特許第6869812号(P6869812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6869812ワイパーのためのエンドピース及び対応するワイピングアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869812
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】ワイパーのためのエンドピース及び対応するワイピングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   B60S1/38 B
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-108193(P2017-108193)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2017-222341(P2017-222341A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2020年4月22日
(31)【優先権主張番号】1654874
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ロマン、ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、シュバリエ
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−500429(JP,A)
【文献】 特表2013−519578(JP,A)
【文献】 特開2013−71627(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0052865(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0235896(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向延在軸線にほぼしたがって延びる剛性付与要素(110,160)が設けられたワイパー(2,102,202,302,402)のためのエンドピース(18,100,200,300,400)であって、前記エンドピース(110,160)が前記剛性付与要素の受け入れのためのチャネル(120,220,320,420)を備え、このチャネルが前記エンドピースの第1の長手方向端部(180)で開口し、前記エンドピースが、第1の位置決めストッパ(130,230,330,430)と、前記受け入れチャネル(120,220,320,420)の内部でこの剛性付与要素をロックするための第1の手段(150,250,350)とを備える、エンドピース(18,100,200,300,400)において、互いに異なる寸法を有する第1のタイプの剛性付与要素又は第2のタイプの剛性付与要素と等しく良好に協働するように少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(140,240,440)を備え、前記第1の位置決めストッパ(130,230,330,430)は、前記第1のタイプの剛性付与要素(110)が前記受け入れチャネル内に挿入されるときに作用し、前記少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(140,240,440)は、前記第2のタイプの剛性付与要素(160)が前記エンドピース(100,200,300,400)の受け入れのための前記チャネル(120,220,320,420)内に挿入されるときに作用することを特徴とするエンドピース(18,100,200,300,400)。
【請求項2】
前記第1のストッパ(130,230,330,430)及び前記少なくとも1つの第2のストッパ(140,240,440)は、前記受け入れチャネル(120,220,330,420)の内部で横方向に延びることを特徴とする請求項1に記載のエンドピース。
【請求項3】
少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(140,240)の自由端(141,241)は、前記第1の位置決めストッパ(130,230)の自由端(131,231)よりも長手方向中央面に近い位置に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンドピース。
【請求項4】
前記第1の位置決めストッパ及び前記少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、前記エンドピース(100)の少なくとも1つの側壁(122)から突出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエンドピース。
【請求項5】
少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(140)は、前記エンドピースの前記第1の長手方向端部(180)に対して前記第1の位置決めストッパ(130)よりも奥まった所に置かれるように前記チャネル(120)内に配置されることを特徴とする請求項4に記載のエンドピース。
【請求項6】
少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(140)は、第1のタイプの剛性付与要素(110)のための第1のストッパ面(142)と、第2のタイプの剛性付与要素(160)のための第2のストッパ面(141)とを有することを特徴とする請求項5に記載のエンドピース。
【請求項7】
少なくとも1つの第2の位置決めストッパ(240)は、第1のタイプの剛性付与要素(110)の通過時に待避可能な手段から成ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のエンドピース。
【請求項8】
前記待避可能手段は、第1の位置決めストッパの一部を形成する固定スタッド(230)の延長に配置される少なくとも1つの待避可能スタッド(240)を備えることを特徴とする請求項7に記載のエンドピース。
【請求項9】
少なくとも1つの待避可能スタッド(240)が固定スタッド(230)の厚さよりも小さい厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のエンドピース。
【請求項10】
前記待避可能手段は、前記第1のストッパを形成する固定スタッドとは別個の待避可能スタッドであることを特徴とする請求項7に記載のエンドピース。
【請求項11】
第2のロック手段(370)を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のエンドピース。
【請求項12】
前記第1のロック手段(350)及び前記第2のロック手段(370)は、前記エンドピース(300)の受け入れのための前記チャネル(320)を画定する2つの対向する側壁からそれぞれ延びることを特徴とする請求項11に記載のエンドピース。
【請求項13】
第3の位置決めストッパ(143,243,443)がベース壁(121,221,421)から突出して配置されるスタッドを備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のエンドピース。
【請求項14】
前記剛性付与要素の受け入れのための前記チャネルが開口する横壁を備え、前記横壁は、前記エンドピースの側面の端部と共に、前記ワイパーの本体のためのレセプタクル(15)を形成することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のエンドピース。
【請求項15】
少なくとも1つのワイパーブレードと剛性付与要素(110,160)とを備えるワイパー(2,102,202,302,402)を備え、前記ワイパーは、該ワイパーの前記剛性付与要素の長手方向端部に嵌め付けられるように構成される請求項1から14のいずれか一項に記載のエンドピース(100,200,300,400)をその長手方向端部のうちの少なくとも一方に備え、同じ前記エンドピースが第1又は第2のタイプの剛性付与要素と共に等しく良好に使用されるワイピングアセンブリ。
【請求項16】
前記エンドピースは、ベース壁(421)から突出して配置されるスタッド(443)を備え、このスタッドの形状及び寸法は、剛性付与要素(160)の端部(161)に存在する切り欠き(164)と協働できることを特徴とする請求項15に記載のワイピングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両の窓のワイピングの分野に関し、特に、ワイパーアセンブリの分野に関する。より具体的には、本発明は、ワイパーブレードの少なくとも一端に嵌め付けられるエンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
車両窓には、一般に、電動手段によって回動される少なくとも1つのワイパーアームと、アームの自由端に配置されるワイパーとを備えるワイピングアセンブリが設けられる。ワイパーは、一般に、清掃されるべき窓に当て付けて配置され得るゴム製のワイパーブレードを嵌め付けるための支持要素と、長手方向の摺動によって支持要素内に予め導入されるブレードを阻止するための少なくとも1つのエンドピースとを備える。
【0003】
加えて、特に1つのバーティブラ/複数のバーティブラの形態を成す1つの又は複数の剛性付与要素を備えるワイパーが知られており、剛性付与要素はワイパーの全長にほぼ沿って延び、また、剛性付与要素の機能は、剛性付与要素のバネ作用によってワイパーブレードとウインドスクリーンとの接触を確保することである。また、これらの剛性付与要素は、要素に形成される切り欠きとエンドピースにより支持される可撓性手段の相補的な形状とを用いてエンドピース内にワイパーを固定することに関与するように構成される。
【0004】
各エンドピースは、ワイパーと関連付けられる少なくとも1つの剛性付与要素の端部を受けて阻止するように構成される受け入れチャネルを備える。したがって、受け入れチャネルは、剛性付与要素の形状及び寸法にしたがって配置される。しかしながら、剛性付与要素の端部の形状及び寸法は、ワイパーモデルにしたがって異なり得る。その結果、それぞれのワイパーモデルごとに特定のエンドピースが使用されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに関連して、本発明の目的は、特定の寸法を有する剛性付与要素がそれぞれ設けられる異なるワイパーに適合できるようにするとともに長手方向延在軸線にしたがってほぼ延びる標準的なエンドピースを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエンドピースは、特に、剛性付与要素の受け入れのためのチャネルを備え、このチャネルは、エンドピースの第1の長手方向端部で開口する。また、エンドピースは、第1の位置決めストッパ、及び、剛性付与要素を受け入れチャネルの内部でロックするための第1の手段も備える。第1の位置決めストッパは、受け入れチャネル内への第1の剛性付与要素の挿入を案内するようになっており、一方、第1のロック手段は、この第1の剛性付与要素をエンドピース内に保持するように形成される。
【0007】
本発明は、エンドピースが互いに異なる寸法を有する第1又は第2のタイプの剛性付与要素と等しく良好に協働するように少なくとも1つの第2の位置決めストッパを備えることを特徴とする。この場合、「寸法」とは、エンドピースの受け入れのためのチャネル内に挿入されるように形成される剛性付与要素の端部の寸法を意味する。この場合に関与する寸法は、剛性付与要素のその長手方向延在軸線に対して垂直な平面上で規定される寸法、すなわち、剛性付与要素の幅及び/又は剛性付与要素の高さ、又は、剛性付与要素の長手方向延在軸線にしたがって規定される寸法、すなわち、剛性付与要素の長さであってもよい。好適には、第1の位置決めストッパは、第1のタイプの剛性付与要素が受け入れチャネル内に挿入されるときに作用するようにエンドピース内に配置され、前記少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、第2のタイプの剛性付与要素がエンドピースの受け入れのためのチャネル内に挿入されるときに作用する。異なるタイプの剛性付与要素がエンドピース内に選択的に導入されるのが分かる。このように、本発明は、単一のエンドピースが異なる寸法を有する剛性付与要素に適合できるようにし、したがって、異なるワイパーモデルに適合できるようにする。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、第1の位置決めストッパ及び少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、受け入れチャネルの内部でエンドピースの少なくとも1つの壁から延びる。言い換えると、位置決めストッパは、剛性付与要素がエンドピースの受け入れのためのチャネル内に存在するときに剛性付与要素の長手方向延在軸線に対して垂直又は略垂直となるように側壁から延びて、エンドピースの内側に配置されてもよく、また、ストッパは、それらがエンドピースのベース壁から延びるときには長手方向延在軸線と略平行に配置されてもよい。したがって、第1の位置決めストッパ及び少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、エンドピースの少なくとも1つの側壁から、側壁が受け入れチャネルの少なくとも一部を画定するという理解に基づき突出してもよい。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、少なくとも1つの第2の位置決めストッパの自由端は、第1の位置決めストッパの自由端よりも長手方向中央面に近い位置に配置される。用語「長手方向中央面」とは、エンドピースの受け入れのためのチャネルの中央を通り過ぎる平面を意味する。したがって、第1の位置決めストッパ及び少なくとも1つの第2の位置決めストッパがそれぞれ第1及び第2のタイプの剛性付与要素のうちの1つの剛性付与要素の挿入を案内してもよく、その場合、第1のタイプの剛性付与要素は第2のタイプの剛性付与要素よりも大きい寸法を有する。
【0010】
少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、エンドピースの第1の長手方向端部とエンドピース内への剛性付与要素の挿入方向とに対して第1の位置決めストッパよりも奥まった所に置かれるようにチャネル内に配置されることが想定し得る。言い換えると、第1の位置決めストッパは、第2の位置決めストッパの前に、エンドピースの第1の長手方向端部によってそのエンドピース内への挿入中に到達され得る。
【0011】
この場合、特に、少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、第1のタイプの剛性付与要素のための第1のストッパ面と、第2のタイプの剛性付与要素のための第2のストッパ面とを有することができる。それらの名前が示すように、ストッパ面は、あるタイプの剛性付与要素と、エンドピースの受け入れのためのチャネル内へのその剛性付与要素の導入中に接触するように形成される。その目的が第2のタイプの剛性付与要素の位置決めを確保することであるこのタイプの第2の位置決めストッパも、その第1のストッパ面の作用により、第1のタイプの剛性付与要素の位置決めに関与できることが理解される。
【0012】
単独で又は組み合わせて解釈される一連の特徴によれば:
−少なくとも1つの第2の位置決めストッパは、第1のタイプの剛性付与要素の通過時に待避可能な手段を備えることが想定し得る。用語「待避可能」とは、エンドピースの受け入れのためのチャネル内で第2のタイプの剛性付与要素の寸法よりも大きい寸法を有する第1のタイプの剛性付与要素の通過を許容するように湾曲又は破壊可能な手段を示す。したがって、第1のタイプの剛性付与要素の受け入れチャネル内への導入を妨げることなく、第2の位置決めストッパを第1の位置決めストッパよりも上流側に配置することができる。用語「上流」は、受け入れチャネル内への剛性付与要素の導入方向に対して規定される。好適には、本発明のこの特徴は、受け入れチャネル内の位置決めストッパの配置においてより大きな自由度を可能にする;
−待避可能手段は、固定スタッドの延長に配置される少なくとも1つの待避可能スタッドを備え、この固定スタッドが第1の位置決めストッパの一部を形成することが想定し得る;
−待避可能スタッドが固定スタッドの厚さよりも小さい厚さを有することが想定し得る。用語「厚さ」は、この場合、エンドピースの受け入れのためのチャネル内のスタッドの延在軸線に対して垂直又は略垂直な平面上のスタッドの寸法を意味する;
−待避可能手段は、第1のストッパを形成する固定スタッドとは別個のスタッドであることが想定し得る。
【0013】
エンドピースに第2のロック手段を設けることができ、また、これに関連して、第1及び第2のロック手段は、エンドピースの受け入れのためのチャネルを画定する2つの対向する側壁からそれぞれ延びることができる。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、少なくとも1つの第3の位置決めストッパが、ベース壁から突出する例えばスタッドの形態を成して配置される。この場合、用語「ベース壁」は、受け入れチャネルを画定する壁を意味し、この壁は、エンドピースの第1の長手方向端部の反対側にあって側壁と隣接する。好ましくは、ベース壁から突出して配置されるスタッドは、エンドピース内に導入される剛性付与要素の端部と協働するように構成されるその自由端を有する。例えば、このスタッドは、剛性付与要素の端部に存在するレセプタクル又は切り欠きと相補的である又は適合する形状及び寸法を有することができる。
【0015】
エンドピースは、剛性付与要素の受け入れのためのチャネルが開口する横壁を備えてもよい。特に、前記横壁は、エンドピースの側壁の端部と共に、ワイパーの本体のためのレセプタクルを形成する。特に、この本体は、一体である又は一体でない支持要素及びディフレクタを備える。言い換えると、エンドピースの第1の端部は、前記ワイパーに対するエンドピースのより良い保持を確保するように、ワイパーの一部を受け入れることができるキャビティを備えてもよい。受け入れチャネルが前記キャビティの底部に通じるのが分かる。
【0016】
加えて、本発明は、電動アセンブリにより駆動されるワイパーを備えるワイピングアセンブリにも関連し、前記ワイパーはワイパーブレードと剛性付与要素とを備え、剛性付与要素は、その長手方向端部の少なくとも一方に、先に規定されたエンドピースを備える。
【0017】
エンドピースは、ワイパーの剛性付与要素の長手方向端部に嵌め付けられるように構成され、同じエンドピースが第1又は第2のタイプの剛性付与要素と共に等しく良好に使用されることが想定し得る。
【0018】
また、エンドピースは、ベース壁から突出して配置されるスタッドを備えることもでき、このスタッドの形状及び寸法は、剛性付与要素の端部に存在する切り欠きと協働できる。
【0019】
前述した本発明の特徴、変形、及び、異なる実施形態を異なる組み合わせにしたがって互いに関連付けることができるのが分かる。
【0020】
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、以下の添付図面に関連する非限定的な例の以下の詳細な説明を読むことにより更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るワイピングアセンブリの概略斜視図である。
図2a図1に表される切断面II−IIにしたがった横断面における第1のタイプの剛性付与要素を備えるように構成されるワイピングアセンブリの図である。
図2b図1に表される切断面II−IIにしたがった横断面における第2のタイプの剛性付与要素を備えるように構成されるワイピングアセンブリの図である。
図3】ワイパーに剛性を付与するための第1のタイプの要素に固定される本発明の第1の実施形態に係るエンドピースの図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
図4】ワイパーに剛性を付与するための第2のタイプの要素に固定される本発明の第1の実施形態に係るエンドピースの図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
図5】ワイパーに剛性を付与するための第2のタイプの要素に固定される本発明の第2の実施形態に係るエンドピースの図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
図6】ワイパーに剛性を付与するための第1のタイプの要素に固定される本発明の第2の実施形態に係るエンドピースの図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
図7】本発明の第3の実施形態の図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
図8】本発明の第4の実施形態の図2a及び図2bに表される切断面A−A’にしたがった上から見た部分的な長手方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ワイピングアセンブリ1が図1に示される。ワイピングアセンブリは、主に、作動アーム6の端部にコネクタ4によって保持されるワイパー2を備える。作動アームは、例えばその移動中などにおいて、ワイパーが車両のウインドスクリーンの少なくとも一部を清掃できるようにするために、モータ(図示せず)によって駆動される。この目的のため、ワイパー2は、ワイパーブレード10を支持してワイパーブレードをウインドスクリーンの表面に当て付けたままにするべく構成される支持要素8(図2に示される)を備える。より具体的には、図2に示されるように、支持要素8は、使用位置でウインドスクリーンの方に向けられる下側部分に溝12を有し、この溝12内にはワイパーブレードのヒール14が滑り込まされ、また、支持要素は、ワイパーに沿って、特に延在軸線B−B’(図3に示される)に沿って延びる剛性付与要素又はバーティブラ16のためのレセプタクルも備える。
【0023】
ディフレクタ9が支持要素8を覆うように配置される。図示の例において、このディフレクタは、支持要素とは別個の部品であり、支持要素に固定される。本発明の文脈から逸脱することなく、ディフレクタを支持要素と一体に製造できることが分かる。
【0024】
剛性付与要素のためのレセプタクルは、剛性付与要素のためのガイドレールを形成する壁11によって、側方から、すなわち、延在軸線B−B’に対して横方向で画定される。ワイパーの支持のための要素内に少なくとも2つのタイプの剛性付与要素を挿入することができ、これらの剛性付与要素はそれらの寸法によって区別できる。これらの剛性付与要素のそれぞれの正確な側方保持を行うために、第1のタイプの剛性付与要素を備えるように構成される第1の支持要素には、第1の寸法(第1の幅)にしたがって互いから離間される壁11が設けられ(図2a)、また、第2のタイプの剛性付与要素を備えるように構成される第2の支持要素には、第2の寸法(第2の幅)分だけ互いから離間される壁11が設けられ(図2b)、第2の寸法は第1の寸法よりも小さい。
【0025】
図2a及び図2bにおいて分かるように、壁11の間隔は、ワイパーに設けられる剛性付与要素のタイプにしたがって変えられ、また、それに伴うスポイラーに対する間隔も変えることができるのに対し、ワイパーブレードを受け入れるように構成される支持要素の下側部分は変えられない。
【0026】
ワイパーブレード10がヒールを溝内に挿入することによって所定位置に置かれた時点で、溝12の長手方向端部が図1に示されるエンドピース18によって阻止される。エンドピースによって、ワイパーブレードが溝に沿って移動することによりワイパーから外れるようになることを防止できる。各エンドピース18は、剛性付与要素の端部を受けて阻止するように構成される受け入れチャネル120を備える。エンドピースは、支持要素8から延びる剛性付与要素16の対応する端部とエンドピースとの協働によって所定位置に固定される。剛性付与要素の受け入れのためのチャネルは、エンドピース18の第1の長手方向端部180で開口する。
【0027】
以下では、この受け入れチャネルの、及び、ワイパー内に、特に支持要素内にワイパーブレードを保持するための装置3を所定の剛性付与要素と共に形成するために受け入れチャネル内に配置される位置決めストッパの複数の実施形態の説明を、本発明にしたがって複数の位置決めストッパが第1又は第2のタイプの剛性付与要素と同様に良好に協働できるようにするという理解に基づいて行う。
【0028】
図3及び図4は、剛性付与要素の下側に配置されるワイパーブレードを備えるワイパー102に固定されるエンドピース100の第1の実施形態を示す。
【0029】
図3は、ワイパー102から長手方向に延びる第1のタイプの剛性付与要素110と協働するエンドピースを示す。第1のタイプの剛性付与要素は、第1の幅l及び第1の長さL(特に図6に参照符号が示されている)によって特徴付けられる。本発明において、幅は、支持要素上の案内用レールを画定する壁と対向して配置される剛性付与要素の側壁112を隔てる延在軸線B−B’に対して垂直な距離を意味する。また、剛性付与要素の長さは延在軸線に沿う距離を意味し、この距離にしたがって剛性付与要素が支持要素の端部から突出する。
【0030】
剛性付与要素の端部111は、エンドピース100に設けられる受け入れチャネル120に挿入される。受け入れチャネルは、チャネルの側壁122に隣接するベース壁121によって画定される。各側壁122は少なくとも2つの第1の位置決めストッパ130を備え、これらの第1の位置決めストッパ130は、それらの対応する側壁122から突出するように、受け入れチャネルの内部で横方向に延びる。図示の例では、第1の位置決めストッパがスタッドの形態を成す。より具体的には、第1の位置決めストッパは、頂端131を形成するそれらの自由端を第1のタイプの剛性付与要素110の側壁112に対してこの剛性付与要素の受け入れチャネル内への挿入中に当て付けて支持できるように、受け入れチャネル内に配置される。したがって、好適には、第1の位置決めストッパ130は、第1のタイプの剛性付与要素110をそのエンドピース100内への挿入中に案内して位置決めする。言い換えると、第1の位置決めストッパ130は、第1のタイプの剛性付与要素の端部111の側方保持を受け入れチャネル120内で確保する。
【0031】
また、エンドピース100は、第1のストッパ130とベース壁121との間に位置付けられる第2の位置決めストッパ140も備える。図示の例では、第2の位置決めストッパがスタッドからなる。前述した第1の位置決めストッパの場合のように、本発明の文脈から逸脱することなく、第2のストッパがリブなどの描かれた形状以外の形状を有することができるのが分かる。また、第2のストッパ140も側壁122から突出するように受け入れチャネルの内部で横方向に延びる。それぞれの第2のストッパ140は、第1のストッパ130の頂端131を越えて延びる頂端141を形成する自由端を備え、それにより、第2のストッパの頂端141は、第1のストッパの頂端131よりも受け入れチャネルの中央面B−B’に近い。したがって、ベース壁121の反対側に向けられる第2のストッパの側面142は、受け入れチャネル120内の第1のタイプの剛性付与要素110の端部111の長手方向の進行を阻止する。好ましくは、側面142は、第1のタイプの剛性付与要素の端部111の形状に対して相補的な形状、この場合には、これらの要素間のより大きな接触面を可能にするように傾斜面を有する。
【0032】
端部111が第2の位置決めストッパ140と当接するときに受け入れチャネル120からの剛性付与要素の引き抜きを防止するために、受け入れチャネルは、可撓性ブレード150により構成される第1のロック手段も備える。可撓性ブレードの第1の端部151は、反対側の自由端152がベース壁121の方へ向けられるとともに第1の位置決めストッパの頂端131を越えて受け入れチャネルの長手方向軸線へ向けて延びるように、受け入れチャネルの側壁122に対してこの側壁から突出して延びる2つの第1のストッパ130間で保持される。可撓性ブレード150は、端部111の通過中に湾曲してこの端部の挿入を妨げないように十分に可撓性がある。また、可撓性ブレードは、その自由端152がその初期位置に戻ることができ、したがって、その自由端152を剛性付与要素110のキャビティ113内に受け入れることができるように十分に弾力性もある。図は、剛性付与要素110の側壁112へ向けて開口するキャビティ113を示す。したがって、ブレード150は、キャビティ113内に支持されるストッパとして作用することによって、チャネルからの第1のタイプの剛性付与要素110の引き抜きを防止する。
【0033】
図4は、第2のタイプの剛性付与要素160と、より具体的にはその端部161で協働する図3と同じエンドピースを示す。第2のタイプの剛性付与要素160は、第1に、それが前述した第1の幅lよりも小さい第2の幅lを有するという点において、第2に、それが前述した第1の長さLよりも長い第2の長さLを有するという点、すなわち、それが第1のタイプの剛性付与要素よりも支持要素の端部から更に突出するという点において、前述した第1のタイプの剛性付与要素110とは異なる。
【0034】
その結果、第1のストッパ130の頂端131はもはや受け入れチャネル120内への第2のタイプの剛性付与要素160の端部161の挿入を案内することができない。したがって、この案内は、図4に表されるように、第2のストッパ140の頂端141によって行われる。
【0035】
第2のストッパの存在は、第1のタイプの剛性付与要素が挿入されるときには第1のストッパと協働して、また、第2のタイプの剛性付与要素が挿入されるときには第3の位置決めストッパ143と協働して、それぞれのタイプの剛性付与要素の案内及び位置の保持に関与することが分かる。
【0036】
この第3のストッパはベース壁121から突出して配置され、また、この第3のストッパ143の頂端を形成する自由端144は、受け入れチャネル120内での剛性付与要素160の端部161の進行を停止させるように受け入れチャネル内で方向付けられて配置される。図示の例では、この第3のストッパ143がスタッドの形態を成す。第1のタイプの剛性付与要素130の場合と同じように、第2のタイプの剛性付与要素160は、可撓性ブレード150と協働して受け入れチャネル120からの第2のタイプの剛性付与要素160の引き抜きを防止できるキャビティ163を備える。
【0037】
第1のストッパ130、第2のストッパ140、第3のストッパ143、及び、ブレード150の寸法、形状、及び/又は、配置は、これらの位置決めストッパ及びロックブレードにより第1及び第2のタイプの剛性付与要素を案内してロックできる場合には、剛性付与要素の特定の形状及び寸法に適合するように、与えられた説明と比較して変更できるのが分かる。
【0038】
ここで、図5図8を参照して他の実施形態の説明を行うが、これらの図において、10の位が前述の参照符号と同じ参照符号は、同一又は類似の要素を示す。
【0039】
図5及び図6は、ワイパー202に固定されるエンドピース200の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態は、受け入れチャネル220の側壁222に配置される第2のストッパ240がここでは第1のストッパ230の頂端231に配置されるという点において、第1の実施形態と異なる。先と同様に、第2のストッパの頂端241は、受け入れチャネル220内で第2のタイプの剛性付与要素160の進行及び横方向保持を案内できるようにする。図示の例において、第2のタイプの剛性付与要素160の端部は、その後、ベース壁221上に存在する第3のストッパ243によって停止される。
【0040】
第2の位置決めストッパ240は、図6に示されるように、第1のタイプの剛性付与要素の通過を可能にするために、第1のストッパ230の厚さよりも小さい厚さを有する。この第1のタイプの剛性付与要素110の挿入中、その端部111は、第1のストッパ230よりも受け入れチャネルの長手方向軸線に近い位置に配置される2つのストッパ240と接触することになる。加えて、第2の位置決めストッパのより小さい厚さは、第2の位置決めストッパを待避可能にする。すなわち、この場合、第1のタイプの剛性付与要素110の端部の通過時に、第2の位置決めストッパを破壊する又は曲げることができる。この端部は、第1のストッパ230の頂端に存在する第2のストッパ240を破壊する又は曲げる。したがって、第1のストッパ230の頂端231は、前述したように第1のタイプの剛性付与要素110の端部111の受け入れチャネル220内への挿入を案内できるように、むき出しにされる。図示しない変形例によれば、第1のタイプの剛性付与要素110の端部は、その後、ベース壁221上に存在する第3のストッパ243によって停止される。
【0041】
図7は、ワイパー302の端部に嵌め付けられるエンドピース300が図6に表される第2の実施形態の変形例である、第3の実施形態を示す。この変形例によれば、エンドピース300は、第2の可撓性ブレード370によって構成される第2のロック手段を備え、この第2の可撓性ブレード370は、ブレード350と同じ態様で配置されるが、反対側の側面上に配置される。この第2の可撓性ブレード370は、剛性付与要素の第3のキャビティ115と協働するように構成される。図は、チャネル320内で剛性付与要素の端部のより良好な保持を確保するように、剛性付与要素の端部の側壁へ向けて開口するキャビティ115を示している。第3のキャビティが第1のキャビティと比べて異なる形状及び/又は寸法を有することができることに留意すべきである。この変形例を前述した第1の実施形態と組み合わせても実施できるのが分かる。
【0042】
図8は、ワイパー402の端部に嵌め付けられるエンドピース400が図5に表される第2の実施形態の変形例である、第4の実施形態を示す。この変形例によれば、受け入れチャネル420を画定するベース壁421上に配置される第3のストッパ443は、その頂端444に、第2のタイプの剛性付与要素160の端部161に存在する第2のキャビティ164と相補的な形状を有する。これらの要素は、受け入れチャネル内での剛性付与要素のより良好な保持を長手方向及び横方向の両方で確保するために相補的な形状を有する。この変形例を前述した実施形態のそれぞれに適合させることできるとともに、1つのタイプ又は他のタイプの剛性付与要素と共に使用することに適合させることもできるのが分かる。なお、ベース壁から突出するこの第3ストッパを形成するスタッド又はリブは、エンドピース内への剛性付与要素の挿入方向にほぼしたがって延び、また、この剛性付与要素は、スタッド又はリブが剛性付与要素の内側の対応する形状を有する切り欠きに入り込むまで挿入される。この目的のため、剛性付与要素の挿入を容易にするべくスタッド又はリブが傾斜面を可能にする形態を伴う頂端444を形成する自由端を有することが特に有利である。
【0043】
図示の例において、エンドピース18は、エンドピースの側壁の端部と共にワイパー本体のレセプタクル15を形成する横壁を備える。特に、この本体は、一体である又は一体でない支持要素及びディフレクタを備える。
【0044】
図示のエンドピースの第1及び第2のストッパは、剛性付与要素に対して垂直であるとともに長手方向延在軸線B−B’を通り過ぎる平面に対して対称に位置付けられる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8