(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出手段は、前記記録媒体を把持した状態で回動することにより前記第1排出部に前記記録媒体を排出するための第1位置と前記第2排出部に前記記録媒体を排出するための第2位置とに移動して、前記記録媒体の方向を転換する方向転換部で構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の媒体処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、カードなどの記録媒体を効率よく搬送して所期の記録処理を能率良く確実に実行可能にしたカード類の処理装置に関するもので、記録媒体を排出する複数の排出部を合理的に配置して装置をコンパクトにしたことを特徴とする。
【0010】
ここでは、記録媒体としカード状のプラスチック基体を用いて、カードの表面に文字・画像などの各種画像情報を印刷あるいは記録してクレジットカード、ライセンスカード、ICカードなどを作成する実施例について以下に説明するが、記録媒体の種類および記録方法について特に限定するものではない。
【0011】
図1及び
図2に本発明の第1実施形態として示しているカード処理装置は、筺体1の内部に略水平に配設した第1搬送路p1と、1以上のブランクカード(記録媒体)Cを収納してカードを1枚ずつ第1搬送路p1に送出するカード供給部10と、第1搬送路p2と略直交状、つまり、略垂直に配設した第2搬送路p2と、第1搬送路p1と第2搬送路p2との間で斜め方向に配設した第3搬送路p3と、供給されたカードCの少なくとも一方面に各種情報を印刷する印刷部20Aと、と、第1搬送路p1、第2搬送路p2および第3搬送路p3の交点Xに設けられたカードの反転部30とからなる。
【0012】
カード供給部10は、1以上のブランクカードCを積層状に収納するカードスタッカ11と、カードスタッカ11の底部に設けられ回転することでカードスタッカ11からカードを1枚ずつ送り出すキックローラ12と、カードスタッカ11の少なくとも一部を開放可能に開閉する蓋13とからなる。
【0013】
カードスタッカ11は通常、第1搬送路p1に臨む位置にカード1枚のみの通過を許す開口スロットを有しており、積層状のカードCの最下位カードに接しているキックローラ12を回転させることで最下位のカードのみを第1搬送路p1に送り出す。
【0014】
開閉蓋13は筺体1の上部に上方に開放可能に蝶着されている。開閉蓋13は内側にカード整列片13aを備えており、開閉蓋13を上方に開放した状態で複数のブランクカードCをカードスタッカ11の内部に積層状に装填した上で、開閉蓋13を閉じることでカード整列片13aがカード束の後端を押圧してカード束を揃えることができる。
【0015】
この実施例における第1情報記録部である印刷部20は、文字・画像などの情報を熱転写インクを用いて記録媒体であるカードCの一方面に熱転写して記録する熱転写プリンタの構成を採っているが、本発明において記録情報の種類および記録方式を限定するものではない。
【0016】
ここでの熱転写プリンタを構成する印刷部20は、第2搬送路p2の記録位置Srに設けられたプラテンローラ21と、プラテンローラ21に対して進退可能に設けられたサーマルヘッド22と、熱転写インクを塗布したインクリボンRを内蔵したインクカートリッジ23とからなる。記録位置Srに対してカードを前後に移動させるよう同期して回転動作する搬送ローラ対25、26を第2搬送路p2に沿って設けている。
【0017】
インクカートリッジ23に収納されたインクリボンRは、リボン供給リール23aからプラテンローラ21とサーマルヘッド22との間を通過してリボン巻取リール23bに巻取られるようになっている。第2搬送路p2に沿って移動するカードに文字あるいは画像などの情報を熱転写記録する際は、カードの表面にインクリボンRを介在させてサーマルヘッド22を押圧しながらサーマルヘッド22の加熱素子を選択的に動作させることでインクリボンRに塗布された熱転写インク成分をカードの表面に転写して所期の情報を描画することができる。
【0018】
プラテンローラ21に対するサーマルヘッド22の進退運動は、サーマルヘッド22を着脱可能に保持するホルダ24aと、ホルダ24aに固定された従動ローラ24bと、従動ローラ24bに周接しながら回転する非円形のカム24cと、ホルダ24aをカム24cに接圧させるバネ24dとからなる進退駆動ユニット24で実行される。図示の実施例では、サーマルヘッド22を内部に保持したヘッドユニットをホルダ24aに対して着脱可能な構成を採用しているが、特にこの構成に限定するものではない。
【0019】
このような熱転写記録方法、熱転写プリンタの構造は特に新規な技術でなく、従来の熱溶融型サーマルプリンタあるいは熱昇華型サーマルプリンタなどのプリンタユニットを目的に応じて利用できる。また、サーマルヘッド22をプラテンローラ21に対して進退させる進退駆動ユニットの構造も特に限定するものではない。
【0020】
第3搬送路p3には、第2情報記録部であるICリーダライタ20Bを設けられている。ICリーダライタ20Bは、クレジットカードなどに見られるカード表面に形成されたICチップに情報をIC記録するためのICライタの端子ユニットなどの情報書込ヘッド27よりなる。
【0021】
この情報書込ヘッド27は、記録対象が磁気カードであれば、カード内の磁気ストライプに情報を書き込むための情報書込ヘッドであってもよい。また、非接触でIC記録処理を行う非接触ICリーダライタであってもよい。
【0022】
カード反転部30は、このICリーダライタ20Bの情報書込ヘッド27にカードのICチップを位置づけるために、ピンチローラ31a、31bでカードCを把持した状態で
図5に示すICリードライト位置に回動する。この位置でピンチローラ31a、31bを駆動して、カードCの一端がピンチローラ31a、31bで把持された状態でカードの他端をICリーダライタ20Bに進入させる。
【0023】
カードのICチップが情報書込ヘッド27に接触する位置まで搬送したら、情報書込ヘッド27により情報記録処理を開始する。情報記録処理が終了したら、ピンチローラ31a、31bを逆方向に駆動させてカードCをカード反転部30に引き戻して次の処理に移る。なお、一定時間ICチップと通信ができなかったら通信エラーとなり、そのカードはエラーカードと判断される。
【0024】
第1搬送路p1、第2搬送路p2及び第3搬送路p3の交点Xに位置するカード反転部30は、第1搬送路p1から第2搬送路p2へ、そして第1搬送路p1から第3搬送路p3へ、あるいは、その逆にカードCを送り込む機能と、印刷部20でカードの任意の一方面あるいは両面に印刷を施すためにカードCを裏返すためにカードを回転させる機能を有する。
【0025】
ここでのカード反転部30は、カードを挟持可能に対となっているピンチローラ31a、31bと、前記ピンチローラ31a、31bを回転可能に支持し第1搬送路p1と第2搬送路p2の交点Xを中心として回転する回転枠32とからなる。
【0026】
ピンチローラ31a、31bは、回転枠32が水平状態において第1搬送路p1を挟んで圧接し合い、垂直状態において第2搬送路p2を挟んで圧接し合い、そして、傾斜状態で第3搬送路p3を挟んで圧接し合う。対をなすピンチローラの夫々は一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラからなる。
【0027】
回転枠32の回転とピンチローラ31a、31bの回転はこれらを同期して駆動する駆動系(図示せず)を動作させることで実行できる。ピンチローラ31a、31bの間にカードを挟持した状態で回転枠32を回転させると、ピンチローラも共回りしてカードを変位させてしまうので、回転枠32を回転させる際はピンチローラを同じ角回転量だけ逆回転させる。回転枠32の回転時にピンチローラ31a、31bの共回りを防ぐために回転枠32とピンチローラ31a、31bを独立駆動してもよい。
【0028】
しかしながら、本発明において、特に、上述した手段に限定するものではなく、第1搬送路、第2搬送路および第3搬送路間でカード移送したり、あるいは、カードを回転乃至反転させたりする機能を有する構成であればどのようなものでもよい。
【0029】
本実施形態のカード反転部30は以下に示す4つの位置に回動してカードの受け渡しを行う。1つ目は
図2に示す初期位置である。この位置は、カードスタッカ11から第1搬送路p1を通って搬送されたカードを受け取るカード受入位置と、正常に処理された正常カードを排出スタッカ51に排出するための正常カード排出位置(
図7参照)である。この位置を回転角度0度とする。
【0030】
2つ目は
図5に示すICリードライト位置である。この位置は回転枠32を上述したカード受入位置から反時計回りに325度回動した位置であり、この状態でカードを第3搬送路p3経由でICリーダライタ20Bに搬送する。
【0031】
3つ目は
図6に示す印刷位置である。この位置は回転枠32を上述したカード受入位置から反時計回りに90度回動した位置であり、この状態でカードを第2搬送路p2経由で印刷部20に搬送する。なお、カードに対して両面印刷を行う場合はカードの表裏を反転させるため、この印刷位置にある状態から回転枠32を180度回動させる。
【0032】
4つ目は
図8に示すエラーカード排出位置である。この位置は回転枠32を上述したカード受入位置から反時計回りに35度回動した位置であり、この状態でカードをエラーカード排出部60に排出する。
【0033】
つまり本実施形態のカード反転部30は、カードCの方向を転換する方向転換部材とカードCを筐体1の外側に排出するための排出部材との機能を兼ねている。
【0034】
図中、40はカード表面を清浄にするクリーナである。ここでのクリーナ40は第1搬送路p1を挟んで対をなして対峙する粘着性を有するゴム材料などのクリーニングローラ41aと圧接ローラ41bよりなり、カード供給部10から排出されたカードが対をなすクリーナローラ間を通過する際に埃などを除去できる。
【0035】
この実施例では所定の処理を完了したカードは、カード反転部30に対してカード供給部10の反対側に設けられた正常カード排出部50またはエラーカード排出部60に排出される。正常カード排出部50には、カードに対する処理が正常に終了されたカードを排出し、エラーカード排出部60には、カードに対する処理中にエラーを検出したカード(以下、エラーカードという。)を排出する。
【0036】
カード排出部50は、筐体開口50aと、排出スタッカ51と、ガイド53とで構成されている。正常カードはカード反転部30により筐体開口50aから排出され、ガイド53を滑り落ちて排出スタッカ51に集積される(
図7参照)。エラーカード排出部60は、筐体開口60aと枠体61とで構成される。枠体61の下面は開口となっており、
図8に示すように枠体61を通過したエラーカードはそのまま筐体1の外側に排出される。なお、本実施形態では、枠体61の上面がガイド53を兼用しており、ガイド53は筐体開口51aから排出スタッカ51のスタッカ開口52に向けて下方に傾斜している。本実施形態ではガイド53の傾斜角度は10度に設定してあるが、摺動性やカードの排出速度によって最適な角度に設定可能である。
【0037】
枠体61は枠体開口62と、一対のフック63とネジ止め部64とを有しており、フック63を筐体開口50aと筐体開口60aとの間に設けられた一対の筐体フック穴65に掛けることにより枠体61を筐体1に設置する。その状態で枠体61と筐体1とをネジ止め部64でネジ止めして固定する。
【0038】
また、排出スタッカ51は正常カードを受け入れるためのスタッカ開口52と、枠体61に固定するための一対のフック54とを有しており、枠体61に設けられた枠体フック穴66にフック54を掛けることにより排出スタッカ51を枠体61に固定する。
このようにして、枠体61を筐体に、排出スタッカ51を枠体61に固定することで、枠体61(エラーカード排出部60)と排出スタッカ51(正常カード排出部50)とをカードの排出方向に並列して設置することができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、排出スタッカ51と枠体61とはカード排出方向と同じ方向である幅方向の寸法が異なっている。排出スタッカ51の幅方向の寸法は正常カードを集積しなければならないため、カード幅(カードの長手方向の長さ:約86mm)よりも広く116mmとなっている。一方、本実施形態のエラーカード排出部60には、排出したエラーカードを集積する必要がないため、枠体61はカード幅分のスペースを確保する必要がない。そのため、枠体61の幅方向の寸法は50mmとなっている。これにより、排出スタッカ51と枠体61とを省スペース内に並列配置することができる。この寸法は、
図8に示した状態で、カード後端がカード反転部30の搬送方向下流側のピンチローラ31a、31bを抜けた時にカード先端が枠体61のカード排出方向下流側の側面に接触しない(カードが引っかからない)位置関係となるように設定されている。
【0040】
ここで正常カードの排出とエラーカードの排出とについて
図7、8を用いて説明する。
図7は正常カード排出時の状態を示す図である。印刷部20やICリーダライタ20Bで正常に処理されたカードは排出スタッカ51に排出し集積される。このとき、カード反転部30は正常カードをニップした状態で正常排出位置(カード受け入れ位置と同位置)に回動する。
【0041】
そして、カード反転部30のピンチローラ31a、31bを駆動してカードを排出スタッカ51に向けて排出する。排出されるカードは、カード後端がカード排出方向下流側のピンチローラ31a、31bを抜けると、ガイド53にガイドされて(ガイド53の上部を滑って)スタッカ開口52に到達するまで飛ばされる。スタッカ開口52に到達したカードはそのまま落下して排出スタッカ51内に集積される。
【0042】
このようにして正常カードは排出スタッカ51に排出されるため、カード反転部30のピンチローラ31a、31bの搬送力によってエラーカード排出部60の枠体61を乗り越えなければならない。そのため、正常カード排出時のカード搬送速度は360mm/秒と設定されている。なお、第1搬送路p1、第2搬送路p2を搬送されるときのカード搬送速度とエラーカード排出時のカード搬送速度は300mm/秒に設定されており、正常カード排出時のカード搬送速度の方が速くなるように設定されている。なお、正常カード排出時のカード搬送速度をもっと速くして、カードがガイド53に接触しないようにしてもよい。つまり、ガイド53はカードが排出スタッカ51に到達するまでに、排出スタッカ51の手前で落下することを防ぐことができればどのような形態でもよい。
【0043】
図8はエラーカード排出時の状態を示す図である。上述したように、エラーが検出されたカードはエラーカードとしてエラーカード排出部60に排出される。ここで、エラーの検出について説明する。エラーは主に以下の4つが該当する。(1)ICリーダライタ20Bでの通信エラー。ICリーダライタ20Bにカードを搬送してICリードライト処理を行う際に、一定時間通信ができなかった場合はエラーと判断する。(2)印刷部20による印刷処理中のエラー。具体的には、印刷処理中にインクリボンRが切れてしまったり、インクリボンRの巻取不良により印刷が続行できなかったり、カードがジャムを起こしたりしたときにエラーと判断する。
【0044】
(3)カード搬送中の搬送エラー。カード搬送中にカードがジャムを起こしたときにエラーと判断する。(4)カードに対する処理が終了する前にカバーオープン等による強制終了。カード搬送中や処理中に筐体1のカバーを空けてしまうと、処理が強制終了される。強制終了後にカバーを閉じて復帰しても、搬送中や処理中のカードはエラーカードとなってしまう。後述する制御部100は上記の情報を受け取ったらエラーと判断し、第1搬送路p1、第2搬送路p2、第3搬送路p3および反転部30のいずれか存在するカードをエラーカードと判定する。
【0045】
このようにカード供給部10から供給されてから筐体1の外側に排出されるまでの間にエラーと判断されたカードはエラーカードとしてエラーカード排出部60に排出される。ただし、エラーカードにはエラーと判断された後に搬送可能なカードと搬送不可能なカードとがある。例えば、カードジャムによりエラーとなったカードは無理に搬送してしまうと装置を破損させる可能性があるため、搬送不可能なエラーカードについてはユーザに警告を出して手動でカードを取り除いてもらう必要がある。よって、エラーカード排出部60に排出されるエラーカードはエラーと判断された後に搬送可能なカードということになる。
【0046】
以下は、エラー検出後に搬送可能なエラーカードについて説明する。まず、カードが供給された後にエラーが検出されたら、カードCをカード反転部30に搬送する。その後、カード反転部30は
図8に示すエラーカード排出位置に回動する。この状態で、カード反転部30のピンチローラ31a、31bを駆動してエラーカードを筐体開口60aに向けて搬送する。この時のカード搬送速度は300mm/秒と設定されており、正常カード排出時のカード搬送速度(360mm/秒)よりも遅い速度となっている。
【0047】
エラーカードを排出する際に正常カードのように早い速度で排出してしまうと、エラーカードの先端が枠体61の側面に激しく衝突してカードが破損してしまう恐れがある。よって、カードが枠体61の側面に接触はしても構わないが、衝突してカードが破損しない程度にカード搬送速度を抑える必要がある。ただし、これはエラーカード排出時のカードが筐体開口60aに進入する時の角度や、枠体61の幅方向の寸法との関係があるため、カード搬送速度は適宜設定可能である。なお、本実施形態では、エラーカードは枠体61を通過してそのまま落下して排出される構成となっており、カード搬送速度が遅い方が重力を効果的に利用できるためエラーカードが真下に落下しやすい。よって、カード後端が反転部30のカード搬送方向下流側のピンチローラ31a、31bを抜けてから枠体開口62を通過できる程度で、且つ生産性を落とさない程度にカード搬送速度を遅くすることが望ましい。また、枠体61の下面が開口となっておらず、排出されたカードCを縦方向(立位状態)に収納するようにしてもよい。
【0048】
上記の処理装置のすべての作動部は簡単な駆動制御システムで駆動できる。一例として、カード供給部のキックローラ12とカード反転部30の回転枠32を一つのモータで駆動し、クリーナの圧接ローラ41b、ピンチローラ31bをもう一つのモータで駆動するなどの方法が採られる。各作動要素はどの様な駆動システムで駆動制御してもよく、適宜動力伝達手段や、電磁クラッチなどを用いればよい。情報記録部20の進退駆動ユニット24のカム24cを回転させるヘッド駆動源も独立して用いるが、電磁クラッチなどを用いれば搬送駆動源などの動力を利用できる。また、第2搬送路p2や第3搬送路p3で第1のカードを処理中にカード供給部10から次のブランクカードを第1搬送路p1に送り込んで待機させることでカードの連続処理において処理時間を短縮するためには、第1搬送路p1と第2搬送路p2を独立して駆動できる夫々の駆動源を設けてもよい。
【0049】
次に、カード処理装置の制御部および電源部について説明する。
図9に示すように、カード処理装置は、装置全体の動作制御を行う制御部100と、商用交流電源から各機構部および制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部120とを有している。
【0050】
(1)制御部
制御部100は、装置全体の制御処理を行うマイクロコンピュータユニット(MCU)102(以下、MCU102と略称する。)を備えている。MCU102は、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、カード処理装置のプログラムやプログラムデータが記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM、およびこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0051】
MCU102には外部バスが接続されている。外部バスには、上位装置201との通信を行うための図示を省略したインターフェース、カードCに画像を形成すべき印刷データやカードCの磁気ストライプや収容ICに磁気的ないし電気的に記録すべき記録データ等を一時的に格納するメモリ101が接続されている。
【0052】
また、外部バスには、不図示の各種センサ、カード反転部30の駆動モータ、カード搬送モータやインクリボン搬送モータのエンコーダからの信号を処理する信号処理部103、各モータに駆動パルスや駆動電力を供給するモータドライバ等を含むアクチュエータ制御部104、サーマルヘッド22を構成する発熱素子への熱エネルギを制御するためのサーマルヘッド制御部105、オペパネ部5を制御するための操作表示制御部106および上述した情報記録部Aが接続されている。
【0053】
(2)電源部
電源部120は、制御部100、サーマルヘッド22、オペパネ部5および情報記録部20B等に作動/駆動電源を供給している。
【0054】
上記構成の処理装置によるカード記録処理動作を
図2、5、6、7及び8に従って説明する。
【0055】
まず、上位装置200の画像入力装置204と入力装置203からカードCに画像を印刷するための印刷データとカードCのICチップに電子記録情報を入力するためのIC記録データが入力され、処理装置のメモリ101に格納される。MCUはこれらの情報(印刷/情報記録命令)を受信するとカードCに対して印刷処理とIC記録処理(情報記録処理)を行う。なお、本実施形態では、IC記録処理を先行して行い、その後印刷処理を行う。なお、カードCに対して印刷処理のみを行ったり、IC記録処理のみを行ったりするようにしても良いし、印刷処理の後にIC記録処理を行っても良い。
【0056】
図2はカード供給部10のカードスタッカ11に複数のブランクカードCを装填した初期状態であり、カード作成命令が与えられるとキックローラ12が回転を開始し、最下位カードだけが第1搬送路p1に沿ってカードスタッカ11から送り出される。なお、カードCのICチップは図中カードの下面側に配置されているものとする。
【0057】
第1搬送路p1に沿って移動するカードCの中心が第1、第2、第3搬送路の交点Xに到達するまで送り込まれると、カードCをピンチローラ31a、31bで把持した状態で回転枠32をICリードライト位置まで回動させる(
図5参照)。本実施形態では回転枠32は反時計回りで回動するため、初期状態から325度回動することになるが、カード反転部30が両方向に回動できる構成となっている場合は時計回りに35度回動させればよい。
【0058】
回転枠32が325度回動してカードCが第3搬送路p3に平行一致したら、カード反転部30のピンチローラ31a、31bを駆動してカードCをICリーダライタ20Bに向けて送り出し、所定の位置に到達したらカードCへのIC情報記録処理が実行される。
【0059】
IC情報記録処理が終了したら、カードCを回転枠32に戻すようピンチローラ31a、31bを逆転駆動させる。そして、カードCの中心が交点Xに到達するまで送り込まれると、カードCをピンチローラ31a、31bで把持した状態で回転枠32を印刷位置まで回動させる(
図6参照)。回転枠32が印刷位置に位置づけられるとピンチローラ31a、31bを駆動させてカードCを第2搬送路p2に沿って印刷部20に搬送する。
【0060】
カードCが印刷開始位置に搬送されると、印刷部20のヘッド進退駆動ユニット24が作動して、サーマルヘッド22をカードに向けて移動させる。これによって、サーマルヘッド22がインクリボンRをカード表面fに押圧し、この状態でカードをカード反転部30に向けて移動させながら、サーマルヘッド22の加熱素子を選択的に加熱動作させてインクリボンのインク成分をカード表面に熱転写させ、これによって、所期の画像情報をカード表面に印刷する。
【0061】
カード表面への印刷処理が完了すると、カードCをカード反転部30に向けて搬送し、カードCの中心が交点Xに到達するまで送り込まれると、カード反転部30の回転枠32が反時計回り方向に90度回転させ、これによってカードCの表面を上向きにして第1搬送路p1の終端の正常カード排出部50に排出する(
図7)。その際、MCU102はピンチローラ31a、31bによるカード搬送速度を360mm/秒となるようにアクチュエータ制御部104を制御する。
【0062】
以上のプロセスでカード一方面に所期の情報記録処理が実行されるが、カードの両面に記録する場合は、印刷部20から搬送されたカードCをカード反転部30で180度回転させて再び
図6のように印刷部20に送り込むことで両面記録が実現する。
【0063】
なお、カードCを正常カード排出部50に排出する前にエラーが検出されたカードCはエラーカード排出部60に排出されるため、エラーを検出したら一旦カードCをカード反転部30に搬送し、カード反転部30の回転枠32を
図8に示すエラーカード排出位置に回動させて、その後ピンチローラ31a、31bを駆動してカードCを筐体開口60aに向けて排出する。その際、MCU102はピンチローラ31a、31bによるカード搬送速度を300mm/秒となるようにアクチュエータ制御部104を制御する。
【0064】
なお、上記実施例では、カード供給部10から送られてくるカードCをカード反転部30で反時計回り方向に回動させてICリーダライタ20Bや印刷部20に送り込んでいるが、カード反転部30の回転方向を限定するものではなく、必要に応じて回転方向を決めればよい。
【0065】
本実施形態では、装置筐体1の同一面から2種類のカードを排出するために、筐体1からカード排出方向の上流側(近い位置)に配置された第2排出部(エラーカード排出部60)と、筐体1からカード排出方向下流側(遠い位置)に配置された第1排出部(正常カード排出部50)とをカード排出方向と略同方向に並列に配置している。その際、第1排出部にカードを排出するときのカード搬送速度を第2排出部にカードを排出するときのカード搬送速度よりも早くすることによって、同一の排出部材(カード反転部30)でカードを排出する場合に筐体1から遠い位置に配置された第1排出部にカードを排出することができる。
【0066】
言い換えると、カードCを排出する際に、カードCに対して最後に(搬送経路の最も下流側で)搬送力を付与するように駆動する排出部材から排出部までの距離が長い方を第1排出部とし、排出部材から排出部までの距離が短い方を第2排出部としており、第1排出部へカードCを排出する際のカード搬送速度を速くする。本実施形態ではカード反転部30の図中左側のピンチローラ31a、31bが排出部材となり、排出部材から正常カード排出部50のスタッカ開口52までの距離と、排出部材からエラーカード排出部60の枠体開口62までの距離とを比較すると、排出部材から正常カード排出部50のスタッカ開口52までの距離の方が長いため、正常カード排出部50が第1排出部となる。よって、正常カード排出部50にカードCを排出する際のカード搬送速度を速く設定する。
【0067】
これにより、正常カードとエラーカードのように2種類のカードを装置筐体の同一面側にそれぞれ排出することができ、その際に排出部材から遠い位置にある正常カード排出部50にカードCを排出する場合にも集積されるカードCの整列性が向上する。
【0068】
また、本実施形態では、正常カードCを排出スタッカ51に排出する際に、枠体61の上面に設けられたガイド53にカードCがガイドされる。このガイド53が筐体開口50a(ピンチローラ31a、31bによってカードCが排出される位置)からスタッカ開口52に向かって下方に傾斜しているため、カードCはスムーズに排出スタッカ51に排出される。
【0069】
また、第1実施形態では、正常カード排出部50の排出スタッカ51の幅寸法(カード排出方向と同方向の寸法)とエラーカード排出部60の枠体61の幅寸法とが異なり、枠体61の幅寸法が排出スタッカ51の幅寸法よりも短い構成を示したが、
図10に示すように、排出スタッカ51の幅寸法と枠体261の幅寸法とを同じ寸法にしてもよい。その場合は、枠体261(排出スタッカ261)はスタッカ形状(下面が開口となっていない)としてもよく、開口60aを通過して排出されたエラーカードを集積するようにしてもよい。なお、その場合は正常カードを排出スタッカ261に排出し、エラーカードを排出スタッカ51に排出するようにしてもよい。なお、上述した実施形態と同様、排出スタッカ261の上面は排出スタッカ51にカードCを排出するためのガイド53が設けられており、カードCはガイド53を滑り落ちて排出スタッカ51に排出される。
【0070】
このような場合も、排出スタッカ51にカードCを搬送するときのカード搬送速度の方が排出スタッカ261にカードCを排出するときのカード搬送速度よりも速くすることが望ましい。排出スタッカ51は筐体1(カードを排出するカード反転部30)からの距離が遠く、勢いよくカードを排出しないとカードCが排出スタッカ51に到達しない可能性があるからである。また、排出スタッカ261にカードを集積する場合、排出スタッカ51にカードCを排出する時と同様に勢いよく排出してしまうと、排出スタッカ261内のカード整列性が悪くなる可能性があるため、排出スタッカ51にカードCを排出する場合と排出スタッカ261にカードCを排出する場合とでカード搬送速度に差をつけることが望ましい(カードCを排出する際に、カードCに最後に搬送力を付与するように駆動する排出部材であるカード反転部30のピンチローラ31a、31bから遠くに位置する排出部に排出する場合の方がカード搬送速度を速くする)。
【0071】
また、排出部材(ピンチローラ31a、31b)に近い位置に配置された枠体261の幅寸法を排出部材から遠い位置に配置された排出スタッカ51の幅寸法よりも大きくしてもよいことは言うまでもない。
【0072】
なお、上述した全ての実施形態では、カードCを排出する際に、カードCに最後に搬送力を付与するように駆動する排出部材をカード反転部30のピンチローラ31a、31bとしており、正常カード排出時もエラーカード排出時も排出部材がピンチローラ31a、31bである態様をしめしたが、
図11に示すように、第1排出部である正常カード排出部50にカードCを排出する際に、カードに対して最後に搬送力を付与する部材を排出ローラr1とし、第2排出部であるエラーカード排出部60にカードCを排出する際に、カードに対して最後に搬送力を付与する部材を排出ローラr2としてもよい。排出ローラr1と排出ローラr2は同一のモータで駆動しても別々のモータで駆動してもよい。そして、排出ローラr1からスタッカ開口52までの距離と排出ローラr2から枠体開口62までの距離を比べてみると排出ローラr1からスタッカ開口52までの距離の方が長いため、排出ローラr1によるカード搬送速度を排出ローラr2によるカード搬送速度よりも早くするようにMCU102は排出ローラr1、r2の搬送速度を制御する。