特許第6869761号(P6869761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 太平洋セメント株式会社の特許一覧

特許6869761発塵抑制用組成物および水硬性粉状組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869761
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】発塵抑制用組成物および水硬性粉状組成物
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20210426BHJP
   C04B 24/02 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 24/06 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 24/38 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C04B28/02
   C04B24/02
   C04B24/06 A
   C04B24/38 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-49368(P2017-49368)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-150214(P2018-150214A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】野崎 隆人
(72)【発明者】
【氏名】松山 祐介
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−1643(JP,A)
【文献】 特開昭57−98579(JP,A)
【文献】 特開昭52−140489(JP,A)
【文献】 特開平7−206504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B7/00−32/02
C04B40/00−40/06
C04B103/00−111/94
C09K3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発塵抑制用組成物および固化材を含む水硬性粉状組成物であって、
上記発塵抑制用組成物が、下記一般式(1):
HO−[R−O]−R−O−R (1)
(式中、Rはアルキレン基であり、Rはアルキル基であり、xは1以上の整数である。)で表されるアルコール化合物を含むことを特徴とする水硬性粉状組成物
【請求項2】
上記アルコール化合物の分子量が、500以下である請求項1に記載の水硬性粉状組成物
【請求項3】
上記発塵抑制用組成物が、デンプン類を含む請求項1又は2に記載の水硬性粉状組成物
【請求項4】
上記発塵抑制用組成物が、水和遅延剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の水硬性粉状組成物
【請求項5】
上記水硬性粉状組成物が、水を含む、または、水を含まない請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性粉状組成物。
【請求項6】
上記固化材100質量部当たり、上記アルコール化合物の量が0.1〜2.0質量部であり、水の量が0〜1.0質量部である請求項に記載の水硬性粉状組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発塵抑制用組成物および水硬性粉状組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉塵の発生(発塵)を抑制するための様々な方法が知られている。
例えば、特許文献1には、デンプン類、水和遅延剤、およびアルコール化合物を含むことを特徴とする発塵抑制用組成物が記載されている。また、該発塵抑制用組成物、固化材、および水を含む水硬性粉状組成物であって、上記固化材100質量部当たり、上記デンプン類の量が0.01〜0.3質量部であり、上記水和遅延剤の量が0.01〜0.4質量部であり、上記アルコール化合物の量が0.1〜3質量部であり、水の量が0.5〜3質量部である水硬性粉状組成物が記載されている。
また、特許文献2には、(A)水硬率(H.M.)が2.00〜2.10、フリーライム量が0.1〜1.0質量%、全クロム量が200ppm以上、及び、全クロム量中の全六価クロムの割合が20質量%以下であるセメントクリンカーの粉砕物、及び、石膏を含む固化材であって、該固化材中のSO3の割合が3.5〜15質量%である固化材、(B)アルコール化合物、水和遅延剤、及びデンプン類からなる群より選ばれる1種以上の発塵抑制材、及び、(C)水、を含むことを特徴とする水硬性粉状組成物が記載されている。また、(B)発塵抑制材がアルコール化合物であり、上記(A)固化材100質量部当たり、上記(B)発塵抑制材の量が0.1〜5質量部で、かつ上記(C)水の量が0.05〜2質量部である上記水硬性粉状組成物が記載されている。
さらに、特許文献1および2には、上記発塵抑制用組成物や上記発塵抑制材で用いられるアルコール化合物の例として、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が記載されている。
特に、特許文献2には、発塵の抑制効果が向上する観点から、ジエチレングリコールが好ましいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−69464号公報
【特許文献2】特開2016−172651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発塵を抑制するための水硬性粉状組成物として、デンプン類、水和遅延剤、固化材、及び水を含む組成物を用いる場合、この組成物(粉状物)の強度を高めるために水の量を増やすと、以下の問題がある。すなわち、この組成物(粉状物)を収容した袋を、多数積み重ねると、下方に位置する袋の中の組成物(粉状物)が、上方に位置する袋の重みによって固結し易くなり、この固結した組成物(粉状物)が不良品になるという問題である。
本発明の目的は、固化材(例えば、セメント系固化材等)と混合して用いるための発塵抑制用組成物であって、該組成物と固化材を混合して水硬性粉状組成物(発塵抑制性能を有する粉状の固化材)を調製した場合に、該水硬性粉状組成物が、保管時に固結し難く、かつ、使用時における発塵を十分に抑制することができる発塵抑制用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアルコール化合物を含む発塵抑制用組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] アルコール化合物を含む発塵抑制用組成物であって、上記アルコール化合物が、下記一般式(1):
HO−[R−O]−R−O−R (1)
(式中、Rはアルキレン基であり、Rはアルキル基であり、xは1以上の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする発塵抑制用組成物。
[2] 上記アルコール化合物の分子量が、500以下である前記[1]に記載の発塵抑制用組成物。
[3] デンプン類を含む前記[1]又は[2]に記載の発塵抑制用組成物。
[4] 水和遅延剤を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の発塵抑制用組成物。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の発塵抑制用組成物および固化材を含む水硬性粉状組成物。
[6] 水を含む前記[5]に記載の水硬性粉状組成物。
[7] 上記固化材100質量部当たり、上記アルコール化合物の量が0.1〜2.0質量部であり、水の量が0〜1.0質量部である前記[6]に記載の水硬性粉状組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の発塵抑制用組成物と、固化材を混合して、水硬性粉状組成物(発塵抑制性能を有する粉状の固化材)を調製した場合、該水硬性粉状組成物は、以下の優れた物性を有する。
該水硬性粉状組成物は、該組成物中の粉体(本発明の発塵抑制用組成物および固化材)以外の材料である水の量を例えば固化材100質量部当たり1質量部以下に低減させても、使用時に発生する粉塵の量が少なく、施工者の作業環境を良好に保つことができる。また、この場合、水の量が少ないので、該水硬性粉状組成物を収容した袋を多数積み重ねても、下方に位置する袋の中の水硬性粉状組成物が、上方に位置する袋の重みによって固結するという問題が生じにくい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の発塵抑制用組成物は、アルコール化合物を含む発塵抑制用組成物であって、上記アルコール化合物が、下記一般式(1):
HO−[R−O]−R−O−R (1)
(式中、Rはアルキレン基であり、Rはアルキル基であり、xは1以上の整数である。)
で表される化合物であるものである。
本発明で用いられるアルコール化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
HO−[R−O]−R−O−R (1)
(式中、Rはアルキレン基であり、Rはアルキル基であり、xは1以上の整数である。)
上記一般式(1)中、Rの炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは2〜3である。Rの炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3である。Xは、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3である。R及びRの炭素数、並びに、Xの数値が上記数値範囲内であれば、発塵をより抑制することができる。また、入手が容易となり、材料にかかるコストを低減することができる。なお、一般式(1)中に複数存在するRの炭素数は、各々、同じであっても異なっていてもよい。
上記アルコール化合物の分子量は、好ましくは500以下、より好ましくは100〜300、さらに好ましくは110〜250、さらに好ましくは125〜200、特に好ましくは130〜155である。分子量が上記数値範囲内であれば、発塵をより抑制することができる。また、分子量が500以下であるアルコール化合物は入手が容易であり、材料にかかるコストを低減することができる。
【0008】
上記一般式(1)で表される化合物の例としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。中でも、発塵をより抑制することができる観点から、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、廃棄物の有効利用および材料にかかるコストの低減の観点から、一般式(1)で表される化合物として、廃アルコールから分留したものを用いてもよい。
【0009】
本発明の発塵抑制用組成物は、発塵をより抑制する観点から、デンプン類を含んでいてもよい。
本発明で用いられるデンプン類とは、デンプンの他に化工デンプンを含む。
ここで、化工デンプンとは、デンプンに物理的、酵素的または化学的処理を行なったものをいう。化工デンプンの例としては、アルファー化デンプン、デキストリン、酸化デンプン、酵素処理デンプン、デンプン誘導体等が挙げられる。
デンプン誘導体の例としては、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、架橋デンプン等が挙げられる。
エーテル化デンプンの例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カチオンデンプン等が挙げられる。エステル化デンプンの例としては、酢酸デンプン、リン酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン等が挙げられる。架橋デンプンの例としては、リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。
中でも、発塵抑制効果の継続性、及び、水硬性粉状組成物(後述)の強度発現性等の観点から、デンプン、およびアルファー化デンプンが好ましく、デンプンがより好ましい。
デンプン類は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明の発塵抑制用組成物は、発塵をより抑制する観点から、水和遅延剤を含んでいてもよい。
本発明で用いられる水和遅延剤とは、固化材と水が接触した際に起こる水和反応を遅延させるものであればよい。
水和遅延剤の例としては、ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、糖類、無機酸もしくはその塩等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸の例としては、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヘプトン酸、ガラクトン酸等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸の塩の例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。糖類の例としては、グルコース、サッカロース、デキストリン等が挙げられる。無機酸の例としては、リン酸、硼酸等が挙げられる。無機酸の塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
中でも、発塵抑制効果の継続性、及び、水硬性粉状組成物の強度発現性等の観点から、クエン酸もしくはその塩、グルコン酸もしくはその塩、およびグルコースが好ましく、クエン酸もしくはその塩、および、グルコン酸もしくはその塩が、より好ましい。
水和遅延剤としては、市販のセメントの凝結遅延剤、生石灰の水和遅延剤等を用いることができる。
水和遅延剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明の発塵抑制用組成物に含まれるデンプン類と水和遅延剤の質量比(デンプン類/水和遅延剤)は、好ましくは90/10〜1/99、より好ましくは85/15〜10/90、さらに好ましくは80/20〜20/80、特に好ましくは75/25〜25/75である。該比が90/10以下であれば、発塵の抑制効果が向上する。該比が1/99以上であれば、水硬性粉状組成物の強度発現性が向上する。また、水硬性粉状組成物の保管期間が長くなった場合においても、発塵の抑制効果が十分となる。さらに、該比が80/20〜25/75であれば、発塵の抑制効果および水硬性粉状組成物の強度発現性がより優れたものとなり、かつ、水硬性粉状組成物の固結がより起こりにくくなる。
【0012】
また、後で詳述する固化材100質量部に対する、本発明の発塵抑制用組成物に含まれるデンプン類と水和遅延剤の合計量は、好ましくは0.01〜0.5質量部、より好ましくは0.02〜0.4質量部、さらに好ましくは0.03〜0.3質量部、特に好ましくは0.03〜0.1質量部である。
該量が0.02質量部以上であれば、発塵の抑制効果が向上する。該量が0.5質量部以下であれば、コストが低くなるとともに、水硬性粉状組成物の強度発現性が向上する。
【0013】
本発明の水硬性粉状組成物は、上記発塵抑制用組成物および固化材を含むものである。
上記固化材の例としては、セメント、セメントを含む粉状組成物(例えば、セメント系固化材等)、石灰、石灰を含む粉状組成物(例えば石灰系固化材)等の、水硬性を有するカルシウム系粉体が挙げられる。
上記セメントの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を使用することができる。
本発明の水硬性粉状組成物は、発塵をより抑制する観点から、水を含んでいてもよい。
水としては、特に限定されるものではなく、水道水等を用いることができる。
【0014】
上記アルコール化合物の量は、上記固化材100質量部当たり、好ましくは0.1〜2.0質量部、より好ましくは0.2〜1.8質量部、さらに好ましくは0.3〜1.6質量部、さらに好ましくは0.4〜1.5質量部、特に好ましくは0.8〜1.4質量部である。該量が0.1質量部以上であれば、水硬性粉状組成物の固結が起こりにくくなる。該量が2質量部以下であれば、強度発現性が向上する。
【0015】
上記デンプン類の量は、上記固化材100質量部当たり、好ましくは0.01〜0.3質量部、より好ましくは0.015〜0.2質量部、特に好ましくは0.02〜0.15質量部である。該量が0.01質量部以上であれば、発塵の抑制効果および強度発現性が向上する。該量が0.3質量部以下であれば、水硬性粉状組成物の固結が起こりにくくなる。
【0016】
上記水和遅延剤の量は、上記固化材100質量部当たり、好ましくは0.003〜0.2質量部、より好ましくは0.005〜0.15質量部、特に好ましくは0.008〜0.1質量部である。該量が0.03質量部以上であれば、発塵の抑制効果が向上する。該量が0.2質量部以下であれば、強度発現性が向上する。
【0017】
上記水の量は、上記固化材100質量部当たり、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.7質量部、特に好ましくは0.1質量部以上、0.5質量部未満である。該量が0.01質量部以上であれば、発塵の抑制効果が向上する。該量が1質量部以下であれば、発塵の抑制効果および強度発現性が向上し、かつ、水硬性粉状組成物の固結が起こりにくくなる。
【0018】
上記水硬性粉状組成物の製造方法としては、(1)固化材とデンプン類を混合してなる混合物に、水和遅延剤とアルコール化合物と水を予め混合してなる水溶液を添加しながら混練する方法、(2)水とデンプン類と水和遅延剤とアルコール化合物を混合して、水溶液または懸濁液を調製し、該水溶液または懸濁液を固化材に添加しながら混練する方法、等が挙げられる。
中でも、作業性の観点から、前記(1)の方法が好ましい。
本発明の水硬性粉状組成物は、運搬、保存、施工時等において、粉塵の発生が少なく、これら施工時等における作業環境を良好にすることができる。
【0019】
上記固化材がセメントの場合、セメントを含む水硬性粉状組成物と、水(混練水)と、細骨材を混合することでモルタルを得ることができる。また、セメントを含む水硬性粉状組成物と、水(混練水)と、細骨材と、粗骨材を混合することによって、コンクリートを得ることができる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
[使用材料]
(1)固化材:セメント系固化材(太平洋セメント社製、商品名「ジオセット200」)
(2)デンプン類:デンプン(昭和産業社製、コーンスターチ)
(3)水和遅延剤:グルコン酸ナトリウム(試薬)
(4)アルコール化合物A:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:120、濃度:100質量%)
(5)アルコール化合物B:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(分子量:148、濃度:100質量%)
(6)アルコール化合物C:トリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:164、濃度:100質量%)
(7)アルコール化合物D:ジエチレングリコール(分子量:106、濃度:100質量%)
(8)水:水道水
【0021】
[実施例1]
表1に示すように、セメント系固化材100質量部、デンプン0.03質量部、グルコン酸ナトリウム(水和遅延剤)0.01質量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(アルコール化合物A)1.2質量部、および水0.3質量部を混合して、水硬性粉状組成物を製造した。
得られた水硬性粉状組成物を10日間、20℃の条件下で保管したのち、発塵量を測定した。
発塵量は、テフロン処理防塵固化材技術資料の付録−1「テフロン処理防塵固化材の発塵試験方法」に準じ、浮遊粉塵量として測定した。なお、テフロンは登録商標である。デジタル粉塵計としては、柴田科学社製のデジタル粉じん計LD−5D型を用いた。具体的には、内径7.5cm、高さ10cmの円筒状の試料落下装置の片側を、平滑なプラスチック板で蓋をして、試験落下装置の中に水硬性粉状組成物200gを、強く締固めないように注意して、緩めに秤量した。
内径39cm、高さ59cmの円筒容器の頂部投入口(直径7.5cm)より水硬性粉状組成物200gを自然落下させ、底面より高さ45cmの位置の容器内の浮遊粉塵量(相対濃度CPM[Count Per Minute])を散乱光式デジタル粉塵計により測定した。
【0022】
浮遊粉塵量の測定は、試料落下直後から1分間計測を連続して5回行い、試料投入前の測定値(ダークカウント)を差し引いた値の幾何平均値を、下記式(2)より求め、当該試料の「発塵量」とした。結果を表1に示す。
LogX=k/5Σlog(X−d) ・・・(2)
(上記式(2)中、Xは個々の測定値を示し、kは粉塵計の装置係数を示し、dはダークカウントを示す。)
【0023】
[実施例2〜4、比較例1]
アルコール化合物として、表1に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして、水硬性粉状組成物を製造した。得られた水硬性粉状組成物の発塵量の測定を、実施例1と同様にして行った。
以上の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
[実施例4]
表2に示すように、セメント系固化材100質量部、デンプン0.03質量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(アルコール化合物A)1.2質量部を混合して、水硬性粉状組成物を製造した。得られた水硬性粉状組成物の発塵量の測定を、実施例1と同様にして行った。
[実施例5〜6、比較例2]
アルコール化合物として、表2に示すものを用いた以外は実施例4と同様にして、水硬性粉状組成物を製造した。得られた水硬性粉状組成物の発塵量の測定を、実施例1と同様にして行った。
以上の結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
表1から、本発明の発塵抑制用組成物(デンプン類、アルコール化合物、水和遅延剤からなるもの)と固化材と水を含む水硬性粉状組成物(実施例1〜3)の発塵量(19〜49CPM)は、アルコール化合物としてジエチレングリコールを用いた発塵抑制用組成物(デンプン類、アルコール化合物、水和遅延剤からなるもの)と固化材と水を含む水硬性粉状組成物(比較例1)の発塵量(83CPM)よりも少ないことがわかる。
また、表2から、本発明の発塵抑制用組成物(デンプン類、アルコール化合物からなるもの)と固化材を含む水硬性粉状組成物(実施例4〜6)の発塵量(42〜56CPM)は、アルコール化合物としてジエチレングリコールを用いた発塵抑制用組成物(デンプン類、アルコール化合物からなるもの)と固化材と含む水硬性粉状組成物(比較例2)の発塵量(168CPM)よりも少ないことがわかる。