(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような透湿防水シートには、薄く、軽量でありながらも、施工性に優れることが要求される。
しかし、より薄く、軽量なポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造しようとすると、発泡速度が速くなるため、発泡シートの展開速度よりも発泡シートの体積増加速度が速くなり、幅方向に波打つコルゲート状の発泡シートとなりやすい。
発泡シートがコルゲート状になっていると、野地板等の面に敷設する際に施工性が悪くなるおそれや、フィルム状やシート状の他素材と積層して使用する際に、積層することが難しくなるおそれがある。
【0006】
また、住宅用の透湿防水シートとして使用する場合には、高い透湿性が要求される。貫通孔を有する発泡シートにおいて、透湿性を高めるためには、貫通孔の径を大きくする方法や、貫通孔の径はそのままで貫通孔の数を増やす方法が考えられる。しかし、貫通孔の径を大きくすると、防水性が低下するおそれがあり、貫通孔の数を増やすと、発泡シートの機械的強度が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、発泡シートが有する機械的強度や防水性を損なうことなく、透湿性に優れ、かつ施工性にも優れる貫通孔を有するポリエチレン系樹脂押出発泡シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下に示すポリエチレン系樹脂押出発泡シートが提供される。
[1]厚み方向の貫通孔を有するポリエチレン系樹脂押出発泡シートにおいて、
該貫通孔の平均径が0.1〜0.5mmであり、
該貫通孔の数が発泡シート表面1cm
2あたり30〜100個であり、
該発泡シートの平均厚みが0.5〜3.0mmであり、
該発泡シートの厚み方向の平均気泡数が
0.5〜
1.7個/m
mであり、
該発泡シートの平均厚みに対する水平面に載置された該発泡シートの載置高さの比が
1.5以下であり、
該発泡シートは透湿防水シートとして使用されることを特徴とするポリエチレン系樹脂押出発泡シート。
[2]発泡シートの見掛け密度が15kg/m
3以上50kg/m
3未満であることを特徴とする前記1に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シート。
[3]JIS K7225:2005に基づく水蒸気透過抵抗が0.45m
2・s・Pa/μg以下であることを特徴とする前記1又は2に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シート。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリエチレン系樹脂押出発泡シートは、貫通孔を有するポリエチレン系樹脂押出発泡シートであって、シート厚み方向の平均気泡数を特定の範囲としたことにより、貫通孔の径及び数を大きくせずとも、高い透湿性を有し、さらに発泡シートの厚みが薄いにもかかわらずフラット性に優れることから施工性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のポリエチレン系樹脂押出発泡シートについて詳細に説明する。
本発明のポリエチレン系樹脂押出発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)は、厚み方向の貫通孔を有する発泡シートであり、ポリエチレン系樹脂により構成されている。
該ポリエチレン系樹脂とは、エチレンに由来する構成単位を50モル%以上含む樹脂である。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等や、さらにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも、発泡性に優れることから、低密度ポリエチレンが好ましい。
【0012】
また、ポリエチレン系樹脂は、本発明の目的、効果を阻害しない範囲において、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含むことができる。その場合、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの含有量は、ポリエチレン系樹脂中に30重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明の泡シートの平均厚みは0.5〜3mmである。発泡シートの平均厚みが薄すぎると、所望の機械的強度が得られなくなり、貫通孔を形成することが難しくなる。一方、発泡シートの平均厚みが厚すぎると、所望の透湿性が得られないおそれがある。また、透湿性を高めるためには貫通孔の数を多くする必要があり、その場合には、引張強さなどの機械的強度が損なわれる。かかる観点から、発泡シートの平均厚みは、0.6〜2.5mmであることが好ましく、0.8〜1.8mmであることがより好ましい。
【0014】
発泡シートの平均厚みとは、発泡シートの幅方向全体にわたって1cmごとに測定される厚みの算術平均値を意味する。
【0015】
発泡シートの坪量は、特に限定されないが、軽量性の観点から、10〜100g/m
2であることが好ましく、20〜70g/m
2であることがより好ましく、25〜50g/m
2であることがさらに好ましい。
【0016】
発泡シートの坪量とは、発泡シート単位面積当たりの重量を意味し、例えば、発泡シートからその幅方向全体にわたって10cmの長さに試験片を切り出し、試験片の重量を試験片の面積(この場合、発泡シートの幅×10cm)で割算し、g/m
2に単位換算することにより求めることができる。
【0017】
発泡シートの見掛け密度は、特に限定されないが、軽量性と機械的強度のバランスを考慮すると、10kg/m
3以上50kg/m
3未満であることが好ましく、20〜40kg/m
3であることがより好ましい。
【0018】
発泡シートの見掛け密度とは、発泡シートの単位体積当たりの重量を意味し、例えば、発泡シートの坪量を発泡シートの平均厚みで割算し、kg/m
3に単位換算することにより求めることができる
【0019】
本発明の発泡シートは、厚み方向の貫通孔を有する。該発泡シートにおいては、厚み方向の気泡数を特定範囲内に調整すると共に、貫通孔の平均径、数を特定範囲内に調整することにより、防水性を損なうことなく、優れた透湿性を発現させることができる。
【0020】
該貫通孔の平均径は0.1〜0.5mmである。貫通孔の平均径が小さすぎると、十分な透湿性が発現しなくなる。一方、貫通孔の平均径が大きすぎると、水を通しやすくなり、高い防水性が得られなくなる。かかる観点から、貫通孔の平均径は0.2〜0.4mmであることが好ましい。
【0021】
該貫通孔の数は、発泡シートの表面1cm
2あたり30〜100個である。貫通孔の数が少なすぎると、所望の透湿性が得られなくなる。一方、貫通孔の数が多すぎると、発泡シートの機械的強度が損なわれるおそれがある。かかる観点から、貫通孔の数は、発泡シートの表面1cm
2あたり40〜90個であることが好ましく、50〜80個であることがより好ましい。
【0022】
貫通孔の径とは、貫通孔の開口部の面積と同じ面積を有する仮想真円の直径を意味する。貫通孔の開口部の面積は、発泡シートの表面の拡大写真をもとに、画像解析ソフトなどにより計測することができ、貫通孔の平均径は、得られた個々の径を算術平均することにより求めることができる。
【0023】
本発明の発泡シートは、その厚み方向の平均気泡数が2.5個/mm以下である。該発泡シートにおいては、厚み方向の気泡数を少なくすることにより、貫通孔の径及び数を大きくせずとも、高い透湿性が発現する。さらに、発泡シートの厚みが薄いと、発泡シートがコルゲート状になりやすいが、厚み方向の気泡数を少なくなるように発泡シートを発泡させることで、発泡速度を抑制することができ、優れたフラット性が達成される。かかる観点から、厚み方向の平均気泡数は、2.0個/mm以下であることが好ましく、1.5個/mm以下であることがより好ましい。厚み方向の平均気泡数の下限は、特に限定されないが、透湿性とフラット性の観点から概ね0.5個/mm程度であることが好ましい。
厚み方向の平均気泡数は、後述する気泡調整剤の添加量により調整することができる。
【0024】
厚み方向の平均気泡数は次のようにして測定される。まず、発泡シートの全幅に亘って幅方向に1cm間隔で測定箇所を定め、定められた測定箇所の厚み(mm)および該測定箇所の厚み方向の気泡数(個)を計測する。そして、各測定箇所の厚み方向の気泡数(個)をその測定箇所の厚み(mm)にて割算し、求められた各測定箇所の厚み方向の気泡数(個/mm)を算術平均して、発泡シートの厚み方向の平均気泡数(個/mm)とする。なお、前記各測定箇所の厚み方向の気泡数は、測定箇所の厚み方向に直線を引き、該直線と交わる気泡の数をカウントすることにより求められる値である。
【0025】
本発明の発泡シートはフラット性に優れることが要求され、そのために発泡シートの平均厚みに対する水平面に載置された発泡シートの載置高さの比が2.5以下であることを要する。該比が小さいということは、発泡シートに、周期的な山谷が認められることがない、又はコルゲート状の周期的な山谷が認められる場合であっても、山谷の差が小さく、フラット性に優れることを意味する。かかる観点から、上記比は2.3以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.8以下であることがさらに好ましい。該比の下限は1.0である。なお、載置高さとは、発泡シートが水平面に載置された場合、該水平面から発泡シートの山部頂点の表側面までの高さの平均値を意味する。
同様な観点から、水平面に載置された発泡シートにおいて、該水平面から山部の表側面までの高さの平均値と、該水平面から谷部の表側面までの高さの平均値との差ΔTが1.5mm以下(0mmを含む)であることが好ましい。
【0026】
発泡シートがフラットであることにより、本発明の発泡シートを、透湿防水シートとして平面状の構造物に敷設する際に、構造物との間の隙間が生じにくくなり、施工性に優れたものとなる。
また、発泡シートは、機械的強度を高めるために、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂を基材樹脂とする不織布や織布などのシート状の他素材と積層接着させて使用されることがあり、その場合、これらの他素材との積層接着性に優れたものとなる。かかる観点から、前記最大値と最小値との差ΔTは小さいほど好ましく、具体的には1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
【0027】
前記載置高さ及び差ΔTは、次のようにして測定される値である。まず、発泡シートからシートの幅方向全体にわたって10cm幅の試験片を切り出す。次に、該試験片を水平面上に載置し、発泡シートの端部において、交互に繰り返されるコルゲートの山部の頂点と谷部の底における、水平面から発泡シートの表側面までの距離(高さ)をハイトゲージを用いてそれぞれ測定する。そして、山部における高さの算術平均値を載置高さとする。また、山部における水平面からの高さの算術平均値(載置高さ)から谷部における水平面からの高さの算術平均値を引算することにより差ΔTを求める。
【0028】
本発明の発泡シートは透湿性を有し、水蒸気透過抵抗が0.45m
2・s・Pa/μg以下であることが好ましい。
水蒸気透過抵抗が前記範囲であると、住宅用の透湿防水シートとして使用される場合に十分な透湿性が発現する。かかる観点から水蒸気透過抵抗は0.40m
2・s・Pa/μg以下であることがより好ましく、0.35m
2・s・Pa/μg以下であることがさらに好ましく、0.30m
2・s・Pa/μg以下であることが特に好ましい。水蒸気透過抵抗の下限は、特に限定されないが、概ね0.1m
2・s・Pa/μgである。
【0029】
水蒸気透過抵抗はJIS K7225:2005に基づき測定される値である。
【0030】
次に、本発明の貫通孔を有する発泡シートの製造方法について説明する。
該発泡シートは、ポリエチレン系樹脂押出発泡シート(以下、押出発泡シートともいう。)に、後述する貫通孔を形成することにより得られる。該押出発泡シートは、ポリエチレン系樹脂を押出機内で加熱溶融、混練し、更に発泡剤を注入、混練して発泡性溶融樹脂組成物とした後、押出機先端に設けられたダイを通して大気圧下にシート状に押出して発泡させること等によって製造される。
【0031】
押出発泡シートの製造に使用される発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤が用いられる。物理発泡剤の中で、無機系のものとしては二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。物理発泡剤の中で有機系のものとしては、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。また、化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、重炭酸ナトリウム等を用いることができる。
【0032】
押出発泡シートの製造においては、ポリエチレン系樹脂に必要に応じて気泡調整剤が添加される。気泡調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。
【0033】
また、必要に応じてポリエチレン系樹脂に、帯電防止剤、流動性向上剤等や、所期の目的を妨げない範囲の量の着色剤等の各種添加剤を配合することもできる。更に、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等を無機充填剤として添加することもできる。
【0034】
貫通孔は、例えば、加温された貫通孔形成用針が設けられている針ロールと受ロールとを用い、該針ロールと受ロールとを回転させながら、針ロールと受ロールとの間隙を発泡シートを通過させることにより形成される。
具体的には、例えば
図1に示すような貫通孔形成装置1を用いて貫通孔が形成される。
図1における針ロール2の周面には略全面にわたって貫通孔形成用の針4が設けられている。又、受ロール3の周面は、ラバー、ブラシ等を用いて針4を傷つけないように構成されている。
針ロール2と受ロール3との間隙は、針4が押出発泡シート5を貫通するように針4と同じ長さか若干短く設定することが好ましい。
針ロール2の周面の針4は、押出発泡シートを構成しているポリエチレン系樹脂の融点(mp)(℃)を基準に、(mp−40)℃〜(mp+10)℃に加温されていることが好ましく、(mp−30)℃〜(mp+5)℃に加温されていることがより好ましい。針4が前記範囲に加温されていると、針4が押出発泡シート5に刺し込まれて貫通孔が形成された後、周貫通孔周辺の押出発泡シート5が軟化されているので、押出発泡シート5から容易に引き抜くことができる。
【0035】
なお、融点は、JIS K7121−1987に基づき、試験片の状態調節として(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合を採用し(加熱温度及び冷却温度は共に10℃/分)、熱流束DSCにより加熱速度10℃/分にて得られる融解ピーク(二つ以上の融解ピークが現れる場合は、より広い面積を有する融解ピーク)の頂点温度とする。
【0036】
針ロール、受ロールの回転の周速度は、発泡シートの見掛け密度、厚みに対応して適宜変更されるが、通常は5〜100m/minである。針により形成される貫通孔の加工精度を向上させるためには、5〜45/minとすることが好ましい。
【実施例1】
【0037】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0038】
実施例1〜8
(実施例2、3、4、6及び8は参考例である)、比較例1、2
発泡シート形成用押出装置として、スクリュー径115mmの第一押出機と、第一押出機の下流側に連結されたスクリュー径150mmの第二押出機とからなるタンデム押出機を使用し、第二押出機の下流側の出口先端部に環状ダイが取付けられた装置を用いた。
【0039】
ポリエチレン系樹脂として低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製「DFDJ−6775」:mp111℃)を用い、該ポリエチレン系樹脂と気泡調整剤としてのタルクを表に示す配合で第一押出機に供給し、加熱混練し、約200℃に調整された樹脂溶融物とし、物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%との混合ブタンをポリエチレン系樹脂100重量部に対して表に示す配合となるように圧入してさらに混練した。次いで、第二押出機にて115℃まで冷却して発泡性樹脂溶融物とした。該発泡性樹脂溶融物を、環状ダイを通して大気中に押出して筒状発泡体を形成し、該筒状発泡体をマンドレルにて幅方向に拡径しながら引き取り、さらに押出方向に沿って切開いて、押出発泡シートを得た。
【0040】
図1に示す貫通孔形成装置を使用して、押出発泡シートに貫通孔を形成した。貫通孔形成装置における針ロールの径は150mm、幅は1400mm、受ロールの径は130mm、幅は1400mmとし、貫通孔形成用針は、長さ6mm、太さ0.62mmのものを用いた。貫通孔形成用針の針ロールの周面における配置を
図2に示す。
図2において、aは針と針の針ロール幅方向の間隔を、bは針と針の針ロール円周方向の間隔をそれぞれ示す。a=2mm、b=2.6mmとした。針の温度を90℃に調整した。なお、実施例1〜7及び比較例2では、押出発泡シートを針ロールに2回通して貫通孔を形成し、実施例8及び比較例1では、押出発泡シートを針ロールに2回通して貫通孔を形成した。
【0041】
貫通孔を形成した押出発泡シート(発泡シート)の平均厚み、坪量、見掛け密度、厚み方向の平均気泡数、貫通孔の孔径及び数、並びにフラット性(差ΔT)を測定し、発泡シートの透湿性(水蒸気透過抵抗)及び防水性を評価した。結果を表1に示す。
なお、これらの測定及び評価は、押出発泡シートに貫通孔を形成した後、得られた発泡シートを23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて48時間状態調節した後に行なった。
【0042】
【表1】
【0043】
(平均厚み)
発泡シートの幅方向全体にわたって1cmごとに厚みを測定し、各厚みの算術平均値を押出発泡シートの平気厚みとした。
【0044】
(坪量)
発泡シートからその幅方向全体にわたって10cmの長さに試験を切り出し、試験片の重量を試験片の面積で割算し、g/m
2に単位換算することにより、押出発泡シートの坪量を測定した(n=5)。
【0045】
(見掛け密度)
発泡シートの坪量をその平均厚みで割算し、kg/m
3に単位換算することにより求めた。
【0046】
(貫通孔の平均径、数)
まず、発泡シートの表面(針刺面)において無作為に5箇所選択し、それらの拡大写真(50倍)を撮影した。各々の拡大写真上において、ナノシステム株式会社製の画像処理ソフトNS2K−proを用いて、各貫通孔の開口面積を算出し、該面積から円相当直径を算出した。そして、それらの値を算術平均することにより貫通孔の平均径を求めた。
各拡大写真上にて、拡大前の面積が1cm
2(1cm×1cmの正方形)に相当するエリア内に存在する貫通孔の数をカウントした。ただし、該エリアの囲み位置によって貫通孔の数が違う場合には、貫通孔の数が最大となるエリアにおける貫通孔の数を採用した。
【0047】
(厚み方向の平均気泡数)
発泡シートの全幅に亘って幅方向に1cm間隔で測定箇所を定め、定められた測定箇所の厚み(mm)および該測定箇所の厚み方向の気泡数(個)を計測した。前記各測定箇所の厚み方向の気泡数は、測定箇所の厚み方向に直線を引き、該直線と交わる気泡の数をカウントすることにより求めた。そして、各測定箇所の厚み方向の気泡数(個)をその測定箇所の厚み(mm)にて割算し、求められた各測定箇所の厚み方向の気泡数(個/mm)を算術平均して、発泡シートの厚み方向の平均気泡数(個/mm)とした。
【0048】
(フラット性)
まず、発泡シートからシートの幅方向全体にわたって10cm幅の試験片を切り出した。次に、該試験片を水平面上に載置し、発泡シートの切断した端部において、交互に繰り返されるコルゲートの山部頂点と谷部頂点における、水平面から発泡シートの表側面までの距離(高さ)をハイトゲージを用いて、それぞれ測定した。そして、山部における載置高さの算術平均値、及び谷部における載置高さの算術平均値を求め、山部における高さの算術平均値を発泡シートの載置高さとした。また、山部における水平面からの高さの算術平均値(載置高さ)から谷部における水平面からの高さの算術平均値を引算することにより差ΔTを求めた。
【0049】
(透湿性)
JIS K7225:2005に基づき水蒸気透過抵抗を評価した。
【0050】
(防水性)
発泡シートから無作為に直径75mmの試験片を切り出した。次にJIS K7225:2005と同様にしてカップに試験片を入れ、直径70mmのシート表面(面積3848mm
2)が得られる様に周囲を封ろう剤により密閉した(
図3)。そして、試験片の上に水位が15mmになるように水を加え(
図3)、24時間静置させた後、水位低下を測定し、次の基準により評価した。
○:水位低下なし
×:水位低下あり