における第1の軟質部17の姿勢を維持する機能を有する(詳細は後述する)。第2の金型51内に第1の軟質部17が収容された状態において、4つの突出部29は、その突出面29aが第2の金型51の内面と接触することで、4方から第1の軟質部17の後端を支持する。
【0071】
複数の突出部29の突出量は、複数の突出部29の周囲に配置する第2の軟質部27の厚さと等しい。よって、複数の突出部29の突出量は、複数の突出部29の周囲に配置する第2の軟質部27の所望の厚さに応じて、第2の軟質部27の表面と面一となる値に適宜設定することができる。
図13において、第2の部分25−2の直径R2が5.6mmの場合、複数の突出部29の突出量T1は、例えば、1.77mmとすることができる。
【0072】
なお、複数の突出部29の一例として、4つの突出部29を有する場合を例に挙げて説明したが、複数の突出部29の数は、4つに限定されない。例えば、複数の突出部29の数は、例えば、3つ(この場合、隣り合う位置に配置された突出部29が成す角度が120度となるように配置する)でもよいし、2つ以上8つ以下でよい。また、複数の突出部29の形状は、複数の突出部29の後端側からベース部材21の先端側へ軟質樹脂を流動させることの可能な流動経路を有した形状であればよく、円柱状に限定されない。柱状の複数の突出部29の断面形状は、例えば、デザイン性に優れた星型やハート型等にしてもよい。
ハンドル体11の他の構成は、上記第1実施形態におけるハンドル体11と同様である。
【0073】
図14は、本実施の形態の歯ブラシの製造工程を示す断面図であり、第1の金型を用いて第1の軟質部17を形成する工程を説明するための図である。
図15は、本実施の形態の歯ブラシの製造工程を示す断面図であり、第2の金型および第1の軟質部17を用いて、第2の軟質部27を形成する工程を説明するための図である。また、
図14に示す矢印は、第1の軟質樹脂が導入される方向を示しており、
図15に示す矢印は、第2の軟質樹脂27が導入される方向を示している。
【0074】
次に、本実施の形態の歯ブラシ10の製造方法について説明する。
図14に示す工程では、一対の金型41−1,41−2よりなり、内部に第1の軟質部17の形状に対応した空間43、及び空間43内に第1の軟質樹脂を導入するための導入口45を有する第1の金型41を準備する。金型41−2には、複数の植毛穴21−1Bを形成するための突出部(図示せず)が形成されている。また、導入口45は、空間43の後端側に配置されている。
【0075】
次いで、導入口45を介して、第1の軟質部17の母材となる溶融された第1の軟質樹脂(ショアAの硬度が80の軟質樹脂)で空間43を充填し、該第1の軟質樹脂が硬化することで、複数の植毛穴21−1B及び支持部21−2を含むベース部材21、芯部25、及び複数の突出部29が一体とされた第1の軟質部17が形成される。その後、第1の金型41から第1の軟質部17を取り出す。
【0076】
次いで、
図15に示す工程では、一対の金型51−1,51−2よりなり、
図4に示すブラシ部12を除いた歯ブラシ10の形状に対応した空間53、及び空間53内に第2の軟質樹脂を導入するための導入口55を有する第2の金型55を準備する。一対の金型51−1,51−2の接合面は、例えば、
図11〜
図13に示される第2の軟質部27(ハンドル部本体31)のZ方向の中間位置に設定されている。金型51−2には、複数の植毛穴21−1Bを形成するための突出部(図示せず)が形成されている。また、導入口55は、空間53の後端側に配置されている。また、第2の金型51には、
図4に示すリング状窪み部32−1,32−2、第1のリブ部34、第2のリブ部35、及び第3のリブ部37を形成するための突出部が設けられている。
【0077】
次いで、上記第2の金型51の空間53の先端部に、第1の軟質部17を配置させる。このとき、複数の植毛穴21−1Bが覆われるように、金型51−2の内面と植毛面21−1bとを接触させると共に、2つの支持部21−2の端面と金型51−1の内面とを接触させ、さらに、複数(本実施の形態の場合、4つ)の突出部29の突出面29aと第2の金型51の内面とを接触させる。
【0078】
これにより、第2の金型51の空間53内に、第2の軟質部27(軟質部26及びハンドル部本体31を構成する軟質樹脂)となる第2の軟質樹脂(ショアAの硬度が30の軟質樹脂)が導入された際、第2の金型51内における第1の軟質部17の位置及び姿勢を維持することができる。
【0079】
すなわち、+Z側に位置する突出部29の突出面29aが金型51−2の内面と接触し、−Z側に位置する突出部29の突出面29aが金型51−1の内面と接触することにより、第1の軟質部17がZ方向で位置決めされる。また、+Z側に位置する突出部29および−Z側に位置する突出部29の突出面29aは、双方が+Y側および−Y側に臨んでいることから、金型51−1、金型51−2の内面に接触することにより、Y方向についても位置決めされる。また、2つの支持部21−2の端面、及び複数の突出部29の突出面29aが第2の金型51の内面と接触することで、第1の軟質部17と第2の金型51との間に、第2の軟質部27を形成するための隙間を確保することができる。
【0080】
次いで、導入口55を介して、空間53内に、溶融させた第2の軟質を充填させる。先細り部31Aに対応する位置における金型51−1、金型51−2の内面は、先端側に向かうに従って先細るように互いの距離が短くなるため、当該内面に突出面29aが接触することにより、第1の軟質部17は、先端側への移動を阻止される。そのため、第1の軟質部17は、導入口55を介して充填された溶融させた軟質樹脂の樹脂圧が加わってもX方向に移動することなく位置決めされる。その後、軟質樹脂を硬化させることで、第2の軟質部27を形成する。金型51−1、金型51−2の接合面と対向する位置(Z方向で略中間位置)における軟質部26の表面には、微小突条のパーティングラインが形成される。これにより、ヘッド部14、ネック部15、及びハンドル部16を有するハンドル体11が形成される。その後、第2の金型51内からハンドル体11を取り出す。
【0081】
次いで、
図4に示すように、ヘッド部11の複数の植毛穴21−2に対して、毛束12−1を植設する。これにより、
図4に示す本実施の歯ブラシ10が製造される。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の歯ブラシ10においては、がいずれも軟質樹脂で形成されているため、上記第1実施形態の歯ブラシ10と同様の作用・効果が得られることに加えて、第1の軟質部17の硬度が第2の軟質部27の硬度よりも大きく、また、ネック部15における第1の軟質部17のZ方向の曲げ強度がY方向の曲げ強度よりも大きいため、歯ブラシ10を用いて歯を磨く際、ネック部15は、ブラシ部12の先端を歯や歯間等に押し当てる際に力が加えられるZ方向に対して、変形しにくいため、ブラシ部12の先端をしっかりと歯や歯間等に押し当てることが可能である。このように、本実施形態では、第1の軟質部17の硬度と第2の軟質部27の硬度とを適宜選択することにより、歯ブラシ10に強い外力が加わった際の安全性と、ブラシ部12の先端をしっかりと歯や歯間等に押し当てることを容易に両立させることが可能になる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態で説明した第1の軟質部17と第2の軟質部27とは、硬度が異なる異種の軟質樹脂を用いる構成であってもよいし、硬度が異なる同種の軟性樹脂軟質樹脂を用いる構成であってもよい。また、上記実施形態で例示した第1の軟質部17の硬度および第2の軟質部27の硬度は一例であり、第1の軟質部17の硬度より第2の軟質部27の硬度が小さければ他の硬度の軟質樹脂を用いてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ヘッド部14の先端部に第2の軟質部27が配置される構成を例示したが、これに限定されるものではなく、
図16の側面図および
図17の正面図に示すように、ネック部15における変形部15Aを含み、且つ変形部15Aから後端側に第2の軟質部27を設ける構成であってもよい。
また、歯ブラシとしては、毛束が一つの、所謂ワンタフト歯ブラシや、舌苔助除去部を有する歯ブラシ等に本発明は広く適用可能である。
【0086】
また、上記実施の形態では、植毛面21−1bとハンドル部16との間に、上記第2の方向(Y方向)の幅が、ヘッド部14の幅(Y方向の最大幅)よりも小さいネック部15が配置される歯ブラシ10について説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、植毛面21−1bとハンドル部16との間に、Y方向の幅が、ヘッド部14の最大幅と同一の箇所が存在する場合の歯ブラシについても、本発明に含まれる。この場合、当該箇所がネック部として、変形部が配置されるとともに、この変形部から後端側に第1の軟質部17の少なくとも一部を内部に収容し、且つ、軟質樹脂で形成された第2の軟質部27が配置される。