(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、特許請求の範囲および明細書中において用いられる各用語は、特に断らない限り、当該技術分野において一般的に用いられる定義によるものとする。
本明細書において、使用する略号を以下に説明する。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:プロピル基、Bu:ブチル基、Pentyl:ペンチル基、Hexyl:ヘキシル基、Ac:アセチル基、Ph:フェニル基、Py:ピリジル基、i:イソ、sec:セカンダリ、t:ターシャリ、c:シクロ、=:二重結合、≡:三重結合を表す。表のカラム中、単独の“−”は無置換を意味し、Pr、Bu、Pentyl、Hexylに関しては、接頭辞がない場合は、ノルマルを意味する。
【0016】
以下に、本明細書中に使用される用語の定義を説明する。
Cx〜Cyとの記載は、x個からy個の炭素原子を有することを表す。
「適宜置換されてもよい」とは、置換または無置換であることを意味する。置換基の数が明示されていないときは、置換基の数は1であることを表す。
C1〜C6のアルキル基とは、直鎖状または分岐状でよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、または2−エチルブチル基である。
【0017】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0018】
C1〜C6のハロアルキル基とは、前記のC1〜C6のアルキル基における水素がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C1〜C6のハロアルキル基の具体例として、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、モノブロモメチル基、モノヨードメチル基、クロロジフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロ−sec−ブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
C3〜C8のシクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、またはシクロオクチル基である。
【0020】
C2〜C6のアルケニル基とは、1個もしくは2個以上の二重結合を有し、直鎖状または分岐状である不飽和炭化水素基のものを表す。また、幾何異性体がある場合、E体またはZ体のどちらか一方のみ、あるいはE体とZ体との任意の割合の混合物であり、指定される炭素数の範囲であれば、特に限定されることはない。C2〜C6のアルケニル基の具体例として、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基等が挙げられる。
【0021】
C2〜C6のハロアルケニル基とは、前記のC2〜C6のアルケニル基における水素原子がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C2〜C6のハロアルケニル基の具体例として、2−フルオロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、3−フルオロアリル基、3,3−ジフルオロアリル基、3,3−ジクロロアリル基、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル基、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニル基、6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニル基等が挙げられる。
【0022】
C2〜C6のアルキニル基とは、1個もしくは2個以上の三重結合を有し、直鎖状または分岐状である不飽和炭化水素基のものを表す。C2〜C6のアルキニル基の具体例として、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
【0023】
C2〜C6のハロアルキニル基とは、前記のC2〜C6のアルキニル基における水素原子がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C2〜C6のハロアルキニル基の具体例として、2−フルオロエチニル基、2−クロロエチニル基、2−ブロモエチニル基、2−ヨードエチニル基、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3−クロロ−3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基、5,5−ジフルオロ−3−ペンチニル基、5−クロロ−5,5−ジフルオロ−3−ペンチニル基、5−ブロモ−5,5−ジフルオロ−3−ペンチニル基、5,5,5−トリフルオロ−3−ペンチニル基、6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニル基、6−クロロ−6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニル基、6−ブロモ−6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニル基、6,6,6−トリフルオロ−4−ヘキシニル基等が挙げられる。
【0024】
C1〜C6のアルコキシ基とは、前記のC1〜C6のアルキル基に酸素原子が結合したものを表す。C1〜C6のアルコキシ基として、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、および2−エチルブトキシ基が挙げられる。
【0025】
C1〜C6のハロアルコキシ基とは、前記のC1〜C6のアルコキシ基における水素原子がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C1〜C6のアルコキシ基の具体例として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基、ヘプタフルオロプロピルオキシ基、ヘプタフルオロイソプロピルオキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)−エトキシ基、ノナフルオロブトキシ基、ノナフルオロ−sec−ブトキシ基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチルオキシ基、ウンデカフルオロペンチルオキシ基、トリデカフルオロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0026】
C3〜C8のシクロアルコキシ基とは、前記のC3〜C8のシクロアルキル基に酸素原子が結合したものを表す。C3〜C8のシクロアルコキシ基として、具体的には、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、およびシクロオクチルオキシ基が挙げられる。
【0027】
C2〜C6のアルケニルオキシ基とは、前記のC2〜C6のアルケニル基に酸素原子が結合したものを表す。また、幾何異性体がある場合、E体またはZ体のどちらか一方のみ、あるいはE体とZ体との任意の割合の混合物であり、指定される炭素数の範囲であれば、特に制限されることはない。C2〜C6のアルケニルオキシ基の具体例として、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、2−ペンテニルオキシ基、3−ペンテニルオキシ基、4−ペンテニルオキシ基、3−メチル−2−ブテニルオキシ基、1−ヘキセニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基、3−ヘキセニルオキシ基、4−ヘキセニルオキシ基、5−ヘキセニルオキシ基、4−メチル−3−ペンテニルオキシ基、3−メチル−2−ペンテニルオキシ基等が挙げられる。
【0028】
C2〜C6のハロアルケニルオキシ基とは、前記のC2〜C6のアルケニルオキシ基における水素原子がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C2〜C6のハロアルケニルオキシ基の具体例として、2−フルオロビニルオキシ基、2,2−ジフルオロビニルオキシ基、2,2−ジクロロビニルオキシ基、3,3−ジフルオロアリルオキシ基、3,3−ジクロロアリルオキシ基、4,4−ジフルオロ−3−ブテニルオキシ基、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニルオキシ基、6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
C3〜C6のアルキニルオキシ基とは、前記のC2〜C6のアルキニル基のうち、C3〜C6のアルキニル基に酸素原子が結合したのものを表す。C3〜C6のアルキニルオキシ基の具体例として、プロパルギルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、2−ペンチニルオキシ基、3−ペンチニルオキシ基、4−ペンチニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ基、、2−ヘキシニルオキシ基、3−ヘキシニルオキシ基、4−ヘキシニルオキシ基、5−ヘキシニルオキシ基等が挙げられる。
【0030】
C3〜C6のハロアルキニルオキシ基とは、前記のC3〜C6のアルキニルオキシ基における水素原子がハロゲン原子によって任意に置換されたものを表す。2個以上のハロゲン原子で置換される場合、それらのハロゲン原子は同一または異なっていてよく、その置換数は置換基として存在することができる限り特に制限はない。C3〜C6のハロアルキニルオキシ基の具体例として、1,1−ジフルオロ−2−プロピニルオキシ基、4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニルオキシ基、5,5−ジフルオロ−3−ペンチニルオキシ基、5−クロロ−5,5−ジフルオロ−3−ペンチニルオキシ基、5−ブロモ−5,5−ジフルオロ−3−ペンチニルオキシ基、5,5,5−トリフルオロ−3−ペンチニルオキシ基、6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニルオキシ基、6−クロロ−6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニルオキシ基、6−ブロモ−6,6−ジフルオロ−4−ヘキシニルオキシ基、6,6,6−トリフルオロ−4−ヘキシニルオキシ基等が挙げられる。
【0031】
C2〜C6のアルコキシアルコキシ基とは、前記のC1〜C6のアルコキシ基のうちC1〜C5のアルコシキ基における水素原子が、C1〜C5アルコキシ基で任意に置換されたものを表す。炭素数の総和が指定される炭素数の範囲であれば、特に限定されることはない。C2〜C6のアルコキシアルコキシ基の具体例として、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロピルオキシメトキシ基、イソプロピルオキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシ基、イソプロピルオキシエトキシ基、メトキシプロピルオキシ基、エトキシプロピルオキシ基、プロピルオキシプロピルオキシ基、イソプロピルオキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
【0032】
1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基の具体例として、1,2−エポキシエタニル基、オキセタニル基、オキソラニル基、オキサニル基、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基、1,4−ジオキサニル基等が挙げられる。
【0033】
本発明のピリドン化合物は、下記式(1)で表される化合物とその塩を包含する。
【0034】
【化3】
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【0035】
以下、式(1)について説明する。
式(1)のR1は、水酸基、シアノ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、C2〜C6のハロアルキニル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、C2〜C6のハロアルケニルオキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、C3〜C6のハロアルキニルオキシ基、またはR10R11N−(ここで、R10およびR11は、それぞれ独立していて、水素原子、またはC1〜C6のアルキル基を表す。)を表す。
【0036】
中でもR1は、シアノ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはR10R11N−(ここで、R10およびR11は、前記と同義である。)が好ましく、
特に、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、またはC1〜C6のハロアルキル基が好ましい。
【0037】
式(1)の「置換基A」とは、水酸基、シアノ基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、R12R13N−(ここで、R12およびR13は、それぞれ独立していて、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表すか、あるいはR12およびR13は、結合する窒素原子と一緒になって、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、またはアゾカニル基を形成するものを表す。)、およびR14−L1−(ここで、R14は、C1〜C6のアルキル基、またはC1〜C6のハロアルキル基を表し、L1は、S、SO、またはSO
2を表す。)からなる群から選択される少なくとも1種を表す。
【0038】
中でも置換基Aは、シアノ基、C1〜C6のアルコキシ基、またはR14−L1−(ここで、R14およびL1は、前記と同義である。)が好ましく、
特に、シアノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基が好ましい。
【0039】
置換基Aの好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、およびイソプロピルオキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、およびシクロヘキシルオキシ基;
R12R13N−(ここで、R12およびR13は、前記と同義である。)として、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基;
ならびにR14−L1−(ここで、R14およびL1は、前記と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメタンスルフィニル基、およびトリフルオロメタンスルホニル基が挙げられる。
【0040】
置換基Aのさらに好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、およびシクロブチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、およびエトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、およびシクロブトキシ基;
R12R13N−(ここで、R12およびR13は、前記と同義である。)として、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基;
ならびにR14−L1−(ここで、R14およびL1は、前記と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、およびメタンスルホニル基が挙げられる。
【0041】
式(1)のR1には、水酸基、およびシアノ基が含まれる。
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基」のC1〜C6のアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、またはイソブチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、またはエチル基である。置換基Aを有する場合、C1〜C6のアルキル基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0042】
式(1)のR1における「C1〜C6のハロアルキル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、または3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、さらに好ましくは、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基である。
【0043】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基」のC3〜C8のシクロアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基であり、さらに好ましくは、シクロプロピル基、またはシクロブチル基である。置換基Aを有する場合、C3〜C8のシクロアルキル基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0044】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基」のC2〜C6のアルケニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ビニル基、1−プロペニル基、またはアリル基であり、さらに好ましくは、ビニル基、またはアリル基である。置換基Aを有する場合、C2〜C6のアルケニル基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0045】
式(1)のR1における「C2〜C6のハロアルケニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、3−フルオロアリル基、または3,3−ジフルオロアリル基であり、さらに好ましくは、2−フルオロビニル基、または2,2−ジフルオロビニル基である。
【0046】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基」のC2〜C6のアルキニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、プロパルギル基、2−ブチニル基、または3−ブチニル基であり、さらに好ましくは、プロパルギル基である。置換基Aを有する場合、C2〜C6のアルキニル基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0047】
式(1)のR1における「C2〜C6のハロアルキニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基であり、さらに好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基である。
【0048】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基」のC1〜C6のアルコキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、またはイソブトキシ基であり、さらに好ましくは、メトキシ基、またはエトキシ基である。置換基Aを有する場合、C1〜C6のアルコキシ基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0049】
式(1)のR1における「C1〜C6のハロアルコキシ基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、または3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基であり、さらに好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。
【0050】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基」のC3〜C8のシクロアルコキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、またはシクロヘキシルオキシ基であり、さらに好ましくは、シクロプロピルオキシ基、またはシクロブトキシ基である。置換基Aを有する場合、C3〜C8のシクロアルコキシ基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0051】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基」のC2〜C6のアルケニルオキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、またはアリルオキシ基であり、さらに好ましくは、ビニルオキシ基である。置換基Aを有する場合、C2〜C6のアルケニルオキシ基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0052】
式(1)のR1における「C2〜C6のハロアルケニルオキシ基」とは、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロビニルオキシ基、2,2−ジフルオロビニルオキシ基、3−フルオロアリルオキシ基、または3,3−ジフルオロアリルオキシ基であり、さらに好ましくは、2−フルオロビニルオキシ基、または2,2−ジフルオロビニルオキシ基である。
【0053】
式(1)のR1における「置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基」のC3〜C6のアルキニルオキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、プロパルギルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、または3−ブチニルオキシ基であり、さらに好ましくは、プロパルギルオキシ基である。置換基Aを有する場合、C3〜C6のアルキニルオキシ基における水素原子が、置換基Aによって任意に置換される。
【0054】
式(1)のR1における「C3〜C6のハロアルキニルオキシ基」とは、前記の定義と同義であり、好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニルオキシ基であり、さらに好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニルオキシ基である。
【0055】
式(1)のR1における「R10R11N−」(ここで、R10およびR11は、それぞれ独立していて、水素原子またはC1〜C6のアルキル基を表す。)のC1〜C6のアルキル基は、前記の定義と同義である。「R10R11N−」として、好ましくは、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基が挙げられ、さらに好ましくは、アミノ基、およびジメチルアミノ基が挙げられる。
【0056】
R2は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、C2〜C6のハロアルキニル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、C2〜C6のハロアルケニルオキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、C3〜C6のハロアルキニルオキシ基、R20C(=O)−(ここで、R20は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、またはR21R22N−(ここで、R21およびR22は、それぞれ独立していて、水素原子、置換基B1で適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表すか、あるいはR21およびR22は、結合する窒素原子と一緒になって、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、またはアゾカニル基を形成するものを表す。)を表す。)、R20C(=O)O−(ここで、R20は、前記と同義である。)、1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基、R23−L2−(ここで、R23は、C1〜C6のアルキル基、またはC1〜C6のハロアルキル基を表し、L2は、S、SO、またはSO
2を表す。)、R21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記と同義である。)、またはR24C(=O)N(R25)−(ここで、R24は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、またはR21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記と同義である。)を表し、R25は、水素原子、置換基B1で適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表す。)を表す。
【0057】
中でもR2は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、R20C(=O)O−(ここで、R20は、前記と同義である。)、またはR23−L2−(ここで、R23およびL2は、前記と同義である。)が好ましく、
特に、ハロゲン原子、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、または置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基が好ましい。
【0058】
式(1)の「置換基B」とは、水酸基、シアノ基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、C2〜C6のアルコキシアルコキシ基、R21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記と同義である。)、R23−L2−(ここで、R23およびL2は、前記と同義である。)、R26R27R28Si−(ここで、R26、R27、およびR28は、それぞれ独立していて、C1〜C6のアルキル基を表す。)、R26R27R28Si−(CH
2)s−O−(ここで、sは、1〜3の整数を表し、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)、R20C(=O)−(ここで、R20は、前記のR20と同義である。)、および1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基からなる群から選択される少なくとも1種を表す。
【0059】
中でも置換基Bは、シアノ基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C2〜C6のアルコキシアルコキシ基、R23−L2−(ここで、R23およびL2は、前記と同義である。)、R26R27R28Si−(ここで、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)、R26R27R28Si−(CH
2)s−O−(ここで、s、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)、R20C(=O)−(ここで、R20は、前記と同義である。)、または1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基が好ましく、
特に、シアノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基が好ましい。
【0060】
置換基Bの好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、およびイソブトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、およびシクロヘキシルオキシ基;
C2〜C6のアルコキシアルコキシ基として、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、およびメトキシプロピルオキシ基;
R21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記のと同義である。)として、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、およびピペリジニル基;
R23−L2−(ここで、R23およびL2は、前記と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメタンスルフィニル基、およびトリフルオロメタンスルホニル基;
R26R27R28Si−(ここで、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)として、トリメチルシリル基、およびトリエチルシリル基;
R26R27R28Si−(CH
2)s−O−(ここで、s、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)として、2−(トリメチルシリル)エトキシ基、および2−(トリエチルシリル)エトキシ基;
R20C(=O)−(ここで、R20は、前記と同義である。)として、アセチル基、プロピオニル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、シクロプロパンカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2−ジフルオロエトキシカルボニル基、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、およびピペリジニルカルボニル基;
ならびに1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基として、オキソラニル基、オキサニル基、1,3−ジオキソラニル基、および1,3−ジオキサニル基が挙げられる。
【0061】
置換基Bのさらに好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、およびシクロブチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、およびエトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、およびシクロブトキシ基;
C2〜C6のアルコキシアルコキシ基として、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、およびエトキシエトキシ基;
R21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記と同義である。)として、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基;
R23−L2−(ここで、R23およびL2は、前記と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、およびメタンスルホニル基;
R26R27R28Si−(ここで、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)として、トリメチルシリル基;
R26R27R28Si−(CH
2)s−O−(ここで、s、R26、R27、およびR28は、前記と同義である。)として、2−(トリメチルシリル)エトキシ基;
R20C(=O)−(ここで、R20は、前記と同義である。)として、アセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルメチルアミノカルボニル基、およびジエチルアミノカルボニル基;
ならびに1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基として、1,3−ジオキソラニル基、および1,3−ジオキサニル基が挙げられる。
【0062】
式(1)の「置換基B1」とは、シアノ基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、およびC3〜C8のシクロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を表す。中でも置換基B1は、シアノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基が好ましい。
【0063】
置換基B1の好ましい具体例として、シアノ基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、およびイソブトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基;
ならびにC3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、およびシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0064】
置換基B1のさらに好ましい具体例として、シアノ基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、およびエトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基;
ならびにC3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、およびシクロブトキシ基が挙げられる。
【0065】
式(1)のR2におけるハロゲン原子は、前記の定義と同義である。
式(1)のR2には、水酸基、シアノ基、およびニトロ基が含まれる。
【0066】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基」のC1〜C6のアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、またはイソブチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基である。置換基Bを有する場合、C1〜C6のアルキル基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0067】
式(1)のR2における「C1〜C6のハロアルキル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、または3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、さらに好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基である。
【0068】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基」のC3〜C8のシクロアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基であり、さらに好ましくは、シクロプロピル基、またはシクロブチル基である。置換基Bを有する場合、C3〜C8のシクロアルキル基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0069】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基」のC2〜C6のアルケニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、または3−ブテニル基であり、さらに好ましくは、ビニル基、1−プロペニル基、またはアリル基である。置換基Bを有する場合、C2〜C6のアルケニル基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0070】
式(1)のR2における「C2〜C6のハロアルケニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、3−フルオロアリル基、3,3−ジフルオロアリル基、または3,3−ジクロロアリル基であり、さらに好ましくは、2−フルオロビニル基、または2,2−ジフルオロビニル基である。
【0071】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基」のC2〜C6のアルキニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、または3−ブチニル基であり、さらに好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基、またはプロパルギル基である。置換基Bを有する場合、C2〜C6のアルキニル基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0072】
式(1)のR2における「C2〜C6のハロアルキニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基であり、さらに好ましくは、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基である。
【0073】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基」のC1〜C6のアルコキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、またはペンチルオキシ基であり、さらに好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、またはペンチルオキシ基である。置換基Bを有する場合、C1〜C6のアルコキシ基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0074】
式(1)のR2における「C1〜C6のハロアルコキシ基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、または3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基であり、さらに好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。
【0075】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基」のC3〜C8のシクロアルコキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、またはシクロヘキシルオキシ基であり、さらに好ましくは、シクロプロピルオキシ基、またはシクロブトキシ基である。置換基Bを有する場合、C3〜C8のシクロアルコキシ基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0076】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基」のC2〜C6のアルケニルオキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、または3−ブテニルオキシ基であり、さらに好ましくは、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、またはアリルオキシ基である。置換基Bを有する場合、C2〜C6のアルケニルオキシ基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0077】
式(1)のR2における「C2〜C6のハロアルケニルオキシ基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロビニルオキシ基、2,2−ジフルオロビニルオキシ基、2,2−ジクロロビニルオキシ基、3−フルオロアリルオキシ基、3,3−ジフルオロアリルオキシ基、または3,3−ジクロロアリルオキシ基であり、さらに好ましくは、2−フルオロビニルオキシ基、または2,2−ジフルオロビニルオキシ基である。
【0078】
式(1)のR2における「置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基」のC3〜C6のアルキニルオキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、プロパルギルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、または3−ブチニルオキシ基であり、さらに好ましくは、プロパルギルオキシ基である。置換基Bを有する場合、C3〜C6のアルキニルオキシ基における水素原子が、置換基Bによって任意に置換される。
【0079】
式(1)のR2における「C3〜C6のハロアルキニルオキシ基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−クロロ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニルオキシ基であり、さらに好ましくは、4,4−ジフルオロ−2−ブチニルオキシ基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニルオキシ基である。
【0080】
式(1)のR2における「R20C(=O)−」(ここで、R20は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、またはR21R22N−(ここで、R21およびR22は、それぞれ独立していて、水素原子、置換基B1で適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表すか、あるいはR21およびR22は、結合する窒素原子と一緒になって、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、またはアゾカニル基を形成するものを表す。)を表す。)の各用語は、前記の定義と同義である。「R20C(=O)−」として、好ましくは、アセチル基、プロピオニル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、シクロプロパンカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2−ジフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、およびピペリジニルカルボニル基が挙げられ、さらに好ましくは、アセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルメチルアミノカルボニル基、およびジエチルアミノカルボニル基が挙げられる。
【0081】
式(1)のR2における「R20C(=O)O−」のR20は、前記と同義である。「R20C(=O)O−」として、好ましくは、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ジフルオロアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、シクロプロパンカルボニルオキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、2,2−ジフルオロエトキシカルボニルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシ基、シクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、エチルメチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基、ピロリジニルカルボニルオキシ基、およびピペリジニルカルボニルオキシ基が挙げられ、より好ましくは、アセチルオキシ基、ジフルオロアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、エチルメチルアミノカルボニルオキシ基、およびジエチルアミノカルボニルオキシ基が挙げられる。
【0082】
式(1)のR2における「1〜2個の酸素原子を含む3〜6員環の基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、オキソラニル基、オキサニル基、1,3−ジオキソラニル基、または1,3−ジオキサニル基であり、さらに好ましくは、1,3−ジオキソラニル基、または1,3−ジオキサニル基である。
【0083】
式(1)のR2における「R23−L2−」(ここで、R23は、C1〜C6のアルキル基、またはC1〜C6のハロアルキル基を表し、L2は、S、SO、またはSO
2を表す。)の各用語は、前記の定義と同義である。「R23−L2−」として、好ましくは、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメタンスルフィニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、(クロロメチル)チオ基、(クロロメタン)スルフィニル基、および(クロロメタン)スルホニル基が挙げられ、さらに好ましくは、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、(クロロメチル)チオ基、(クロロメタン)スルフィニル基、および(クロロメタン)スルホニル基が挙げられる。
【0084】
式(1)のR2における「R21R22N−」のR21およびR22は、前記と同義である。「R21R22N−」として、好ましくは、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、およびピペリジニル基が挙げられ、さらに好ましくは、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基が挙げられる。
【0085】
式(1)のR2における「R24C(=O)N(R25)−」(ここで、R24は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、またはR21R22N−(ここで、R21およびR22は、前記と同義である。)を表し、R25は、水素原子、置換基B1で適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表す。)の各用語は、前記の定義と同義である。R24として、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、シクロプロピルオキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、およびピペリジニル基が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基が挙げられる。また、R25として、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、およびシクロプロピル基が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、シアノメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、および2,2,2−トリフルオロエチル基が挙げられる。
【0086】
式(1)のnは、0〜5の整数である。ただし、nが2以上のとき、2以上のR2は、それぞれ独立した置換基を表し、同一または異なっていてよく、任意に選択することができる。
【0087】
式(1)のR3は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、C2〜C6のハロアルキニル基、R30−L3−(ここで、R30は、前記のR23と同義であり、L3は、前記のL2と同義である。)、R31R32N−(ここで、R31およびR32は、前記のR21およびR22と同義である。)、またはR33C(=O)−(ここで、R33は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表す。)を表す。
【0088】
中でもR3は、水素原子、ハロゲン原子、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはR30−L3−(ここで、R30およびL3は、前記と同義である。)が好ましく、
特に、水素原子、ハロゲン原子、または置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基が好ましい。
【0089】
式(1)の「置換基C」とは、水酸基、シアノ基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、C3〜C8のシクロアルコキシ基、R31R32N−(ここで、R31およびR32は、前記のR21およびR22と同義である。)、およびR30−L3−(ここで、R30は、前記のR14と同義であり、L3は、前記のL1と同義である。)からなる群から選択される少なくとも1種を表す。中でも置換基Cは、シアノ基、C1〜C6のアルコキシ基、またはR30−L3−(ここで、R30およびL3は、前記と同義である。)が好ましく、
特に、シアノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基が好ましい。
【0090】
置換基Cの好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、およびイソブトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、およびシクロヘキシルオキシ基;
R31R32N−(ここで、R31およびR32は、前記のR21およびR22と同義である。)として、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、およびピペリジニル基;
ならびにR30−L3−(ここで、R30は、前記のR14と同義であり、L3は、前記のL1と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメタンスルフィニル基、およびトリフルオロメタンスルホニル基が挙げられる。
【0091】
置換基Cのさらに好ましい具体例として、水酸基;シアノ基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、およびシクロブチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、およびエトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基;
C3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、およびシクロブトキシ基;
R31R32N−(ここで、R31およびR32は、前記と同義である。)として、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基;
ならびにR30−L3−(ここで、R30およびL3は、前記と同義である。)として、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、およびメタンスルホニル基が挙げられる。
【0092】
式(1)のR3には、水素原子、およびニトロ基が含まれる。
式(1)のR3における「ハロゲン原子」は、前記の定義と同義である。
【0093】
式(1)のR3における「置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基」のC1〜C6のアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、またはイソブチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、またはプロピル基である。置換基Cを有する場合、C1〜C6のアルキル基における水素原子が、置換基Cによって任意に置換される。
【0094】
式(1)のR3における「C1〜C6のハロアルキル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、または3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、さらに好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基である。
【0095】
式(1)のR3における「置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基」のC3〜C8のシクロアルキル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基であり、さらに好ましくは、シクロプロピル基、またはシクロブチル基である。置換基Cを有する場合、C3〜C8のシクロアルキル基における水素原子が、置換基Cによって任意に置換される。
【0096】
式(1)のR3における「置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基」のC1〜C6のアルコキシ基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、またはイソブトキシ基であり、さらに好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、またはイソプロピルオキシ基である。置換基Cを有する場合、C1〜C6のアルコキシ基における水素原子が、置換基Cによって任意に置換される。
【0097】
式(1)のR3における「C1〜C6のハロアルコキシ基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、または3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基であり、さらに好ましくは、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。
【0098】
式(1)のR3における「置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基」のC2〜C6のアルケニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、または3−ブテニル基であり、さらに好ましくは、ビニル基、1−プロペニル基、またはアリル基である。置換基Cを有する場合、C2〜C6のアルケニル基における水素原子が、置換基Cによって任意に置換される。
【0099】
式(1)のR3における「C2〜C6のハロアルケニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、2−フルオロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、3−フルオロアリル基、3,3−ジフルオロアリル基、または3,3−ジクロロアリル基であり、さらに好ましくは、2−フルオロビニル基、または2,2−ジフルオロビニル基である。
【0100】
式(1)のR3における「置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基」のC2〜C6のアルキニル基は、前記の定義と同義であり、好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、または3−ブチニル基であり、さらに好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基、またはプロパルギル基である。置換基Cを有する場合、C2〜C6のアルキニル基における水素原子が、置換基Cによって任意に置換される。
【0101】
式(1)のR3における「C2〜C6のハロアルキニル基」は、前記の定義と同義であり、好ましくは、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル基、または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基であり、さらに好ましくは、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基である。
【0102】
式(1)のR3における「R30−L3−」は、R30が前記のR23と同義であり、L3が前記のL2と同義である。「R30−L3−」として、好ましくは、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメタンスルフィニル基、およびトリフルオロメタンスルホニル基が挙げられ、さらに好ましくは、メチルチオ基、メタンスルフィニル基、およびメタンスルホニル基が挙げられる。
【0103】
式(1)のR3における「R31R32N−」は、R31およびR32が、前記のR21およびR22と同義であり、好ましくは、アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、またはピペリジニル基であり、さらに好ましくは、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、またはジエチルアミノ基である。
【0104】
式(1)のR3における「R33C(=O)−」(ここで、R33は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、またはC3〜C8のシクロアルキル基を表す。)の各用語は、前記の定義と同義である。「R33C(=O)−」として、好ましくは、アセチル基、プロピオニル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、およびシクロプロパンカルボニル基が挙げられ、さらに好ましくは、アセチル基、ジフルオロアセチル基、およびトリフルオロアセチル基が挙げられる。
【0105】
式(1)のXは、酸素原子、または硫黄原子を表す。好ましいXは、酸素原子である。
【0106】
式(1)のYは、フェニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、テトラジニル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、またはチアジアゾリル基を表す。
該フェニル基は、置換基Dがオルト位に置換し、さらに置換基D1が、それぞれ独立して適宜0〜4置換する。
該ピリジル基、該ピリダジニル基、該ピリミジニル基、該ピラジニル基、該トリアジニル基、または該テトラジニル基は、置換基Dがオルト位に置換し、さらに置換基D1が、それぞれ独立して適宜0〜3置換する。
該チエニル基、該チアゾリル基、該イソチアゾリル基、または該チアジアゾリル基は、置換基Dがオルト位に置換し、さらに置換基D1が、それぞれ独立して適宜0〜2置換する。
【0107】
式(1)の「置換基D」とは、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、およびC1〜C6のハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を表す。
中でも置換基Dは、ハロゲン原子、またはC1〜C6のアルキル基が好ましく、
特に、ハロゲン原子が好ましい。
【0108】
置換基Dの好ましい具体例として、
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子;
C1〜C6のアルキル基として、メチル基、エチル基、およびプロピル基;
C1〜C6のハロアルキル基として、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、および2,2,2−トリフルオロエチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、およびt−ブトキシ基;
ならびにC1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基が挙げられる。
【0109】
置換基Dのさらに好ましい具体例として、
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子;
C1〜C6のアルキル基として、メチル基、およびエチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、およびイソプロピルオキシ基;
ならびにC1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。
【0110】
式(1)の「置換基D1」とは、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、およびC3〜C8のシクロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を表す。
中でも置換基D1は、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはC1〜C6のハロアルキル基が好ましく、
さらに好ましくは、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはC1〜C6のハロアルコキシ基が好ましい。
【0111】
置換基D1の好ましい具体例として、水酸基;
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子;
C1〜C6のアルキル基として、メチル基、エチル基、およびプロピル基;
C1〜C6のハロアルキル基として、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、および2,2,2−トリフルオロエチル基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、およびt−ブトキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロピルオキシ基、および3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基;
ならびにC3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、およびシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0112】
置換基D1のさらに好ましい具体例として、水酸基;
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子;
C1〜C6のアルキル基として、メチル基、およびエチル基;
C1〜C6のハロアルキル基として、ジフルオロメチル基、およびトリフルオロメチル基;
C3〜C8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、およびシクロブチル基;
C1〜C6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、およびイソプロピルオキシ基;
C1〜C6のハロアルコキシ基として、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基;
ならびにC3〜C8のシクロアルコキシ基として、シクロプロピルオキシ基、およびシクロブトキシ基が挙げられる。
【0113】
以下、式(1)のYの具体的例を詳細に説明する。
A) Yがフェニル基であるとき、Yは、式(a)
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
で表される部分構造(ここで、DおよびD1は前記と同義であり、maは0〜4の整数を表す。)を表す。
【0114】
式(a)のmaは、0〜4の整数を表す。
式(a)のmaが2以上の場合、2以上のD1は、それぞれ独立した置換基を表し、同一または異なっていてよく、任意に選択することができる。
本明細書においてYがフェニル基の場合、オルト位とは、式(a)に示されるように、置換基Dがあるフェニル基の位置を意味する。
置換基Dがオルト位に位置したフェニル基は、本発明の特徴をなしている。
【0115】
式(a)の好ましい組み合わせは、2−D−6−D1−フェニル基、2−D−4−D1−フェニル基、または2−D−4−D1−6−D1−フェニル基である。ここで、例えば、「2−D−6−D1−フェニル基」は、2位に置換基D、6位に置換基D1を有する二置換フェニル基を意味し、以下の記載も同様である。
【0116】
B) Yが、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、またはテトラジニル基のとき、Yは、式(b)
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
で表される部分構造(ここで、DおよびD1は前記と同義であり、mbは0〜3の整数を表す。)を表す。
【0117】
式(b)のG1、G2、G3およびG4は、それぞれ独立していて、炭素原子または窒素原子を表す。ただし、G1、G2、G3およびG4のうち、少なくとも一つは窒素原子である。好ましいG1、G2、G3およびG4は、G1、G2、G3およびG4のうち、いずれか一つが窒素原子である。すなわち、ピリジル基である。
式(b)のmbは、0〜3の整数を表す。
式(b)のmbが2以上の場合、2以上のD1は、それぞれ独立した置換基を表し、同一、または異なっていてよく、任意に選択することができる。
【0118】
本明細書においてYがピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、またはテトラジニル基の場合、オルト位とは、式(b)に示されるように、置換基Dがある6員環の位置を意味する。
式(b)の部分構造の具体例を以下に示す。
【0119】
【化6】
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【0120】
置換基Dがオルト位に位置したピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、またはテトラジニル基は、本発明の特徴をなしている。
【0121】
式(b)の好ましい組み合わせは、3−D−2−ピリジル基、3−D−5−D1−2−ピリジル基、2−D−3−ピリジル基、2−D−4−D1−3−ピリジル基、2−D−6−D1−3−ピリジル基、2−D−4−D1−6−D1−3−ピリジル基、4−D−3−ピリジル基、4−D−2−D1−3−ピリジル基、4−D−6−D1−3−ピリジル基、4−D−2−D1−6−D1−3−ピリジル基、3−D−4−ピリジル基、または3−D−5−D1−4−ピリジル基である。
【0122】
C) Yが、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、またはチアジアゾリル基のとき、Yは、式(c−1)
【化7】
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式(c−2)
【化8】
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または、式(c−3)
【化9】
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で表される部分構造(ここで、DおよびD1は前記と同義であり、mcは0〜2の整数を表す。)を表す。
【0123】
式(c−1)、式(c−2)および式(c−3)におけるG5とG6は、それぞれ独立していて、炭素原子または窒素原子を表す。
式(c−1)、式(c−2)および式(c−3)のmcは、0〜2の整数を表す。
式(c−1)、式(c−2)および式(c−3)のmcが2の場合、2のD1は、それぞれ独立した置換基を表し、同一または異なっていてよく、任意に選択することができる。
【0124】
本明細書においてYがチエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、またはチアジアゾリル基の場合、オルト位とは、式(c−1)、式(c−2)および式(c−3)に示されるように、置換基Dがある5員環の位置を意味する。
式(c−1)の部分構造の具体例を以下に示す。
【0125】
【化10】
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【0126】
式(c−2)の部分構造の具体例を以下に示す。
【化11】
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【0127】
式(c−3)の部分構造の置換基の具体例を以下に示す。
【化12】
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【0128】
置換基Dがオルト位に位置したチエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、またはチアジアゾリル基は、本発明の特徴をなしている。
【0129】
式(1)における破線部を含む結合は、
【化13】
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で表される箇所を表す。
式(1)における破線部を含む結合は、二重結合または単結合を表す。
【0130】
式(1)における破線部を含む結合が二重結合の場合は、式(1a)
【化14】
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【0131】
(式中、R1、R2、R3、X、Yおよびnは、式(1)と同義である。)で表される化合物、またはその塩を表す。
【0132】
式(1)における破線部を含む結合が単結合の場合は、式(1b)
【化15】
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【0133】
(式中、R1、R2、R3、X、Yおよびnは、式(1)と同義である。)で表される化合物、またはその塩を表す。
【0134】
式(1b)におけるR3が水素以外の置換基の場合、R体もしくはS体のどちらか一方のみ、またはR体とS体との任意の割合の混合物である。
【0135】
式(1)で表される化合物は、1個または2個の軸不斉を有することがある。この際の異性体比は、単独または任意の割合の混合比であり、特に限定されることはない。
式(1)で表される化合物は、不斉原子を含むことがある。この際の異性体比は、単独または任意の割合の混合比であり、特に限定されることはない。
式(1)で表される化合物は、幾何異性体を含むことがある。この際の異性体比は、単独または任意の割合の混合比であり、特に限定されることはない。
【0136】
式(1)で表される化合物は、塩を形成できることがある。塩酸、硫酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸のような酸塩や、ナトリウム、カリウム、カルシウムのような金属塩等が例示されるが、農園芸用殺菌剤として使用できる限り、特に限定されることはない。
【0137】
次に、本発明の具体的な化合物は表1に示す構造式と表2に示す(R2)nとの組み合わせによって表される。これらの化合物は例示のためのものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0138】
【表1】
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【0139】
【表2】
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【0140】
【表3】
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【0141】
【表4】
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【0142】
【表5】
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【0143】
【表6】
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【0144】
【表7】
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【0145】
【表8】
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【0146】
【表9】
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【0147】
【表10】
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【0148】
【表11】
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【0149】
【表12】
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【0150】
【表13】
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【0151】
【表14】
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【0152】
【表15】
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【0153】
【表16】
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【0154】
【表17】
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【0155】
【表18】
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【0156】
【表19】
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【0157】
【表20】
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【0158】
以下、例えば、表2中の「2−F−」との記載は、(R2)nが結合するフェニル基の2位にフッ素原子が結合していることを意味し、「2−F−3−HO−」との記載は、2位にフッ素原子が結合し、3位に水酸基が結合していることを意味し、「2,3−di−F」との記載は、2位と3位にフッ素原子が結合していることを意味し、他の記載も同様である。
【0159】
【表21】
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【0160】
【表22】
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【0161】
【表23】
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【0162】
【表24】
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【0163】
【表25】
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【0164】
【表26】
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【0165】
【表27】
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【0166】
【表28】
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【0167】
【表29】
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【0168】
【表30】
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【0169】
【表31】
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【0170】
【表32】
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【0171】
【表33】
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【0172】
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
【表38】
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【0177】
【表39】
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【0178】
【表40】
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【0179】
【表41】
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【0180】
【表42】
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【0181】
【表43】
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【0182】
【表44】
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【0183】
【表45】
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【0184】
【表46】
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【0185】
【表47】
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【0186】
【表48】
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【0187】
以下に、式(1)で表される化合物の製造方法を例示する。
[製造方法A]
【0188】
【化16】
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【0189】
式中、R4は、水素原子、水酸基、シアノ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、C2〜C6のハロアルキニル基、置換基Aで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、C2〜C6のハロアルケニルオキシ基、置換基Aで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、C3〜C6のハロアルキニルオキシ基、またはR10R11N−(ここで、R10およびR11は、それぞれ独立していて、水素原子、またはC1〜C6のアルキル基を表す。)を表し、R5は、水素原子、またはC1〜C6のアルキル基を表し、n、R2、R3、XおよびYは、前記と同義である。
【0190】
製造方法Aは、本発明化合物および本発明化合物の製造中間体を含む式(1b−a)で表される化合物を得る方法であって、式(3)で表される化合物とR4NH
2とを、酸存在下で反応させることを含む製造方法である。
【0191】
本反応に使用するR4NH
2は、市販品として入手することができる。R4NH
2は、塩酸、酢酸のような酸性化合物との塩を形成したものでもよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0192】
本反応に使用するR4NH
2は、式(3)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上200当量以下である。
【0193】
本反応に使用する酸として、塩酸、硫酸等の無機酸類や、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類が例示され、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定することはないが、好ましくは、酢酸である。また、R4NH
2と酸性化合物との塩を使用する際には、酸の使用は必須ではない。
【0194】
本反応に使用する酸の量は、R4NH
2に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上200当量以下である。また、使用する酸が液体である場合には、溶媒として使用することも可能である。
【0195】
本反応には溶媒を使用することができるが、必ずしも必須ではない。
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、酢酸、メタンスルホン酸等の酸性系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。溶媒として、好ましくは、酸性系溶媒が挙げられ、さらに好ましくは、酢酸が挙げられる。
【0196】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(3)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0197】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、50℃以上180℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0198】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0199】
前記で得られた式(1b−a)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0200】
前記で得られた式(1b−a)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1b−a)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0201】
製造方法Aによると、式(1b−a)で表される化合物においてR4が水素原子を表すときに製造することができる式(2)で表される化合物は、本発明化合物のうち、式(1b)で表される化合物を得る有用な製造中間体となりうる。
【0202】
式(2)で表される製造中間体の具体例は、表3に示す構造式と表2に示す(R2)nとの組み合せによって表される。これらの化合物は、例示のためのものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0203】
【表49】
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【0204】
【表50】
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【0205】
【表51】
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【0206】
【表52】
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【0207】
【表53】
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【0208】
【表54】
[この文献は図面を表示できません]
【0209】
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
【0210】
この式(2)で表される化合物を製造中間体として利用し、本発明の式(1b)を得る方法を説明する。
【0211】
[製造方法B]
【化17】
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【0212】
式中、Lvはメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、ハロゲン原子等の脱離基を表し、R1、R2、R3、X、Yおよびnは、前記と同義である。
【0213】
製造方法Bは、式(1b)で表される化合物を得る方法であって、式(2)で表される製造中間体とR1Lvとを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0214】
本反応に使用するR1Lvは、市販品として入手することができる。
【0215】
本反応に使用するR1Lvの量は、式(2)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0216】
本反応に使用する塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類が例示されるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0217】
本反応に使用する塩基の量は、式(2)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0218】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0219】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(2)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0220】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0221】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0222】
前記で得られた式(1b)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0223】
前記で得られた式(1b)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1b)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0224】
[製造方法C]
【化18】
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【0225】
式中、SRは硫黄化剤を表し、R1、R2、R3、Yおよびnは前記と同義である。
【0226】
製造方法Cは、式(1b)で表される化合物のうち、式(1b−c)で表される化合物を得る製造方法であって、式(1b−b)で表される化合物と硫黄化剤(SR)とを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0227】
本反応に使用する硫黄化剤としては、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)が挙げられる。
【0228】
本反応に使用する硫黄化剤の量は、式(1b−b)で表される化合物に対して0.5当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0229】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0230】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1b−b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0231】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、50℃以上180℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0232】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水、もしくは適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、本反応においては、分液操作は必須ではない。
【0233】
前記で得られた式(1b−c)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0234】
前記で得られた式(1b−c)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1b−c)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0235】
[製造方法D]
【化19】
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【0236】
式中、R3aは、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基を表し、Lv、R1、R2、X、Yおよびnは前記と同義である。
【0237】
製造方法Dは、式(1b)で表される化合物のうち、R3aが置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基である式(1b−e)で表される化合物の合成方法であって、式(1b−d)で表される化合物とR3aLvとを、塩基の存在下、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0238】
本反応に使用するR3aLvは、市販品として入手することができる。
本反応に使用するR3aLvの量は、式(1b−d)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上1.8当量以下である。
【0239】
本反応に使用する塩基として、水素化ナトリウム等の金属ヒドリド類、メチルリチウム、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム等の有機リチウム類や、リチウムジイソプロピルアミド、ヘキサメチルジシラザンリチウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウム、ヘキサメチルジシラザンカリウム等の金属アミド類が例示される。
【0240】
本反応に使用する塩基の量は、式(1b−d)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0241】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0242】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1b−d)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0243】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−80℃以上100℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0244】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0245】
前記で得られた式(1b−e)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0246】
前記で得られた式(1b−e)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1b−e)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0247】
[製造方法E]
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
式中、Oxは酸化剤を表し、R1、R2、R3、X、Yおよびnは、前記と同義である。
【0249】
製造方法Eは、式(1a)で表される化合物を得る方法であって、式(1b)で表される化合物と酸化剤(Ox)とを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0250】
本反応に使用する酸化剤としては、二酸化マンガン等の金属酸化物類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン類、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等のラジカル開始剤とN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン等のハロゲン化剤とを組み合わせたものを使用することができる。
【0251】
以下、酸化剤が金属酸化物類である方法について説明する。
本反応に使用する酸化剤の量は、式(1b)に表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、1当量以上200当量以下である。
【0252】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0253】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0254】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0255】
反応の後処理としては、溶解していない金属類を濾過することにより除去することが可能である。さらに、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、本反応において、分液操作は必須ではない。
【0256】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0257】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0258】
以下、酸化剤がベンゾキノン類である方法について説明する。
本反応に使用する酸化剤の量は、式(1b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、1当量以上20当量以下である。
【0259】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0260】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0261】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0262】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、本反応において、分液操作は必須ではない。
【0263】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0264】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0265】
以下、酸化剤がラジカル開始剤とハロゲン化剤との組み合わせである方法について説明する。
本反応に使用するラジカル開始剤とハロゲン化剤の量は、それぞれ0.01当量以上と1.0当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。好ましくは、ラジカル開始剤が0.01当量以上1当量以下であり、ハロゲン化剤が1当量以上3当量以下である。
【0266】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化ベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0267】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0268】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、20℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0269】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0270】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0271】
前記で得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0272】
[製造方法F]
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
式中、R3bはハロゲン原子を表し、HalRはハロゲン化剤を表し、R1、R2、X、Yおよびnは前記と同義である。
【0274】
製造方法Fは、式(1a)で表される化合物のうち、R3bがハロゲン原子を表す式(1a−b)で表される化合物を得る製造方法であって、式(1a−a)で表される化合物とハロゲン化剤(HalR)とを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0275】
本反応に使用するハロゲン化剤としては、セレクトロフルオル(N−フルオロ−N’−トリエチレンジアミン ビス(テトラフルオロボラート))、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0276】
本反応に使用するハロゲン化剤の量は、式(1a−a)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。ただし、ヒダントインを含むハロゲン化剤の量は、0.5当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはなく、好ましくは、1当量以上5当量以下である。
【0277】
本反応に使用するハロゲン化剤がヨウ素化剤である場合、塩酸、硫酸等の無機酸類や、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸のような酸を加えることができる。
本反応に使用するハロゲン化剤がヨウ素化剤である場合に使用する酸の量は、式(1a−a)で表される化合物に対して0.01当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、0.1当量以上3当量以下である。
【0278】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0279】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1a−a)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0280】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0281】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0282】
前記で得られた式(1a−b)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0283】
前記で得られた式(1a−b)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a−b)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0284】
[製造方法G]
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
式中、R3cは置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基を表し、Jは酸素原子または硫黄原子を表し、Qは水素原子または金属を表し、R1、R2、R3b、X、Yおよびnは前記と同義である。
【0286】
製造方法Gは、式(1a)で表される化合物のうち、R3cが、置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のハロアルケニル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基を表し、Jが酸素原子または硫黄原子を表す式(1a−c)で表される化合物の合成法であって、式(1a−b)で表される化合物とR3c−J−Qとを、遷移金属類の存在下に反応させるカップリング反応によって得ることを含む製造方法である。
【0287】
式(1a−b)で表される化合物中、好ましいR3bは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0288】
本反応に使用するR3c−J−Qは、市販品として入手できる。好ましいQは、水素原子、または、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類である。
本反応に使用するR3c−J−Qの量は、式(1a−b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。Qが水素原子のときは、溶媒としても使用可能である。
【0289】
本反応に使用する遷移金属類は、配位子を有してよく、酢酸パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド等のパラジウム類である。
【0290】
本反応に使用する遷移金属類の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上1当量以下であるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0291】
本反応を効率的に進行させるために、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジ−t−ブチルホスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル等のホスフィン配位子を添加することができる。
【0292】
本反応に使用するホスフィン配位子の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上1当量以下であるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0293】
本反応に使用する塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのような無機塩基類やトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類である。
【0294】
本反応に使用する塩基の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上50当量以下である。
【0295】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、R3c−J−H(式中、R3cおよびJは前記と同義である)で表されるアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0296】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1a−b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0297】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、30℃以上200℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0298】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、濾過操作を行うことにより、不溶物を除去することも可能であるが必須ではない。
【0299】
前記で得られた式(1a−c)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a−c)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0300】
[製造方法H]
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
式中、R3dは置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、またはC2〜C6のハロアルケニル基を表し、R3d−Bは有機ボロン酸類を表し、R1、R2、R3b、X、Yおよびnは前記と同義である。
【0302】
製造方法Hは、式(1a)で表される化合物のうち、R3dが置換基Cで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、またはC2〜C6のハロアルケニル基である式(1a−d)で表される化合物の合成方法であって、式(1a−b)で表される化合物と有機ボロン酸類(R3d−B)とを反応させる鈴木−宮浦カップリングによって得ることを含む製造方法である。
【0303】
式(1a−b)中、好ましいR3bは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0304】
本反応に使用するR3d−Bは、有機ボロン酸や有機ボロン酸エステル等の有機ボロン酸類を表し、市販品として入手できる。
本反応に使用するR3d−Bの量は、式(1a−b)で表される化合物に対して、1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0305】
本反応に使用する遷移金属類は、パラジウム、ニッケル、ルテニウム等であり、配位子を有してよい。好ましくは、酢酸パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド等のパラジウム類が挙げられる。
【0306】
本反応に使用する遷移金属類の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上1当量以下であるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0307】
本反応を効率的に進行させるために、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン配位子を添加することができる。
本反応に使用するホスフィン配位子の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上1当量以下であるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0308】
本反応に使用する塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウムのような無機塩基類やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコキシド類等である。
【0309】
本反応に使用する塩基の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上50当量以下である。
【0310】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、水溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0311】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1a−b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0312】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、30℃以上200℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0313】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、濾過操作を行うことにより、不溶物を除去することも可能であるが必須ではない。
【0314】
前記で得られた式(1a−d)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
【0315】
溶媒留去後に得られた式(1a−d)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0316】
[製造方法I]
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
式中、R3eは置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基を表し、R1、R2、R3b、X、Yおよびnは前記と同義である。
【0318】
製造方法Iは、式(1a)で表される化合物のうち、R3eが置換基Cで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基である式(1a−e)で表される化合物の合成方法であって、(1a−b)で表される化合物と末端アルキン化合物とを反応させる園頭カップリングによって得ることを含む製造方法である。
【0319】
式(1a−b)中、好ましいR3bは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0320】
本反応に使用する末端アルキン化合物は、市販品として入手することができる。また、末端アルキン化合物として、トリメチルシリルアセチレンも使用することができる。この場合は、式(1a−b)で表される化合物にトリメチルシリルエチニル基を導入後、脱シリル化を行う必要がある。脱シリル化については、ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー(Journal of the American Chemical Society)、第131巻、2号、634−643頁(2009).およびジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(Journal of Organometallic Chemistry)、696巻、25号、4039−4045頁(2011).等の非特許文献を参考にして行うことができる。
【0321】
本反応に使用する末端アルキン化合物の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0322】
本反応に使用する遷移金属類は、配位子を有してよく、酢酸パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド等のパラジウム類である。また、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等の銅類も同時に使用する。
【0323】
本反応に使用する遷移金属類の量は、パラジウム類および銅類が、それぞれ式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはない。好ましい量は、双方ともに0.001当量以上1当量以下である。
【0324】
本反応に使用する塩基は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基類が挙げられる。
【0325】
本反応に使用する塩基の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上50当量以下である。また、有機塩基で液体状のものに関しては、溶媒として使用することができる。
【0326】
本反応を効率的に進行させるために、トリt−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル等のホスフィン配位子を添加することができるが、必須ではない。
【0327】
本反応に使用するホスフィン配位子の量は、式(1a−b)で表される化合物に対して0.001当量以上1当量以下であるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0328】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、トリエチルアミン、トリブチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0329】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1a−b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0330】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0331】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。また、濾過操作を行うことにより、不溶物を除去することも可能であるが必須ではない。
【0332】
前記で得られた式(1a−e)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1a−e)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0333】
[製造方法J]
【化25】
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【0334】
式中、R2aはC1〜C6のアルコキシ基を表し、nbは0〜4の整数(ただし、nbが2以上のときは、2以上のR2はそれぞれ独立した置換基を表す。)を表し、R1、R2、R3、X、Yおよび破線部は前記と同義である。
【0335】
製造方法Jは、式(1)で表される化合物のうち、水酸基を有する式(1−b)で表される化合物の合成方法であって、R2aがC1〜C6のアルコキシ基である式(1−a)で表される化合物と酸とを反応させることによって得ることを含む製造方法である。
【0336】
本反応に使用する酸として、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素等のハロゲン化ホウ素類である。
【0337】
本反応に使用する酸の量は、式(1−a)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0338】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0339】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1−a)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0340】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−80℃以上100℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0341】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0342】
前記で得られた式(1−b)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0343】
前記で得られた式(1−b)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1−b)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0344】
[製造方法K]
【化26】
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【0345】
式中、R2b−O−は、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、C2〜C6のハロアルケニルオキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、C3〜C6のハロアルキニルオキシ基、またはR20C(=O)O−基を表し、Lv、R1、R2、R3、R20、X、Y、nbおよび破線部は前記と同義である。
【0346】
製造方法Kは、式(1)で表される化合物のうち、R2b−O−が、置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルコキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニルオキシ基、C2〜C6のハロアルケニルオキシ基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C6のアルキニルオキシ基、C3〜C6のハロアルキニルオキシ基、またはR20C(=O)O−基(R20は、前記と同義である。)を表す式(1−c)で表される化合物の合成方法であって、式(1−b)で表される化合物とR2b−Lvとを、塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0347】
本反応に使用するR2b−Lvは、市販品として入手することができる。
本反応に使用するR2b−Lvは、式(1−b)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0348】
本反応に使用する塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類や、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、コリジン、ルチジン等の有機塩基類が例示されるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0349】
本反応に使用する塩基は、式(1−b)で表される化合物に対して1当量以上あればよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。
【0350】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0351】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1−b)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0352】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−20℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0353】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0354】
前記で得られた式(1−c)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0355】
前記で得られた式(1−c)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1−c)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0356】
[製造方法L]
【化27】
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【0357】
式中、R2cはハロゲン原子を表し、R2dは置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、またはC2〜C6のハロアルケニル基を表し、R2d−Bは有機ボロン酸類を表し、R1、R2、R3、nb、X、Yおよび破線部は前記と同義である。
【0358】
製造方法Lは、式(1)で表される化合物のうち、R2dが置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のハロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルケニル基、またはC2〜C6のハロアルケニル基である式(1−e)で表される化合物の合成方法であって、式(1−d)で表される化合物と有機ボロン酸類(R2d−B)とを反応させる鈴木−宮浦カップリングによって得ることを含む製造方法である。
【0359】
式(1−d)中、好ましいR2cは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0360】
製造方法Hにおける式(1a−b)で表される化合物とR3d−Bとを、それぞれ式(1−d)で表される化合物とR2d−Bとに代えて使用することにより、製造方法Hに準じて製造方法Lを実施することができる。
【0361】
[製造方法M]
【化28】
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【0362】
式中、R2eは置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基を表し、R1、R2、R2c、R3、nb、X、Yおよび破線部は前記と同義である。
【0363】
製造方法Mは、式(1)で表される化合物のうち、R2eが置換基Bで適宜置換されてもよいC2〜C6のアルキニル基、またはC2〜C6のハロアルキニル基である式(1−f)で表される化合物の合成方法であって、式(1−d)で表される化合物と末端アルキン化合物とを反応させる園頭カップリングによって得ることを含む製造方法である。
【0364】
式(1−d)で表される化合物中、好ましいR2cは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
【0365】
製造方法Iにおける式(1a−b)で表される化合物を式(1−d)で表される化合物に代えて使用することにより、製造方法Iに準じて製造方法Mを実施することができる。
【0366】
[製造方法N]
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
式中、Daはハロゲン原子を表し、D1aはハロゲン原子を表し、D1bはC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、またはC3〜C8のシクロアルコキシ基を表し、Eはハロゲンで置換された炭素原子または窒素原子を表し、R1、R2、R3、n、X、Qおよび破線部は前記と同義である。
【0368】
製造方法Nは、式(1)で表される化合物のうち、D1bがC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のハロアルコキシ基、またはC3〜C8のシクロアルコキシ基であり、Eがハロゲン原子で置換された炭素原子または窒素原子である式(1−h)で表される化合物の合成方法であって、式(1−g)で表される化合物とD1b−Qとを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0369】
本反応で使用されるD1b−Qは、市販品として入手することができる。好ましいQは、水素原子、またはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類である。
【0370】
本反応で使用されるD1b−Qの量は、式(1−g)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上30当量以下である。また、Qが水素原子を表すときは、溶媒として使用することができる。
【0371】
本反応に使用する塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類が好ましい。また、Qがアルカリ金属類のときは、塩基の使用は、必須ではない。
【0372】
本反応に使用する塩基の量は、式(1−g)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上30当量以下である。
【0373】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、D1b−Hで表されるアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0374】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1−g)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0375】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0376】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0377】
前記で得られた式(1−h)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0378】
前記で得られた式(1−h)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1−h)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0379】
[製造方法O]
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
式中、R2eは置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基を表し、R2fは置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基を表し、R2gはハロゲン原子を表し、HalR、R1、R3、X、Yおよび破線部は前記と同義である。
【0381】
製造方法Oは、式(1)で表される化合物のうち、R2eが置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、R2fが置換基Bで適宜置換されてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、R2gがハロゲン原子である式(1−j)で表される化合物を得る製造方法であって、式(1−i)で表される化合物とハロゲン化剤(HalR)とを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0382】
本反応に使用するハロゲン化剤としては、セレクトロフルオル(N−フルオロ−N’−トリエチレンジアミン ビス(テトラフルオロボラート))、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0383】
本反応に使用するハロゲン化剤の量は、式(1−i)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、1当量以上10当量以下である。ただし、ヒダントインを含むハロゲン化剤の量は、0.5当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはなく、好ましくは1当量以上5当量以下である。
【0384】
本反応に使用するハロゲン化剤がヨウ素化剤である場合、塩酸、硫酸等の無機酸類や、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸のような酸を加えることができる。
本反応に使用するハロゲン化剤がヨウ素化剤である場合に使用する酸の量は、式(1−i)で表される化合物に対して0.01当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、0.1当量以上3当量以下である。
【0385】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0386】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(1−i)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0387】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0388】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0389】
前記で得られた式(1−j)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0390】
前記で得られた式(1−j)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(1−j)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0391】
[製造方法P]
【化31】
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【0392】
式中、LaはSを表し、LbはSOまたはSO
2を表し、Ox’は酸化剤を表す。
【0393】
製造方法Pは、式(1)で表される化合物中、R1、R2およびR3に含まれるLbがSOまたはSO
2である式(Lb)で表される化合物の製造方法であって、式(1)中、R1、R2またはR3に含まれるLaがSである式(La)で表される化合物と酸化剤(Ox’)とを、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0394】
本反応に使用する酸化剤は、過酸化水素水、メタ−クロロ過安息酸等の過酸化物類が挙げられる。また、タングステン酸ナトリウムのような遷移金属類を添加することもできる。
【0395】
本反応に使用する酸化剤の量は、SOを製造する際には式(La)で表される化合物に対して、1.0当量以上1.2当量以下であり、SO
2を製造する際には2当量以上10当量以下である。また、遷移金属類を添加する際には、0.001当量以上1当量以下である。
【0396】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、水溶媒、酢酸等の酸性系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0397】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(La)を有する式(1)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0398】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−10℃以上120℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0399】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の硫黄を含む塩を溶解した水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0400】
前記で得られた式(Lb)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0401】
前記で得られた式(Lb)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(Lb)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0402】
次に製造方法Aに記載されている式(3)で表される化合物の合成方法について記載する。
[製造方法Q]
【化32】
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【0403】
式中、R2、R3、R5、n、XおよびYは、前記と同義である。
【0404】
製造方法Qは、式(3)で表される製造中間体の製造方法であって、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物とを、塩基存在下溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0405】
本反応に使用する式(4)で表される化合物は、例えば、グリーン ケミストリー(Green Chemistry)、第41巻、580−585頁や、ザ ジャーナル オブ オルガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第65巻、20号、6458−6461頁(2000).等を参照に合成することができる。
【0406】
本反応に使用する式(5)で表される化合物は、市販品として入手できることができる。
本反応に使用する式(5)で表される化合物の量は、式(4)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは1当量以上3当量以下である。
【0407】
本反応に使用する塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウムのような無機塩基類やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコキシド類等である。
【0408】
本反応に使用する塩基は、触媒量で実施することが可能であり、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、0.01当量以上3当量以下である。
【0409】
本反応に使用する溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0410】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(4)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0411】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−50℃以上150℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0412】
反応の後処理としては、反応混合物に対して、水または適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液や食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0413】
前記で得られた式(3)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0414】
前記で得られた式(3)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(3)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0415】
[製造方法R]
【化33】
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【0416】
式中、R5aはC1〜C6のアルキル基を表し、R2、R3、n、XおよびYは前記と同義である。
【0417】
製造方法Rは、式(3)で表される化合物のうち、式(3b)で表される製造中間体の製造方法であって、式(3a)で表される化合物を、酸性条件または塩基性条件下、溶媒中で反応させることを含む製造方法である。
【0418】
まず、酸性条件の反応について説明する。
本反応に使用する酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸等の無機酸類や、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類が例示される。目的とする反応が進行する限り特に制限されることはない。
【0419】
本反応に使用する酸の量は、触媒量でもよく、目的とする反応が進行する限りにおいて特に制限されることはないが、好ましくは、式(3a)で表される化合物に対して0.01当量以上である。また、液体状の酸に関しては溶媒として使用することも可能である。
【0420】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、水溶媒、酢酸、メタンスルホン酸等の酸性系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0421】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(3a)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0422】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、0℃以上180℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0423】
次に、塩基性条件の反応について説明する。
本反応に使用する塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類が例示されるが、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはない。
【0424】
本反応に使用する塩基は、式(3a)で表される化合物に対して1当量以上あれば、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは、1当量以上30当量以下である、
【0425】
本反応に使用する溶媒は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、水溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のウレア系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種類以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0426】
本反応に使用する溶媒量は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、式(3a)で表される化合物に対して3重量倍以上200重量倍以下である。
【0427】
本反応を行う際の温度は、目的とする反応が進行する限りにおいて特に限定されることはないが、通常、−20℃以上180℃以下または溶媒の沸点以下である。
【0428】
反応の後処理は、酸性条件での反応と塩基性条件の反応は共通の方法で行える。反応混合物に対して、水、もしくは適当な水溶液を加えることにより、分液操作を行うことが可能である。水溶液を使用する場合は、塩酸、硫酸等を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を溶解したアルカリ水溶液、食塩水等を任意に使用することができる。分液操作の際に、必要に応じて、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の水と相溶することのない溶媒を追加することが可能である。また、これらの溶媒は、単独で使用することも、2種類以上で任意の割合で混合することも可能である。分液の回数は特に制限されることがなく、目的とする純度や収量に応じて実施することができる。
【0429】
前記で得られた式(3b)で表される化合物を含む反応混合物は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の乾燥剤で水分を除去することができるが、必須ではない。
【0430】
前記で得られた式(3b)で表される化合物を含む反応混合物は、化合物が分解しない限りにおいて、減圧下で溶媒留去することが可能である。
溶媒留去後に得られた式(3b)で表される化合物を含む反応混合物は、適当な溶媒により、洗浄、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて精製することができる。目的とする純度に応じて適宜設定すればよい。
【0431】
式(3b)で表される化合物は、式(3b’)
【化34】
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(式中、R2、R3、n、XおよびYは前記と同義である。)
【0432】
で表される異性体も含む。式(3b’)で表される化合物は、式(3b)で表される化合物と同様に取り扱うことが可能であり、製造方法Aを適応することができる。また、式(3b’)で表される化合物は不斉炭素を含むが、その異性体混合比は、単独でも任意の割合の混合物でもよい。さらに、式(3b)で表される化合物と式(3b’)で表される化合物との混合物でもよく、その異性体混合比は、単独でも任意の割合の混合物でもよい。
【0433】
以上に示した、製造方法A〜製造方法Rを任意に組み合わせて、式(1)で表される化合物を製造することができる。もしくは、公知の方法と製造方法A〜製造方法Rとを任意に組み合わせても、式(1)で表される化合物を製造することができる。
【0434】
本発明化合物は、植物に対して有害な生物を防除できるために、農薬として使用することができる。具体的には、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物成長調整剤等が挙げられる。好ましくは、殺菌剤である。
【0435】
本発明化合物は、植物病害の防除のために、畑地、水田、茶園、果樹園、牧草地、芝生、森林、庭園、街路樹等で農園芸用殺菌剤として使用することができる。 本発明でいう植物病害とは、農作物、花き、花木、樹木等の植物に萎ちょう、立枯れ、黄化、萎縮、徒長等の全身的な異常な病的症状、または斑点、葉枯れ、モザイク、葉巻、枝枯れ、根腐れ、根こぶ、こぶ等の部分的な病的症状が惹起されることである。即ち、植物が病気になることである。植物病害を引き起こす病原体として、主に、菌類、細菌、スピロプラズマ、ファイトプラズマ、ウイルス、ウイロイド、寄生性高等植物、線虫等が挙げられる。本発明化合物は菌類に有効であるが、これに限定されるものではない。
【0436】
菌類によって引き起こされる病害は、主に菌類病である。菌類病を引き起こす菌類(病原体)として、ネコブカビ菌類、卵菌類、接合菌類、子のう菌類、担子菌類および不完全菌類が挙げられる。例えば、ネコブカビ菌類として、根こぶ病菌、ジャカイモ粉状そうか病菌、テンサイそう根病菌、卵菌類として疫病菌、べと病菌、Pythium属菌、Aphanomyces属菌、接合菌類としてRhizopus属菌、子のう菌類としてモモ縮葉病菌、トウモロコシごま葉枯病菌、イネいもち病菌、うどんこ病菌、炭そ病菌、赤かび病菌、ばか苗病菌、菌核病菌、担子菌類としてさび病菌類、黒穂病菌類、紫紋羽病菌、もち病菌、紋枯病菌、不完全菌類として灰色かび病菌、Alternaria属菌、Fusarium属菌、Penicillium属菌、Rhizoctonia属菌、白絹病菌等が挙げられる。
【0437】
本発明化合物は、各種の植物病害に対して有効である。以下に、病害名およびその病原菌名の具体例を示す。
イネのいもち病(Magnaporthe grisea)、紋枯病(Thanatephorus cucumeris)、褐色菌核病(Ceratobasidium setariae)、褐色小粒菌核病(Waitea circinata)、褐色紋枯病(Thanatephorus cucumeris)、球状菌核病(Sclerotium hydrophilum)、赤色菌核病(Wairea circinata)、黒しゅ病(Entyloma dactylidis)、小球菌核病(Magnaporthe salvinii)、灰色菌核病(Ceratobasidium cornigerum)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、条葉枯病(Sphaerulina oryzina)、ばか苗病(Gibberella fujikuroi)、苗立枯病(Pythium spp.、Fusarium spp.、Trichoderma spp.、Rhizopus spp.、Rhizoctonia solani、Mucor sp.、Phoma sp.)、苗腐病(Pythium spp.、Achlya spp.、Dictyuchus spp.)、稲こうじ病(Claviceps virens)、墨黒穂病(Tilletia barclayana)、褐色米(Curvularia spp.、Alternaria spp.)、黄化萎縮病(Sclerophthora macrospora)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、褐条病(Acidovorax avenae subsp. avenae)、内頴褐変病(Erwinia ananas)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、葉鞘褐変病(Pseudomonas fuscovaginae)、かさ枯病(Pseudomonas syringae pv.oryzae)、株腐病(Erwinia chrysanthemi)、黄萎病(Phytoplasma oryzae)、縞葉枯病(Rice stripe tenuivirus)、萎縮病(Rice dwarf reovirus);
ムギ類のうどんこ病(Blumeria graminis f.sp.hordei; f.sp.tritici)、さび病(Puccinia striiformis、 Puccinia graminis、Puccinia recondita、Puccinia hordei)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、赤かび病(Gibberella zeae、Fusarium culmorum、Fusarium avenaceum、Monographella nivalis)、雪腐病(Typhula incarnata、Typhula ishikariensis、Monographella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries、Tilletia controversa)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、株腐病(Ceratobasidium gramineum)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、苗立枯病(Fusarium spp.、Pythium spp.、Rhizoctonia spp.、Septoria spp.、Pyrenophora spp.)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、炭疽病(Colletotrichum graminicola)、麦角病(Claviceps purpurea)、斑点病(Cochliobolus sativus)、黒節病(Pseudomonas syringae pv. syringae);
トウモロコシの赤かび病(Gibberella zeae等)、苗立枯病(Fusarium avenaceum、 Penicillium spp、 Pythium spp.、Rhizoctonia spp.)、さび病(Puccinia sorghi)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、黒穂病(Ustilago maydis)、炭疽病(Colletotrichum graminicola)、北方斑点病(Cochliobolus carbonum)、褐条病(Acidovorax avenae subsp. avenae)、条斑細菌病(Burkholderia andropogonis)、倒伏細菌病(Erwinia chrysanthemi pv. zeae)、萎ちょう細菌病(Erwinia stewartii);
ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、さび病(Physopella ampelopsidis)、うどんこ病(Uncinula necator)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata、 Colletotrichum acutatum)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、つる割病(Phomopsis viticola)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、芽枯病(Diaporthe medusaea)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium vitis);
リンゴのうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、モニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭疽病(Colletotrichum acutatum、Glomerella cingulata)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、胴枯病(Phomopsis mali、Diaporthe tanakae)、褐斑病(Diplocarpon mali)、リンゴの火傷病(Erwinia amylovora)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、毛根病(Agrobacterium rhizogenes);
ナシの黒斑病(Alternaria kikuchiana)、黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana f.sp. piricola)、胴枯病(Phomopsis fukushii)、枝枯細菌病(Erwinia sp.)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、さび色胴枯病(Erwinia chrysanthemi pv. chrysanthemi)、花腐細菌病(Pseudomonas syringae pv. syringae);
セイヨウナシの疫病(Phytophthora cactorum、 Phytophthora syringae)、枝枯細菌病(Erwinia sp.);
モモの黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、疫病(Phytophthora sp.)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、縮葉病(Taphrina deformans)、穿孔細菌病(Xhanthomonas campestris pv. pruni)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens);
オウトウの炭疽病(Glomerella cingulata)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)、灰星病(Monilinia fructicola)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、樹脂細菌病(Pseudomonas syringae pv. syringae);
カキの炭疽病(Glomerella cingulata)、落葉病(Cercospora kaki; Mycosphaerella nawae)、うどんこ病(Phyllactinia kakikora)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens);
カンキツの黒点病(Diaporthe citri)、緑かび病(Penicillium digitatum)、青かび病(Penicillium italicum)、そうか病(Elsinoe fawcettii)、褐色腐敗病(Phytophthora citrophthora)、かいよう病(Xhanthomonas campestris pv. citri)、褐斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. syringae)、グリーニング病(Liberibactor asiaticus)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens);
トマト、キュウリ、豆類、イチゴ、ジャガイモ、キャベツ、ナス、レタス等の灰色かび病(Botrytis cinerea);
トマト、キュウリ、豆類、イチゴ、ジャガイモ、ナタネ、キャベツ、ナス、レタス等の菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);
トマト、キュウリ、豆類、ダイコン、スイカ、ナス、ナタネ、ピーマン、ホウレンソウ、テンサイ等各種野菜の苗立枯病(Rhizoctonia spp.、Pythium spp.、Fusarium spp.、Phythophthora spp.、Sclerotinia sclerotiorum等);
ナス科植物の青枯病(Ralstonia solanacearum);
ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、炭疽病(Colletotrichum orbiculare)、つる枯病(Didymella bryoniae)、つる割病(Fusarium oxysporum)、疫病(Phytophthora parasitica、Phytophthora melonis、Phytophthora nicotianae、Phytophthora drechsleri、Phytophthora capsici等)、褐斑細菌病(Xhanthomonas campestris pv.cucurbitae)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)、縁枯細菌病(Pseudomonas marginalis pv. marginalis)、がんしゅ病(Streptomyces sp.)、毛根病(Agrobacterium rhizogenes)、キュウリモザイクウィルス(Cucumber mosaic virus);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Fulvia fulva)、疫病(Phytophthora infestans)、萎凋病(Fusarium oxysporum)、根腐病(Pythium myriotylum、Pythium dissotocum)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、かいよう病(Clavibacter michiganensis)、茎えそ細菌病(Pseudomonas corrugata)、黒斑細菌病(Pseudomonas viridiflava)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、葉こぶ病(Crynebacterium sp.)、萎黄病(Phytoplasma asteris)、黄化萎縮病(Tobacco leaf curl subgroup III geminivirus);
ナスのうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea等)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、疫病(Phytophthora infestans)、褐色腐敗病(Phytophthora capsici)、褐斑細菌病(Pseudomonas cichorii)、茎えそ細菌病(Pseudomonas corrugata)、茎腐細菌病(Erwinia chrysanthemi)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、斑点細菌病(Pseudomonas sp.);
ナタネの黒斑病(Alternaria brassicae)、黒腐病(Xhanthomonas campestris pv. campestris)、黒斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. maculicola)、軟腐病(Erwinia carotovora);
アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria brassicae等)、白斑病(Cercosporella brassicae)、根朽病(Phoma lingam)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、べと病(Peronospora parasitica)、黒腐病(Xhanthomonas campestris pv. campestris)、黒斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. maculicola)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora);
キャベツの株腐病(Thanatephorus cucumeris)、萎黄病(Fusarium oxysporum)、黒すす病(Alternaria brassisicola);
ハクサイの尻腐病(Rhizoctonia solani)、黄化病(Verticillium dahliae);
ネギのさび病(Puccinia allii)、黒斑病(Alternaria porri)、白絹病(Sclerotium rolfsii)、白色疫病(Phytophthora porri)、黒腐菌核病(Sclerotium cepivorum);
タマネギのかいよう病(Curtobacterium flaccumfaciens)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. syringae)、腐敗病(Erwinia rhapontici)、鱗片腐敗病(Burkholderia gladioli)、萎黄病(Phytoplasma asteris);
ニンニクの軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、春腐病(Pseudomonas marginalis pv.marginalis);
ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、リゾクトニア根腐病(Rhizoctonia solani)、茎疫病(Phytophthora sojae)、べと病(Peronospora manshurica)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、炭疽病(Colletotrichum truncatum等)、葉焼病(Xhanthomonas campestris pv. glycines)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. glycinea);
インゲンの炭疽病(Colletotrichum lindemuthianum)、青枯病(Ralstonia solanacearum)、かさ枯病(Pseudomonas syringae pv. phaseolicola)、褐斑細菌病(Pseudomonas viridiflava)、葉焼病(Xhanthomonas campestris pv. phaseoli);
ラッカセイの黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)、褐斑病(Mycosphaerella arachidis)、青枯病(Ralstonia solanacearum);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi)、べと病(Peronospora pisi)、つる枯細菌病(Pseudomonas syringae pv.pisi)、つる腐細菌病(Xhanthomonas campestris pv. pisi;
ソラマメのべと病(Peronospora viciae)、疫病(Phytophthora nicotianae);
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、黒あざ病(Thanatephorus cucumeris)、疫病(Phytophthora infestans)、銀か病(Helminthosporium solani)、乾腐病(Fusarium oxysporum、Fusarium solani)、粉状そうか病(Spongospora subterranea)、青枯病(Ralstonia solanacearum)、黒あし病(Erwinia carotovora subsp. atroseptica)、そうか病(Streptomyces scabies、Streptomyces acidiscabies)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、粘性腐敗病(Crostridium spp.)、輪腐病(Clavibacter michiganensis subsp.sepedonicus);
サツマイモの立枯病(Streptomyces ipomoeae);
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、べと病(Peronospora schachtii)、黒根病(Aphanomyces cochioides)、蛇の目病(Phoma betae)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、そうか病(Streptomyces scabies)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. aptata);
ニンジンの黒葉枯病(Alternaria dauci)、こぶ病(Rhizobacter dauci)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、ストレプトミセスそうか病(Streptomyces spp.)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca aphanis var. aphanis)、疫病(Phytophthora nicotianae等)、炭疽病(Glomerella cingulata等)、果実腐敗病(Pythium ultimum)、青枯病(Ralstonia solanacearum)、角斑細菌病(Xhanthomonas campestris)、芽枯細菌病(Pseudomonas marginalis pv. marginalis);
チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、炭疽病(Colletotrichum theae−sinensis)、輪斑病(Pestalotiopsis longiseta)、赤焼病(Pseudomonas syringae pv.theae)、かいよう病(Xhanthomonas campestris pv. theicola)、てんぐ巣病(Pseudomonas sp.);
タバコの赤星病(Alternaria alternata)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、疫病(Phytophthora nicotianae)、野火病(Pseudomonas syringae pv.tabaci)、黄がさ細菌病(Pseudomonas syringae pv.mellea)、空洞病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、立枯病(Ralstonia solanacearum)、タバコモザイクウィルス(Tobaco mosaic virus);
コーヒーのさび病(Hemileia vastatrix);
バナナの黒シガトガ病(Mycosphaerella fijiensis)、パナマ病(Fusarium oxysporum f.sp cubense);
ワタの立枯病(Fusarium oxysporum)、白かび病(Ramularia areola);
ヒマワリの菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、角点病(Xhanthomonas campestris pv.malvacearum)、空洞病Erwinia carotovora subsp. carotovora)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv.helianthi);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa等)、疫病(Phytophthora megasperma)、べと病(Peronospora sparsa)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens);
キクの褐斑病(Septoria obesa)、白さび病(Puccinia horiana)、疫病(Phytophthora cactorum)、斑点細菌病(Pseudomonas cichorii)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、毛根病(Agrobacterium rhizogenes)、緑化病(Phytoplasma aurantifolia);
芝のブラウンパッチ病(Rhizoctonia solani)、ダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、カーブラリア葉枯病(Curvularia sp.)、さび病 (Puccinia zoysiae)、ヘルミントスポリウム葉枯病(Cochliobolus sp.)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、炭疽病(Colletotrichum sp.)、雪腐褐色小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐黒色小粒菌核病(Typhula ishikariensis)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、フェアリーリング病(Marasmius oreades等)、ピシウム病(Pythium aphanidermatum等)、いもち病(Pyricularia grisea)等が挙げられる。
【0438】
本発明化合物は、本化合物単体で使用してもよいが、好ましくは、固体担体、液体担体、気体担体、界面活性剤、固着剤、分散剤、安定剤等と混合し、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、顆粒水溶剤、粒剤、乳剤、液剤、マイクロエマルション剤、水性懸濁製剤、水性乳濁製剤、サスポエマルション製剤等の組成物として使用することができる。効果が発揮される限りにおいて、それらの組成物に限定されることはない。
【0439】
以下に具体的な製剤化例を示すが、これらに限定されるものではない。
[製剤例1 フロアブル剤]
本発明化合物(10質量部)、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩(5質量部)、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(1質量部)、プロピレングリコール(5質量部)、シリコン系消泡剤(0.1質量部)、キサンタンガム(0.2質量部)、イオン交換水(78.7質量部)を混合してスラリーとなし、さらにダイノミルKDLで直径1.0mmのガラスビーズを用いて湿式粉砕しフロアブル剤を得る。
【0440】
[製剤例2 乳剤]
本発明化合物(5質量部)をキシレン(40質量部)とシクロヘキサン(35質量部)の混合溶液に溶解し、この溶液にTween20(20質量部)を添加混合し、乳剤を得る。
【0441】
[製剤例3 水和剤]
本発明化合物(10質量部)、ホワイトカーボン(10質量部)、ポリビニルアルコール(2質量部)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(0.5質量部)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(5質量部)、焼成珪藻土(10質量部)およびカオリナイトクレー(62.5質量部)を充分に混合し、エアーミルで粉砕し、水和剤を得る。
【0442】
本発明化合物を含有する組成物の施用方法としては、植物体もしくは種子と接触させる方法、または、栽培土壌に含有させて、植物の根もしくは地下茎に接触させる方法が挙げられる。具体例として、組成物の植物個体への茎葉散布処理、注入処理、苗箱処理、セルトレー処理、植物種子への吹き付け処理、植物種子への塗沫処理、植物種子への浸漬処理、植物種子への粉衣処理、土壌表面への散布処理、土壌表面への散布処理後の土壌混和、土壌中への注入処理、土壌中での注入処理後の土壌混和、土壌潅注処理、土壌潅注処理後の土壌混和等が挙げられる。通常、当業者が利用するようないかなる施用方法を用いても十分な効力を発揮する。
【0443】
本発明でいう「植物」とは、光合成をして運動せずに生活するものをいう。具体例として、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、コーヒー、バナナ、ブドウ、リンゴ、ナシ、モモ、オウトウ、カキ、カンキツ、大豆、インゲン、ワタ、イチゴ、ジャガイモ、キャベツ、レタス、トマト、キュウリ、ナス、スイカ、テンサイ、ホウレンソウ、サヤエンドウ、カボチャ、サトウキビ、タバコ、ピーマン、サツマイモ、サトイモ、コンニャク、綿、ヒマワリ、バラ、チューリップ、キク、芝等およびそれらのF1品種等が挙げられる。また、遺伝子等を人工的に操作することにより生み出され、元来自然界に存在するものではない遺伝子組み換え作物も含み、例えば、除草剤耐性を付与した大豆、トウモロコシ、綿等、寒冷地適応したイネ、タバコ等、殺虫物質生産能を付与したトウモロコシ、綿等の農園芸作物等が挙げられる。さらに、マツ、トネリコ、イチョウ、カエデ、カシ、ポプラ、ケヤキ等の樹木等が挙げられる。また、本発明でいう「植物体」とは、前記の植物個体を構成する全ての部位を総称するものであり、例えば、茎、葉、根、種子、花、果実等が挙げられる。
【0444】
本発明でいう「種子」とは、幼植物が発芽するための栄養分を蓄え、農業上繁殖に用いられるものをいう。具体例として、トウモロコシ、大豆、綿、稲、テンサイ、小麦、大麦、ヒマワリ、トマト、キュウリ、ナス、ホウレンソウ、サヤエンドウ、カボチャ、サトウキビ、タバコ、ピーマン、セイヨウアブラナ等の種子、それらのF1品種等の種子、サトイモ、ジャガイモ、サツマイモ、コンニャク等の種芋、食用ゆり、チューリップ等の球根、ラッキョウ等の種球、および遺伝子組み換え作物の種子ならびに塊茎等が挙げられる。
【0445】
本発明化合物を含有する組成物の施用量および施用濃度は、対象作物、対象病害、病害の発生程度、化合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によって変動するが、散布または潅注する場合には、有効成分量としてヘクタール当たり0.1〜10,000gが適当であり、好ましくは、ヘクタール当り10〜1,000gである。また、種子処理の場合の使用量は、有効成分量として種子1kg当たり0.0001〜1000gであり、好ましくは、0.001〜100gである。本発明化合物を含有する組成物を植物個体への茎葉散布処理、土壌表面への散布処理、土壌中への注入処理または土壌潅注処理として使用する場合は、適当な担体に適当な濃度で希釈した後、処理を行ってもよい。本発明化合物を含有する組成物を植物種子に接触させる場合は、適当な濃度に希釈した後、植物種子に浸漬、粉衣、吹き付けまたは塗沫処理して用いてもよい。浸漬、粉衣、吹き付けまたは塗沫処理する場合の組成物使用量は、通常、有効成分量として、乾燥植物種子重量の0.05〜50%程度であり、好ましくは、0.1〜30%が適当であるが、組成物の形態や処理対象となる植物種子の種類により適宜設定すればよく、これら範囲に限定されるものではない。
【0446】
本発明化合物を含有する組成物は、必要に応じて他の農薬、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、生物農薬および植物成長調節剤等の農薬、核酸を有効成分とする病害防除剤(国際公開第2014/062775号)、土壌改良剤または肥効物質と混用または併用することができる。
【実施例】
【0447】
以下に、合成例、参考例、および試験例を挙げて、本発明を更に詳細に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0448】
[合成例1]
ステップ1:5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成
【0449】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
4−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−オキソペンタン酸 1.47gと酢酸アンモニウム 6.75gを含む酢酸溶液 10mlを、130℃にて14時間反応した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて分液した。得られた有機層に水を加え、さらに発砲がおさまるまで炭酸カリウムを加えた後に分液した。次いで、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去を行った後に、ジイソプロピルエーテルにより析出物を洗浄した。得られた紫色固体は表題の化合物であり、0.98gであった。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.25−7.21 (1H, m), 7.19 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.83−6.76 (3H, m), 6.65 (1H, dd, J = 8.8, 3.4 Hz), 6.53 (1H, d, J = 3.4 Hz), 3.61 (3H, s), 2.91−2.76 (4H, m).
【0451】
ステップ2:5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号52)
【0452】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 0.50gを含むDMF溶液 5mlに、ヨウ化エチル 346μlと炭酸セシウム 1.41gを加えて、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物は0.54gの白色固体として得られた。
【0454】
[合成例2]
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号53)
【0455】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 520mgを含む四塩化炭素溶液 20mlに、N−ブロモスクシンイミド 258mgとアゾビスイソブチロニトリル 23mgを加えて、80℃で90分間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水を加えて、減圧下で四塩化炭素を留去した。これに酢酸エチルを加えて分液した後に、得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が467mgの白色固体として得られた。
【0457】
[合成例3]
3−クロロ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号54)
【0458】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オン 110mgを含むDMF溶液 2mlにN−クロロスクシンイミド 43mgを加えて、70℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄した後に、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行った。表題の化合物が114mgの白色固体として得られた。
【0460】
[合成例4]
5−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号234)
【0461】
【化39】
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【0462】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オン 4.0gを含むジクロロメタン溶液 40mlを氷冷し、1.0mol/lの三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液 23.4mlを滴下した。氷冷下で30分間撹拌した後に、反応混合物に水を加えて分液した。得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をヘキサンで洗浄した。表題の化合物が3.9gの白色固体として得られた。
【0463】
[合成例5]
5−(2−クロロ−5−(メトキシメトキシ)フェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号97)
【0464】
【化40】
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【0465】
水素化ナトリウム(約60重量%、流動パラフィンに分散した状態) 0.08gと5−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オン 0.62gを含むTHF溶液に、クロロメチルメチルエーテル 0.08gを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えて分液した後に、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が0.46gの白色固体として得られた。
【0466】
[合成例6]
3−クロロ−5−(2−クロロ−5−(メトキシメトキシ)フェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号127)
【0467】
【化41】
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【0468】
5−(2−クロロ−5−(メトキシメトキシ)フェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オン 219mgとN−クロロスクシンイミド 79mgを含むDMF溶液 3mlを70℃にて1時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が203mgの黄色ガム状物質として得られた。
【0469】
[合成例7]
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号192)
【0470】
【化42】
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【0471】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 0.50g、p−トルエンスルホン酸2,2−ジフルオロエチル 0.68gと炭酸セシウム 1.40gを含むDMF溶液10mlを、80℃で4時間撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した後に、得られた有機層を1規定の塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が0.48gの白色固体として得られた。
【0472】
[合成例8]
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号194)
【0473】
【化43】
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【0474】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 0.42gを含む四塩化炭素溶液 15mlに、N−ブロモスクシンイミド 190mgとアゾビスイソブチロニトリル 16mgを加えて、80℃で15分間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水を加えて、減圧下で四塩化炭素を留去した。これに酢酸エチルを加えて分液した後に、得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が0.38gの白色固体として得られた。
【0475】
[合成例9]
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号198)
【0476】
【化44】
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【0477】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン 125mgとN−ブロモスクシンイミド 65mgを含むDMF溶液 5mlを70℃で2時間撹拌した。これにN−ブロモスクシンイミド 27mgを追加して、さらに70℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去をした後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が109mgのオフホワイト固体として得られた。
【0478】
[合成例10]
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3−メチル−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成
【0479】
【化45】
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【0480】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 500mgを含むTHF溶液 10mlを−78℃に冷却し、1.09mol/lのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液 1.33mlを滴下して、同温で30分間撹拌した。次いで、これにヨウ化メチル 82μlを含むTHF溶液 2mlを滴下して−78℃で2時間撹拌した後に、室温まで昇温した。さらに室温で2時間撹拌した後に、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が101mgの白色固体として得られた。また、得られた表題の化合物は立体異性混合物であった。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.24−7.17 (1H, m:mixture), 7.15−7.13 (1H, m:mixture), 6.87−6.71 (2H, m:mixture), 6.57−6.49 (2H, m:mixture), 3.70−3.14 (2H, m:mixture), 3.65 (3H, s:major), 3.58 (3H, s:minor), 2.98−2.70 (2H, m:mixture), 2.46−2.37 (1H, m:mixture), 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz:minor), 1.33 (3H, d, J = 7.0 Hz:major), 1.00−0.96 (3H, m).
立体異性混合物比:約57:43
【0481】
[合成例11]
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3−メチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号329)
【0482】
【化46】
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【0483】
5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−エチル−3−メチル−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 413mgと二酸化マンガン 5.48gを含むジクロロメタン溶液 10mlを加熱還流下で11時間撹拌した。さらに二酸化マンガン 1.83gを追加して、加熱還流下で3時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物をセライト濾過した。濾液を減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が291mgの白色固体として得られた。
【0484】
[合成例12]
ステップ1:5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成
【0485】
【化47】
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【0486】
4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸 4.46gと酢酸アンモニウム 45.9gを含む酢酸溶液 25mlを130℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて分液した。得られた有機層に水を加え、さらに発泡がおさまるまで炭酸カリウムを加えた後に分液した。次いで、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去を行い、ジイソプロピルエーテルで析出物を洗浄した。得られた白色固体は表題の化合物であり、2.24gであった。また、析出物を洗浄した際に生じた濾液を、減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。濾液から得た白色固体も表題の化合物であり、0.46gであった。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.28−7.26 (1H, m), 7.18 (1H, br s), 6.86−6.83 (1H, m), 6.74−6.72 (1H, m), 6.61−6.59 (2H, br m), 2.85−2.74 (4H, br m).
【0487】
ステップ2:5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号320)
【0488】
【化48】
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【0489】
5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 2.70g、炭酸セシウム 7.42gとヨウ化エチル 3.55gを含むDMF溶液 32mlを、55℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が2.47gの赤紫色ガム状物質として得られた。
【0490】
[合成例13]
5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号321)
【0491】
【化49】
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【0492】
5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 0.21gと二酸化マンガン 1.42gを含むトルエン溶液 5mlを、90℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物をセライト濾過した。濾液を減圧下で溶媒留去をした後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が0.14gの白色固体として得られた。
【0493】
[合成例14]
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号381)
【0494】
【化50】
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【0495】
5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン 0.60gとN−ブロモスクシンイミド 0.33gを含むDMF溶液 30mlを75℃で2.5時間撹拌した。さらに、N−ブロモスクシンイミド 0.10gを追加して、75℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄した後に、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が0.64gの白色固体として得られた。
【0496】
[合成例15]
5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−3−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号461)
【0497】
【化51】
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【0498】
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン 250mg、メチルボロン酸49mg、酢酸パラジウム(II)6mg、リン酸三カリウム403mgとトリシクロヘキシルホスフィン 15mgを含むトルエン 8mlと水 0.8mlの混合溶液を、100℃で7時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後に、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が116mgの白色固体として得られた。
【0499】
[合成例16]
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−1−エチルピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号476)
【0500】
【化52】
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【0501】
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン 300mgのメタノール溶液 8mlに28重量%のナトリウムメトキシドのメタノール溶液 0.63mlを加えて、加熱還流下で13時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が271mgの白色固体として得られた。
【0502】
[合成例17]
ステップ1:5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成
【0503】
【化53】
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【0504】
参考例3で得られた未精製の4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸に、酢酸アンモニウム 14.18gと酢酸 15mlを加えて、120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた固体にイソプロピルエーテルを加えて洗浄した。表題の化合物が0.99gの褐色固体として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 6.68 (1H, s), 6.62 (2H, td, J = 8.7, 1.4 Hz), 6.26 (1H, t, J = 2.1 Hz), 6.16 (2H, d, J = 2.1 Hz), 3.65 (6H, s), 2.87−2.86 (2H, m), 2.73−2.71 (2H, m).
【0505】
ステップ2:5−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オンの合成
【0506】
【化54】
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【0507】
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 343mg、ヨウ化メチル 176μlと炭酸セシウム 1.85gを含むDMF溶液 6mlを室温で3時間撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が346mgの白色固体として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 6.62−6.60 (2H, m), 6.23 (1H, t, J = 2.1 Hz), 6.13 (2H, d, J = 2.1 Hz), 3.65 (6H, s), 2.87 (3H, s), 2.76−2.74 (4H, m).
【0508】
[合成例18]
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号134)
【0509】
【化55】
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【0510】
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロピリジン−2(1H)−オン 320mgと二酸化マンガン 4.42gを含むジクロロメタン溶液 12mlを、加熱還流下で5時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物をセライト濾過した。濾液を減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が263mgの白色固体として得られた。
【0511】
[合成例19]
5−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オンの合成(化合物番号136)
【0512】
【化56】
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【0513】
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン 163mgとN−クロロスクシンイミド 64mgを含むDMF溶液 6mlを、80℃で5時間撹拌した。さらにN−クロロスクシンイミド 45mgを追加して、100℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が150mgの白色固体として得られた。
【0514】
〈参考例1〉
ステップ1:2−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)エタノンの合成
【0515】
【化57】
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【0516】
2−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)酢酸 2.05gを含むTHF溶液 30mlを−78℃に冷却した後に、1.9mol/LのヘキサメチルジシラザンナトリウムのTHF溶液 17.21mlを−50℃以下で滴下して、−78℃で40分間撹拌した。これに2,6−ジフルオロ安息香酸メチル 1.76gを含むTHF溶液 10mlを−78℃で滴下した後に、室温まで昇温して1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて撹拌した後に、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、表題の化合物を2.58gの黄色油状物質として得た。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.40−7.38 (1H, m), 7.28−7.27 (1H, m), 6.96−6.94 (2H, m), 6.83 (1H, d, J = 3.1 Hz), 6.78 (1H, dd, J = 8.9, 3.1 Hz), 4.27 (2H, s), 3.79 (3H, s).
【0517】
ステップ2:4−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−オキソペンタン酸エチルの合成
【0518】
【化58】
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【0519】
2−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)エタノン 1.30gを含むTHF溶液 15mlに、カリウム t−ブトキシド 98mgとアクリル酸エチル 525μlを加えて、氷冷下で終夜で撹拌した。反応混合物に1規定の塩酸と酢酸エチルを加えて分液した後に、得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去した後に、表題の化合物を1.69gの黄色油状物質として得た。これ以上精製することなく、次の反応に使用した。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.36−7.25 (1H, m), 7.19 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.83 (2H, t, J = 8.1 Hz), 6.74−6.71 (2H, m), 4.91 (1H, t, J = 7.2 Hz), 4.13 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.76 (3H, s), 2.57−2.53 (1H, m), 2.42−2.29 (2H, m), 2.16−2.07 (1H, m), 1.25 (3H, t, J = 7.1 Hz).
【0520】
ステップ3:4−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−オキソペンタン酸の合成
【0521】
【化59】
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【0522】
4−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−オキソペンタン酸エチル 1.69gを含むTHF 40mlと水 10mlとの混合溶液に、水酸化リチウム1水和物 0.74gを加えて、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後に、液量が半分程度になるまで反応混合物の溶媒を留去した。これに水とジエチルエーテルを加えて分液し、得られた水層に濃塩酸と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、減圧下にて溶媒留去した後に、表題の化合物を1.47gの黄色ガム状物質として得た。これ以上精製することなく、次の反応に使用した。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.28−7.27 (1H, m), 7.19 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.83 (2H, t, J = 8.3 Hz), 6.75−6.74 (1H, m), 6.71 (1H, dd, J = 8.6, 3.1 Hz), 4.92 (1H, t, J = 7.3 Hz), 3.75 (3H, s), 2.60−2.34 (3H, m), 2.15−2.12 (1H, m).
【0523】
〈参考例2〉
ステップ1:N’−(2−クロロ−5−フルオロベンジリデン)−4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジドの合成
【0524】
【化60】
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【0525】
2−クロロ−5−フルオロベンズアルデヒド 25.43gと4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジド 29.87gを含むエタノール溶液 250mlを室温で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷冷下で1時間撹拌した後に析出物を濾過し、表題の化合物を40.74gの白色固体として得た。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 8.27 (1H, s), 8.10 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.88 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.58 (1H, dd, J = 9.2, 3.1 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.30−7.28 (1H, m), 7.02−6.99 (1H, m), 2.43 (3H, s).
【0526】
ステップ2:2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−(2,4,6−トリフルオロフェニル)エタノンの合成
【0527】
【化61】
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【0528】
水酸化ナトリウム 4.0gを含む水溶液 600mlに、N’−(2−クロロ−5−フルオロベンジリデン)−4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジド 32.7gと2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド 8.0gを加えて、80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルと塩化アンモニウム 15.0gを加えて撹拌し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が6.13gの淡黄色固体として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.36−7.34 (1H, m), 7.04−7.02 (1H, m), 6.98−6.96 (1H, m), 6.76−6.72 (2H, m) 4.26 (2H, s).
【0529】
ステップ3:4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸エチルの合成
【0530】
【化62】
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【0531】
2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−(2,4,6−トリフルオロフェニル)エタノン 6.13gを含むTHF溶液 75mlを氷冷し、カリウム t−ブトキシド 0.45gとアクリル酸エチル 2.23gを加えて、室温で8時間撹拌した。反応混合物に10%の塩酸を加えた後に、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後に、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が4.97gの淡黄色油状物質として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.30 (1H, dd, J = 8.9, 5.2 Hz), 7.01−6.98 (1H, m), 6.92−6.90 (1H, m), 6.66−6.60 (2H, m), 4.89 (1H, t, J = 7.2 Hz), 4.13 (2H, q, J = 7.2 Hz), 2.54−2.52 (1H, m), 2.35−2.31 (2H, m), 2.12−2.09 (1H, m), 1.25 (3H, t, J = 7.2 Hz).
【0532】
ステップ4:4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸の合成
【0533】
【化63】
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【0534】
4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸エチル 4.97gを含むTHF溶液 100mlに、水 25mlと水酸化リチウム1水和物2.59gを加えて、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物を減圧下で溶媒留去した。これに、水とジエチルエーテルを加えて分液を行った。次いで、得られた水層に濃塩酸を加えて酸性化した後に、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去を行い、表題の化合物が4.46gの無色透明ガム状物質として得られた。これ以上精製することなく、次の反応に使用した。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 7.32−7.29 (1H, m), 7.00−6.97 (1H, m), 6.94−6.89 (1H, m), 6.64−6.60 (2H, m), 4.89 (1H, t, J = 7.2 Hz), 2.58−2.06 (4H, m).
【0535】
〈参考例3〉
ステップ1:N’−(3,5−ジメトキシベンジリデン)−4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジドの合成
【0536】
【化64】
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【0537】
3,5−ジメトキシベンズアルデヒド 10.0gと4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジド 11.2gを含むエタノール溶液 100mlを室温で5時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で溶媒留去した後に、表題の化合物が20.0gの黄色固体として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 8.13 (1H, s), 7.87 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.68 (1H, s), 7.30 (2H, d, J = 7.8 Hz), 6.72 (2H, d, J = 2.4 Hz), 6.46 (1H, t, J = 2.4 Hz), 3.79 (6H, s), 2.40 (3H, s).
【0538】
ステップ2:2−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2,4,6−トリフルオロフェニル)エタノンの合成
【0539】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0540】
N’−(3,5−ジメトキシベンジリデン)−4−メチルベンゼンスルホニルヒドラジド 6.68gを含む水溶液 100mlに、水酸化ナトリウム 0.80gを溶解した水溶液 20mlと 2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド 1.60gを加えて、80℃で90分間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が1.85gの黄色油状物質として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 6.68−6.66 (2H, m), 6.35 (3H, s),4.06 (2H,s), 3.75 (6H, s).
【0541】
ステップ3:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸エチルの合成
【0542】
【化66】
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【0543】
2−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2,4,6−トリフルオロフェニル)エタノン 1.85gを含むTHF溶液 18mlに、カリウム t−ブトキシド 67mgとアクリル酸エチル 714μlを加えて、氷冷下で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後に、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。表題の化合物が1.51gの褐色油状物質として得られた。
1H−NMR (CDCl
3) δ: 6.61−6.57 (2H, m), 6.31−6.29 (3H, m), 4.19 (1H, t, J = 7.3 Hz), 4.13 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.73 (6H, s), 2.49−2.47 (1H, m), 2.30 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.09−2.07 (1H, m), 1.25 (3H, t, J = 7.1 Hz)
【0544】
ステップ4:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸の合成
【0545】
【化67】
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【0546】
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−オキソ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ペンタン酸エチル 1.51gと濃塩酸3mlを含む酢酸溶液 15mlを60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後に、反応混合物に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去し、表題の化合物が得られた。これ以上精製することなく、次工程の反応に使用した。
【0547】
表4に、前記した実施例に準じて合成した化合物を示すが、これらに限定されるものではない。
構造Aは以下を表す。
【0548】
【化68】
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【0549】
構造Bは以下を表す。
【0550】
【化69】
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【0551】
構造Cは以下を表す。
【0552】
【化70】
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【0553】
構造Dは以下を表す。
【0554】
【化71】
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【0555】
【表56】
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【0556】
【表57】
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【0557】
【表58】
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【0558】
【表59】
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【0559】
【表60】
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【0560】
【表61】
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【0561】
【表62】
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【0562】
【表63】
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【0563】
【表64】
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【0564】
【表65】
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【0565】
【表66】
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【0566】
【表67】
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【0567】
【表68】
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【0568】
【表69】
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【0569】
【表70】
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【0570】
【表71】
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【0571】
【表72】
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【0572】
【表73】
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【0573】
【表74】
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【0574】
【表75】
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【0575】
次に、表4に記載の化合物について、表5にそれらの
1H−NMRデータを示す。
【0576】
【表76】
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【0577】
【表77】
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【0578】
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【0579】
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【0580】
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【0581】
【表81】
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【0582】
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【0583】
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【0584】
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【0585】
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【0586】
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【0587】
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【0592】
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【0593】
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【0594】
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【0595】
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【0596】
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【0597】
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【0598】
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【0599】
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【0600】
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【0601】
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【0606】
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【0610】
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【0614】
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【0616】
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【0620】
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【0621】
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【0624】
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【0625】
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【0626】
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【0627】
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【0628】
【表128】
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【0629】
【表129】
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【0630】
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【0631】
【表131】
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【0632】
【表132】
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【0633】
次に、本発明化合物が植物病害に有効であることを具体的に示すが、これらの例に限定されるものではない。
[試験例A] イネいもち病
供試植物(イネ品種:幸風)の種子を播種後、第2葉が展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、1〜2×10
5個/mlのイネいもち病菌(Magnaporthe grisea)の分生胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20〜23℃の湿室に約24時間放置し、発病を促した。接種6〜10日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0634】
[試験例B] トマト灰色かび病
供試植物(トマト品種:大型福寿)の種子を播種後、本葉が3〜5枚展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、4〜8×10
5個/mlの灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20〜23℃の湿室に約48時間放置し、発病を促した。接種2〜3日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0635】
[試験例C] キャベツ黒すす病
供試植物(キャベツ品種:四季穫)の種子を播種後、子葉が展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、4〜8×10
5個/mlのキャベツ黒すす病菌(Alternaia brassicicola)の分生胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20〜23℃の湿室に約48時間放置し、発病を促した。接種2〜3日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0636】
[試験例D] オオムギうどんこ病
供試植物(オオムギ品種:赤神力)の種子を播種後、第1葉が展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、オオムギうどんこ病菌(Blumeria graminis f.sp.hordei)の分生胞子を叩き落して接種した。接種後、6〜10日後の発病程度を調査し、その効果を評価した。
【0637】
[試験例E] コムギ赤さび病
供試植物(コムギ品種:農林61号)の種子を播種後、第1葉が展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、1〜2×10
5個/mlのコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20〜23℃の湿室に約24時間放置し、発病を促した。接種7〜10日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0638】
[試験例F] トマト疫病
供試植物(トマト品種:大型福寿)の種子を播種後、本葉が3〜5枚展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、4〜8×10
3個/mlのトマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子のう懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20℃の湿室に約24時間放置し、発病を促した。接種5〜10日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0639】
[試験例G] ブドウべと病
供試植物(ブドウ品種:ネオマスカット)の種子を播種後、本葉が3〜4枚展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、1〜2×10
4個/mlのブドウべと病菌(Plasmopara viticola)の遊走子のう懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20℃の湿室に約24時間放置し、発病を促した。接種7〜10日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0640】
[試験例H] キュウリ炭疽病
供試植物(キュウリ品種:相模半白)の種子を播種後、本葉が1枚展開するまで栽培した。試験では、本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:9/1)に溶解し、250ppmの濃度となるように井戸水で希釈して薬液を得た。得られた薬液を供試植物に散布した(2.5ml/ポット)。薬液が乾燥した後の植物に、2〜4×10
5個/mlのキュウリ炭疽病菌(Colletotrichum orbiculare)の分生胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後、室温が20〜23℃の湿室に約24時間放置し、発病を促した。接種6〜10日後の発病程度を調査し、薬液の効果を評価した。
【0641】
以上の試験例の発病程度について、無発病の植物の発病程度を0、薬剤無処理区の植物の発病程度を3として、0.05ごとの発病程度の評価を行った。また、発病程度から以下の計算式に従って防除価を算出した。
<防除価>
防除価=100{1−(n/3)}
n=各薬剤処理区の発病程度
以上の試験結果をまとめたものを表6に示す。表中、Hは防除価が50%より大きいもの表し、Lは防除価が50%以下を表す。また、ntは試験を実施しなかったことを表す。
【0642】
【表133】
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【0643】
【表134】
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【0644】
【表135】
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【0645】
【表136】
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【0646】
【表137】
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【0647】
【表138】
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【0648】
【表139】
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【0649】
【表140】
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【0650】
【表141】
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【0651】
【表142】
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【0652】
【表143】
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【0653】
【表144】
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【0654】
【表145】
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【0655】
【表146】
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【0656】
【表147】
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【0657】
【表148】
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【0658】
【表149】
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【0659】
【表150】
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