特許第6869850号(P6869850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラリオン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000002
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000003
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000004
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000005
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000006
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000007
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000008
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000009
  • 特許6869850-自動運転支援装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869850
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】自動運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20210426BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20210426BHJP
   B60W 30/18 20120101ALI20210426BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20210426BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20210426BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20210426BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20210426BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20210426BHJP
【FI】
   G08G1/16 D
   G08G1/09 R
   B60W30/18
   B60W40/04
   B60W40/06
   B60W50/14
   B60W50/10
   B60W60/00
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-161335(P2017-161335)
(22)【出願日】2017年8月24日
(65)【公開番号】特開2019-40358(P2019-40358A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2019年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛 紫揮
(72)【発明者】
【氏名】安西 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智史
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−060336(JP,A)
【文献】 特開2015−079299(JP,A)
【文献】 特開2016−103289(JP,A)
【文献】 特開2013−239191(JP,A)
【文献】 特開2017−123045(JP,A)
【文献】 特開2010−002275(JP,A)
【文献】 特開2017−100562(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0113686(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 〜 1/16
B60W 30/00 〜 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点で交差する道路における通行の状況を取得する通行状況取得部と、
前記通行状況取得部により取得された前記通行の状況を、自車のドライバに提示する通行状況提示部と、
前記通行状況提示部により提示された前記通行の状況に対して、前記ドライバの確認の意思表示を受け付ける確認受付部と
前記交差点の情報として取得した前記交差する道路の幅に基づいて、前記交差点の危険度の高低を判定する危険度判定部と、
前記交差点への進入に先立って前記危険度判定部により判定された前記危険度が高いときは、前記交差点への進入の際に、前記自車を、前記ドライバが前記交差する道路における通行の状況を直接目視で視認することができる前記交差点の中での位置である直接確認位置よりも手前の位置である間接確認位置で停止させ、前記間接確認位置で停止させた状態で前記確認受付部が前記ドライバの認を受け付けたときは、前記自車を前進させて、前記直接確認位置で前記自車を停止させることなく前記交差点を通過させるように、前記自車の走行を制御する車両制御装置に指令を出力し、前記危険度判定部により判定された前記危険度が低いときは、前記交差点への進入の際に、前記自車を前記間接確認位置で停止させることなく前記直接確認位置まで進めて停止させ、前記直接確認位置で停止させた状態で前記確認受付部が前記ドライバの確認を受け付けたときは、前記自車を前進させて前記交差点を通過させるように、前記車両制御装置に指令を出力する制御部と、を備えた自動運転支援装置。
【請求項2】
前記通行状況取得部は、前記自車の前端部に設けられて、前記交差する道路の範囲を撮影する車載カメラで撮影された通行の状況を取得するものである請求項1に記載の自動運転支援装置。
【請求項3】
前記確認受付部は、前記ドライバの確認として前記ドライバの特定の視線の状態を検出するもの、前記ドライバの指による接触を検出するもの、又は前記ドライバの確認の発声を検出するものである請求項1又は2に記載の自動運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両(以下、自車という。)に搭載されたカメラで撮影された映像を利用して、自車の運転状況や自車の周囲の状況を認識し、それらの情報に基づいて、自車の駆動、制動及び操舵などの動作を制御することにより、運転の自動化を支援するシステム(自動運転支援システム)が開発されている。
【0003】
ところで、運転状況の一つとして、自車が信号の無い交差点内に進入する状況がある。この状況で、ドライバは、通常、以下のように自車を運転する。
【0004】
すなわち、ドライバは自車を、
(1)交差点内への進入前に、停止線や交差点の手前(進入前停止位置)で一旦停止させる。
(2)その後、交差点で交差する道路の状況を直接視認可能な位置(直接確認位置)まで交差点内に進入するために、徐行(通常の走行速度よりも遅い速度)で進入前停止位置から前進する。このとき、交差点内に微速で進入しつつ、交差する道路を走る他車両のドライバに自車を視認させて注意を促す。なお、直接確認位置に到達する前は、ドライバは交差する道路の状況を直接目視で確認することはできない。
(3)(2)の徐行前進により、直接確認位置に到達すると、ドライバは自車を停止させる。
(4)ドライバは、目視した交差する道路の状況が安全であるか否かの安全確認を行い、ドライバが安全と判断するまでは停止し、ドライバが安全であると判断した場合は通常の走行速度で前進して交差点を通過する
【0005】
このように交差点内へ進入する運転を自動運転支援システムで行う場合、上記(1)の進入前停止位置での停止の後は、上記(2)の徐行前進中に自動運転支援システムがカメラの映像等に基づいて自車の安全を確認する。そして、(2)で自動運転支援システムが安全を確認した場合、自動運転支援システムは、(3)の停止や(4)のドライバによる安全確認を省略して、交差点を通過するように自車の運転を制御する。
【0006】
しかし、このように自動運転支援システムが自車を停止させず、ドライバの安全確認も求めることなく交差点を通過する動作は、交差点内に徐行で進入しながら目視で安全確認をすることに慣れているドライバに不安感を与える場合がある。そして、個人差はあるにしても、その不安感が一定のレベルを超えると、ドライバは交差点内への進入を停止させるためにドライバの意思で制動操作を行い、これにより自動運転支援システムによる自動運転モードが解除され、自動車の円滑な流れが阻害されるおそれがある。
【0007】
そこで、自動運転支援システムがカメラ映像等に基づいて自車の安全を確認して自車を交差点の中に進入させたときも、上記(3)のドライバの目視による安全確認の要求を追加して、要求に応じたドライバの目視による安全確認の結果に応じて、交差点の通過を行わせる自動運転支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016−60336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献の自動運転支援システムは、交差点内の直接確認位置まで自車を前進して停止させるため、交差点内に進入して停止した自車が、交差する道路を走行する他車両の通行の邪魔になる場合は、交差する道路の円滑な流れを乱す事態を引き起こす。具体的には、交差する道路の幅が狭い場合など、自車を避けて走行する余地が無いときは、交差点内で停止した自車によって、交差する道路を走行している他車両が停止せざるを得ない状況になり、渋滞を引き起こす場合もある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、ドライバの不安を招くことなく、かつ交差する道路における他車両の通行を阻害しない自動運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、交差点で交差する道路における通行の状況を取得する通行状況取得部と、前記通行状況取得部により取得された前記通行の状況を、自車のドライバに提示する通行状況提示部と、前記通行状況提示部により提示された前記通行の状況に対して、前記ドライバの確認の意思表示を受け付ける確認受付部と、前記交差点への進入の際に、前記自車を、前記ドライバが前記交差する道路における通行の状況を直接目視で視認することができる前記交差点の中での位置である直接確認位置よりも手前の位置である間接確認位置で停止させ、前記間接確認位置で停止させた状態で前記確認受付部が前記ドライバの確認を受け付けたときは、前記自車を前進させて、前記直接確認位置で前記自車を停止させることなく前記交差点を通過させるように、前記自車の走行を制御する車両制御装置に指令を出力する制御部と、を備えた自動運転支援装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る自動運転支援装置によれば、ドライバの不安を招くことなく、かつ交差する道路における他車両の通行を阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の自動運転支援装置の一例であるカメラ制御ECUを含む自動運転支援システムを示すブロック図である。
図2】自車が、交差する道路の幅が狭い交差点の手前の進入前停止位置P1で停止している状態を示す模式図である。
図3】自車が、交差する道路の幅が広い交差点の手前の進入前停止位置P1で停止している状態を示す模式図である。
図4】交差する道路の幅が狭い場合に、自車が直接確認位置P3まで進入した状態を示す模式図である。
図5】交差する道路の幅が広い場合に、自車が直接確認位置P3まで進入した状態を示す模式図である。
図6】交差する道路の幅が狭い場合に、自車が間接確認位置P2まで進入した状態を示す模式図である。
図7図1に示したカメラ制御ECUによる処理の流れを示すフローチャートである。
図8図1に示したカメラ制御ECUの変形例による処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本発明に係る自動運転支援装置の基本的な実施形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る自動運転支援装置の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
<構成>
図1は、本発明の自動運転支援装置の一例であるカメラ制御ECU100を含む自動運転支援システム200を示すブロック図である。図1に示した自動運転支援システム200は、車両(以下、自車300という)に搭載された車載カメラ210、ナビゲーション装置220、車輪速センサ230、操舵角センサ240、スピーカ250、車両制御ECU260及びカメラ制御ECU100を備えている。
【0016】
車載カメラ210は、自車300の前端部に設けられている。車載カメラ210は、自車300の前方及び自車300の前端部から左右側方の画像を撮影する。車載カメラ210は前方及び左右側方を広く撮影できるように、画角が180度以上の広角のレンズを備えている。なお、車載カメラ210は、自車300の前端部以外の、例えば後端部や左右の各側部にも設けられていてもよい。
【0017】
ナビゲーション装置220は、GPS等を用いて自車300の現在位置を地図上に表示するものであり、目的地が設定されている場合は、その目的地まで自車300を誘導するための誘導経路を案内する。車輪速センサ230は、自車300の車輪に設けられて車輪の回転速度を検出する。車輪速センサ230が検出した回転速度は自車300の走行速度に対応しているため、車輪速センサ230で検出された回転速度に基づいて自車300の速度を算出するのに用いられる。操舵角センサ240は、自車300のステアリングホイールへの回転操作による回転角度に対応した自車300の車輪の舵角を検出する。
【0018】
スピーカ250は、ナビゲーション装置220での案内内容やその他の自車300における各種案内内容を音声で出力する。車両制御ECU260(車両制御部)は、自車300の駆動力の調整、制動力の調整、操舵角の調整等によって自車300の走行を制御する。
【0019】
カメラ制御ECU100は、画像取得部10と、入出力インターフェース(I/F)20と、交差点種類判定部30と、進入可否判定部40と、ドライバ確認判定部50と、記憶メモリ60と、を備えている。
【0020】
画像取得部10(通行状況取得部の一例)は、車載カメラ210で撮影された画像を取得する。入出力インターフェース20は、ナビゲーション装置220、車輪速センサ230、操舵角センサ240により得られた情報の入力を受け付ける。交差点種類判定部30は、入出力インターフェース20を介して、ナビゲーション装置220から入力された、ナビゲーション装置220が有する地図情報に含まれた交差点Tの情報に基づいて、その交差点Tの種類を判定する。
【0021】
交差点Tの情報としては、例えば、自車300が走行する道路R1に交差する道路R2の幅Dである。なお、ナビゲーション装置220の地図情報から交差点種類判定部30に入力される交差点Tの情報としては、交差する道路R2の幅Dの他に、交差する道路R2の通行量、交差する道路R2の制限速度、交差する道路R2が一方通行か双方向通行(対面通行)の別、交差点Tにおける過去の交通事故の多少の別及び交差点Tの形状(十字路、T字路の別など)がある。
【0022】
進入可否判定部40は、図2,3に示すように、交差点Tの手前に設けられた一時停止線(交差点Tの外側の範囲)Lに前端部を合わせた位置(進入前停止位置)P1で停止した自車300が交差点T内に進入可能か否かを判定する。具体的には、進入前停止位置P1から交差点Tまでの間に歩行者や自転車などの障害物が無いときは進入可能と判定し、障害物があるときは進入不可と判定する。このとき、障害物の有無は、画像取得部10を通じて車載カメラ210で撮影された画像に基づいて特定される。
【0023】
また、進入可否判定部40には、入出力インターフェース20を介して、地図情報(ナビゲーション装置220から入力)や、自車300の速度(車輪速センサ230からの入力に応じて算出)及び自車300の操舵角(操舵角センサ240からの入力に応じて算出)が入力されており、これらの情報に基づいて進入可否判定部40は、自車300の進行方向を特定している。
【0024】
ドライバ確認判定部50は、交差点種類判定部30から入力された交差点Tの種類(例えば、交差する道路R2の幅D)に応じて、その交差点Tの危険度の高低を判定する危険度判定部51と、画像取得部10及び進入可否判定部40を通じて入力された車載カメラ210の画像を表示するモニタ52(通行状況提示部の一例)と、このモニタ52の表示面の特定の領域に設けられたタッチセンサ式の確認ボタン53(確認受付部の一例)と、危険度判定部51により判定された危険度の高低の別及び確認ボタン53へのタッチの有無に応じた指令を、車両制御ECU260に出力する制御部54と、を備える。
【0025】
危険度判定部51は、図2に示すように、交差する道路R2の幅Dが狭いときは危険度が高いと判定し、図3に示すように、交差する道路R2の幅Dが広いときは危険度が低いと判定する。具体的には、交差する道路R2の幅Dが、図4に示すように、自車300が交差点T内に進入して、自車300のドライバが、その交差した道路R2の通行の状況を目視で直接確認することができる交差点Tの中での位置(直接確認位置)P3に自車300の前端部を合わせて停止させたときに、交差する道路R2を走行する他車400が、自車300を避けて歩道等にはみだすことなく通行することができない場合は、道路R2の幅Dは狭いため、交差点Tの危険度は高いと判定する。
【0026】
一方、危険度判定部51は、交差する道路R2の幅Dが、図5に示すように、自車300が交差点T内に進入して、直接確認位置P3に自車300の前端部を合わせて停止させたときに、交差する道路R2を走行する他車400が、自車300を避けて歩道等にはみだすことなく通行することができる場合は、道路R2の幅Dは広いため、交差点Tの危険度は低いと判定する。
【0027】
モニタ52は、車載カメラ210の画像を表示することで、交差する道路R2における通行の状況をドライバに提示する。モニタ52は、ナビゲーション装置220のモニタを用いてもよい。確認ボタン53は、ドライバの確認の意思表示を指等でのタッチにより受け付ける。
【0028】
制御部54は、自車300が進入前停止位置P1で停止しているとき、進入可否判定部40により進入可能の判定がされたときは、自車300を徐行で交差点Tに向かって前進させるように、車両制御ECU260に対して指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して、進入前停止位置P1から自車300を交差点Tに向かって徐行で前進させる。
【0029】
一方、制御部54は、自車300が進入前停止位置P1で停止しているとき、進入可否判定部40により進入不可の判定がされたときは、自車300を進入前停止位置P1に停止した状態を維持して、進入可否判定部40により進入可能の判定がされるのを待つように、車両制御ECU260に対して指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して、進入前停止位置P1に自車300を停止させた状態を維持する。
【0030】
進入前停止位置P1で停止する前、停止しているとき、又は進入前停止位置P1から前進し始めた後の交差点Tの進入前のいずれかのタイミングで、制御部54は、危険度判定部51によるその交差点Tの危険度の高低の判定結果を得る。そして、制御部54は、自車300が進入前停止位置P1から交差点Tに向けて徐行で前進し始めた後に、以下の制御を行う
【0031】
すなわち、制御部54は、危険度判定部51による判定結果が危険度の高いものであるときは、図6に示すように、自車300のドライバが交差する道路R2における他車の通行の状況を直接目視で視認することができる交差点T内での位置である直接確認位置P3よりも手前の位置であって、自車300の前端部が交差点T内に入る直前又は前端部が交差点内に僅かに進入した状態の位置(間接確認位置)P2で自車300を停止するよう、車両制御ECU260に指令を出力する。
【0032】
この間接確認位置P2は、自車300の前端部の車載カメラ210が、交差する道路R2における他車の通行の状況の画像を撮影できる位置である。したがって、間接確認位置P2では、自車300は、交差点T内に入っていない状態か、又は交差点T内に入っていてもその入っているのが自車300の前端部の僅かな部分だけという状態である。
【0033】
車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2まで徐行で前進させ、間接確認位置P2に自車300を停止させる。さらに制御部54は、前端部の車載カメラ210が撮影した交差する道路R2の通行の状況をモニタ52に表示させて、ドライバに間接確認位置P2において、交差する道路R2の通行の状況を提示する。
【0034】
ドライバがモニタ52に表示された通行の状況を見て、交差する道路R2における他車の通行が途切れるなどして交差点Tを通過することの安全を確認し、ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられたときは、制御部54は、自車300を間接確認位置P2から前進させて、直接確認位置P3で停止させることなく交差点Tを通過するように車両制御ECU260に対して指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2から前進させて直接確認位置P3で停止させることなく交差点Tを通過させるように自車300の運転を制御する。
【0035】
一方、制御部54は、危険度判定部51による判定結果が危険度の低いものであるときは、図5に示すように、間接確認位置P2で停止することなく直接確認位置P3で自車300を停止するよう、車両制御ECU260に指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2で停止させることなく直接確認位置P3まで徐行で前進させた後に、直接確認位置P3で自車300を停止させる。
【0036】
ドライバが目視で直接、交差する道路R2の通行の状況を見て、交差する道路R2における他車の通行が途切れるなどして交差点Tを通過することの安全を確認し、ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられたときは、制御部54は、自車300を直接確認位置P3から前進させて交差点Tを通過するように車両制御ECU260に対して指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を直接確認位置P3から前進させて交差点を通過させるように自車300の運転を制御する。
【0037】
記憶メモリ60は、自車300が過去に通過した交差点Tにおいて、車載カメラ210で撮影された画像や、ナビゲーション装置220で得られた交差点Tの情報等を記憶する。危険度判定部51は、これから通過しようとする交差点Tが、過去に通過した交差点であるときは、ナビゲーション装置220で得られた交差点Tの情報を用いずに記憶メモリ60に記憶された交差点Tの情報を用いて、交差点Tの危険度の高低を判定してもよい。
【0038】
<作用>
以上のように構成されたカメラ制御ECU100の具体的な動作例について、図7のフローチャートにしたがって以下に説明する。
【0039】
まず、処理がスタート([START])すると、自動運転支援システム200による自動運転の制御が行なわれていることを前提として(ステップ1(S1)においてYES)、自車300の現在位置がナビゲーション装置220によって取得される(S2)。前提となる自動運転の制御が行なわれていない場合は、処理は終了する([END])
【0040】
取得された現在位置に基づいて、ナビゲーション装置220は、次の交差点Tまでの距離が近づいている(具体的には、例えば、残り距離30[m]に到達した)か否かを検出する(S3)。到達していないとき(S3においてNO)は、到達するまで待つ。到達したとき(S3においてYES)は、カメラ制御ECU100は、ナビゲーション装置220から、その交差点Tの情報(交差する道路R2の幅D)を取得する(S4)。取得した交差点Tの情報に基づいて、交差点種類判定部30は、その交差点Tの種類を判定する。
【0041】
交差点Tの情報の取得に並行して、ナビゲーション装置220は、自車300の前端部が交差点Tの手前に設けられた一時停止線Lに到達したか否かを検出する(S5)。自車300の前端部が一時停止線Lに到達したとき(S5においてYES)は、車両制御ECU260が、自車300の前端部を進入前停止位置P1に合わせて自車300を停止させる(S6/図2,3参照)。自車300の前端部が一時停止線Lに到達していないとき(S5においてNO)は、自車300の前端部が一時停止線Lに到達するまで、車両制御ECU260が自車300の前進走行を継続させる。
【0042】
自車300が進入前停止位置P1に停止した状態で、進入可否判定部40は、自車300が交差点T内に進入可能か否かを、画像取得部10を通じて取得した車載カメラ210で撮影された画像に基づいて、進入前停止位置P1から交差点Tまでの間に歩行者や自転車などの障害物の有無に応じて判定する(S7)。
【0043】
進入可否判定部40が進入可能と判定したときは、その判定結果がドライバ確認判定部50に入力されて、制御部54がその判定結果に対応した指令を車両制御ECU260に出力する。すなわち、制御部54は、進入可否判定部40により進入可能の判定がされたとき(S7においてYES)は、自車300を徐行で交差点Tに向かって前進させるように、車両制御ECU260に対して指令を出力し、車両制御ECU260は、その指令に対応して、進入前停止位置P1から自車300を交差点Tに向かって徐行で前進させる(S8)。
【0044】
制御部54は、進入可否判定部40により進入不可の判定結果が入力されたとき(S7においてNO)は、進入可能の判定結果が入力されるまで自車300を進入前停止位置P1に停止した状態を維持する指令を車両制御ECU260に出し、車両制御ECU260は、その指令に対応して、進入前停止位置P1に自車300を停止させた状態を維持する。
【0045】
進入前停止位置P1から前進し始めた(S8)後の交差点Tの進入前に、危険度判定部51が、交差点種類判定部30から入力された交差点Tの情報に基づいて、その交差点Tの危険度の高低を判定する(S9)。
【0046】
危険度判定部51による判定結果が、危険度低のとき(S9においてYES)、すなわち、交差する道路R2の幅Dが広いときは、図5に示すように、制御部54は、間接確認位置P2で停止することなく直接確認位置P3で自車300を停止するよう、車両制御ECU260に指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2で停止させることなく直接確認位置P3まで徐行で前進させた後に、直接確認位置P3で自車300を停止させる(S10)。
【0047】
直接確認位置P3で停止した自車300のドライバは、目視で直接、交差する道路R2の通行の状況を見て、交差する道路R2における他車400の通行が途切れるなどして交差点Tを通過することの安全を確認し、ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられるのを待つ(S11)。予め設定された時間だけ待ってもドライバによる確認ボタン53へのタッチが無く、安全確認が受け付けられないとき(S11においてNO)は、制御部54が、スピーカ250から安全確認を促す音声の案内を出力させるように制御する(S13)。
【0048】
制御部54は、ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられたとき(S11においてYES)は、自車300を直接確認位置P3から前進させて交差点Tを通過するように車両制御ECU260に対して指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を直接確認位置P3から前進させて交差点を通過させるように自車300の運転を制御し(S12)、交差点を通過する際の自動運転支援の処理を終了する。
【0049】
危険度判定部51による判定結果が、危険度高のとき(S9においてNO)、すなわち、交差する道路R2の幅Dが狭いときは、図6に示すように、制御部54は、直接確認位置P3よりも手前の位置である間接確認位置P2で自車300を停止するよう、車両制御ECU260に指令を出力する。車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2まで徐行で前進させ、間接確認位置P2に自車300を停止させる(S14)。
【0050】
制御部54は、前端部の車載カメラ210が撮影した交差する道路R2の通行の状況をモニタ52に表示させて、ドライバに、間接確認位置P2において、交差する道路R2の通行の状況を提示する。ドライバがモニタ52に表示された通行の状況を見て、交差する道路R2における他車の通行が途切れるなどして交差点Tを通過することの安全を確認し、ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられるのを待つ(S15)。
【0051】
予め設定された時間だけ待ってもドライバによる確認ボタン53へのタッチが無く、安全確認が受け付けられないとき(S15においてNO)は、制御部54が、スピーカ250から安全確認を促す音声の案内を出力させるように制御する(S16)。
【0052】
ドライバにより確認ボタン53がタッチされて安全確認が受け付けられたとき(S15においてYES)は、制御部54は、自車300を間接確認位置P2から前進させて、直接確認位置P3で停止させることなく交差点Tを通過するように車両制御ECU260に対して指令を出力する。
【0053】
車両制御ECU260は、その指令に対応して自車300を間接確認位置P2から前進させて直接確認位置P3で停止させることなく交差点Tを通過させるように自車300の運転を制御し(S12)、交差点を通過する際の自動運転支援の処理を終了する。
【0054】
以上、詳細に説明した自動運転支援装置の一実施形態であるカメラ制御ECU100及びこのカメラ制御ECU100を用いた自動運転支援システムによれば、進入しようとする交差点Tの危険度が高いと判定したときは、自車300を図6に示す間接確認位置P2で停止させるため、自車300を図5に示す直接確認位置P3で停止させた場合に比べて、自車300が交差点内に突出する長さを短くすることができる。
【0055】
この結果、カメラ制御ECU100及びこのカメラ制御ECU100を用いた自動運転支援システムは、自車300が、交差点で交差する道路R2を走行する他車400の通行を阻害するのを防止又は抑制することができ、交差する道路R2の円滑な流れを乱したり、自車300との接触事故を招いたりするのを有効に防止又は抑制することができる。
【0056】
しかも、カメラ制御ECU100及びこのカメラ制御ECU100を用いた自動運転支援システムは、交差する道路R2の通行の状況を、直接目視で、又はモニタ52に表示された車載カメラ210による画像を通じて間接的に、ドライバに確認させることができるため、ドライバの不安を招くこともない。
【0057】
また、カメラ制御ECU100は、進入しようとする交差点Tの危険度の高いときは自車300を間接確認位置P2に停止させるため、自車300が交差点T内に突出する長さを短くする。一方、カメラ制御ECU100は、交差点Tの危険度の低いときは自車300を直接確認位置P3に停止させるため、自車300が交差点T内に突出する長さを従来と同様にする。したがって、交差点Tの危険度の高低に応じて、ドライバによる安全確認の仕方を2通りに変えることができ、ドライバの安心感と交差する道路R2を走行する他車400の円滑な通行とを両立することができる。
【0058】
なお、本発明に係る自動運転支援装置は、進入しようとする交差点の危険度の高低に応じて自車の停止位置を間接確認位置又は直接確認位置に切り替えるものに限定されない。すなわち、本発明に係る自動運転支援装置は、進入しようとする交差点の危険度の高低に拘わらず自車の停止位置を間接確認位置にしてもよい。
【0059】
本実施形態のカメラ制御ECU100は、自車300が直接確認位置P3に停止した後のドライバの安全確認の入力(S11,S13)と、自車300が間接確認位置P2に停止した後のドライバの安全確認の入力(S15,S16)とを、別の処理手順としたが、これらの処理は1つに統合してもよい。すなわち、ステップ15(S15)の処理をステップ11(S11)の処理とし、ステップ16(S16)の処理をステップ13(S13)の処理としてもよい。
【0060】
また、本実施形態のカメラ制御ECU100は、自車300が直接確認位置P3に停止した後のドライバの安全確認の入力(S11,S13)と、自車300が間接確認位置P2に停止した後のドライバの安全確認の入力(S15,S16)を、確認ボタン53へのタッチ操作による入力としたが、この確認ボタン53へのタッチ操作に代えて、ドライバの特定の視線移動を検出することにより、ドライバの安全確認の入力としてもよい。
【0061】
すなわち、カメラ制御ECU100は、確認ボタン53に代えて、ドライバの顔を撮影するカメラを含みドライバの視線を検出する視線検出装置を備え、この視線検出装置が、安全確認の意思表示として予め設定されたドライバの特定の視線の状態(例えば、モニタ52の特定の位置を所定時間継続して凝視したり、日常生活では通常行われないような視線の動き(目を左右や上下に動かす)をしたり等)を検出した場合に、制御部54が、確認ボタン53がタッチされた場合と同じ動作を行えばよい。
【0062】
このように、視線検出装置で安全確認の意思表示を入力することにより、確認ボタン53をタッチ操作するために、確認ボタン53に視線を向ける必要がない。これにより、ドライバが、交差する道路R2から視線を外すのを防止又は抑制することができる。
【0063】
本実施形態のカメラ制御ECU100は、危険度判定部51が、交差する道路R2の幅Dに基づいて交差点Tの危険度の高低を判定するが、交差する道路R2の幅Dの他に、交差する道路R2の通行量、交差する道路R2の制限速度、交差する道路R2が一方通行か双方向通行かの別、交差点Tにおける過去の交通事故の多少の別及び交差点Tの形状(T字状に交差するT字路等)のうち少なくとも一つの交差点Tの情報や、これらと交差する道路R2の幅Dとの組み合わせに基づいて危険度の高低を判定してもよい。
【0064】
具体的には、危険度判定部51は、交差する道路R2の通行量が多いときは危険度が高く、通行量が少ないときは危険度が低いと判定する。また、危険度判定部51は、交差する道路R2の制限速度が高いときは危険度が高く、制限速度が低いときは危険度が低いと判定する。また、危険度判定部51は、交差する道路R2が一方通行の場合は道路幅が狭い場合が多いため危険度が高く、交差する道路R2が双方向通行の場合は道路幅が広いため危険度が低いと判定する。また、危険度判定部51は、交差点Tにおける過去の交通事故が多いときは危険度が高く、交通事故が少ないときは危険度が低いと判定する。
【0065】
また、危険度判定部51は、交差点Tの形状が例えばT字状に交差するT字路であり、交差する道路R2がT字の横向き部分に対応し、自車300の道路R1がT字の縦向き部分に対応するときは危険度が高く、交差する道路R2がT字の縦向き部分に対応し、自車300の道路R1がT字の横向き部分に対応するときは危険度が低いと判定する。
【0066】
なお、危険度判定部51は、これら交差点Tの情報の2つ以上を組み合わせて判定するときは、これら2つ以上の情報に対して重み付けをして判定を行ってもよい。
【0067】
本実施形態のカメラ制御ECU100は、上述した交差点Tの情報をナビゲーション装置220から取得したが、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)が整備されるなどして交通基盤(インフラストラクチャ)や他車によって交差点Tの情報が提供されている場合は、それらとの間で通信(路車間通信、車車間通信)を行う通信部をカメラ制御ECU100が備えることにより、その通信部により交差点Tの情報を取得するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施形態のカメラ制御ECU100は、車載カメラ210によって撮影された交差点Tの画像に基づいて、交差点Tの危険度の高低を判定してもよい。具体的には、図7に示したフローチャートのステップ4(S4)の処理を無くし、ステップ9(S9)の処理を図8に示したフローチャートのステップ91(S91)、ステップ92(S92)、ステップ93(S93)及びステップ94(S94)の処理に置き換えればよい。
【0069】
図8のフローチャートによれば、図7のフローチャートにおける交差点Tの危険度の高低の判定の処理(S9)の際に、交差点種類判定部30が、車載カメラ210で撮影され、画像取得部10を介して交差点Tの画像を取得し(S91)、取得した交差点Tの画像に基づいて、交差点Tで交差する道路R2の路肩(エッジ)を検出し(S92)、検出された2本のエッジ間の距離を車載カメラ210のパラメータ等に基づいて算出し、得られたエッジ間の距離を交差する道路R2の幅Dとして(S93)、この交差する道路R2の幅Dに基づいて、危険度判定部51が交差点Tの危険度の高低を判定する(S94)。
【0070】
このように、カメラ制御ECU100は、車載カメラ210が撮影した画像に基づいて交差点Tの危険度の高低を判定することにより、ナビゲーション装置220から交差点Tの情報を取得する必要が無い。
【0071】
本実施形態は、交差する道路R2における通行の状況として車載カメラ210により撮影された画像を取得したものであるため、ドライバに提示する通行の状況も、モニタ52に表示した画像とすることができ、認識し易い情報(画像)としてドライバに提示することができる。
【0072】
本実施形態は、本発明に係る自動運転支援装置をカメラ制御ECU100として適用した。しかし、本発明に係る自動運転支援装置は、交差する道路R2における通行の状況を車載カメラ210から得るのではなく、上述した交通基盤や交差する道路R2を通行している他車によって通行の状況が提供されている場合は、その交通基盤や他車によって提供されている通行の状況を取得するものであってもよい。
【0073】
この場合、提供されている通行の状況が視覚的に認識できる画像であってもよいし、聴覚的に認識できる音声によるものであってもよい。このように、本発明に係る自動運転支援装置は、車載カメラ210の画像を取得して用いるカメラ制御ECU100として構成されるものに限定されない。
【0074】
したがって、本発明に係る自動運転支援装置は、一例として、図9に示すように、危険度判定部510と、通行状況取得部520と、通行状況提示部530と、確認受付部540と、制御部550と、を備えた構成とすればよい。
【0075】
ここで、危険度判定部510は危険度判定部51に対応するものであり、取得した交差点Tの情報に基づいて交差点Tの危険度の高低を判定する。通行状況取得部520は画像取得部10に対応するものであり、交差点Tで交差する道路R2における通行の状況を取得する。通行状況提示部530はモニタ52に対応するものであり、通行状況取得部520により取得された通行の状況を自車300のドライバに提示する。確認受付部540は確認ボタン53に対応するものであり、通行状況提示部530により提示された通行の状況に対して、ドライバの確認の意思表示を受け付ける。
【0076】
制御部550は制御部54に対応するものであり、交差点Tへの進入に先立って危険度判定部510により判定された危険度が高いときは交差点Tへの進入の際に、自車300を間接確認位置P2で停止させ、間接確認位置P2で停止させた状態で確認受付部540がドライバの確認を受け付けたときは、自車300を前進させて、直接確認位置P3で自車300を停止させることなく交差点Tを通過させるように、自車300の走行を制御する車両制御ECU260に指令を出力する。
【0077】
また、制御部550は、交差点Tへの進入に先立って危険度判定部510により判定された危険度が低いときは、交差点Tへの進入の際に、自車300を直接確認位置P3まで進めて停止させ、直接確認位置P3で停止させた状態で確認受付部540がドライバの確認を受け付けたときは、自車300を前進させて交差点Tを通過させるように、自車300の走行を制御する車両制御ECU260に指令を出力する。
【符号の説明】
【0078】
10 画像取得部
30 交差点種類判定部
40 進入可否判定部
50 ドライバ確認判定部
51 危険度判定部
52 モニタ
53 確認ボタン
54 制御部
100 カメラ制御ECU
300 自車
P2 間接確認位置
P3 直接確認位置
R2 交差する道路
T 交差点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9