(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動回路は、前記第1の方向の長さが前記第2の方向の長さより長い集積回路であり、前記集積回路の前記第2の方向における長さの中心から、前記第2流路の前記第1温度調整部に近い側の端部までの距離は1乃至2mmに形成されている請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面で同じ番号は同じ構成を示している。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態のインクジェットヘッド(1A、1B、1C、1D)を搭載したインクジェットプリンタ100の断面を示している。インクジェットヘッド1A乃至1D(印字部109)は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを吐出させ、インクジェットプリンタ100の外部から入力された画像信号に応じて記録媒体S(用紙)上に画像を記録する。
【0011】
記録媒体Sは、無地の用紙、アート紙、コート紙、などである。
【0012】
インクジェットプリンタ100は、箱型の筐体101を有している。筐体101の内部にY軸方向下部から上部に向かって、給紙カセット102、上流搬送路104a、保持ドラム105、印字部109、下流搬送路104b、排紙トレイ103を備えている。給紙カセット102はインクジェットプリンタ100で印字するための用紙Sを収容する。印字部109は、4個のシアン用インクジェットヘッド1A、マゼンタ用インクジェットヘッド1B、イエロー用インクジェットヘッド1C、ブラック用インクジェットヘッド1Dを備えている。インクジェットヘッド1A−1Dは、保持ドラム105上に保持された用紙Sにインク滴を吐出して画像を記録する部分である。
【0013】
給紙カセット102は、用紙Sを収容し筐体101の下部に設けられている。給紙ローラ106は、給紙カセット102から用紙Sを一枚ずつ上流搬送路104aへ送る。上流搬送路104aは、送りローラ対115a、115bと用紙Sの搬送方向を規制する用紙案内板116で構成されている。用紙Sは、送りローラ対115a、115bの回転によって搬送され、送りローラ対115bを通過後、用紙案内板116によって保持ドラム105の外周面へ送られる。
図1中の破線矢印は用紙Sの案内経路を示す。
【0014】
保持ドラム105は、表面に薄い樹脂製の絶縁層105aを有しているアルミニウム製の円筒になっている。円筒の周長は、画像を記録する用紙Sの縦方向長さより長く、円筒の軸方向の長さは、用紙Sの横方向の長さより長くなっている。モータ118によって、一定の周速で矢印R方向に回転させている。保持ドラム105の絶縁層105aは、静電気によって用紙Sを保持しながら、回転して用紙Sを印字部109へ搬送する。絶縁層105aに静電気を帯電させる帯電ローラ108を絶縁層105aに沿って配置している。
【0015】
帯電ローラ108は、金属製の回転軸を有し、回転軸周囲に導電ゴム層を有している。帯電ローラ108は、高電圧発生回路114に接続されている。導電ゴム層表面が、保持ドラム105の絶縁層105aに接し、帯電ローラ108の周速が保持ドラム105と同じ周速で回転するように、帯電ローラ108をモータで駆動している。保持ドラム105の絶縁層105aと帯電ローラ108の導電ゴム層が接して、ニップを形成する。用紙Sは、送りローラ対115b及び用紙案内板116によって、ニップへ送られる。用紙Sがニップへ搬送される直前に帯電ローラ108の金属軸に高電圧発生回路114が発生する高電圧を印加する。高電圧によって絶縁層105aは帯電し、ニップに搬送された用紙Sも帯電して保持ドラム105の外周面上に静電吸着される。静電吸着された用紙Sは、保持ドラム105の回転によって、印字部109へ送られる。
【0016】
印字部109は、インクジェットヘッド1A−1Dのインク吐出面が保持ドラム105の外周面から1mm離れて、インクジェットプリンタ100に固定されている。各インクジェットヘッド1A−1Dは、保持ドラム105の軸方向(主走査方向)に長く、回転方向(副走査方向)に短い構成で、保持ドラム105の周方向に間隔を開けて配置されている。インクジェットヘッド1A−1Dの詳細な構造は後述する。インクタンク113はシアンインクを貯留するインク容器である。インクタンク113とインクジェットヘッド1A間にインク供給装置112が配置されている。インク供給装置112は、ポンプと圧力調整機構を備えている。ポンプによって、インクジェットヘッド1Aより重力方向において下方に配置されているインクタンク113のシアンインクをインクジェットヘッド1Aに供給する。インクジェットヘッド1Aはインク滴を重力方向(−Y方向)に吐出する。そのため待機時にシアンインクがインクジェットヘッド1Aから漏れ出ないように、インクジェットヘッド1Aを大気圧に対して負圧に維持する必要がある。圧力調整機構は、インクジェットヘッド1Aへ供給したインクがインクジェットヘッド1Aのノズルからインクが漏れ出ない様に、インク圧力を大気圧に対して負圧に調整する。インクジェットヘッド1B−1Dも夫々同様なインクタンク113とインク供給装置112を備えているが、図中では省略している。
【0017】
インクジェットヘッド1Aの温度制御のために、温水タンク120が設けられている。温水タンク120は、インクジェットヘッド1Aの温度調整用の水と、水を温めるヒータ121を備えている。ヒータ121は温度制御装置122で所定の温度になるよう制御している。ポンプ123はヒータ121で温めた水をインクジェットヘッド1Aへ送水する。ポンプ123で送られる温水は、温水タンク120から流路124を通してインクジェットヘッド1Aに送られる。温水は、インクジェットヘッド1Aの温度調整部を通り、流路125を通して温水タンク120へ戻される。温水は、温水タンク120とインクジェットへッド1Aの温度調整部の間で循環する。温度調整部については後述する。インクジェットヘッド1B−1Dに、インクジェットヘッド1Aと同様に温水を循環させている。インクジェットヘッド1B−1Dの温水循環装置は、図中では省略している。
【0018】
印字部109では、各インクジェットヘッド1A−1Dが用紙S上にインクを吐出しながら画像を記録する。記録する画像は、インクジェットプリンタ100の外部から入力された画像信号に従って描画される。インクジェットヘッド1Aはシアンインクを吐出しシアン画像を形成する。同様に、インクジェットヘッド1Bはマゼンタインクを、インクジェットヘッド1Cはイエローインクを、インクジェットヘッド1Dはブラックインクを吐出し、各色の画像を記録するようになっている。インクジェットヘッド1A−1Dは吐出するインク色を除き同じ構造になっている。
【0019】
印字部109で記録が完了した用紙Sは、除電装置110、剥離爪111へ搬送される。除電装置110は断面がコの字型に作られ、保持ドラム105の軸方向の長さと同じ長さのステンレス筐体内にタングステンワイヤーを張った構成になっている。除電装置110は、コの字型の筐体の開口が保持ドラム105の外周面に向かうよう、配置されている。高電圧発生回路117は、帯電ローラ108に印加した電圧とは逆極性の高電圧を発生する。記録が完了した用紙Sの先端が、除電装置110の下部へ搬送されると、高電圧発生回路117で発生した高電圧を筐体とタングステンワイヤー間に印加する。高電圧によって除電装置110の開口側からコロナ放電が発生し、帯電した用紙Sを除電する。剥離爪111は、爪先端が保持ドラム105の外周面に接する位置と、外周面から離間する位置を移動できるように設けられている。通常、剥離爪111は離間する位置に保持されている。用紙Sを保持ドラム105から剥離する場合、剥離爪111の先端が保持ドラム105の外周面に接し、除電した用紙Sの先端を絶縁層105aから剥離する。用紙Sの先端を外周面から離した後、剥離爪111は外周面から離間する位置へ戻される。
【0020】
保持ドラム105から離れた用紙Sは、送りローラ対115cへ送られる。下流搬送路104bは、送りローラ対115c、115d、115eと用紙Sの搬送方向を規制する用紙案内板116で構成される。図中の破線矢印に沿って用紙Sは、送りローラ対115c、115d、115eによって、排紙トレイ103へ排出される。
【0021】
インクジェットヘッド1Aの構成を詳細に説明する。前述したようにインクジェットヘッド1B−1Dは、1Aと同じ構造になっている。
【0022】
図2は、インクジェットヘッド1の構成を示す外観斜視図である。インクジェットヘッド1は、
図2(2−A)に示すように、インクを吐出させるインク吐出部200a、200bと、インク吐出部200a、200bの温度調整を行う温度調整部300で構成されている。本実施形態のインクジェットヘッド1は、温度調整部300を挟んで、上下(X軸方向)にインク吐出部200a、200bを備えている。上下のインク吐出部200a、200bは同じ構成になって。温度調整部300とインクジェット吐出部200a、200bは、所定の箇所をエポキシ接着剤で固定して、一体になっている。
図2(2−B)は、一体に形成したインクジェットヘッド1のA−A断面を示している。
【0023】
インク吐出部200aの構成を説明する。インク吐出部200aは、マスクプレート201、ノズルプレート202、アクチェータ基板203、天板204、インク供給口205を備えている。さらに、インク吐出部200aは、アクチュエータ基板203に電気信号を送るフレキシブル基板206、フレキシブル基板206に搭載され電気信号を発生する駆動回路207、フレキシブル基板206に接続された回路基板208を備えている。フレキシブル基板はFPC(Flexible Printed Circuit)と呼ばれている。
【0024】
図3を参照し、インク吐出部200
の構成を説明する。マスクプレート201と、ノズルプレート202が、アクチュエータ基板203に矢印方向に固定されている。マスクプレート201は、Z軸方向の長さ60mm、X軸方向の長さは6mm、厚さ0.1mm、のステンレス製の板である。板の中心部にZ軸方向に長さ52mm、X軸方向の長さ1.5mmの長方形の開口210が形成されている。マスクプレート201は、矢印で示すように、ノズルプレート202にエポキシ接着剤で固定されている。ノズルプレート202には、インク滴211を吐出させるノズル220が610個形成されている。ノズルプレート202は、Z軸方向の長さ59mm、X軸方向の長さ5mm、厚さ30μmのポリイミド樹脂製である。ノズル2
20の直径20μmになっている。ノズル2
20は、開口210のX軸方向の中心に配置され、Z軸方向に直線状に配置されている。ノズルと隣接ノズルのZ軸方向の距離は0.085mmになっている。
図3では、インク吐出部200
の構成を説明するために、ノズル数を10個としている。
【0025】
ノズルプレート202は、アクチュエータ基板203の端部にエポキシ接着剤で固定されている。アクチュエータ基板203は、第1圧電体230、第2圧電体231の積層体になっている。第1、第2圧電体230、231は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で作成されている。第1圧電体230は、X軸方向の厚さ1.4mm、Y軸方向長さ12mm、Z軸方向の長さ60mmの大きさになっている。第1圧電体230は+X軸方向に分極されている。第2圧電体231は、X軸方向の厚さ0.1mm、Y軸方向長さ12mm、Z軸方向の長さ60mmの大きさになっている。第2圧電体231は−X軸方向に分極されている。第1圧電体230と第2圧電体231は逆向きに分極された積層圧電体になっている。
【0026】
このような積層圧電体には、第2圧電体231側から深さD1、Y軸方向に長さL1、Z軸方向に幅W1の溝232が形成されている。深さD1は0.2mm、長さL1は8mm、幅W1は0.044mmになっている。溝232と隣接する溝232の間隔は、0.085mmになっている。本実施形態では、溝232は、600個形成されている。ニッケル(Ni)電極膜が、各溝232の内面に形成されている。各溝内のNi電極に電気的に接続された引出し電極233が、第2圧電体上面に形成されている。引出し電極23
3はNiで形成されている。溝内の電極および引出し電極23
3は、Ni無電解メッキで形成している。溝232と隣接する溝232に挟まれた積層圧電体は、隣接する2つの溝内の電極で挟まれている。隣接する二つの溝内電極に駆動電圧(電気信号)を印加すると、分極方向に直交する電圧が、積層圧電体に印加される。積層圧電体234は、駆動電圧によって剪断変形する。剪断変形によって、第1圧電体230と第2圧電体231が、溝の容積を拡大または縮小するように変形する。剪断変形を起こす積層圧電体が、圧電アクチュエータ234となる。
【0027】
第2圧電体231上面に天板204がエポキシ接着剤で固定される。天板204と溝232で囲まれた領域は、インクの吐出圧力を発生させる圧力室235となる。圧力室235は、ノズルプレート202に形成されたノズル220と連通するように固定されている。圧力室235が形成された積層圧電体を基板と呼んでいる。
【0028】
天板204は、第1天板240、第2天板242、インク供給口205を備えている。第1天板240は、X軸方向の厚さ1.5mm、Y軸方向長さ8mm、Z軸方向の長さ60mmの大きさになっている。第1天板240は、Y軸方向の端部から1
.5mmの位置に、Y軸方向長さ5mm、Z軸方向長さ56mmの開口241が形成されている。第1天板240は、PZTで形成されている。第1天板240のPZTは、積層圧電体234の熱膨張係数と同じ熱膨張係数を有する材料になっている。第2天板242は、第1天板240上にエポキシ接着剤で固定されている。第2天板242は、X軸方向の厚さ1.5mm、Y軸方向長さ8mm、Z軸方向の長さ60mmの大きさになっている。第2天板242は第1天板240と同じ材料で形成されている。インク供給口205は、内部に直角に曲がる円筒管250を備えている。円筒管250が第2天板242を貫通して開口241に連通するように、インク供給口205は、第2天板242に固定されている。円筒管250を通してインクは開口241に供給される。開口241は、各溝232および各圧力室235にインクを供給する共通インク室241になる。
【0029】
各溝232に対応して設けられ、第2圧電体231上面に形成された引出電極233は、600個の溝に対応して600本引き出されている。フレキシブル基板206上に形成された電極パターン260は、各溝232に形成された引出電極233に対応して設けられている。電極パターン260と引出電極233は異方性導電膜(ACF:Anisotropic Contact Film)によって電気的に接続されている。
【0030】
図4(4−A)は、アクチュエータ基板203とフレキシブル基板206を示している。各圧力室235から繋がる引出電極233が、第2圧電体231上に形成されている。引出電極233は、ACF236を通して、フレキシブル基板206の電極パターン260に電気的に接続されている。電極パターン260は、それぞれ駆動回路207の駆動用FET(Field Effect Transistor)に接続されている。二つのFETのドレインとソースが接続され、直列に配置されている。ドレインとソースの接続部に、各電極パターンが接続されている。
図4(4−B)は、電極パターン260、駆動回路207の等価回路を示している。駆動用FETは電源電圧(+Vcc、−Vcc)に接続されている。圧電アクチュエータ234は、誘電体であるPZTを二つの電極で挟む構成になっている。そのため、圧電アクチュエータ234は静電容量(C0、C1、C2、・・・Cn)として表される。圧電アクチュエータ234(C1)を駆動する場合を例示する。一つの溝に形成された一つの引出電極233は、隣接する二つの圧電アクチュエータ234(C0とC1)の共通電極になっている。その一つの引出電極233は、駆動回路207のFET0とFET1に接続されている。圧電アクチュエータ234(C1とC2)に接続された隣接する引出電極233は、FET2とFET3に接続されている。FET0とFET3をONにして、FET2とFET1をOFFにすると、圧電アクチュエータ233(C1)は剪断変形して圧力室235のインクに圧力を発生させる。FET2とFET1をONにして、FET0とFET
3をOFFにすると、圧電アクチュエータ233(C1)は逆向きに剪断変形して隣接する圧力室235のインクに圧力を発生させる。選択回路271は、FET0、FET1、・・・、FET2n、FET2n+1を所定のタイミングで動作させる。選択回路271と複数のFETを含む駆動回路207は、集積回路(IC)になっている。隣接する二つの圧電アクチェータ233を同時に動作させることで、圧力室235内の容積を拡張または収縮させている。圧力室235の容積変化によって、ノズル220からインク滴211を吐出させる。一つの圧力室235からインク滴を吐出させるために、6個のFETが動作する。
【0031】
駆動回路207は、フレキシブル基板206の電極パターン260が形成された面に搭載されている。フレキシブル基板206は、Z軸方向53mm、Y軸方向20mm、X軸方向0.05mmになっている。フレキシブル基板206のY軸方向中央に2つ駆動回路207が、Z軸方向に並べて配置されている。1つの駆動回路207は、300個の引出電極233に駆動信号を供給する。引出電極233は、Y軸方向に直線状に形成され、Z軸方向に600個並置されている。電極パターン260も引出電極233に対応して、Y軸方向に直線状に形成され、Z軸方向に600個並置されている。Z軸方向に並置された600個の各電極パターン260は、駆動回路207に接続されている。そのため、それぞれの駆動回路207は、Z軸方向長さ20mm、Y軸方向幅1.2mm、X軸方向高さ1.5mmの長方形になっている。各引出電極233が、ACFを介してY軸方向において並置された電極パターン260に接続され、各電極パターン260は駆動回路207に接続されている。フレキシブル基板206は、さらにACFで回路基板208に接続されている。回路基板208は、外部から入力される印字用のデータに従い選択回路271を動作させる信号発生回路280、FETの電源電圧(+Vcc、−Vcc)、温度検出回路281などを含んでいる。また、回路基板208は、外部から入力される信号を受けるためのコネクタ209を搭載している。
【0033】
図2(2−A)に示すように、温度調整部300は、第1温度調整部301と第2温度調整部302で構成されている。第1温度調整部301は、Y軸方向51mm、Z軸方向32mmのアルミニウム(Al)板になっている。アルミニウム板は、X軸に直交する第1面と第1面に対向する第2面を有し、第1面と第2面の距離(厚さ)2mmになっている。アルミニウムの熱伝導率は、235(W/mK)になっている。アルミニウムの熱膨張率は、23(×10
−6/K)になっている。
【0034】
第1温度調整部の他の金属材料として、銅(Cu)、黄銅、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)なども利用可能である。各金属材料の熱伝導率(W/mK)は、銅:403、黄銅:106、亜鉛:117、タングステン:177、になっている。各金属材料の熱膨張率(×10
−6/K)は、銅:16.8、黄銅:19、亜鉛:30.2、タングステン:4.3、になっている。セラミック材料として、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)なども利用可能である。各セラミック材料の熱伝導率(W/mK)は、窒化アルミニウム:150、炭化ケイ素:200になっている。各セラミック材料の熱膨張率(×10
−6/K)は、窒化アルミニウム:4.6、炭化ケイ素:3.7になっている。
【0035】
第2温度調整部302は、第1アルミナ(Al
2O
3)板302aと第2アルミナ板302bの積層構造になっている。第1アルミナ板302aは、Z軸方向長さ64mm、Y軸方向長さ21mm、X軸方向厚さ1mmである。さらに、第1アルミナ板302aのY軸方向の一端にZ軸方向長さ51mm、Y軸方向に長さ5mmの切欠き部307を有している。第1アルミナ板302aのX軸方向において、一面に深さ0.5mmの溝が形成されている(
図5参照)。第2アルミナ板302bは、第1アルミナ板302aと同じ形状に作られている。第1アルミナ板302aの溝が形成された面と、第2アルミナ板302bの溝が形成された面が、エポキシ接着剤で固定されている。接着時、接着剤が溝内に流入しないようにしている。第1アルミナ板302aと第2アルミナ板302bの溝で形成された空間は、温度調整用温水を流す流路304になる。
【0036】
第1アルミナ板302aと第2アルミナ板302bは、積層され2mmの厚さになっている。第2アルミナ板302bの溝が形成されていない面(第2温度調整部の第3面)と、第1アルミナ板302aの溝が形成されていない面(第2温度調整部の第4面)との距離は、2mmになる。第1温度調整部301のアルミニウム板が、第1アルミナ板302aと第2アルミナ板302bで形成された第2温度調整部302の切欠き部307にはめ込まれている。第1温度調整部301端部と第2温度調整部302端部が、エポキシ接着剤で、固定されている。第2温度調整部302は、Y軸方向端の中央部に切欠き部305を有している。インク吐出部200a、200bの温度を検出するためのサーミスタ306が、切欠き部305に設けられている。第2温度調整部302のZ軸方向両端部に、流路304に温水を流入させるパイプ303が設けられている。
【0037】
図2(2−B)に示すように、第1のインク吐出部200aのアクチュエータ基板203は、第2アルミナ板302bの上面(第2温度調整部の第3面)にエポキシ接着剤で固定されている。第2のインク吐出部200bのアクチュエータ基板203は、第1アルミナ板302aの下面(第2温度調整部の第4面)にエポキシ接着剤で固定されている。第1、第2のインク吐出部200a、200bのアクチュエータ基板203に形成された圧電アクチュエータ234は、第2温度調整部の流路304に沿って配置される。第1のインク吐出部200aに設けられた駆動回路207は、図(2−A)に示すように、Z軸に平行に配置され、X軸方向の頂部は、第1温度調整部301の上面(第1温度調整部の第1面)にエポキシ接着剤で固定されている。第2のインク吐出部200bに設けられた駆動回路207も、Z軸に平行に配置され、X軸方向の頂部は、第1温度調整部301の下面(第1温度調整部の第2面)にエポキシ接着剤で固定されている。エポキシ接着剤の薄層を介して固定しているので、アクチュエータ基板203および駆動回路207は、温度調整部300に近接配置されている。第1、第2のインク吐出部200a、200bに設けられた回路基板208も、第1温度調整部301に接着されている。接着剤で固定する方法以外に、第1温度調整部301のアルミニウム板に固定された板バネで駆動回路207およびアクチュエータ基板203をアルミニウム板に固定する方法もある。接しているとは、熱が第2温度調整部302からアクチュエータ基板203へ十分伝達する接着剤の厚さを含んで近接している状態を示している。また、接しているとは、熱が駆動回路207から第1温度調整部301へ十分伝達する接着剤厚を含んで近接している状態を示している。さらに、接しているとは、ばねで固定するような他の固定方法においても、熱が十分伝達する近接配置を含んでいる。
【0038】
第2温度調整部302はアルミナ板302a、302bの積層構造になっている。第2温度調整部302は、二つのインク吐出部200a、200bを支持する支持体としても機能している。アルミナの熱膨張率は7.7(×10
−6/K)、熱伝導率は2(W/mK)になっている。アクチュエータ基板203のPZTの熱膨張率は8(×10
−6/K)、熱伝導率は2(W/mK)である。第2温度調整部302の熱膨張率と、アクチュエータ基板203の熱膨張率の差が小さくなるように、アルミナを選択している。アルミナ以外に、イットリア(Y
2O
3)、サーメット(TiC・TiN)、ステアタイト(MgO・SiO
2)も利用可能である。各材料の熱膨張率(×10
−6/K)は、イットリア:7.2、サーメット:7.4、ステアタイト:7.7である。第2温度調整部302の熱膨張率とアクチュエータ基板203の熱膨張率の差が大きくなると、温度上昇とともに、アクチュエータ基板203に反りが発生する。アクチュエータ基板203が反ると、アクチュエータ基板203はX軸方向に変形する。変形によって、Z軸方向の中心部のノズル220から吐出するインク滴211と、Z軸方向の端部のノズル220から吐出するインク滴211とで、X軸方向に位置ずれを発生する。インク滴211の記録媒体S上の位置ずれを抑制する為に、第2温度調整部302の熱膨張率とアクチュエータ基板203の熱膨張率の差は小さくなっている。アクチュエータ基板203と第2温度調整部302の熱膨張係数の差は、第2温度調整部302の10%以内の材料が好ましい。
【0039】
図5は、第1アルミナ基板302aに形成した溝形状を示している。前述したように、第1アルミナ基板302aは、厚さT1:1mm、溝深さD2:0.5mmになっている。流路304は、第1アルミナ基板302aと第2アルミナ基板302bに形成された溝を合わせた形状になっている。第1流路溝310a、310bと第2流路溝311の端部が、パイプ303aおよびパイプ303bに接続されている。第1流路溝310aは、パイプ303aに繋がり、第1アルミナ基板302aのY軸方向の一端からL2:1mmの位置に流路幅W2:4mm、長さW3:23mmで形成されている。第1流路溝310bは、パイプ303bに繋がり、第1流路溝310aと同様に第1アルミナ基板302aのY軸方向の一端からL2:1mmの位置に流路幅W2:4mm、長さW3:23mmで形成されている。第1流路溝310aと310bは、Z軸と平行に長さW3で配置されている。また、第1流路溝310aと310bは、前述した切欠き部305を迂回して連通している。第2流路溝311aは、Y軸方向の他端(第1温度調整部301との境界)からL3:0.5mmの位置に、流路幅W4:1.5mm、長さW5:50mmで形成されている。第2流路溝311aは、Z軸に平行に設けられている。第2流路溝311aは、第1流路溝310aと310b間の切欠き部305を迂回して形成されている溝部と、連通している。第2アルミナ基板302bも、第1アルミナ基板302aと同じ形状の溝が形成されている。第1、第2アルミナ基板302a、302bを接着することで、流路304が、第2温度調整部302内部に形成される。第1、第2アルミナ基板302a、302bのそれぞれ形成された第1流路溝310a、310bが、第1流路310を形成する。第1、第2アルミナ基板302a、302bに形成された二つの第2流路溝311が、第2流路311を形成する。第1流路310の流路断面積は、4mm
2(幅W2:4mm、高さ(2倍のD2):1mm)になっている。第2流路311の流路断面積は、1.5mm
2(幅W4:1.5mm、高さ(2倍のD2):1mm)になっている。第1流路311の流路断面積は、第2流路310の流路断面積より大きくなっている。パイプ303aと303bが、流路304を形成した第2温度調整部302に接着される。
【0040】
上記構成のインクジェットヘッド1の動作を説明する。
【0041】
上記のように、インクジェットヘッド1は、温度調整部300のX軸方向の両面にインク吐出部200a、200bを有している。インク吐出部200a、200bのアクチュエータ基板203には、複数の圧電アクチュエータ234がZ軸方向に直線状に配置されている。隣接する二つの圧電アクチュエータ234間に、圧力室235が形成されている。圧電アクチュエータ234の剪断変形によって、圧力室235の容積は、拡大または収縮する。圧力室235の容積を拡大させ、圧力室235内にインクを供給し、圧力室235の容積を戻して、ノズル220からインク滴211を吐出している。インク滴211吐出後、圧力室235の容積を収縮させ、圧力室235内のインクの残留振動を抑制している。
【0042】
1つのインク滴211を吐出する時、隣接する二つの圧電アクチュエータ234が剪断変形する。圧電アクチュエータ234のPZTが剪断変形を繰り返すと、PZTが発熱する。インクジェットヘッド1に与えられる画像信号によって、複数ある圧電アクチュエータ234の変形回数が異なる。文字画像を記録する場合には、圧電アクチュエータ234の動作回数は比較的少ない。複数の圧電アクチュエータ234の動作回数が少ないので、圧電アクチュエータ234の平均発熱量は、比較的少ない。ある領域を塗りつぶす画像の場合には、圧電アクチュエータ234の動作回数は多くなる。圧電アクチュエータ234の動作回数が増えると、圧電アクチュエータ234の平均発熱量は増加する。発熱量が増加すると、インク温度が高くなる。インク温度が高くなると、インク粘度が低下する。インク粘度が低下すると、圧電アクチュエータ234の剪断変形量が同じでも、インク吐出量は増加する。また、インクジェットヘッド1の周囲温度が低い場合には、インク粘度が高くなり、インク吐出量が低下する。
【0043】
インク温度の変化を抑制するため、第2温度調整部302の流路304に一定温度の温水を流している。温水タンク120から温水を流路304に供給している。インク粘度を一定に保つために、本実施形態では、流路304へ流す温水は45℃としている。この温度は、インクの特性に依存する。温水は、第1流路310と第2流路311を通る。
図2(2−B)に示すように、第1流路310は、インク吐出部200a、200bの圧電アクチュエータ234とX軸方向で約1mmの距離に形成される。そのため、アルミナ基板302a、302b、およびPZTの熱伝導率は2(W/mK)と低いが、圧電アクチュエータ234の発熱を効率よく抑制することができる。なお、温水の代わりに、低粘度の油を所定温度に加熱して、流路304に流すことも可能である。
【0044】
駆動回路207の頂部は、第1温度調整部301の一面に近接配置され、かつ、第1温度調整部301と第2温度調整部302の境界近傍に配置されている。駆動回路207は、第1温度調整部301と第2温度調整部302の境界に平行に配置され、Y軸方向の幅の中心は、境界から1mmに配置されている。
図2(2−B)で示す、第1温度調整部301と第2温度調整部302の境界側の第2流路311の端部から駆動回路207のY軸方向の幅の中心までの距離L4は、1.5mmになっている。さらに、第1、第2インク吐出部200a、200bの二つの駆動回路207が、第1温度調整部301の両面に近接配置されている。前述したように、1つの圧力室235から1インク滴を吐出させるために、
6個のFETを動作させている。インク滴の単位時間当たりの吐出数が増加すれば駆動回路207は、長方形状のZ軸方向に沿って発熱する。駆動回路207は、第1温度調整部301と第2温度調整部302の境界と略平行に配置されている。駆動回路207で発生した熱は、高熱伝導率のアルミニウムを通して、+Y方向へ拡散させることができる。アルミニウムを通して−Y方向へ伝わる熱は、温水で一定温度に維持された第2流路311によって、インク吐出部200a、200bへ伝わり難くなる。
【0045】
図6は、インク吐出部200a、200bの駆動回路207への投入電力と、アクチュエータ基板203温度と駆動回路207温度の関係を示している。駆動回路207へ投入する平均電力に対する、アクチュエータ基板203温度と駆動回路207温度を計算で求めた結果をグラフにしている。第1温度調整部301はアルミニウム(Al)で、第2温度調整部302はアルミナ(Al
2O
3)になっている。横軸は駆動回路207への投入電力(W)を示し、縦軸は温度(℃)を示している。白丸は、本実施形態のアクチュエータ基板203の温度を示している。黒丸は、比較例の温度調整部300上に設けた第1の実施形態のアクチュエータ基板の温度を示している。白四角は、本実施形態の駆動回路207の温度を示している。黒四角は、比較例の温度調整部300上に設けた第1の実施形態の駆動回路207の温度を示している。比較例の温度調整部300は、
図10に示す、アルミナ一体構造になっている。本実施形態のアクチュエータ基板203温度は、比較例のアクチュエータ基板温度と比べ、低くなっている。本実施形態の駆動回路207温度についても、比較例の駆動回路温度と比べ、低く抑えることができる。さらに、投入電力が大きいほど、駆動回路の温度差は大きくなっている。これは、第1温度調整部301と第2温度調整部302の組合せによって、温度差が大きくなっていると考えられる。駆動回路207の温度に関する最大定格は80℃とされている。駆動回路207を、この最大定格温度以内で動作させる必要がある。本実施形態の第1温度調整部301と、第1流路310と第2流路311を備える第2温度調整部302の組合せにより、アクチュエータ基板のインク温度上昇を抑制しながら、駆動回路207を最大定格に余裕をもって動作させることが可能になる。なお、投入電力が少ないとは、文字記録のように、インク吐出量が少ないことを表している。投入電力が大きいとは、領域を塗りつぶすような記録で、インク吐出量が多いことを表している。
【0046】
図7は、
図2(2−B)で示す距離L4に対する、駆動回路207の温度変化を、計算した結果を表している。距離L4は、第1温度調整部301と第2温度調整部302の境界側の第2流路311の端部から、駆動回路207のY軸方向の幅の中心までの距離を示している。駆動回路207の温度は、距離L4が1〜2mmの範囲で低くなっている。距離L4が1mm以下に近づくと、駆動回路207の熱が、第2流路311内の温水を温めるため、駆動回路207の温度が
低くなる。また、距離L4が2mm以上に離れると、距離L3が増加し、低熱伝導率の第2温度調整部302の熱抵抗が高くなる。熱抵抗が高くなると、駆動回路207の温度も上昇する。そのため、駆動回路207の昇温を抑制するためには、距離L4は1〜2mm範囲が好ましい。
【0047】
本実施形態のインクジェットヘッドは、第1の熱伝導率を有し、駆動回路に近接して設けられた第1温度調整部と、液体を第1の方向へ通す第1流路と、液体を第1の方向でかつ第1流路とは異なる第2流路を有し、第1流路はアクチュエータ基板に近接して設けられ、第2流路は第1流路と第1温度調整部の間に配置された、第1の熱伝導率より低い第2の熱伝導率を有する第2温度調整部と、を備えている。この第1温度調整部および第2温度調整部を有することによって、駆動回路で発生する熱を高熱伝導率の第1温度調整部へ放熱し、さらに第2流路によって駆動回路から第2温度調整部に伝わる熱を温水へ移動させる。駆動回路で発生する熱を温水へ移動させることで、駆動回路で発生する熱がアクチュエータ基板へ伝熱することを抑制する。したがって、駆動回路の温度上昇を抑制しながら、アクチュエータ基板の温度上昇も抑制可能である。
【0048】
第1流路の断面積が、第2流路の断面積より大きくなっている。断面積を変えることで、パイプ303から供給できる温水を、第2流路より第1流路に多く流している。温水量を多くすることで、低熱伝導率の第1温度調整部においても、アクチュエータ基板の温度上昇をより効率よく抑えることが可能である。
【0049】
また、アクチュエータ基板203と第2温度調整部302の熱膨張係数の差を、アクチュエータ基板203と第1温度調整部301の熱膨張係数の差より小さくすることで、周囲温度や駆動によってアクチュータ基板203温度が上昇しても、アクチュエータ基板203の反りを抑制できる。そのため、インク滴の着弾位置精度の高い印字が可能である。
【0050】
また、第1温度調整部301および第2温度調整部302は、同じ厚さで薄板状になっている。そのため、インク吐出部200aと200bのX軸方向の距離を短くすることができる。結果、温度調整部300の両面にインク吐出部200a、200bを備えるインクジェットヘッド1を小型にすることが可能である。
【0051】
上記のように、インクジェットプリンタ100は、ノズルに連通する圧力室を複数有し、前記圧力室内のインクに吐出圧力を発生させる複数のアクチュエータが第1の方向に1列に設けられた基板と、前記複数のアクチュエータを動作させる複数の駆動素子を前記第1の方向に配列した駆動回路と、第1の熱伝導率を有し、前記駆動回路に接して設けられた第1温度調整部と、液体を前記第1の方向へ通す第1流路と、前記液体を前記第1の方向でかつ前記第1流路とは異なる第2流路を有し、前記第1流路は前記基板に接して設けられ、前記第2流路は前記第1流路と前記第1温度調整部の間に配置された、前記第1の熱伝導率より低い第2の熱伝導率を有する第2温度調整部と、を備えるインクジェットヘッドと、前記流路に供給する液体を貯留する液体貯留部と、前記液体の温度を制御する制御部と、前記インクジェットヘッドによって記録する記録媒体を搬送する媒体搬送手段を、備えている。
【0052】
本実施形態は、インクジェットヘッドの温度制御方法にも特徴がある。
ノズルに連通する圧力室を複数有し、前記圧力室内のインクに吐出圧力を発生させる複数のアクチュエータが第1の方向に1列に設けられた基板と、
前記複数のアクチュエータを動作させる複数の駆動素子を前記第1の方向に配列した駆動回路と、
第1の熱伝導率を有する第1温度調整部と、
液体を前記第1の方向へ通す第1流路と、前記液体を前記第1の方向でかつ前記第1流路とは異なる第2流路を有し、前記第1の熱伝導率より低い第2の熱伝導率を有する第2温度調整部と、
を備えるインクジェットヘッドの温度制御方法において、
前記第1温度調整部に前記駆動回路を接し、
前記第1流路を前記基板に接し、
前記第2流路を前記第1流路と前記第1温度調整部の間に配置させ、
前記流路に所定の温度の液体を供給する、インクジェットヘッドの温度制御方法。
【0053】
(第2の実施形態)
図8を参照し、第2の実施形態のインクジェットヘッド1の構成を説明する。インク吐出部200a、200bのインク供給口205の構成が、第1の実施形態のインクジェットヘッド1と異なっている。インク供給口205の構成以外は、すべて第1の実施形態のインクジェットヘッド1と同様である。
【0054】
第2の実施形態では、インク供給口205aとインク供給口205bを備えている。インク供給口205a、205bは、それぞれ内部に直交する円筒管を備えている。円筒管は、共通インク室241に連通している。インクは、インク供給口205aから供給され、一部のインクは、ノズル220から吐出される。残ったインクは、インク供給口205bから排出される。図示していない、インク循環装置で、排出されたインクは、再びインク供給口205aに供給される。インクは、共通インク室241を通して循環している。インク吐出部200a、200b内で気泡が発生した場合でも、インクが循環しているので気泡を除去しやすい構成になっている。
【0055】
(第3の実施形態)
図9を参照し、第3の実施形態のインクジェットヘッド1を説明する。第1の実施形態では、温度調整部300の上下面に、インク吐出部200a、200bを備える構成になっている。第3の実施形態のインクジェットヘッド1では、温度調整部300の片面にインク吐出部200を備えている。片面にインク吐出部200を備える構成以外は、第1の実施形態と同じである。片面にのみインク吐出部200を有しているので、第1温度調整部301を通しての放熱性が良い。また、第2温度調整部302を通してインク温度をより安定に維持しやすい。
【0056】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。