特許第6869864号(P6869864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869864
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】キャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 50/06 20060101AFI20210426BHJP
   B65D 50/12 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B65D50/06
   B65D50/12
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-187543(P2017-187543)
(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-59538(P2019-59538A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】星野 真弥
【審査官】 杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2020/148437(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0102279(US,A1)
【文献】 特開2012−224365(JP,A)
【文献】 特開平11−130111(JP,A)
【文献】 特開2015−105106(JP,A)
【文献】 特開2018−111533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00−55/16
A47J 41/00−41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を開放した口部を有する容器と、該口部に装着されるキャップとを備えるキャップ付き容器であって、
前記容器は、前記口部の外周面に設けられるねじ部と、該口部の内周面に設けられる内向き突起と、該口部の内周面において該内向き突起に対して間隔をあけて設けられる抜け止め突起と、該内向き突起と該抜け止め突起との間でスライド可能に設けられるスライド部材とを備え、
前記キャップは、前記口部を取り囲む外周壁の内周面に前記ねじ部に適合する被ねじ部を有するとともに該外周壁の内側に設けられる天壁に貫通孔を有するキャップ本体と、該貫通孔に挿通されて該キャップ本体に対してスライド可能に設けられる基部、及び該天壁よりも上方において該基部に連結する頂壁、並びに該基部に対して撓み可能に設けられるとともに前記内向き突起に係合して抜け止めされる係止爪を有するロック部材とを備え、
前記キャップが前記容器に装着された状態において、前記ロック部材を下方にスライドさせることによって前記係止爪は内側に撓んだ状態で前記スライド部材に保持され、前記ねじ部と前記被ねじ部が緩む向きに前記キャップ本体を回転させることによって前記天壁が前記頂壁に当接して前記ロック部材が引き上げられ、これに伴い該スライド部材も該係止爪を内側に撓ませた状態で上昇する一方、該スライド部材の上昇が前記内向き突起によって停止すると該係止爪は該スライド部材を残したまま引き上げられて該内向き突起を乗り越えるよう構成したキャップ付き容器。
【請求項2】
前記スライド部材は、内側に撓んだ状態の前記係止爪に係合する第一凸部を有する請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記ロック部材は、該ロック部材を下方にスライドさせた際に、前記係止爪が内側に撓んだ状態で前記スライド部材に保持される位置で前記内向き突起に引っ掛かって該ロック部材の下降を停止させる第二凸部を有する請求項1又は2に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記キャップ本体は、前記ねじ部と前記被ねじ部が締まる向きに該キャップ本体を回転させた際に前記第二凸部に引っ掛かり、前記ロック部材を該キャップ本体とともに下方に移動させる第三凸部を有する請求項3に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記係止爪は、前記第二凸部が前記第三凸部に引っ掛かって前記ロック部材が前記キャップ本体とともに下方に移動する際に、前記内向き突起に対する該係止爪の乗り越えを誘導する傾斜部を有する請求項4に記載のキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャップ付き容器に関するものであり、特に幼児等が偶発的に開栓してしまうことを防止するチャイルドレジスタンス機能を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上方を開放した口部を有する容器と、この口部に装着されるキャップとを備えるキャップ付き容器にあっては、幼児等が偶発的にキャップを開栓してしまうことを防止するチャイルドレジスタンス機能をもたせたものがある。
【0003】
例えば特許文献1には、容器に装着されるキャップとして、外蓋と内蓋とで構成され、内蓋は、容器の雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、外蓋は、弾性片によって内蓋に対して上方に付勢され、付勢力に抗して外蓋を下方に押し下げることにより外蓋と内蓋とが一体的に回転するように構成したキャップ付き容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−204021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの種のキャップ付き容器においては、特許文献1のように、外蓋と内蓋とを組み合わせた二重構造のキャップを使用することが一般的である。すなわち、二重構造によってキャップが大型になるため、従来使用していたキャップからチャイルドレジスタンス機能を持つキャップに置き換えようとしても、以前の外観イメージを大きく変えてしまうことになる。また、外蓋と内壁を小さくして従来使用していたキャップのサイズに近づけようとすると容器の口部を細くする必要があり、専用の容器を使用しなければならなくなるため、汎用性の点で問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、キャップのサイズを大きくすることなくチャイルドレジスタンス機能を持たせることができるキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上方を開放した口部を有する容器と、該口部に装着されるキャップとを備えるキャップ付き容器であって、
前記容器は、前記口部の外周面に設けられるねじ部と、該口部の内周面に設けられる内向き突起と、該口部の内周面において該内向き突起に対して間隔をあけて設けられる抜け止め突起と、該内向き突起と該抜け止め突起との間でスライド可能に設けられるスライド部材とを備え、
前記キャップは、前記口部を取り囲む外周壁の内周面に前記ねじ部に適合する被ねじ部を有するとともに該外周壁の内側に設けられる天壁に貫通孔を有するキャップ本体と、該貫通孔に挿通されて該キャップ本体に対してスライド可能に設けられる基部、及び該天壁よりも上方において該基部に連結する頂壁、並びに該基部に対して撓み可能に設けられるとともに前記内向き突起に係合して抜け止めされる係止爪を有するロック部材とを備え、
前記キャップが前記容器に装着された状態において、前記ロック部材を下方にスライドさせることによって前記係止爪は内側に撓んだ状態で前記スライド部材に保持され、前記ねじ部と前記被ねじ部が緩む向きに前記キャップ本体を回転させることによって前記天壁が前記頂壁に当接して前記ロック部材が引き上げられ、これに伴い該スライド部材も該係止爪を内側に撓ませた状態で上昇する一方、該スライド部材の上昇が前記内向き突起によって停止すると該係止爪は該スライド部材を残したまま引き上げられて該内向き突起を乗り越えるよう構成したキャップ付き容器である。
【0008】
前記スライド部材は、内側に撓んだ状態の前記係止爪に係合する第一凸部を有することが好ましい。
【0009】
前記ロック部材は、該ロック部材を下方にスライドさせた際に、前記係止爪が内側に撓んだ状態で前記スライド部材に保持される位置で前記内向き突起に引っ掛かって該ロック部材の下降を停止させる第二凸部を有することが好ましい。
【0010】
前記キャップ本体は、前記ねじ部と前記被ねじ部が締まる向きに該キャップ本体を回転させた際に前記第二凸部に引っ掛かり、前記ロック部材を該キャップ本体とともに下方に移動させる第三凸部を有することが好ましい。
【0011】
前記係止爪は、前記第二凸部が前記第三凸部に引っ掛かって前記ロック部材が前記キャップ本体とともに下方に移動する際に、前記内向き突起に対する該係止爪の乗り越えを誘導する傾斜部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明におけるキャップは、外周壁の内側に設けられる天壁に貫通孔を有するキャップ本体と、貫通孔に挿通されてキャップ本体に対してスライド可能に設けられる基部を有するロック部材とで構成していて、従来のように外蓋と内蓋とを組み合わせた二重構造となるものではないため、キャップの大型化を招くことがない。また、容器に装着されたキャップをそのまま回転させたとしても、ロック部材の係止爪が容器の内向き突起に係合して抜け止め保持されているため、キャップ本体が外れることがない。なお、キャップを取り外すにあたっては、まずロック部材を下方にスライドさせればよく、これにより、内向き突起に係合していた係止爪は内側に撓んだ状態でスライド部材に保持されるため、キャップ本体を緩み方向に回転させてロック部材が引き上げられると、スライド部材も係止爪を内側に撓ませた状態で上昇する一方、スライド部材の上昇が内向き突起によって停止すると、係止爪はスライド部材を残したまま引き上げられて内向き突起を乗り越えることになる。すなわち、係止爪と内向き突起の係合が解けるため、容器からキャップを取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従うキャップ付き容器の一実施形態を示す、側面視での半断面図である。
図2】(a)は図1に示すA−Aに沿う断面図であって、(b)は図1に示すB−Bに沿う断面図である。
図3】キャップを容器に取り付けるにあたって、キャップ本体を締まる向きに回転させた状態を示す図である。
図4】キャップを容器から取り外すにあたって、ロック部材を押し込んで下方にスライドさせた状態を示す図である。
図5図4の状態からキャップ本体を緩み方向に回転させた状態を示す図である。
図6図5の状態から更にキャップ本体を回転させて、内側に撓んだ状態でスライド部材に保持されていた係止爪が第一凸部を乗り越えようとする状態を示す図である。
図7】係止爪が内向き突起を乗り越えてキャップが容器から取り外された状態を示す図である。
図8】チャイルドレジスタンス機能が発揮されてキャップの取り外しが阻止された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に従うキャップ付き容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等における「上」、「下」の関係は、容器を水平面に載置した状態での向きをいう。
【0015】
図1に示すように本実施形態のキャップ付き容器は、容器1と、キャップ5とを備えている。本実施形態の容器1は、容器本体2、中栓3、及びスライド部材4で構成されている。またキャップ5は、キャップ本体6とロック部材7で構成されている。
【0016】
図1に示すように容器本体2は、円板状をなす底部2aと、底部2aの外縁部に一体に連結する円筒状の胴部2bと、胴部2bの上端部から径方向内側に向けて傾斜しながら延在する肩部2cと、肩部2cに一体に連結するとともに上方を開放した円筒状の口頸部2dとを備えている。また口頸部2dの外周面には、雄ねじとして形成されたねじ部2eが設けられている。
【0017】
中栓3は、口頸部2dの内側に設けられるものであって、口頸部2dの内周面に沿って延在する円筒状の筒壁3aと、筒壁3aから径方向内側に向けて突出する内向き突起3bとを備えている。また筒壁3aと内向き突起3bとの連結部には、下方に向かって延在するとともに下端部が径方向内側に向かって突出する爪状の抜け止め突起3cが、周方向に間隔をあけて設けられている。本実施形態の抜け止め突起3cは、図2(b)に示すように周方向に対して等間隔で合計4つ設けられている。また筒壁3aの上端部には、径方向外側に向かって延在するフランジ部3dが設けられている。
【0018】
スライド部材4は、概略、円環状をなすものである。スライド部材4の内周面における上端部には、径方向内側に向けて突出する凸部(第一凸部)4aが設けられている。またスライド部材4の外周面において、その上端部には、上方に向かうにつれて内側に傾く外側傾斜部4bが設けられ、その下端部には、図2(b)に示すように、隣り合う抜け止め突起3cの間に位置し、径方向外側に向けて突出する突起4cが設けられている。
【0019】
このような容器本体2、中栓3、及びスライド部材4は、中栓3の下方からスライド部材4を押圧してこれらを嵌め合わせ、更にこれらを口頸部2dの上方から挿入することによって容器1として組み立てられる。ここで、中栓3にスライド部材4を嵌め合わせる際、抜け止め突起3cは、外側傾斜部4bによって径方向外側に向けて撓むように誘導されるため、組み立て作業を円滑に行うことができる。またスライド部材4は、隣り合う抜け止め突起3cの間に突起4cが位置することによって回り止めされていて、且つ内向き突起3bと抜け止め突起3cとの間でスライド可能に保持されている。なお本実施形態では、容器本体2と中栓3とを別異の部材としているが、これらを一つの部材で構成してもよい。また本明細書等において、容器1の口部とは、組み合わせた口頸部2dと中栓3とを示すものとする。
【0020】
キャップ本体6は、口頸部2dを取り囲む円筒状の外周壁6aを備えている。外周壁6aの内周面には、雌ねじとして形成された被ねじ部6bが設けられている。また外周壁6aの内側には、外周壁6aの上端部から径方向内側に向けて延在する内向きフランジ6cと、内向きフランジ6cの内縁部から下方に向けて延在した後、径方向内側に向けて延在する天壁6dと、天壁6dの下面から下方に向けて延在する環状壁6eが設けられている。ここで、天壁6dの中央部には、天壁6dを上下方向に貫く貫通孔6fが設けられている。また天壁6dは、環状壁6eとの連結部から径方向内側に向けて突出する凸部(第三凸部)6gを備えている。そして内向きフランジ6cの内縁部には、径方向内側に向けて突出する凸部(第四凸部)6hが設けられている。
【0021】
ロック部材7は、貫通孔6fに挿通される円筒状の基部7aを備えている。基部7aの上端部には、円板状の頂壁7bが設けられている。また基部7aの外周面には、径方向外側に向けて突出する凸部(第二凸部)7cが設けられている。本実施形態における第二凸部7cは、図2(a)に示すように、周方向に等間隔で合計4つ設けられている。そして基部7aの下端部には、薄肉部7dを介して基部7aに一体に連結するとともに径方向外側に突出する係止爪7eが設けられている。このような薄肉部7dによって係止爪7eは、基部7aに対して径方向内外方向に撓むことができる。本実施形態の係止爪7eは、図2(b)に示すように、周方向に等間隔で合計4つ設けられている。また係止爪7eの下面には、下方に向かうにつれて内側に傾く傾斜部7fが設けられている。
【0022】
このようなキャップ本体6及びロック部材7は、貫通孔6fに対して上方から係止爪7eを挿入し、第二凸部7cが第三凸部6gを乗り越えるまでロック部材7を押し込むことでキャップ5として組み立てられる。なお、内向きフランジ6cの内縁部には第四凸部6hが設けられていて、第四凸部6hは頂壁7bを軽嵌合させることができるため、キャップ本体6は、内向きフランジ6cと頂壁7bが揃った状態でロック部材7を保持することができる。
【0023】
そして、上述した容器1にキャップ5を装着するにあたっては、図3に示すように、キャップ5を容器1に被せて、ねじ部2eと被ねじ部6bが締まる向きにキャップ本体6を回転させる。これによりキャップ本体6は下方に移動する。このとき第二凸部7cは、第三凸部6gによって下方に押し込まれるため、キャップ本体6とともにロック部材7も下方に移動する。ここで、係止爪7eの下面には傾斜部7fが設けられていて、係止爪7eが内向き突起3bに当接すると、係止爪7eは傾斜部7fによって誘導されて内側に撓むため、係止爪7eは内向き突起3bを容易に乗り越えることができる。よって、図1に示すように最後までキャップ本体6を回転させることができるため、容器1を確実に閉栓することができる。
【0024】
また、容器1からキャップ5を取り外すにあたっては、図4に示すようにロック部材7を下方に押し込んで、キャップ本体6に対してロック部材7を下方にスライドさせる。これにより係止爪7eは、スライド部材4の第一凸部4aを乗り越えて、内側に撓んだ状態でスライド部材4に保持される。なお、ロック部材7をスライドさせた際、第二凸部7cは内向き突起3bに引っ掛かるため、下方にスライドするロック部材7を所定の位置で停止させることができる。
【0025】
そして、図5に示すようにねじ部2eと被ねじ部6bが緩む向きにキャップ本体6を回転させると、容器本体2に対してキャップ本体6が上昇し、天壁6dが頂壁7bに当接してキャップ本体6とともにロック部材7が引き上げられる。これに伴い、係止爪7eを内側に撓んだ状態で保持するスライド部材4も引き上げられることになる。なお、係止爪7eは第一凸部4aに係合しているため、スライド部材4を確実に引き上げることができる。
【0026】
そしてキャップ本体6の回転を継続すると、図6に示すようにスライド部材4は内向き突起3bによって上昇が妨げられるため、スライド部材4を残したまま更にロック部材7が上昇する。これにより係止爪7eは、第一凸部4aを乗り越えて更に内向き突起3bも乗り越えるため、図7に示すように、キャップ5を容器1から取り外すことができる。
【0027】
ところで、このようにロック部材7を押し込んでキャップ本体6を回転させると、容器1からキャップ5を取り外すことができる一方、図8に示すようにロック部材7は押し込まずにキャップ本体6のみを緩み方向に回転させても、係止爪7eが内向き突起3bに係合しているため、ロック部材7は容器1に保持されたままになる。このため、ねじ部2eと被ねじ部6bとの係合が解けても、キャップ本体6は、天壁6dが頂壁7bに引っ掛かって空回りするだけなので、容器1から外れることはない。すなわち、幼児等よって容器1が偶発的に開栓される不具合を防止することができる。
【0028】
このように本実施形態のキャップ付き容器によれば、ロック部材7を押してからキャップ本体6を回転しなければ、これを取り外すことはできないため、幼児等はもとより、開け方を知らない者による不正な開栓も防止することができる。また、例えば部材間の隙間を調整することによってロック部材7を強めに保持し、幼児等の力ではロック部材7が簡単に押し込まれないようにしておけば、更に確実にチャイルドレジスタンス機能を発揮させることが可能である。
【0029】
なお、本発明に従うキャップ付き容器は、これまでに説明した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。例えばロック部材7の係止爪7eは、局所的に肉厚を薄くした薄肉部7dによって撓むようになっているが、係止爪7eの厚みを全体的に薄くして撓むように構成してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1:容器
2:容器本体
2a:底部
2b:胴部
2c:肩部
2d:口頸部(容器の口部)
2e:ねじ部
3:中栓(容器の口部)
3a:筒壁
3b:内向き突起
3c:抜け止め突起
3d:フランジ部
4:スライド部材
4a:第一凸部
4b:外側傾斜部
4c:突起
5:キャップ
6:キャップ本体
6a:外周壁
6b:被ねじ部
6c:内向きフランジ
6d:天壁
6e:環状壁
6f:貫通孔
6g:第三凸部
6h:第四凸部
7:ロック部材
7a:基部
7b:頂壁
7c:第二凸部
7d:薄肉部
7e:係止爪
7f:傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8