(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カテーテル本体の前記遠位端が1つ又は2つ以上の電極を含み、前記カテーテル本体の前記遠位端の前記視覚的表現が前記1つ又は2つ以上の電極の視覚的表現を含む、請求項2に記載の装置。
プログラム命令が格納される有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令がプロセッサによって読み取られると、前記プロセッサは、
カテーテルであって、
管腔を画成するように形作られた使い捨てのカテーテル本体であって、前記カテーテル本体の遠位端が1つ又は2つ以上の電極を備える、カテーテル本体と、
電磁センサを備えると共に、前記カテーテル本体の前記管腔内部に位置するように構成されている、カテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)校正画像における、撮像システムによって獲得される前記カテーテル本体の前記遠位端の表示、及び(b)前記電磁センサからの信号に基づいて、ただし前記校正画像に示される前記電磁センサの表示には基づかずに、前記電磁センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を取得し、
前記電磁センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記取得された位置及び配向を使用して、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成し、
前記電磁センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向の取得は、
(1)前記撮像システムの座標系と前記電磁センサの座標系間の既知の位置合わせに基づき取得された、前記撮像システムの座標系に対する前記電磁センサの位置及び配向を使用して前記電磁センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を取得する、又は、
(2)前記撮像システムの座標系と前記電磁センサの座標系間の既知の位置合わせに基づき取得された、前記電磁センサの座標系に対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を使用して、前記電磁センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を取得する、
コンピュータソフトウェア製品。
【背景技術】
【0003】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許出願公開第2014/0148688号は、近位端と患者の身体内に挿入するように構成された遠位端とを有する、挿入チューブを含む侵襲性医療用プローブについて記載している。複数のアームが挿入チューブの遠位端から遠位方向に延在している。各アームは、遠位先端を有すると共に磁気変換器及び接着要素を含み、接着要素は、遠位先端を身体内の組織表面に取外し可能に付着するように構成されている。
【0004】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許第6,368,285号は、心腔の電気的又は機械的性質などの状態を心臓内マッピングする方法について記載している。この方法は、遠位先端を有すると共に、その内部に又はそれに近接して少なくとも1つの状態センサを有する、カテーテルを使用する。少なくとも1つのセンサは、腔内の状態情報を感知することができ、基準の位置フレーム内におけるカテーテル先端の三次元位置を提供する。この方法は、腔の第1及び第2の画像を獲得するステップを含む。画像は、異なる射影から獲得され、腔の位相情報を含む。腔の画像は、基準の位置フレームと位置合わせされる。カテーテルの遠位先端は、カテーテル内へと前進させられ、画像に含まれるか又は画像から得られた位相情報の案内によって操縦されて獲得地点に至る。状態及び位置情報は獲得点のそれぞれで獲得され、前記点は腔内における状態のマップの生成を可能にするために数及び間隔の点で十分である。カテーテルの操縦を案内するために使用される位相情報は、好ましくは、画像に含まれる位相情報から得られる、腔を三次元的に再構築したものである。
【0005】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許第7,937,132号は、撮像データを使用して医療用デバイスをヒト組織内の標的位置に送達する方法及び装置について開示している。この方法により、1つの撮像システムから標的位置を取得し、その後に第2の撮像システムを使用して、デバイスの最終位置を検証することが可能になる。特に、この発明は、MRイメージングを使用した組織標的の初期同定に基づく方法、続いて超音波イメージングを使用して、正確な針の位置決めを検証し監視する方法について開示している。この発明は、脳、胸部、腹部、脊柱、肝臓、及び腎臓を含む様々な組織におけるがんの程度及びステージを判断するため、生検サンプルを採取するために使用することができる。この方法はまた、病変組織の外科的除去を容易にするためのマーカーの特定の部位への送達、又は患部組織をインサイチューで破壊する標的化された送達のためにも有用である。
【0006】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許第7,653,426号は、カテーテルの先端に、MR画像上の他の部分と区別することができる、少なくとも1つの特定の指標を設けることと、カテーテルを患者の体腔内へと案内する金属ガイドワイヤを前もって挿入して、ガイドワイヤに沿ってカテーテルを体腔に挿入することと、ガイドワイヤと交差する複数のスライス画像のMRイメージングシーケンスを実行することと、ガイドワイヤで受信した核磁気共鳴信号に基づいて三次元画像データを再構築することと、三次元画像データに基づいてカテーテルの先端に設けられた特定の指標を検出することによって、カテーテルの先端位置及び挿入方向を判断することと、三次元画像データを使用して中心投影画像を再構築することと、視点及び視線方向としてカテーテルの先端位置及び挿入方向を設定することと、中心投影画像を表示手段に表示することとを含む、内視鏡的画像取得方法について記載している。
【0007】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許第8,974,460号は、外科用器具の部品を移動させることができるねじの位置を調節するデバイスであって、ねじの頭部に合う先端を備える軸と、前記軸を駆動して回転させる作動システムと、制御ユニットと通信して、ねじを標的位置に到達させるために軸に加える回転回数を制御ユニットから作動システムに伝達させる通信手段とを備えるデバイスに関係している。この発明はまた、外科用ガイド手段を位置合わせするための外科用システムであって、外科用ガイド手段を支持する固定部品とねじによって固定部品に対する位置を調節可能である可動部品とを備える位置決めユニットと、外科用ガイド手段の標的位置に対する位置決めユニットの位置を検出する参照ユニットと、ねじの標的位置を計算する制御ユニットと、ねじの位置を調節する前記デバイスとを備える、外科用システムに関係している。
【0008】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許出願公開第2013/0083988号は、デバイス内における複数のマーカーの空間的関係の記述を含む一連の物理的特性を受信することを含む、デバイス可視化の方法について記載している。被験体内におけるデバイスのX線写真データが獲得される。複数のマーカーそれぞれの近似的位置がX線写真データ内で特定される。各マーカーの特定された近似的位置、及び受信した一連の物理的特性に基づいて、被験体内のデバイスに対する軌道関数が構築される。一連の物理的特性に基づいて、デバイスに対する断面積関数が構築され、構築された軌道関数及び断面積関数に基づいて、デバイスの3Dモデルが生成される。3Dモデルの描画は表示デバイスに表示される。
【0009】
本明細書に参照によりその開示を組み込む米国特許出願公開第2011/0230758号は、患者の身体の管状器官に挿入された医療用カテーテルの選択された部分の現在位置を判断する方法及びシステムについて記載しており、この方法は、医療用位置決めシステム(MPS)カテーテルを管状器官に挿入する手順と、管状器官内における複数のマッピング位置を獲得する手順と、マッピング位置のマッピング位置表現を表示する手順と、マッピング位置にしたがってマッピング経路を構築する手順と、選択された部分が初期位置に達するまで医療用カテーテルを管状器官に挿入する手順と、管状器官の操作画像、マッピング経路の経路表現、及び操作画像上に重ね合わされた初期位置の初期位置表現を表示する手順と、選択された部分を初期位置と位置合わせする手順と、医療用カテーテルが管状器官内で初期位置から移動した長さを測定する手順と、現在位置を推定する手順とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、座標系の位置合わせの方法が提供される。(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されている、カテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、センサの座標系が撮像システムの座標系と位置合わせされている。位置合わせは、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)センサからの信号を使用するが、校正画像に示されるセンサの表示は使用しない。位置合わせを使用して、視覚的出力が生成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、視覚的出力を生成することは、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現は、カテーテル本体の遠位端のコンピュータ生成モデルを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端は、1つ又は2つ以上の電極を含み、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現は、1つ又は2つ以上の電極の視覚的表現を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることは、被験体の身体の一部分にアブレーションを施す間、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、視覚的出力を生成することは、被験体の身体の一部分のマップを表示することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、マップは、被験体の心臓の少なくとも一部分の電気解剖学的マップを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、センサは電磁センサである。
【0018】
いくつかの実施形態では、校正画像は磁気共鳴イメージング(MRI)画像である。
【0019】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の表示は、カテーテル本体の遠位端に相当するMRI画像における空隙を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、センサの座標系を撮像システムの座標系と位置合わせすることは、次のことを含む:
校正画像におけるカテーテル本体の遠位端の表示を特定することによって、撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認すること、
センサからの信号に基づいて、センサの座標系に対するセンサの位置及び配向を確認すること、並びに、
(i)撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の確認された位置及び配向、(ii)センサの座標系に対するセンサの確認された位置及び配向、並びに(iii)センサに対するカテーテル本体の遠位端の既知の位置及び配向を使用して、センサの座標系を撮像システムの座標系と位置合わせすること。
【0021】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、電気的インターフェース及びプロセッサを含む装置が提供される。(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、プロセッサは、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)電気的インターフェースを介して受信したセンサからの信号を使用し、ただし校正画像に示されるセンサの表示は使用せずに、センサの座標系を撮像システムの座標系と位置合わせする。位置合わせを使用して、プロセッサは、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する。
【0022】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、プログラム命令が格納される有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含む、コンピュータソフトウェア製品が提供される。命令がプロセッサによって読み取られると、プロセッサは、(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)センサからの信号を使用し、ただし校正画像に示されるセンサの表示は使用せずに、センサの座標系を撮像システムの座標系と位置合わせする。命令によって更に、プロセッサは、位置合わせを使用して、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する。
【0023】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認する方法が提供される。(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されている、カテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)センサからの信号に基づいて、ただし校正画像に示されるセンサの表示には基づかずに、位置及び配向が確認される。センサに対するカテーテル本体の遠位端の確認された位置及び配向を使用して、視覚的出力が生成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、視覚的出力を生成することは、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現は、カテーテル本体の遠位端のコンピュータ生成モデルを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端は1つ又は2つ以上の電極を含み、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現は、1つ又は2つ以上の電極の視覚的表現を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることは、被験体の身体の一部分にアブレーションを施す間、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、視覚的出力を生成することは、被験体の身体の一部分のマップを表示することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、マップは、被験体の心臓の少なくとも一部分の電気解剖学的マップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、センサは電磁センサである。
【0031】
いくつかの実施形態では、校正画像は磁気共鳴イメージング(MRI)画像である。
【0032】
いくつかの実施形態では、カテーテル本体の遠位端の表示は、カテーテル本体の遠位端に相当するMRI画像における空隙を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認することは、次のことを含む:
校正画像におけるカテーテル本体の遠位端の表示を特定することによって、撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認すること、
センサからの信号に基づいて、センサの座標系に対するセンサの位置及び配向を確認すること、並びに、
(i)撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の確認された位置及び配向、(ii)センサの座標系に対するセンサの確認された位置及び配向、並びに(iii)センサの座標系と撮像システムの座標系との間の以前の位置合わせに基づいて、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認すること。
【0034】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、カテーテルが提供される。カテーテルは、管腔を画成するように形作られたカテーテル本体を含み、カテーテル本体の遠位端は1つ又は2つ以上の電極を備える。カテーテルは、電磁センサを備えると共に、カテーテル本体の管腔内部に位置するように構成されている、カテーテル軸体を更に含む。
【0035】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、電気的インターフェース及びプロセッサを含む装置が提供される。(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、プロセッサは、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)センサからの信号に基づいて、ただし校正画像に示されるセンサの表示には基づかずに、カテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認する。センサに対するカテーテル本体の遠位端の確認された位置及び配向を使用して、プロセッサは、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する。
【0036】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、プログラム命令が格納される有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含む、コンピュータソフトウェア製品が提供される。命令がプロセッサによって読み取られると、プロセッサは、(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共にカテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)センサからの信号に基づいて、ただし校正画像に示されるセンサの表示には基づかずに、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認する。命令によって更に、プロセッサは、センサに対するカテーテル本体の遠位端の確認された位置及び配向を使用して、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する。
【0037】
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明を図面と併せ読むことによって、更に十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0039】
概要
本発明の実施形態は、解剖学的若しくは電気解剖学的マッピング、及び/又はアブレーションに使用される、カテーテルを提供する。マッピング及び/又はアブレーションのための電極に加えて、カテーテルは、カテーテルを被験体の身体内で操縦するために使用される電磁センサを含む。一般的に、外部磁気システムは、センサ内で電圧及び/又は電流を誘導する。センサ内の誘導電圧及び/又は誘導電流が測定され、次に、センサの位置及び配向を導き出すのに使用される。あるいは、センサは、外部磁気システム内で電圧及び/又は電流を誘導してもよい。外部磁気システム内の誘導電圧及び/又は誘導電流が測定され、次に、センサの位置及び配向を導き出すのに使用される。
【0040】
特許請求の範囲を含む本願における、センサからの「信号」又は「追跡信号」に対する言及は、センサ内若しくは外部磁気システム内で誘導される上述の電圧及び/又は電流を指す。外部磁気システム、センサ、及び他の任意の関連する構成要素(例えば、後述するプロセッサなど、ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネント)は、本明細書では集合的に「追跡システム」と呼ばれる。
【0041】
本発明の実施形態では、カテーテルは次の2つの別個の構成要素を備える;一方の構成要素であるカテーテルの内側軸体は、電磁センサ及びそれに関連する回路構成を備え、他方の構成要素であるカテーテルの中空の外側本体は、カテーテル本体の遠位端に連結されるマッピング及び/又はアブレーション電極を備える。カテーテル軸体はカテーテル本体の管腔に挿入され、次に両方の構成要素が被験体に挿入される。
【0042】
一般的に、カテーテル軸体はカテーテル本体によって被覆されるので、処置後にはカテーテル本体のみを廃棄すればよく、比較的高価な構成要素を含むカテーテル軸体は再使用されてもよい。したがって、本発明の「二個構成のカテーテル」の実施形態は、同様のセンサを含む従来の「一個構成のカテーテル」に比べて、大幅にコストが削減される。(電極は、センサとは対照的に、組織に触れる必要があるので、電極はカテーテル本体上に位置付ける必要がある。いずれの場合も、電極は一般的には比較的安価なので、一般的に、処置後にカテーテル本体を廃棄することに著しい損失はない。)
【0043】
本発明の実施形態はまた、センサからの信号を使用して、マッピング又はアブレーション処置の間カテーテルを操縦するための方法及び装置を提供する。例えば、心臓の電気解剖学的マッピング中、マッピング電極を含むカテーテル本体の遠位端のコンピュータ生成モデルは、センサからの信号によって示される位置及び配向で、被験体の心臓の画像上に重ね合わされてもよい。
【0044】
カテーテル本体の遠位端のモデルを画像中に適切に表示するために、次の2つの課題を克服する必要がある:
(a)画像を獲得するために使用される撮像システムの座標系を、センサの座標系と位置合わせする必要がある。
(b)センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認する必要がある。(この課題は、上述したように、センサがカテーテル本体上に配設されておらず、したがってカテーテル本体とセンサとの間で位置及び配向のずれのばらつきが大きくなるという事実によって増幅される。)
【0045】
本発明の実施形態は、上述の課題の両方に対処し、その結果、カテーテル本体の遠位端のモデルを適切に表示することが可能になる。いくつかの実施形態では、例えば基準(fiducials)を使用して、座標系間での処置前の位置合わせが行われる。(これは、第1の課題に対処する。)続いて、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像が獲得され、校正画像は、撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認するために使用される。この情報、センサ信号、及び座標系間の処置前の位置合わせを使用して(ただし、いずれの場合も一般的にはセンサを一切示さない、校正画像におけるセンサのいずれの表示も使用せずに)、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向が確認される。(これは、第2の課題に対処する。)
【0046】
他の実施形態では、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認するため、処置前の校正手順が行われる。(これは、第2の課題に対処する。)続いて、カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像が獲得され、校正画像は、撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向を確認するために使用される。この情報、センサ信号、及びセンサに対するカテーテル本体の遠位端の既知の位置及び配向を使用して(ただし、いずれの場合も一般的にはセンサを一切示さない、校正画像におけるセンサのいずれの表示も使用せずに)、2つの座標系が互いに対して位置合わせされる。(これは、第1の課題に対処する。)
【0047】
一般的に、磁気共鳴イメージング(MRI)は、校正画像を、被験体の解剖学的構造の任意の後続の画像と共に獲得するために使用される。MRIシステムは、追跡システムと双方向で通信し、それによって例えば、追跡システムは、センサの現在の位置及び配向に関連する特定の位置及び配向で、MRI「スライス」を獲得するようにMRIシステムに指示してもよい。
【0048】
MRI画像では、カテーテル本体の遠位端は一般的に空隙に見える。したがって、MRI撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向は、画像中の空隙を特定することによって確認されてもよい。
【0049】
システムの説明
最初に、本発明のいくつかの実施形態による、心組織のマッピング及び/又はアブレーションのためのシステム20を示す概略図である、
図1を参照する。更に、本発明のいくつかの実施形態による、カテーテル24の遠位部分を示す概略図である、
図2を参照する。
【0050】
システム20は、(i)MRIスキャナ22などの撮像システムと、(ii)カテーテル24と、(iii)制御コンソール26とを備える。カテーテル24はカテーテル本体27を備え、カテーテル本体は、一般的には1つ又は2つ以上の電極を備える遠位端34を備える。例えば、いくつかの実施形態では、遠位端34は、少なくとも1つのアブレーション電極29と、1つ又は2つ以上のマッピング電極31とを備える。カテーテル24はカテーテル軸体25を更に備え、カテーテル軸体は、電磁センサ23などのセンサを備える。カテーテル本体27は、管腔を画成するように形作られ、カテーテルが被験体に挿入される前に、カテーテル軸体25が管腔に挿入される。(
図2では、明瞭にするため、カテーテル軸体25は、処置中の場合のようにカテーテル本体の内部にあるのではなく、カテーテル本体27と並んで示されている。)上述したように、センサ23及びそれに関連する回路構成を、カテーテルの露出した外側部分上ではなく、露出していないカテーテル軸体上に配置することで、一般的に、大幅にコストが削減される。
【0051】
図1に示されるように、医師42は、被験体30の血管系を通してカテーテル24を挿入し、それによってカテーテル本体の遠位端34が、本明細書では被験体の心臓28の腔であるものと仮定される体腔に入る。上述したように、センサ23は追跡信号を提供し、それによってカテーテルの操縦が容易になる。いくつかの実施形態では、センサは電磁センサであり、例えば、本明細書に参照によりその開示を組み込む、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、及び同第6,177,792号に記載されているような、電磁追跡技術が使用される。他の実施形態では、例えば、やはり本明細書に参照によりその開示を組み込む、米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に記載されているインピーダンスに基づく追跡技術など、他の追跡技術が使用される。
【0052】
カテーテルの遠位端が心腔に入る際、心臓内心電図(ECG)信号を獲得するため、マッピング電極31が使用されてもよく、それによって心腔を電気解剖学的にマッピングすることが可能になる。マッピング電極によって獲得された心臓内ECG信号は、一般的にはカテーテル24内の導体及び/又は光ファイバーによって、制御コンソール26に転送され、そこで信号が解析される。別の方法として、又はそれに加えて、心臓アブレーションを行うためにアブレーション電極29が使用されてもよい。
【0053】
カテーテル24を使用して心臓内ECG信号を獲得する代わりに、又はそれに加えて、システム20は、一般的には、被験体の皮膚上の電極として作用する多数の導電性パッチ36を介して、被験体30の皮膚から体表面ECG信号を獲得してもよい。体表面ECG信号は、ケーブル38を介して制御コンソール26に搬送される。
【0054】
制御コンソール26はプロセッサ58を備える。プロセッサ58は、電気的インターフェース35を介して、センサから追跡信号を受信する。プロセッサは、MRIスキャナ22によって獲得したデータ、及び/又は任意の獲得した心臓内若しくは体表面ECG信号を更に受信する。詳細に後述するように、プロセッサ58は、受信したデータを処理し、それに応答して、ディスプレイ40を駆動して関連する視覚的出力を表示し、かつ/又は他の適切な出力を生成する。
【0055】
一般に、プロセッサ58は、単一のプロセッサとして、又は協働的にネットワーク化若しくはクラスタ化した一連のプロセッサとして具体化されてもよい。プロセッサ58は、一般的に、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ若しくはCD ROMドライブなどの不揮発性補助記憶装置、ネットワークインターフェース、及び/又は周辺デバイスを含む、プログラミングされたデジタルコンピュータデバイスである。ソフトウェアプログラムを含むプログラムコード、及び/又はデータは、当該技術分野で知られているように、CPUによる実行及び処理のためにRAMにロードされ、表示、出力、送信、又は格納のために結果が生成される。プログラムコード及び/又はデータは、例えば、ネットワークを通して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、あるいは、磁気、光学、若しくは電子メモリなどの非一時的な有形の媒体上に提供及び/又は格納されてもよい。かかるプログラムコード及び/又はデータは、プロセッサに提供されると、本明細書に記載するタスクを行うように構成された、機械若しくは専用コンピュータを作り出す。
【0056】
次に、本発明のいくつかの実施形態にしたがって実施される校正方法に関するそれぞれのフロー図である、
図3A〜Bを参照する。
【0057】
導入として、
図3Aの校正方法は、
図3Aの方法の最初に確認される変数が、
図3Bの方法の最後に確認される点、またその逆であるという点で、
図3Bとは異なる。特に:
(i)
図3Aの校正方法は、撮像システムの座標系CISとセンサの座標系CSとの間の(一般的には等尺の(isometric))位置合わせが、例えば基準を使用して行われる、位置合わせステップ74で始まる。次いで、結果として得られる位置合わせCS_CISを使用して、カテーテル本体の管腔内部に位置するセンサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向である、DE_Sを確認する。
(ii)
図3Bの校正方法は、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_Sが、例えば専用の校正機器を使用して確認される、第1の校正ステップ75で始まる。次いで、DE_Sを使用して、撮像システムの座標系とセンサの座標系との間の位置合わせであるCS_CISを確認する。
【0058】
概して、
図3Aでは、CS_CISを使用してDE_Sを確認し、
図3Bでは、反対に、DE_Sを使用してCS_CISを確認する。
【0059】
次に、以下の説明では続けて、本発明のいくつかの実施形態にしたがって獲得される校正画像60を示す概略図である、
図4Aを更に参照して、
図3A〜Bの校正方法について記載する。(例証を簡単にするため、校正画像60は、
図4Aでは二次元画像として描かれているが、校正画像は一般的には三次元であることに留意されたい。)
【0060】
カテーテル24を被験体の身体内に挿入した後、校正画像獲得ステップ76で、校正画像60が獲得される。例えば、
図4Aは、カテーテル24が被験体の心臓28に達すると校正画像が獲得されるシナリオを示す。
図4Aでは、心腔33内の血液が白色で示され、血液がMRIスキャナで見えることを示している。逆に、周囲の組織は暗い陰影で示され、血液よりも水分濃度が低いために、この組織がMRIスキャナで見えにくいことを示している。(
図4Aは、ファントムからのデータに基づいており、したがって、その解剖学的詳細は実際のヒトの解剖学的構造に正確に対応しないことに留意されたい。)
【0061】
校正画像獲得ステップ76では、センサからの信号に基づいて、校正画像中におけるセンサの位置及び配向も獲得される。センサ信号は、当然、センサの座標系(追跡システムの座標系とも呼ばれることがある)に対するセンサの位置及び配向S_CSを提供する。(一般的に、センサは校正画像に示されないので、撮像システムの座標系に対するセンサの位置及び配向は、校正画像のみからは確認不能である。)
【0062】
続いて、DE_CIS確認ステップ78で、校正画像を使用して、撮像システムの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向(DE_CIS)を確認する。例えば、MRIスキャナ22が使用中の撮像システムである場合、カテーテルは一般的にはMRIで見えない材料で作られるので、カテーテル本体の遠位端34は、一般的に、空隙62によって校正画像中に示される。したがって、空隙62を特定することによって、MRIスキャナの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向が確認されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ58は、画像処理技術を使用して空隙を自動的に特定する。
【0063】
図3Aの校正方法では、プロセッサ58は、次に、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_Sを確認する。フロー図で点線の矢印によって示されるように、DE_Sは、次の方法のいずれか1つで確認されてもよい:
(i)いくつかの実施形態では、プロセッサは、S_CIS確認ステップ82で、2つの座標系間の既知の位置合わせを使用して、撮像システムの座標系に対するセンサの位置及び配向S_CISを確認する(S_CS+CS_CIS→S_CIS)。次に、DE_S確認ステップ84で、プロセッサは、撮像システムの座標系に対するセンサ及びカテーテル本体の遠位端両方の既知の位置及び配向を使用して、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_Sを確認する(S_CIS+DE_CIS→DE_S)。
(ii)他の実施形態では、プロセッサは、DE_CS確認ステップ86で、2つの座標系間の既知の位置合わせを使用して、センサの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_CSを確認する(DE_CIS+CS_CIS→DE_CS)。次に、代替のDE_S確認ステップ88で、プロセッサは、センサの座標系に対するセンサ及びカテーテル本体の遠位端両方の既知の座標を使用して、センサに対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_Sを確認する(S_CS+DE_CS→DE_S)。
【0064】
他方で、
図3Bの校正方法では、第1の校正ステップ75から分かるDE_Sを使用して、CS_CISを確認する。フロー図で点線の矢印によって示されるように、CS_CISは、次の方法のいずれか1つで確認されてもよい:
(i)いくつかの実施形態では、プロセッサは、代替のS_CIS確認ステップ90で、センサとカテーテル本体の遠位端との間の既知の位置及び配向のずれを使用して、撮像システムの座標系に対するセンサの位置及び配向S_CISを確認する(DE_CIS+DE_S→S_CIS)。次に、CS_CIS確認ステップ92で、プロセッサは、座標系の両方に対するセンサの既知の位置及び配向を使用して、2つの座標系間の位置合わせCS_CISを確認する(S_CIS+S_CS→CS_CIS)。
(ii)他の実施形態では、プロセッサは、代替のDE_CS確認ステップ94で、センサとカテーテル本体の遠位端との間の既知の位置及び配向のずれを使用して、センサの座標系に対するカテーテル本体の遠位端の位置及び配向DE_CSを確認する(S_CS+DE_S→DE_CS)。次に、代替のCS_CIS確認ステップ96で、プロセッサは、座標系の両方に対するカテーテル本体の遠位端の既知の位置及び配向を使用して、2つの座標系間の位置合わせCS_CISを確認する(DE_CIS+DE_CS→CS_CIS)。
【0065】
図3C及び4Bを参照して更に後述するように、プロセッサは、校正中に獲得される情報を使用して、被験体の心臓の解剖学的若しくは電気解剖学的マッピング、及び/又は心臓アブレーションなどの別の処置の実行を容易にする。
【0066】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、電気解剖学的マッピング処置のためのフロー図である、
図3Cを参照する。更に、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ40(
図1)に表示された三次元電気解剖学的マップ68を含む、視覚的出力63の一例である、
図4Bを参照する。
【0067】
最初に、画像獲得ステップ98で、被験体の身体の関連部分の画像72が獲得される。例えば、被験体の心臓の表面の電気解剖学的マッピングを行うとき、表面の画像が画像獲得ステップ98で獲得されてもよい。(場合によっては、校正画像60が被験体の身体の関連部分を既に示している場合、画像獲得ステップ98は省略されてもよい。言い換えれば、場合によっては、校正画像60は、校正にのみ使用されるのではなく、それよりもむしろ、実際のマッピング又はアブレーションが行われる際にリアルタイムでも使用される。)獲得した画像は、次に視覚的出力63で表示される。
【0068】
続いて、医師がカテーテルを被験体の心臓の表面に沿って移動させるにしたがって、電極31は心臓内ECG信号を記録し、プロセッサは次の一連のステップを繰り返し行う:
(i)データ獲得ステップ100で、プロセッサは、ECG信号を受信及び解析し、また、センサ信号に基づいて、ECG信号が記録された時点における、センサの位置及び配向S_CSを確認する。
(ii)リアルタイムDE_CS確認ステップ102で、プロセッサは、校正中に得られたDE_Sを使用して、S_CSから、カテーテルの遠位端の位置及び配向DE_CSを確認する。
(iii)マップ更新ステップ104で、プロセッサは、電気解剖学的マップ68を更新する。例えば、プロセッサは、ECG信号から様々な局部活性化時間を導き出し、これらの局部活性化時間を反映するように電気解剖学的マップを更新してもよい。この更新を行う際、プロセッサは、DE_CSを使用して、組織上の電極の位置を導き出す。一般的に、マップを更新する際、プロセッサはまた、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を、DE_CSによって示される位置及び配向で、電気解剖学的マップ上に配置する。
(iv)表示ステップ105で、プロセッサは、校正中に得られたCS_CISを使用して、更新された電気解剖学的マップを画像72と位置合わせして表示する。例えば、
図4Bに示されるように、電気解剖学的マップは、視覚的出力63において画像72の上に重ねられてもよい。実際上、画像と位置合わせしてマップを表示することによって、プロセッサは、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を画像の上に重ね合わせる。したがって、医師は、被験体の解剖学的構造に対するカテーテル本体の遠位端の現在の位置及び配向を容易に見ることができる。
【0069】
図4Bは、表示ステップ105の後に見えるようになってもよい、視覚的出力63を示している。視覚的出力63に示される心臓の白色部分は、まだ電気解剖学的にマッピングされていない心臓の部分に相当する。反対に、様々な陰影パターンによって
図4Bに示される、マップの色付き部分は、電気解剖学的にマッピングされている心臓の部分に相当する。様々な色は、例えば、心臓の異なる部分における様々な局部活性化時間に相当し、これらの時間は、上述したようにECG信号から導き出される。
【0070】
任意の時点において、医師は、第1の決定ステップ106で、処置を終わらせることを決定してもよい。医師はまた、第2の決定ステップ108で、新しい画像を獲得することを決定してもよい。
【0071】
一般的に、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現はコンピュータ生成モデル64である。一般的に、モデル64は、例えば、マッピング電極31の視覚的表現70、及び/又はアブレーション電極29の視覚的表現66を含む、カテーテル本体の遠位端に連結されている電極の視覚的表現を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、画像72は獲得されておらず、したがって、電気解剖学的マップは、他の任意の画像上に重ねられるか又は別の形で組み合わされることなく、表示ステップ105で表示される。
【0073】
上述の技術も、必要な変更を加えて、他のタイプの処置に適用されてもよい。例えば、アブレーション処置の間、データ獲得ステップ100で、プロセッサは、アブレーション電流の通過に関連する情報を受信及び/又は解析し、また、アブレーション電流の通過時における、センサの位置及び配向S_CSを獲得してもよい。次に、プロセッサは、上述したように、DE_CSを確認してもよい。マップ更新ステップ104で、プロセッサは次に、DE_CSを使用して組織上におけるアブレーション電極の位置を導き出すことによって決定される、アブレーションを施した組織の範囲に印付けするため、マップにマーカーを追加することによって、電気解剖学的マップ68を更新してもよい。別の方法として、又はそれに加えて、プロセッサは、上述したように、アブレーション処置を案内する助けとするため、カテーテル本体の遠位端の視覚的表現を電気解剖学的マップ上に配置してもよい。
【0074】
本明細書に記載する特定のMRIに基づく実施形態にもかかわらず、本明細書に記載する実施形態は、カテーテル本体の遠位端が撮像システムによって獲得される画像において「ポジ」又は「ネガ」のどちらで見えるかに関係なく、任意の関連する撮像方式を使用して、任意のタイプの撮像システムを用いて実施されてもよいことに留意されたい。更に、本明細書及び図面は主に心臓処置に関連するが、本明細書に記載する装置及び方法は、耳鼻咽喉(ENT)処置又は肺処置など、他のタイプの処置に適用されてもよいことに留意されたい。
【0075】
当業者であれば、本発明が上記で具体的に図示及び記載されたものに限定されない点を理解するであろう。それよりもむしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上述の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形及び修正を含む。参照により本特許出願に組み込まれた文書は、これらの組み込まれた文書で定義されているあらゆる用語が、本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と相反するような場合を除いて、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共に前記カテーテル本体の管腔内部に配設されている、カテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、前記カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)前記センサからの信号に基づいて、ただし前記校正画像に示される前記センサの表示には基づかずに、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を確認することと、
前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記確認された位置及び配向を使用して、視覚的出力を生成することと、を含む、方法。
(2) 前記視覚的出力を生成することが、前記カテーテル本体の前記遠位端の視覚的表現を前記被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記カテーテル本体の前記遠位端が、1つ又は2つ以上の電極を含み、前記カテーテル本体の前記遠位端の前記視覚的表現が、前記1つ又は2つ以上の電極の視覚的表現を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記カテーテル本体の前記遠位端の前記視覚的表現を前記被験体の身体の前記一部分の前記画像上に重ね合わせることが、前記被験体の身体の前記一部分にアブレーションを施す間、前記カテーテル本体の前記遠位端の前記視覚的表現を前記被験体の身体の前記一部分の前記画像上に重ね合わせることを含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記視覚的出力を生成することが、前記被験体の身体の一部分のマップを表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0077】
(6) 前記マップが、前記被験体の心臓の少なくとも一部分の電気解剖学的マップを含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記センサが電磁センサである、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記校正画像が磁気共鳴イメージング(MRI)画像である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記カテーテル本体の前記遠位端の前記表示が、前記カテーテル本体の前記遠位端に相当する前記MRI画像における空隙を含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記位置及び配向を確認することが、
前記校正画像における前記カテーテル本体の前記遠位端の前記表示を特定することによって、前記撮像システムの座標系に対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を確認することと、
前記センサからの前記信号に基づいて、前記センサの前記座標系に対する前記センサの位置及び配向を確認することと、
(i)前記撮像システムの前記座標系に対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記確認された位置及び配向、(ii)前記センサの前記座標系に対する前記センサの前記確認された位置及び配向、並びに(iii)前記センサの前記座標系と前記撮像システムの前記座標系との間の以前の位置合わせに基づいて、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記位置及び配向を確認することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
【0078】
(11) カテーテルであって、
管腔を画成するように形作られたカテーテル本体であって、前記カテーテル本体の遠位端が1つ又は2つ以上の電極を備える、カテーテル本体と、
電磁センサを備えると共に、前記カテーテル本体の前記管腔内部に位置するように構成されている、カテーテル軸体と、を備える、カテーテル。
(12) 装置であって、
電気的インターフェースと、
プロセッサであって、
(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共に前記カテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、前記カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)前記センサからの信号に基づいて、ただし前記校正画像に示される前記センサの表示には基づかずに、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を確認し、
前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記確認された位置及び配向を使用して、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する、ように構成された、プロセッサと、を備える、装置。
(13) 前記プロセッサが、前記ディスプレイを駆動して前記カテーテル本体の前記遠位端の視覚的表現を前記被験体の身体の一部分の画像上に重ね合わせることによって、前記ディスプレイを駆動して前記視覚的出力を生成するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記カテーテル本体の前記遠位端が1つ又は2つ以上の電極を含み、前記カテーテル本体の前記遠位端の前記視覚的表現が前記1つ又は2つ以上の電極の視覚的表現を含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記プロセッサが、前記ディスプレイを駆動して前記被験体の身体の一部分のマップを表示させることによって、前記ディスプレイを駆動して前記視覚的出力を生成するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
【0079】
(16) 前記マップが、前記被験体の心臓の少なくとも一部分の電気解剖学的マップを含む、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記センサが電磁センサである、実施態様12に記載の装置。
(18) 前記校正画像が磁気共鳴イメージング(MRI)画像である、実施態様12に記載の装置。
(19) 前記カテーテル本体の前記遠位端の前記表示が、前記カテーテル本体の前記遠位端に相当する前記MRI画像における空隙を含む、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記プロセッサが、
前記校正画像における前記カテーテル本体の前記遠位端の前記表示を特定することによって、前記撮像システムの座標系に対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を確認することと、
前記センサからの前記信号に基づいて、前記センサの前記座標系に対する前記センサの位置及び配向を確認することと、
(i)前記撮像システムの前記座標系に対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記確認された位置及び配向、(ii)前記センサの前記座標系に対する前記センサの前記確認された位置及び配向、並びに(iii)前記センサの前記座標系と前記撮像システムの前記座標系との間の以前の位置合わせに基づいて、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記位置及び配向を確認することと、
によって、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記位置及び配向を確認するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
【0080】
(21) プログラム命令が格納される有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令がプロセッサによって読み取られると、前記プロセッサは、
(i)カテーテル本体と、(ii)センサを含むと共に前記カテーテル本体の管腔内部に配設されているカテーテル軸体と、を含むカテーテルが、被験体の身体内部にある間、(a)撮像システムによって獲得される、前記カテーテル本体の遠位端の表示を示す校正画像、及び(b)前記センサからの信号に基づいて、ただし前記校正画像に示される前記センサの表示には基づかずに、前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の位置及び配向を確認し、
前記センサに対する前記カテーテル本体の前記遠位端の前記確認された位置及び配向を使用して、ディスプレイを駆動して視覚的出力を生成する、コンピュータソフトウェア製品。